JPH10274495A - 鋼球分配器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼球の均等な分配を行うことができ、且つ伝
熱管に対する衝撃力を緩和して伝熱管の寿命低下を抑え
つつ、付着した灰や煤塵を確実に除去し得る鋼球分配器
を提供する。 【解決手段】 軸心が鉛直方向に延びるよう設置される
円筒状のケーシング１２内下部に、円錐状の分配板２６
を同心状に配設し、前記ケーシング１２内における分配
板２６の上方に、上端に鋼球入口２７が接続され且つ下
端に複数の鋼球落下口２８がそれぞれ軸心から所要量Ｌ
だけ偏心するよう分岐形成された回転ノズル２９を、ケ
ーシング１２の軸心を中心として回転可能に配設し、前
記ケーシング１２底部の内周縁部における分配板２６外
周部に、上面の開口面積が等しい多数の分配口１３を等
分割形成し、該各分配口１３に、下端が鋼球散布器に接
続される多数の鋼球分配管５の上端を接続し、鋼球分配
器４を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガスガスヒータ伝
熱面に付着した灰や煤塵を除去するためのショットクリ
ーニング装置における鋼球散布器へ鋼球を均等に分配す
る鋼球分配器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４に示される如く、ボイラから排出さ
れたボイラ排ガスＧＥを送給するための排ガスダクト１
中には、いわゆるガスガスヒータ２が設けられており、
該ガスガスヒータ２においては、伝熱管群３内を流れる
熱媒によりボイラ排ガスＧＥから熱を回収し、熱媒によ
り回収した熱は排ガスダクト１に設けた別のガスガスヒ
ータ（図示せず）で放熱し得るようになっている。

【０００３】而して、上述のガスガスヒータ２において
は、運転に伴い伝熱管群３に灰や煤塵が付着し、熱回収
効率が低下するため、これら灰や煤塵を除去すべく、従
来からショットクリーニング装置が使用されている。

【０００４】斯かるショットクリーニング装置は、図４
に示される如く、ガスガスヒータ２のケーシング２ａ上
部に設置され且つ下面に多数の鋼球分配管５が接続され
た鋼球分配器４と、該鋼球分配器４の各鋼球分配管５の
下端に接続されると共に下方に反撥板６を有する鋼球散
布器７を備えており、鋼球分配器４で分配されて各鋼球
分配管５へ分配された径が約５［ｍｍ］程度の鋼球Ｂ
は、鋼球分配管５から鋼球散布器７の垂直配置された案
内管を通って反撥板６へ落下し、反撥板６で反撥して平
面的に見て或る程度広がった状態でガスガスヒータ２の
伝熱管群３上へ落下し、伝熱管群３を構成する伝熱管に
衝突しつつ落下する過程で伝熱管に付着した灰や煤塵を
除去するようになっている。

【０００５】伝熱管に衝突しつつ落下した鋼球Ｂは、ガ
スガスヒータ２のケーシング２ａの下部に接続された切
出ゲート８により鋼球ダスト除去装置９へ切り出され、
該鋼球ダスト除去装置９において付着したダストが除去
されつつ、バケットエレベータの如き垂直搬送装置１０
へ送給され、垂直搬送装置１０により上方へ搬送され、
シュート管１１により鋼球分配器４へ戻され、再び伝熱
管に付着した灰や煤塵の除去に使用されるようになって
いる。

【０００６】前記鋼球分配器４としては、従来、例え
ば、特開平７−６３４９４号公報や特開平７−１２０１
９３号公報に記載されたようなものが存在する。

【０００７】前記特開平７−６３４９４号公報に記載さ
れたものは、図５に示される如く、軸心が鉛直方向に延
びるよう設置される円筒状のケーシング１２底部の内周
縁部に、上面の開口面積が等しい多数の分配口１３を等
分割形成し、該各分配口１３に、下端が鋼球散布器７
（図４参照）に接続される多数の鋼球分配管５の上端を
接続し、前記ケーシング１２内に、内筒１４を駆動装置
１５の作動によりケーシング１２の軸心を中心に回転可
能となるよう配設し、該内筒１４の下端部内周面側に、
上面の入口開口面積を他より大きくした鋼球受け１６ａ
と、該鋼球受け１６ａと下面の出口開口面積を等しくし
た多数の鋼球受け１６ｂとを、前記分配口１３と同数配
設し、前記ケーシング１２内上部に、鋼球投入口１７か
ら鋼球Ｂが投入される回転シュート１８を、駆動装置１
９の作動によりケーシング１２の軸心を中心に回転可能
となるよう配設し、該回転シュート１８下部における周
方向所要位置から、鋼球放出口２０を前記鋼球受け１６
ａ，１６ｂの上方に開口するよう延設してなる構成を有
している。

【０００８】図５に示される如き特開平７−６３４９４
号公報に記載された鋼球分配器４においては、駆動装置
１９の作動により回転シュート１８を高速で回転させた
状態で、鋼球投入口１７から鋼球Ｂを投入すると、鋼球
Ｂは、下方の鋼球受け１６ａ，１６ｂに順次落下し、更
にその下方の分配口１３から鋼球分配管５を経て鋼球散
布器７へ導かれ、該鋼球散布器７からガスガスヒータ２
の伝熱管群３上へ落下し、付着した灰や煤塵を除去する
ようになっており、その際、前述の如く、回転シュート
１８を高速で回転させることにより、各分配口１３に対
して非常に短い周期で鋼球Ｂが分配され、擬似的に全て
の分配口１３へ均一且つ連続的に鋼球Ｂの分配が行われ
るようになっている。

【０００９】又、前記鋼球受け１６ａは、他の鋼球受け
１６ｂよりも上面の入口開口面積を大きくしてあるの
で、鋼球受け１６ａには他の鋼球受け１６ｂに比べたく
さんの鋼球Ｂが入ることとなり、ここで、駆動装置１５
の作動により内筒１４と一緒に前記鋼球受け１６ａ，１
６ｂを断続的に或いは低速で連続的に回転させると、入
口開口面積の大きい鋼球受け１６ａの位置が周方向へ順
次移動し、これに伴って、たくさんの鋼球Ｂが集中的に
散布される箇所も順次移って行き、伝熱管群３の所要箇
所へ周期的に一定時間集中的な鋼球Ｂの散布が行われる
ようになっている。

【００１０】尚、この場合の各鋼球分配管５における時
間と鋼球Ｂの投入量との関係は、図６に示されるように
なる。

【００１１】一方、前記特開平７−１２０１９３号公報
に記載されたものは、図７及び図８に示される如く、軸
心が鉛直方向に延びるよう設置される円筒状のケーシン
グ１２内下部に、円錐状の分散板２１を同心状に配設
し、前記ケーシング１２底部の内周縁部における分散板
２１外周部に、上面の開口面積が等しい多数の分配口１
３を等分割形成し、該各分配口１３に、下端が鋼球散布
器７（図４参照）に接続される多数の鋼球分配管５の上
端を接続し、前記ケーシング１２の軸心部に、前記分散
板２１の頂部へ鋼球Ｂを投入するための第一の鋼球投入
口２２を配設し、前記ケーシング１２内における分散板
２１の上方に、第二の鋼球投入口２３から鋼球Ｂが投入
される回転シュート２４を、駆動装置２５の作動により
ケーシング１２の軸心を中心として回転可能に配設する
と共に、該回転シュート２４の下部外周所要位置に、鋼
球Ｂを分配口１３上に落下せしめるシュートノズル２４
ａを接続してなる構成を有している。

【００１２】図７及び図８に示される如き特開平７−１
２０１９３号公報に記載された鋼球分配器４において
は、第一の鋼球投入口２２から投入された鋼球Ｂは、分
散板２１の頂部に落下し、該分散板２１上から各分配口
１３へ連続分配され、各分配口１３から鋼球分配管５を
経て鋼球散布器７へ導かれ、該鋼球散布器７からガスガ
スヒータ２の伝熱管群３上へ落下し、付着した灰や煤塵
を除去するようになっており、又、第二の鋼球投入口２
３から投入された鋼球Ｂは、回転シュート２４のシュー
トノズル２４ａから特定の分配口１３へ集中して分配さ
れ、ここで、駆動装置２５の作動により前記回転シュー
ト２４を断続的に或いは低速で連続的に回転させると、
シュートノズル２４ａの位置が周方向へ順次移動し、こ
れに伴って、たくさんの鋼球Ｂが集中的に散布される箇
所も順次移って行き、伝熱管群３の所要箇所へ周期的に
一定時間集中的な鋼球Ｂの散布が行われるようになって
いる。

【００１３】尚、この場合も、各鋼球分配管５における
時間と鋼球Ｂの投入量との関係は、図６に示されるよう
になる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５に
示される従来の鋼球分配器４では、回転シュート１８を
高速で回転させることにより、全ての分配口１３に対し
てあくまでも擬似的に均一且つ連続的に鋼球Ｂの分配が
行われるようにしているだけであり、鋼球Ｂの均等な分
配は難しく、又、伝熱管群３の所要箇所へ周期的に一定
時間集中的な鋼球Ｂの散布が行われるようにした場合、
伝熱管に対する衝撃力が大きくなりすぎ、伝熱管や該伝
熱管に固着されたフィン等に与える変形や損耗が大きく
なり、伝熱管の寿命低下につながるといった不具合を有
していた。

【００１５】又、図７及び図８に示される従来の鋼球分
配器４では、鋼球Ｂを単に分散板２１の頂部に落下さ
せ、該分散板２１上から各分配口１３へ連続分配させる
ようにしているため、鋼球Ｂの分散板２１上における流
下に偏りが生じることはどうしても避けられず、やはり
鋼球Ｂの均等な分配は困難となり、又、前述と同様、伝
熱管群３の所要箇所へ周期的に一定時間集中的な鋼球Ｂ
の散布が行われるようにした場合、伝熱管に対する衝撃
力が大きくなりすぎ、伝熱管や該伝熱管に固着されたフ
ィン等の変形や損耗が大きくなり、伝熱管の寿命低下に
つながるといった不具合を有していた。

【００１６】本発明は、斯かる実情に鑑み、鋼球の均等
な分配を行うことができ、且つ伝熱管に対する衝撃力を
緩和して伝熱管の寿命低下を抑えつつ、付着した灰や煤
塵を確実に除去し得る鋼球分配器を提供しようとするも
のである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明は、軸心が鉛直方
向に延びるよう設置される円筒状のケーシングと、該ケ
ーシング内下部に同心状に配設された円錐状の分配板
と、前記ケーシング内における分配板の上方にケーシン
グの軸心を中心として回転可能に配設され、上端に鋼球
入口が接続され且つ下端に複数の鋼球落下口がそれぞれ
軸心から所要量だけ偏心するよう分岐形成された回転ノ
ズルと、前記ケーシング底部の内周縁部における分配板
外周部に等分割形成された多数の分配口と、上端が前記
各分配口に接続され且つ下端が鋼球散布器に接続される
多数の鋼球分配管とを備えたことを特徴とする鋼球分配
器にかかるものである。

【００１８】前記鋼球分配器においては、分配板の上面
に軸心部から放射状に延びる多数の分配羽根を配設する
ことが有効である。

【００１９】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。

【００２０】回転ノズルを回転駆動した状態で、鋼球入
口から鋼球を投入すると、鋼球は回転ノズルの偏心した
複数の鋼球落下口から分配板上に落下し、周方向へ均等
に分配されて、各分配口から鋼球分配管を経て鋼球散布
器へ供給され、該鋼球散布器からガスガスヒータの伝熱
管群上へ落下し、付着した灰や煤塵が除去される。

【００２１】即ち、本発明においては、鋼球を単に分配
板の頂部に落下させるのではなく、回転ノズルを回転さ
せた状態で、該回転ノズルの偏心させた複数の鋼球落下
口から鋼球を分配板上に落下させているため、鋼球の分
配板上における流下に偏りが生じにくくなり、鋼球の均
等な分配が可能となる。

【００２２】又、本発明の場合、伝熱管群の所要箇所へ
周期的に一定時間集中的な鋼球の散布が行われなくな
り、伝熱管に対する衝撃力が大きくなりすぎず、伝熱管
や該伝熱管に固着されたフィン等の変形や損耗が大きく
ならず、伝熱管の寿命低下も回避される。

【００２３】前記鋼球分配器において、分配板の上面に
軸心部から放射状に延びる多数の分配羽根を配設する
と、回転する回転ノズルの偏心した複数の鋼球落下口か
ら分配板上に落下した鋼球は、各分配羽根に沿ってほと
んど偏りを生じることなく流下する形となり、鋼球のよ
り均等な分配が可能となる。

【００２４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。

【００２５】図１〜図３は本発明を実施する形態の一例
であって、図中、図４〜図８と同一の符号を付した部分
は同一物を表わしており、軸心が鉛直方向に延びるよう
設置される円筒状のケーシング１２内下部に、円錐状の
分配板２６を同心状に配設し、前記ケーシング１２内に
おける分配板２６の上方に、上端に鋼球入口２７が接続
され且つ下端に複数の鋼球落下口２８がそれぞれ軸心か
ら所要量Ｌだけ偏心するよう分岐形成された回転ノズル
２９を、ケーシング１２の軸心を中心として回転可能に
配設し、前記ケーシング１２底部の内周縁部における分
配板２６外周部に、上面の開口面積が等しい多数の分配
口１３を等分割形成し、該各分配口１３に、下端が鋼球
散布器７（図４参照）に接続される多数の鋼球分配管５
の上端を接続し、鋼球分配器４を構成する。

【００２６】本図示例の場合、前記分配板２６の上面に
は、軸心部から放射状に延びる多数の分配羽根３０を配
設してある。

【００２７】又、前記回転ノズル２９は、モータ等の駆
動装置３１によりピニオン３２とギア３３を介して回転
駆動されるようにしてある。

【００２８】次に、上記図示例の作動を説明する。

【００２９】回転ノズル２９を駆動装置３１によりピニ
オン３２とギア３３を介して回転駆動した状態で、鋼球
入口２７から鋼球Ｂを投入すると、鋼球Ｂは回転ノズル
２９の偏心した複数の鋼球落下口２８から分配板２６上
に落下し、各分配羽根３０に沿って流下し、周方向へ均
等に分配されて、各分配口１３から鋼球分配管５を経て
鋼球散布器７へ供給され、該鋼球散布器７からガスガス
ヒータ２の伝熱管群３上へ落下し、付着した灰や煤塵が
除去される。

【００３０】即ち、本図示例においては、鋼球Ｂを単に
分配板２６の頂部に落下させるのではなく、回転ノズル
２９を回転させた状態で、該回転ノズル２９の偏心させ
た複数の鋼球落下口２８から鋼球を分配板２６上に落下
させ、且つ各分配羽根３０に沿って流下させているた
め、鋼球Ｂの分配板２６上における流下にほとんど偏り
が生じなくなり、鋼球Ｂの均等な分配が可能となる。

【００３１】又、本図示例の場合、各鋼球分配管５にお
ける時間と鋼球Ｂの投入量との関係は、図３に示すよう
になり、伝熱管群３の所要箇所へ周期的に一定時間集中
的な鋼球Ｂの散布が行われなくなり、伝熱管に対する衝
撃力が大きくなりすぎず、伝熱管や該伝熱管に固着され
たフィン等の変形や損耗が大きくならず、伝熱管の寿命
低下も回避される。

【００３２】尚、伝熱管に付着した灰や煤塵をたたき落
とすエネルギは、図３におけるハッチング部分の面積の
総和であると考えられるため、単位時間当りに最低限必
要な量の鋼球Ｂを各鋼球分配管５へ投入してやれば、伝
熱管に対して過大な衝撃力を与えなくても、付着した灰
や煤塵は確実に除去されることとなる。

【００３３】こうして、鋼球Ｂの均等な分配を行うこと
ができ、且つ伝熱管に対する衝撃力を緩和して伝熱管の
寿命低下を抑えつつ、付着した灰や煤塵を確実に除去し
得る。

【００３４】尚、本発明の鋼球分配器は、上述の図示例
にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。

【００３５】

【発明の効果】以上、説明したように本発明の鋼球分配
器によれば、鋼球の均等な分配を行うことができ、且つ
伝熱管に対する衝撃力を緩和して伝熱管の寿命低下を抑
えつつ、付着した灰や煤塵を確実に除去し得るという優
れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する形態の一例の側断面図であ
る。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。

【図３】本発明を実施する形態の一例における各鋼球分
配管での時間と鋼球投入量との関係を表わす線図であ
る。

【図４】ショットクリーニング装置の一例の概要構成図
である。

【図５】従来の鋼球分配器の一例を表わす斜視図であ
る。

【図６】従来例における各鋼球分配管での時間と鋼球投
入量との関係を表わす線図である。

【図７】従来の鋼球分配器の他の例の側断面図である。

【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ矢視図である。

【符号の説明】

４ 鋼球分配器 ５ 鋼球分配管 ７ 鋼球散布器 １２ ケーシング １３ 分配口 ２６ 分配板 ２７ 鋼球入口 ２８ 鋼球落下口 ２９ 回転ノズル ３０ 分配羽根 Ｂ 鋼球

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂積 清介 茨城県稲敷郡東村大字釜井字立切1720 石 川島検査計測株式会社霞ヶ浦事業所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸心が鉛直方向に延びるよう設置される
   円筒状のケーシングと、 該ケーシング内下部に同心状に配設された円錐状の分配
   板と、 前記ケーシング内における分配板の上方にケーシングの
   軸心を中心として回転可能に配設され、上端に鋼球入口
   が接続され且つ下端に複数の鋼球落下口がそれぞれ軸心
   から所要量だけ偏心するよう分岐形成された回転ノズル
   と、 前記ケーシング底部の内周縁部における分配板外周部に
   等分割形成された多数の分配口と、 上端が前記各分配口に接続され且つ下端が鋼球散布器に
   接続される多数の鋼球分配管とを備えたことを特徴とす
   る鋼球分配器。
2. 【請求項２】 分配板の上面に軸心部から放射状に延び
   る多数の分配羽根を配設した請求項１記載の鋼球分配
   器。