JPH10274391A - 耐外圧性に優れたfrp圧力容器 - Google Patents

耐外圧性に優れたfrp圧力容器

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JPH10274391A
JPH10274391A JP8064497A JP8064497A JPH10274391A JP H10274391 A JPH10274391 A JP H10274391A JP 8064497 A JP8064497 A JP 8064497A JP 8064497 A JP8064497 A JP 8064497A JP H10274391 A JPH10274391 A JP H10274391A
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frp
rib
pressure vessel
pressure
layer
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Makoto Saito
斎藤  誠
Yasuto Kataoka
保人 片岡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力容器の外圧に対する剛性および強度を向
上させると共に、重量や円筒部の形状が大となることを
極力抑制して、かつ安価で製造が容易なプラスチック製
ライナーFRP圧力容器、特に、液化石油ガス用に用い
られるプラスチック製ライナーFRP圧力容器を提供す
る。 【解決手段】 ライナーの外面にFRP層が積層されて
なるFRP圧力容器において、さらに、前記FRP層の
外周面に強化繊維からなるリブ状の強化帯を成形し、か
つ、前記FRP層の外周面と前記リブ状の強化帯とが固
着してなるFRP圧力容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐外圧性に優れた
FRP圧力容器に関するもので、特には、液化石油ガス
に用いられるプラスチック製ライナーを有する耐外圧性
に優れたFRP圧力容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧力容器は液化石油ガス(LPG)、圧
縮天然ガス(CNG)等の燃料用、及び空気呼吸器等の
医療・防災用に用いられている。これら圧力容器には、
主に鋼製容器が用いられてきた。しかしながら、鋼製圧
力容器は重く、これら圧力容器はしばしば運搬して使用
されるために、その軽量化が強く望まれてきた。この要
望に対する解決策として、アルミ合金ライナーの外側を
FRP(繊維強化プラスチック)で補強した圧力容器が
開発されてきた。この圧力容器は、鋼製圧力容器に比較
して1/3〜1/2程度に軽量化される。しかし、アル
ミ合金ライナーを製作するためのコストが高いことが問
題であった。このため、最近になって、ライナーを比較
的安価に製作できるプラスチック製ライナーFRP圧力
容器(ライナーの外面にFRP層が積層されてなるFR
P圧力容器)が開発されている。
【0003】このプラスチック製ライナーFRP圧力容
器1は、図8に示すように、プラスチック製ライナー
5、FRPヘリカル層4a、FRPフープ層4bで構成
されている。プラスチック製ライナーは通常、ブロー成
型法、回転成型法でつくられる。また、FRPヘリカル
層、フープ層はFW法(フィラメント・ワインディング
法)でつくられる。FW法は、繊維束(繊維を数千本束
ねたもの)に樹脂を含浸させ、張力を作用させながら繊
維束をプラスチック製ライナーに順次巻き付けていく成
型法である。ヘリカル層では繊維束は主に圧力容器軸方
向(長手方向)に巻き付けられ、圧力容器軸方向の補強
を、フープ層では繊維束は圧力容器円周方向に巻き付け
られ、圧力容器円周方向の補強を担うことになる。強化
繊維には、剛性の高いガラス繊維、炭素繊維やケブラー
繊維が用いられている。
【0004】このように、プラスチック製ライナーFR
P圧力容器は強化繊維で強化され、さらに円筒型形状で
あるので、内圧に対して強い構造になっている。このプ
ラスチック製ライナーFRP圧力容器は、アルミ合金ラ
イナーFRP圧力容器とほぼ同等の軽量性(鋼製圧力容
器重量の1/3〜1/2)を有しており、アルミ合金ラ
イナーFRP圧力容器よりも安価に製造可能である。こ
のため、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CN
G)等の燃料用、及び空気呼吸器等の医療・防災用に用
いられつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラスチッ
ク製ライナーFRP圧力容器を、液化石油ガス(LP
G)用圧力容器として用いる場合、LPGの充填時に圧
力容器を真空引きして、圧力容器内の水分を除去する工
程を取られることが多く、プラスチック製ライナーFR
P圧力容器では、変形する場合もある。さらに、LPG
用圧力容器は一般家庭で使われる場合、圧力容器にLP
Gをつめて運搬されるため、内圧だけでなく、外圧にも
強い構造が要求される。例えば、一般家庭に配送される
運搬型圧力容器では転倒、落下、衝突など種々の粗雑な
扱いを受ける可能性が高く、ガス圧に耐えるだけでな
く、外から押された場合のような外力にも一定の強度が
要求される。LPGの充填時の圧力も約2.0MPa
(20kgf/cm2 )程度と他の圧力容器に比較して
低く、LPGの使用後の返却時の圧力容器の圧力が大気
圧とほほ同じ圧力の場合もあり、外圧に対抗する内圧が
なくは極端に弱い状態となる場合がある。また、LPG
の充填時に圧力容器を真空引きして、圧力容器内の水分
を除去する工程を取られることも多く、プラスチック製
ライナーFRP圧力容器では、変形する場合もある。
【0006】一方、鋼やアルミ製圧力容器の場合は素材
自体の剛性が高いため、ガス内圧に耐える設計をすれば
同時に外圧に対する強度は確保され、前述のような問題
も発生しない。しかしながら、プラスチック製ライナー
圧力容器ではライナー自身は剛性がきわめて低く、また
強化繊維層は内圧に対しては有効に補強できるが、特
に、LPG用の低圧圧力容器では強化層がきわめて薄い
ため、外圧に対してはあまり補強作用を持たない。した
がって、運搬型のプラスチック圧力容器では外圧に対し
て何らかの強化策が特別に必要になってくる。
【0007】プラスチック製ライナーFRP圧力容器の
強化策とし、内圧の耐圧強度を改善するものとして、特
公平5−88665号公報には、プラスチック製内筒の
外周に補強繊維シートで覆うことにより、FWのために
必要かつ十分な剛性を確保して、軽量のボンベの内筒
(マンドレル)を作り、この内筒にFW法により繊維強
化プラスチック層を形成することにより、耐圧性に優れ
た軽量の複合材料ボンベの製造方法が開示されている。
【0008】また、特開平5−164295号公報に
は、波入り円筒部分と当該円筒圧力容器によって隔てら
れている2つの底で構成され、この波入り円筒部分は円
周方向に補強が施されており、さらに圧力容器の外構体
全体にわたって長手方向引張荷重に抵抗手段が設けられ
た圧力容器が開示されている。この圧力容器は軽量化と
耐圧強度の優れた圧力容器となることが開示されてい
る。なお、前記円周方向の補強は前記波入り円筒部分の
波の外側に補強繊維入り化合物(樹脂)が詰められてお
り、長手方向の引張荷重抵抗手段は、繊維等で補強する
ものである。
【0009】これらの方法は、いずれも、内圧の耐圧強
度を改善するものである。しかし、特公平5−8866
5号公報の方法では、内筒の外周に補強繊維シートで覆
うことにより、内筒全面が厚くなり、特開平5−164
295号公報の方法では、波入り円筒部分の波の外側に
補強繊維入り化合物が詰めらており、重量増につながる
ことになる。これらの方法は、プラスチック製ライナー
FRP圧力容器の製造工程を複雑にしてコストアップに
なるとともに、プラスチック製ライナーFRP圧力容器
の軽量化にもに限界がある。
【0010】そこで、本発明は上述の問題点を改善すべ
くなしたもので、その目的は、圧力容器の内圧に対抗す
ることは勿論のこと、外圧に対する剛性および強度を向
上させると共に、重量や円筒部の形状が大となることを
極力抑制して、かつ安価で製造が容易なプラスチック製
ライナーFRP圧力容器、特に、液化石油ガス用に用い
られるプラスチック製ライナーFRP圧力容器を提供す
ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、ライナ
ーの外面にFRP層が積層されてなるFRP圧力容器に
おいて、さらに、前記FRP層の外周面に強化繊維から
なるリブ状の強化帯を成形し、かつ、前記FRP層の外
周面と前記リブ状の強化帯とが固着してなることを特徴
とするものである。FRP層の外周面に強化繊維からな
るリブ状の強化帯を成形し、かつ、このリブ状の強化層
とが前記FRP層の外周面と固着することによって、圧
力容器の外圧に対する剛性および強度が向上する。
【0012】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成のうち、リブ状の強化帯がFRP層の外周
面にリング状または/およびスパイラル状に巻き付けら
れてなるFRP圧力容器である。リブ状の強化帯をFR
P層の外周面にリング状または/およびスパイラル状に
巻き付けることによって、圧力容器の外圧に対する剛性
および強度がより向上する。リブ状の強化帯がFRP圧
力容器の胴端部(円筒胴部と鏡板の境)又はこの胴端部
の近傍で圧力容器の中央側のFRP層の外周面にリング
状に巻き付けられていることが好ましい。転倒あるいは
従来の金属製容器と衝突する際、この部分に衝突物があ
たる可能性が高いからである。
【0013】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載の発明の構成に、リブ状の強化帯の断面高さHと
断面幅Bおよび、リブ状の強化帯の配設されている間隔
Lとの関係が、 ((B×H2 )/L)≧0.2 式 であるFRP圧力容器である。式の関係を満足するこ
とによって、より効果的に圧力容器の外圧に対する剛性
および強度を改善するもので圧力容器の胴部の直径が2
00〜400mmのFRP圧力容器に適用することが好
ましい。
【0014】また請求項4記載の発明は、請求項1乃至
3のいずれかに記載の発明の構成に、ライナーがプラス
チック製である液化石油ガス用FRP圧力容器である。
軽量で、製造コストが低いプラスチック製ライナーFR
P圧力容器を比較的充填圧力が低い液化石油ガスに用い
ることができる。ライナーに用いるプラスチックは、一
般にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオエ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ABS樹
脂等より選ばれる。特に、液化石油ガスの場合にはポリ
エチレンやナイロンを用いることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】前述した目的を達成するために、
発明者らは、圧力容器の外圧に対する剛性および強度を
向上させるために鋭意研究を行い本発明を完成した。圧
力容器のFRP層の外周面に強化繊維からなるリブ状の
強化帯を前記FRP層の外周面に固着して成形すること
により、圧力容器の外圧に対する剛性および強度を向上
させると共に、圧力容器の重量や形状の増大を抑制で
き、安価で製造が容易となるという知見を得て本発明を
完成した。
【0016】まず、本発明に至った過程について説明す
る。通常、圧力容器は図8に示すように上下(図では左
右)の鏡部は球面であるので外圧に対して強い構造であ
るが、円筒の胴部は外圧に対して弱い構造である。円筒
断面では、外圧に対する剛性は胴部の厚みに強く依存す
るので(板厚の3乗に比例)、円筒の胴部の肉厚を厚く
する方法と、補強リブを設ける方法がある。本発明で
は、胴部にリブ状の強化帯を設け、胴部に固着させるこ
とにより、外圧に対する剛性を向上させるものである。
この結果、胴部全体を一定に厚くするよりも軽量化が図
れ、製造コストも安価となる。
【0017】外から押された場合の負荷はこのリブ状の
強化帯でて支えることができ、ライナーはガスの透過バ
リヤとしての厚みだけあればよく、ライナーの重量が低
減できる。一方、リブ状の強化帯は重量に比べて外圧に
対する剛性が高い断面形状を取っているため、リブ状の
強化帯の重量増は少なくなり、圧力容器全体としては重
量増はほとんどない。すなわち、ライナー重量は大幅に
低減でき、新たに加えたリブ状の強化帯の重量増をほぼ
相殺できるからである。また、内圧については従来のF
RP層で持たせるが、リブ状の強化帯は内圧に対しても
効果があるのでFRP圧力容器の耐圧性が向上し、安全
性が向上する。
【0018】このリブ状の強化帯は、本来必要な作業工
程であるFW工程の中で、内圧に対するFRP層の成形
作業に引き続いて成形できることが判明した。このた
め、新たな工程を組む必要がなく、その後の硬化処理も
内圧用の繊維強化層と同時に処理できる。このように、
内圧に対するFRP層と同じ強化繊維で、リブ状の強化
帯を成形することができ、FRP層とリブ状の強化帯が
一体化できることになり、FRP圧力容器の安全性が向
上する。さらに、リブ状の強化帯を圧力容器本体に固定
するための特別の対策も不要となり、コストや重量の増
加が大幅に押さえられることも判明した。
【0019】また、リブ状の強化帯には剛性の高いガラ
ス繊維、炭素繊維やケブラー繊維が高密度で構成するも
のを用いることとなり、この強化帯の剛性が極めて高い
点も強化に有利となり、FRP圧力容器のライナーに用
いる素材の使用量は相対的に少なくなる。すなわち、強
化帯の大半は安価なガラス繊維の使用により、ライナー
の厚みを減らせることができ、ライナーに用いられるポ
リエチレンやナイロンなどの高価な樹脂の使用量を減ら
せることなり、FRP圧力容器の重量減とともにコスト
低減に大きく寄与することとなる。
【0020】次に、FRP圧力容器に用いる、リブ状の
強化帯の形状および配設条件について検討した結果を図
4から図7により説明する。図4は、座屈圧力を求める
ために用いたFRP圧力容器の形状を示す図であり、図
5から図7は、リブ高さ(リブ状の強化帯の断面高さ)
とFRP圧力容器の座屈圧力との関係を示す図である。
【0021】図4はLPG用圧力容器(50リットル)
ライナ−外径310mm,容器高さ約750mm,胴部
長さ480mmを想定したものである。また、FRP層
は破壊圧力は6.4MPa(65kgf/cm2 )を想
定して、ガラス繊維で強化されたFRPヘリカル層(厚
さ:0.6mm)、FRPフープ層(厚さ:1.0m
m)とした。これに、図4に示すように、リブ状の強化
帯の断面高さ(リブ高さ)Hと断面幅Bおよび、リブ状
の強化帯の配設されている間隔Lとを変化させて、FR
P圧力容器の座屈圧力を有限要素法により求めた。これ
らの結果を図5から図7に示す。
【0022】図5から図7に示されるように、FRP圧
力容器の座屈圧力は、リブ状の強化帯の断面高さH及び
断面幅Bが増加するとともに増加している。一方、リブ
状の強化帯間の間隔Lが増加するとともに、FRP圧力
容器の座屈圧力は減少している。このとき、リブ高さH
=0mmのとき、FRP圧力容器の座屈圧力が約0.1
MPa(1kgf/cm2 )になっているのは、前記F
RP層の効果によるものである。なお、座屈の状態につ
いて図9に示す。
【0023】FRP圧力容器の座屈圧力が0.2MPa
(2kgf/cm2 )以上あれば、LPGの充填時の真
空引きの処理をしても変形を生じない。また、座屈圧力
が2kg/cm2 以上あれば、LPG用圧力容器として
通常の取扱いをしても、圧力容器が変形することがな
い。以上の観点より、 座屈圧力が0.2MPa(2k
gf/cm2 )以上なるリブ状の強化帯の断面高さH、
断面幅Bおよびリブ状の強化帯間の間隔Lの関係につい
て、検討した結果、リブ状の強化帯の断面高さHと断面
幅Bおよび、前記リブ状の強化帯の配設されている間隔
Lとの関係が、 ((B×H2 )/L)≧0.2 にあれば良いことが図5から図7を解析することにより
判明した。((B×H2 )/L)は大きいほどよく、好
ましくは、10以上である。これにより、座屈応力が
0.5MPa(5kgf/cm2 )となり、FRP圧力
容器の変形をより防止できる。FRP圧力容器の製造上
の観点より、リブ状の強化帯の断面高さHは3〜10m
m、断面幅Bは、5〜20mm、で強化帯の配設されて
いる間隔Lは100〜200mmであることが好まし
い。
【0024】本実施の形態で計算した有限要素法の境界
条件等により、適用されるFRP圧力容器は圧力容器の
胴部の直径が200〜400mmであればよい。一方、
胴部の長さ方向ついてはとくに制約はない。強化帯の配
設されている間隔Lにより規定すればよいからである。
また、ライナ−の厚みについても制約はない。本発明で
は、ライナーはガスの透過バリヤとしての厚みだけあれ
ばよいからである。
【0025】なお、プラスチックライナーを用いる場合
は、ガスの透過バリヤ改善のため、低ガス透過率のプラ
スチックとの複層化、ブロー成形時にフッ素ガスによる
ライナー内面のフッ素化処理や、金属メッキをすること
ができる。さらに、ライナー外面をアルミニューム等の
金属箔で覆うこともできる。
【0026】
【実施例】さらに、本発明の実施例を、図示例とともに
説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す図であ
り、図aは本発明の第1実施例のFRP圧力容器の外観
を示す図であり、図bは図aのX部の軸方向の部分拡大
断面を示す図であり、図2は、本発明の第2実施例のF
RP圧力容器の外観を示す図であり、図3は、本発明の
第3実施例のFRP圧力容器の外観を示す図である。
【0027】本発明の第1実施例は、対象容器は一般家
庭用のLPG用50リットル容器(外径310mm、高
さ750mm)である。ライナーは高密度ポリエチレン
を素材として回転成形で成形した。厚みは3mmとし
た。これにFW法によって、破壊圧力6.4MPa(6
5kgf/cm2 )として設計して、図8に示すよう
に、FRP層はガラス繊維で強化されたFRPヘリカル
層(厚さ:0.6mm)とFRPフープ層(厚さ:1.
0mm)とした。この時点での重量は5.8kgであっ
た。
【0028】なお、FWにおいて、ライナーへの強化繊
維の巻き付けには、ライナーに内圧をかけた状態で行う
方法、ライナー内にマンドレルを挿入して行う方法等、
選択できる。
【0029】次に、引き続いてFWによって、外圧に対
するリブ状の強化帯を成形した。形状は図1の図a,図
bに示すようなリング状のフープ層とし、強化帯の断面
形状は上辺の長さB1が4mm、底辺の幅B2が10m
m、、高さHが8mmの台形とした。このとき、強化帯
の断面形状を台形にしたのは、FWは行いやすく、リブ
状の強化帯の固着をより強固にできるためである。ま
た、このときの強化帯の断面幅Bは、前記強化帯の辺の
長さB1と底辺の幅B2との平均値の7mmとして、前
述の式を適用できる。
【0030】リブ状の強化帯の配設位置はFRP圧力容
器の胴端部(円筒胴部と鏡板の境)から胴部側それぞれ
15mmの位置に設け、強化帯の間隔Lは150mmと
した。このときのリブ状の強化帯の繊維含有率は約65
%であり、繊維方向の剛性はガラス繊維の場合には4
1.2GPa(4200kgf/mm2 )であった。
【0031】つぎに、このリブ状の強化帯および前記F
RPヘリカル層とFRPフープ層を硬化処理を施し一体
成形した。このため、リブ状の強化帯とFRP層は一体
となった。なお、本実施例では、ガラス繊維に熱硬化樹
脂(例えば、エポキシ樹脂)を含浸させものを用いてい
る。
【0032】最終的に、FRP圧力容器の全体重量は
6.2kgとなり、リブ状の強化帯により重量増は0.
4kgであった。これにプロテクターおよびスカートと
してそれぞれポリエチレン製の円筒の一部を取り付け
た。取り付けはスカートおよびプロテクター本体と接着
した。最終的な重量は7kg以下となり、鋼容器の1/
3以下、アルミ容器の1/2、現在もっとも軽いアルミ
ライナーFRP複合容器よりも若干軽くなった。
【0033】このFRP圧力容器について、内圧を6.
4MPa(65kgf/cm2 )での耐圧試験と、FR
P圧力容器の真空下での変形調査を行った。耐圧試験で
は破壊せず、真空下での変形調査でも変形が認められな
かった。さらに、このFRP圧力容器を転倒させても変
形せず、圧力容器の取扱いに特に問題が生じなかった。
【0034】図2に示すように、本発明の第2実施例
は、第1実施例と同じFRP圧力容器にリブ状の強化帯
をスパイラル状に形成したものである。リブ状の強化帯
の形状や構成は同じである。第2実施例では、リブ状の
強化帯をFRP圧力容器の胴端部に形成し、その後スパ
イラル状に形成した。この場合はリブ状の強化帯の間隔
Lは190mmとなった。このときは、お互いのリブ状
の強化帯の平行部の間隔をリブ状の強化帯の間隔Lとす
ることができる。
【0035】同様に、内圧を6.4MPa(65kgf
/cm2 )での耐圧試験と、FRP圧力容器の真空下で
の変形調査を行ったが、耐圧試験での破壊や、真空下で
の変形は認められなかった。
【0036】第3実施例の図3に示すように、上下のプ
ロテクターおよびスカートの固定のために、リブ状の強
化帯により、前記プロテクターおよびスカートをFRP
圧力容器本体に固定してもよい。
【0037】以上の本発明の実施例は、プラスチック製
のライナーを持い、LPG用圧力容器の実施例を中心に
説明したが、上述の実施例によって制限されるものでは
ない。すなわち、本発明は、金属製のライナーや、LP
G用圧力容器以外の圧縮天然ガス(CNG)等の燃料
用、及び空気呼吸器等の医療・防災用の高圧の圧力容器
にも適用できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上の説明したように、圧力容器のFR
P層の外周面に強化繊維からなるリブ状の強化帯を前記
FRP層の外周面に固着して成形することにより、圧力
容器の外圧に対する剛性および強度の向上を可能とする
ものである。外圧をリブ状の強化帯で支えることによ
り、強化帯なしの場合に比べて、ライナーの厚さを薄く
することによりライナーの重量が低減でき、新たに加え
たリブ状の強化帯の重量増はほぼ相殺できることにな
る。ライナーに用いられるは高価なポリエチレンやナイ
ロン使用量を削減でき、さらに連続繊維で成形すること
により、強化リングを本体に固定するための特別の対策
も不要となり、コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図であり、図aは本
発明の第1実施例のFRP圧力容器の外観を示す図であ
り、図bは図aのX部の軸方向の部分拡大断面を示す図
である。
【図2】本発明の第2実施例のFRP圧力容器の外観を
示す図である。
【図3】本発明の第3実施例のFRP圧力容器の外観を
示す図である。
【図4】座屈圧力を求めるために用いたFRP圧力容器
の形状を示す図である。
【図5】リブ高さ(リブ状の強化帯の断面高さ)とFR
P圧力容器の座屈圧力との関係を示す図である(リブ間
隔(リブ状の強化帯の配設されている間隔)L=100
mmの場合)。
【図6】リブ高さとFRP圧力容器の座屈圧力との関係
を示す図である(リブ間隔L=150mmの場合)。
【図7】リブ高さとFRP圧力容器の座屈圧力との関係
を示す図である(リブ間隔L=200mmの場合)。
【図8】従来のFRP圧力容器の断面の構成を示す図で
ある。
【図9】円筒の座屈状態を示す図であり、図aは横方向
からみた座屈状態を示し。図bは断面の座屈状態を示し
図である。
【符号の説明】
1:FRP圧力容器 2:圧力容器本体 3:リブ状の強化帯 4:FRP層 5:プラスチック製ライナー 6:頭部鏡部 7:胴部 8:底鏡部 9:付属品取付け部 10:プロテクター 11:スカート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライナーの外面にFRP層が積層されて
    なるFRP圧力容器において、 前記FRP層の外周面に強化繊維からなるリブ状の強化
    帯を成形し、かつ、前記FRP層の外周面と前記リブ状
    の強化層とが固着してなることを特徴とする耐外圧性に
    優れたFRP圧力容器。
  2. 【請求項2】 前記リブ状の強化帯が前記FRP層の外
    周面にリング状または/およびスパイラル状に巻き付け
    られてなる請求項1記載の耐外圧性に優れたFRP圧力
    容器。
  3. 【請求項3】 前記リブ状の強化帯の断面高さHと断面
    幅Bおよび、前記リブ状の強化帯の配設されている間隔
    Lとの関係が、 ((B×H2 )/L)≧0.2 である請求項1又は2記載の耐外圧性に優れたFRP圧
    力容器。
  4. 【請求項4】 前記ライナーがプラスチック製である液
    化石油ガス用の請求項1乃至3のいずれかに記載の耐外
    圧性に優れたFRP圧力容器。
JP8064497A 1997-03-31 1997-03-31 耐外圧性に優れたfrp圧力容器 Pending JPH10274391A (ja)

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