JPH10273498A - 核酸、蛋白質回収装置 - Google Patents

核酸、蛋白質回収装置

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JPH10273498A
JPH10273498A JP9455197A JP9455197A JPH10273498A JP H10273498 A JPH10273498 A JP H10273498A JP 9455197 A JP9455197 A JP 9455197A JP 9455197 A JP9455197 A JP 9455197A JP H10273498 A JPH10273498 A JP H10273498A
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JP
Japan
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nucleic acid
electrophoresis
protein
gel
recovery
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Pending
Application number
JP9455197A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Fukuya
博司 福家
Akihiko Okamura
明彦 岡村
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気泳動後のゲルから、目的の蛋白質又は核
酸を高濃度で回収によるロスを少なくし、かつ短時間で
簡単に分離回収することができる核酸又は蛋白質回収装
置。 【解決手段】 電気泳動終了後、切り取ったゲルは、回
収装置の泳動室に移し先程行った電気泳動と同条件で電
気的な泳動を行う。切り取ったゲル内の核酸又は蛋白質
は回収室のプラス極側の壁に吸着されることなく通り抜
けて回収室に入る。その後電気的な泳動を続けても回収
室のマイナス極側の壁は通り抜ける事ができず、吸着さ
れることもなく回収室に留まることにより、大量のゲル
からも分離回収することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、核酸の分離を目的と
した電気泳動後のアガロースゲル又は蛋白質の分離回収
を目的とした電気泳動終了後のポリアクリルアミドゲル
から、目的の蛋白質又は核酸(DNA、RNA)を回収
する装置に関する。更に詳しくは、電気泳動終了後のゲ
ルから、目的の蛋白質又は核酸が含まれるバンドを切り
取り、再び電気泳動処理によって分離回収することで、
高純度でかつ高濃度の溶液が短時間で簡易に得られるこ
とのできる蛋白質又は核酸の回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸又は蛋白質をアガロース又はポリア
クリルアミドゲルを用いて電気泳動を行うと、核酸又は
蛋白質が分子量に応じて、はしご状に分離される。これ
は、核酸又は蛋白質の分子に電荷を持たせ、電気的な移
動をすると共にアガロース又はポリアクリルアミドゲル
の様なゲル中において分子ふるい効果により分子量に応
じたバンドとして分離することが可能である。電気泳動
後は、分離された目的の核酸又は蛋白質はゲルから回収
されて塩基配列やアミノ酸配列などの解析などに用いら
れる。核酸又は蛋白質を回収する従来の方法としては、
次にあげる方法が知られている。
【0003】ゲル粉砕法 目的の蛋白質又は核酸が含ま
れるバンドを泳動ゲルから切り取り、これを粉砕して緩
衝液を加えて数時間振とうしながらゲル中から溶出させ
濾過又は遠心分離によってゲルを除き、目的の蛋白質又
は核酸を回収する方法(添田栄一ら著、生物化学実験法
18、「核酸の塩基配列決定法」、第32〜33頁、学
会出版センター)。
【0004】(2)電気泳動による溶出法 一端を閉じ
た透析チューブに目的の蛋白質又は核酸が含まれるバン
ドを泳動ゲルから切り取って、緩衝液と一緒に透析チュ
ーブに入れてもう一端を閉じて再び該チューブを電気泳
動槽内に置いて通電して、緩衝液中に蛋白質又は核酸を
遊離させる。電気泳動終了後に該チューブ内の緩衝液を
濃縮してフェノール抽出及びエタノール沈殿によって回
収する。
【0005】(3)低融点アガロースを用いる方法 目
的の核酸が含まれるバンドを泳動ゲルから切り取り、緩
衝液を加えてゲルを65℃で融解させてフェノール抽出
を数回行った後、核酸の含有する水層を回収する。
【0006】(4)ガラスビーズを用いる方法 目的の
核酸が含まれるバンドを泳動ゲルから切り取り、ヨウ化
カリウムや過塩素酸ナトリウムで融解し、ガラスビーズ
を加えて核酸を吸着させた後に、エタノールで数回洗浄
し、緩衝液を加えて溶出する方法。(添田栄一ら著、生
物化学実験法18、「核酸の塩基配列決定法」、第34
頁、学会出版センター)。
【0007】(5)電気的にゲルから直接溶出する方法
緩衝液と電極の入った容器の開口部に透析膜をつけ、
これに接する微量の緩衝液の入る回収室を持つプラス極
側を電気泳動の終了したゲル上にある目的のバンド上面
に接触させ、ゲルの底面にマイナス電極を配置させ、通
電を行うことで回収する方法。(実開平5−8829
6)
【0008】(6)DEAEセルロース紙へ泳動する方
法 目的の核酸が含まれるバンドの泳動側にDEAEセ
ルロース紙を挿入し、電気泳動を行って核酸をDEAE
セルロース紙に吸着させる。核酸の吸着されたDEAE
セルロース紙を取り出し高濃度の塩により吸着された核
酸を溶出し、溶出液にエタノール沈殿を行って核酸を回
収する。電気泳動の終了した核酸又は蛋白質を含むゲル
から該核酸又は蛋白質を回収する方法としては、以上に
述べた6つが広く知られている。
【0009】以上に述べた方法のうち、(1)ゲル粉砕
法、(4)ガラスビーズを用いる方法、(3)低融点ア
ガロースを用いる方法は、泳動ゲルを粉砕又は融解して
核酸を溶出するため、泳動ゲル中に含まれている硫化物
が回収液中に含有するため、回収後に行う例えばPCR
による増幅をする場合、用いる酵素の反応阻害が起こる
ため増幅が阻害されてしまう。また、(3)低融点アガ
ロースを用いる方法は、操作が煩雑で回収に要する時間
が長時間に及んでしまう事と、回収量が多くなるため低
濃度になってしまうという欠点がある。 (2)電気泳動による溶出法は、目的のバンドと目的外
のバンドが接近している時は実際には回収が不可能であ
り、回収のための泳動時間が少しでもながくなると透析
チューブを通過してしまう。 (5)電気的にゲルから直接溶出する方法は、泳動ゲル
とマイナスの電極の間に気泡が生じて、回収効率が落
ち、目的のバンドに近接するバンドからも核酸又は蛋白
質が回収されてしまう。 (6)DEAEセルロース紙へ泳動する方法は、DEA
Eセルロース紙への吸着のための泳動時間が適正でない
と目的の核酸又は蛋白質が通過してしまい、目的のバン
ドに近接するバンドからも核酸又は蛋白質が回収される
ため実際には不向きである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電気泳動ゲルに分離さ
れた核酸又は蛋白質のバンドは紫外線の照射や染色によ
って初めて目視が可能となるため、回収後の操作に影響
を及ぼさなければ、染色等の処理を行えるが、回収後の
操作に影響を及ぼす場合には、目視によって目的のバン
ドが確認できないため、泳動ゲルから目的のバンドを切
り取らずに回収する方法は非常に難しい。また確認でき
ても、目的のバンドに近接するバンドが複数存在する場
合は、近接する複数のバンドの影響を受けるため回収は
難しい。ただし目的のバンドに接近するバンドが複数存
在する場合であっても、目視が可能であったり、一緒に
電気泳動したマーカで位置が推測できる場合であれば、
目的のバンドのみを切り取ることができ、複数のレーン
で泳動した場合や1つの試料で全体に泳動した場合であ
っても、目的のバンドのみを切り取ることができれば回
収操作は一度で済むため大変効率的である。以上述べた
様に、泳動ゲルから目的の核酸又は蛋白質を切り取って
回収をする方法が最も良い方法である。しかし従来の方
法では回収された後の状態が、回収後に行うための操作
に影響を及ぼす物質の除去や、脱塩処理や溶媒の置換が
必要な場合、低濃度のために濃縮処理が必要な場合など
何らかの処理をしなければならなかった。この様な処理
のために核酸又は蛋白質の回収量が減ったり、処理のた
めの煩雑な操作と処理時間が長時間に及んでしまうとい
う欠点があった。本発明ではこれらの欠点を解決した核
酸又は蛋白質の回収を行うことのできる回収装置を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題を
解決するために、電気泳動の終了した泳動ゲルから、核
酸又は蛋白質を回収するために、目的の核酸又は蛋白質
が含まれるバンドを切り取り、切り取った泳動ゲル中か
ら電気的な泳動によって回収室に分離回収する装置であ
る。また、この回収室はプラス極側の壁が、核酸又は蛋
白質の吸着が起こらずに通過することができる材質で、
マイナス極側の壁が、核酸又は蛋白質の吸着が起こらず
に通過することができない材質からなり、望ましくは取
り外しが可能なカートリッジになっている回収装置であ
る。
【0012】回収しようとする核酸又は蛋白質が含まれ
る目的のバンドは、核酸であれば、エチジウムブロマイ
ドによる染色をした後に302nmの紫外線を照射して
確認することができる。蛋白質の場合は、クマシーブリ
リアントブルー(CBB)等の染色液あるいは銀染色す
ることによってその存在を確認できるが、これらの染色
によって回収後の操作に影響を及ぼす場合には、コント
ロールのみを泳動ゲルから切り取って染色し、これを目
安として回収のバンドを切り取れば良い。
【0013】切り取ったゲルは、回収装置の泳動室に移
し先程行った電気泳動と同条件で電気的な泳動を行う。
切り取ったゲル内の核酸又は蛋白質は回収室のプラス極
側の壁に吸着されることなく通り抜けて回収室に入る。
その後電気的な泳動を続けても回収室のマイナス極側の
壁は通り抜ける事ができず、吸着されることもなく回収
室にとどまる。
【0014】蛋白質の電気泳動を行った場合、大抵は泳
動Bufferにドデシル硫酸ナトリウム(以下SDS
と記す。)が含まれているため、回収後に行う操作に影
響を与える場合がある。その様な場合は、回収のための
電気的な泳動時間を長めににすることで、泳動ゲル中に
含まれるSDSは、回収室を通過して廃液室に移動され
るためSDSの除去ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本発明である回収装置を図1を用いて以
下に説明する。回収装置は、幾つかのセルからなり、コ
ンタミネーションが起きないように仕切られている。1
回の回収作業で複数の切り取られたゲルから回収するこ
とが可能である。回収装置の泳動室にプラス極が、廃液
室にマイナス極の電極が存在する。電極の素材は電導性
の良い金属で腐食しにくい金属であれば何でも良い。板
状でも線状でも良い。電気泳動の終了した泳動ゲルから
目的のバンドのみを切り取り、Bufferで満たされ
た回収装置の泳動室 に入れる。この時、切り取った
ゲルを回収室に近づけるために回収装置の陽極側を1〜
2センチメートル程度高くして傾けておく。Buffe
rは電気泳動で通常使用される、例えばトリス―リン酸
Buffer、トリス―グリシンBuffer等であ
る。この時、回収後に行う操作で使用するBuffer
を用いるとBuffer置換の手間が省ける。
【0016】回収室はプラス極側の壁が、核酸又は蛋白
質の吸着が起こらずに通過することができる材質で、例
えばガラスフィルターや透析膜等で良い。マイナス極側
の壁が、核酸又は蛋白質の吸着が起こらずに通過するこ
とができない材質で、例えば限外濾過膜等が使用するこ
とができる。回収物の大きさに応じて膜のポアサイズを
変えることもできる。該膜の大きさは、回収室と泳動室
及び廃液室を仕切ることができる程度の大きさであり、
回収室に入れる緩衝液の量で回収濃度を調節できる。そ
して回収室全体が、取り外しが可能なカートリッジにな
っており、該カートリッジを使い捨てにする事によって
コンタミネーションを回避することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明は、電気泳動の終了したゲルか
ら、目的のバンドを切り取り、上述した回収装置によっ
て目的の核酸又は蛋白質を高濃度でかつ短時間のうちに
分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回収装置を示す図である。
【符号の説明】
1…回収装置、2…回収室、3…透過膜、4…非透過
膜、5…廃液室

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気泳動の終了した核酸を含む泳動ゲル
    から該核酸を回収する場合において、該核酸を含むバン
    ドを切り取り、切り取ったゲル中に含まれる該核酸を電
    気的な泳動によって回収室に分離回収する装置。
  2. 【請求項2】 該回収室の一方の側壁が、核酸の吸着が
    起こらずに通過することができ、該回収室のもう一方の
    側壁が、核酸の吸着が起こらずに通過することができな
    い請求項1に記載する回収装置。
  3. 【請求項3】 該回収室が脱着可能である請求項1又は
    2に記載の回収装置。
  4. 【請求項4】 電気泳動の終了した蛋白質を含むゲルか
    ら該蛋白質を回収する場合において、該蛋白質を含むバ
    ンドを切り取り、切り取ったゲル中に含まれる該蛋白質
    を電気的な泳動によって回収室に分離回収する装置。
  5. 【請求項5】 該回収室の一方の側壁が、蛋白質の吸着
    が起こらずに通過することができ、該回収室のもう一方
    の側壁が、蛋白質の吸着が起こらずに通過することがで
    きない請求項3に記載する回収装置。
  6. 【請求項6】 該回収室が脱着可能なカートリッジであ
    る請求項4又は5に記載する回収装置。
  7. 【請求項7】 該切り取った泳動ゲル中に、目的の核酸
    又は蛋白質を回収した後の操作に影響を及ぼす物質を含
    む場合において、該影響を及ぼす物質を取り除くための
    廃液室を備えた請求項1ないし6のうち1つに記載する
    回収装置。
  8. 【請求項8】目的の核酸又は蛋白質を回収した後の操作
    で使用するBufferを用いて回収を行う請求項1な
    いし7のうち1つに記載する回収装置。
JP9455197A 1997-03-28 1997-03-28 核酸、蛋白質回収装置 Pending JPH10273498A (ja)

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JP9455197A JPH10273498A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 核酸、蛋白質回収装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7037419B2 (en) * 2001-09-14 2006-05-02 Peter James Concentration of protein and/or peptides samples

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7037419B2 (en) * 2001-09-14 2006-05-02 Peter James Concentration of protein and/or peptides samples

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