JPH10272865A - 感圧複写上用紙およびこれを有した感圧複写帳票 - Google Patents

感圧複写上用紙およびこれを有した感圧複写帳票

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JPH10272865A
JPH10272865A JP9096718A JP9671897A JPH10272865A JP H10272865 A JPH10272865 A JP H10272865A JP 9096718 A JP9096718 A JP 9096718A JP 9671897 A JP9671897 A JP 9671897A JP H10272865 A JPH10272865 A JP H10272865A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感圧複写下用紙に複写された情報の改ざんや
コピー機による偽造を防止させる感圧複写上用紙および
これを有した感圧複写帳票の提供。 【課題の解決手段】 基体シートF裏面に施された発色
剤マイクロカプセル層Cに、レーザ照射にて選択的に発
色剤マイクロカプセルが削り取られてなる所定形状の複
写不能部Dが施されてなる感圧複写上用紙1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノーカーボンタイ
プの感圧複写上用紙および感圧複写帳票に関し、さらに
詳しくは、感圧複写上用紙から感圧複写下用紙に複写さ
れた情報の改ざんやカラーコピー機などによる偽造の防
止に好適に利用できる感圧複写上用紙およびこれを有し
た感圧複写帳票に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、基体シート裏面にクリスタル
バイオレットラクトン、ベンゾロイコメチレンブルーな
どの電子供与性の発色剤を包含したマイクロカプセル層
が施された感圧複写上用紙と、基体シート表面にフェノ
ールホルムアルデヒドレジンや活性白土などの電子受容
性の顕色剤層が施された感圧複写下用紙とを組み合わせ
た感圧複写帳票は公知であり、各種の配送票、申込書、
DMなどに好適に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感圧複
写下用紙に複写された情報は、時として、悪意の第三者
などにより改ざんされたり、偽造されたりする場合があ
る。これらは、例えば、複写情報を削り取り、新たに別
の感圧複写上用紙をもって改ざん情報を書き加えたり、
あるいは高性能のカラーコピー機をもって感圧複写下用
紙そのものを偽造することによりなされる場合もある。
【0004】そこで、本発明は、このような問題を鑑
み、感圧複写下用紙に複写された情報の改ざんやコピー
機による偽造を防止させる感圧複写上用紙およびこれを
有した感圧複写帳票の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】近年、レーザに関する技
術の発展は目覚ましく、特に、可変マスク、プロッター
機構(XY軸方向移動機構)、ポリゴンミラーなどによ
ってレーザ光を自在に移動・偏向させる技術は、部品製
造業の分野、とりわけ金属面へのマーキングなどに多用
されており、最近、急速にその技術が発達し、マイクロ
文字などのマーキングも可能となっている。
【0006】そこで、本発明者は、このレーザ技術に着
目し、上記目的を達成するため、レーザ照射により基体
シート裏面の発色剤マイクロカプセル層を選択的に削り
取って、所定形状の複写不能部を施してなる新規の感圧
複写上用紙を作成し、これを利用することにより、改ざ
んや偽造を困難とさせる感圧複写帳票を提供できること
を見いだし、本発明を想到した。
【0007】すなわち、本発明の感圧複写上用紙は、基
体シート裏面に施された発色剤マイクロカプセル層に、
レーザ照射にて選択的に発色剤マイクロカプセルが削り
取られてなる所定形状の複写不能部が施されてなること
を特徴とする。
【0008】また、好ましい本発明の感圧複写上用紙
は、上記複写不能部の形状がマイクロ文字、線条、繰り
返し模様などの微細パターンであることを特徴とする。
【0009】さらに、本発明の感圧複写帳票は、所定形
状の複写不能部が施された発色剤マイクロカプセル層に
対応する表面所定部に情報記入部を有した上記感圧複写
上用紙からなる上位帳票と、表面に前記情報記入部に対
応した情報複写部を有した感圧複写下用紙からなる下位
帳票とを分離可能に綴じ合わせてなる。
【0010】感圧複写上用紙の発色剤マイクロカプセル
層への所定形状の複写不能部の形成は、レーザ照射装置
に入力された所定の形状データに基づき、該発色剤マイ
クロカプセル層に対してレーザ光を照射することにより
行われる。選択的にレーザ照射を受けた部分の発色剤マ
イクロカプセルは燃焼もしくは昇華して瞬時に削り取ら
れ、これにより所定形状の複写不能部が施される。
【0011】所定形状の複写不能部は、複写記入欄の大
きさ、すなわち記入文字の大きさにによるが、通常は複
写情報を判読し難くさせない程度の微細のものが好まし
い。したがって、マイクロ文字、線条、繰り返し模様な
どの微細パターンが好適である。このような形状の複写
不能部が形成されると、複写情報に微細パターンなどか
らなる白抜き画像が組み込まれるため、改ざんが困難で
あると共にコピー機により現出し難く偽造も困難とな
る。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明を好適な実施例に基づ
き詳細に説明する。なおここにおいて、図1は本発明の
感圧複写上用紙の裏面平面図および付帯の部分拡大図、
図2は図1の部分拡大図の概略的断面説明図、図3は本
発明の感圧複写帳票の分解説明図、図4は感圧複写下用
紙に施された複写情報の拡大説明図、図5は発色剤マイ
クロカプセル層への所定形状の複写不能部の形成方法説
明図である。
【0013】図1に示すように、本発明の感圧複写上用
紙1の基本構成は、基体シートFの裏面に発色剤マイク
ロカプセル層Cが施され、かつ、付帯の部分拡大図が示
すように、発色剤マイクロカプセル層Cには、レーザ照
射により発色剤マイクロカプセルが選択的に削り取られ
てなる所定形状の複写不能部Dが施されてなる。この複
写不能部Dは、例えば、部分拡大図(イ):マイクロ文
字や(ロ):線条(直線、波線、破線、点線等)などの
微細パターンで構成され、図2に示すように、発色剤マ
イクロカプセルが除去されているために複写機能を有さ
ない。
【0014】次に、本発明の感圧複写帳票の実施例を挙
げる。図3に示すように、本実施例の感圧複写帳票10
は、「領収証」たる本発明の感圧複写上用紙1からなる
上位帳票11と「領収証(控)」たる感圧複写下用紙2
からなる下位帳票12とが端部でミシン線と接着剤によ
り分離可能に綴じ合わされてなる。感圧複写上用紙1、
感圧複写下用紙2の基体シートF表面の所定部にはタイ
トル、会社名、説明文などの一般情報3が施されている
と共に、感圧複写上用紙1には顧客名欄、領収年月日
欄、金額欄などの情報記入部4が、感圧複写下用紙2に
は、これに対応する情報複写部5がそれぞれ施され、も
って上位帳票11および下位帳票12を構成している。
【0015】したがって、上位帳票11の情報記入部4
に所定情報を記入すると、下位帳票12の情報複写部5
に施された複写情報6には、図4に示すように、感圧複
写上用紙1における発色剤マイクロカプセル層Cの所定
形状の複写不能部Dに対応した微細パターンの白抜き画
像d(本図では点線で表示)が組み込まれる。
【0016】なお、本発明における感圧複写上用紙は、
発色剤マイクロカプセル水性塗料を基体シート裏面全面
に塗布して発色剤マイクロカプセル層が施されてなるも
のであっても、発色剤マイクロカプセルインクにて情報
記入部の裏側部(すなわち、感圧複写下用紙の情報複写
部の対接部)を含有した所定領域にスポット的に発色剤
マイクロカプセル層が施されてなるものであっても良
い。また、所定形状の複写不能部は、発色剤マイクロカ
プセル層全面でも、あるいは所望の部分にのみスポット
的に施されていても構わない。さらに、基体シート表面
に顕色剤層を形成し、感圧複写中用紙としても構成して
もよい。
【0017】以下、図5に基づき、発色剤マイクロカプ
セル層への所定形状の複写不能部の形成方法の一例を挙
げ説明する。発色剤マイクロカプセル層Cへの所定形状
の複写不能部の形成は、マージナル部に多数の送り孔H
が設けられた従来構成の感圧複写上用紙ウエブW(以
下、ウエブWと記す)に対して行われる。このウエブW
は、長尺の基体シートF裏面に発色剤マイクロカプセル
インキをもってスポット的に発色剤マイクロカプセル層
Cが施されてなる。
【0018】送り孔Hはトラクタ装置Tのトラクタピン
に係合しており、ウエブWはトラクタ装置Tの駆動によ
り所定方向に移送される。ウエブWの移送経路には、可
変マスクを内蔵した炭酸ガスレーザ光発振器Lと、これ
から発せられたレーザ光の進行方向を変換し可変情報を
形成するため、ウエブWの幅方向および移送方向に移動
可能なプロッター機構(図示せず)に組み込まれ、回転
自在に構成された二対の偏光ミラーM,Mなどが備えら
れている。
【0019】トラクタ装置TにはウエブWの送り量検出
用のエンコーダが連繋しており、トラクタ装置Tの回転
量をパルス信号に変換することで送り量を検出してい
る。変換されたパルス信号が制御部に送られると、制御
部は送り量に対応するタイミング、すなわち、レーザ照
射位置(この位置には焦点安定用の吸引ドラムVが設置
されている)に発色剤マイクロカプセル層Cが到達した
時点で、入力された形状データに基づき、レーザ光発振
器Lと偏光ミラーM,Mの駆動部に制御信号を発し、レ
ーザ発振と駆動を制御する。
【0020】このようにして、選択的にレーザ照射を受
けた部分の発色剤マイクロカプセルは瞬時に削り取ら
れ、これにより発色剤マイクロカプセル層Cに所定形状
の複写不能部Dが施される。また、複写不能部Dの形状
の変更は、制御部に入力された別の形状データに基づい
た別の制御信号によりなされる。
【0021】なお、この図5に示す複写不能部の形成例
では、発色剤マイクロカプセル層への所定形状の複写不
能部の形成のため、可変マスクを介してレーザ光を照射
し、かつプロッター機構に組み込まれ、回転自在に構成
された偏光ミラーを備えたレーザ照射装置を使用してい
るが、本発明はこれに限定されず、レーザ画像形成に使
用される種々のタイプのレーザ照射装置が利用できる。
【0022】また、レーザ光照射時にレーザ光の焦点距
離がブレないように、レーザ照射位置には焦点安定用の
吸引ドラムVが設置され、さらにトラクタ装置Tと二対
のガイドロールR,R間にテンションを掛け、帳票が弛
まないようにしているが、この方法以外でも、例えば、
所定のラップアングルにて大径ロールに巻き込み、この
ラップ部分にレーザ照射部を設定してもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感圧複写
上用紙およびこれを有した感圧複写帳票によれば、レー
ザ照射により発色剤マイクロカプセルを選択的に削り取
り、発色剤マイクロカプセル層に所定形状の複写不能部
を施したことで、複写情報に微細パターンなどからなる
白抜き画像が組み込まれ、改ざんが困難であると共に、
これはコピー機により現出し難いので偽造も困難となる
といった効果を泰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧複写上用紙の裏面平面図および付
帯の部分拡大図。
【図2】図1の部分拡大図の概略的断面説明図。
【図3】本発明の感圧複写帳票の分解説明図。
【図4】感圧複写下用紙に施された複写情報の拡大説明
図。
【図5】発色剤マイクロカプセル層への所定形状の複写
不能部の形成方法説明図。
【符号の説明】
1 感圧複写上用紙 2 感圧複写下用紙 4 情報記入部 5 情報複写部 6 複写情報 10 感圧複写帳票 11 上位帳票 12 下位帳票 F 基体シート C 発色剤マイクロカプセル層 D 複写不能部 d 白抜き画像 W 従来構成の感圧複写上用紙ウエブ L レーザ光発振器 M 偏光ミラー V 吸引ドラム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート裏面に施された発色剤マイク
    ロカプセル層に、レーザ照射にて選択的に発色剤マイク
    ロカプセルが削り取られてなる所定形状の複写不能部が
    施されてなる感圧複写上用紙。
  2. 【請求項2】 複写不能部の形状がマイクロ文字、線
    条、繰り返し模様などの微細パターンである請求項1記
    載の感圧複写上用紙。
  3. 【請求項3】 所定形状の複写不能部が施された発色剤
    マイクロカプセル層に対応する表面所定部に情報記入部
    を有した請求項1記載の感圧複写上用紙からなる上位帳
    票と、表面に前記情報記入部に対応した情報複写部を有
    した感圧複写下用紙からなる下位帳票とを分離可能に綴
    じ合わせてなる感圧複写帳票。
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