JPH10272100A - 眼球から発生する光による眼内物質の測定装置 - Google Patents

眼球から発生する光による眼内物質の測定装置

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JPH10272100A
JPH10272100A JP8352764A JP35276496A JPH10272100A JP H10272100 A JPH10272100 A JP H10272100A JP 8352764 A JP8352764 A JP 8352764A JP 35276496 A JP35276496 A JP 35276496A JP H10272100 A JPH10272100 A JP H10272100A
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eyeball
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light receiving
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 眼球の深さの異なる複数の部位から発生する
光を同時に検出できるようにし、光学系の走査を不要に
する。 【解決手段】 受光光学系の受光軸31と励起光学系の
光軸16とがなす角度が14°になるように定められて
おり、眼球軸3が両光学系の光軸16,31のなす角度
を二等分する方向に固定される。受光光学系の一次元固
体撮像素子35の光入射側には、励起光ビーム上で眼球
2の深さ位置の異なる部位から発生する測定光を一次元
固体撮像素子35の異なる位置の光電変換素子に入力さ
せるスリット36が配置されている。光源強度の変動を
補正するために、励起光の一部がハーフミラー40を経
て一次元固体撮像素子35の一部の光電変換素子に直接
入射される。眼球の各部位から発生した測定光は、スリ
ット36によって受光軸31に平行な成分のみが一次元
固体撮像素子35に入射して同時に検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起光学系から眼
球に励起光ビームを照射し、眼球から発生する散乱光と
蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光学系で検出
して眼内物質を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】眼球に励起光を照射し、眼球からの散乱
光や螢光から情報を得る方法として、眼内の螢光を測定
することにより blood-ocular barrier の機能を定量的
に検索する検査法として、ガラス体フルオロフォトメト
リ(VFP)が行われている。糖尿病の診断やインシュ
リン投与の必要性の判断には血糖値を測定しなければな
らない。血液を採取して血糖値を測定する方法は正確で
はあるが、患者に苦痛を与え、検査に手間がかかり、時
間も要する。
【0003】そこで、眼球からの光学的な情報に基づい
て眼内物質を非侵襲に測定する種々の方法も検討されて
いる。例えば、眼球に励起光を照射し、そこから得られ
る情報に基づいて血糖値を測定する方法が検討されてい
る。そのような方法の1つは、水晶体に励起光を照射
し、その後方散乱光を受光して分光器やダイクロイック
ビームスプリッタを用いてそれを螢光とレーリ光に分離
し、螢光強度をレーリ光強度で正規化した値から糖尿病
を診断しうる情報を求め、それに基づいて糖尿病や白内
障その他の病気の診断を行う方法である(米国特許第
5,203,328号参照)。
【0004】他の方法では、水晶体による赤外吸収又は
可視光の屈折率を測定し、それに基づいて水晶体中の血
糖値を求める(特開昭51−75498号公報参照)。
さらに他の方法では、角膜と水晶体の間に満たされてい
る房水に平面偏光を照射し、その偏光軸の回転角を測定
し、又は屈折率を測定することにより血糖値を求める
(米国特許第3,963,019号参照)。他の生体物質
としてコレステロール値を求める方法も提案されてい
る。そこでは、房水に励起光を照射し、そこからの散乱
光強度や散乱体であるタンパク質の移動度を測定するこ
とによってコレステロール値を求める(米国特許第4,
836,207号参照)。
【0005】眼球のガラス体、水晶体、房水、角膜な
ど、測定する部位によって得られる情報が異なる。その
ため、眼球の深さの異なる位置からの情報を得るため
に、受光する蛍光などの発生場所が眼球の深さ方向に沿
って移動するように光学系を走査している(臨眼、38
巻、11号、1195-1199(1984)参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】眼球の深さの異なる位
置からの情報を得るために光学系を走査して測定する
と、その走査の間に眼球が動くと、測定部位の深さも変
わってしまい、正確な測定を行なうことができなくなっ
てしまう。また、光学系を走査するために光学系が複雑
で大型化する問題もある。本発明は眼球の深さの異なる
複数の部位から発生する光を同時に検出できるようにし
て測定を容易にするとともに、光学系の走査を不要にし
て測定装置を小型にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の測定装置は、励
起光学系から眼球に可視から近赤外領域の単色化された
又は単一波長の励起光ビームを照射し、眼球から発生す
る散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光
学系で検出して眼内物質を測定する装置であり、励起光
学系の光軸と受光光学系の受光軸は空間的に異なり、眼
球軸を測定のための適当な方向に固定した状態、すなわ
ち固視した状態で、両光軸が虹彩に当らず、かつ眼球内
で交差するように配置され、受光光学系は励起光ビーム
に沿って眼球内での深さの異なる位置で発生した測定光
をその発生位置と対応づけられた位置に導く光学素子、
及びその光学素子により導かれた測定光を検出する光検
出器を備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】受光光学系は眼球から発生する測
定光を分光する分光手段をさらに備えていることが好ま
しい。分光手段は、例えば測定光をその発生位置と対応
づけられた位置に導く光学素子と光検出器との間に備え
られ、光検出器はその分光手段により分光された測定光
を検出するように配置される。分光手段が波長分散型で
ない場合には、上記の光学素子の光入射側に配置するこ
ともできる。
【0009】光学素子の第1の例は、受光光学系の受光
軸に平行な複数の薄板を配列したスリット、又は光ファ
イバを受光光学系の受光軸に平行に配置した光ファイバ
レンズアレイからなる空間アパーチャーである。光学素
子の第2の例は、レンズを含み、眼球内での励起光ビー
ムに沿った測定光発生位置の像を光検出器又は分光器上
に結像させる共役光学系である。
【0010】好ましい態様では、光検出器は励起光学系
の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学
系の受光軸と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電
変換素子が配列されたCCDセンサやフォトダイオード
アレイなどの一次元固体撮像素子である。この場合、分
光手段を設けるときは、その分光手段はフーリエ変換型
分光器(FT)、フィルタ、又は音響光学フィルタ(A
OTF)であり、その一次元固体撮像素子の光電変換素
子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生
位置とが光学素子により対応づけられている。
【0011】他の好ましい態様では、光検出器は複数の
光電変換素子が二次元的に配列されたCCD撮像装置な
どの二次元固体撮像素子であり、分光手段は回折格子で
あり、その二次元固体撮像素子内の一列の光電変換素子
配列の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに
沿った測定光発生位置とが光学素子により対応づけら
れ、各位置からの測定光がその光電変換素子配列と直交
する方向に波長分散されて同時に検出される多チャンネ
ル分光器を構成している。光検出器が二次元固体撮像素
子である場合、励起光学系に励起光ビームを励起光学系
の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面と直交する方
向に移動させるビーム掃引機構をさらに備えることがで
きる。この場合には眼球内での2次元情報を得ることが
できる。
【0012】励起光学系から眼球に照射される励起光ビ
ームは、可視から近赤外領域の単色化された又は単一波
長のビームであり、励起光学系の光軸に沿った平行光で
あることが好ましい。そのような励起光ビームを発生さ
せる励起光学系の一例は、タングステンランプやハロゲ
ンランプのように連続した波長の励起光を発生する白熱
ランプの光源と、その光源からの光を単色化するフィル
タなどの波長選択手段と、励起光を励起光学系の光軸に
沿った平行光とするスリットとを備えている。
【0013】他の励起光学系の例は、可視から近赤外領
域の単一波長の励起光を発生するレーザ装置を光源とし
て備えたものである。レーザ装置として半導体レーザを
使用した場合は、ビームが発散するので、励起光を励起
光学系の光軸に沿った平行光とするためにレンズやスリ
ットが必要となる。半導体レーザが複数の波長光を発振
する場合は特定の波長光を選択する光学フィルタなどの
波長選択手段が必要になる。受光する光がラマン散乱光
や螢光である場合、励起光ビームが単色光又は単一波長
光である場合にはデータ処理が容易になる。励起光ビー
ムを平行光とすれば、面積積分を行う上で好都合であ
る。
【0014】励起光学系の励起光ビームの光軸にビーム
スプリッタが設けられ、そのビームスプリッタにより取
り出された励起光の一部が光検出器の一部の光電変換素
子に入射され、その光電変換素子の出力により眼球から
の測定光を受光した光検出器の出力が補正されるように
すれば、励起光の変動があっても散乱光や蛍光を正確に
測定することができるようになる。
【0015】測定時に眼球軸を特定の方向、例えば受光
光学系の光軸方向又はその光軸方向と一定の角度を保つ
ように固定するために、励起光学系の光源とは別に、可
視光を発生する眼球軸固定用の光源を備えてその光源か
らの光ビームを眼球に入射させる眼球軸固定用光学系が
さらに設けられているのが好ましい。眼球軸固定用光学
系は、眼内物質を測定しようとする眼球側に設けてもよ
く、眼内物質を測定しない他方の眼球側に設けてもよ
い。
【0016】眼球軸を固定しない場合には、眼球軸が測
定に適した所定の方向になったときに測定を行なうこと
ができるようになっていることが好ましい。そのため
に、眼球の方向を監視するモニタとしてCCD固体撮像
装置などの二次元固体撮像素子を設け、その二次元固体
撮像素子により眼球の向き、励起光ビームの入射位置な
どの情報を取り込むことができるようにしてもよい。こ
のモニタ用二次元固体撮像素子も測定用眼球側又は他方
の眼球側のいずれに設けてもよい。
【0017】励起光学系及び受光光学系を、顔面に装着
できるゴーグル状構造物内に一体的に収納することがで
き、その場合には、測定を手軽に行うことができる。そ
のゴーグル状構造物内には、受光光学系により測定され
たデータを含む情報を外部のデータ処理装置へ出力でき
る伝送回路をさらに設けることができる。測定データを
伝送する伝送回路は無線、有線、光パルスなど種々の手
段により実現することができる。
【0018】測定される眼内物質の第1は糖類であり、
そのうち、グルコースに対しては励起波長からのシフト
波数にして420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好
ましくは420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800c
-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170
cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜
1500cm-1又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピー
クを用いて定量することができる。グルコース(ブドウ
糖)は血糖ともよばれ、糖尿病の診断や病態の推移を知
る上で最も重要な情報を与えるものである。
【0019】他の糖類についても測定することができ
る。例えば、イノシトールに対しては励起波長からのシ
フト波数にして400〜1500cm-1又は2900〜3050c
-1、好ましくは400〜500cm-1,700〜900cm-1,10
00〜1100cm-1,1200〜1500cm-1又は2900〜3050cm
-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができ
る。
【0020】フルクトースに対しては励起波長からのシ
フト波数にして550〜1500cm-1又は2900〜3050c
-1、好ましくは550〜620cm-1,650〜700cm-1,78
0〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,12
00〜1300cm-1,1400〜1480cm-1又は2900〜3050cm
-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができ
る。
【0021】ガラクトースに対しては励起波長からのシ
フト波数にして400〜1500cm-1又は2850〜3050c
-1、好ましくは450〜550cm-1,630〜900cm-1,10
00〜1180cm-1,1200〜1290cm-1,1300〜1380c
-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1にあるラ
マン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0022】ソルビトールに対しては励起波長からのシ
フト波数にして380〜1500cm-1又は2700〜2960c
-1、好ましくは388〜488cm-1,749〜862cm-1,93
3〜1120cm-1,1380〜1464cm-1又は2731〜2960cm
-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができ
る。
【0023】測定される眼内物質の第2は脂質であり、
そのうちのレシチン(ホスファチジルコリン)に対して
は450〜650nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又は
その範囲内の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用
いて定量することができる。
【0024】測定される眼内物質の第3はビリルビンで
あり、励起波長からのシフト波数にして500〜540c
-1,670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220〜1300c
-1,1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1又は1550〜
1670cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量するこ
とができる。
【0025】測定される眼内物質の第4は糖化タンパク
であり、そのうちの糖化アルブミンに対しては640〜850
nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又はその範囲内
の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用いて定量す
ることができる。
【0026】測定される眼内物質の第5はAGE(Adva
nced Glycated End Product)である。AGEについて
も同様に測定し、定量することができる。AGEは後期
段階生成物とよばれ、アミノ酸、ペプチド、タンパク質
などのアミノ基が還元糖のカルボニル基と反応する非酵
素的糖化反応(グリケーション)の後期段階の生成物で
あり、糖尿病性慢性合併症による臓器障害と関連するも
のとして注目されている物質である。測定される眼内物
質の第6は糖化クリスタリンである。糖化クリスタリン
についても同様に測定し、定量することができる。
【0027】これらの眼内物質は体内に存在している物
質である。それに対し、眼球からの蛍光を測定する従来
の方法では、fluorescein-Naを静脈に注射した後に行な
うのが一般的である。本発明はそのような対外から注入
された蛍光物質を測定する装置としても利用することが
できる。そこで、測定される眼内物質の第7は対外から
注入された蛍光物質であり、そのような蛍光物質として
fluorescein-Naを挙げることができる。
【0028】測定される眼内物質が糖類、脂質、ビリル
ビン、糖化タンパク、AGE、糖化クリスタリンなどか
らの少なくとも2種類の物質である場合には、それらの
物質に選択されたシフト波数のラマン散乱光のピーク強
度もしくはピーク面積、又は螢光のスペクトル強度もし
くは適当な波長範囲の積算値が用いられ、それらの複数
の測定値から多変量解析によりそれぞれの物質の測定値
を求めることができる。
【0029】多変量解析演算では、主成分回帰分析法
(PCR法)や部分最小二乗法(PLS法)などの多変
量回帰分析法を用いてデータ解析を行なう。多変量回帰
分析法では、一度に多くのスペクトル強度を用いて回帰
分析することができるので、単回帰分析に比べて高い精
度の定量分析が可能である。重回帰分析はもっとも多用
されているが、多数の試料が必要であり、各波数でのス
ペクトル強度同士の相関が高い場合にはその定量分析精
度は低くなる。一方、多変量回帰分析法であるPCR法
は複数の波数域でのスペクトル強度を互いに無関係な主
成分に集約させることができ、さらに不必要なノイズデ
ータを削除することができるので、高い定量分析精度が
得られる。またPLS法は主成分の抽出の際に試料濃度
のデータも利用することができるので、PCR法と同様
に高い定量分析精度を得ることができる。多変量回帰分
析に関しては『多変量解析』(中谷和夫著、新曜社)を
参考にできる。
【0030】種々の変動要因により複雑に変動するスペ
クトルから必要な情報を引き出すには、コンピューター
によるデータ処理が大いに役立つ。代表的な処理法は市
販の近赤外装置等に装備されている処理用ソフトウェア
にも収容されている。また市販のソフトウェアとしてC
AMO社のアンスクランバーなどがある。代表的な処理
法とは上に挙げた重回帰分析やPLS法、主成分回帰分
析法等である。
【0031】定量分析に適用するデータ処理の大きな流
れは、キャリブレーションモデルの作成、キャリブ
レーションモデルの評価、未知試料の定量である。キ
ャリブレーションを行なうには、適当な数の検量線作成
用試料を充分な精度で測定する必要がある。得られたス
ペクトルは必要に応じて前処理を行なう。代表的な前処
理としては、スペクトルの平滑化や微分、正規化があ
り、いずれも一般的な処理である。次に、キャリブレー
ションは、スペクトルデータと目的特性の分析値との間
の数学的関係式、すなわちモデルを構築する処理であ
る。モデルの作成は、検量線作成用試料の分析値とスペ
クトルデータを用い、統計的手法によって行われる。
【0032】作成された検量線の未知試料に対する予測
の精度を正しく評価するため、評価用試料により、未知
試料に対する測定誤差が求められる。検量線の精度が不
充分であると判定されたときは、必要に応じて処理法の
種類やパラメーターの変更など行い、検量線の修正を行
なう。精度が充分であると認められた検量線は、未知試
料の分析に際し、スペクトルデータから目的特性の値を
予測する関係式として使用され、未知試料濃度の定量に
用いられる。
【0033】
【実施例】図1は第1の実施例を概略的に表わしたもの
である。2は眼球を表わしており、ガラス体4の前方に
水晶体6があり、最前方に角膜8がある。角膜8と水晶
体6の間には透明な液の房水10が満たされている。水
晶体6と角膜8の間には虹彩11があり、虹彩11の中
央開口部が瞳孔である。3は眼球軸を表わしている。
【0034】励起光学系12はタングステンランプなど
の白熱ランプを光源14として備えており、励起光学系
12の光軸16上には光源14から発生する励起光を集
光させるレンズ18、励起光から狭い波長範囲を取り出
して単色化する光学フィルタ20が設けられている。光
学フィルタ20は複数枚、図の例では3枚が配置されて
おり、所望の励起光ビーム波長に応じて切り換えること
ができるようになっている。光学フィルタ20とレンズ
18の間に設けられたスリット22と、光学フィルタ2
0よりも出射側に設けられた複数枚のスリット24によ
って励起光ビームを0.1〜2mmの直径の細い平行ビ
ームに調整している。
【0035】受光光学系30はその受光軸31が励起光
学系の光軸16とは空間的に異なり、受光光学系の受光
軸31と励起光学系の光軸16とが空気中でなす角度が
14°になるように両光学系12,30の相対的な方向
が定められている。眼球はその眼球軸3が両光学系の光
軸16,31のなす角度を二等分する方向に固定されて
測定される。その状態では、眼球軸3に対し、両光学系
の光軸16,31は互いに反対側に位置し、光軸16,
31と眼球軸3とのなす角θ1,θ2はともに7°であ
る。
【0036】受光光学系30は、その受光軸31上に光
検出器としてCCDセンサ又はフォトダイオードアレイ
などの一次元固体撮像素子35が配置されている。一次
元固体撮像素子35は一列に配列されたCCD光電変換
素子配列を備え、その光電変換素子配列の方向は、励起
光学系の光軸16と受光光学系の受光軸31とを含む平
面内で受光光学系の受光軸31と直交する直線に沿った
方向である。一次元固体撮像素子35の光電変換素子配
列のピッチは、例えば125μmである。
【0037】一次元固体撮像素子35の光入射側には、
励起光ビーム上で眼球2の深さ位置の異なる部位から発
生する測定光を光検出器35の異なる位置の光電変換素
子に入力させる光学素子として、スリット36が配置さ
れている。スリット36は、受光光学系の受光軸31に
平行で励起光学系の光軸16と受光光学系の受光軸31
とを含む平面に直交する方向の複数の薄板を、励起光学
系の光軸16と受光光学系の受光軸31とを含む平面内
の受光光学系の受光軸31と直交する方向に配列したも
のである。スリット36は、そのピッチが一次元固体撮
像素子35の光電変換素子ピッチと対応していることが
好ましく、また、スリット36の深さDは5〜30mm
である。
【0038】スリット36と一次元固体撮像素子35の
間にはFT、フィルタ又はAOTFなどの分光手段37
が配置されており、眼球2からの測定光を分光できるよ
うになっている。FT、フィルタ又はAOTFなどの分
光手段37は、記号37'で示されるようにスリット3
6への測定光入射側に配置してもよい。
【0039】眼球軸3を所定の方向に固定するために、
可視光を発生する光源と、その光源からの光を細い光束
にするスリットと、そのスリットにより調整されたビー
ムを光軸31上に乗せて眼球2に入射させるためのハー
フミラーとを備えた光学系32が設けられている。
【0040】眼球の方位及び励起光ビームの入射位置を
含む情報を取り込むために、受光光学系30にはさらに
モニタ用CCD撮像装置62が設けられており、撮像装
置62は受光光学系の光軸31上に設けられたハーフミ
ラーにより取り出された眼球からの光を受光する。
【0041】光源強度の変動を補正するために、励起光
学系の光軸16上にハーフミラー40が配置され、励起
光の一部が一次元固体撮像素子35の一部の光電変換素
子に直接入射される。その励起光ビームを受光した光電
変換素子の検出信号により一次元固体撮像素子35の他
の部分の光電変換素子が受光した眼球の各部からの検出
信号を割算して正規化することににより、光源強度の変
動分を補正して正確な測定値を得ることができる。
【0042】図1の実施例の動作を説明する。励起光ビ
ームは角膜8から入射し、房水10、水晶体6及びガラ
ス体4を経て網膜にいたる。励起光ビームが眼球の各部
位を照射することによりそれらの各部位から発生した散
乱光及び螢光の測定光は、スリット36によって受光軸
31に平行な成分のみが分光手段37を経て分光されて
一次元固体撮像素子35に入射する。スリット36が設
けられていることによって一次元固体撮像素子35の光
電変換素子の位置と眼球2での測定光発生位置とが対応
し、どの深さ位置からの情報であるかを識別することが
できる。
【0043】光検出器として二次元固体撮像素子を用い
た場合には、分光手段37として多チャンネル分光器を
用いることができる。この場合、対応スリット36を経
てその分光器に入射する1列の測定光が眼球内の位置と
対応したものとなる。分光器へ入射する測定光の配列方
向と直交する方向に波長分散させることにより、眼球内
の複数の位置からの測定光を同時に分光しそれぞれの多
波長にわたって同時に検出できるようになる。
【0044】図2は励起光学系の光源として半導体レー
ザを用いた実施例を示したものである。励起光学系12
aの光軸16上に光源として半導体レーザ14aが配置
され、光軸16上で半導体レーザ14aの光出射側には
励起光ビームを光軸16上の平行光とするためのレンズ
18aと、特定の波長光を選択する光学フィルタ20a
とが配置されている。他の構成は図1のものと同じであ
り、動作も図1のものと同じである。
【0045】図3は、測定光が発生する深さの異なる眼
球の部位と光検出器の光電変換素子の位置とを対応させ
る光学素子として、図1のスリット36に代わる例を示
したものである。(A)は光ファイバレンズアレイ42
を用いたものであり、その光ファイバのピッチも一次元
固体撮像素子35の光電変換素子ビッチに対応したもの
であることが好ましい。励起光ビームにより照射された
眼球の各部位P1〜PNから発生する測定光を光ファイバ
レンズアレイ42の各光ファイバレンズF1〜FNで選択
して光電変換素子P1'〜PN'で検出する。光ファイバレ
ンズの開口数NAが小さいほど方向性が高い。
【0046】図3(B)はレンズ44を用いたものであ
る。レンズ44は単一のものに限らず複数枚が組み合わ
されたものであってもよい。レンズ44は眼球に入射し
た励起光ビーム上の物面Pと一次元固体撮像素子35上
の像面P'とが共役関係になるように配置される。この
場合、物面P上の深さの異なる各位置A〜Bで発生した
測定光が一次元固体撮像素子35上の像面P'にA'〜
B'として結像される。図3(A)又は(B)光学素子
を用いる場合も光検出器としては一次元固体撮像素子と
二次元固体撮像素子のいずれも使用することができる。
【0047】二次元固体撮像素子を用い、FT、フィル
タ又はAOTFなどの分光手段37と組み合わせた場合
には、一次元固体撮像素子と同じく、深さの異なる眼球
の部位から発生する測定光を同時に検出できるだけでな
く、二次元固体撮像素子による二次元像を監視すること
により、眼球の位置を観察することができる。その場合
にはモニタ用のCCD撮像装置を別途設けなくても、眼
球軸が励起光学系の光軸及び受光光学系の受光軸に対し
て測定に適した状態になったことを確認した上で測定を
行なうことができるようになる。
【0048】図4は測定用眼球とは異なる他方の眼球に
モニタ用CCD撮像装置を設けた例を示したものであ
る。いま、右側の眼球2Rが測定側であるとし、励起光
学系からの測定光16が右側の眼球2Rに入射し、その
眼球2Rからの光を検出するために、受光光学系として
レンズ44と、分光手段を備えた受光素子35,37を
備えたものが設けられている。一方、左側の眼球2Lに
は、眼球軸の位置をモニタするために、その眼球2Lを
照明する光源60と、その光源60により照明された眼
球2Lの方位をモニタするモニタ用CCD撮像装置62
が設けられている。
【0049】図5は、励起光学系のさらに他の例を示し
たものであり、励起光ビームを励起光学系の光軸と受光
光学系の受光軸とを含む平面と直交する方向に移動させ
るビーム掃引機構を備えた例である。この例では、励起
光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面は眼球
2を横方向に横切る平面であり、励起光ビーム16をそ
の平面と直交する方向(眼球2に縦方向の矢印で示した
方向)に掃引する。励起光学系には光源70からの励起
光ビーム16を掃引するためにポリゴンミラー72が設
けられている。ポリゴンミラー72と眼球2との間には
レンズ74が配置されており、ポリゴンミラー72がそ
のレンズ74の焦点位置に配置されていることにより、
ポリゴンミラー72で方向が変化するように掃引された
励起光ビーム16は、レンズ74を通過した後は互いに
平行光となって、眼球2の矢印で示された方向に掃引さ
れながら眼球2に入射する。
【0050】図6は本発明をゴーグル状構造物内に一体
化した実施例を表わしたものであり、(A)は内部の光
学系の配列を示す平面図、(B)は内部の光学系の配列
を示す受光光学系側の側面図、(C)は眼球側からみた
斜視図である。ゴーグル状構造物50内には図2に示さ
れた励起光学系12aと受光光学系30が配置されてい
る。また、光源の駆動や光検出器の駆動を行い、光検出
器が検出した信号を外部へ伝送する伝送回路などもゴー
グル状構造物50内に備えている。制御部52はそのよ
うな駆動部や伝送回路を含んだものである。
【0051】図7から図14により、本発明で測定しよ
うとする眼内物質のラマン散乱スペクトル及び螢光スペ
クトルの例を示す。いずれも励起光は632.8nmの
He−Neレーザ光である。図7はグルコースのラマン
散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にし
て420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1
850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170c
-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜15
00cm-1及び2850〜3000cm-1の位置にピークが存在す
る。それらのピークの中心波数は、438cm-1,530cm
-1,776cm-1,917cm-1,1087cm-1,1103cm-1
1298cm-1,1373cm-1,1461cm-1及び2907cm-1
ある。
【0052】図8はイノシトールのラマン散乱スペクト
ルであり、励起波長からのシフト波数にして400〜500c
-1,700〜900cm-1,1000〜1100cm-1,1200〜1500
cm-1及び2900〜3050cm-1の位置にピークが存在す
る。それらのピークの中心波数は、443.852cm-1,86
4.743cm-1,1074.37cm-1,1468.06cm-1及び2995.
59cm-1である。
【0053】図9はフルクトースのラマン散乱スペクト
ルであり、励起波長からのシフト波数にして550〜620c
-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm
-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480
cm-1及び2900〜3050cm-1の位置にピークが存在す
る。それらのピークの中心波数は、599.093cm-1,68
8.482cm-1,802.175cm-1,963.9821cm-1,1074.3
7cm-1,1267.38cm-1,1468.06cm-1及び2995.59c
-1である。
【0054】図10はガラクトースのラマン散乱スペク
トルであり、励起波長からのシフト波数にして450〜550
cm-1,630〜900cm-1,1000〜1180cm-1,1200〜12
90cm-1,1300〜1380cm-1,1400〜1500cm-1及び28
50〜3050cm-1の位置にピークが存在する。それらのピ
ークの中心波数は、495.884cm-1,864.743cm-1,10
62.17cm-1,1267.38cm-1,1362.38cm-1,1468.06
cm-1及び2976.02cm-1である。
【0055】図11はソルビトールのラマン散乱スペク
トルであり、励起波長からのシフト波数にして388〜488
cm-1,749〜862cm-1,933〜1120cm-1,1380〜146
4cm-1及び2731〜2960cm-1の位置にピークが存在す
る。それらのピークの中心波数は、438cm-1,821cm
-1,1414cm-1,1000cm-1付近及び2893cm-1であ
る。
【0056】図12は糖化アルブミンの蛍光スペクトル
であり、640〜850nmにピークをもっている。濃度が6
1.1%、33.3%、24.8%の水溶液試料を測定し
たものであり、高濃度のものほどスペクトル強度が大き
くなっている。
【0057】図13はジタウロビリルビンのラマン散乱
スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして50
0〜540cm-1,670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220
〜1300cm-1,1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1
び1550〜1670cm-1の位置にピークが存在する。それら
のピークの中心波数は、520cm-1,688cm-1,940c
-1,1250cm-1,1320cm-1,1445cm-1及び1615c
-1である。図14はレシチンの蛍光スペクトルであ
り、450〜650nmにピークをもっている。
【0058】
【発明の効果】本発明では励起光学系から眼球に励起光
ビームを照射し、眼球の深さの異なる複数の位置から発
生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受
光光学系で同時に検出し、かつ眼球での深さの異なる測
定光発生位置と受光光学系の光検出器での光電変換素子
の位置との間を対応させたので、眼球の深さの異なる複
数の位置からの情報を非侵襲に、かつ同時に得ることが
できる。そのため、従来のように眼球の深さ方向に走査
するときのように測定中に眼球が動いて測定不能になる
という不都合を解消することができる。また光学系に走
査機構が必要ではないので、光学系を小型にすることが
でき、図4の実施例に示されたようなゴーグル状構造物
内に一体化した組み込むこともできるようになって、取
扱いが容易になる。このように、眼球の深さの異なる部
位からの光学的な情報を得て各部での眼内物質を測定す
ることが容易になり、糖尿病その他の病気の診断などに
有益な情報を非侵襲に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す概略平面断面図である。
【図2】第2の実施例を示す概略平面断面図である。
【図3】第1、第2の実施例におけるスリットに代わる
光学素子を示した概略平面断面図であり、(A)は光フ
ァイバレンズアレイを用いたもの、(B)はレンズを用
いたものである。
【図4】測定用眼球とは異なる他方の眼球側にモニタ用
CCD撮像装置を設けた例を示す概略斜視図である。
【図5】ビーム掃引機構を備えた励起光学系の例を示す
概略斜視図である。
【図6】光学系をゴーグル状構造物内に一体化した実施
例を表わしたものであり、(A)は内部の光学系の配列
を示す平面図、(B)は内部の光学系の配列を示す受光
光学系側の側面図、(C)は眼球側からみた斜視図であ
る。
【図7】グルコースのラマン散乱スペクトルを示す図で
ある。
【図8】イノシトールのラマン散乱スペクトルを示す図
である。
【図9】フルクトースのラマン散乱スペクトルを示す図
である。
【図10】ガラクトースのラマン散乱スペクトルを示す
図である。
【図11】ソルビトールのラマン散乱スペクトルを示す
図である。
【図12】糖化アルブミンの蛍光スペクトルを示す図で
ある。
【図13】ジタウロビリルビンのラマン散乱スペクトル
を示す図である。
【図14】レシチンの蛍光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
2 眼球 3 眼球軸 12,12a 励起光学系 14,14a 励起光源 16 励起光学系の光軸 18,18a レンズ 20,20a 光学フィルタ 22,24 スリット 30 受光光学系 35 一次元固体撮像素子 36 スリット 37 分光手段 40 ハーフミラー 42 光ファイバレンズアレイ 44 レンズ 50 ゴーグル状構造物 62 モニタ用CCD撮像装置 72 ポリゴンミラー

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光学系から眼球に可視から近赤外領
    域の単色化された又は単一波長の励起光ビームを照射
    し、眼球から発生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を
    含む測定光を受光光学系で検出して眼内物質を測定する
    装置において、 励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸は空間的に異な
    り、眼球軸を測定のための適当な方向に固定した状態
    で、両光軸が虹彩に当らず、かつ眼球内で交差するよう
    に配置され、 受光光学系は励起光ビームに沿って眼球内での深さの異
    なる位置で発生した測定光をその発生位置と対応づけら
    れた位置に導く光学素子、その光学素子により導かれた
    測定光を検出する光検出器を備えていることを特徴とす
    る測定装置。
  2. 【請求項2】 前記受光光学系は眼球から発生する測定
    光を分光する分光手段をさらに備え、前記光検出器はそ
    の分光手段により分光された測定光を検出するものであ
    る請求項1に記載の測定装置。
  3. 【請求項3】 眼球軸を固定するために、励起光学系の
    光源とは別の可視光を発生する眼球軸固定用の光源を備
    えてその光源からの光ビームを測定用眼球又は他の眼球
    に入射させる眼球軸固定用光学系がさらに設けられてい
    る請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 【請求項4】 眼球の方向を監視するモニタとして二次
    元固体撮像素子が測定用眼球側又は他の眼球側に設けら
    れており、その二次元固体撮像素子により眼球の向き、
    励起光ビームの入射位置などの情報を取り込むことがで
    きるようにした請求項1又は2に記載の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記受光光学系の光検出器は二次元固体
    撮像素子であり、その二次元固体撮像素子は眼球の方向
    を監視するモニタとしてとしても使用される請求項1又
    は2に記載の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記励起光学系から発する光線が虹彩に
    かかることなく眼球内に入射し、その入射光軸は網膜近
    傍で眼球軸と交叉する請求項1から5のいずれかに記載
    の測定装置。
  7. 【請求項7】 前記入射光軸と眼球軸とのなす角度が約
    15度以下である請求項6に記載の測定装置。
  8. 【請求項8】 受光光学系の受光軸が虹彩にかかること
    なく眼球軸と交叉し、受光軸と眼球軸とのなす角度も約
    15度以下である請求項7に記載の測定装置。
  9. 【請求項9】 前記励起光学系からの励起光ビームに沿
    って眼球内での深さの異なる位置で発生した測定光で、
    前記受光光学系の受光軸に平行な成分が虹彩で遮られる
    ことなく前記光学素子に入射するように、励起光学系と
    受光光学系が配置されている請求項1から8のいずれか
    に記載の測定装置。
  10. 【請求項10】 前記光学素子は、受光光学系の受光軸
    に平行な複数の薄板を配列したスリットアレイ、又は光
    ファイバを受光光学系の受光軸に平行に配置した光ファ
    イバレンズアレイからなる空間アパーチャーである請求
    項1から9に記載の測定装置。
  11. 【請求項11】 前記光学素子は、レンズを含み、眼球
    内での励起光ビームに沿った測定光発生位置から発生す
    る測定光の集合を前記光検出器又は前記分光手段上に結
    像させる共役光学系である請求項1から9に記載の測定
    装置。
  12. 【請求項12】 前記光検出器は励起光学系の光軸と受
    光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学系の受光軸
    と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電変換素子が
    配列された一次元又は二次元の固体撮像素子であり、そ
    の一次元又は二次元の固体撮像素子の光電変換素子の位
    置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置と
    が前記光学素子により対応づけられている請求項1に記
    載の測定装置。
  13. 【請求項13】 前記光検出器は励起光学系の光軸と受
    光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学系の受光軸
    と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電変換素子が
    配列された一次元又は二次元の固体撮像素子であり、前
    記分光手段はフーリエ変換型分光器、フィルタ、又は音
    響光学フィルタであり、その一次元又は二次元の固体撮
    像素子の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビーム
    に沿った測定光発生位置とが前記光学素子により対応づ
    けられている請求項2に記載の測定装置。
  14. 【請求項14】 前記光検出器は二次元固体撮像素子で
    あり、前記分光手段は回折格子であり、その二次元固体
    撮像素子内の一列の光電変換素子配列の光電変換素子の
    位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置
    とが前記光学素子により対応づけられ、各位置からの測
    定光がその光電変換素子配列と直交する方向に波長分散
    されて同時に検出される多チャンネル分光器を構成して
    いる請求項13に記載の測定装置。
  15. 【請求項15】 前記光検出器は二次元固体撮像素子で
    あり、励起光学系は励起光ビームを励起光学系の光軸と
    受光光学系の受光軸とを含む平面と直交する方向に移動
    させるビーム掃引機構をさらに備えている請求項12又
    は13に記載の測定装置。
  16. 【請求項16】 励起光学系の励起光ビームの光軸にビ
    ームスプリッタが設けられ、そのビームスプリッタによ
    り取り出された励起光の一部が光検出器の一部の光電変
    換素子に入射され、その光電変換素子の出力により眼球
    からの測定光を受光した他の光電変換素子の出力が補正
    される請求項1から15のいずれかに記載の測定装置。
  17. 【請求項17】 励起光学系及び受光光学系を含む必要
    な光学系が、顔面に装着できるゴーグル状構造物内に一
    体的に収納されている請求項1から16のいずれかに記
    載の測定装置。
  18. 【請求項18】 前記ゴーグル状構造物内には、受光光
    学系により測定されたデータを含む情報を外部のデータ
    処理装置へ出力できる伝送回路がさらに設けられている
    請求項17に記載の測定装置。
  19. 【請求項19】 測定される眼内物質は糖類であり、 グルコースに対しては励起波長からのシフト波数にして
    420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好ましくは420
    〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜
    940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,120
    0〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1
    又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて
    定量がなされ、 イノシトールに対しては励起波長からのシフト波数にし
    て400〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは4
    00〜500cm-1,700〜900cm-1,1000〜1100cm-1,1
    200〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散
    乱ピークを用いて定量がなされ、 フルクトースに対しては励起波長からのシフト波数にし
    て550〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは5
    50〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900
    〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1
    400〜1480cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散
    乱ピークを用いて定量がなされ、 ガラクトースに対しては励起波長からのシフト波数にし
    て400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1、好ましくは4
    50〜550cm-1,630〜900cm-1,1000〜1180cm-1,1
    200〜1290cm-1,1300〜1380cm-1,1400〜1500cm
    -1又は2850〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用い
    て定量がなされ、 ソルビトールに対しては励起波長からのシフト波数にし
    て380〜1500cm-1又は2700〜2960cm-1、好ましくは3
    88〜488cm-1,749〜862cm-1,933〜1120cm-1,13
    80〜1464cm-1又は2731〜2960cm-1にあるラマン散乱
    ピークを用いて定量がなされる請求項1から18のいず
    れかに記載の測定装置。
  20. 【請求項20】 測定される眼内物質が脂質であり、 レシチンに対しては450〜650nmの蛍光スペクトルのス
    ペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲のスペク
    トルの積算値を用いて定量がなされる請求項1から18
    のいずれかに記載の測定装置。
  21. 【請求項21】 測定される眼内物質がビリルビンであ
    り、励起波長からのシフト波数にして500〜540cm-1
    670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220〜1300cm-1
    1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1又は1550〜1670c
    -1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされる請
    求項1から18のいずれかに記載の測定装置。
  22. 【請求項22】 測定される眼内物質が糖化タンパクで
    あり、 糖化アルブミンに対しては640〜850nmの蛍光スペクト
    ルのスペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲の
    スペクトルの積算値を用いて定量がなされる請求項請求
    項1から18のいずれかに記載の測定装置。
  23. 【請求項23】 測定される眼内物質が糖化タンパク最
    終産物AGEである請求項1から18のいずれかに記載
    の測定装置。
  24. 【請求項24】 測定される眼内物質が糖化クリスタリ
    ンである請求項1から18のいずれかに記載の測定装
    置。
  25. 【請求項25】 測定される眼内物質が糖類、脂質、ビ
    リルビン、糖化タンパク、AGE及び糖化クリスタリン
    からなる群に含まれる少なくとも2種類の物質であり、
    それらの物質に選択されたシフト波数のラマン散乱光の
    ピーク強度もしくはピーク面積、又は螢光のスペクトル
    強度もしくは適当な波長範囲の積算値が用いられ、それ
    らの複数の測定値から多変量解析によりそれぞれの物質
    の測定値が求められる請求項1から18のいずれかに記
    載の測定装置。
  26. 【請求項26】 測定される眼内物質は体外から注入さ
    れた蛍光物質である請求項1から18のいずれかに記載
    の測定装置。
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