JP3683059B2 - 眼球から発生する光による眼内物質の測定装置 - Google Patents

眼球から発生する光による眼内物質の測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、励起光学系から眼球に励起光ビームを照射し、眼球から発生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光学系で検出して眼内物質を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼球に励起光を照射し、眼球からの散乱光や螢光から情報を得る方法として、眼内の螢光を測定することにより blood-ocular barrier の機能を定量的に検索する検査法として、ガラス体フルオロフォトメトリ(VFP)が行われている。糖尿病の診断やインシュリン投与の必要性の判断には血糖値を測定しなければならない。血液を採取して血糖値を測定する方法は正確ではあるが、患者に苦痛を与え、検査に手間がかかり、時間も要する。
【0003】
そこで、眼球からの光学的な情報に基づいて眼内物質を非侵襲に測定する種々の方法も検討されている。例えば、眼球に励起光を照射し、そこから得られる情報に基づいて血糖値を測定する方法が検討されている。そのような方法の1つは、水晶体に励起光を照射し、その後方散乱光を受光して分光器やダイクロイックビームスプリッタを用いてそれを螢光とレーリ光に分離し、螢光強度をレーリ光強度で正規化した値から糖尿病を診断しうる情報を求め、それに基づいて糖尿病や白内障その他の病気の診断を行う方法である(米国特許第5,203,328号参照)。
【0004】
他の方法では、水晶体による赤外吸収又は可視光の屈折率を測定し、それに基づいて水晶体中の血糖値を求める(特開昭51−75498号公報参照)。さらに他の方法では、角膜と水晶体の間に満たされている房水に平面偏光を照射し、その偏光軸の回転角を測定し、又は屈折率を測定することにより血糖値を求める(米国特許第3,963,019号参照)。
他の生体物質としてコレステロール値を求める方法も提案されている。そこでは、房水に励起光を照射し、そこからの散乱光強度や散乱体であるタンパク質の移動度を測定することによってコレステロール値を求める(米国特許第4,836,207号参照)。
【0005】
眼球のガラス体、水晶体、房水、角膜など、測定する部位によって得られる情報が異なる。そのため、眼球の深さの異なる位置からの情報を得るために、受光する蛍光などの発生場所が眼球の深さ方向に沿って移動するように光学系を走査している(臨眼、38巻、11号、1195-1199(1984)参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
眼球の深さの異なる位置からの情報を得るために光学系を走査して測定すると、その走査の間に眼球が動くと、測定部位の深さも変わってしまい、正確な測定を行なうことができなくなってしまう。
また、光学系を走査するために光学系が複雑で大型化する問題もある。
本発明は眼球の深さの異なる複数の部位から発生する光を同時に検出できるようにして測定を容易にするとともに、光学系の走査を不要にして測定装置を小型にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の測定装置は、励起光学系から眼球に可視から近赤外領域の単色化された又は単一波長の励起光ビームを照射し、眼球から発生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光学系で検出して眼内物質を測定する装置であり、励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸は空間的に異なり、眼球軸を測定のための適当な方向に固定した状態、すなわち固視した状態で、両光軸が虹彩に当らず、かつ眼球内で交差するように配置され、受光光学系は励起光ビームに沿って眼球内での深さの異なる位置で発生した測定光をその発生位置と対応づけられた位置に導くための、受光光学系の受光軸に平行な複数の薄板を配列したスリットアレイ、又は光ファイバを受光光学系の受光軸に平行に配置した光ファイバレンズアレイからなる空間アパーチャーである光学素子、及びその光学素子により導かれた測定光を検出する光検出器を備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】
受光光学系は眼球から発生する測定光を分光する分光手段をさらに備えていることが好ましい。分光手段は、例えば測定光をその発生位置と対応づけられた位置に導く光学素子と光検出器との間に備えられ、光検出器はその分光手段により分光された測定光を検出するように配置される。分光手段が波長分散型でない場合には、上記の光学素子の光入射側に配置することもできる。
【0010】
好ましい態様では、光検出器は励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学系の受光軸と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電変換素子が配列されたCCDセンサやフォトダイオードアレイなどの一次元固体撮像素子である。この場合、分光手段を設けるときは、その分光手段はフーリエ変換型分光器(FT)、フィルタ、又は音響光学フィルタ(AOTF)であり、その一次元固体撮像素子の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置とが光学素子により対応づけられている。
【0011】
他の好ましい態様では、光検出器は複数の光電変換素子が二次元的に配列されたCCD撮像装置などの二次元固体撮像素子であり、分光手段は回折格子であり、その二次元固体撮像素子内の一列の光電変換素子配列の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置とが光学素子により対応づけられ、各位置からの測定光がその光電変換素子配列と直交する方向に波長分散されて同時に検出される多チャンネル分光器を構成している。
光検出器が二次元固体撮像素子である場合、励起光学系に励起光ビームを励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面と直交する方向に移動させるビーム掃引機構をさらに備えることができる。この場合には眼球内での2次元情報を得ることができる。
【0012】
励起光学系から眼球に照射される励起光ビームは、可視から近赤外領域の単色化された又は単一波長のビームであり、励起光学系の光軸に沿った平行光であることが好ましい。そのような励起光ビームを発生させる励起光学系の一例は、タングステンランプやハロゲンランプのように連続した波長の励起光を発生する白熱ランプの光源と、その光源からの光を単色化するフィルタなどの波長選択手段と、励起光を励起光学系の光軸に沿った平行光とするスリットとを備えている。
【0013】
他の励起光学系の例は、可視から近赤外領域の単一波長の励起光を発生するレーザ装置を光源として備えたものである。レーザ装置として半導体レーザを使用した場合は、ビームが発散するので、励起光を励起光学系の光軸に沿った平行光とするためにレンズやスリットが必要となる。半導体レーザが複数の波長光を発振する場合は特定の波長光を選択する光学フィルタなどの波長選択手段が必要になる。
受光する光がラマン散乱光や螢光である場合、励起光ビームが単色光又は単一波長光である場合にはデータ処理が容易になる。励起光ビームを平行光とすれば、面積積分を行う上で好都合である。
【0014】
励起光学系の励起光ビームの光軸にビームスプリッタが設けられ、そのビームスプリッタにより取り出された励起光の一部が光検出器の一部の光電変換素子に入射され、その光電変換素子の出力により眼球からの測定光を受光した光検出器の出力が補正されるようにすれば、励起光の変動があっても散乱光や蛍光を正確に測定することができるようになる。
【0015】
測定時に眼球軸を特定の方向、例えば受光光学系の光軸方向又はその光軸方向と一定の角度を保つように固定するために、励起光学系の光源とは別に、可視光を発生する眼球軸固定用の光源を備えてその光源からの光ビームを眼球に入射させる眼球軸固定用光学系がさらに設けられているのが好ましい。
眼球軸固定用光学系は、眼内物質を測定しようとする眼球側に設けてもよく、眼内物質を測定しない他方の眼球側に設けてもよい。
【0016】
眼球軸を固定しない場合には、眼球軸が測定に適した所定の方向になったときに測定を行なうことができるようになっていることが好ましい。そのために、眼球の方向を監視するモニタとしてCCD固体撮像装置などの二次元固体撮像素子を設け、その二次元固体撮像素子により眼球の向き、励起光ビームの入射位置などの情報を取り込むことができるようにしてもよい。このモニタ用二次元固体撮像素子も測定用眼球側又は他方の眼球側のいずれに設けてもよい。
【0017】
励起光学系及び受光光学系を、顔面に装着できるゴーグル状構造物内に一体的に収納することができ、その場合には、測定を手軽に行うことができる。
そのゴーグル状構造物内には、受光光学系により測定されたデータを含む情報を外部のデータ処理装置へ出力できる伝送回路をさらに設けることができる。測定データを伝送する伝送回路は無線、有線、光パルスなど種々の手段により実現することができる。
【0018】
測定される眼内物質の第1は糖類であり、そのうち、グルコースに対しては励起波長からのシフト波数にして420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好ましくは420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。グルコース(ブドウ糖)は血糖ともよばれ、糖尿病の診断や病態の推移を知る上で最も重要な情報を与えるものである。
【0019】
他の糖類についても測定することができる。例えば、イノシトールに対しては励起波長からのシフト波数にして400〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは400〜500cm-1,700〜900cm-1,1000〜1100cm-1,1200〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0020】
フルクトースに対しては励起波長からのシフト波数にして550〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは550〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0021】
ガラクトースに対しては励起波長からのシフト波数にして400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1、好ましくは450〜550cm-1,630〜900cm-1,1000〜1180cm-1,1200〜1290cm-1,1300〜1380cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0022】
ソルビトールに対しては励起波長からのシフト波数にして380〜1500cm-1又は2700〜2960cm-1、好ましくは388〜488cm-1,749〜862cm-1,933〜1120cm-1,1380〜1464cm-1又は2731〜2960cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0023】
測定される眼内物質の第2は脂質であり、そのうちのレシチン(ホスファチジルコリン)に対しては450〜650nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用いて定量することができる。
【0024】
測定される眼内物質の第3はビリルビンであり、励起波長からのシフト波数にして500〜540cm-1,670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220〜1300cm-1,1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1又は1550〜1670cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量することができる。
【0025】
測定される眼内物質の第4は糖化タンパクであり、そのうちの糖化アルブミンに対しては640〜850nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用いて定量することができる。
【0026】
測定される眼内物質の第5はAGE(Advanced Glycated End Product)である。AGEについても同様に測定し、定量することができる。AGEは後期段階生成物とよばれ、アミノ酸、ペプチド、タンパク質などのアミノ基が還元糖のカルボニル基と反応する非酵素的糖化反応(グリケーション)の後期段階の生成物であり、糖尿病性慢性合併症による臓器障害と関連するものとして注目されている物質である。
測定される眼内物質の第6は糖化クリスタリンである。糖化クリスタリンについても同様に測定し、定量することができる。
【0027】
これらの眼内物質は体内に存在している物質である。それに対し、眼球からの蛍光を測定する従来の方法では、fluorescein-Naを静脈に注射した後に行なうのが一般的である。本発明はそのような対外から注入された蛍光物質を測定する装置としても利用することができる。そこで、測定される眼内物質の第7は対外から注入された蛍光物質であり、そのような蛍光物質としてfluorescein-Naを挙げることができる。
【0028】
測定される眼内物質が糖類、脂質、ビリルビン、糖化タンパク、AGE、糖化クリスタリンなどからの少なくとも2種類の物質である場合には、それらの物質に選択されたシフト波数のラマン散乱光のピーク強度もしくはピーク面積、又は螢光のスペクトル強度もしくは適当な波長範囲の積算値が用いられ、それらの複数の測定値から多変量解析によりそれぞれの物質の測定値を求めることができる。
【0029】
多変量解析演算では、主成分回帰分析法(PCR法)や部分最小二乗法(PLS法)などの多変量回帰分析法を用いてデータ解析を行なう。多変量回帰分析法では、一度に多くのスペクトル強度を用いて回帰分析することができるので、単回帰分析に比べて高い精度の定量分析が可能である。重回帰分析はもっとも多用されているが、多数の試料が必要であり、各波数でのスペクトル強度同士の相関が高い場合にはその定量分析精度は低くなる。一方、多変量回帰分析法であるPCR法は複数の波数域でのスペクトル強度を互いに無関係な主成分に集約させることができ、さらに不必要なノイズデータを削除することができるので、高い定量分析精度が得られる。またPLS法は主成分の抽出の際に試料濃度のデータも利用することができるので、PCR法と同様に高い定量分析精度を得ることができる。多変量回帰分析に関しては『多変量解析』(中谷和夫著、新曜社)を参考にできる。
【0030】
種々の変動要因により複雑に変動するスペクトルから必要な情報を引き出すには、コンピューターによるデータ処理が大いに役立つ。代表的な処理法は市販の近赤外装置等に装備されている処理用ソフトウェアにも収容されている。また市販のソフトウェアとしてCAMO社のアンスクランバーなどがある。代表的な処理法とは上に挙げた重回帰分析やPLS法、主成分回帰分析法等である。
【0031】
定量分析に適用するデータ処理の大きな流れは、▲1▼キャリブレーションモデルの作成、▲2▼キャリブレーションモデルの評価、▲3▼未知試料の定量である。
キャリブレーションを行なうには、適当な数の検量線作成用試料を充分な精度で測定する必要がある。得られたスペクトルは必要に応じて前処理を行なう。代表的な前処理としては、スペクトルの平滑化や微分、正規化があり、いずれも一般的な処理である。
次に、キャリブレーションは、スペクトルデータと目的特性の分析値との間の数学的関係式、すなわちモデルを構築する処理である。モデルの作成は、検量線作成用試料の分析値とスペクトルデータを用い、統計的手法によって行われる。
【0032】
作成された検量線の未知試料に対する予測の精度を正しく評価するため、評価用試料により、未知試料に対する測定誤差が求められる。検量線の精度が不充分であると判定されたときは、必要に応じて処理法の種類やパラメーターの変更など行い、検量線の修正を行なう。
精度が充分であると認められた検量線は、未知試料の分析に際し、スペクトルデータから目的特性の値を予測する関係式として使用され、未知試料濃度の定量に用いられる。
【0033】
【実施例】
図1は第1の実施例を概略的に表わしたものである。2は眼球を表わしており、ガラス体4の前方に水晶体6があり、最前方に角膜8がある。角膜8と水晶体6の間には透明な液の房水10が満たされている。水晶体6と角膜8の間には虹彩11があり、虹彩11の中央開口部が瞳孔である。3は眼球軸を表わしている。
【0034】
励起光学系12はタングステンランプなどの白熱ランプを光源14として備えており、励起光学系12の光軸16上には光源14から発生する励起光を集光させるレンズ18、励起光から狭い波長範囲を取り出して単色化する光学フィルタ20が設けられている。光学フィルタ20は複数枚、図の例では3枚が配置されており、所望の励起光ビーム波長に応じて切り換えることができるようになっている。光学フィルタ20とレンズ18の間に設けられたスリット22と、光学フィルタ20よりも出射側に設けられた複数枚のスリット24によって励起光ビームを0.1〜2mmの直径の細い平行ビームに調整している。
【0035】
受光光学系30はその受光軸31が励起光学系の光軸16とは空間的に異なり、受光光学系の受光軸31と励起光学系の光軸16とが空気中でなす角度が14°になるように両光学系12,30の相対的な方向が定められている。眼球はその眼球軸3が両光学系の光軸16,31のなす角度を二等分する方向に固定されて測定される。その状態では、眼球軸3に対し、両光学系の光軸16,31は互いに反対側に位置し、光軸16,31と眼球軸3とのなす角θ1,θ2はともに7°である。
【0036】
受光光学系30は、その受光軸31上に光検出器としてCCDセンサ又はフォトダイオードアレイなどの一次元固体撮像素子35が配置されている。一次元固体撮像素子35は一列に配列されたCCD光電変換素子配列を備え、その光電変換素子配列の方向は、励起光学系の光軸16と受光光学系の受光軸31とを含む平面内で受光光学系の受光軸31と直交する直線に沿った方向である。一次元固体撮像素子35の光電変換素子配列のピッチは、例えば125μmである。
【0037】
一次元固体撮像素子35の光入射側には、励起光ビーム上で眼球2の深さ位置の異なる部位から発生する測定光を光検出器35の異なる位置の光電変換素子に入力させる光学素子として、スリット36が配置されている。スリット36は、受光光学系の受光軸31に平行で励起光学系の光軸16と受光光学系の受光軸31とを含む平面に直交する方向の複数の薄板を、励起光学系の光軸16と受光光学系の受光軸31とを含む平面内の受光光学系の受光軸31と直交する方向に配列したものである。スリット36は、そのピッチが一次元固体撮像素子35の光電変換素子ピッチと対応していることが好ましく、また、スリット36の深さDは5〜30mmである。
【0038】
スリット36と一次元固体撮像素子35の間にはFT、フィルタ又はAOTFなどの分光手段37が配置されており、眼球2からの測定光を分光できるようになっている。FT、フィルタ又はAOTFなどの分光手段37は、記号37'で示されるようにスリット36への測定光入射側に配置してもよい。
【0039】
眼球軸3を所定の方向に固定するために、可視光を発生する光源と、その光源からの光を細い光束にするスリットと、そのスリットにより調整されたビームを光軸31上に乗せて眼球2に入射させるためのハーフミラーとを備えた光学系32が設けられている。
【0040】
眼球の方位及び励起光ビームの入射位置を含む情報を取り込むために、受光光学系30にはさらにモニタ用CCD撮像装置62が設けられており、撮像装置62は受光光学系の光軸31上に設けられたハーフミラーにより取り出された眼球からの光を受光する。
【0041】
光源強度の変動を補正するために、励起光学系の光軸16上にハーフミラー40が配置され、励起光の一部が一次元固体撮像素子35の一部の光電変換素子に直接入射される。その励起光ビームを受光した光電変換素子の検出信号により一次元固体撮像素子35の他の部分の光電変換素子が受光した眼球の各部からの検出信号を割算して正規化することににより、光源強度の変動分を補正して正確な測定値を得ることができる。
【0042】
図1の実施例の動作を説明する。励起光ビームは角膜8から入射し、房水10、水晶体6及びガラス体4を経て網膜にいたる。励起光ビームが眼球の各部位を照射することによりそれらの各部位から発生した散乱光及び螢光の測定光は、スリット36によって受光軸31に平行な成分のみが分光手段37を経て分光されて一次元固体撮像素子35に入射する。スリット36が設けられていることによって一次元固体撮像素子35の光電変換素子の位置と眼球2での測定光発生位置とが対応し、どの深さ位置からの情報であるかを識別することができる。
【0043】
光検出器として二次元固体撮像素子を用いた場合には、分光手段37として多チャンネル分光器を用いることができる。この場合、対応スリット36を経てその分光器に入射する1列の測定光が眼球内の位置と対応したものとなる。分光器へ入射する測定光の配列方向と直交する方向に波長分散させることにより、眼球内の複数の位置からの測定光を同時に分光しそれぞれの多波長にわたって同時に検出できるようになる。
【0044】
図2は励起光学系の光源として半導体レーザを用いた実施例を示したものである。励起光学系12aの光軸16上に光源として半導体レーザ14aが配置され、光軸16上で半導体レーザ14aの光出射側には励起光ビームを光軸16上の平行光とするためのレンズ18aと、特定の波長光を選択する光学フィルタ20aとが配置されている。他の構成は図1のものと同じであり、動作も図1のものと同じである。
【0045】
図3は、測定光が発生する深さの異なる眼球の部位と光検出器の光電変換素子の位置とを対応させる光学素子として、図1のスリット36に代えて光ファイバレンズアレイ42を用いたものを示している。この場合には、その光ファイバのピッチも一次元固体撮像素子35の光電変換素子ビッチに対応したものであることが好ましい。励起光ビームにより照射された眼球の各部位P1〜PNから発生する測定光を光ファイバレンズアレイ42の各光ファイバレンズF1〜FNで選択して光電変換素子P1'〜PN'で検出する。光ファイバレンズの開口数NAが小さいほど方向性が高い。
光学素子として光ファイバレンズアレイ42を用いた場合も、光検出器として一次元固体撮像素子と二次元固体撮像素子のいずれも使用することができる。
【0047】
二次元固体撮像素子を用い、FT、フィルタ又はAOTFなどの分光手段37と組み合わせた場合には、一次元固体撮像素子と同じく、深さの異なる眼球の部位から発生する測定光を同時に検出できるだけでなく、二次元固体撮像素子による二次元像を監視することにより、眼球の位置を観察することができる。その場合にはモニタ用のCCD撮像装置を別途設けなくても、眼球軸が励起光学系の光軸及び受光光学系の受光軸に対して測定に適した状態になったことを確認した上で測定を行なうことができるようになる。
【0048】
図4は測定用眼球とは異なる他方の眼球にモニタ用CCD撮像装置を設けた例を示したものである。いま、右側の眼球2Rが測定側であるとし、励起光学系からの測定光16が右側の眼球2Rに入射し、その眼球2Rからの光を検出するために、受光光学系としてレンズ44と、分光手段を備えた受光素子35,37を備えたものが設けられている。
一方、左側の眼球2Lには、眼球軸の位置をモニタするために、その眼球2Lを照明する光源60と、その光源60により照明された眼球2Lの方位をモニタするモニタ用CCD撮像装置62が設けられている。
【0049】
図5は、励起光学系のさらに他の例を示したものであり、励起光ビームを励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面と直交する方向に移動させるビーム掃引機構を備えた例である。この例では、励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面は眼球2を横方向に横切る平面であり、励起光ビーム16をその平面と直交する方向(眼球2に縦方向の矢印で示した方向)に掃引する。励起光学系には光源70からの励起光ビーム16を掃引するためにポリゴンミラー72が設けられている。ポリゴンミラー72と眼球2との間にはレンズ74が配置されており、ポリゴンミラー72がそのレンズ74の焦点位置に配置されていることにより、ポリゴンミラー72で方向が変化するように掃引された励起光ビーム16は、レンズ74を通過した後は互いに平行光となって、眼球2の矢印で示された方向に掃引されながら眼球2に入射する。
【0050】
図6は本発明をゴーグル状構造物内に一体化した実施例を表わしたものであり、(A)は内部の光学系の配列を示す平面図、(B)は内部の光学系の配列を示す受光光学系側の側面図、(C)は眼球側からみた斜視図である。ゴーグル状構造物50内には図2に示された励起光学系12aと受光光学系30が配置されている。また、光源の駆動や光検出器の駆動を行い、光検出器が検出した信号を外部へ伝送する伝送回路などもゴーグル状構造物50内に備えている。制御部52はそのような駆動部や伝送回路を含んだものである。
【0051】
図7から図14により、本発明で測定しようとする眼内物質のラマン散乱スペクトル及び螢光スペクトルの例を示す。いずれも励起光は632.8nmのHe−Neレーザ光である。
図7はグルコースのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1及び2850〜3000cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、438cm-1,530cm-1,776cm-1,917cm-1,1087cm-1,1103cm-1,1298cm-1,1373cm-1,1461cm-1及び2907cm-1である。
【0052】
図8はイノシトールのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして400〜500cm-1,700〜900cm-1,1000〜1100cm-1,1200〜1500cm-1及び2900〜3050cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、443.852cm-1,864.743cm-1,1074.37cm-1,1468.06cm-1及び2995.59cm-1である。
【0053】
図9はフルクトースのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして550〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480cm-1及び2900〜3050cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、599.093cm-1,688.482cm-1,802.175cm-1,963.9821cm-1,1074.37cm-1,1267.38cm-1,1468.06cm-1及び2995.59cm-1である。
【0054】
図10はガラクトースのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして450〜550cm-1,630〜900cm-1,1000〜1180cm-1,1200〜1290cm-1,1300〜1380cm-1,1400〜1500cm-1及び2850〜3050cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、495.884cm-1,864.743cm-1,1062.17cm-1,1267.38cm-1,1362.38cm-1,1468.06cm-1及び2976.02cm-1である。
【0055】
図11はソルビトールのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして388〜488cm-1,749〜862cm-1,933〜1120cm-1,1380〜1464cm-1及び2731〜2960cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、438cm-1,821cm-1,1414cm-1,1000cm-1付近及び2893cm-1である。
【0056】
図12は糖化アルブミンの蛍光スペクトルであり、640〜850nmにピークをもっている。濃度が61.1%、33.3%、24.8%の水溶液試料を測定したものであり、高濃度のものほどスペクトル強度が大きくなっている。
【0057】
図13はジタウロビリルビンのラマン散乱スペクトルであり、励起波長からのシフト波数にして500〜540cm-1,670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220〜1300cm-1,1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1及び1550〜1670cm-1の位置にピークが存在する。それらのピークの中心波数は、520cm-1,688cm-1,940cm-1,1250cm-1,1320cm-1,1445cm-1及び1615cm-1である。
図14はレシチンの蛍光スペクトルであり、450〜650nmにピークをもっている。
【0058】
【発明の効果】
本発明では励起光学系から眼球に励起光ビームを照射し、眼球の深さの異なる複数の位置から発生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光学系で同時に検出し、かつ眼球での深さの異なる測定光発生位置と受光光学系の光検出器での光電変換素子の位置との間を対応させたので、眼球の深さの異なる複数の位置からの情報を非侵襲に、かつ同時に得ることができる。そのため、従来のように眼球の深さ方向に走査するときのように測定中に眼球が動いて測定不能になるという不都合を解消することができる。
また光学系に走査機構が必要ではないので、光学系を小型にすることができ、図4の実施例に示されたようなゴーグル状構造物内に一体化した組み込むこともできるようになって、取扱いが容易になる。
このように、眼球の深さの異なる部位からの光学的な情報を得て各部での眼内物質を測定することが容易になり、糖尿病その他の病気の診断などに有益な情報を非侵襲に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例を示す概略平面断面図である。
【図2】 第2の実施例を示す概略平面断面図である。
【図3】 第1、第2の実施例におけるスリットに代わる光学素子を示した概略平面断面図であり、光ファイバレンズアレイを用いたものである。
【図4】 測定用眼球とは異なる他方の眼球側にモニタ用CCD撮像装置を設けた例を示す概略斜視図である。
【図5】 ビーム掃引機構を備えた励起光学系の例を示す概略斜視図である。
【図6】 光学系をゴーグル状構造物内に一体化した実施例を表わしたものであり、(A)は内部の光学系の配列を示す平面図、(B)は内部の光学系の配列を示す受光光学系側の側面図、(C)は眼球側からみた斜視図である。
【図7】 グルコースのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図8】 イシノトールのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図9】 フルクトースのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図10】 ガラクトースのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図11】 ソルビトースのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図12】 糖化アルブミンの蛍光スペクトルを示す図である。
【図13】 ジタウロビリルビンのラマン散乱スペクトルを示す図である。
【図14】 レシチンの蛍光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
2 眼球
3 眼球軸
12,12a 励起光学系
14,14a 励起光源
16 励起光学系の光軸
18,18a レンズ
20,20a 光学フィルタ
22,24 スリット
30 受光光学系
35 一次元固体撮像素子
36 スリット
37 分光手段
40 ハーフミラー
42 光ファイバレンズアレイ
44 レンズ
50 ゴーグル状構造物
62 モニタ用CCD撮像装置
72 ポリゴンミラー

Claims (24)

  1. 励起光学系から眼球に可視から近赤外領域の単色化された又は単一波長の励起光ビームを照射し、眼球から発生する散乱光と蛍光の少なくとも一方を含む測定光を受光光学系で検出して眼内物質を測定する装置において、
    励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸は空間的に異なり、眼球軸を測定のための適当な方向に固定した状態で、両光軸が虹彩に当らず、かつ眼球内で交差するように配置され、
    受光光学系は励起光ビームに沿って眼球内での深さの異なる位置で発生した測定光をその発生位置と対応づけられた位置に導くための、受光光学系の受光軸に平行な複数の薄板を配列したスリットアレイ、又は光ファイバを受光光学系の受光軸に平行に配置した光ファイバレンズアレイからなる空間アパーチャーである光学素子、その光学素子により導かれた測定光を検出する光検出器を備えていることを特徴とする測定装置。
  2. 前記受光光学系は眼球から発生する測定光を分光する分光手段をさらに備え、前記光検出器はその分光手段により分光された測定光を検出するものである請求項1に記載の測定装置。
  3. 眼球軸を固定するために、励起光学系の光源とは別の可視光を発生する眼球軸固定用の光源を備えてその光源からの光ビームを測定用眼球又は他の眼球に入射させる眼球軸固定用光学系がさらに設けられている請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 眼球の方向を監視するモニタとして二次元固体撮像素子が測定用眼球側又は他の眼球側に設けられており、その二次元固体撮像素子により眼球の向き、励起光ビームの入射位置などの情報を取り込むことができるようにした請求項1又は2に記載の測定装置。
  5. 前記受光光学系の光検出器は二次元固体撮像素子であり、その二次元固体撮像素子は眼球の方向を監視するモニタとしてとしても使用される請求項1又は2に記載の測定装置。
  6. 前記励起光学系から発する光線が虹彩にかかることなく眼球内に入射し、その入射光軸は網膜近傍で眼球軸と交叉する請求項1から5のいずれかに記載の測定装置。
  7. 前記入射光軸と眼球軸とのなす角度が約15度以下である請求項6に記載の測定装置。
  8. 受光光学系の受光軸が虹彩にかかることなく眼球軸と交叉し、受光軸と眼球軸とのなす角度も約15度以下である請求項7に記載の測定装置。
  9. 前記励起光学系からの励起光ビームに沿って眼球内での深さの異なる位置で発生した測定光で、前記受光光学系の受光軸に平行な成分が虹彩で遮られることなく前記光学素子に入射するように、励起光学系と受光光学系が配置されている請求項1から8のいずれかに記載の測定装置。
  10. 前記光検出器は励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学系の受光軸と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電変換素子が配列された一次元又は二次元の固体撮像素子であり、その一次元又は二次元の固体撮像素子の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置とが前記光学素子により対応づけられている請求項1に記載の測定装置。
  11. 前記光検出器は励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面内で受光光学系の受光軸と一定の角度をもつ直線に沿って複数の光電変換素子が配列された一次元又は二次元の固体撮像素子であり、前記分光手段はフーリエ変換型分光器、フィルタ、又は音響光学フィルタであり、その一次元又は二次元の固体撮像素子の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置とが前記光学素子により対応づけられている請求項2に記載の測定装置。
  12. 前記光検出器は二次元固体撮像素子であり、前記分光手段は回折格子であり、その二次元固体撮像素子内の一列の光電変換素子配列の光電変換素子の位置と眼球内での励起光ビームに沿った測定光発生位置とが前記光学素子により対応づけられ、各位置からの測定光がその光電変換素子配列と直交する方向に波長分散されて同時に検出される多チャンネル分光器を構成している請求項11に記載の測定装置。
  13. 前記光検出器は二次元固体撮像素子であり、励起光学系は励起光ビームを励起光学系の光軸と受光光学系の受光軸とを含む平面と直交する方向に移動させるビーム掃引機構をさらに備えている請求項11又は12に記載の測定装置。
  14. 励起光学系の励起光ビームの光軸にビームスプリッタが設けられ、そのビームスプリッタにより取り出された励起光の一部が光検出器の一部の光電変換素子に入射され、その光電変換素子の出力により眼球からの測定光を受光した他の光電変換素子の出力が補正される請求項1から13のいずれかに記載の測定装置。
  15. 励起光学系及び受光光学系を含む必要な光学系が、顔面に装着できるゴーグル状構造物内に一体的に収納されている請求項1から14のいずれかに記載の測定装置。
  16. 前記ゴーグル状構造物内には、受光光学系により測定されたデータを含む情報を外部のデータ処理装置へ出力できる伝送回路がさらに設けられている請求項15に記載の測定装置。
  17. 測定される眼内物質は糖類であり、
    グルコースに対しては励起波長からのシフト波数にして420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好ましくは420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされ、
    イノシトールに対しては励起波長からのシフト波数にして400〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは400〜500cm-1,700〜900cm-1,1000〜1100cm-1,1200〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされ、
    フルクトースに対しては励起波長からのシフト波数にして550〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは550〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされ、
    ガラクトースに対しては励起波長からのシフト波数にして400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1、好ましくは450〜550cm-1,630〜900cm-1,1000〜1180cm-1,1200〜1290cm-1,1300〜1380cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされ、
    ソルビトールに対しては励起波長からのシフト波数にして380〜1500cm-1又は2700〜2960cm-1、好ましくは388〜488cm-1,749〜862cm-1,933〜1120cm-1,1380〜1464cm-1又は2731〜2960cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされる請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  18. 測定される眼内物質が脂質であり、
    レシチンに対しては450〜650nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用いて定量がなされる請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  19. 測定される眼内物質がビリルビンであり、励起波長からのシフト波数にして500〜540cm-1,670〜710cm-1,900〜980cm-1,1220〜1300cm-1,1310〜1330cm-1,1400〜1500cm-1又は1550〜1670cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて定量がなされる請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  20. 測定される眼内物質が糖化タンパクであり、
    糖化アルブミンに対しては640〜850nmの蛍光スペクトルのスペクトル強度又はその範囲内の適当な波長範囲のスペクトルの積算値を用いて定量がなされる請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  21. 測定される眼内物質が糖化タンパク最終産物AGEである請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  22. 測定される眼内物質が糖化クリスタリンである請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  23. 測定される眼内物質が糖類、脂質、ビリルビン、糖化タンパク、AGE及び糖化クリスタリンからなる群に含まれる少なくとも2種類の物質であり、それらの物質に選択されたシフト波数のラマン散乱光のピーク強度もしくはピーク面積、又は螢光のスペクトル強度もしくは適当な波長範囲の積算値が用いられ、それらの複数の測定値から多変量解析によりそれぞれの物質の測定値が求められる請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
  24. 測定される眼内物質は体外から注入された蛍光物質である請求項1から16のいずれかに記載の測定装置。
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