JPH10271163A - パケット通信網接続装置 - Google Patents

パケット通信網接続装置

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JPH10271163A
JPH10271163A JP9070074A JP7007497A JPH10271163A JP H10271163 A JPH10271163 A JP H10271163A JP 9070074 A JP9070074 A JP 9070074A JP 7007497 A JP7007497 A JP 7007497A JP H10271163 A JPH10271163 A JP H10271163A
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JP
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short
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network connection
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Application number
JP9070074A
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English (en)
Inventor
Koichi Hiramatsu
晃一 平松
Shoichiro Senoo
尚一郎 妹尾
Yoshimasa Baba
義昌 馬場
Naonobu Okazaki
直宣 岡崎
Hiroshi Nakamura
浩 中村
Teruko Fujii
照子 藤井
Yuji Atsui
裕司 厚井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パケット長の差異を利用してリアルタイム通
信パケットを優先処理し、かつ同一通信の中でのパケッ
ト順序逆転を回避/低減するパケット通信網接続装置を
得る。 【解決手段】 パケット長判定部210は、入力パケッ
トを、そのパケット長が規定しきい値以下であればパケ
ット送信バッファキュー(短パケット用)221にエン
キューし、そうでなければパケット送信バッファキュー
(長パケット用)222にエンキューする。優先度制御
部230は、パケット送信バッファキュー(短パケット
用)221に送信すべきパケットが1つでも存在すると
きは、その先頭からパケットをデキューする。そうでな
ければ、パケット送信バッファキュー(長パケット用)
222の先頭からパケットをデキューする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、可変長のパケッ
トにより通信するネットワークを相互に接続するパケッ
ト通信網接続装置に関する。特に、パケット通信網接続
装置におけるパケット処理方式に関する。
【0002】
【従来の技術】LAN(ローカルエリアネットワーク)
やインターネットは、広く利用されているパケット通信
網である。インターネットは、LANやWAN(ワイド
エリアネットワーク)を、ルータ、ブリッジ、スイッチ
といったパケット通信網接続装置で相互接続して構成さ
れる、大きなパケット通信網である。これらのパケット
通信網は、従来、主にリアルタイム性が特に要求されな
いデータ通信に利用されてきた。
【0003】しかし近年、パソコン等のマルチメディア
化に伴い、これらのパケット通信網で、音声や動画像と
いったリアルタイム性が要求される通信と、データ通信
のような非リアルタイム通信を混在させたいとの要求が
高まっている。パケット通信網でリアルタイム通信、例
えば音声通信を実現するためには、音声データを載せた
パケットが発端末から着端末へ一定時間内に転送される
ように、リアルタイム通信パケットがパケット通信網接
続装置内に滞留している時間を短くすることが重要であ
る。このため、パケット通信網接続装置は、リアルタイ
ム通信パケットの中継を、非リアルタイム通信パケット
に優先して処理する必要がある。
【0004】パケット通信網接続装置を通過するパケッ
トがリアルタイム通信、非リアルタイム通信のどちらで
あるかを判別するには、ひとつの方法として、パケット
にパケット識別符号を付加することが考えられる。しか
し、この方法では、パケット通信網接続装置が各種パケ
ットのフレーム構成を把握していなければ、パケット識
別符号を認識できないため、構成が複雑になる。
【0005】別の判別方法として、リアルタイム通信パ
ケットと非リアルタイム通信パケットを、それぞれのパ
ケット長の差異を利用して判別することも考えられる。
リアルタイム通信では、音や動画を符号化した連続的な
発生データを周期的にパケット化し転送するが、このパ
ケット化に伴う遅延を小さくする必要から、パケット化
周期を短くとって、その間に発生した少量のデータを1
つのパケットとする。このため、リアルタイム通信パケ
ットは、そのパケット長が短い。但し、必ずしも固定長
ではない。符号化方式によっては、データ圧縮などの処
理を施すので、転送すべきデータ量が周期毎に異なるか
らである。
【0006】一方、蓄積されたデータファイルなどを転
送する非リアルタイム通信では、ネットワークが許容す
る最大パケット長で転送されることが多い。各パケット
には実際のデータのほかに、宛先などの制御情報を含む
パケットヘッダが付随するが、1パケットに占める実際
のデータの割合が多いほど、効率よくデータ転送できる
からである。
【0007】パケット長の差異を利用して判別する従来
のパケット通信網接続装置は、例えば特開昭61−17
7049に示されている。図11にそのブロック図を示
す。図11において、101および106は伝送路、1
02はパケット受信部、103はパケット受信バッフ
ァ、104はパケット送信バッファ、105はパケット
送信部、109は制御部で、これらがstore-and-forwar
d方式によるパケット通信網接続装置の基本部分を構成
している。store-and-forward方式とは、伝送路から受
信したパケットを一時蓄積し、その後このパケットを別
の伝送路へ送信する方式である。この方式では、パケッ
トの最終ビットが受信されない限り、パケットの先頭ビ
ットを送信しえないので、パケット通信網接続装置で最
小でもパケット長相当の遅延が生じる。さらに図11に
おいて、パケット数判定部107、パケット長比較処理
部108が設けられる。パケット数判定部107、パケ
ット長比較処理部108、パケット受信バッファ10
3、パケット送信バッファ104、制御部109で構成
される部分が、この従来のパケット通信網接続装置に特
徴的な部分であるが、この部分をコアブロック1と呼ぶ
ことにする。
【0008】パケット数判定部107は、パケット受信
バッファ103内に蓄積されているパケットの数が規定
個数以上あるかどうかを判定し、規定個数以上のときは
ライン107aを介してパケット長比較処理部108に
この旨を通知する。パケット長比較判定部108はパケ
ット数判定部107からの通知を受けると、ライン10
3bを介して送られてくるパケット長情報について比較
処理を実行し、パケット長が短い順にパケットを選択
し、選択した結果をライン108aを介して制御部に通
知する。
【0009】上記従来のパケット通信網接続装置は、パ
ケット受信バッファ103に蓄積されているパケットの
個数が規定個以上のとき、蓄積されている各パケットの
長さを比較して、パケットの長さが短い順に伝送路に送
信する。このときの動作は、次のとおりである。
【0010】伝送路101からのパケットはパケット受
信部102に取りこまれ、パケット受信バッファ103
に格納される。パケット数判定部107は、パケット受
信バッファ103からライン103aを介して通知され
ているパケット格納個数が規定個数以上であることを、
ライン107aを介してパケット長比較処理部108に
通知する。この通知を受けていると、パケット長比較処
理部108は、ライン103bを介して送られてくるパ
ケット長情報について比較処理を実行し、パケット長が
短い順にパケットを選択し、選択結果をライン108a
を介して制御部109に通知する。通知を受けた制御部
109は、選択されたパケットをパケット受信バッファ
103から取り出し、パケット送信バッファ104に転
送するように指示する。パケット送信バッファ104は
FIFOであり、パケットは格納された順にパケット送
信部105に転送される。パケット送信部105はパケ
ットを伝送路106に送信する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のパ
ケット通信網接続装置は、次のような問題点を有する。
【0012】(1)同一通信の中でのパケット順序逆転 上記従来のパケット通信網接続装置は、蓄積されている
パケットを、パケットの長さが短い順に伝送路に送信す
るため、伝送路からの入力パケットシーケンスが組み替
えられて別の伝送路に出力される。すなわち、パケット
の順序逆転が起こる。
【0013】図12はパケット順序逆転の例を示すタイ
ムチャートである。高速な伝送路101から受信したパ
ケットを、パケット通信網接続装置が、低速な伝送路1
06に送信することを想定した。この例では、入力側伝
送路速度は1.5Mバイト/秒、出力側伝送路速度は1
5Kバイト/秒としている。図12上段に示す入力パケ
ットシーケンスは、リアルタイム通信パケット(R1〜
R17)と、非リアルタイム通信パケット(N1〜N
3)が混在している。この入力パケットシーケンスで
は、リアルタイム通信パケットが20ms周期でパケッ
ト通信網接続装置に到着する。R1〜R17のパケット
長は、図13に示すとおり150バイト程度ではある
が、固定長ではない。ここでは説明のため、後から入力
されるパケットほどわずかに短いものとした。また、非
リアルタイム通信パケットとしては、転送すべき全デー
タを発端末が伝送路の最大パケット長(ここでは150
0バイト)に分割発信するために、一般に図示のような
長いパケットがバースト的に連続する。
【0014】図12における時間表示は、R1が到着し
た時点を0としている。この時、パケット通信網接続装
置には規定個数以上のパケットが蓄積されており、また
その時ちょうど1500バイトのパケットを送信開始し
たものとする。この場合にパケット通信網接続装置が出
力するパケットシーケンスは、図12下段に示すように
なる。伝送路速度15Kバイト/秒で上記1500バイ
トのパケットを送信するには100msを要する。この
パケットを送信完了した時点では、既にR1〜R5及び
N1〜N3が装置内に蓄積され、蓄積パケット数は規定
個数以上のままである。従って、蓄積パケットの中で最
も短いR5が送信される。以降も同様に、パケット送信
が完了すると、その時蓄積されている最も短いパケット
が送信され、図示のような出力パケットシーケンスとな
る。この出力パケットシーケンスをみると、リアルタイ
ム通信パケットが非リアルタイム通信パケットに優先し
て出力されていることがわかるが、リアルタイム通信パ
ケットの中でも順序逆転が起き、また非リアルタイム通
信パケットの中でも順序逆転が起きてしまっている。
【0015】図12の入力/出力パケットシーケンスを
比較すると、各パケットがこのパケット通信網接続装置
において被る遅延時間がわかる。例えば、R1の遅延時
間は180msである。このうち100msは、最大長
パケットの送信完了を待つための遅延であり、パケット
通信網では避けられない。しかし、残り80msは、リ
アルタイム通信パケットの中で順序逆転が起こることに
伴うものである。(なお、説明を簡略するため、ここで
はstore-and-forward方式に伴う受信時のパケット長相
当の遅延は省いて考えた。)
【0016】このように、従来のパケット通信網接続装
置は、蓄積されているパケットを長さが短い順に伝送路
に送信するので、同一通信の中でもパケット順序逆転が
起こり、これに伴う遅延のためにリアルタイム通信の品
質を悪くしている。
【0017】(2)store-and-forward方式の制約 従来のパケット通信網接続装置は、store-and-forward
方式を前提としているため、最小でも受信時のパケット
長相当の遅延が生じる。store-and-forward方式に対し
て、cut-through方式がある。cut-through方式とは、伝
送路からのパケットを途中まで受信した時点で、別の伝
送路への送信を開始する方式である。一般には、パケッ
トヘッダ部分まで受信すると、その情報に基づいて送信
先伝送路を決定し、送信を開始する。このため、受信時
の遅延はパケットヘッダ長相当であり、store-and-forw
ard方式に比べてより低遅延の接続装置となる。
【0018】この発明はこれらの問題点を解決し、パケ
ット長の差異を利用してリアルタイム通信パケットを優
先処理し、かつ同一通信の中でのパケット順序逆転を回
避/低減するパケット通信網接続装置を得ることを目的
とする。また、パケット長の差異を利用してリアルタイ
ム通信パケットを優先処理する、cut-through方式のパ
ケット通信網接続装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わるパケ
ット通信網接続装置は、 可変長のパケットにより通信
するネットワークを相互に接続するパケット通信網接続
装置において、上記受信したパケットを、そのパケット
長が所定の値以下であれば短パケット、そうでなければ
長パケットと判定する判定手段と、上記短パケットを上
記長パケットに優先して送信する優先送信手段とを有す
るものである。
【0020】第2の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、送信待ちで蓄積されている上記短パケットのデー
タ量を監視する監視手段を有し、その監視手段の監視結
果に基づいて上記判定手段は上記短パケットを廃棄する
ものである。
【0021】第3の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記長パケットについて時間あたりに送信すべき
データ量を定め、これに従って送信されたとした場合に
送信待ちで蓄積されるはずの上記長パケットのデータ量
と実際に送信待ちで蓄積されている上記長パケットのデ
ータ量との差を監視する監視手段を有し、その監視手段
の監視結果に基づいて上記判定手段は上記短パケットを
廃棄するものである。
【0022】第4の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記短パケットの受信速度を監視する監視手段を
有し、その監視手段の監視結果に基づいて上記判定手段
は上記短パケットを廃棄するものである。
【0023】第5の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記短パケットの送信速度を監視する監視手段を
有し、その監視手段の監視結果に基づいて上記優先送信
手段は、上記送信待ちの短パケットの送信を停止するも
のである。
【0024】第6の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記判定手段が受信したパケットのパケット長が
上記所定値以下の短パケットで、かつパケットヘッダの
フラグメントオフセット領域が示す値が規定しきい値よ
り大きいならば長パケットと判定するものである。
【0025】第7の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、可変長のパケットにより通信するネットワークを
相互に接続するパケット通信網接続装置において、上記
受信したパケットを、そのパケット長が所定の範囲内で
あれば優先パケット、そうでなければ非優先パケットと
判定する判定手段と、上記優先パケットを上記非優先パ
ケットに優先して送信する優先送信手段とを有するもの
である。
【0026】第8の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記判定手段が上記パケットを、そのパケット受
信開始時点で短パケットとし、受信途中にパケット長が
上記所定値を超えた場合には長パケットと判定するもの
である。
【0027】第9の発明に係わるパケット通信網接続装
置は、上記判定手段が上記パケットを、パケット受信開
始時点では長パケットとし、パケット末尾のデータを受
信した時点で、パケット長が上記所定値以下であれば短
パケットと判定するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.本実施の形態を示すパケット通信網接続
装置のブロック図を図1に示す。図1において、101
および106は伝送路、102はパケット受信部、10
5はパケット送信部で、これらは図11に示した従来の
パケット通信網接続装置と同様の構成要素である。図1
と図11の違いは、コアブロック1にある。図1におい
ては、コアブロック1の構成要素として、パケット長判
定部210、パケット送信バッファキュー(短パケット
用)221、パケット送信バッファキュー(長パケット
用)222、優先度制御部230が設けられる。
【0029】パケット長判定部210は、パケット受信
部102から転送される受信パケットの長さが規定しき
い値以下であるかどうかを判定し、規定しきい値以下の
ときはその受信パケットをパケット送信バッファキュー
(短パケット用)221の末尾にエンキューし、そうで
ないときはその受信パケットをパケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222の末尾にエンキューする。
優先度制御部230は、パケット送信バッファキュー
(短パケット用)221に送信すべきパケットが1つで
も存在するときは、パケット送信バッファキュー(短パ
ケット用)221の先頭からパケットをデキューしてパ
ケット送信部105に転送する。パケット送信バッファ
キュー(短パケット用)221に送信すべきパケットが
1つも存在しないときには、パケット送信バッファキュ
ー(長パケット用)222の先頭からパケットをデキュ
ーしてパケット送信部105に転送し送信依頼する。パ
ケット送信バッファキュー221および222は、上記
のとおり、それぞれがFIFOキューである。
【0030】本実施の形態におけるパケット通信網接続
装置の動作は、次のとおりである。伝送路101からの
パケットはパケット受信部102に取りこまれ、パケッ
ト長判定部210に転送される。パケット受信部102
からパケットを転送されると、パケット長判定部210
は、そのパケットの長さが規定しきい値以下のときはそ
の受信パケットをパケット送信バッファキュー(短パケ
ット用)221の末尾にエンキューし、そうでないとき
はその受信パケットをパケット送信バッファキュー(長
パケット用)222の末尾にエンキューする。
【0031】一方、パケット送信部105は、送信依頼
されている送信パケットを伝送路106に送信する。パ
ケット送信を完了し、新たな送信依頼を受付け可能な状
態になると、パケット送信部105は、その旨を優先度
制御部230に通知する。この通知を受けているとき、
優先度制御部230は、パケット送信バッファキュー
(短パケット用)221に送信すべきパケットが1つで
も存在するときは、パケット送信バッファキュー(短パ
ケット用)221の先頭からパケットをデキューしてパ
ケット送信部105に転送する。パケット送信バッファ
キュー(短パケット用)221に送信すべきパケットが
1つも存在しないときには、パケット送信バッファキュ
ー(長パケット用)222の先頭からパケットをデキュ
ーしてパケット送信部105に転送し送信依頼する。
【0032】上記動作を要約すれば、本実施の形態にお
けるパケット通信網接続装置は、規定しきい値以下の短
パケットの中継を、規定しきい値以上の長パケットに優
先して処理するが、同一通信の中でのパケット順序は保
存するように動作する。
【0033】図2は、本実施の形態におけるパケット通
信網接続装置によるタイムチャートである。入力側伝送
路速度、出力側伝送路速度、入力パケットシーケンスと
各入力パケット長は、図12と全く同一である。また、
R1が到着した時点を0とする時間表示、パケット通信
網接続装置が時刻0の時にちょうど1500バイトのパ
ケットを送信開始したものとすることも図12と同様で
ある。パケット長の規定しきい値は、例えば300バイ
トとする。
【0034】この場合にパケット通信網接続装置が出力
するパケットシーケンスは、図2下段に示すようにな
る。伝送路速度15Kバイト/秒で上記1500バイト
のパケットを送信するには100msを要する。このパ
ケットを送信完了した時点では、R1〜R5が送信パケ
ットバッファキュー(短パケット用)221に、N1〜
N3が送信パケットバッファキュー(長パケット用)2
22に、それぞれ受信した順序で蓄積されている。パケ
ット送信完了により送信依頼受付け可能となったパケッ
ト送信部105から、その旨の通知を受けて、優先度制
御部230は送信パケットバッファキュー(短パケット
用)221の先頭にあるR1をデキューし、パケット送
信部105に転送/送信依頼する。以降も同様に、パケ
ット送信が完了すると、その時に送信パケットバッファ
キュー(短パケット用)221の先頭にあるパケットが
送信される。R10の送信が完了すると、送信パケット
バッファキュー(短パケット用)221が空になるの
で、送信パケットバッファキュー(長パケット用)22
2の先頭にあるN1が送信される。以降も同様に動作に
して、図示のような出力パケットシーケンスとなる。
【0035】この出力パケットシーケンスをみると、リ
アルタイム通信パケットが非リアルタイム通信パケット
に優先して出力されていること、同一通信の中ではパケ
ット順序が保存されていることがわかる。また、図2の
入力/出力パケットシーケンスを比較すると、リアルタ
イム通信パケットのうち最も遅延時間の大きいのはR1
およびR11であるが、その遅延時間は100msであ
る。これは最大長パケットの送信完了を待つための遅延
であり、パケット通信網では避けられない。すなわち、
リアルタイム通信パケットの遅延は、原理的に可能な限
り最小化されている。
【0036】以上のように、本実施の形態におけるパケ
ット通信網接続装置は、リアルタイム通信パケットの中
継を、非リアルタイム通信パケットに優先して処理し、
かつ同一通信の中でのパケット順序は保存するように動
作するので、リアルタイム通信パケットの遅延を最小化
することができる。
【0037】実施の形態2.リアルタイム通信では、例
えば音声パケットが発端末から着端末へ一定時間内に転
送される必要がある。何等かの理由により、着端末への
到着がこの時間よりも遅れた場合、その音声パケットは
音声として再生されることなく、単に廃棄されるだけで
ある。つまり、この遅れたパケットは通信網帯域を浪費
したに過ぎない。本実施の形態は、一定時間以上遅延し
たリアルタイム通信パケットを、パケット通信網内でむ
しろ積極的に廃棄することにより、通信網帯域の浪費を
回避することを意図したものである。
【0038】実施の形態2に示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図3に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図3において、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221、パケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222は、図1と同一であるが、
パケット長判定部210、優先度制御部230の他に、
短パケットキュー長カウンタ240を追加した点が異な
る。
【0039】短パケットキュー長カウンタ240は、パ
ケット送信バッファキュー221に蓄積されているデー
タ量を保持するものである。パケット長判定部210
は、受信パケットをパケット送信バッファキュー(短パ
ケット用)221にエンキューする際に、ライン210
aを介して、そのパケット長を短パケットキュー長カウ
ンタ240に加算する。優先度制御部230は、パケッ
ト送信バッファキュー(短パケット用)221からパケ
ットをデキューする際に、ライン230aを介して、そ
のパケット長を短パケットキュー長カウンタ240から
減算する。また、短パケットキュー長カウンタ240
は、ライン210bを介して、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221に蓄積されているデータ量
を、パケット長判定部210に通知している。
【0040】パケット長判定部210は、受信パケット
の長さが規定しきい値以下のとき、ライン210bで通
知されているデータ量に基づいて、その受信パケット
を、パケット送信バッファキュー(短パケット用)22
1の末尾にエンキューするか、廃棄するかを決める。つ
まり、ライン210bで通知されているデータ量が第2
のしきい値以上であれば廃棄し、そうでなければエンキ
ューする。
【0041】以上述べた以外の点については、パケット
長判定部210、優先度制御部230は、図1と同様に
動作する。
【0042】例えば、出力側伝送路速度が15Kバイト
/秒、第2のしきい値を1500バイトとした場合、一
旦パケット送信バッファキュー(短パケット用)221
の末尾にエンキューされたパケットは、パケット送信バ
ッファキュー(短パケット用)221内のパケットが送
信されはじめてから、1500/15K=100ms以
内に送信される。この他に、パケット送信バッファキュ
ー(短パケット用)221の先頭のパケットが送信され
はじめるまでに、最大長パケット(1500バイト)の
送信完了を待つための遅延(100ms)が加わる可能
性がある。従って、このパケット通信網接続装置が送信
する短パケットについて、この装置で加わる遅延は、最
大200msに抑えられる。
【0043】以上述べたように、本実施の形態における
パケット通信網接続装置によれば、短パケットの中継遅
延に上限を与えるとともに、これを超える短パケットを
廃棄することによって、通信網帯域を有効利用し、他の
短パケットの遅延を短縮するという効果が得られる。
【0044】なお、上記例では、パケット送信バッファ
キュー(短パケット用)内のデータ量をバイト数で観測
するように構成したが、パケット数で観測するように構
成しても類似の効果が得られる。また、短パケットキュ
ー長カウンタから通知するデータ量として、データ量の
観測値を時間的に平均化した値(例えば指数平滑化によ
る)を用いることで、制御の感度を調整することも可能
である。また、上記例では、パケット送信バッファキュ
ー(短パケット用)として割り当てるバッファ量を、短
パケットキュー長カウンタにより論理的に制限したが、
物理的に独立したバッファを割り当てることで制限して
もよい。
【0045】実施の形態3.従来のパケット通信網接続
装置では、リアルタイム通信パケットが出力伝送路速
度、あるいはそれ以上に入力されていると、優先度の高
いリアルタイム通信パケットだけが処理され、その間に
入力された非リアルタイム通信パケットは受信バッファ
に蓄積されたまま処理されないため、データ通信等が全
くできないという現象が生じる。すなわち、リアルタイ
ム通信パケットによる通信網帯域の専有を許してしま
う。本実施の形態は、このような通信網帯域の専有を回
避することを意図したものである。
【0046】本実施の形態を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図4に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図4において、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221、パケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222は、図1と同一であるが、
パケット長判定部210、優先度制御部230の他に、
長パケットキュー長カウンタ250、目標長パケットキ
ュー長カウンタ251、比較部252を追加した点が異
なる。
【0047】長パケットキュー長カウンタ250は、パ
ケット送信バッファキュー(長パケット用)222に蓄
積されているデータ量を保持するものである。パケット
長判定部210は、受信パケットをパケット送信バッフ
ァキュー(長パケット用)222にエンキューする際
に、ライン210cを介して、そのパケット長を長パケ
ットキュー長カウンタ250に加算する。優先度制御部
230は、パケット送信バッファキュー(長パケット
用)222からパケットをデキューする際に、ライン2
30cを介して、そのパケット長を長パケットキュー長
カウンタ250から減算する。また、長パケットキュー
長カウンタ250は、ライン250aを介して、パケッ
ト送信バッファキュー(長パケット用)222に蓄積さ
れているデータ量、すなわち長パケットキュー長の実際
値を比較部252に通知している。
【0048】目標長パケットキュー長カウンタ251
は、非リアルタイム通信用に一定の帯域が割り当てられ
たと仮定した時の、パケット送信バッファキュー(長パ
ケット用)222に蓄積されているデータ量、すなわち
長パケットキュー長の目標値を設定するものである。パ
ケット長判定部210は、受信パケットをパケット送信
バッファキュー(長パケット用)222にエンキューす
る際に、ライン210cを介して、そのパケット長を目
標長パケットキュー長カウンタ251にも加算する。目
標長パケットキュー長カウンタ251は、非リアルタイ
ム通信用に確保すべき通信網帯域に従って自動的にデク
リメントする。例えば、非リアルタイム通信に7500
バイト/秒を確保する場合には、1/7500秒毎に1
バイトだけ目標値をデクリメントする。但し、その値が
0になったら、それ以下にはデクリメントしない。ま
た、目標長パケットキュー長カウンタ251は、ライン
251aを介して、そのカウンタ値、すなわち長パケッ
トキュー長の目標値を比較部252に通知している。
【0049】比較部252は、ライン250aからの長
パケットキュー長の実際値と、ライン251aからの長
パケットキュー長の目標値を比較する。そして、次の条
件が成立している期間は、その旨をライン210dを介
してパケット長判定部210に通知する。 実際値 − 目標値 > 規定しきい値 上記、実際値と目標値の差は、非リアルタイム通信から
リアルタイム通信への貸し越し分に相当する。ライン2
10dは、この貸し越しが規定しきい値以上の過剰貸し
越しであることを示すものである。
【0050】パケット長判定部210は、受信パケット
の長さが規定しきい値以下のとき、ライン210dでの
通知に基づいて、その受信パケットを、パケット送信バ
ッファキュー(短パケット用)221の末尾にエンキュ
ーするか、廃棄するかを決める。つまり、ライン210
dで過剰貸し越しが通知されている場合は廃棄し、そう
でなければエンキューする。
【0051】以上述べた以外の点については、パケット
長判定部210、優先度制御部230は、図1と同様に
動作する。
【0052】次に、本実施の形態によるパケット通信網
接続装置の動作を、例をとって説明する。出力側伝送路
速度が15Kバイト/秒、非リアルタイム通信用に確保
する帯域を7.5Kバイト/秒、第3のしきい値を14
99バイトとする。
【0053】例えば、本実施の形態によるパケット通信
網接続装置に、短パケットだけが出力伝送路速度で入力
されている状態を考える。つまり、送信中の短パケット
の送信が完了する前に次の短パケットが入力され、この
入力された短パケットは送信中の短パケットの送信が完
了するとすぐに送信される。このため、パケット送信バ
ッファキュー(短パケット用)221内に定常的にパケ
ットが1つ蓄積されている。パケット送信バッファキュ
ー(長パケット用)222は、この時点では空であると
する。
【0054】この状態で、非リアルタイム通信の長パケ
ット(1500バイト)が1つ入力されると、パケット
長判定部210は、そのパケットをパケット送信バッフ
ァキュー(長パケット用)222に蓄積し、長パケット
キュー長カウンタ250にカウンタ値として1500を
設定し、目標長パケットキュー長カウンタ251に目標
値として1500を設定する。この後も短パケットが定
常的に入力されるため、パケット送信バッファキュー
(長パケット用)222からは送信されず、長パケット
キュー長カウンタ250の値は1500のままである。
一方の目標長パケットキュー長カウンタ251は、1/
7500秒毎に1バイトずつ目標値をデクリメントし、
200ms後には0になる。この時点で、長パケットキ
ュー長の実際値1500と目標値0の差が、第3のしき
い値1499を超えるので、比較部252はその旨をパ
ケット長判定部210に通知しはじめ、パケット長判定
部210は受信した短パケットを廃棄するようになる。
すると、パケット送信バッファキュー(短パケット用)
221から、蓄積されていたパケットがデキューされた
後、次の短パケットはエンキューされないので、パケッ
ト送信バッファキュー(短パケット用)221は空にな
る。この結果、パケット送信バッファキュー(長パケッ
ト用)222から、非リアルタイム通信の長パケット
(1500バイト)がデキューされ送信される。これに
より、長パケットキュー長カウンタ250の値は0にな
り、比較部252はパケット長判定部210への通知を
止めるので、パケット長判定部210はその後入力され
た短パケットをパケット送信バッファキュー(短パケッ
ト用)221にエンキューするようになる。
【0055】以上述べたように、この実施の形態におけ
るパケット通信網接続装置によれば、短パケットの中継
を優先しながらも、短パケットによる通信網帯域の専有
を回避するという効果が得られる。
【0056】実施の形態4.本実施の形態は、実施の形
態3と同じく、短パケットによる通信網帯域の専有を回
避することを意図したものである。
【0057】本実施の形態を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図5に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図5において、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221、パケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222は、図1と同一であるが、
パケット長判定部210、優先度制御部230の他に、
短パケット利用量監視カウンタ260を追加した点が異
なる。
【0058】短パケット利用量監視カウンタ260は、
パケット送信バッファキュー(短パケット用)221へ
のエンキュー速度を制限するためのものであり、パケッ
ト送信バッファキュー(短パケット用)221にエンキ
ューしてよい最大データ量を保持するものである。短パ
ケット利用量監視カウンタ260は、リアルタイム通信
用に許可する通信網帯域に従って自動的にインクリメン
トする。例えば、リアルタイム通信に7500バイト/
秒を許可する場合には、1/7500秒毎に1バイトだ
けインクリメントする。短パケット利用量監視カウンタ
260は、規定の最大値になったら、それ以上はインク
リメントせず最大値を保つ。また、短パケット利用量監
視カウンタ260は、ライン210fを介して、そのカ
ウンタ値、すなわちエンキューしてよい最大データ量を
パケット長判定部210に通知している。パケット長判
定部210は、受信パケットをパケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221にエンキューする際に、ラ
イン210eを介して、そのパケット長を短パケット利
用量監視カウンタ260から減算する。
【0059】パケット長判定部210は、受信パケット
の長さが規定しきい値以下のとき、ライン210fでの
通知に基づいて、その受信パケットを、パケット送信バ
ッファキュー(短パケット用)221の末尾にエンキュ
ーするか、廃棄するかを決める。つまり、受信パケット
の長さがライン210fで通知されているデータ量を超
えていれば廃棄する。そうでなければエンキューし、そ
のパケット長を短パケット利用量監視カウンタ260か
ら減算する。
【0060】優先度制御部230は、図1と同様に動作
する。また、以上述べた以外の点については、パケット
長判定部210は、図1と同様に動作する。
【0061】次に、本実施の形態によるパケット通信網
接続装置の動作を、例をとって説明する。出力側伝送路
速度が15Kバイト/秒、リアルタイム通信用に許可す
る帯域を7.5Kバイト/秒とする。
【0062】本実施の形態によるパケット通信網接続装
置に、短パケットだけが出力伝送路速度で入力されてい
る状態を考える。例えば、150バイトのパケットが1
0ms毎に1つ入力されているとする。短パケット利用
量監視カウンタ260の値が150未満である間は、パ
ケット長判定部210は、受信した150バイトの短パ
ケットを廃棄している。短パケット利用量監視カウンタ
260は、1/7500秒毎に1バイトずつインクリメ
ントされ、20ms後にはカウンタ値が150になる。
この直後に入力された短パケットを、パケット長判定部
210は、パケット送信バッファキュー(短パケット
用)221にエンキューし、短パケット利用量監視カウ
ンタ260はパケット長150バイト分だけ減算されて
0になる。この10ms後に短パケットが入力される
が、短パケット利用量監視カウンタ260値は75まで
しかインクリメントされていないため、パケット長判定
部210により廃棄される。このように、10ms毎に
1つ入力される150バイトパケットは1つおきに廃棄
され、20ms毎に1つの150バイトパケットがパケ
ット送信バッファキュー(短パケット用)221エンキ
ューされる。つまり、パケット長判定部210からのエ
ンキュー速度は7500バイト/秒となり、リアルタイ
ム通信用に許可した7.5Kバイト/秒に抑制されてい
る。
【0063】この状態で非リアルタイム通信の長パケッ
トが入力されると、それは残りの7.5Kバイト/秒の
帯域を使って送信される。長パケットについて見れば、
この状態は、図2において短パケットが20ms毎に入
力されているのと同じ状態である。
【0064】以上述べたように、この実施の形態におけ
るパケット通信網接続装置によれば、短パケットの中継
を優先しながらも、短パケットに対して許可する帯域を
制限して、短パケットによる通信網帯域の専有を回避す
るという効果が得られる。
【0065】実施の形態5.本実施の形態は、実施の形
態3と同じく、短パケットによる通信網帯域の専有を回
避することを意図したものである。
【0066】実施の形態5を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図6に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図6において、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221、パケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222は、図1と同一であるが、
パケット長判定部210、優先度制御部230の他に、
短パケット送信量監視カウンタ270を追加した点が異
なる。
【0067】短パケット送信量監視カウンタ270は、
パケット送信バッファキュー(短パケット用)221か
らのデキュー速度を制限するためのものである。優先度
制御部230は、パケット送信バッファキュー(短パケ
ット用)221からデキューする際に、ライン230e
を介して、そのパケット長を短パケット送信量監視カウ
ンタ270に加算する。短パケット送信量監視カウンタ
270は、リアルタイム通信用に許可する通信網帯域に
従って自動的にデクリメントする。例えば、リアルタイ
ム通信に7500バイト/秒を許可する場合には、1/
7500秒毎に1バイトだけデクリメントする。その値
が0以下になっても負の値でデクリメントを続けるが、
規定の最小値になったら、それ以下にはデクリメントせ
ず最小値を保つ。また、短パケット送信量監視カウンタ
270は、ライン230fを介して、そのカウンタ値を
優先度制御部230に通知している。
【0068】優先度制御部230は、ライン230fで
通知されるカウンタ値が0より大きい間は、パケット送
信バッファキュー(短パケット用)221からのデキュ
ーを行わず、パケット送信バッファキュー(長パケット
用)222から(パケットが蓄積されていれば)デキュ
ーする。
【0069】パケット長判定部210は、図1と同様に
動作する。また、以上述べた以外の点については、優先
度制御部230は、図1と同様に動作する。
【0070】次に、本実施の形態によるパケット通信網
接続装置の動作を、例をとって説明する。出力側伝送路
速度が15Kバイト/秒、リアルタイム通信用に許可す
る帯域を7.5Kバイト/秒とする。
【0071】本実施の形態によるパケット通信網接続装
置に、短パケットが出力伝送路速度で入力されている状
態を考える。例えば、150バイトのパケットが10m
s毎に1つ入力されているとする。また、その他に長パ
ケットも入力されているものとする。入力された短パケ
ットは、パケット送信バッファキュー(短パケット用)
221にエンキューされ、優先度制御部230はそれを
デキューする。この時に、短パケット送信量カウンタ2
70に、パケット長150バイトが設定される。短パケ
ット送信量監視カウンタ270は、1/7500秒毎に
1バイトずつデクリメントされ、その値が0になるのは
20ms後である。デキューされた150バイトのパケ
ットは、15Kバイト/秒で送信され、10ms後には
送信が完了する。この後、短パケット送信量監視カウン
タ270が0になるまでの残り10ms間は、パケット
送信バッファキュー(短パケット用)221からのデキ
ューは抑制され、パケット送信バッファキュー(長パケ
ット用)222に蓄積された長パケットがデキューされ
る。
【0072】このような動作により、平均的には20m
sあたり1つの150バイトパケットがパケット送信バ
ッファキュー(短パケット用)221からデキューされ
る。つまり、パケット送信バッファキュー(短パケット
用)221からのデキュー速度は平均7500バイト/
秒となり、リアルタイム通信用に許可した7.5Kバイ
ト/秒に抑制される。非リアルタイム通信の長パケット
は残りの7.5Kバイト/秒の帯域を使って送信され
る。
【0073】以上述べたように、この実施の形態におけ
るパケット通信網接続装置によれば、短パケットの中継
を優先しながら、短パケットに対して許可する帯域を制
限して、短パケットによる通信網帯域の専有を回避する
という効果が得られる。
【0074】実施の形態6.既に述べたように、非リア
ルタイム通信では、ネットワークが許容する最大パケッ
ト長で転送されることが多い。しかし、非リアルタイム
通信のデータが短パケットで転送されることもある。例
えば、IPパケットがフラグメントされた場合である。
IPはインターネットで利用されているプロトコルであ
るが、IPパケットのフラグメントとは、ネットワーク
が許容する最大パケット長よりも大きなパケットを転送
する場合に、もとのパケットを分割して転送するもので
ある。図7は、4500バイトのパケットを、最大パケ
ット長1500バイトのネットワークに転送する場合の
フラグメントの例である。もとのパケットのデータ部4
480バイトは4つに分割され、分割された各パケット
の先頭にIPヘッダが付加される。この場合、最初の3
つは1500バイトのパケットになるが、最後の1つは
60バイトのパケットとなる。IPヘッダには、フラグ
メントオフセットという領域が定義されており、分割さ
れた各パケットのデータの先頭が、もとのパケットのデ
ータの何バイト目にあたるかが示される。
【0075】これら分割された4つのパケットが、例え
ば図1に示す実施の形態1によるパケット通信網接続装
置に入力されると、最初の3つのパケットは長パケット
と判定され、最後の60バイトのパケットは短パケット
と判定されるので、最後のパケットが優先して中継され
る。結果として、非リアルタイム通信の中でのパケット
順序逆転が発生する。
【0076】インターネットは、パケットが必ずしも発
信順どおりに着信しないことを想定して設計されてお
り、パケット順序逆転によって非リアルタイム通信が不
能となることはないが、その頻度が高いと着端末での負
荷増などのため、通信のパフォーマンスが劣化する。従
って、非リアルタイム通信の中でのパケット順序逆転
は、なるべく低減することが望まれる。
【0077】本実施の形態は、フラグメントにより分割
されたパケットの順序逆転を低減することを意図したも
のである。
【0078】本実施の形態を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図8に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図8において、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)221、パケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222、優先度制御部230は図
1と同一であるが、パケット長判定部210の他にフラ
グメントオフセット検査部280を追加した点が異な
る。
【0079】パケット長判定部210は、受信パケット
の長さが規定しきい値以下であるかどうかを判定し、規
定しきい値以下のときはその受信パケットを、フラグメ
ントオフセット検査部280に転送し、そうでないとき
はその受信パケットをパケット送信バッファキュー(長
パケット用)222の末尾にエンキューする。
【0080】フラグメントオフセット検査部280は、
パケット長判定部210から転送される受信パケットに
ついて、そのフラグメントオフセット領域を検査し、そ
の示すバイト数が前記規定しきい値以下であるかどうか
を判定し、規定しきい値以下のときはその受信パケット
をパケット送信バッファキュー(短パケット用)221
の末尾にエンキューし、そうでないときはその受信パケ
ットをパケット送信バッファキュー(長パケット用)2
22の末尾にエンキューする。
【0081】次に、この実施の形態によるパケット通信
網接続装置の動作を、図7に示した分割された4つのパ
ケットが入力された場合を例として説明する。パケット
長の規定しきい値は300バイトとする。
【0082】最初の3つの1500バイトのパケット
は、規定しきい値300バイトよりも長いため、パケッ
ト長判定部210により、順にパケット送信バッファキ
ュー(長パケット用)222の末尾にエンキューされ
る。最後の60バイトのパケットは、規定しきい値30
0バイトよりも短いため、パケット長判定部210によ
り、フラグメントオフセット検査部280に転送され
る。転送された60バイトのパケットは、そのフラグメ
ントオフセット領域が4440バイトを示しており、そ
れは規定しきい値300バイトよりも長いため、フラグ
メントオフセット検査部280から、パケット送信バッ
ファキュー(長パケット用)222の末尾、すなわち3
つ目の1500バイトパケットの次にエンキューされ
る。
【0083】以上述べたように、この実施の形態におけ
るパケット通信網接続装置によれば、短パケットの中継
を優先しながら、フラグメントにより分割されたパケッ
トの順序逆転を回避するという効果が得られる。
【0084】実施の形態7.非リアルタイム通信のデー
タが短パケットで転送される別のケースとして、蓄積さ
れたデータファイルの末尾データを転送するパケットが
考えられる。例えば、サイズ148050バイトのデー
タファイルを、最大パケット長1500バイトのネット
ワークを使って転送する場合を考えてみる。このデータ
ファイルの初めの148000バイトは、1500バイ
トのパケット(うちヘッダ20バイト、データ1480
バイト)100個で転送されるが、末尾の50バイトは
70バイトのパケット(うちヘッダ20バイト、データ
50バイト)1個で転送される。また、データファイル
のサイズが148500バイトであれば、末尾の500
バイトは520バイトのパケット1個で転送される。こ
のように、データファイルの末尾データを転送するパケ
ットについては、そのパケット長を予測できない。そし
て、データファイルの末尾データを転送するパケット
が、短パケットであった場合には、それが例えば図1に
示す実施の形態1によるパケット通信網接続装置に入力
されると、短パケットと判定され優先中継されるため、
非リアルタイム通信の中でのパケット順序逆転が発生す
る。
【0085】一方リアルタイム通信パケットは、前述の
とおり必ずしも固定長ではない。しかし、符号化方式に
よっては、データ圧縮の限界などにより最短パケット長
が規定できることもありうる。また、符号化方式によっ
ては、固定長の場合もありうる。このような符号化方式
によるリアルタイム通信だけが行われるパケット通信網
においては、リアルタイム通信パケットのパケット長が
いくつかの特定の範囲内に収まる。従って、これら特定
範囲外の短パケットは、非リアルタイム通信パケットで
あり、例えばデータファイルの末尾データを転送するも
のである。
【0086】本実施の形態は、いくつかの特定の範囲内
のパケット長をもつパケットをリアルタイム通信パケッ
トと判定することにより、非リアルタイム通信の中での
パケット順序逆転を低減することを意図したものであ
る。
【0087】以下、実施の形態7を述べる。実施の形態
1と対比して説明するため、本実施の形態によるパケッ
ト通信網接続装置を適用するパケット通信網では、リア
ルタイム通信パケットのパケット長がある1つの特定範
囲内に収まるものとする。
【0088】実施の形態7を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図9に示す。コアブロック1以外の構
成は、実施の形態1に関わるブロック図1と同じである
ため省略する。図9において、パケット送信バッファキ
ュー(優先パケット用)221、パケット送信バッファ
キュー(非優先パケット用)222、優先度制御部23
0は図1と同一であるが、パケット長判定部210の他
にパケット長再判定部290を追加した点が異なる。
【0089】パケット長判定部210は、受信パケット
の長さがしきい値Tmax以下であるかどうかを判定し、
しきい値Tmax以下のときはその受信パケットをパケッ
ト長再判定部290に転送し、そうでないときはその受
信パケットをパケット送信バッファキュー(非優先パケ
ット用)222の末尾にエンキューする。
【0090】パケット長再判定部290は、パケット長
判定部210から転送された受信パケットの長さがしき
い値Tmin以上であるかどうかを判定し、しきい値Tmin
以上のときはその受信パケットをパケット送信バッファ
キュー(優先パケット用)221の末尾にエンキュー
し、そうでないときはその受信パケットをパケット送信
バッファキュー(非優先パケット用)222の末尾にエ
ンキューする。
【0091】上記Tmaxを300バイト、Tminを100
バイトとすれば、上記サイズ148050バイトのデー
タファイルの末尾データを転送する70バイトのパケッ
トは、Tminより短いため、パケット長再判定部290
から、パケット送信バッファキュー(非優先パケット
用)222へエンキューされる。
【0092】上記例は、実施の形態1と対比して説明す
るため、パケット長判定部の他にパケット長再判定部を
設けたが、1つのパケット長判定部がTmin以上Tmax以
下のパケットをリアルタイム通信パケットと判定する構
成ももちろん可能である。更に、上記例では、リアルタ
イム通信パケットのパケット長がある1つの特定範囲内
に収まる場合について述べたが、パケット長判定部が複
数のしきい値ペアを持つことで、いくつかの特定範囲内
のパケット長をもつパケットをリアルタイム通信パケッ
トと判定するように、容易に拡張できる。
【0093】以上述べたように、この実施の形態におけ
るパケット通信網接続装置によれば、いくつかの特定の
範囲内のパケット長をもつパケットをリアルタイム通信
パケットと判定することにより、非リアルタイム通信の
中でのパケット順序逆転を低減するという効果が得られ
る。
【0094】実施の形態8.本実施の形態は、cut-thro
ugh方式によるパケット通信網接続装置において、パケ
ット長の差異を利用してリアルタイム/非リアルタイム
通信パケットを判別することを意図したものであり、パ
ケット受信開始時点では、すべてのパケットを短パケッ
トと判定し、受信パケット長が規定しきい値を超えた時
点で長パケットと判定し直すことを特徴とする。
【0095】実施の形態8を示すパケット通信網接続装
置のブロック図を図10に示す。図10において、10
1および106は伝送路、302はパケットバイト列受
信部、305はパケット送信部、パケット長判定部31
0、パケット送信バッファキュー(短パケット用)32
1、パケット送信バッファキュー(長パケット用)32
2、優先度制御部330である。パケット長判定部31
0は、受信済パケット長カウンタ311を備える。
【0096】store-and-forward方式による従来のパケ
ット通信網接続装置では、中継データは各構成ブロック
間をパケット単位で受け渡されていた。一方cut-throug
h方式では、伝送路からのパケットを途中まで受信した
時点で、別の伝送路への送信を開始するので、上記の各
構成ブロックは中継データを例えばバイト単位で受け渡
す。このため、あるパケットについて、先頭バイトは既
に伝送路106に送信されており、途中のバイトはパケ
ット通信網接続装置内を通過中で、最終バイトはまだ伝
送路101上にある、といった状況もありうる。
【0097】伝送路101からのパケットは、その先頭
のパケットヘッダ部分のバイト列から、パケットバイト
列受信部302に入力される。パケットバイト列受信部
302は、入力バイト列からパケットの先頭バイトを検
出し、続いて入力されるパケットヘッダ部分を解析し
て、送信先伝送路の決定などの処理を行う。パケットバ
イト列受信部302は、パケットの先頭バイト以降、伝
送路101から入力されるバイト列を順にパケット長判
定部310に転送する。そして、入力バイト列からパケ
ットの最終バイトを検出し、その最終バイトまでをパケ
ット長判定部310に転送する。
【0098】パケット長判定部310は、パケットバイ
ト列受信部302から入力されてくるパケットバイト列
を、当初は、パケット送信バッファキュー(短パケット
用)321の末尾に順に格納していく。また、パケット
バイト列受信部302からパケットの先頭バイトが入力
されると受信済パケット長カウンタ311をリセット
し、以降、そのパケットの入力されたバイト数を受信済
パケット長カウンタ311にカウントする。受信済パケ
ット長カウンタ311に示される受信済パケット長が規
定のしきい値を超えると、パケット長判定部310は、
それまでにパケット送信バッファキュー(短パケット
用)321の末尾に格納されたバイト列、すなわちパケ
ット先頭の受信済部分を、パケット送信バッファキュー
(長パケット用)322の末尾に移動し、以降入力され
る後続バイトをパケット送信バッファキュー(長パケッ
ト用)322の末尾に順に格納していく。但し、そのパ
ケットの先頭バイトが既にパケット送信バッファキュー
(短パケット用)321から読み出されて存在しない場
合には、この移動は行わず、以降入力される後続バイト
もパケット送信バッファキュー(短パケット用)321
の末尾に順に格納していく。
【0099】一般に知られているように、パケット送信
バッファキューは、データバイトの実体を格納するバッ
ファと、各バッファのメモリアドレス値を格納するキュ
ーから構成できるが、このような構成によれば、上記キ
ュー間の移動処理は、キュー内のメモリアドレス値を別
のキューに移動することで実現可能である。
【0100】一方、パケットバイト列送信部305は、
優先度制御部330から入力されるパケットバイト列を
順に伝送路106に送信する。優先度制御部330は、
パケットの最終バイトをパケットバイト列送信部305
に転送すると、パケット送信バッファキュー(短パケッ
ト用)321に送信すべきパケット、あるいはパケット
の先頭部分が存在するときは、パケット送信バッファキ
ュー(短パケット用)321の先頭から順にバイト列と
して読みだし、パケットバイト列送信部305に転送す
る。パケット送信バッファキュー(短パケット用)32
1に送信すべきデータバイトが全く存在しないときに
は、パケット送信バッファキュー(長パケット用)32
2の先頭から順にバイト列として読みだし、パケットバ
イト列送信部305に転送する。どちらの場合も、一旦
読み出しを開始したら、そのパケットの最終バイトを読
みだしてパケットバイト列送信部305に転送するま
で、同一のキューから読み出しを継続する。
【0101】この例によるパケット通信網接続装置に、
そのパケット送信バッファキューが共に空の状態で、パ
ケットが入力されたとする。この場合、入力パケットの
先頭部分は、パケットバイト列受信部302、パケット
長判定部310を通過して、パケット送信バッファキュ
ー(短パケット用)321に格納される。格納されると
すぐに優先度制御部330により読み出しが開始され
る。この入力されたパケットが規定しきい値以上の長パ
ケットであった場合、受信済パケット長カウンタ311
が規定しきい値を超えるが、その時点では既にパケット
の先頭バイトがパケット送信バッファキュー(短パケッ
ト用)321から読み出されているため、キュー間の移
動は実施されない。このように、入力されたパケット
は、その長さに拘らず、パケット送信バッファキュー
(短パケット用)321経由で、パケット通信網接続装
置を通過する。この場合、接続装置における遅延は非常
に小さい。
【0102】この例によるパケット通信網接続装置のパ
ケット送信バッファキュー(長パケット用)322に長
パケットがいくつか蓄積され、その先頭の長パケットが
送信され始めた状態で、パケットが入力されたとする。
この場合も、入力パケットの先頭部分は、パケットバイ
ト列受信部302、パケット長判定部310を通過し
て、パケット送信バッファキュー(短パケット用)32
1に格納されるが、優先度制御部330はパケット送信
バッファキュー(長パケット用)322からの長パケッ
ト読みだし中なので、入力パケットの受信済バイトはパ
ケット送信バッファキュー(短パケット用)321に蓄
積されていく。
【0103】この入力されたパケットが規定しきい値以
下の短パケットであった場合、その最終バイトまで受信
しても、受信済パケット長カウンタ311は規定しきい
値を超えないので、キュー間の移動は実施されない。こ
のパケット送信バッファキュー(短パケット用)321
に蓄積された短パケットは、送信中の長パケットの送信
が完了すると、すぐに送信される。
【0104】この入力されたパケットが規定しきい値以
上の長パケットであった場合、受信済パケット長カウン
タ311が規定しきい値を超えた時点で、それまでにパ
ケット送信バッファキュー(短パケット用)321に蓄
積されたパケット先頭の受信済部分が、パケット送信バ
ッファキュー(長パケット用)322の末尾に移動し、
以降入力される後続バイトはパケット送信バッファキュ
ー(長パケット用)322の末尾に順に蓄積されてい
く。この長パケットは、既にパケット送信バッファキュ
ー(長パケット用)322に蓄積されていた長パケット
が全て送信された後で送信される。
【0105】以上のように、この実施の形態によれば、
cut-through方式によるパケット通信網接続装置におい
て、パケット長の差異を利用してリアルタイム/非リア
ルタイム通信パケットを判別し、装置輻輳時に、リアル
タイム通信パケットの中継を、非リアルタイム通信パケ
ットに優先して処理することができる。
【0106】実施の形態9.本実施の形態も、cut-thro
ugh方式によるパケット通信網接続装置において、パケ
ット長の差異を利用してリアルタイム/非リアルタイム
通信パケットを判別することを意図したものであり、パ
ケット受信開始時点では、すべてのパケットを長パケッ
トと判定し、パケットの最終バイトを受信した時点で、
受信パケット長が規定しきい値以下であれば短パケット
と判定し直すことを特徴とする。
【0107】本実施の形態を示すパケット通信網接続装
置は、図10と同じブロック構成であるが、パケット長
判定部310の動作が異なる。
【0108】パケット長判定部310は、パケットバイ
ト列受信部302から入力されてくるパケットバイト列
を、当初は、パケット送信バッファキュー(長パケット
用)322の末尾に順に格納していく。また、パケット
バイト列受信部302からパケットの先頭バイトが入力
されると受信済パケット長カウンタ311をリセット
し、以降、そのパケットの入力されたバイト数を受信済
パケット長カウンタ311にカウントする。パケットバ
イト列受信部302から、そのパケットの最終バイトが
入力された時点で、受信済パケット長カウンタ311に
示される受信済パケット長が規定のしきい値以下であ
り、そのパケットの先頭バイトが未だパケット送信バッ
ファキュー(長パケット用)322に存在している場合
は、パケット長判定部310は、それまでにパケット送
信バッファキュー(長パケット用)322の末尾に格納
されたバイト列、すなわち受信済のパケット全体を、パ
ケット送信バッファキュー(短パケット用)321の末
尾に移動する。
【0109】この例によるパケット通信網接続装置に、
そのパケット送信バッファキューが共に空の状態で入力
されたパケットは、その長さに拘らず、パケット送信バ
ッファキュー(長パケット用)322経由で、パケット
通信網接続装置を通過する。この場合、接続装置におけ
る遅延は非常に小さい。
【0110】この例によるパケット通信網接続装置のパ
ケット送信バッファキュー(長パケット用)322に長
パケットがいくつか蓄積され、その先頭の長パケットが
送信され始めた状態で、パケットが入力されたとする。
この場合、入力パケットの先頭部分は、パケットバイト
列受信部302、パケット長判定部310を通過して、
パケット送信バッファキュー(長パケット用)322の
末尾に蓄積されていく。
【0111】この入力されたパケットが規定しきい値以
下の短パケットであった場合、その最終バイトを受信し
た時点で、受信済パケット長カウンタ311は規定しき
い値以下であるため、パケット送信バッファキュー(長
パケット用)322に蓄積された受信済パケットはパケ
ット送信バッファキュー(短パケット用)321の末尾
に移動する。このパケット送信バッファキュー(短パケ
ット用)321に移動した短パケットは、送信中の長パ
ケットの送信が完了すると、すぐに送信される。
【0112】この入力されたパケットが規定しきい値以
上の長パケットであった場合、その最終バイトを受信し
た時点で、受信済パケット長カウンタ311が規定しき
い値以上であるため、受信済パケットはパケット送信バ
ッファキュー(長パケット用)322の末尾に蓄積され
たままである。この長パケットは、既にパケット送信バ
ッファキュー(長パケット用)322に蓄積されていた
長パケットが全て送信された後で送信される。
【0113】以上のように、この実施の形態によって
も、cut-through方式によるパケット通信網接続装置に
おいて、パケット長の差異を利用してリアルタイム/非
リアルタイム通信パケットを判別し、装置輻輳時に、リ
アルタイム通信パケットの中継を、非リアルタイム通信
パケットに優先して処理することができる。
【0114】
【発明の効果】この発明のパケット通信網接続装置は、
パケットを、そのパケット長が規定しきい値以下であれ
ば短パケット、そうでなければ長パケットと判定する手
段と、短パケットのパケットを長パケットに優先して送
信させる手段とを備えるので、従来のようにパケットの
長さが短い順にパケットを送信する方式に比べ、同一通
信の中でのパケット順序は保存され、リアルタイム通信
パケットの遅延を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるパケット通
信網接続装置によるパケット入出力シーケンスを示すタ
イムチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図7】 パケットのフラグメントを示す例である。
【図8】 この発明の実施の形態6を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態7を示すパケット通信
網接続装置のブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態8および9を示すパ
ケット通信網接続装置のブロック図である。
【図11】 従来のパケット通信網接続装置のブロック
図である。
【図12】 従来のパケット通信網接続装置によるパケ
ット入出力シーケンスを示すタイムチャートである。
【図13】 図2および図12における入力リアルタイ
ム通信パケットのパケット長を示す図である。
【符号の説明】
210 パケット長判定部 221 パケット送信バッファキュー(短パケット用) 222 パケット送信バッファキュー(長パケット用) 230 優先度制御部 310 パケット長判定部 321 パケット送信バッファキュー(短パケット用) 322 パケット送信バッファキュー(長パケット用) 330 優先度制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 直宣 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中村 浩 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤井 照子 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 厚井 裕司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変長のパケットにより通信するネット
    ワークを相互に接続するパケット通信網接続装置におい
    て、上記受信したパケットを、そのパケット長が所定の
    値以下であれば短パケット、そうでなければ長パケット
    と判定する判定手段と、上記短パケットを上記長パケッ
    トに優先して送信する優先送信手段とを有することを特
    徴とするパケット通信網接続装置。
  2. 【請求項2】 送信待ちで蓄積されている上記短パケッ
    トのデータ量を監視する監視手段を有し、その監視手段
    の監視結果に基づいて上記判定手段は上記短パケットを
    廃棄することを特徴とする請求項1記載のパケット通信
    網接続装置。
  3. 【請求項3】 上記長パケットについて時間あたりに送
    信すべきデータ量を定め、これに従って送信されたとし
    た場合に送信待ちで蓄積されるはずの上記長パケットの
    データ量と実際に送信待ちで蓄積されている上記長パケ
    ットのデータ量との差を監視する監視手段を有し、その
    監視手段の監視結果に基づいて上記判定手段は上記短パ
    ケットを廃棄することを特徴とする請求項1記載のパケ
    ット通信網接続装置。
  4. 【請求項4】 上記短パケットの受信速度を監視する監
    視手段を有し、その監視手段の監視結果に基づいて上記
    判定手段は上記短パケットを廃棄することを特徴とする
    請求項1記載のパケット通信網接続装置。
  5. 【請求項5】 上記短パケットの送信速度を監視する監
    視手段を有し、その監視手段の監視結果に基づいて上記
    優先送信手段は、上記送信待ちの短パケットの送信を停
    止することを特徴とする請求項1記載のパケット通信網
    接続装置。
  6. 【請求項6】 上記判定手段は受信したパケットのパケ
    ット長が上記所定値以下の短パケットで、かつパケット
    ヘッダのフラグメントオフセット領域が示す値が規定し
    きい値より大きいならば長パケットと判定することを特
    徴とする請求項1記載のパケット通信網接続装置。
  7. 【請求項7】 可変長のパケットにより通信するネット
    ワークを相互に接続するパケット通信網接続装置におい
    て、上記受信したパケットを、そのパケット長が所定の
    範囲内であれば優先パケット、そうでなければ非優先パ
    ケットと判定する判定手段と、上記優先パケットを上記
    非優先パケットに優先して送信する優先送信手段とを有
    することを特徴とするパケット通信網接続装置。
  8. 【請求項8】 上記判定手段は上記パケットを、そのパ
    ケット受信開始時点で短パケットとし、受信途中にパケ
    ット長が上記所定値を超えた場合には長パケットと判定
    することを特徴とする請求項1記載のパケット通信網接
    続装置。
  9. 【請求項9】 上記判定手段は上記パケットを、パケッ
    ト受信開始時点では長パケットとし、パケット末尾のデ
    ータを受信した時点で、パケット長が上記所定値以下で
    あれば短パケットと判定することを特徴とする請求項1
    記載のパケット通信網接続装置。
JP9070074A 1997-03-24 1997-03-24 パケット通信網接続装置 Pending JPH10271163A (ja)

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