JP2006246207A - パケットスケジューリング装置およびパケットスケジューリング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回線競合時、可変サイズのパケット転送時の各回線のデータ転送量の公平性を維持してデータパケットを転送する。
【解決手段】 入力回線からのパケットを、出力待ち行列において待ち行列化し、出力回線に空きが生じた場合、この待ち行列化されたパケットの先頭パケットを出力し、出力パケットのサイズおよび競合回線数に基づいて、パケット転送休止期間を決定する。この休止期間中は、出力待ち行列への対応の入力回線のパケットの転送は休止される。
【選択図】 図8
【解決手段】 入力回線からのパケットを、出力待ち行列において待ち行列化し、出力回線に空きが生じた場合、この待ち行列化されたパケットの先頭パケットを出力し、出力パケットのサイズおよび競合回線数に基づいて、パケット転送休止期間を決定する。この休止期間中は、出力待ち行列への対応の入力回線のパケットの転送は休止される。
【選択図】 図8
Description
この発明は、複数の回線からのパケットを共通のリンク(出力回線)を介して転送する際の各回線に対するパケットの転送の公平性を維持するためのスケジューリング装置およびスケジューリング方法に関する。
データ通信を行なう場合、データは、フレームまたはセルなどの形態で伝達される。フレームは、データを含む可変長のパケットと、宛先情報とを含むパケット先頭に付されるヘッダとを含む。このパケットの後部にも、誤り検出用のFCS(フレームチェックシーケンス)などが付される。
セルは、ATM(非同期転送モード)セルが代表的であり、固定長のデータブロック(ペイロード)と、このデータブロック先頭に付されるヘッダとを含む。ATMセルは、たとえば53バイトの固定長であり、情報信号をセルに組立てるのに要する遅延時間が小さく、高速で、情報信号を伝達することができる。このATMセルのヘッダには、チャネル番号(ラベル)およびデータ内の位置を示す情報が含まれている。
このようなパケット、フレームまたはセルでデータ通信を行なうことにより、データ伝送路における伝送データの多重化を行なうことができる。これにより、コンピュータ端末間などのデータ転送時において、バースト性(間欠性)の強いデータ通信を行なう場合、データ通信の行なわれない待機期間、別のチャネルのデータを伝達することができ、効率的にデータ伝送路を利用しデータ通信を行なうことができる。
なお、以下の説明において、IPパケット(IPネットワーク)およびフレームリレーなどにおいて用いられるフレームおよびパケット交換網において用いられるデータの塊(通信単位)を、「パケット」と称する。「セル」は、このパケットを構成する小さな固定長のデータブロックを示し、たとえばATMセルなどを示すものとして用いる。
データ通信を行なう場合、複数の回線(チャネル)が、多重化されて1つの物理的伝送路(通信リンク;出力回線)を介して伝達される。この多重化時において、データ通信が輻輳した場合、各回線に対して公平に通信リンクを利用してデータ通信を行なう必要がある。通常、通信要求のある回線に対して、所定の順序で通信許可を与えるラウンドロビン方式に従って、通信リンクの割当てが行なわれる。
このような通信リンクに対する各回線の使用の公平性を実現することを図る構成が、例えば、特許文献1(特開2001−217868号公報)、特許文献2(特開2002−057707号公報)および特許文献3(特開2002−009778号公報)に示されている。
特許文献1に示される構成においては、可変サイズのパケットを、各回線が公平に通信リンクを利用して転送するために、各回線に対してパケット格納部とパケット長格納部とパケット長カウンタとを設け、データ通信競合時、最小長のパケットの回線からデータ転送を許可する。この場合、パケット長カウンタは、各回線それぞれ共通に、転送したパケットサイズ分が加算され、転送を行なった回線のパケット長カウンタのカウント値がリセットされる。このカウント値とパケット長格納部に格納されるパケット長との差を比較し、最小値の回線から通信アクセスを許可する。パケット長の大きな回線の待ち時間を長くし、パケットサイズの小さな回線を先にデータ転送を行なわせることにより、この大きなサイズのパケットを転送する通信回線が長期にわたって通信リンクを占有しても、結果的に、各回線は、パケットサイズに応じた期間通信リンクを占有しており、各回線の通信リンクの占有の公平性を維持することを図る。
特許文献2に示される構成においては、転送速度などの提供サービスの異なるリンク間のデータ通信時において、各サービスに応じた保証レートに応じて重み付けを行なってスループット保証を実現する。すなわち、転送パケットを、サービスごとに分類し、実際の転送レートと保証レートとを比較し、保証レートに対応する重み付け転送レートを実現するように、重み付けラウンドロビン方式に従ってデータの転送を行なう。この特許文献2に示される構成においては、所定期間ごとに、パケットの伝達を監視して、実際のパケットフロー数を検出し、この検出されたパケットフロー数に基づいて、ユーザに割当てられる実際のデータ出力レートに対応するアクティブユーザフロー数を予め定められた平滑化パラメータに基づいて更新して、リンク出力レートを調整している。他リンクでの転送がボトルネックとなるパケットについても、同様、実際の転送状況に応じて出力レートの割当を調整している。
特許文献3に示される構成においては、セル転送時に、各仮想回線VCごとに、転送セルを格納するバッファメモリと、最大許容帯域セル間隔値を示すPCR間隔値および最低保証帯域の比で表わされるMCRカウンタ初期値(最低保証帯域カウンタ初期値)とを各VCごとに格納するメモリと、PCR(最大セル転送速度:Peak Cell Rate)間隔を初期値として、セル出力時の1タイムスロットごとに1ずつ減算するPCRカウンタと、各バッファから読出が行なわれるごとにカウント値を1減算するMCRカウンタとを設ける。同一タイムスロットで、読出すセルが競合した場合、その優先順位決定時、PCR値とMCRカウンタ値の積の最大値を最優先セルとして選択する。すなわち、競合発生時においては、PCRが大きくまた蓄積セル数が多いVCからセルを選択して転送する。PCR条件を外して、空き条件が存在したために先読したタイムスロット分の時間は、次の先読部分の値を、先読スロット格納領域に格納し、PCRカウンタが初期化される。読出競合により、読出が遅らされた場合、その格納された先読スロット数を1減算する。読出競合時、複数の先読されたVCが存在する場合、格納された先読スロット数ではなく、単に、PCRの大きい方を選択する。常に、先読されていないVCが優先的に選択されて、セルの読出が行なわれる。それにより、各VCにおいて、これらのPCRおよびMCRに応じた読出競合調停を行なって、データ転送の公平性を実現することを図る。
特開2001−217868号公報
特開2002−057707号公報
特開2002−009778号公報
上述の特許文献1に示される構成においては、通信リンク(出力回線)に対するパケット転送競合時、できるだけサイズの小さなパケットを読出し、各チャネルが通信リンクを占有する時間の公平性を実現することを図る。この特許文献1に示される構成において、しかしながら、サイズの大きなパケットの待ち時間が長くなり、連続的に、サイズの小さなパケットが転送される回線が重点的に、パケットを転送することになり、全体としての、通信リンク専有率の公平性は保たれるものの、サイズの大きなパケットの遅延が大きくなり、遅延変動が大きくなる可能性がある。
また、特許文献2に示される構成においては、各回線のサービスの質に応じて重み付けを行ない、その重みを実際の転送状況およびサービスの質に応じて調整して、重み付けラウンドロビン方式に従ってデータ通信を行なっている。しかしながら、通信リンクへのデータ転送の競合時、単に、重み付けラウンドロビン方式で調停を行なって順次選択してデータ転送を行なっているだけである。このため、特許文献1と同様、この特許文献2は、ユーザフロー数の変動および網内のリンクの輻輳の度合いの変動に応じて、各ノードにおいて重みをダイナミックに変更して、パケット転送レートを制御し、これにより、保証レート以上のスループットを確保することを図る。しかしながら、この特許文献2に示される構成においては、同一のサービス間でパケット転送が競合した場合どのように調停を行なうかは明確に示していない。
また、特許文献3に示される構成においては、ATMセルなどの固定長パケットの転送の公平性を確保することを図る。しかしながら、この特許文献3に示される構成においては、ATMセルは、同一VCから連続して読出すことは行なっておらず、競合時、各固定長パケット(ATMセル)をラウンドロビン方式に従って読出し、転送パケットが存在しない場合には空スロットを転送している。したがって、この場合、1つの同一の回線から連続的に固定長パケットを読出して転送することは行なっていない。したがって、たとえば、ATMセルが転送されるADSL(非対称加入者回線)の、フレーム(例えば、イーサネット(登録商標)ファイルと呼ばれるフレーム)の単位で転送するイーサネット(登録商標)等へのインタフェースを考えた場合、この特許文献3に示される構成を適用することはできない。
ネットワーク間でのデータ通信において、異なる通信形態のネットワークを相互接続することによりインターネットを構成することが広く一般に行なわれる。この場合、インターネットワーク層においてプロトコルが定められており、たとえば前述のADSLをイーサネット(登録商標)に接続する場合、セルをパケットに変換して転送することが要求される。この場合、ATMセルの通信の公平性と同様、パケット変換後においても、その通信転送の公平性を維持する必要がある。上述の特許文献1から3においては、このようなATMセルベースでの公平性と同様の公平性を、パケット転送時において担保する構成については何ら考慮していない。
それゆえ、この発明の目的は、可変サイズのパケット転送時の各回線に対するデータ転送の公平性を確実に保証することのできるパケットスケジューリング装置およびパケットスケジューリング方法を提供することである。
この発明の他の目的は、セルベースでのデータ転送量の公平性をパケット転送時においても維持することのできるパケットスケジューリング装置およびパケットスケジューリング方法を提供することである。
この発明の第1の観点に係るパケットスケジューリング装置は、複数の第1の回線それぞれを介して転送されるパケットを各回線ごとに格納するパケット格納手段と、これら複数の第1の回線のうちの同時にパケットを転送する競合状態の回線を検出する競合回線検出手段と、このパケット格納手段において格納されたパケットのうち第1のパケットを複数の回線に共通に配置されるリンクを介して転送する出力制御部と、この第1のパケットのサイズを検出し、該検出サイズと競合回線数とを乗算し、この第1のパケットに対応する回線の出力制御部からの次の読出を、該乗算結果に基づいて算出されたサイクル遅延したサイクルに設定する公平性制御手段を備える。
この発明の第2の観点に係るパケットスケジューリング方法は、複数の回線を介して転送されるパケットの共通のリンクへの転送時に競合が生じた場合、このリンクに転送されるパケットのサイズと競合回線数とを乗算し、該転送パケットの回線からの次のパケットのリンクへの転送タイミングを、乗算結果求められたサイクル数後に設定するステップを備える。
競合回線数とパケットサイズとの乗算したサイクルだけパケット転送後通信リンクの占有を停止させることにより、通信の競合時において、通信リンクの占有時間を各回線に対して平均化することかでき、各回線に対する通信の公平性を保証することができる。
特に、セルベースのデータをパケットに変換して転送する場合、パケットのサイズが、そのセルの数に対応するため、セルベースでの転送量の公平性をパケット転送時においても維持することができる。
[実施の形態1]
図1は、この発明が適用されるデータ通信システムの構成を概略的に示す図である。図1においては、複数の通信回線SL1−SLnが、網インターフェイス(ノード)1を介して共通の通信リンクLKに結合される。通信回線SL1−SLnは、サイズが可変なパケットをセルに分割して転送する回線であり、一方、通信リンクLKは、所定の範囲内でサイズが可変なパケットを転送する。一例として、通信回線SL1−SLnは、ADSL(非対称デジタル加入者回線)であり、パケットが、ATM(非同期転送モード)セルに分割されて転送される。一方、通信リンクLKは、たとえばイーサネット(登録商標)であり、データは、MAC(メディアアクセコントロール)フレームと呼ばれる所定のフォーマットを有するフレーム形態で転送される。この網インターフェイス1へは、たとえば、PPPoE(ポイント・ツー・ポイント・プロトコル・オーバー・イーサネット(登録商標))などの通信手順に従って、通信回線SL1−SLnから伝達されるセルベースのパケットがイーサネット(登録商標)フレームの形態に変換されて転送される。
図1は、この発明が適用されるデータ通信システムの構成を概略的に示す図である。図1においては、複数の通信回線SL1−SLnが、網インターフェイス(ノード)1を介して共通の通信リンクLKに結合される。通信回線SL1−SLnは、サイズが可変なパケットをセルに分割して転送する回線であり、一方、通信リンクLKは、所定の範囲内でサイズが可変なパケットを転送する。一例として、通信回線SL1−SLnは、ADSL(非対称デジタル加入者回線)であり、パケットが、ATM(非同期転送モード)セルに分割されて転送される。一方、通信リンクLKは、たとえばイーサネット(登録商標)であり、データは、MAC(メディアアクセコントロール)フレームと呼ばれる所定のフォーマットを有するフレーム形態で転送される。この網インターフェイス1へは、たとえば、PPPoE(ポイント・ツー・ポイント・プロトコル・オーバー・イーサネット(登録商標))などの通信手順に従って、通信回線SL1−SLnから伝達されるセルベースのパケットがイーサネット(登録商標)フレームの形態に変換されて転送される。
今、この網インターフェイスに対し、図2に示すように、通信回線SL1―SLnのうちの回線SLA−SLCからのパケットが網インターフェイス1を介して転送される状態を考える。この状態で、今、回線SLAから時刻t0にパケットA1が到着し、時刻t1にパケットB1が回線SLBを介して到着し、また時刻t2において、パケットC1が回線SLCを介して到着した場合を考える。ここで、パケットが到着した状態は、「1パケットを構成するセルがすべて揃った状態」を考える。したがって、セルは、回線SLA−SLCそれぞれを介して、並列に転送される。パケットA1が5個のセルで構成され、パケットB1が3個のセルで構成され、パケットC1が、2個のセルで構成される。パケットのサイズを、セルの数で規定する。
また、時刻t4にパケットB2が回線SLBを介して到着し、時刻t6において、回線SLCを介してパケットC2が到着し、時刻t7において、パケットA2が到着する。パケットB2は2つのセルで構成され、パケットC2が3つのセルで構成され、パケットA2が2つのセルで構成される。
このようなパケットの転送時、ATMセルを転送する場合には、セルレベルの公平性の見地からラウンドロビン方式に従って、各回線が順次選択されてセルの転送が行なわれる。したがって、図3(A)において示すように、回線SLAのパケットA1の先頭セルが時刻t0において出力されると、次に、時刻t1においては、回線SLBのパケットB1の先頭セルが出力され、時刻t2において、回線SLCからのパケットC1の先頭セルが出力される。以後、これらの回線SLA−SLCに順次セル出力権が与えられてセルの転送が行なわれる。
しかしながら、この通信リンクLKが、パケット(フレーム)形態でデータを転送するため、パケットレベルで、通信リンクLKに対する各回線のデータ転送の公平性を維持する必要がある。
この場合、図3の(B)に示すように、パケットA1が、5個のセルで構成されており、パケットレベルでの転送時には、パケットA1を構成する5個のセルを連続して時刻t0から時刻t4において伝達する。ATMセルレベルでは、競合回線数が3であり、3サイクルに1回セル転送が行なわれるため、ATMセルベースでの転送時には、これらの5個のセルの転送のためには、3×5=15サイクル必要とされる。したがって、時刻t0から5個のセルで構成されるパケットA1を転送した場合、回線SLAからの次のパケットA2を転送する時刻は、15サイクル経過した後の時刻t15となり、時刻t5から時刻t15までの期間、この回線SLAのセル出力を休止させる。すなわち、パケットの転送量レベルでの公平性を確保するためには、各回線においてパケットとパケットとの間のサイクル時間が、「パケット長(セルの数)×競合回線数」となるように、各回線ごとにパケット間隔を調整する。
この場合、回線SLBおよびSLCにおいては、それぞれパケットの転送開始タイミングがパケット到着時間より遅れており、また、回線の休止期間において他回線で転送されるパケットのサイズ(パケット長)が異なるため、このパケットサイズの変動により、設定された休止期間より前後して対応の回線のパケットを転送する場合があり、この、この設定された休止期間の終了期間(基本時刻)を、時間的に前後にずらす調整を行なう必要がある。
例えば、図2において、回線SLBにおいては、パケットB1が時刻t1に到着したものの、そのパケットB1の先頭セルの転送開始が、図3(B)に示すように、時刻t5である。今、仮に、図4(B)に示すように、時刻t5が、回線SLBの基準時刻(休止期間の終了時間)である状態を想定する。この場合、図4(A)に示すように、回線SLBのパケットB1の3セルは、3×3=9サイクルを転送に必要とする。現実には、パケットの形態で伝達されるため、パケットB1のセルが、時刻t5からt7の3サイクルにおいて連続的に出力される。このとき、回線SLBの基準時刻は、図4(B)に示すように、時刻t5から9サイクル後の時刻t14となる。
しかしながら、図4(B)に示すように、この回線SLBの休止期間において回線SLCの転送するパケット数が少なく、空き状態が生じた場合には、回線SLBが次のパケットB2の先頭セルを時刻t13から出力する。すなわち、回線SLBにおいて1サイクル早いサイクルで、次のパケットが読出される。この場合、このパケットB2の次の基準時刻は、競合回線数が3であり、パケットB2のセル数が2であるため、時刻t13から6サイクル分時刻t19となる。しかしながら、この前倒しで1サイクル早い期間に、通信リンクを占有しているため、公平性の見地から次の基準時刻を1サイクル遅らせ、時刻t20を、次の回線SLBの読出サイクル(基準時刻)に設定する。
また、別の例として、図5(A)および(B)に示すように、時刻t1が、この回線SLBの基準時刻の場合を考える。この場合、時刻t5において、回線SLBからパケットB1が読出されており、基準時刻から、4サイクル遅れてパケットの読出が行なわれている。したがって、この回線SLBに対しては、時刻t5から9サイクル経過後の時刻t14が、競合回線数とパケットサイズとの単純な積計算に基づく基準時刻となるものの、先の基準時刻からの遅れ4サイクルを考慮して、休止期間を、この遅れ分短くし、次の基準時刻(補正基準時刻)を、時刻t5から5サイクル経過後の時刻t10に設定する。この場合、回線SLCにおける休止期間が存在している場合、回線SLBからパケットB2の先頭セルが順次読出される。
次に、図6(A)および(B)を参照して、連続的にパケットの転送が行われており、回線SLAの基準時刻RFA0が時刻t0であり、回線SLBの基準時刻RFB0が時刻t1であり、回線SLCの基準時刻RFC0が時刻t2の状態を考える。回線SLAのパケットA1転送後の次の基準時刻RFA1は、時刻t15であり、時刻t5から時刻t15の間は、回線SLAの休止期間である。
一方、回線SLBのパケットB1は、その基準時刻RFB0から4サイクル遅れた時刻t5から、その先頭セルが読出されており、期間DLBの4サイクル遅れて読出が行われている。この場合、パケットB1については、この遅延サイクル数DLB分の4サイクル期間、次の基準時刻を前倒しにし、時刻t10が、回線SLBに対する次の基準時刻RFB1に設定される。
一方、回線SLCにおいては、パケットC1が到達した最初の基準時刻RFC0が時刻t2であり、パケットC1の先頭セルは、時刻t8において読出される。したがって、基準時刻RFC0に対する遅延サイクルDLCとして、6サイクル存在する。この場合、パケットC1の読出した後の基準時刻は、遅延期間DLCだけ前倒しにされるため、時刻t14からこの遅延サイクル数DLC前の時刻t8が、次のパケットに対する基準時刻RFC1となる。このとき、パケットC1が読出されているため、続いて、次のパケットC2が読出される。このパケットC2は、基準時刻RFC1より、2サイクル遅れており、この2サイクルの遅れTCを考慮して、このパケットC2についての次の基準時刻算出時、その休止期間が期間TCだけ短くされる。
回線SLBにおいても、同様、次のパケットb2は、基準時刻RFB1よりも、3クロックサイクル期間遅れており、この遅れサイクルTBだけ、次の基準時刻の休止期間が短くされる。
これにより、基準時刻の早い回線から順次読出すことにより、パケット転送時のデータ転送量に関して、ATMセルレベルと同様の公平性を実現することができる。
図7は、基準時補正処理のさらに他の態様を示す図である。今、ある回線において、基準時刻RFaに対し、別の回線が、サイズの大きなパケットを送出しており、遅延サイクルDLだけ遅れて、パケットの先頭セルが送出された状態を考える。このセルが2個であり、このセルに対する回線の休止期間が時刻taとなり、この遅延サイクル数DLだけ補正して補正後の基準時刻が、時刻RFb0となった状態を考える。この時刻RFb0は、既に経過した時刻であり、2つのセルを送出した時点に次の基準時刻RFbを設定する。この基準時刻RFbおよびRFb0の時間差DLxは、この回線の基準時刻RFbの次の基準時刻算出時に、減算要素として用いられる。すなわち、パケット送出時、基準時刻からのずれが大きく、1回の調整で、その基準時刻の補正を行なうことができない場合、未調整分のサイクル数は、順次繰越される。
図8は、この発明の実施の形態1に従うパケットスケジューリング装置の状態遷移を示す図である。図8において、各回線ごとに設けられるATMセルバッファなどの優先キューにおいてパケットが到達するのを待つ。このアイドル状態ST1は、1パケットのセルが到達するのを待つ状態である。1パケットのセルが到達した場合、そのパケットを各回線に対応して設けられる対応の出力待ち行列に登録し、待機状態ST2に遷移する。この出力待ち行列は、1例として、1回線当り1パケットのみを格納し、出力すべきパケットが存在するときのみ、この出力待ち行列に出力パケットが登録される。図8においては、この出力待ち行列において回線SLBおよびSLCのパケットB1およびC1がそれぞれ登録されている状態を示す。
然しながら、基準時刻順にパケットが、出力待ち行列に格納されても良い。また、各回線ごとの出力待ち行列を並列に設け、基準時刻に従って、対応の回線の出力待ち行列のパケットが選択されても良い。
この待機状態ST2は、待ち行列状態で、他回線の出力が完了するのを待つ状態であり、この待機状態ST2の待ち時間が、パケット送出が基準時刻よりも後にずれた場合のずれの時間に対応する。他回線の出力が完了すると、自身の基準時刻に到達し、対応の回線の出力待ち行列の先頭に登録されているパケットが出力される。出力状態ST3に遷移する。図8においては、パケットA1が出力されている状態を示す。
なお、このアイドル状態ST1から出力待ち行列へのパケットの登録時、他回線が出力するパケットが存在せず、また待ち行列が空の場合には、待ち停留時間0で、即座に、出力状態ST3に遷移する。この出力状態ST3においては、1パケット分のセルが順次出力され、1パケットの送出が完了すると、休止状態ST4に遷移する。
休止状態ST4は、データ転送量の公平性確保のためのパケット転送サイクル間隔を調整する期間である。前回のパケット出力時の待機時間が大きかった場合、この休止が不要な場合が存在する。この場合、休止状態ST4での停留時間0で、即座に、待機状態ST2に遷移する。また、出力待ち行列が空であり、また出力中の回線も存在しない場合、休止時間の残り量が最も少ない回線が、次の出力対象として選択される。この動作は、パケット出力が基準時刻よりも前倒しになった場合に相当し、休止時間の残りが、次の休止期間(基準時刻)算出時に加算される。
休止時間が経過した後、各回線に対応て設けられる優先キューにおいて送出可能なパケットが存在する場合、その送出可能なパケットを出力待ち行列に登録して、待機状態ST2へ遷移する。送出可能なパケットが存在しない場合、アイドル状態ST1に遷移し、パケット到達を待つ。
また、休止状態ST4において、休止状態期間が完了した回線から送出可能なパケットが出力待ち行列に登録されるため、パケット到達順でなく、各パケットサイズおよび待機時間を考慮して、出力リンクの占有時間の公平性を確保する。
図9は、この発明の実施の形態1に従う網インターフェイス内に設けられるパケット転送制御を行なうパケットスケジューリング装置の構成を概略的に示す図である。図9においては、1つの回線に対するパケットスケジューリング部の構成を示す。この図9に示すパケットスケジューリング装置が、各回線ごとに設けられる。
図9において、パケットスケジューリング装置は、図示しない優先キューにおいて形成されたパケットデータを入力する入力制御部10と、入力制御部10からのパケット入力指示に従って入力制御部10を介してパケットデータを転送するバッファコントローラ12と、バッファコントローラ12からのパッケージ転送指示に従って、転送されたパッケージを格納するパケットバッファ14と、入力制御部10からのパケット転送指示に従って、出力すべきパケットのサイズを検出するとともに、出力タイミングを調整する公平性制御部16と、公平性制御部16からの基準時刻到達指示に従って、バッファコントローラ12を介してパケットバッファ14からのパケットを転送する出力制御部18を含む。この出力制御部18は、また、他回線が出力を待っているかを判定し、出力競合が解消するまで、データ出力を待ち合わせる。
公平制御部16は、設定された基準時刻に到達しかつパケットバッファ14に転送パケットが存在する場合、この先頭パケットをバッファコントローラ12を介して出力制御部18に転送する。また、このとき、基準時刻到達前に、出力回線が空き状態となると、出力制御回路18はパケットバッファ14からのパケットをバッファコントローラ12を介して読出して出力回線に転送する。この前倒しの期間は、また、公平制御部16に報知され、次の基準時刻算出時に加算される。
出力制御部18は、他回線の出力状況を監視し、他回線がデータを対応の出力リンク(通信リンク)に転送中となりデータ転送の競合状態が発生した場合、その競合回線数を検出し、その検出した競合回線数を公平性制御部16へ与える。公平性制御部16は、この出力制御部18での待ち時間およびこの転送パケットのサイズに基づいて、次のパケット転送時の基準時刻を設定する。この場合、公平性制御部16は、1例として、パケットサイズPZと競合回線数CPとの積PZ・CPからパケットサイズを引いた数をカウント値とするダウンカウンタで構成され、対応のパケット出力完了後、各クロックサイクルごとにこのカウント値を1減分する。これにより、基準時刻の検出を行うことができる。
なお、入力制御部10へは、図示しない優先キューにおいてパケットが順次格納され、1つの送信パケットのみがパケットバッファ14に転送されるように説明している。しかしながら、これに代えて、パケットバッファ14は、FIFO(ファーストイン・ファーストアウト)型のバッファ回路で構成され、到着順のパケットを順次格納して順次読出す構成が用いられてもよい。
図10は、図9に示すパケットスケジューリング装置の動作を示すフロー図である。以下、図10を参照して、図9に示すパケットスケジューリング装置の動作について説明する。なお、以下の説明においては、パケットバッファ14が、各回線ごとに対して設けられる優先キューであり、出力待ち行列は、出力制御部18において形成される構成を想定する。
まず、入力制御部10は、対応の回線からパケットが伝達されたかを監視する(ステップS1)。パケットが到達した場合、入力制御部10は、バッファコントローラ12へ、このパケットデータをパケット到達指示とともに与える。バッファコントローラ12は、この入力制御部10から与えられるパケットデータを、順次格納する(ステップS2)。
次いで、入力制御部10からのパケット到達指示に従って、出力制御部18は、出力データリンクに、他回線が、パケットデータを出力中であるかを監視する(ステップS3)。この他回線が出力リンクを使用していない場合には、出力制御部18が、基準時刻到達前に、このパケットバッファ14に格納された先頭パケットを出力リンクに出力する(ステップS4)。
一方、他回線が出力中の場合には、公平制御部16は、出力待機中(競合中)の回線数を検出する。出力制御部18は、公平性制御部16からの情報に基づいて、基準時刻が到達したかを判定する(ステップS5)。基準時刻が到達したとき、他回線が出力中の場合には、この他回線の出力が完了するまで待つ(ステップS6)。
一方、他回線の出力が完了すると、出力制御部18は、このバッファコントローラ12を介してパケットバッファ14に格納された先頭パケット(出力制御部18において出力待ち行列化されたパケット)を出力する(ステップS4)。また、ステップS4において、パケットデータが出力制御部18を介して出力された場合、公平性制御部16は、そのパケットのサイズと基準時刻と競合回線数とに基づいて、待機時間(休止期間)を検出する(ステップS7)。この待機時間(休止期間)は、ステップS7において、パケットデータを出力した場合の前倒しの負の待機時間および他回線出力中(ステップS6)のために待ち合わせた待機時間(すなわち正の待機時間)両者を含む。このパケットバッファの先頭パケットの出力後、公平性制御部16は、パケットサイズ、競合回線数および待機時間とに基づいて、次の基準時刻(休止期間)を設定する(ステップS8)。
この休止期間の設定後、送信パケットが存在するかを判定する(ステップS9)。送信パケットが存在する場合、再び、ステップS3へ戻り、送信パケットが存在しない場合、ステップS1へ戻り、次のパケットの到達を待つ。
以上の構成により、各回線ごとに、他の回線のパケットサイズおよび使用状況に応じて、公平にデータ転送量を各回線に割当てて、パケットを転送することができる。
なお、この各回線ごとにパケットスケジューリング装置を設ける場合、出力競合回線数を検出する構成としては、パケットバッファにパケットが格納される場合、フラグを出し、各回線ごとに、他回線からのこのパケット存在フラグを検出することにより、出力競合回線数を識別することができる。また、これに代えて、出力制御部18において、出力待ち行列化されたパケットが存在するとき、各出力制御部18が、出力パケットが存在することを示すフラグを立てて、図示しない制御回路において競合回線数を検出して、公平性制御部16に、その競合回線数情報を与えるように構成されても良い。
図11は、図9に示すパケットスケジューリング装置における1つの回線からの出力リンクに対するパケット転送動作を模式的に示す図である。図11においては、入力回線SLiとして、ADSLが一例として示され、また出力リンクLKとして、GbE(ギガビットイーサネット(登録商標))が一例として示される。本実施の形態1のスケジュールング装置が適用される入力回線および出力リンクは、これらに限定されない。この図11に示す動作においては、パケットバッファ14は、出力待ち合わせ行列であり、対応の回線の先頭パケットを図示しない優先キューから格納する。
図11において、パケットバッファ部14において、パケット♯1が格納されると、このパケット♯1は、出力制御部18により、他回線の出力競合により競合が解消するまで待ち合わせる。この競合状態が解消すると、出力制御部18は、パケット♯1を出力リンクGbEに出力する。一方、公平性制御部16は、この出力制御部18における待機時間と出力競合回線数とパケット♯1のサイズとに基づいて、次のパケットの送出抑制期間を決定する。この抑制期間中に、次のパケット♯2が伝達され、パケットバッファ部14に格納されると、パケット送出抑制期間(休止期間)が完了するまで、パケットバッファ部14において、このパケット♯2が格納される。休止期間が完了すると、出力制御部18は、また、他回線の出力競合状態に応じて、競合が解消するまで待ち合わせ、競合解消時、このパケット♯2を出力リンクGbEに伝達する。このパケット♯2についても、公平性制御部16は、パケット♯2のサイズおよび待機時間に基づいて、また競合回線数情報に基づいて、パケット送出抑制期間を決定する。
パケット♯3は、この休止期間完了後に到達しており、パケットバッファ部14から出力制御部18へ転送され、出力制御部18は、他回線との競合開始まで待ち合わせた後、パケット♯3を出力リンクGbEに出力する。公平性制御部16は、また、このパケット♯3のサイズ、出力競合回線数および待機時間に基づいて、次のパケット送出抑制期間(休止期間)を決定する。
これにより、パケット単位でデータを転送する場合、ATMセルベースと同様の公平性をパケットレベルにおいても維持することができる。
なお、基準時刻は、出力回線における競合が解消されたときに、その最小値にリセットされる構成が用いられればよい。
また、上述の説明において、パケットバッファが優先キューとして形成され、優先キューの1つの先頭パケットが、出力制御部に転送される構成が用いられても良い。
[変更例]
図12は、この発明の実施の形態1の変更例に従うパケットスケジューリング装置の構成を概略的に示す図である。図12において、パケットスケジューリング装置は、入力回線SL1−SLnそれぞれを介して与えられるパケットを格納する入力部20と、この入力部20に格納されたパケットを、順次、公平性制御部24の制御の下に出力する出力制御部22を含む。
図12は、この発明の実施の形態1の変更例に従うパケットスケジューリング装置の構成を概略的に示す図である。図12において、パケットスケジューリング装置は、入力回線SL1−SLnそれぞれを介して与えられるパケットを格納する入力部20と、この入力部20に格納されたパケットを、順次、公平性制御部24の制御の下に出力する出力制御部22を含む。
入力部20は、入力回線SL1−SLnそれぞれに対して設けられ、FIFO態様で与えられたパケットを格納するキューバッファQB1−QBnを含む。これらのキューバッファQB1−QBnは、それぞれパケット単位で与えられたセルベースのパケットを格納する。
出力制御部22は、キューバッファQB1−QBnそれぞれから転送される先頭パケットを格納する出力パケットキュー22aと、この出力パケットキュー22aに格納されたパケットを公平性制御部24の制御の下に選択して出力リンクLKに出力する出力回路22bを含む。出力パケットキュー22aには、各回線ごとに出力パケットキューメモリが設けられ、各入力回線ごとに、1つのパケットが、対応の出力パケットキューメモリに格納される(送信パケットが存在するとき)。
公平性制御部24は、入力回線SL1−SLnそれぞれに対して設けられる基準時刻カウンタCNT1−CNTnと、これらの基準時刻カウンタCNT1−CNTnの基準時の最小値を検出する最小値検出回路24aと、出力パケットキュー22aからの出力パケットの回線情報およびそこにおける待機期間情報に基づいて、出力回路22bからの出力時休止期間を検出する待機期間/パケットサイズ検出回路24bを含む。
この最小値検出回路24aは、出力競合時、基準時刻カウンタCNT1−CNTnの最小のカウント値(最先の基準時刻)に対応する入力回線の出力パケットを選択するように、出力パケットキュー22aの出力パケットを選択する。出力回路22bは、出力リンクLKが送信可能なとき、この出力パケットキュー22aから与えられたパケットを転送する。
待機期間/パケットサイズ検出回路24bは、出力パケットキュー22aにおいて各回線が待機している期間をそのパケットサイズとともに検出する。出力競合回線数は、この出力パケットキュー22aにおいて、各回線ごとに設けられた出力キューメモリにおいて、出力パケットが格納されているキューメモリを識別することにより検出される。これらの情報に基づいて、パケットとパケットの間のサイクル数が算出され、対応の送出されたパケットに対応する入力回線に対する基準時刻カウンタCNTiのカウント値が更新される。
基準時刻カウンタCNT1−CNTnは、出力パケットキュー22aが空になると、初期値にリセットされる。すべての基準時刻カウンタCNT1−CNTnが初期値にリセットされている状態では、入力回線SL1−SLnにおいては、到達順序で、出力パケットキューへ、パケットが転送される。また、これらの基準時刻カウンタCNT1−CNTnにおいて、1つの転送サイクルでずれを吸収することができない場合には、その未吸収部分は、オーバフロー値またはアンダーフロー値として保持され、次のサイクルにおいてこれらの未吸収値が再度考慮されて、基準時刻の算出が行われる。
なお、この出力リンクLKが、イーサネット(登録商標)の場合、他の出力回路(別のLANなど)が接続され、通信リンクLKが別のLANなどの使用により、待機状態になる場合がある。この場合、この入力回線SL1−SLnは、すべて同じ待ち合わせ時間を持つため、この出力リンクLKの他回線(LAN等)の出力による遅延は考慮されない。これにより、入力回線SL1−SLnについてのパケットレベルでの公平性を確保するように、出力リンクLKへの転送を監視制御することができる。
なお、基準時刻カウンタCNT1−CNTnは、正および負の符号を有するアップ/ダウンカウンタで構成されてもよく、またアンダーフロー値は別のレジスタに格納される構成が利用されてもよい(1つの出力サイクルで、標準時刻のずれの調整を行なうことができない場合に備えて)。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、各出力リンクに対する入力リンクを、パケットのサイズおよび競合回線数に基づいて、休止期間すなわちパケットとパケットの間の転送期間を決定しており、セルレベルのデータ転送の公平性をパケットレベルでの転送においても保証することができ、たとえばセルベースでデータを転送するADSLなどをパケットベースでデータを転送するEARTHENET(イーサネット(登録商標))に接続してデータを転送する場合において、データ転送量の公平性を維持することができる。
なお、上述の説明においては、入力パケットは、セルベースで転送されている。しかしながら、この入力パケットは、IP(インターネットプロトコル)パケットのように、サイズ可変のパケットの形態で与えられ、セルベースでなくてもよい。この場合、パケットのサイズは、パケットの転送クロックサイクル数により検出することができる。
[実施の形態2]
図13は、この発明の実施の形態2に従う網インターフェイス1の構成を概略的に示す図である。図13において、網インターフェイス1は、入力回線SL1−SLnを介して伝達されるデータパケットを順次その出力順序を調整して出力するデータ出力処理装置30と、入力回線SL1−SLnを介して伝達される音声データをIPパケットに変換し、かつその音声パケットVPKの出力順序を調整して出力する音声出力処理装置32と、これらのデータ出力処理装置30および音声出力処理装置32からのパケットDPKおよびVPKを受け、その出力競合を調停して出力回線(通信リンク)LKに伝達する出力伝送制御装置34を含む。
図13は、この発明の実施の形態2に従う網インターフェイス1の構成を概略的に示す図である。図13において、網インターフェイス1は、入力回線SL1−SLnを介して伝達されるデータパケットを順次その出力順序を調整して出力するデータ出力処理装置30と、入力回線SL1−SLnを介して伝達される音声データをIPパケットに変換し、かつその音声パケットVPKの出力順序を調整して出力する音声出力処理装置32と、これらのデータ出力処理装置30および音声出力処理装置32からのパケットDPKおよびVPKを受け、その出力競合を調停して出力回線(通信リンク)LKに伝達する出力伝送制御装置34を含む。
音声出力処理装置32は、たとえばゲートウェイを含み、回線SL1−SLnから伝達される音声データをパケットに変換する。この音声出力処理装置32は、また、実施の形態1に示す網インターフェイスのデータ出力制御部と同様の構成を備え、入力回線SL1−SLnからの音声データの競合時、音声パケットの出力順序をデータ転送量が公平となるように、公平性制御を行なって、出力パケットVPKを生成する。
出力伝送制御装置34は、この音声出力処理装置32からの音声パケットVPKを、データ出力処理装置30からのデータパケットDPKよりも優先順位を高くし、データパケットDPKと音声パケットVPKの競合時、出力中のデータパケットDPKの伝送が完了すると、優先的に、音声パケットVPKを出力する。
データ出力処理装置30は、先の実施の形態1と同様の構成を備え、かつ、さらに、出力伝送制御装置34における待ち合わせ期間に従って、データパケットDPKの基準時刻を、音声パケットVPKの出力転送期間による待機時間分調整する。
図14は、図13に示す網インターフェイスの1つの回線に関連するパケットDPKおよびVPKの出力動作を模式的に示す図である。今、図14に示すように、1つの入力回線ADSL(SL1−SLnのいずれか)において、データパケット♯1および♯2が順次与えられた状態を考える。パケット♯1が、出力制御部へ転送され、他回線との出力競合により待ち合わせた後、出力される。公平性制御部において、出力競合の回線数および転送パケット数をもとに、休止期間を決定する。この休止期間が完了する前に、音声データVoIP1が与えられと、出力伝送制御装置34は、この音声パケットVoIP1を、優先的に出力する。音声出力処理装置32においては、この音声データについても、他回線からの音声パケットとの競合処理を行なっており、この音声パケットVoIP1においても、他回線の音声出力との競合により待ち時間(音声パケットのサイズと競合回線数との乗算値により与えられる)が生じている。この音声パケットVoIP1の伝送により、パケット♯2に対する休止期間には、この音声パケットVoIP1を転送した分(パケットサイズと競合回線数の乗算値)が加算される。したがって、このパケット♯2に対する休止期間が長くなる。この休止期間中に、再び、音声パケットVoIP2、およびVoIP3がそれぞれ与えられ、データパケットの転送に対して優先的に、それぞれ出力される(他回線との音声データの出力競合を解消して)。
これらの音声データパケットVoIP2、およびVoIP3の転送により、さらに、データパケット♯2に対する休止期間がこれらの音声パケットVoIP2およびVoIP3を転送した分長くされる。公平性制御部において休止期間が完了したと判定されると、このデータパケット♯2が出力制御部へ転送され、出力制御部において、他回線との出力競合による待ち時間を経過した後、出力リンクGbEに、このデータパケット♯2が転送される。
したがって、IP電話などにおいては音声データは、遅延をできるだけ小さくして転送することが要求されるため、優先的に出力する。この優先度の高いパケットの送出時、優先度の低いパケット(データパケット)に対する休止期間が、その優先度の高いパケットを転送した分加算される。
この場合、音声パケットVoIPの転送レートがデータパケットの転送レートと異なる場合、音声パケットの転送に要したクロックサイクル数(待合せ期間を考慮する)を検出して、休止期間を計算する。
以上のように、これらの優先順位の異なる層それぞれにおいて、出力競合処理を行ない、さらに、優先度の高いデータを優先的に転送することにより、これらの優先順位の異なるデータそれぞれのデータ転送量の公平性を維持しつつ効率的にデータ転送を行なうことができる。
この実施の形態2における音声出力処理装置32の構成としては、実施の形態1において示される図9または図12に示す構成を利用して、図10に示す動作フローに従って処理を実行する。
音声データVoIP(VPK)は、この出力回線LKに割当てられた速度よりも遅い出力レートで、すなわち、広い間隔で出力される。
図15は、図13に示すデータ出力処理装置30および出力伝送制御装置34の構成の一例を概略的に示す図である。音声出力処理装置32は、図9または図12に示すデータ処理装置と同様の構成を備え、各回線ごとに音声データの出力制御を行なって、データ転送量の公平性を維持する。
図15において、データ出力処理装置30は、入力回線SL1−SLnそれぞれに対して設けられるキューバッファを含み、与えられたパケットを順次格納するパケットキューバッファ20と、パケットキューバッファ20から読出されたパケットデータを格納する出力パケットキューを含み、先頭パケットから順次出力する出力制御部22と、この出力制御部22において待機した期間およびパケットサイズに基づいて、対応の回線に対する休止期間を算出する休止期間算出部44と、各回線ごとに、休止期間を決定し基準時刻を保持する基準時刻保持部40と、基準時刻保持部40の最先の基準時刻を検出し、対応の回線のキューバッファからのパケットを出力制御部22へ転送する最先時刻検出部42と、音声データ出力時の待ち合わせ時間を検出する待ち時間検出部46とを含む。
パケットキューバッファ20は、図12に示す構成と同様、入力回線SL1−SLnそれぞれに対応して設けられるパケットキューを含み、各対応の入力回線から与えられたパケットをFIFO態様で格納する。最先時刻検出部42は、基準時刻保持部40に保持される各回線ごとの基準時刻のうち最先の基準時刻に対応するキューバッファの内容を読出し出力制御部22へ与える。
休止期間算出部44は、この出力制御部22において待ち行列化されたパケットがデータパケットDPKとして出力されたとき、そのサイズおよび待ちサイクル数を検出して、休止期間を算出し、その算出した時刻に従って基準時刻保持部40における対応の回線の基準時刻を更新する。この基準時刻保持部40は、たとえば、各入力回線ごとに設けられるカウンタを含み、各カウンタのカウント値が、この休止期間算出部44で算出された休止期間分そのカウント値が更新される。
出力伝送制御装置34は、データパケットDPKを伝送するデータ伝送部50と、音声データパケットVPKを伝送する音声伝送部52を含む。このデータ伝送部50は、音声伝送部52が、音声データパケットVPKを入力したとき、対応のデータパケットDPKの送出後、待機状態となり、音声伝送部52に、その音声データパケットVPKを伝送させる。待ち時間検出部46は、このデータ伝送部50における、音声データパケットVPKの伝送による待ち時間を検出し、基準時刻保持部40に保持される各回線の基準時刻を、その待ち時間だけ更新する(加算する)。
また、音声伝送部52は、データ伝送部50がデータパケットDPKを送出している途中に、音声データVPKを受けた場合、この出力中のデータパケットDPKの送出完了を待つ。この場合、音声伝送部52は、データパケットDPKの出力による待ち合わせ期間、各音声パケットVPKに対する基準時刻の更新が行われてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、優先順位の異なるデータ、においてそれぞれ各優先度の層それぞれにおいて公平性制御を行ない、かつ優先度の高いデータを優先的に出力するとともに、優先度の低いデータパケットに対して、その待ち合わせ期間を考慮して公平性制御(基準時刻の変更)を行なっている。従って、優先順位が階層的なネットワークシステムにおいて、データ転送の優先順位を維持しつつ、各優先順位の異なる層それぞれにおいてパケット転送量の公平性を維持することができる。
上述の説明においては、データパケットおよび音声パケットを、ADSLからGbE(ギガビットイーサネット(登録商標))へ転送する網インターフェイスの部分について説明している。しかしながら、このデータパケットは、セルベースで転送されず、IPパケットの形態で転送されてもよい。
また、音声データがVoIPで伝達される場合、データパケットよりも、音声データパケットVoIPの転送時の優先順位を高くしている。しかしながら、たとえば電子メールなどの遅延が特に問題とならないデータパケットに対して、さらに優先順位を低くするなど3層以上の優先順位の階層構造とし、各層において、公平性制御を行ない、優先度の高い層のデータを、優先的に出力する構成が利用されてもよい。
また、データ伝送路としては、イーサネット(登録商標)およびADSLに限定されず、一般のネットワークシステムおよびIPネットワークにおいても本発明を、網インターフェイスとして適用することができる。
1 網インターフェイス、10 入力制御部、12 バッファコントローラ、14 パケットバッファ、16 公平性制御部、18 出力制御部、20 入力制御部、22 出力制御部、24 公平性制御部、30 データ出力処理装置、32 音声出力処理装置、34 出力伝送制御装置、40 基準時刻保持部、42 最先時刻検出部、44 休止期間算出部、46 待ち時間検出部。
Claims (9)
- 複数の第1の回線それぞれを介して転送されるパケットを回線ごとに格納するパケット格納手段、
前記複数の第1の回線のうちの並行してパケットを転送する競合状態の回線の数を検出する競合回線検出手段、
前記パケット格納手段において格納されたパケットのうちの第1のパケットを前記複数の回線に共通に配置されるリンクを介して転送する出力制御部、および
前記第1のパケットのサイズを検出し、該検出サイズと競合回線数とを乗算し、該乗算結果に基づいて算出されたサイクル遅延したサイクルを前記第1のパケットに対応する回線の出力制御部からの次の読出に対する基準時刻として設定する公平性制御部を備える、パケットスケジューリング装置。 - 前記公平性制御部は、さらに、
前記出力制御部からの第1のパケット同一回線からの次のパケットの前記リンクへの転送時点と前記設定された基準時刻とのずれを検出するずれ検出手段と、
前記検出手段により前記次のパケットの出力が、前記基準時刻よりも遅延して出力されたことが検出されると、前記検出手段により検出された遅延サイクル数分、前記同一回線からの次の読出の基準時刻を速くする出力調整手段とをさらに備える、請求項1記載のパケットスケジューリング装置。 - 前記公平性制御部は、さらに、
各前記第1の回線に対応して配置され、対応の第1の回線を介して伝達されたパケットが前記出力制御部を介して前記リンクに出力するまでのサイクルを監視する出力監視手段と、
前記出力監視手段により前記公平性制御部により設定された基準時刻より早い読出が検出されると、該早い読出サイクル分、対応の第1の回線の次の読出サイクルを遅延するように前記基準時刻を調整する出力調整手段をさらに備える、請求項1記載のパケットスケジューリング装置。 - 前記リンクに結合され、前記複数の第1の回線を介して転送されるパケットよりも優先度の高くかつ互いに異なる回線を介して転送されるパケットをそれぞれ格納する第2のパケット格納手段、
前記複数の第2パケット格納手段に格納されたパケットのうち同時にパケットを転送する競合状態の回線を検出する第2の競合回線検出手段、
前記第2のパケット格納手段において格納されたパケットのうちの第2のパケットを前記リンクを介して転送する第2の出力手段、
前記第2のパケットのサイズを検出し、該検出サイズと前記第2の競合回線検出手段により検出された競合回線数とを乗算する第2の読出制御手段、
前記第2のパケットに対応する回線の次の読出を規定する基準時刻として前記第2の読出制御手段により算出されたサイクル分、遅延したサイクルに設定する第2の出力制御手段、および
前記第2の出力手段の転送パケットを優先的に前記リンクに転送する転送調整手段をさらに備える、請求項1記載のパケットスケジューリング装置。 - 前記転送調整手段により調整されたサイクルを前記第1の出力制御手段の基準時刻に加算する優先調整手段をさらに備える、請求項4記載のパケットスケジューリング装置。
- 前記転送調整手段は前記第2のパケットの設定された基準時刻からのずれたサイクル分、前記第2のパケットの次の読出タイミングを規定する基準時刻に対して調整する手段を備える、請求項4または5記載のパケットスケジューリング装置。
- 複数の回線からのパケットを共通のリンクへ転送するパケットのスケジューリング方法であって、
前記複数の回線を介して転送されるパケットが、前記共通のリンクへの転送時に競合するとき、前記リンクに転送されたパケットのサイズと競合回線数とを乗算し、該転送パケットの回線からの次のパケットの前記リンクへの転送タイミングを前記乗算サイクル後に設定するステップを備える、パケットスケジューリング方法。 - 前記パケットの前記リンクへの転送が、前記設定された転送タイミングと異なるとき、前記パケットを送出した回線からの次のパケット読出タイミングを、そのずれた分だけ、反対方向に調整するステップをさらに備える、請求項7記載のパケットスケジューリング方法。
- 前記複数のパケットは、互いに優先順位の異なる複数種類のパケットを含み、
優先順位の異なるパケットの前記リンクへの出力の競合時、優先順位の高いパケットを前記リンクへ優先的に出力し、かつ優先順位の低いパケットの次の読出サイクルを前記優先順位の高いパケットを出力した分遅延するステップをさらに備える、請求項7記載のパケットスケジューリング方法。
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-
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