JPH10270170A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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- H—ELECTRICITY
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- H10K50/00—Organic light-emitting devices
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Landscapes
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Abstract
外界に出射するときの光損失を低減した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1と、このガラス基板1上に
形成された透明なホール注入電極2と、このホール注入
電極2上に形成された有機層3と、この有機層3上に形
成された電子注入電極4とから成る有機エレクトロルミ
ネッセンス素子において、前記ガラス基板1の光出射側
面に、前記有機層3からの出射光に対する前記光出射面
の反射率を低下させるARコート5を形成した。
Description
ミネッセンス(EL)素子に関する。
素子は、透明ガラス基板上に、ホール注入電極、有機
層、電子注入電極を順次積層した構造を有するものであ
り、新しい自発光型素子として期待されている。そし
て、前記有機層の構造としては、ホール輸送層と発光
層とから成る構造(SH−A構造)、発光層と電子注
入層とから成る構造(SH−B構造)、ホール輸送層
と発光層と電子注入層とから成る構造(DH構造)が知
られている。そして、前記ホール注入電極としては、A
u(金)やITO(インジウム−スズ酸化物)のような
仕事関数の大きな電極材料を用い、電子注入電極として
は、Mgのような仕事関数の小さな電極材料を用いてい
る。また、前記ホール輸送層としてはp型半導体の性質
を有する有機材料が用いられ、電子輸送層としてはn型
半導体の性質を有する有機材料が用いられている。
においては、n型半導体の性質を有する材料が用いら
れ、SH−B構造においては、p型半導体の性質を有す
る材料が用いられ、DH構造においては、中性に近い性
質を有する材料が用いられる。いずれにしても、ホール
注入電極から注入されたホールと電子注入電極から注入
された電子とが、発光層とホール(又は電子)輸送層の
界面、および発光層内で再結合して発光するという原理
に基づいている。従って、発光機構が「衝突励起型発
光」である無機エレクトロルミネッセンス素子と比べ
て、有機エレクトロルミネッセンス素子は低電圧で発光
が可能といった特徴を有し、このことが表示素子として
期待される理由となっている。
ッセンス素子は、前述したごとく、板状のガラス基板/
ITO/有機層/陰極(有機層で発せられた光を反射さ
せるミラーとしても機能する)といった構造であり、有
機層で発せられた光がITOを経て板状ガラス基板から
外部に放出されるのであるが、光学的に光の損失が大き
いという欠点を有している。
n1 の第1媒質と屈折率がn2 の第2媒質(n1 >
n2 )とが界面で接するとき、n1 中の光源Aから発し
た光のうち、θ=sin-1(n1 /n2 )で定まる入射
角より大きい角度で界面に入射した光は、全反射によっ
て第2媒質(n2 )に進入することはできない。前記有
機層およびITOの屈折率が1.5〜1.7、板状ガラ
ス基板の屈折率が1.5であり、これらは略同等で前記
第1媒質に相当し、空気の屈折率は1.0であり、第2
媒質に相当する。よって、第1媒質に相当する有機層や
ITO内に閉じ込められてしまう光が多くなり、光学的
に光の損失が大きくなる。
発せられた光がガラス基板を通して外界に出射するとき
の光損失を低減することができる有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を提供することを目的とする。
ロルミネッセンス素子は、上記の課題を解決するため
に、ガラス基板と、このガラス基板上に形成された透明
な第1電極と、この透明な第1電極上に形成された有機
層と、この有機層上に形成された第2電極とから成る有
機エレクトロルミネッセンス素子において、前記ガラス
基板の光出射面に、前記有機層からの出射光に対する前
記光出射面の反射率を低下させる反射防止膜を形成した
ことを特徴とする。
光が素子内に閉じ込められてしまうのを防止できる。即
ち、反射防止膜をガラス基板と空気との界面に設ける
と、有機層から出射した光が、ガラス(反射防止膜)/
空気界面において反射するのWをある程度抑制すること
ができる。従って、外部取り出し光強度が向上し、結果
的に輝度特性が向上する。
る膜が積層されて成るものであってもよい。また、前記
反射防止膜は、TiO2 からなる第1膜とSiO2 から
成る第2膜が積層されて成るものであってもよい。
に基づいて説明する。
ルミネッセンス素子を示した縦断側面図である。この図
では、有機層の具体的構造を特定せずに示している。透
明な板状ガラス基板1上には、ホール注入電極2、有機
層3、電子注入電極4がこの順に積層されているととも
に、前記板状ガラス基板1の光出射面に、前記有機層3
からの出射光に対する前記光出射面の反射率を低下させ
るAR(アンチリフレクション)コート5を成膜して成
る。
した有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図であ
る。透明な板状ガラス基板11上には、インジウム−ス
ズ酸化物(ITO)から成るホール注入電極12(陽
極)が形成されており、このホール注入電極12上に
は、下記の化学式(1)で示されるMTDATAから成
る膜厚が500Åの第1ホール輸送層13、および下記
の化学式(2)で示されるαNPDから成る膜厚が20
0Åの第2ホール輸送層14が順次形成されている。
は、下記の化学式(3)で示されるBeBq2 から成る
膜厚が500Åの発光層15が形成されている。
成る膜厚が2000Åの電子注入電極16(陰極)、及
び膜厚が20000Åの金属保護膜(Al)17が順に
形成されている。
面には、前記発光層15からの出射光に対する前記光出
射面の反射率を低下させるARコート18が塗布されて
いる。前記ARコート18の詳細については後述する。
センス素子の製造方法について簡単に説明する。まず、
板状ガラス基板上にホール注入電極となるインジウム−
スズ酸化物(ITO)を形成し、当該基板を中性洗剤に
より洗浄した後、アセトン中で20分間、エタノール中
で20分間、それぞれ超音波洗浄を行う。次いで、この
洗浄済み基板を沸騰したエタノール中に約1分間浸し、
取り出して直ぐに送風乾燥を行った。その後、前記のI
TO上に前記化学式(1)で示されるMTDATAを真
空蒸着し、その上に前記化学式(2)で示されるαNP
Dを蒸着した。これにより、ホール輸送層が得られる。
次に、前記αNPD上にBeBq2 を真空蒸着して発光
層を形成する。そして、AlLiから成る電子注入電
極、及びAlから成る金属保護を順次形成する。なお、
上述の蒸着においては、いずれも真空度1×10-6To
rr、基板温度制御無しの条件下で行った。
板11上に予め形成しておいても良いが、この実施の形
態では、上述の素子形成工程の後に形成した。前記AR
コート18及び図1のARコート5は、いわゆる多層膜
の構造を有しており、光の干渉により反射を軽減する。
具体的には、屈折率が異なる各種の無機化合物(SiO
2 、TiO2 、ZrO2 など)を、各層が膜厚0.1〜
0.2μm程度(より具体的な膜厚については後に記述
している。)となるように形成している。このようなA
Rコートの各層は、電子ビーム蒸着法やスパッタ法によ
り作製することができる。
造を示している。このARコート18は、板状ガラス基
板11の光出射側の面から順に、第1のTiO2 層(膜
厚1101Å,λ/2n)、第1のSiO2 層(膜厚1
830Å,λ/2n)、第2のTiO2 層(膜厚110
1Å,λ/2n)、第2のSiO2 層(膜厚915Å,
λ/4n)が順に形成されて成るものである。なお、n
は屈折率を表し、λは有機エレクトロルミネッセンス素
子の発光波長を表している。ここで、低反射膜即ちAR
コートを作成するためには、λ/2n膜の形成後にλ/
4n膜を設ける必要がある。光の位相を逆転させるため
にλ/4n膜を形成しており、λ/4n膜がないと低反
射膜とはならず、逆に高反射膜となる。
クトロルミネッセンス素子が緑色発光をなすことに鑑み
て構成されたものである。ここで、緑を中心とした可視
光の範囲は、λ=3800〜6200Åとなり、その
中心部分、即ち図2の有機エレクトロルミネッセンス素
子の緑色光を取り出すと、λ=4200〜5800Å
となる。TiO2 (n=2.26)とSiO2 (n=
1.42)を用いる場合、λ/2n膜の膜厚は、につ
いてはそれぞれ805〜1313Å,1338〜218
3Åとなり、についてはそれぞれ890〜1229
Å,1479〜2042となる。これに基づき、ARコ
ート18のTiO2 層については膜厚1101Åとし、
SiO2 層については膜厚1830Åとしている。
び図2の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光波長
特性を示したグラフであり、横軸には波長をとり、左側
縦軸には反射率をとり、右側縦軸には発光強度をとって
いる。
ル注入電極12と電子注入電極16をそれぞれプラス及
びマイナスに順バイアスして電圧を印加すると、当該素
子の発光層15はBeBq2 から成るため、緑色の光
(波長518nm)が得られることになる。そして、図
4から明らかなように、上記のARコートは、上記緑色
の光に対して反射率を低くするような特性を有する。
の発光実験を行ったところ、電圧9Vで輝度3300c
d/m2 の高輝度の緑色発光が得られた。そして、比較
例として、ARコートを有しない以外は図2と同一の構
造を有する素子で発光実験を行ったところ、電圧9Vで
輝度3300cd/m2 の緑色発光が得られた。即ち、
ARコートを備えたことで、10%の高輝度化が図れ
た。
ば、有機層で発せられた光がガラス基板を通して外界に
出射するときの光損失を低減し、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の発光の高輝度化が図れるという効果を奏
する。
い有機エレクトロルミネッセンス素子の縦断側面図であ
る。
を示す縦断側面図である。
側面図である。
レクトロルミネッセンス素子の発光波長特性を示したグ
ラフである。
反射の様子を説明する説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ガラス基板と、このガラス基板上に形成
された透明な第1電極と、この透明な第1電極上に形成
された有機層と、この有機層上に形成された第2電極と
から成る有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記ガラス基板の光出射面に、前記有機層からの出射光
に対する前記光出射面の反射率を低下させる反射防止膜
を形成したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。 - 【請求項2】 前記反射防止膜は、2種以上の材料から
成る膜が積層されて成ることを特徴とする請求項1に記
載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項3】 前記反射防止膜は、TiO2 からなる第
1膜とSiO2 から成る第2膜が積層されて成ることを
特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。
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- 1997-03-21 JP JP06857897A patent/JP3374035B2/ja not_active Expired - Lifetime
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