JPH10269614A - 偏光近接場光検出ヘッドおよびそれを用いた光情報記録再生装置 - Google Patents

偏光近接場光検出ヘッドおよびそれを用いた光情報記録再生装置

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JPH10269614A
JPH10269614A JP9067993A JP6799397A JPH10269614A JP H10269614 A JPH10269614 A JP H10269614A JP 9067993 A JP9067993 A JP 9067993A JP 6799397 A JP6799397 A JP 6799397A JP H10269614 A JPH10269614 A JP H10269614A
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博 吉川
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彰教 古谷
Toshibumi Okubo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型の光情報記録再生装置用の、偏光成分を有
する近接場光を効率よく検出する偏光近接場光検出ヘッ
ドを提供する。 【解決手段】支持基板6上に、近接場光を散乱させ伝搬
光に変換する散乱体62と、検光子を透過してきた伝搬
光を電気信号に変換するフォトダイオード63とを一体
的に形成し、フォトダイオード63に接して、近接場光
の偏光成分を選択的に透過させる検光子61を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光の光電変
換素子に、近接場光の特定偏光成分を光強度に変換する
素子を搭載することで、近接場光の偏光成分の検出を可
能とする偏光近接場光検出ヘッド、および、該偏光近接
場光検出ヘッドを用いて光情報記録媒体の光磁気記録情
報の記録・再生を可能とする光情報記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、動画像や静止画像、音声などの大
量の情報処理の要請が増大し、これがため、高速で高密
度、大容量の情報記録再生装置の需要に拍車がかけられ
ている。そして、高密度・大容量の情報記録再生装置と
して、代表的なものに光ディスクを用いる光情報記録再
生装置があり、近年注目を浴びている。
【0003】光情報記録再生装置は、光磁気記録媒体も
しくは相変化記録媒体を使用した光ディスク上の微小ス
ポットに、半導体レーザ光を光学系を用いて集光し、磁
気的・熱的変調を与えて記録し、やはり、同じレーザ光
を用いて、記録ビットにより変調される反射光を利用し
て読み取りを行っている。
【0004】例えば、光磁気記録の場合、光磁気記録媒
体に記録された光磁気記録情報を再生するには、記録面
から反射してきたレーザ光の偏光面の回転方向が記録マ
ークの磁化方向によって変わることを検出する必要があ
る。このためには、反射されてくるレーザ光の偏光面を
検出しなくてはならないという問題がある。その他、光
学系の中に検光子や偏光ビームスプリッタなどの微小な
光変換素子が必要であり、装置の小型化の障害となって
いる。
【0005】光ディスクの高密度化は、光源として使用
する半導体レーザの短波長化、集光スポット径よりも小
さな記録マークを再生する技術や、記録・再生される情
報の信号処理を工夫することで同じ量の情報記録マーク
の中により多くの情報量を持たせるなどの技術により進
められてきた。
【0006】しかし、これらの技術的進歩にもかかわら
ず、光情報記録の革新的な記録密度の向上は困難と考え
られてきた。その理由は、光の回折現象により、光情報
記録再生装置で用いる記録再生ビームのビーム径を、使
用する光の波長以下の大きさに絞り込むことができない
ことに大きな原因がある。そこで、このような光の回折
限界を超越し、記録密度の飛躍的向上を可能とする方法
として、近接場光(エバネッセント光)を利用した光情
報記録再生方法およびその記録再生装置が注目されてい
る。
【0007】近接場光を用いる方式は、記録媒体(被観
測物体)の背面から臨界角よりも大きな入射角をもって
照明光を照射し、記録媒体表面からのしみだし光(近接
場光)を先鋭なプローブで散乱し伝搬光に変換して検出
したり、あるいは、微小開口を有するファイバプローブ
などを記録媒体表面に近づけ、微小開口からしみ出る近
接場光を伝搬光に変換し、それを光測定装置に導いて検
出する方法などが採られている。近接場光を用いる方法
は、再生時において記録マークの破壊、経時変化などの
重大な影響がない範囲で照射光の強度を高めることで、
ビットマークの大きさが微小化した場合においても必要
な信号レベルを確保できる利点がある。光情報記録技術
には、光記録媒体の記録層の相変化に伴って反射率が変
化することを利用した相変化記録方式と、記録層の磁化
の方向による光の偏光方向の変化を検出する光磁気記録
方式とがあるが、これと同様に、近年、近接場光の偏光
成分を検出して記録技術に応用することが活発に試みら
れている。
【0008】偏光成分を含んだ近接場光を検出する技術
の一つに、例えば、アプライド フイジックス レター
ズ、第61巻、第2号、第142頁から第144頁、1
992年(Appl.Phys.Lett.,Vol.61,No.
2,pp142〜144,1992)に記載されているよ
うに、光ファイバの先端を鋭利に加工し、極先端領域以
外を金属膜で覆ったプローブを、磁気記録媒体表面から
約10ナノメートルまで近づけた後、プローブ先端から
直線偏光をもつ近接場光を光記録媒体表面に照射して記
録する方法がある。この方法においては、記録された光
記録情報の読み出しは、媒体の反対側に配置された対物
レンズを用いて、光記録媒体によって散乱された光を集
光し、その偏光成分を検光子と光電子増倍管を用いて検
出している。この例の場合、記録密度は45ギガビット
/平方インチになり、現状の光記録での約50倍に達す
ることができたと報告されている。さらに、アプライド
フィジックス レターズ、第65巻、第4号、第38
8頁から第390頁、1994年(Appl.Phys.Let
t.,Vol.65,No.4,pp388〜390,199
4)には、屈折率nの半円球状のソリッドイマージョン
レンズ(SIL)を光記録媒体と対物レンズの間に置く
ことで、SIL中の波長を1/nにし、結果的に対物レ
ンズの開口数をn倍にすることで、レーザのスポットサ
イズを小さくすることに成功している。この例の場合に
おいては、SILと短波長光源とを組み合わせること
で、面記録密度が約40ギガビット/平方インチに達す
ることも可能であることを示唆している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図8は、上述のような
原理に基づいて構成された近接場光応用の超高密度記録
系の概要を示したものである。同図において、情報の記
録は、レーザ光の光源5から出た光を波長板43を介し
て光ファイバに導き、先鋭な先端形状を有する光ファイ
バ先端1の頂点から近接場光53を生じさせ、この状態
で、光ファイバ先端1を記録媒体2に十分近接させるこ
とで、光ファイバ先端1からの光と熱でもって局部的に
媒体磁化の方向を反転させて行う。一方、再生時には、
記録時よりも弱いレーザ光を光ファイバ先端1に入射
し、光ファイバの先端のごく近傍に限定された近接場光
を発光させる。この状態で、光ファイバ先端1を記録媒
体2の表面から約10nmオーダーの隙間を維持しなが
ら走査する。上述の近接場光は、記録媒体2によって散
乱光(伝搬光)となって集光レンズ4で集められた後、
偏光ビームスプリッタ44を経て、さらに検光子41を
経由し、光電子増倍管42で検出される。記録媒体2に
よって近接場光が散乱光となる際に記録ビットおよび周
縁部分によって光(偏光)の偏光面の回転に差異が生
じ、これが検光子41を通過することで光の強度変化に
変換され、媒体上の微細な記録ビットの情報がそのまま
光電子増倍管42の信号出力変化として検出できる。
【0010】しかしながら、図8に示す近接場光を用い
た透過型光記録再生系においては、光源からの光を波長
板によって偏光させた後、光ファイバに導き、その先鋭
な先端から記録媒体に向けて近接場光を照射している
が、光ファイバの導波モードと近接場光を発生する光フ
ァイバの先端部分とが大きく異なるため、先端開口から
発生する近接場光の強度が小さくなってしまう難点があ
った。そのため、検光子に届く光強度もおのずと小さく
なってしまい、結果的には光電子増倍管によって検出さ
れる信号レベルも小さくなってしまい、高いS/N比の
検出信号を得ることが困難であった。
【0011】また、図9に示すように、入射光を光記録
媒体の表面で全反射させることで記録媒体表面に近接場
光を発生させるタイプもある。このタイプでは、光源5
からの入射光51が波長板43を経て偏光された後、プ
リズム3上に設置された記録媒体2の上面に全反射する
ように光源5を配置する。この時、記録媒体2の上面に
は近接場光53が光の波長λ程度だけしみだしてくる
が、これを光ファイバ11と結合させて、近接場光を伝
搬光に変換させる必要がある。変換された伝搬光は、光
ファイバ11を経て検光子41に照射され、その偏光成
分が光強度に変換され、光強度は光電子増倍管42で検
出される。この方式では、集光用の光ファイバ11の導
波モードと大きく異なる近接場光をファイバ先端部に結
合させなければならないために、原理的に効率が悪く、
検出信号のS/N比の向上は困難であった。
【0012】このように、図8および図9に示す光記録
再生系においては、いずれも光ファイバを用いている
が、光ファイバの導波モードと近接場光とが大きく異な
ることから両者の結合効率が悪くなり、信号レベルも小
さくなり、S/N比を向上させることが困難であった。
さらに、上記いずれの方法も、偏光成分をもつ光を光フ
ァイバを通して光電子増倍管の手前まで導いているが、
光の偏光成分が光ファイバ中を伝搬する過程で光ファイ
バによって乱される恐れがあった。
【0013】図10は、光ファイバを用いず、ソリッド
イマージョンレンズ(SIL)を用いるタイプを示した
ものである。同図において、光源5からの入射光51
は、偏光ビームスプリッタ44を透過した後、対物レン
ズ55を経てSIL31を透過し、記録媒体2の表面上
に微小スポットサイズを形成する。記録媒体2上の記録
ビット21によって変調された反射光は、再び偏光ビー
ムスプリッタ44に入り反射される。反射光は、偏光ビ
ームスプリッタ45において、その偏光方向に応じて振
り分けられ、各々は、それぞれレンズ46a,46bによ
り光検出器47a,47bに集光され測定される。この方
法は、光ファイバを用いないので、光ファイバによる結
合損失はない。
【0014】このように、図8から図10までに示し
た、いずれの方法も、光学系のなかに検光子や偏光ビー
ムスプリッタなどのバルクの偏光検出素子をアラインメ
ントすることが必要であり、装置の小型化を進める上で
大きな障害となっていた。また、光信号の検出に光電子
増倍管を用いることが多く、これが装置の消費電力の低
減を困難なものにしていた。
【0015】本発明は、上記のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、大きく分けて二つの目的を有する。す
なわち、本発明の第1の目的は、小型の光情報記録再生
装置に用いるのに適した、偏光成分を有する近接場光を
効率よく検出する偏光近接場光検出ヘッドを提供するこ
とにある。また、本発明の第2の目的は、そのような偏
光近接場光検出ヘッドを用いた、高速再生可能な高密度
の光情報記録再生装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は特許請求の範囲に記載するような構成とす
るものである。
【0017】すなわち、請求項1に記載のように、記録
媒体の表面近傍に発生した近接場光を散乱させる突起部
と、散乱された近接場光を電気信号に変換するフォトダ
イオードとを有する偏光近接場光検出ヘッドにおいて、
前記突起部と前記フォトダイオードとを支持部上に一体
に形成するとともに、該突起部と該フォトダイオードの
間に、該フォトダイオードに接して検光子を設けた構成
とするものである。
【0018】また、請求項2に記載のように、偏光近接
場光検出ヘッドが、それぞれ偏光方向が異なる検光子と
フォトダイオードとの組合せを複数個有するとともに、
複数のフォトダイオードで検出された信号の差分を検出
する手段と、検出された信号の差分を増幅する手段を具
備する構成とするものである。
【0019】さらに、請求項3に記載のように、上記検
光子を、それぞれ検出する近接場光の波長より短い幅の
溝および溝の間隔からなるグレーティングを有する膜で
構成し、また、請求項4に記載のように、上記支持部と
して浮上スライダを用いる構成とするものである。
【0020】また、請求項5に記載のように、光情報記
録再生装置が、光情報記録媒体と、上述の偏光近接場光
検出ヘッドと、該光情報媒体と該偏光近接場光検出ヘッ
ドとの相対的位置を変化させる手段とを有する構成とす
るものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わる偏光近接
場光検出ヘッドの構成の一つの実施の形態を示すもので
ある。同図において、62は近接場光を散乱させ伝搬光
に変換する散乱体である。61は検光子であり、近接場
光の偏光成分を選択的に透過させる役割をする。63は
検光子61を透過してきた伝搬光を電気信号に変換する
フォトダイオードである。本発明では、検光子61をフ
ォトダイオード63上に直接配置することで光学系を極
めて簡素なものとすることができるので、検出ヘッドの
小型化に有利である。検光子61は、フォトダイオード
63上に一体に形成するか、あるいは膜を張り付けるこ
とで実現可能である。なお、6は系全体を支持する支持
基板、64はフォトダイオード63を外部に接続するた
めの電極、65はヘッドの位置出し機構である。
【0022】図2は、上述の偏光近接場光検出ヘッドの
再生動作を詳細に説明するための図である。ここでは、
散乱体62を検光子61の上に設けた例を示す。入射光
51を記録媒体2の下面から臨界角以上の入射角をもっ
て照射すると、その大部分は反射光52として全反射さ
れる。このとき、記録媒体2上の波長λ程度のごく表面
近傍には、近接場光53が生成される。この近接場光の
中に、散乱体62を記録媒体表面から一定の高さに挿入
すると、散乱体62は近接場光を局所的に散乱させるた
め、散乱光54を発生させる。散乱光の一部は検光子6
1に当たるが、ここを透過できるのは、散乱光の成分の
うちでも検光子が特異的に透過させることのできる方向
(偏光方向)と同一の方向に偏光した成分のみである。
なお、散乱体62の先端部分で散乱された伝搬光は、空
間中を伝搬して検光子に到達するものもあれば、散乱体
内部を通って検光子にたどり着くこともあり得る。検光
子61を透過した伝搬光の偏光成分は、フォトダイオー
ド63にて受光され、電気信号に変換される。なお、記
録媒体2の記録ビット21の状態(光磁気の偏光方向変
化などの光学的特性)は、近接場光53の偏光成分に反
映される。この近接場光を局所的に散乱することで発生
する伝搬光には、本来の記録媒体の記録状態に対応した
情報が、偏光方向変化もしくは偏光強度変化として含ま
れている。
【0023】図3は、図1に示した偏光近接場光検出ヘ
ッドの検光子としてグレーティングを有する膜を使用し
たヘッド構成の一つの実施の形態を示したものである。
記録媒体表面に生成されている近接場光は、散乱体62
によって伝搬光に変換された後、グレーティングを有す
る膜からなる検光子61に当たる。伝搬光のうち、検光
子61を透過できるのは、検光子の偏光透過容易方向に
沿った偏光成分のみである。伝搬光の偏光成分は、最終
的に光電変換素子であるフォトダイオード63に入り検
出される。なお、上記グレーティング膜は、フォトダイ
オード63の表面上に一体的に作製するか、あるいはフ
ォトダイオード63上に張り付けることも可能である。
検光子の作製時もしくはフォトダイオード上へ張り付け
るときに、グレーティング膜の偏光透過方向を制御する
ことで、フォトダイオードが検出する偏光方向を制御す
ることが可能である。なお、66は支持基板6上に形成
されたフォトダイオードからの電極であり、67は外部
電極への接点である。
【0024】図4は、本発明に係わる偏光近接場光検出
ヘッドを含んで構成された光情報記録再生装置の一つの
実施の形態を示したものである。なお、本図以降では、
作図の都合上、偏光近接場光検出ヘッドと記録媒体とを
離して示しているが、後述するように、動作時は両者を
近接させる。同図において、回転する記録媒体2の上面
から読み出しトラックに臨界角以上の照射角度をもって
照明用レーザ光を照射するように、照明用レーザの光源
5を配置する。照明用レーザ光は記録媒体2の下面で全
反射されるが、照明領域においては、全反射が生じると
同時に記録媒体下面(偏光近接場光検出ヘッドの上側)
に近接場光のしみ出し領域を生成する。散乱体と記録媒
体の表面との間の距離を近接場光の波長λ程度のしみ出
し層以下に保てば、散乱体が近接場光を散乱する。これ
を検光子で受け、さらにフォトダイオードにより、散乱
された近接場光の偏光成分を検出することで、記録媒体
がもつ偏光記録情報を再生できる。符号65は位置出し
機構であるが、これを左右に移動させることで、回転記
録媒体上の任意の位置に記録された情報を読み出すこと
ができる。このような構成を用いることにより、高密度
な光情報記録再生装置を実現することができる。
【0025】図5は、上記した偏光近接場光検出ヘッド
の検光子とフォトダイオードを2個組み合わせた偏光近
接場光検出ヘッドの構成の一つの実施の形態を示したも
のである。同図において、照明用レーザ光によって記録
媒体表面に生成された近接場光は、散乱体62で散乱さ
れ、その一部は検光子611に、他の一部は検光子61
2に照射される。検光子611と検光子612の偏光透
過容易方向は互いに90度異なる向きを向くように配置
され、このため、二つの検光子の下のフォトダイオード
に入射する光の強度は、90度ずれた偏光成分の強度に
対応している。二つのフォトダイオード631,632
で検出される偏光成分の光強度は、記録媒体表面の記録
情報の偏光方向に応じて変化しており、各々のフォトダ
イオードからの出力値を差分アンプ7で差分増幅するこ
とで、記録媒体表面の偏光記録情報を検出することが可
能である。また、二組の検光子およびフォトダイオード
は、光学的に非常に接近しているので、媒体表面から各
々に入射する迷光や散乱光の強度はほぼ等しいと考える
ことができる。従って、二つのフォトダイオードによっ
て検出された光強度の差分増幅値を用いることで、記録
媒体表面からの迷光や散乱光の影響を受けることなく、
記録媒体表面の偏光記録情報のみを効率的に検出するこ
とが可能であり、検出される記録情報のS/N比を向上
させる目的に極めて有効である。なお、同図では、近接
場光散乱体、検光子およびフォトダイオードを一組搭載
した例を示したが、搭載数量はこれに限定されるもので
はなく、実際には、検出ヘッドの支持基板6に搭載可能
であれば、複数組であってもよい。
【0026】図6は、図5に示す差分アンプ7を符号6
で示した支持基板上に組み込んだ光情報記録再生装置の
一つの実施の形態を示したものである。図のように、支
持基板上に、近接場光散乱体と検光子およびフォトダイ
オードからなる偏光近接場光検出部と差分アンプとを一
体化することで、フォトダイオードから差分アンプまで
の電気的距離を大幅に短縮することが可能である。これ
により、差分アンプと、検光子およびフォトダイオード
からなる近接場光検出ヘッドとを結ぶ回路の浮遊静電容
量が減少し、高速応答可能な検出ヘッドを実現すること
ができる。なお、図中の符号711は差分アンプからの
出力を外部端子へ導く電気接点である。
【0027】図7は、本発明に係わる偏光近接場光検出
部をヘッドスライダに搭載した構成の一つの実施の形態
を示したものである。同図において、8は磁気ディスク
装置において通常用いられるスライダコアであり、81
はスライダコア表面のエアベアリングサーフェス(AB
S面)である。高速回転する記録媒体2と上記エアベア
リングサーフェス81との間で形成されるくさび状の間
隙に発生する気体(空気)の動圧効果によって、スライ
ダコア8は記録媒体2上を微小隙間を保って安定に浮上
させることができる。なお、64はフォトダイオードの
出力を外部に接続するための電極である。
【0028】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したように、本発明によれば、記録媒体の表面近傍に存
在する近接場光を検出ヘッド先端部分の散乱体によって
散乱させ、これを検光子を伴ったフォトダイオードで検
出することで、波長未満の高空間分解能で偏光記録情報
を再生するとともに、大容量の近接場光記録に適した偏
光近接場光検出ヘッドを実現することができる。
【0029】また、二つの検光子の偏光透過容易方向を
ずらせて配置し、各々を透過してきた偏光成分の光強度
の差分を求めることで、記録媒体表面の近接場光の偏光
成分を高いS/N比で検出するとともに、照明用レーザ
光の強度ゆらぎを打ち消すことができるので、記録媒体
表面の偏光記録情報を高いS/N比で検出可能な偏光近
接場光検出ヘッドを実現することができる。
【0030】さらに、偏光近接場光検出ヘッドを磁気デ
ィスク装置で通常使われる浮上スライダに搭載すること
で、高速かつ広範囲の媒体走査を可能とする構成とした
ため、高速・大容量の偏光近接場光記録ヘッドを実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる偏光近接場光検出ヘッドの一つ
の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示す偏光近接場光検出ヘッドの偏光記録
情報検出原理を説明するための説明図である。
【図3】図1に示す偏光近接場光検出ヘッドの偏光検出
膜にグレーティング膜を用いた一つの実施の形態を示す
図である。
【図4】本発明に係わる偏光近接場光検出ヘッドを搭載
した光情報記録再生装置の一つの実施の形態を示す図で
ある。
【図5】本発明に係わる偏光近接場光検出ヘッドのう
ち、複数個の偏光検出膜を搭載した検出ヘッドを用いた
光情報記録再生装置の一つの実施の形態を示す図であ
る。
【図6】本発明に係わる偏光近接場光検出ヘッドのう
ち、差分アンプを支持基板上に配置した検出ヘッドを用
いた光情報記録再生装置の一つの実施の形態を示す図で
ある。
【図7】本発明に係わる偏光近接場光検出ヘッドのう
ち、ヘッドスライダ上に搭載した検出ヘッドを用いた光
情報記録再生装置の一つの実施の形態を示す図である。
【図8】従来の透過型近接場偏光検出ヘッドおよびその
周辺機構の構成を示す説明図である。
【図9】従来の反射型近接場偏光検出ヘッドおよびその
周辺機構の構成を示す説明図である。
【図10】従来のソリッドイマージョンレンズ型近接場
偏光検出ヘッドおよびその周辺機構の構成を示す説明図
である。
【符号の説明】 2…記録媒体 5…光源 6…支持基板 7…差分アンプ 8…スライダコア 21…記録ビット 51…入射光 52…反射光 53…近接場光 54…散乱光 61,611,612…検光子 62…散乱体 63,631,632…フォトダイオード 64…電極 65…位置出し機構 81…エアベアリングサーフェス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 俊文 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体の表面近傍に発生した近接場光を
    散乱させる突起部と、散乱された近接場光を電気信号に
    変換するフォトダイオードとを有する偏光近接場光検出
    ヘッドにおいて、前記突起部と前記フォトダイオードと
    を支持部上に一体に形成するとともに、該突起部と該フ
    ォトダイオードの間に、該フォトダイオードに接して検
    光子を設けたことを特徴とする偏光近接場光検出ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の偏光近接場光検出ヘッド
    において、それぞれ偏光方向が異なる検光子とフォトダ
    イオードとの組合せを複数個有するとともに、複数のフ
    ォトダイオードで検出された信号の差分を検出する手段
    と、検出された信号の差分を増幅する手段とを具備する
    ことを特徴とする偏光近接場光検出ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の偏光近接場光検
    出ヘッドにおいて、前記検光子が、それぞれ検出する近
    接場光の波長より短い幅の溝および溝の間隔からなるグ
    レーティングを有する膜であることを特徴とする偏光近
    接場光検出ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の偏光
    近接場光検出ヘッドにおいて、前記支持部が浮上スライ
    ダであることを特徴とする偏光近接場光検出ヘッド。
  5. 【請求項5】光情報記録媒体と、請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の偏光近接場光検出ヘッドと、該光情報記
    録媒体と該偏光近接場光検出ヘッドとの相対的位置を変
    化させる手段とを有することを特徴とする光情報記録再
    生装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の光情報記録再生装置にお
    いて、前記光情報記録媒体が光磁気型光情報記録媒体で
    あることを特徴とする光情報記録再生装置。
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