JPH10269563A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH10269563A
JPH10269563A JP7295297A JP7295297A JPH10269563A JP H10269563 A JPH10269563 A JP H10269563A JP 7295297 A JP7295297 A JP 7295297A JP 7295297 A JP7295297 A JP 7295297A JP H10269563 A JPH10269563 A JP H10269563A
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magnetic recording
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Application number
JP7295297A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Shimizu
治好 清水
Masayuki Sorita
昌之 返田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テスクチャーの隆起高さのバラツキを抑制で
き、しかも磁気ヘッドの共振現象を回避することができ
る磁気記録媒体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 平面ポリッシュ加工を施した非磁性基体
1を用い、そのCSS領域12に、連続レーザーをスポ
ット照射し、非磁性基体1を回転させながら半径方向に
掃引し、螺旋状突条部26を形成した。連続レーザーは
出力が安定しており、パルスレーザー照射のように融解
部に爆発的な断熱膨張圧が加わらない点から、一筋の螺
旋状突条部26の隆起高さが平準化し、隆起高さのバラ
ツキは少ない。それ故、スポット状隆起部が形成された
従来の磁気記録媒体に比べ、CSS耐久性と浮上安定性
の向上した磁気記録媒体を得ることができる。また、C
SS時には磁気ヘッドが線接触でCSS領域に滑らかに
接するため、磁気ヘッドのバネ−質量系の固有振動数と
の共振を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
ハードディスク装置などに使用される磁気ディスク等の
磁気記録媒体及びその製造方法に関し、特に、媒体表面
に凹凸面を反映させるための非磁性基体表面のテクスチ
ャー加工技術に関する。
【0002】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置に用いられている
一般的な磁気記録媒体の層構成は、図6に示す如く、デ
ィスク状の非磁性基板1a上に非磁性金属層1bを形成
して非磁性基体1とし、この非磁性基体1の上に非磁性
金属下地層2を積層した後、この金属下地層2上に、強
磁性合金体であるCo−Cr−Ta(コバルト−クロム
−タンタル)、またはCo−Cr−Pt(コバルト−ク
ロム−白金)などにより磁性層3を薄膜状に積層形成
し、更に、この磁性層3上にカーボン保護層4を形成し
て成る。そして、この保護層4の上に、必要に応じて液
体潤滑剤からなる潤滑層5を塗布して磁気ディスク10
が作製されている。
【0003】非磁性基体1としては、例えばAl−Mg
合金の非磁性基板1aに無電解メッキによりNi−Pメ
ッキ層の非磁性金属層1bを形成したもの、アルマイト
基体、ガラス基体、セラミック基体などが用いられる。
そして、この非磁性基体1を必要に応じて研磨(ポリッ
シュ仕上げ)し、その表面にテクスチャー加工法で凹凸
粗さ面を付与する。その後、この非磁性基体1を約200
°Cに加熱しながらAr雰囲気下のスパッタリングによ
り層厚約200nm のCrからなる非磁性金属下地層2、層
厚約30nmのCo−Cr−Taなどからなる磁性層3、お
よび層厚約15nmのカーボンからなる保護層4を順次スパ
ッタ法により積層形成する。そして、保護層4上に、フ
ロロカーボン系の液体潤滑剤を塗布して層厚約2nmの潤
滑層5を形成し、磁気ディスク10を製造する。
【0004】このような磁気ディスク10が図7に示す
ハードディスク装置30などに実装されると、使用にお
いては装置の磁気ヘッド20との接触動作を繰り返すこ
ととなる。これは一般に、ハードディスク装置などにお
いて、停止時に磁気ヘッド20と磁気ディスク10の表
面のディスク内周領域で接触する状態であり、この状態
から稼動時のみにヘッド20が空気膜の作用で磁気ディ
スク10表面から僅かに浮上して、ディスク外周側のデ
ータ領域で情報の読み取り動作又は書込み動作が行われ
るCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式が採
用されているためである。従って、電源のオン・オフに
伴いヘッド20と磁気ディスク10はディスク内周領域
のCSS領域で摺動摩擦状態となるため、媒体表面の耐
磨耗性や潤滑性が不十分な場合、この摺動摩擦が繰り返
されることによって表面が磨滅し、程度のひどい場合に
は磁性層3が破損して記録再生が不可能となる。この対
策として、耐磨耗性(CSS耐久性)を向上させる目的
で、非磁性金属層(Ni−Pメッキ)12表面の円周方
向にテクスチャー加工溝を機械的に施して適度の粗さ
(凹凸溝)を付与し、その粗さを保護層4の表面にまで
反映させるようにしている。媒体表面のCSS領域の粗
さ(凹凸溝)が大きければ大きい程、磁気ヘッドと媒体
の接触面積が減少し、摺動耐久性が増す。このため、一
般に、テクスチャー加工の第1段目の加工では、大きな
砥粒のテープ(ベースフィルム上に砥粒とバインダを接
着したもの)で擦り付けるテープテクスチャー加工を施
すか、大きな砥粒のスラリーでスラリーテクスチャー加
工(パッドに砥粒と研磨液を滴下してテクスチャー加工
すること)を施し、非磁性基体1に大まかな粗さ面を付
与した後、第2段目のテクスチャー加工では、小さな砥
粒のテープ又はスラリーを用いて初段加工時(第1段
目)に発生した異常突起などを除去するようにしてい
る。
【0005】しかしながら、上記のテープテクスチャー
加工又はスラリーテクスチャー加工等の砥粒を用いた機
械的テクスチャー加工では、初段テクスチャー加工で非
磁性基体1表面に粗さを付与した後、第2段目のテクス
チャー加工で初段テクスチャー加工の際に生じた異常突
起などを除去しているため、最低2回の機械的テクスチ
ャー加工を必要としている。
【0006】そこで、最近ではデータ領域の粗さを小さ
くしてヘッドの低浮上化と浮上安定性を図り記録密度を
上げると同時に、CSS領域に必要な粗さを確保して摺
動耐久性を図るため、CSS領域とデータ領域の表面粗
さ度を区別し、図8に示すように、パルスレーザー光の
照射により非磁性基体1表面のCSS領域12のみに多
数の離散したレーザースポット状隆起部(バンプ)14
を形成して、表面粗さ出しを行うレーザーテクスチャー
加工が提案されている。このレーザーテクスチャー加工
法によると、CSS領域12のディスク円周方向に揃う
多数のスポット状隆起部14から成る隆起列が形成さ
れ、通称3.5 インチの磁気ディスクの場合、スポット状
隆起部14は片面当たり最多で108 個程度にも及ぶ。ス
ポット状隆起部14はクレータ状を呈しており、中央窪
み14aとその周りに輪状山部14bとを有している。
このようなスポット状隆起部14の形成メカニズムは、
非磁性基体1の表面にパルスレーザー光をスポット照射
すると、照射部の表層融解と共に、その照射面の空気が
瞬間的に昇温して爆発的に断熱膨張することにより生じ
る衝撃波で融解部がスポット状に圧潰して打ち凹むと共
に、その中央窪み14aの凹み形成とは逆にその周囲が
輪状山部14bに隆起するものと考えられている。
【0007】しかしながら、パルスレーザー光を用いて
スポット状隆起部14を形成した場合、パルス印加であ
るため、輪状山部14bの頂部に基体1表面の異物や残
渣等を要因として異常突起Cが生じ易い。この異常突起
Cが基体表面に残されたまま、非磁性金属下地層2、磁
性層3、保護層4、及び潤滑層5が積層形成されてしま
うと、最終的には異常突起不良自体、或いはこの異常突
起を成膜後処理のヘッドバニッシュ等により削り取った
跡部がディフェクトエラーとして検出されてしまい、高
密度磁気記録の品質が得られ難くなる。
【0008】そこで本出願人は、CSS領域のレーザー
スポット隆起部に生じた異常突起等を除去する磁気記録
媒体の製造方法を特願平7−264196号を以て既に
開示した。その内容は、CSS領域にパルスレーザーに
より多数のレーザースポット状隆起部を形成した後、砥
粒を用いたテープテクスチャー加工でスポット状隆起部
の頂部を丸み付けするものである。テープテクスチャー
加工でレーザースポット隆起部に生じた異常突起等が除
去されるため、その異常突起等による不良やディフェク
トエラーを抑制でき、高密度記録の媒体を得ることがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パルス
レーザー加工とテープテクスチャー加工とを併用するテ
クスチャー加工法においては、次のような問題点があっ
た。
【0010】 パルスレーザーにより形成されるスポ
ット状隆起部間では、異常突起部分を除いても隆起高さ
に大きなバラツキが生じてしまう。元々パルスレーザー
の1パルス毎の出力にはバラツキがあり、出力不安定性
である点に加えて、隆起部形成メカニズムでの爆発的な
断熱膨張圧のバラツキも重畳する点から、相乗的に隆起
高さのバラツキが大きくなるものと考えられる。
【0011】スポット状隆起部14の平均高さを高くし
て摺動耐久性(CSS耐久性)を向上させる場合、隆起
部14の高さのバラツキが大きいため、スポット状隆起
部群には異常に高い隆起部14が存在することになるか
ら、磁気ヘッドの浮上安定性が阻害される。逆に、スポ
ット状隆起部14の平均高さを低くして浮上安定性を向
上させる場合、隆起部14の高さのバラツキが大きいた
め、異常に低い隆起部14が存在することになるから、
磁気ヘッドの摺動耐久性が阻害される。元々隆起部の高
さは二律背反の摺動耐久性と浮上安定性との中庸で最適
化されるものであるが、隆起高さのバラツキが大きけれ
ば、その中庸点の設定基準が非客観的となってしまう。
【0012】 パルスレーザーでは、スポット状隆起
部14はディスクの半径方向と円周方向に離散的且つ規
則的に形成されている。このため、磁気ディスクの回転
が始動し、定常回転に達した後では、磁気ヘッドに対し
て断続的且つ周期的に隆起部14が通過して行く結果、
このような磁気ヘッドに生じる抵抗力の周波数が磁気ヘ
ッドとそのサスペンション25で構成されるバネ−質量
系の固有振動数と共振し易い。磁気ヘッドが共振状態に
なると、磁気ヘッドが媒体表面と直に接触したり、デー
タの読み書きが正常に行われないおそれがある。
【0013】そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、テスクチャーの隆起高さのバラツキを抑制でき、し
かも磁気ヘッドの共振現象を回避することができる磁気
記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の講じた手段は、非磁性基体のCSS領域の
表面地肌として連続レーザー光照射で表面融解の連続状
の火脹凝固部を形成した点にある。即ち、本発明は、非
磁性基体の表面に非磁性金属下地層,磁性層,保護層を
順次積層し、その保護層の上に液体潤滑層を塗布して成
る磁気記録媒体において、上記非磁性基体は、CSS領
域の表面地肌として、連続レーザー光照射の表層融解で
横断面略山形状に隆起した連続状の火膨れ凝固部を有し
て成ることを特徴とする。
【0015】連続レーザーではパルスレーザーに比べて
出力が安定している点と、パルスレーザー照射のように
融解部に爆発的な断熱膨張圧が加わらない点から、表面
融解の度合いを時間的に一様にできることに加え、連続
状の火膨れ凝固部は一筆書きのように形成されているた
め、一筋の火膨れ凝固部の隆起高さが平準化しており、
隆起高さのバラツキは少ない。それ故、CSS耐久性と
磁気ヘッドの浮上安定性との最適化が図り易く、スポッ
ト状隆起部が形成された従来の磁気記録媒体に比べ、C
SS耐久性と浮上安定性の向上した磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0016】また、隆起部が離散的ではなく、隆起高さ
が平準化した火膨れ凝固が筋状に形成されているため、
CSS時には磁気ヘッドが線方向でCSS領域に滑らか
に対向するため、摺動及び浮上状態において磁気ヘッド
とそのサスペンションで構成されるバネ−質量系の固有
振動数と共振してしまうことがない。
【0017】上記火膨れ凝固部は螺旋状突条部であるこ
とが好ましい。かかる場合、円周方向に連続状に突条部
が揃うため、磁気ヘッドが複数条の突条部の縦断方向に
滑空することになり、線接触を確保でき、上記のバネ−
質量系の固有振動数との共振現象を防止できる。螺旋状
突条部は1条に限らず、例えばピッチの異なる複数条の
螺旋状突条部でも構わない。螺旋突条部と別の螺旋突条
部とが交叉して形成された綾目網状模様を呈するもので
も良い。
【0018】螺旋状突条部のピッチとしては、1μm 〜
100 μm であることが好ましい。1μm 以下の狭ピッチ
では、磁気ヘッドとの接触は面接触性が強まり、CSS
耐久性が大きくなる分、摩擦係数も大きくなる。低い摩
擦係数を得る点では1μm 程度がピッチの下限である。
100 μm 以上の広ピッチでは、線接触性が強くなり、摩
擦係数が小さくなる分、CSS耐久性も小さくなる。高
CSS耐久性を得る点では100 μm 程度がピッチの上限
である。
【0019】また、螺旋状突条部の平坦面からの隆起高
さとしては、20Å〜400 Åであることが好ましい。ここ
で、平坦面とは、微視的には凹凸があるため、三次元測
定器で測定した地肌の三次元分布を最小二乗法で見出し
た高さレベルを意味する。隆起高さが20Å以下に低くな
ると、地肌面が平坦度が強くなってしまう。隆起高さが
400 Å以上で、急峻となると、粗さ度が強くなり、低摩
擦係数となるが、回転中で接触し易く、浮上安定性が損
なわれ易い。
【0020】このように、低摩擦係数,高CSS耐久
性,浮上安定性の点で、隆起高さは20Å〜400 Åの範囲
に抑えることが好ましいが、その中でも、100 Å〜250
Åの範囲に抑えることが実用的である。
【0021】更に、螺旋状突条部の裾野部の横断幅とし
ては、0.5 μm 〜10μm であることが好ましい。0.5 μ
m 以下の狭幅とすると、山形が急峻になるため、低摩擦
係数が得られるものの、連続レーザー光のスポット径を
絞り込む必要性から照射光学系を短焦点距離にするた
め、加工精度が劣化してしまい、螺旋状突条部の隆起高
さ等のバラツキが大きくなる。逆に、10μm 以上の広幅
とすると、加工精度は良好となるものの、なだらかな山
形状になるので、摩擦係数が高くなる。従って、横断幅
が0.5 μm 〜10μm の範囲では、加工性と山形急峻性に
よる低摩擦係数を確保できる。
【0022】このような非磁性基体を得るテクスチャー
加工法としては、連続レーザー光を非磁性基体のCSS
領域の表面上にスポット照射して表層融解させながら、
その融解部が連続するようそのスポット照射を非磁性基
体に対し相対的に走査するものである。
【0023】パルスレーザーではなく、連続レーザーで
あることから、出力安定性が得られ、照射強度の均一化
により火脹れ凝固部の隆起高さの平準化が容易である。
また、一筆書きのように表面融解部を連ねて走らせるも
のであるから、連続レーザー光照射点の先後では平坦未
融解部と融解金属と隆起凝固部との順に連続的に遷り行
くため、表面張力で融解金属が凝固部の高さに常に引き
付けられる結果、火脹れ凝固部の隆起高さが平準化す
る。
【0024】連続レーザーのスポット照射の非磁性基体
に対する走査は螺旋状走査とすることが好ましい。例え
ば、非磁性基体を定速回転させてながら、連続レーザー
のスポット照射を半径方向に掃引することで、CSS領
域を一筆書きのように1条の凝固部で埋め尽くすことが
でき、テクスチャー加工の容易化を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明の実施形態例を説明する。
【0026】本例の磁気記録媒体は、図6に示す如く、
Al製の非磁性基板1aとこの上に形成したNi−P無
電解メッキの非磁性金属層1bからなる非磁性基体(デ
ィスク板)1を用い、その表面に平面ポリッシュ加工
(平均線中心粗さRa5〜10Å)を施し、その表面研磨
により円周方向にテクスチャー加工(平均線中心粗さR
a10〜20Å)を施した後、後述するようなテクスチャー
加工を行い、しかる後、そのテクスチャー加工が施され
た非磁性基体1の表面に、Cr等の非磁性金属下地層
2、Co−Cr−Taなどからなる強磁性合金体の磁性
層3、及びカーボン保護層4を順次積層形成し、その保
護層4の表面に液体潤滑剤の潤滑層5を形成したもので
ある。
【0027】図1(A)に示すように、本例のレーザー
テクスチャー加工では、まず、非磁性基体1の表面に対
し、内周側のCSS領域22上に、CW(連続)レーザ
ー(Nd:YAG)をビーム径0.5 μm 〜30μm 程度に
絞り、出力0.01mW〜1000Wでスポット照射し、非磁性
基体1を回転させながら半径方向に掃引し、図1(B)
に示す如く、CSS領域22上に螺旋状突条部(火膨れ
凝固部)26を形成した。この螺旋状突条部26の横断
面は図1(C)に模式的に示す如く略山形状断面で、山
形部26aの両裾野領域には側溝26bが付帯してい
る。外周側のデータ領域24はレーザーテクスチャー加
工を施さないが、上述の研磨によるテクスチャー加工は
円周方向に配向させて磁気特性を向上させるのに有効で
ある。
【0028】このようなテクスチャー加工を施した非磁
性基体1の螺旋状突条部26の隆起高さは従来のパルス
レーサによるスポット状隆起部のそれと比べ、バラツキ
が大幅に減少しており、磁気ヘッドの浮上安定性が実現
する。螺旋状突条部26は略円周方向に連続形状である
ため、磁気ヘッドとそのサスペンションで構成されるバ
ネ−質量系の固有振動数との共振現象がない。また線状
の脹らみで部分接触するので、良好な接触摺動耐久性と
低摩擦係数が得られる。CSS耐久試験を実施した結
果、口径10μm のスポット状隆起部を形成した従来の磁
気記録媒体よりも優れていることが判明した。
【0029】連続レーザーではパルスレーザーに比べて
出力が安定している点と、パルスレーザー照射のように
融解部に爆発的な断熱膨張圧が加わらない点から、表面
融解の度合いを時間的に一様にできることで優れてい
る。その上、連続状の螺旋状突条部26はレーザースポ
ットによる表面融解部を一筆書きのように連ねて走らせ
るものであるから、連続レーザー光照射点の先後では平
坦未融解部と融解金属と隆起凝固部との順に連続的に遷
り行くため、表面張力で融解金属が凝固部の高さに常に
引き付けられる結果、突条部26の隆起高さが平準化す
るものと推測できる。
【0030】図1(C)に示す如く、この螺旋状突条部
26のピッチpとしては、1μm 以上で100 μm 以下と
することが好ましい。1μm 以下の狭ピッチでは、磁気
ヘッドとの接触では多数本の突条部26が一挙に接触す
るため、面接触状態に近くなり、CSS耐久性が良いも
のの、摩擦係数が大きくなる。逆に、100 μm 以上の広
ピッチでは、線接触性が強くなり、摩擦係数が小さく良
好となるが、CSS耐久性も弱まる。
【0031】図1(C)に示す如く、螺旋状突条部26
の平坦面からの隆起高さ(平均高さ)hとしては、20Å
以上で400 Å以下であることが好ましい。ここで、平坦
面とは、平面ポリッシュ加工で微視的には微細な凹凸が
あるため、三次元測定器で測定した地肌の三次元分布を
最小二乗法で見出した高さレベルを意味する。隆起高さ
が20Å以下に低くなると、地肌面が平坦度が強くなって
しまう。隆起高さが400 Å以上では、急峻となり、粗さ
度が増し、低摩擦係数となるが、回転中に接触し易く、
浮上安定性が損なわれ易い。なお、低摩擦係数,高CS
S耐久性,浮上安定性の点で、限界事例を除いて実用上
の隆起高さhは100 Å〜250 Åの範囲に抑えることが望
ましい。
【0032】更に、螺旋状突条部26の裾野部の横断幅
(平均幅)wとしては、0.5 μm 〜10μm であることが
好ましい。0.5 μm 以下の狭幅とすると、山形が急峻に
なるため、低摩擦係数が得られる。ここで、急峻と言っ
ても、平均勾配=2h/w=2(20〜400 )Å/0.5 μ
m =0.0008〜0.0016で、なだらか起伏と言える。目下、
連続レーザー光のビーム径は0.5 μm が加工精度の点で
限界である。ビーム径を絞り込には、収差等の光学条件
で照射光学系を短焦点距離に設定しなければならない
が、照射面に接近し過ぎることになるため、加工性の不
具合を生じるからである。加工精度が劣化すると隆起高
さ等のバラツキが大きくなる。逆に、10μm 以上の広幅
とすると、加工精度は良好となるものの、なだらかな山
形状になるので、摩擦係数が高くなる。
【0033】
【実施例】
〔第1実施例〕 図2(A)は第1実施例に係る非磁性
基体のCSS領域を三次元測定器で測定して実写した拡
大斜視図、図2(B)はその平面図である。なお、図2
(B)では濃淡で高低を示す。
【0034】本例はレーザー出力を高パワーとしたとき
に形成されるCSS領域の地肌で、隣接3条の螺旋状突
条部26が現れている。平坦面は三次元測定器で測定し
た地肌の三次元分布を最小二乗法で見出す。最大隆起高
さhmax は397.0 Åであった。隆起高さのバラツキが少
なく、実質上数10Å内に収まっている。側溝の最大深さ
は190.8 Åであった。半径方向の距離125.6 μm に約3
ピッチ含まれているので、ピッチpは大凡、125.6 μm
/3≒41.8μm であった。突条部26,26間の平坦部
には平面ポリッシュ加工で形成された微細凹凸が円周方
向に連なっている。
【0035】〔第2実施例〕 図3(A)は第2実施例
に係る非磁性基体のCSS領域を三次元測定器で測定し
て実写した拡大斜視図、図3(B)はその平面図であ
る。なお、図3(B)では濃淡で高低を示す。
【0036】本例は第1実施例に比べてレーザー出力を
落とし、中パワーとしたときに形成されるCSS領域の
地肌で、隣接3条の螺旋状突条部26が現れている。最
大隆起高さhmax は237.7 Åであった。側溝の最大深さ
は139.5 Åであった。第1実施例と同様、半径方向の距
離125.6 μm に約3ピッチ含まれているので、ピッチp
は大凡、125.6 μm /3≒41.8μm であった。レーザー
出力を落とすと、隆起高さは低くなる。また、図3
(A)からすると、高さバラツキが若干大くなる。
【0037】側溝の最大深さは浅くなるが、この部分は
磁気ヘッドとの相互作用が無いため、問題とならない。
【0038】〔第3実施例〕 図4(A)は第3実施例
に係る非磁性基体のCSS領域を三次元測定器で測定し
て実写した拡大斜視図、図4(B)はその平面図であ
る。なお、図4(B)では濃淡で高低を示す。
【0039】本例は第2実施例に比べてレーザー出力を
落とし、小パワーとしたときに形成されるCSS領域の
地肌で、隣接4条の螺旋状突条部26が現れている。最
大隆起高さhmax は211.9 Åであった。側溝の最大深さ
は145.8 Åであった。第1実施例と同様、半径方向の距
離125.6 μm に約3ピッチ含まれているので、ピッチp
は大凡、125.6 μm /3≒41.8μm であった。螺旋状突
条部26はまだ充分平坦部の微細凹凸に埋没せずまだ充
分際立っている。低パワーになる程、隆起高さのバラツ
キがやや大きくなる。
【0040】〔第4実施例〕 図5(A)は第4実施例
に係る非磁性基体のCSS領域を三次元測定器で測定し
て実写した拡大斜視図、図5(B)はその平面図であ
る。なお、図5(B)では濃淡で高低を示す。
【0041】本例は第3実施例と略同様に連続レーザー
光出力を小パワーとしたときに形成されるCSS領域の
地肌で、隣接10条の螺旋状突条部26が現れている。
最大隆起高さhmax は197.2 Åであった。側溝の最大深
さは112.1 Åであった。半径方向の距離125.6 μm に約
10ピッチ含まれているので、ピッチpは125.6 μm/1
0≒12.5μm であった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、非磁性
基体上のテクスチャー凹凸として連続レーザー光照射で
形成された表面融解の連続状の火脹凝固部を利用した点
を特徴としており、次のような効果を奏する。
【0043】 連続レーザーではパルスレーザーに比
べて出力が安定している点と、パルスレーザー照射のよ
うに融解部に爆発的な断熱膨張圧が加わらない点から、
一筋の火膨れ凝固部の隆起高さが平準化しており、隆起
高さのバラツキは少ない。それ故、スポット状隆起部が
形成された従来の磁気記録媒体に比べ、CSS耐久性と
浮上安定性の向上した磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0044】また、CSS時には磁気ヘッドが線方向で
CSS領域に滑らかに対向するため、摺動及び浮上状態
において磁気ヘッドとそのサスペンションで構成される
バネ−質量系の固有振動数との共振を防止できる。
【0045】 火膨れ凝固部が螺旋状突条部である場
合、磁気ヘッドの線接触を確保でき、上記のバネ−質量
系の固有振動数との共振現象を有効的に防止できる。
【0046】 螺旋状突条部のピッチが1μm 〜100
μm である場合、低摩擦係数で高CSS耐久性の磁気記
録媒体を提供できる。
【0047】 隆起高が20Å〜400 Åである場合、低
摩擦係数で浮上安定性の磁気記録媒体を提供できる。
【0048】 特に、隆起高が100 Å〜250 Åである
場合、実用化に適している。
【0049】 突条部の横断幅が0.5 μm 〜10μm で
ある場合、加工性と山形急峻性による低摩擦係数を確保
できる。
【0050】 本発明に係る製造法においては、パル
スレーザーではなく、連続レーザーであることから、出
力安定性が得られ、照射強度の均一化により火脹れ凝固
部の隆起高さの平準化が容易である。また、一筆書きの
ように表面融解部を連ねて走らせるものであるから、連
続レーザー光照射点の先後では平坦未融解部と融解金属
と隆起凝固部との順に連続的に遷り行くため、表面張力
で融解金属が凝固部の高さに常に引き付けられる結果、
火脹れ凝固部の隆起高さが平準化できる。
【0051】 特に、螺旋状走査とすれば、例えば、
連続レーザーのスポット照射を半径方向に掃引すること
で、CSS領域を一筆書きのように1条の螺旋状突条部
で埋め尽くすことができ、テクスチャー加工の容易化を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施形態に係る磁気ディスク
の非磁性基体を示す斜視図、(B)はそのCSS領域を
拡大して示す平面図、(C)は(B)中のc−c′線に
沿って切断した状態を示す断面図である。
【図2】(A)は第1実施例に係る非磁性基体のCSS
領域を三次元測定器で測定して実写した拡大斜視図、
(B)はその平面図である。
【図3】(A)は第2実施例に係る非磁性基体のCSS
領域を三次元測定器で測定して実写した拡大斜視図、
(B)はその平面図である。
【図4】(A)は第3実施例に係る非磁性基体のCSS
領域を三次元測定器で測定して実写した拡大斜視図、
(B)はその平面図である。
【図5】(A)は第4実施例に係る非磁性基体のCSS
領域を三次元測定器で測定して実写した拡大斜視図、
(B)はその平面図である。
【図6】一般的な磁気ディスクの層構造を示す模式的斜
視図である。
【図7】一般的な固定磁気ディスク装置の概念を示す平
面図である。
【図8】従来の磁気デイスクの非磁性基体上のパルスレ
ーザ光照射で形成したテクスチャー加工面を表す説明図
である。
【符号の説明】
1…基体 1a…非磁性基板 1b…非磁性金属層 2…金属下地層 3…磁性層 4…保護層 5…潤滑層 10…磁気ディスク 12,22…CSS領域 14…レーザースポット状隆起部 14a…中央窪み 14b…輪状端部 16,24…データ領域 26…螺旋状突条部 26a…山形部 26b…側溝 h…隆起高さ p…ピッチ w…横断幅 C…異常突起。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体の表面に非磁性金属下地層,
    磁性層,保護層を順次積層し、その保護層の上に液体潤
    滑層を塗布して成る磁気記録媒体において、前記非磁性
    基体は、CSS領域の表面地肌として、連続レーザー光
    照射の表層融解で横断面略山形状に隆起した連続状の火
    膨れ凝固部を有して成ることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記火膨れ凝固部は
    螺旋状突条部であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記螺旋状突条部の
    ピッチは、1μm 〜100 μm であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記螺旋状突条部の
    平坦面からの隆起高さは、20Å〜400 Åであることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記螺旋状突条部の
    平坦面からの隆起高さは、100 Å〜250 Åであることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、前記螺旋状突条部の裾野部の横断幅は、0.5 μ
    m 〜10μm であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 非磁性基体の表面にテクスチャー加工を
    施してから、金属下地層,磁性層,保護層を順次積層
    し、その保護層の上に液体潤滑層を塗布して成る磁気記
    録媒体の製造方法において、 前記テクスチャー加工法は、連続レーザー光を前記非磁
    性基体のCSS領域の表面上にスポット照射して表層融
    解させながら、その融解部が連続するよう前記スポット
    照射を前記非磁性基体に対し相対的に走査することを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記走査は螺旋状走
    査であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100433133C (zh) * 2005-09-20 2008-11-12 株式会社东芝 磁记录介质、其制造方法及磁记录/再现装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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