JPH1026934A - 電子タグ及びその製造方法 - Google Patents

電子タグ及びその製造方法

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JPH1026934A
JPH1026934A JP8183444A JP18344496A JPH1026934A JP H1026934 A JPH1026934 A JP H1026934A JP 8183444 A JP8183444 A JP 8183444A JP 18344496 A JP18344496 A JP 18344496A JP H1026934 A JPH1026934 A JP H1026934A
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JP
Japan
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electronic tag
internal
internal component
resin
component
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JP8183444A
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English (en)
Inventor
Jun Furuhashi
潤 古橋
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Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Toshiba Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子タグはICチップやアンテナ等の内部部
品を外装樹脂で保護する必要があるが、機械的強度が高
く耐環境性に優れた外装樹脂を容易に得ることは困難で
あるという課題があった。 【解決手段】 内部部品を収納する凹部33aと金型内
での位置決め用の突起35を有する内部部品保持部品3
3を作製し、凹部33aに内部部品を収容した後、凹部
内に樹脂を注入固化して内部部品を保護固定するための
保護固定層35を形成し、内部部品保持部品を包囲する
ように外装部を金型成形する。保護固定層及び外装部が
共に内部部品を保護するので、外装部にできた僅かな亀
裂等から水分が内部に浸入しても保護固定層が内部部品
に水分が触れることを阻止する。また、内部部品保持部
品の凹部に収容された内部部品が保護固定層によって固
定されるので、外装部成形時の樹脂圧による内部部品の
移動を防止でき、生産性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品等に付与され
ている情報の自動認識技術に係り、特に、物品等に電子
タグとして取り付けられる応答器と質問器との間で非接
触で交信を行うことの可能な電子タグ認識システムにお
ける電子タグとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、物品等に付与されている情報を自
動的に読み取って識別するためのシステムとして、旧来
より知られるバーコード方式によるものに代え、より大
量の情報を扱うことができ、耐環境性に優れ、しかも遠
隔読み出しが可能なデータキャリアシステムと呼ばれる
電子タグ認識システムの開発が盛んに行われている。
【0003】この電子タグ認識システムは、物品等に取
り付けられる電子タグと呼ばれる応答器と、ホスト側に
接続される質問器とで構成され、これら応答器と質問器
の間で、磁気、誘導電磁界、マイクロ波(電波)等の伝
送媒体を介して非接触で交信を行う点を特徴としてい
る。
【0004】電子タグ認識システムの情報伝送方式には
電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光通信
方式等がある。これらの方式の中で、電磁結合方式、電
磁誘導方式、マイクロ波方式によるものは、質問器から
の伝送信号のエネルギーを応答器の駆動電力として用い
ることができる。このため、電池を駆動源とする場合の
ように、電池の寿命が近づいてきたことによる応答能力
の劣化や使用限界に至る心配がないという利点を有して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子タグを構成するア
ンテナ、ICチップ等の内部部品はこれを外部環境より
保護するための樹脂製の外装部(以下、外装樹脂と呼
ぶ。)によって覆われている。電子タグ内部ヘの水分等
の浸入は内部部品に致命的な損害を与える恐れがあるこ
とから、外装樹脂による内部部品の緻密な封止は信頼性
の高い電子タグを実現する上で不可欠である。
【0006】外装樹脂による内部部品の緻密な封止は、
電子タグ全体の外装樹脂を一体成形することができれば
最も効率的に達成される。しかしながら、電子タグはI
Cパッケージが持つリードフレーム等の成形金型内に部
品を浮上せしめた状態で位置決めできるような部分を持
たないことから、一度の成形で外装樹脂を得ることが困
難であった。
【0007】そこで従来より、電子タグの製造において
は、予め作製された樹脂製ケース中に電子タグの内部部
品を入れ、別の樹脂部品で蓋をし、ケースと蓋とを接着
剤、熱融着、超音波溶着するなどして接合する方法が専
ら採用されている。
【0008】しかし、ケースと蓋を接着剤により接合し
た場合、外部からの衝撃や、温度変化による膨張収縮等
によって使用中に接合界面が剥離し、そこから水分等が
浸入することが懸念される。また、熱融着、超音波溶着
を用いる方法では、接合部分の外観が悪化し、またコス
トの高いものとなってしまう。
【0009】本発明はこのような課題を解決するための
もので、耐環境性に優れ、製造が容易で、そのうえ安価
な電子タグとその製造方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電子タグは、請求項1に記載されるよう
に、タグ情報を記憶する記憶素子を含む回路部品と、外
部機器との間で非接触で信号を送受信するためのアンテ
ナとを内部部品として備えた電子タグにおいて、内部部
品を収容する凹部及び金型内での位置決め用突起を有す
る内部部品保持部品と、内部部品保持部品の凹部に収容
された内部部品を保護及び該凹部内に固定するための保
護固定層と、保護固定層を含む内部部品保持部品を包囲
するように前記金型を用いて成形された外装部とを具備
したものである。
【0011】この発明の電子タグでは、保護固定層及び
外装部が共に内部部品保持部品に保持された内部部品を
保護する。したがって、万が一外装部にできた僅かな亀
裂等から水分が内部に浸入しても、保護固定層が内部部
品に水分が触れることを阻止する。よって、耐環境性に
優れた電子タグを実現することができる。また、内部部
品保持部品の凹部に収容された内部部品が保護固定層に
よって固定されるので、外装部を成形する際の樹脂圧に
よる内部部品の移動を防止できる。
【0012】また、本発明の電子タグは、請求項2に記
載されるように、内部部品保持部品及び外装部が同材質
の樹脂からなることを特徴とする。これにより、内部部
品保持部品及び外装部との間に生じる熱応力が大幅に低
減し、内部部品保持部品と外装部の接合界面が剥離した
り、クラックが発生したりすることがなくなり、信頼性
の高い電子タグを得ることができる。
【0013】また、本発明の電子タグは、請求項3に記
載されるように、内部部品保持部品の位置決め用突起の
先端が鋭角形状となっていることを特徴とする。これに
より外装部の表面に露出する突起表面積を小さくするこ
とができ、突起によって電子タグの外観性が損なわれる
心配がなくなる。
【0014】また、上記目的を達成するために、本発明
の電子タグの製造方法は、請求項4に記載されるよう
に、タグ情報を記憶する記憶素子を含む回路部品と、外
部機器との間で非接触で信号を送受信するためのアンテ
ナとを内部部品として備えた電子タグの製造方法におい
て、内部部品を収容する凹部と金型内での位置決め用の
突起を設けた内部部品保持部品の凹部に内部部品を収容
した後、凹部内に樹脂を注入固化して内部部品を保護及
び固定するための保護固定層を形成し、該保護固定層を
含む前記内部部品保持部品を包囲する外装部を所定の金
型を用いて成形すること特徴とする。
【0015】この発明の電子タグの製造方法によれば、
保護固定層と外装部によって内部部品保持部品に保持さ
れた内部部品を二重に保護することで耐環境性に優れた
電子タグを製造することが可能となる。また、本発明に
よれば、外装部の金型成形時の樹脂圧によって内部部品
が移動することを、保護固定層によって阻止することが
可能となる。さらに、本発明によれば、外装部の金型成
形時に、内部部品保持部品に設けた位置決め用突起を、
内部部品保持部品を金型内の浮上した所定の位置に固定
するための支えとして利用することができ、外装部の一
体成形が可能となる。これにより、生産性の向上と低コ
ストが達成され、しかも機械的強度の高い電子タグが得
られる。
【0016】また、本発明の電子タグの製造方法は、請
求項6に記載されるように、内部部品保持部品及び外装
部を熱可塑性樹脂の射出成形によって作製することを特
徴とする。これにより、生産性の向上を図ることができ
ると共に、外装部を射出成形する際の樹脂温度及び圧力
で内部部品保持部品の少なくとも表面部を溶融させ、両
者を物理的に接合することができる。よって、耐環境性
に優れ、且つ機械的強度の高い電子タグが得られる。
【0017】さらに、本発明の電子タグの製造方法は、
請求項7に記載されるように、内部部品保持部品に、外
装部との一体化接合用の突起を設けておき、外装部の成
形時に突起を溶融して外装部と一体化することを特徴と
する。この発明によれば、内部部品保持部品と外装部と
をさらに強固に接合することができ、耐環境性及び機械
的強度をより一層向上させることができる。
【0018】また、本発明の電子タグの製造方法は、請
求項8に記載されるように、外装部の成形温度が内部部
品保持部品を構成する樹脂の軟化点より低いことを特徴
とする。これにより、外装部を射出成形する際の樹脂温
度及び圧力による内部部品保持部品の変形を防止或いは
軽減することができ、内部部品保持部品の変形による内
部部品の破損や、製品表面への内部部品保持部品の露出
を防ぐことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。
【0020】図1は本発明に係る電子タグ識別システム
の全体的な構成を示す機能ブロック図である。
【0021】同図に示すように、この電子タグ識別シス
テムは質問器10と応答器(以下、電子タグと呼ぶ。)
20から構成される。
【0022】質問器10は、質問器10の全体制御を行
う主制御部11と、ホスト装置とのデータの入出力を制
御するインターフェース部12と、電子タグ20より受
信したタグ情報等を蓄積する読み出し/書き込み可能な
RAM等の記憶部13と、送信情報をパラレル信号から
シリアル信号に変換し、且つ電子タグ20からの受信信
号をシリアル信号からパラレル信号に変換する信号変換
部14と、送信信号を例えばASK(Amplitude Shift
Keying)方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式
等で伝送用の信号に変調する変調部15と、受信信号を
復調する復調部16と、送信アンテナ17と、受信アン
テナ18とを備えて構成される。
【0023】電子タグ20は、この電子タグ20の全体
制御を行う主制御部21と、タグ情報を蓄積するEEP
ROM等の電源バックアップ不要な記憶部22と、送信
情報をパラレル信号からシリアル信号に変換し、且つ質
問器10からの受信信号をシリアル信号からパラレル信
号に変換する信号変換部23と、送信信号をASK方
式、FSK方式等で伝送用の信号に変調する変調部24
と、受信信号を復調する復調部25と、送信アンテナ2
6と、受信アンテナ27とを備えて構成される。次に、
この電子タグ識別システムの基本的な交信手順について
説明する。
【0024】質問器10は、まず電子タグ20に対する
タグ情報読取りのための質問信号を発信する。電子タグ
20は該質問信号の受信可能な範囲に入るとこれを受信
して、記憶部22に記憶されているタグ情報を応答信号
として発信する。この応答信号を質問器10が受信、解
読して、タグ識別情報としてホスト装置に送る。
【0025】図2は電子タグ20の構成を示す平面断面
図、図3はその側面断面図である。これら図において、
31はICチップであり、図1に示す送受信アンテナ2
6、27を除く各機能回路部がこのICチップ31に内
蔵されている。32は図1に示す送受信アンテナ26、
27に相当するアンテナ部である。33はICチップ3
1及びアンテナ部32からなる電子タグの内部部品を保
持するための内部部品保持部品である。この内部部品保
持部品33には内部部品を保持するための部分として凹
部33aが形成されており、内部部品はこの凹部33a
内に収容されている。凹部33aに収容された内部部品
は、該凹部33aに樹脂を注入固化して形成された保護
固定層34によって保護及び固定されている。また、内
部部品保持部品33には、電子タグの外装部36の成形
時に金型内で内部部品保持部品33を金型底面より浮上
せしめた所定の位置で支えるための複数の突起35が一
体に形成されている。そして、この内部部品を保護固定
層34で保護固定してなる内部部品保持部品33は、金
型成形により得た外装部36によって全体が包まれてい
る。
【0026】この電子タグ20では、内部部品を収容し
た内部部品保持部品33の凹部33aに形成された保護
固定層34が内部部品を保護しているので、万が一、外
装部36にできた僅かな亀裂等から水分が内部に浸入し
てきたとしても、内部部品に水分が接触する危険を大幅
に低減することができる。また、内部部品保持部品33
の、内部部品を保持する部分が凹状となっていることか
ら、液状の樹脂を注入して保護固定層34を形成する際
の樹脂漏れが生じにくく、希望する厚さ形状の保護固定
層34が確実に得られる。よって、内部部品の安定した
密閉度が得られ、耐環境性に優れた電子タグを実現する
ことができる。
【0027】さらに、この電子タグ20では、保護固定
層34で凹部33a内の内部部品を定位置に固定した状
態で外装部36の成形が行われるので、外装部36の射
出成形時の樹脂圧により内部部品が所望の位置からずれ
ることがなくなり、生産性の向上を図ることができる。
【0028】内部部品保持部品33に形成された各突起
35は、外装部36の成形時、金型内で内部部品保持部
品33を金型底面より浮上せしめた所定の位置に位置決
めするための部材として用いられる。すなわち、外装部
36の射出成形時、内部部品保持部品33は樹脂圧を受
けるので、この樹脂圧によって内部部品保持部品33が
所望の位置からずれてしまわないように突起35が内部
部品保持部品33を金型内の定位置に支えて位置決めす
る働きをする。よって、突起35としては、強度的に樹
脂圧に十分耐え得る強度を有し、且つ樹脂の流路を極端
に遮らないものであることが要求される。また、突起3
5はその先端面が外装部36の表面に露出することから
先端の面積ができるだけ小さいほうが好ましい。以上の
点から、例えば円錐形のように、先端が鋭角な形状が最
も理想的な突起35の形状の一つとして挙げられる。
【0029】突起35の位置、数は、外装部36の成形
時の樹脂の流動方向を考慮して適宜選択することが望ま
しい。例えば、比較的成形圧力の高い熱可塑性樹脂の射
出成形や、熱硬化性樹脂のトランスファー成形等では、
図4に示すように、内部部品保持部品33が樹脂の注入
方向に強く押されるので、このような大きな圧縮力を受
ける位置に多くの突起35を設け、個々の突起が受ける
圧縮力を分散して突起が潰れないようにすることが望ま
しい。
【0030】また、外装部36に用いる樹脂の硬化収縮
率が高い場合、外装部36の各部分の肉厚のバラツキに
よって反り等の変形が起こりやすいが、この電子タグ2
0では、各突起35の高さを各々最適に設定することに
よって、上下、左右で肉厚の等しい外装部36を容易に
得ることが可能となるので、変形の無い外観性に優れた
電子タグが得られる。
【0031】内部部品保持部品33及び外装部36を共
に熱可塑性樹脂で作製する場合は、図5に示すように、
内部部品保持部品33に薄肉部41を突出させて設け、
外装部36の成形時に、樹脂温度及び圧力で薄肉部41
を溶融し、外装部36と一体化することによって、内部
部品保持部品33と外装部36との表面溶融接合のみな
らず、薄肉部41と外装部36との一体化によって両者
をさらに強固に接合することができ、耐環境性及び機械
的強度をより一層向上させることができる。
【0032】アンテナ部32としては、樹脂被覆の施さ
れた銅線をコイル状に巻いて構成したコイルアンテナ
や、基板上に導電性ペーストを用いて渦巻き状にパター
ン形成されたアンテナが用いられる。
【0033】以下、このような構成の電子タグの製造方
法について説明する。
【0034】まず、ICチップ31及びアンテナ部32
からなる電子タグの内部部品を内部部品保持部品33の
凹部33aに収容する。
【0035】内部部品保持部品を構成する樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ナイロン6、ナイロン66、変性ポリフェニレンエ
ーテル、ポリフェニレンサルフアイド、ポリイミド、液
晶ポリマー、フェノ一ル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂等が挙げられる。
【0036】次に、内部部品保持部品33の凹部33a
内に樹脂を注入し、固化して、凹部33aに収容された
内部部品を保護及び固定するための保護固定層34を形
成する。保護固定層34を構成する材質としては、熱や
紫外線、水分等で硬化するエポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂等の液状硬化性の樹脂が挙げられる。
次に、内部部品を保護固定層34で保護固定してなる
内部部品保持部品33を成形用金型内にセットし、該金
型内に樹脂を入れて外装部36を成形する。
【0037】外装部36を構成する樹脂としては、内部
部品保持部品と同様にポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、変性
ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリミイド、液晶ポリマー、フェノ一ル樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0038】内部部品保持部品33を構成する樹脂と外
装部36を構成する樹脂の選定は、製品に要求される耐
熱温度、耐溶剤性、機械的強度等によって決めることが
できる。特に、内部部品保持部品33及び外装部36の
樹脂として同材質のものを用いることによって、熱膨張
率の差から生じる接合界面の剥離やクラックが生じにく
くなると共に、前述のように成形時に樹脂を溶融させて
接合強度を得たい場合に樹脂が混ざりやすくなるので、
両者を物理的に接合することができ、機械的強度の高い
電子タグを作製することができる。
【0039】また、外装部36の成形温度を内部部品保
持部品33を構成する樹脂の軟化点より低くすることに
よって、外装部36を射出成形する際の樹脂温度及び圧
力による内部部品保持部品33の変形を防止或いは軽減
することができ、内部部品保持部品33の変形による内
部部品の破損や、製品表面への内部部品保持部品33の
露出を防ぐことができる。
【0040】金型に樹脂を入れる方法としては、熱可塑
性樹脂を用いた射出成形法が生産性の点で最も好まし
い。
【0041】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0042】まず、ICチップを実装した平面寸法6m
m×6mm、厚さ0.5mmの回路基板と、直径15m
m、厚さ0.8mmのループ状に巻かれたアンテナとを
電気的に接合して電子タグの内部部品を作製した。
【0043】次に、内部部品保持部品成形用の金型を用
意し、射出成形機IS−55FA(東芝機械(株)社
製、商品名)を用いて、ポリフェニレンサルファイド樹
脂フォートロン1140A1(ポリプラスチックス
(株)社製、商品名)をシリンダー温度320℃で金型
内に射出し、冷却後取り出して、外形寸法が直径20m
m、厚さ2.5mmの円柱形に、内部部品を保持するた
めの凹部として直径16mm、高さ1.5mmの円柱状
の空間と、凹部を平面的に囲む直径18mm、厚さ0.
2mm、高さ0.2mmの接合用薄肉部と、底面直径1
mm、高さ0.75mmの円錐状突起を周面に4本、上
下各面に各々4本設けてなる内部部品保持部品を作製し
た。
【0044】次に、作製した内部部品保持部品の円柱状
凹部に内部部品を装着後、2液混合型エポキシ樹脂TC
G−1331(東芝ケミカル(株)社製、商品名)を内
部部品が液面に完全に埋没するように凹部に注入し、8
0℃のオーブン中で固化させ、内部部品を保護固定する
ための保護固定層を作製した。
【0045】次に直径21.5mm、厚み4mmの円柱
状空間を持つ金型内に上記内部部品を保持してなる内部
部品保持部品を入れ、上記と同様に射出成形機IS−5
5FAにて、フォートロン1140A1を射出して外装
部を形成し、冷却後金型から取り出し電子タグを完成し
た。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子タグ
によれば、保護固定層及び外装部が共に内部部品保持部
品に保持された内部部品を外的環境から保護するので、
万が一外装部にできた僅かな亀裂等から水分が内部に浸
入しても、内部部品に水分が触れることが阻止され、し
たがって、耐環境性に優れた電子タグを実現することが
できる。
【0047】また、本発明の電子タグによれば、内部部
品保持部品及び外装部を同材質の樹脂により構成するこ
とで、内部部品保持部品及び外装部との間に生じる熱応
力が大幅に低減し、内部部品保持部品と外装部との接合
界面が剥離したり、クラックが発生したりすることがな
くなり、信頼性の高い電子タグを得ることができる。さ
らに、本発明の電子タグによれば、内部部品保持部品の
位置決め用突起の先端が鋭角形状となっているので、外
装部の表面に露出する突起表面積を小さくすることがで
き、突起によって電子タグの外観性が損なわれる心配が
なくなる。
【0048】また、本発明の電子タグの製造方法によれ
ば、内部部品保持部品の凹部に収容された内部部品が保
護固定層によって固定されるので、外装部を成形する際
の樹脂圧によって内部部品が移動してしまうことを防止
できる。また、外装部の金型成形時に、内部部品保持部
品に設けた位置決め用突起を、内部部品保持部品を金型
内の浮上した所定の位置に固定するための支えとして利
用することができ、外装部の一体成形が可能となる。こ
れにより、生産性の向上と低コスト化が達成され、しか
も機械的強度の高い電子タグが得られる。
【0049】また、本発明の電子タグの製造方法によれ
ば、内部部品保持部品及び外装部を熱可塑性樹脂の射出
成形によって作製することで、生産性を高めることがで
きると共に、外装部を射出成形する際の樹脂温度及び圧
力で内部部品保持部品の少なくとも表面部が溶融されて
両者を物理的に接合することができる。よって、耐環境
性に優れ、且つ機械的強度の高い電子タグが得られる。
【0050】さらに、本発明の電子タグの製造方法によ
れば、内部部品保持部品に、外装部との一体化接合用の
突起を設け、外装部の成形時に突起を溶融して外装部と
一体化することによって、内部部品保持部品と外装部と
をより一層強固に接合することができ、耐環境性及び機
械的強度を一層向上させることができる。
【0051】また、本発明の電子タグの製造方法によれ
ば、外装部の成形温度を内部部品保持部品を構成する樹
脂の軟化点より低く設定したことで、外装部を射出成形
する際の樹脂温度及び圧力による内部部品保持部品の変
形を防止或いは軽減することができ、内部部品保持部品
の変形による内部部品の破損や、製品表面への内部部品
保持部品の露出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子タグ識別システムの全体的な
構成を示す機能ブロック図
【図2】図1の電子タグの構成を示す平面断面図
【図3】図1の電子タグの構成を示す側面断面図
【図4】本発明に係る電子タグの突起に関する変形例を
示す平面断面図
【図5】本発明に係る電子タグの内部部品保持部品に関
する変形例を示す側面断面図
【符号の説明】
20………電子タグ 31………ICチップ 32………アンテナ部 33………内部部品保持部品 33a……凹部 34………保護固定層 35………突起 36………外装部 41………薄肉部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タグ情報を記憶する記憶素子を含む回路
    部品と、外部機器との間で非接触で信号を送受信するた
    めのアンテナとを内部部品として備えた電子タグにおい
    て、 前記内部部品を収容する凹部及び金型内での位置決め用
    突起を有する内部部品保持部品と、 前記内部部品保持部品の前記凹部に収容された前記内部
    部品を保護及び固定するための保護固定層と、 前記保護固定層を含む前記内部部品保持部品を包囲する
    ように前記金型を用いて成形された外装部とを具備する
    ことを特徴とする電子タグ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子タグにおいて、 前記内部部品保持部品及び前記外装部が同材質の樹脂か
    らなることを特徴とする電子タグ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電子タグにおい
    て、 前記内部部品保持部品の位置決め用突起の先端が鋭角形
    状となっていることを特徴とする電子タグ。
  4. 【請求項4】 タグ情報を記憶する記憶素子を含む回路
    部品と、外部機器との間で非接触で信号を送受信するた
    めのアンテナとを内部部品として備えた電子タグの製造
    方法において、 前記内部部品を収容する凹部と金型内での位置決め用の
    突起を設けた内部部品保持部品の前記凹部に前記内部部
    品を収容した後、前記凹部内に樹脂を注入固化して前記
    内部部品を保護及び固定するための保護固定層を形成
    し、該保護固定層を含む前記内部部品保持部品を包囲す
    る外装部を所定の金型を用いて成形すること特徴とする
    電子タグの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電子タグの製造方法にお
    いて、 前記内部部品保持部品及び前記外装部が同材質の樹脂か
    らなることを特徴とする電子タグの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の電子タグの製造方法にお
    いて、 前記内部部品保持部品及び前記外装部を熱可塑性樹脂の
    射出成形によって作製することを特徴とする電子タグの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電子タグの製造方法にお
    いて、 前記内部部品保持部品に、前記外装部との一体化接合用
    の突起を設けておき、前記外装部の成形時に前記突起を
    溶融して前記外装部と一体化することを特徴とする電子
    タグの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の電子タグの製造
    方法において、 前記外装部の成形温度が前記内部部品保持部品を形成す
    る樹脂の軟化点より低いことを特徴とする電子タグの製
    造方法。
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