JPH10269276A - 回路網解析装置 - Google Patents

回路網解析装置

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JPH10269276A
JPH10269276A JP9087640A JP8764097A JPH10269276A JP H10269276 A JPH10269276 A JP H10269276A JP 9087640 A JP9087640 A JP 9087640A JP 8764097 A JP8764097 A JP 8764097A JP H10269276 A JPH10269276 A JP H10269276A
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JP
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network
partial circuit
circuit
input
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JP9087640A
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English (en)
Inventor
Koichi Shinozaki
崎 孝 一 篠
Takanori Kadokawa
川 高 則 角
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N F KAIRO SEKKEI BLOCK KK
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
N F KAIRO SEKKEI BLOCK KK
Kansai Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大規模回路網であっても容易に与えられた回路
網の伝達関数およびインパルス応答を求めることがで
き,同じ電気回路網で、入力あるいは出力の位置を変更
して再度インパルス応答あるいは伝達関数を求める場合
でも既に作成した配置画面から入力と出力の位置を指定
し直して状態方程式を作成するだけで全回路図の入力を
繰り返す必要をなくする。 【解決手段】予め用意された複数種類の基本的な部分回
路ブロックを含む部分回路ブロックの集合および各々の
部分回路ブロックの状態行列の集合とし、前記部分回路
ブロックを自由に複写、移動、配置可能とし、各々の部
分回路ブロック相互の接続配線及び部分回路ブロック内
部の各々の素子定数を設定/変更可能とし、配置配線さ
れた部分回路ブロック各々の状態行列から電気回路網全
体の状態行列を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路網解析装置に関
し、特に電気回路において回路上の任意の点を入力端子
および出力端子と定義した場合の入出力間の伝達関数お
よびインパルス応答を、容易に求めることができる回路
網解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、系統(電力線)に接続されている
各種機器ではパルス技術を用いた半導体電力変換技術が
多用されている。これらの機器では、転流時に発生する
短時間の線間短絡、すなわち転流ノッチにより励起され
るインパルス状の電流により、力率改善コンデンサや線
路インダクタンス等系統に存在する共振回路で自由振動
が発生する。この自由振動波形は高次高調波振動として
知られ、系統に接続されている需要家に障害を与えると
いう問題が発生している。
【0003】このため、系統で生じるインパルス状電流
による高次高調波障害の発生源探査や障害予測が切望さ
れている。例えば、発生源を探査するためには以下のよ
うな処理が必要とされる。
【0004】先ず、系統のある地点aで振動波形Waを
実際に採取する。次に、前記系統を模擬したシミュレー
タ(電気回路網)を用意し、前記a点に対応する当該シ
ミュレータ上の箇所を測定点a’とし、ノイズ発生源
(インパルス状)をシミュレータ上の負荷端のいずれか
に接続して前記測定点a’で生じる波形Wa’を調べ
る。そして、この波形Wa’と実際の系統で採取した波
形Waとを比較する。そして、前記ノイズ発生源をシミ
ュレータ上で移動させ、最も類似した波形を生じる負荷
端をノイズ発生源と推定する。次に、この負荷端の位置
を実際の系統に置き換えて雑音発生源の特定を行ってい
る。
【0005】ところで、上述の系統を模擬したシミュレ
ータの伝達関数を求めるためには、従来、s(ラプラス)
領域で回路方程式作成後に、その回路方程式を手計算又
は数学ソフトウェア等により解いて入出力間の伝達関数
を求めていた。又、インパルス応答は、得られた伝達関
数を逆ラプラス変換することにより求めていた。
【0006】また、電気回路網を「システム」と考えて
状態方程式を作成して解く場合には、電気回路を分割し
て各々の状態行列を求めてから各々の状態行列を合成し
て全体の状態行列を求め、全体の状態行列から伝達関数
を求めていた。
【0007】更に、回路現象を数値的にシミュレーショ
ンする装置やソフトウェアを用いて、与えた入力信号に
対する出力信号からFFTアラナイザ等解析装置やソフ
トウェアを使用して、回路の伝達関数を推定する方法も
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の電気回路の伝達関数およびインパルス応答を求め
る装置、手法では、次のような問題点がある。
【0009】まず、回路方程式により伝達関数を求める
方法では、電気回路、ラプラス変換の知識が必要である
ばかりでなく、実際のアプリケーションでは分割回路ブ
ロックが20個程度になることも珍しくなく、得られた
回路方程式は、一般には非常に規模が大きくなり、手計
算ではもちろん、数学ソフトウェアを用いても事実上解
くことは困難である。また、回路規模が大きくなるに従
い、回路方程式作成時、計算時に間違いが発生しやす
く、計算誤差も蓄積しやすい。更に、同じ電気回路にお
いても、入力端子あるいは出力端子の位置を変更した場
合には、その都度回路方程式が変わるため、回路方程式
の作成から求解までの全手順を再度実施する必要があ
る。
【0010】また、状態方程式を用いる場合も、電気回
路および状態システムに関する知識が必要である。ま
た、この場合も入出力の位置が変わる度にその都度、回
路の状態方程式の作成から求解までの全手順を再度、実
施する必要がある。
【0011】更に、シミュレーションを行う装置やソフ
トウェアを利用する場合には、回路方程式や状態方程式
の作成を必要としないが、シミュレーションで得られた
出力波形に対して何らかの波形解析処理を行い、波形パ
ラメータ(波形関数)を求める手順が必要であり、前記
解析的な計算方法と比較すると精度が低下する。また、
シミュレーションを行う装置やソフトウェアの精度も、
解析結果に影響する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明による回路網解析装置は、与えられた電気回
路網を構成するよう予め用意され状態方程式が与えられ
ている部分回路ブロックを組み合せて配置・接続するよ
うに指示入力するための入力手段と、前記配置・接続さ
れた前記部分回路ブロックが有する個々の状態行列から
前記電気回路網全体の状態行列を生成する状態行列生成
手段と、生成された前記電気回路網全体の状態行列に基
づいて前記電気回路網の伝達関数及び/又はインパルス
応答を求めるように構成される。
【0013】本発明の他の態様による回路網解析装置
は、与えられた電気回路網を構成するよう予め用意され
状態方程式が与えられている部分回路ブロックを組み合
せて配置・接続するように指示入力するための入力手段
と、前記配置・接続された部分回路ブロックの各々を自
由に複写、移動、配置、接続して前記電気回路網を構成
する回路網構成手段と、前記部分回路ブロックが有する
各々の素子定数を設定/変更する定数設定/変更手段
と、配置・接続された前記部分回路ブロックが有する個
々の状態行列から前記電気回路網全体の状態行列を生成
する状態行列生成手段を備えて構成される。
【0014】これらの操作は、コンピュータの画面上で
行えることが望ましい。更には、ポィンティングデバイ
スとしてのマウス等を利用する、グラフィカルインター
フェースを備えていることがなお望ましい。
【0015】上述のような電気回路の伝達関数およびイ
ンパルス応答を求める回路網解析装置では、解析しよう
とする回路網を構成する基本的な部分回路ブロックが予
め用意されている。解析を行うときには、この予め用意
された部分回路ブロックを選択配置し、部分回路ブロッ
ク間を配線し、部分回路ブロック内の素子定数を入力す
るだけで回路網全体の状態行列が作成できるので、電気
回路や状態システムに関する知識は不要である。また、
回路方程式を作成する必要もないので、間違いが発生す
る可能性も少なくなる。また、作成した回路網全体の状
態行列を、1次と2次という簡単で基本的な部分の合成
形に変換した後に各々の部分のインパルス応答を求め
る。そのため、計算量を低減でき、実用的な時間で解析
が行え、数値積分等による計算誤差が蓄積する可能性も
低下する。すなわち、解析の精度を上げることができ
る。
【0016】本発明は、前記電気回路網の状態行列を2
次系部分及び/又は1次系部分との並列接続された形式
に変換する手段と、前記電気回路網の入力端子の位置と
出力端子の位置を指定する手段と、前記2次系部分と前
記1次系部分の各々のインパルス入力により生じる応答
波形関数を求める手段と、求めた応答波形関数を合成し
て前記電気回路網の伝達関数及び/又はインパルス応答
関数を出力する手段とを備えて構成される。本発明で
は、前記状態行列を対角要素とそれに隣接する要素以外
を”0”とする変換手段を有している。
【0017】かかる回路網解析装置では、任意の数学モ
デルで表現された部分回路ブロックを状態行列に変換す
ることににより、電気回路以外の用途に利用することが
できる。解析対象物が状態行列で表現できるシステムで
あれば、例えば振動解析や超音波探傷解析等にも利用す
ることができる。
【0018】また、本発明では、前記インパルス応答関
数を用いて波形を合成し、インパルス応答波形として出
力する手段を備え、インパルス応答を時間波形として出
力することができるために、実際の対象物で観測される
時間波形との対比を行いやすい。
【0019】本発明は、また予め用意されている部分回
路ブロック以外の部分回路ブロックの追加や既存の部分
回路ブロックの修正を行う手段を備え、既存の部分回路
ブロック以外の新しい部分回路ブロックを作成して使用
できる機能を備えているため、既存の回路ブロックでは
表現できない回路網の解析も行うことができ、適用範囲
を広げることができる。
【0020】本発明は、更に得られた伝達関数あるいは
インパルス応答を演算して、入力がインパルス以外の場
合の出力応答を求める手段を有するので、インパルス以
外の入力による出力応答を解析的に求めることができ、
シミュレーション等の数値積分計算による誤差や収束に
よる問題が生じにくい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施形態について説明する。図1は本発明による回路網
解析装置の構成を示す図である。図1において、入力手
段101は、キーボード及びマウスから成り、予め登録
されている基本的な部分回路ブロックを選択するブロッ
ク選択キー101a、選択された該部分回路ブロックに
回路定数等のパラメータを入力する定数入力キー101
b、前記部分回路ブロック間の接続及び入出力箇所を指
定するための接続情報キー101c、変換手法キー10
1dの各々を備えている。入力手段101の出力は、C
PU102の入力ポートに接続され、入力情報を与え
る。CPU102にはROM/RAM103が接続され
ており、ROMには本装置の各種動作プログラムや演算
プログラムが格納され、一方、RAMには入力手段10
1からの情報を一時的に格納したり、CPU102で演
算した結果を格納する。CPU102で演算された結果
及びそれに付随したデータが表示部104に表示され
る。
【0022】以下では、上記の回路構成を持つ回路網解
析装置を用いて電気回路の伝達関数およびインパルス応
答を求める方法について具体的に説明する。
【0023】図2は、解析を行う回路網の一例を示す図
である。図に示す回路網を、図中の点線で囲んだよう
に、予め装置に登録されている基本的な部分回路ブロッ
クに適合するようにユーザが分割する。
【0024】図3は一連の回路網解析動作の説明図であ
り、この画面は図1の表示104に現われるものであ
る。又、以下の各種入力は同じく図1の入力手段101
から入力する。
【0025】同図において、部分回路ブロック画面1
は、基本的な部分回路ブロックを各種集めた画面であ
り、メニューとして予め用意しておく。各々の部分回路
ブロックは、抵抗、インダクタンス、キャパシタンス等
により構成される回路であり、ブロック内部の回路の概
略を示す図の他、他のブロックとの接続のための端子、
インパルス入力を接続するための入力端子、ブロック内
部の電流や電圧を出力するための出力端子等をセットで
登録したもので構成される。また、部分回路ブロック内
部の素子値で決定される状態行列のための計算式を定義
しておく。なお、部分回路ブロック画面1は、図形表示
されているが、部分回路ブロックは文字情報で表示して
もよい。また、部分回路ブロックの回路情報は状態行
列、極−零点モデル等他の数学モデルを使用してもよ
い。
【0026】次に、部分回路ブロックを適宜組み合わせ
て図2に示す分割前の回路に配置結線する。そのための
配置画面2には、部分回路ブロック画面1の部分回路ブ
ロックのうち必要なものを複写して配置する。前記配置
画面2に配置された部分回路ブロック3、4は配線手段
5により接続される。部分回路ブロック3、4には、配
置画面2の中で容易に識別できるようにユニークな番号
を付与する。なお、識別ができれば良いので、番号でな
くてもよく、文字列であっても、また自動的に識別番号
が付与されても、手動で付与するものであってもよい。
【0027】定数入力画面6により、配置画面2に配置
された各々の部分回路ブロック内部の定数を入力する。
定数を入力すると、部分回路ブロック毎の状態行列が自
動的に作成される。このようにして、配置画面2に配置
された全ての部分回路ブロックの定数の入力を行う。
尚、この定数入力は部分回路ブロック画面1で行っても
よい。
【0028】部分回路ブロックの配置結線、定数入力が
終了すると、次にインパルス8を接続する入力の位置
と、その応答結果を見る出力位置9とを部分回路ブロッ
クの番号等で指定する。入力インパルス8は、図3では
電流源となっているが、部分回路ブロックの定義を変更
すればインパルス電圧源とすることもできる。また、部
分回路ブロック内での入力インパルスを接続する場所
も、部分回路ブロックの定義を変更することによって変
更可能である。
【0029】入力および出力の位置、各部分回路ブロッ
クの接続情報、定数入力が終了すると、解析する回路網
全体の入出力特性が1入力1出力の状態方程式7として
作成される。
【0030】以上では本発明の操作手順及び概略動作を
述べたが、以下では部分回路ブロックへの分割からスタ
ートし、回路網全体の状態方程式の作成、インパルス応
答の出力に至るまでの一連の処理手順を図4の具体的な
回路を例にして説明する。 (1)解析対象の回路を、予め部分回路ブロックとして登
録されている回路(ブロック1〜3)に分割する。ここ
で、予め登録されている各々の部分回路ブロックは図5
に示すよう入出力が統一的に定義されている3入力2出
力の状態システムである。分割した結果を図6〜図8に
示す。 ここで、部分回路ブロックの各々は、状態変数を用いて
式(1)のように状態方程式と出力方程式の組み合わせ
で表すことができる。
【数1】
【0031】(2)分割した部分回路ブロック各々の状態
方程式を作成する。その結果を式(2)〜式(4)に示
す。
【数2】
【数3】
【数4】
【0032】(3)次にブロック1〜ブロック3に分割さ
れた状態システム相互の接続情報に基づき、各システム
の状態方程式を結合して1つの状態システムにする。例
えば、図6、7において、ブロック1の出力y11はブロ
ック2の入力u21に接続されている。すなわち、接続情
報としてu21=y11が得られる。このように、上記(1)
で述べた入出力の定義から各ブロック間の接続情報を求
めると、結局、u12=y22、u21=y11、u31=y21
22=y32となり、これにより個々の部分回路ブロック
を1つに結合した全体回路(図4に相当)の状態システ
ムは図9のようになる。
【0033】(4)上記の接続情報を各々の部分回路ブ
ロックの状態方程式である式(2)〜(4)に代入す
る。例えば、ブロック1に関する接続情報はu12=y22
である。y22は式(3)からx22であるから、式(2)
は式(5)のようになる。式(3)、(4)についても
接続情報を用いて同様な計算を行えば最終的に、図9に
示す1つの状態システムにまとめることができ、その状
態方程式は式(6)のようになる。
【0034】(5)以上で述べた、結合して1つの状態シ
ステムとなった状態方程式(式6)は、多入出力システ
ムである。伝達関数、インパルス応答を求めるために、
入出力の場所を指定して、1入力1出力の状態システム
にする必要がある。
【0035】結合されて、1つになった式(6)の状態
方程式において、Xは状態(列)ベクトル、Uは入力
(列)ベクトル、Yは出力(列)ベクトルである。
【0036】いま、インパルスを接続する場所(入力場
所)をブロック2のインパルス電流源u23とすると、こ
れはベクトルUの2行目に相当するから、u23以外のu
13、u33をゼロと置くと式(6)は、式(7)の右辺のよう
になる。(式(7)左辺の点線で囲んだ箇所を参照)
【数7】 このように、本発明では、部分回路ブロックの各々にイ
ンパルス電流源(図6〜図8のu13、u23、u33)が予
め埋め込まれている。そして、回路網に信号源としてイ
ンパルスを加えるためには、前述のように、これらのう
ち信号を印加する箇所のインパルス電流源を残して他の
インパルス電流源をゼロとすることにより実現してい
る。
【0037】(6)また、伝達関数あるいはインパルス応
答を求める場所(出力場所)をブロック3のy32とする
と、これは式(6)のベクトルYの第6行目に相当する
から、式(7)は、式(8)となる。(式(8)左辺の点線
で囲んだ箇所を参照)
【数8】
【0038】以上のようにして、結合して1つの状態シ
ステムとなった式(6)の状態方程式を、1入出力の出
力方程式とすることができる。
【0039】従来の方法で、ここで述べたような入出力
箇所の変更を行おうとすると、解析対象の回路網につい
て最初から回路方程式を計算し直さなければならなかっ
た。一方、本発明では統一的に定義された入出力パラメ
ータを有する部分回路ブロックを用いている。このため
希望する入出力箇所に対応した出力方程式を得るには、
式(6)に現れる入出力パラメータのうち希望する入出
力箇所に該当するパラメータを単に選択した式を作成す
る(式(6)から式(8)を求めたように)だけでよ
い。すなわち、入出力位置を変更したとき、回路方程式
を最初から計算し直す必要はない。なお、複数の出力位
置を指定して、1入力多出力の状態方程式を作成するこ
ともできる。
【0040】(7)式(8)はこのままでは解析が困難なの
で、状態方程式中の状態行列を対角要素とそれに隣接す
る要素以外は「0」となる形(式(9))に対角化変換
(例えば、白岩謙一「基礎課程 線形代数入門」、サイ
エンス社、1992、181ページ〜184ページ)を行う。この
ように対角化変換することにより、解析対象の電気回路
は2次系回路(対角要素のうち、2×2行列の部分)と
1次系回路の並列接続として表現できる。(例えば、本
田他「制御数学の基礎と演習」、日刊工業新聞社、199
2、112ページ〜117ページ)
【数9】
【0041】対角化変換された式(9)において、2次
系部分の状態行列である式(10)から導かれるインパ
ルス応答は式(11)により得られる。更に、1次系部
分の状態行列である式(12)から導かれるインパルス
応答は式(13)により得られる。(例えば、本田他
「制御数学の基礎と演習」、日刊工業新聞社、1992)
【0042】従って、前述のように、この変換により解
析対象の電気回路は2次系及び1次系回路の並列和とし
て表わされるので、解析対象全体のインパルス応答は、
図10のように2次系部分と1次系部分の個々のインパ
ルス応答の和として得ることができる。
【0043】また、解析対象全体の伝達関数について
も、解析対象の電気回路が単純なラプラス変換を有する
2次系部分と1次系部分の並列接続で表現できるため、
個々の伝達関数の総和として容易に算出できる。
【0044】以上述べたように、本発明になる回路網解
析装置では、解析対象回路全体を部分ブロックに分割
し、その後回路を1つにまとめるという手法をとってい
る。このため、同じ電気回路網で、入力あるいは出力の
位置を変更して再度インパルス応答あるいは伝達関数を
求める場合、既に作成した配置画面2から、入力と出力
の位置を指定し直して状態方程式7を作成するだけでよ
い。
【0045】これは、入出力の位置が変わっても式
(6)までは同じ内容であるため、式(7)以降の変更
だけでよいためである。これに対して従来からの方法で
は、入出力の位置を変更すると、回路方程式をまた1か
ら立て直さなければならない。
【0046】このように本発明によれば、入出力箇所を
変更した場合、対象回路網(図2又は図4)について、
回路図の入力、方程式の入力などを一から繰り返す必要
がないため回路網解析を効率的に行える。
【0047】図11は、本発明の第2の実施形態であ
り、電気回路のインパルス応答を表示する装置の構成を
示す。インパルス応答関数生成手段10は第1の実施形
態で示したような方法で供試回路網のインパルス応答関
数を計算する。時間情報生成手段11はインパルス応答
関数の時間変数の値を発生するもので、通常はt=0
(秒)から、波形が概略収束するまでの時間をある時間ス
テップで出力する。時間波形演算/表示手段12は、イ
ンパルス応答関数生成手段10と時間情報生成手段11
のデータを用いて当該回路網(図2)のインパルス応答
を表示する。以上述べた10〜12の各手段はCPU
(図示せず)で制御されている。
【0048】この表示に当たっては、必要に応じて表示
画面に目盛(グリッド)を付加できる。また、縦軸のス
ケールを変更する事によりインパルス応答の表示振幅を
変更できる。更に、この縦軸の変更のみならず前記時間
情報生成手段11からのデータをも変更することによ
り、希望のスケーリングで表示できる。
【0049】本発明によらない従来からの方法、即ち、
解析する回路(図2)や状態方程式7をそのまま用いて
数値シミュレーションを行った場合でも応答波形を得る
ことはできるが、数値シミュレーションによる方法では
数値積分による誤差やシミュレーションの収束等の問題
が発生する。これに対して、本発明による、インパルス
応答から当該回路網の応答波形を解析的に求める方法で
は、これらの問題点はなく精度の極めて高い波形を安定
に求めることができるというメリットがある。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の回路網
解析装置によれば、予め用意された複数種類の基本的な
部分回路ブロックを含む部分回路ブロックの集合および
各々の部分回路ブロックの状態行列の集合とし、前記部
分回路ブロックを自由に複写、移動、配置可能とし、各
々の部分回路ブロック相互の接続配線及び部分回路ブロ
ック内部の各々の素子定数を設定/変更可能とし、配置
配線された部分回路ブロック各々の状態行列から電気回
路網全体の状態行列を生成しているので、大規模回路網
であっても容易に与えられた回路網の伝達関数およびイ
ンパルス応答を求めることができる。また、同じ電気回
路網で、入力あるいは出力の位置を変更して再度インパ
ルス応答あるいは伝達関数を求める場合でも、既に作成
した配置画面から、入力と出力の位置を指定し直して状
態方程式を作成するだけでよく、全回路図の入力を繰り
返す必要がないので効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路網解析装置の構成を示す図で
ある。
【図2】解析を行う回路網の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態において部分回路ブロックを
結合して状態方程式を作成する場合の説明図である。
【図4】本発明の実施形態における解析対象の回路網を
示す図である。
【図5】本発明の実施形態における部分回路ブロックの
入出力の定義を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態におけるブロック1の回路図
である。
【図7】本発明の実施形態におけるブロック2の回路図
である。
【図8】本発明の実施形態におけるブロック3の回路図
である。
【図9】本発明の実施形態におけるブロック1〜3を1
つのシステムに結合した状態システムを示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるシステムの並列接
続化を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態におけるインパルス応答波
形を作成するための構成を示す図である。
【符号の説明】
1 部分回路ブロック画面 2 部分回路ブロックの配置画面 3、4 配置画面に配置された部分回路ブロック 5 配線 6 定数入力画面 7 作成された状態方程式 8 入力インパルス 9 出力場所 10 インパルス応答関数 11 時間情報 12 インパルス応答波形 101 入力手段 101a ブロック選択キー 101b 定数入力キー 101c 接続情報キー 101d 変換手法キー 102 CPU 103 ROM/RAM 104 表示部
【数5】
【数6】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられた電気回路網を構成するよう予め
    用意され状態方程式が与えられている部分回路ブロック
    を組み合せて配置・接続するように指示入力するための
    入力手段と、 前記配置・接続された前記部分回路ブロックが有する個
    々の状態行列から前記電気回路網全体の状態行列を生成
    する状態行列生成手段と、 生成された前記電気回路網全体の状態行列に基づいて前
    記電気回路網の伝達関数及び/又はインパルス応答を求
    めることを特徴とする回路網解析装置。
  2. 【請求項2】与えられた電気回路網を構成するよう予め
    用意され状態方程式が与えられている部分回路ブロック
    を組み合せて配置・接続するように指示入力するための
    入力手段と、 前記配置・接続された部分回路ブロックの各々を自由に
    複写、移動、配置、接続して前記電気回路網を構成する
    回路網構成手段と、 前記部分回路ブロックが有する各々の素子定数を設定/
    変更する定数設定/変更手段と、 配置・接続された前記部分回路ブロックが有する個々の
    状態行列から前記電気回路網全体の状態行列を生成する
    状態行列生成手段を備えることを特徴とする回路網解析
    装置。
  3. 【請求項3】前記電気回路網の状態行列を2次系部分及
    び/又は1次系部分との並列接続された形式に変換する
    手段と、前記電気回路網の入力端子の位置と出力端子の
    位置を指定する手段と、前記2次系部分と前記1次系部
    分の各々のインパルス入力により生じる応答波形関数を
    求める手段と、求めた応答波形関数を合成して前記電気
    回路網の伝達関数及び/又はインパルス応答関数を出力
    する手段とを備える請求項1又は2に記載の回路網解析
    装置。
  4. 【請求項4】前記状態行列を対角要素とそれに隣接する
    要素以外を”0”とする変換手段を有する請求項1乃至
    3に記載の回路網解析装置。
  5. 【請求項5】任意の数学モデルで表現された部分回路ブ
    ロックを状態行列に変換する請求項1乃至4に記載の回
    路網解析装置。
  6. 【請求項6】前記インパルス応答関数を用いて波形を合
    成し、インパルス応答波形として出力する手段を備える
    請求項1乃至5に記載の回路網解析装置。
  7. 【請求項7】予め用意されている部分回路ブロック以外
    の部分回路ブロックの追加や既存の部分回路ブロックの
    修正を行う手段を備える請求項1乃至6に記載の回路網
    解析装置。
  8. 【請求項8】得られた伝達関数あるいはインパルス応答
    を演算して入力がインパルス以外の場合の出力応答を求
    める手段を有する請求項1乃至7に記載の回路網解析装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007286687A (ja) * 2006-04-12 2007-11-01 Mitsubishi Electric Corp 伝送特性解析装置及びプログラム
JP2008235984A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Omron Corp 信号波形解析・判定装置ならびに信号波形解析・判定方法

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