JPH10268827A - コードレス型残像補間式スクロール表示システムと表示ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数のポール型表示ユニットを適当な間隔で
並べて配置するタイプの残像補間式スクロール表示シス
テムについて、さまざまな用途に合わせて具体的にシス
テムを構築する上での実用性・柔軟性・汎用性を高め
る。 【解決手段】 １つひとつの表示ユニットＢｉは、各ユ
ニットを区別するためのユニットＩＤを設定する手段１
０と、データ分配送信機７０から送出される無線信号を
受信して復調する手段５と６と、復調信号中からユニッ
トＩＤに基づいて自ユニットに割り当てられた１列ｍド
ット分の画像データを認知して取得する手段７〜１２
と、取得した１列１６ドット分の画像データを１６個の
各ランプＬ１〜Ｌ１６に対応づけて一時記憶し、そのデ
ータに従って前記各ランプを制御駆動する手段１、２、
３とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、高輝度ＬＥＤ
（発光ダイオード）などのランプをマトリクス配列した
画面に文字や画像をスクロール表示するシステムに関
し、とくに、画像の移動に視線を追従させることで残像
効果で補間された精細なスクロール画像が見える仕組み
のコードレス型残像補間式スクロール表示システムに関
する。また、そのシステムを構成するための表示ユニッ
トに関する。

【０００２】

【従来の技術】さきに本出願人らは、特開平８−１７９
７１７号公報に詳しく開示されている、つぎのようなス
クロール表示システムを開発して実用化した。これは、
少ない数の発光素子（ＬＥＤランプなど）により大サイ
ズで精細な画像を視認できるスクロール表示技術であ
り、人間の目の網膜および視覚中枢の働きによる残像効
果を利用している。

【０００３】この残像補間式スクロール表示システムに
おいては、多数の発光素子を小さな一定間隔ｄ１で直線
状に配列して発光素子列を構成し、この発光素子列を多
数用意して前記ｄ１の数倍以上の一定間隔ｄ２で平行に
配設する。そして、１列のドット構成が前記発光素子列
の各素子に対応したビットマップ形式の画像データを用
意し、この画像データの各列のデータを順番に前記各発
光素子列にそれぞれ供給して表示ドライブする。このと
き同時に、つぎのような時間的な制御を行う。多数の前
記発光素子列にその配列順につけた番号をｉとし、前記
画像データの各列データに順番につけた番号をｊとし、
前記ｄ２に対応して適宜に設定された２以上の整数をａ
とし、ｉ列目の前記発光素子列をｊ列目の前記列データ
で表示ドライブするときに、（ｉ＋１）列目の前記発光
素子列を（ｊ−ａ）列目の前記列データで表示ドライブ
するように、各発光素子列にそれぞれ供給する列データ
間に時間差をもたせるのである。

【０００４】この表示システムでは、原理的に、文字列
や図形などの精細な画像を静止した状態で観察者に見せ
ることはできない。行方向と列方向とでドット密度に極
端な差のある飛び飛びドット列の画面上にて通常のスク
ロール表示よりも高速で画像を移動させる。その画像の
移動に観察者が視線を追従させることで、観察者の網膜
および視覚中枢の働きによる残像効果が引き出され、そ
の残像効果により飛び飛びドット列の間隔部分が補間さ
れた精細なスクロール画像が見えるという原理である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述の残像補間式スク
ロール表示システムについて、本発明者らはさまざまな
用途開発を行い、用途に応じたさまざまな実施形態を考
案した。たとえば、商品陳列棚に置くような飛び飛びド
ット列の小画面を形成するパネル型のもの、ガソリンス
タンドなどの店先に設置するような飛び飛びドット列の
中画面を形成するハシゴ型のもの、ビルの透明カーテン
ウオールの内側にポール型表示器を多数並べて外に向け
た飛び飛びドット列の大画面を構成するもの、高速道路
のカーブに沿ってポール型表示器を比較的大きな間隔を
おいて多数並べて飛び飛びドット列の超大型画面を形成
するものなどである。

【０００６】そして、ポール型のハウジングに沿って多
数のランプを直線状に配列した表示器を多数本用いるシ
ステムにおいては、パソコンなどで構成される表示制御
装置と多数の各ポール型表示器とをバス型あるいはデイ
ジーチエーン型のデータ伝送路で結合し、表示する画像
データを時々刻々と各ポール型表示器に分配転送する構
成としている。

【０００７】多数本のポール型表示器を用いるシステム
構成で、たとえばイベント会場で臨時的に超大型画面を
形成し、使用後にはすぐに撤去するといった用途を考え
る。表示制御装置やポール型表示器などの機材は汎用的
に繰り返し使用するものとする。しかも、個々の使用目
的や状況に応じてポール型表示器の設置間隔や設置本
数、ポール型表示器間の信号ケーブルの配線状況などが
変わる。

【０００８】このような応用場面では、多数のポール型
表示器と表示制御装置とを信号ケーブルで配線する構成
はいろいろと不都合であった。まずケーブルと表示器と
のコネクタ部分の接触不良や、ケーブルの断線といった
接続障害が起きやすい。屋外での使用時にはコネクタ部
分の防水性が問題になるが、防水構造のコネクタは高価
で大型だし、着脱の取り扱いが面倒である。ポール型表
示器の設置間隔を大きくすると長いケーブルが必要だ
が、間隔が小さい場合には長いケーブルはかえってじゃ
まになる。ポール間を人や物体が通過するような状況で
は、ポール間に配線してあるケーブルが移動の障害にな
ることがあり、それを回避するための対策が必要にな
る。

【０００９】この発明の目的は前述したような不都合を
解消し、多数のポール型表示ユニットを適当な間隔で並
べて配置するタイプの残像補間式スクロール表示システ
ムについて、さまざまな用途に合わせて具体的にシステ
ムを構築する上での実用性・柔軟性・汎用性を高めるこ
とにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は無線伝送を利
用したコードレス型残像補間式スクロール表示システム
と表示ユニットを提供するものであり、基本となるシス
テムはつぎの要件（１）〜（５）を備えている。

【００１１】（１）ポール型のハウジングに沿って多数
（ｍ個）のランプが密な間隔で直線状に配列された多数
（ｎ本）の表示ユニットが大きな間隔をおいてほぼ平行
に設置され、合計（ｍ×ｎ）個の前記ランプが密なｍド
ットの並びと疎なｎドットの並びでマトリクス配列され
た物理的画面が形成される。

【００１２】（２）隣り合って配置された前記表示ユニ
ットの間隔部分にもｍ個のランプの密な配列が複数列あ
るものと仮定し、その仮定による前記物理的画面より密
なドット分布の仮想的画面に合わせてビットマップ形式
の画像データが作成される。

【００１３】（３）表示制御装置は、表示しようとする
前記画像データをメモリに準備し、その画像データを前
記仮想的画面にビットマップ展開して前記表示ユニット
の配列方向にスクロール表示するのに相当する制御を行
う。その表示制御において、実在する表示ユニットのｍ
個のランプ列に重なる画像データの１列ｍドット分のデ
ータを選出して該当の表示ユニットにそれぞれ割り当て
る処理を行う。

【００１４】（４）前記表示制御装置の前記処理によっ
て前記各表示ユニットに割り当てられた各１列ｍドット
分で合計ｎ列分の画像データは、データ分配送信機によ
って前記各表示ユニットに無線伝送される。

【００１５】（５）１つひとつの前記表示ユニットは、
各ユニットを区別するためのユニットＩＤを設定する手
段と、前記データ分配送信機から送出される無線信号を
受信して復調する手段と、復調信号中から前記ユニット
ＩＤに基づいて自ユニットに割り当てられた１列ｍドッ
ト分の画像データを認知して取得する手段と、取得した
１列ｍドット分の画像データをｍ個の前記各ランプに対
応づけて一時記憶し、そのデータに従って前記各ランプ
を制御駆動する手段とを備えている。

【００１６】また前記のように構成された表示ユニット
について、太陽電池パネルの出力を畜電して各部の電源
として利用する系を含んだ電源装置が付帯する構成を採
れる。

【００１７】

【発明の実施の形態】

＝＝＝物理的画面と仮想的画面＝＝＝ 図１（ａ）に示すように、細長いポール型ハウジングに
沿って１６個の高輝度ＬＥＤランプＬ１〜Ｌ１６を密な
間隔で直線状に配列して１本のポール型表示ユニットＢ
ｉを構成する。図示の例では、３２本の表示ユニットＢ
１〜Ｂ３２を用意し、これらを疎な間隔でほぼ平行に配
設する。３２本の表示ユニットＢ１〜Ｂ３２からなる飛
び飛びの縦列が横に帯状に連なり、密な１６ドットの縦
の並びと、疎な３２ドットの横の並びによる（１６×３
２）ドット構成の飛び飛びドット列の物理的画面を構成
する。この実施例での３２本の表示ユニットＢ１〜Ｂ３
２の配列間隔は、１本の表示ユニットＢｉにおける各Ｌ
ＥＤランプの縦の間隔の約４倍としている。

【００１８】図１（ａ）に示した飛び飛びドット列の物
理的画面について、図１（ｂ）に示すように、疎な３２
列の並びの列間隔部分にも各３本のドット列を仮想的に
配置して、密な１６ドットの縦方向の並びとほぼ同等な
ドット密度とした（１６×１２５）ドット構成の均一的
ドット分布の仮想的画面を想定する。つまり、隣り合う
２本の表示ユニットの間隔部分に３本の表示ユニットが
等間隔で並んでいるように仮定した画面のことを仮想的
画面と称する。

【００１９】＝＝＝スクロール表示の原理的動作＝＝＝ （１６×３２）ドット構成の飛び飛びドット列の物理的
画面と、（１６×１２５）ドット構成の均一的ドット分
布の仮想的画面と、この画面にスクロール表示しようと
するビットマップ画像データの関係を図２に示してい
る。図２の例では、「あいうえお」という５文字の画像
を適当なスペースをあけて横方向にスクロール表示しよ
うとしている。この例の文字フォントは（１６×１６）
ドット構成である。

【００２０】表示しようとする５文字分の画像データが
文字間のスペースも含めて、１列が１６ドットで１行が
１２５ドットのビットマップデータであるとする。この
（１６×１２５）ドットの画像データを、図２に示すよ
うに、（１６×１２５）ドット構成の均一的ドット分布
の仮想的画面に展開して表示するものとする。実際の表
示制御としては、１２５列分の画像データの中から飛び
飛びに選択した３２列分の画像データを３２本の表示ユ
ニットＢ１〜Ｂ３２に分配して、各列１６ドットのデー
タに従って各表示ユニットＢｉにおける１６個のランプ
Ｌ１〜Ｌ１６を制御駆動する。

【００２１】１２５列分の画像データの中から３２列分
の画像データを飛び飛びに選択して３２本の表示ユニッ
トＢ１〜Ｂ３２に分配する制御において、飛び飛び選択
の列間隔は、前記仮想的画面に分散配列されている各表
示ユニットＢ１〜Ｂ３２の配列間隔に対応して決まる。
つまり図１および図２の例では、画像データ中の４列ご
とに１列を抽出して各表示ユニットＢ１〜Ｂ３２に分配
する。

【００２２】そして仮想的画面に展開するビットマップ
画像データを行方向に移動させながら、前記のように飛
び飛びに選択した画像データに従って各表示ユニットＢ
１〜Ｂ３２の各ランプＬ１〜Ｌ１６を制御駆動するデー
タ処理を繰り返すことで、図２（ａ）（ｂ）（ｃ）に例
示するように、仮想的画面を観察する人の視覚残像効果
により１列が１６ドットで１行が１２５ドットの密度の
スクロールする画像を視認させる。

【００２３】＝＝＝表示制御系の概要＝＝＝ この発明のシステムの回路系の要点を図３に示してい
る。図３では、１本のポール型表示ユニットＢｉについ
ては回路構成を比較的詳しく示しているとともに、各表
示ユニットの全体に対して表示データを分配して前記ス
クロール表示を実現するホスト装置としての表示制御装
置６０およびデータ分配送信機７０については概略的に
示している。

【００２４】１本の表示ユニットＢｉに含まれる１６個
のＬＥＤランプＬ１〜Ｌ１６はそれぞれＲＧＢの集合ラ
ンプからなる多色発光可能なものである。この例では、
ＲＧＢ各１ビットの合計３ビットのデータで１つのラン
プを駆動するものとする。各表示ユニットＢｉには、１
６個のランプＬ１〜Ｌ１６を駆動するために、ＲＧＢ各
１個の合計３個の１６ビットシフトレジスタ１と、各シ
フトレジスタ１の並列出力を保持する合計３個の１６ビ
ットラッチ回路２と、各ラッチ回路２の出力で各ランプ
Ｌ１〜Ｌ１６のＲＧＢの各ＬＥＤを駆動するドライバ３
と、送信機７０から無線伝送される信号を受信してシフ
トレジスタ１に所要の画像データを取り込んだり所要の
タイミングでラッチ回路２を制御する回路系（詳細は後
述）が組み込まれている。

【００２５】一方、システムの中枢である表示制御装置
６０は一般的なパソコンで構成されており、これの拡張
バスにデータ分配送信機７０を結合している。このデー
タ分配送信機７０のアンテナ７１から送出されるマイク
ロ波の無線信号が各表示ユニットＢｉのアンテナ４で捕
捉される。

【００２６】 ＝＝＝表示制御装置６０の側の処理手順＝＝＝ 表示制御装置６０のメインメモリ上にスクロール表示処
理のための画像メモリ６１と送信バッファ６２が設定さ
れる。また、表示制御装置６０のハードディスク装置６
３にはスクロール表示の対象となる多数の種類の画像デ
ータが蓄積されている。表示制御装置６０が実行するス
クロール表示処理の概要を図４のフローチャートに示し
ている。まず、どの画像をスクロール表示するのかを画
像ＩＤで指定して実行指令を与える。すると図４のフロ
ーチャートに示す処理が開始される。

【００２７】最初のステップ５０１では、指定された画
像データをハードディスク装置６３から読み出して画像
メモリ６１にビットマップ展開する。このビットマップ
画像データは、縦が１６ドット（１ドットはＲＧＢの合
計３ビット）で横は自由な大きさである。この縦１６ド
ット分のデータを列データと称し、各列データに順番に
Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３、…という番号をつける（一般項をＤ
ｊと表記する）。また簡単な説明のために、画像メモリ
６１は１ワードが（１６×３）ビットの構成で、アドレ
スｊに列データＤｊが格納されているものとする。

【００２８】ステップ５０２ではスタートポインタＰを
１にし、つぎのステップ５０３ではアドレスポインタｊ
にスタートポインタＰの値を移す（この説明の段階では
ｊ＝Ｐ＝１となる）。またステップ５０４で列カウンタ
Ｃを１にする。つぎのステップ５０５で、アドレスポイ
ンタｊが示すアドレスｊで画像メモリ６１をリードアク
セスし、読み出した列データＤｊを送信バッファ６２に
おける列カウンタＣが示すアドレスＣに書き込む。つぎ
のステップ５０６ではアドレスポインタｊに４を加算す
る。ここでアドレスポインタｊに１を加算するのではな
くて「ｊに４を加算する」ことが残像補間式スクロール
表示システムの特徴を端的に表わしている。

【００２９】つぎのステップ５０７で列カウンタＣの値
が最終値ｎ＝３２に達したか否かをチェックする。Ｃ＝
３２になるまではステップ５０８で列カウンタＣに１を
加算してからステップ５０５に戻り、ステップ５０６で
更新したアドレスポインタｊに従って画像メモリ６１を
リードアクセスし、その列データＤｊを送信バッファ６
２における更新されたアドレスＣに書き込む。Ｃ＝３２
になれば、３２本の表示ユニットＢ１〜Ｂ３２に転送す
べき３２列分の表示データが送信バッファ６２に揃った
ことになる。

【００３０】ここでステップ５０９に進み、送信バッフ
ァ６２上の３２列分の列データＤ１〜Ｄ３２をデータ分
配送信機７０から各表示ユニットＢｉに向けて無線送信
させる。このとき、送信データの先頭に既定の同期符号
を挿入して出力し、続けて各列データＤ１〜Ｄ３２をそ
の列番号順で、かつ１列中ではドット番号順にして出力
する。変調・送信方式は同期式である。つまり、送信信
号の波形にタイミング信号を組み込んで送信し、受信し
た信号波形からビット位置を示すタイミングを抽出でき
る方式である。

【００３１】つぎのステップ５１０ではスタートポイン
タＰに１を加算し、表示しようとする画像をスクロール
方向に１単位だけ進めるための準備をする。つぎのステ
ップ５１１では、スタートポインタＰの値が表示しよう
とする画像の端を示す値ＭＡＸに達したか否かをチェッ
クする。Ｐ＝ＭＡＸになるまではステップ５０３に戻り
画像のスクロールを進め、Ｐ＝ＭＡＸになるとステップ
５０２に戻って画像のスクロールを最初からやり直す。

【００３２】 ＝＝＝表示ユニットＢｉの側の受信処理系＝＝＝ 送信機７０からの前述の無線信号がアンテナ４と受信増
幅回路５を経て復調回路６に入力され、ビット直列の受
信データ信号と、受信信号波形からビット位置を示すタ
イミングを抽出したクロック信号とが復調回路６から出
力される。復調回路６から出力されるデータ信号はクロ
ック信号によりビット同期され、直並列変換用のシフト
レジスタ７に順次シフト入力され、所定ビット数の並列
データとなって同期符号検出回路８に入力される。

【００３３】前述したように表示制御装置６０は、３２
列分の表示データの先頭に既定の同期符号を挿入して無
線送信する。これを受信する表示ユニットＢｉの同期符
号検出回路８は、受信データ中から先頭の同期符号を検
出する回路である。同期符号を検出したとき、当該回路
８からの検出信号によってカウンタ９がリセットされ、
また前記ラッチ回路２がラッチされる。

【００３４】同期符号を受信した時点でカウンタ９がリ
セットされ、その後に復調回路６から出力されるクロッ
ク信号の数がカウンタ９により計数される。各表示ユニ
ットＢｉには、個々のユニットを区別するためのユニッ
トＩＤ設定器１０がある。このＩＤ設定器１０はディジ
タルスイッチあるいはＥＥＰＲＯＭなどからなり、所定
桁数の数値を任意に設定できる。これに設定されている
数値とカウンタ９によるクロック計数値とが比較回路１
１にて比較される。

【００３５】前述したように表示制御装置６０は、先頭
の前記同期符号に続けて、まず第１列目の表示ユニット
Ｂ１に分配すべき１列分＝１６ドット分の画像データを
送信し、それに続けて第２列目の表示ユニットＢ２に分
配すべき１６ドット分の画像データを送信する、という
シーケンスで一連の画像データの送信処理を繰り返す。
３２本の表示ユニットＢ１〜Ｂ３２のそれぞれのユニッ
トＩＤ設定器１０には、各ユニットが画像スクロール方
向に何番目に配置させているのかに合わせてユニットＩ
Ｄ設定器１０に適切な数値が設定されている。

【００３６】さきに詳しく説明したように、１列分の画
像データは１６個のランプＬ１〜Ｌ１６を駆動する１６
ドット分のデータであり、１ドットはＲＧＢの３ビット
のデータである。従って、１列分のデータは１６×３＝
４８ビットからなり、このデータ列は４８個のクロック
信号に同期して復調回路６から直列出力される。

【００３７】１列目の表示ユニットＢ１は、前記同期信
号を受信した直後の４８個のクロック信号に同期した４
８ビットの画像データをシフトレジスタ１に取り込む。
２列目の表示ユニットＢ２は、４９個目のクロック信号
から９６個目のクロック信号に同期した４８ビットの画
像データをシフトレジスタ１に取り込む。３列目の表示
ユニットＢ３は、９７個目のクロック信号から１４４個
目のクロック信号に同期した４８ビットの画像データを
シフトレジスタ１に取り込む。以下同様である。

【００３８】以上にように、復調信号中からユニットＩ
Ｄに基づいて自ユニットに割り当てられた１列分の画像
データを認知して取得する機能が、カウンタ９とユニッ
トＩＤ設定器１０と比較回路１１とゲート１２によって
実現される。カウンタ９のクロック計数値とユニットＩ
Ｄの数値の比較に基づいて、自ユニットがデータを取り
込むべき期間に比較回路１１から一致信号が出力され、
その一致出力がある期間だけゲート１２がオンとなる。
ゲート１２がオンになると、復調回路６から出力される
データ信号とクロック信号がシフトレジスタ１に入力さ
れ、１列分＝１６ドット分＝４８ビットのデータがシフ
トレジスタ１に保持される。その直後に前記一致信号が
なくなってゲート１２がオフとなる。

【００３９】３２本の表示ユニットＢ１〜Ｂ３２に各１
列分の画像データが順番に分配されて、それぞれのシフ
トレジスタ１に保持される。そうすると、つぎのデータ
分配サイクルに進む。つぎのサイクルの先頭にて、各表
示ユニットＢｉは表示制御装置６０から送信されてくる
前記同期符号を検出する。そのタイミングで全表示ユニ
ットＢｉにおいてシフトレジスタ１のデータがラッチ回
路２にラッチされ、ドライバ３はラッチされたデータに
従ってランプＬ１〜Ｌ１６を制御駆動する。

【００４０】以上のデータ分配サイクルと、分配された
データによるランプの制御駆動とが並行的に繰り返し実
行されることで、前述した残像補間式のスクロール表示
が実現する。

【００４１】なお各表示ユニットの動作電源としては、
個々に電源電池を搭載したり、至近の商用電源を用いた
り、複数のユニットで１つの電源ユニットを共用した
り、あるいは太陽電池を電源要素に含めるなど、さまざ
まに実施できる。

【００４２】

【発明の効果】この発明によれば、多数のポール型表示
ユニットを適当な間隔で並べて配置するタイプの残像補
間式スクロール表示システムを具体的な状況に合わせて
構築するにあたり、表示制御装置と各表示ユニットを結
ぶデータ伝送系が無線であるので、実用上のさまざまな
利便性がもたらされる。多数の表示ユニットを信号ケー
ブルで結ぶ作業が不必要なので設置や撤去が簡単であ
る。ユニットの設置間隔もケーブルに関わりなく決めら
れる。ケーブルが人や物体の移動の障害物にならない。
表示ユニットに信号ケーブルのためのコネクタがなくな
るので、簡単かつ安価にユニットを防水構造にできる。
表示ユニットの防水性が高くて堅牢であれば、使用環境
を選ばず、応用範囲が広がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例における物理的画面（ａ）
と仮想的画面（ｂ）の模式図である。

【図２】同上物理的画面と仮想的画面と残像補間式スク
ロール表示の画像データの関係を示す模式図である。

【図３】この発明の一実施例による１本の表示ユニット
の構成を主に示すシステム構成図である。

【図４】この発明の一実施例による残像補間式スクロー
ル表示のホスト側の制御手順を示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

Ｌ１〜Ｌ１６ ＬＥＤ集合ランプ Ｂｉ、Ｂ１〜Ｂ３２ ポール型表示ユニット ４、７１ アンテナ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 つぎの要件（１）〜（５）を備えたコー
   ドレス型残像補間式スクロール表示システム。 （１）ポール型のハウジングに沿って多数（ｍ個）のラ
   ンプが密な間隔で直線状に配列された多数（ｎ本）の表
   示ユニットが大きな間隔をおいてほぼ平行に設置され、
   合計（ｍ×ｎ）個の前記ランプが密なｍドットの並びと
   疎なｎドットの並びでマトリクス配列された物理的画面
   が形成される。 （２）隣り合って配置された前記表示ユニットの間隔部
   分にもｍ個のランプの密な配列が複数列あるものと仮定
   し、その仮定による前記物理的画面より密なドット分布
   の仮想的画面に合わせてビットマップ形式の画像データ
   が作成される。 （３）表示制御装置は、表示しようとする前記画像デー
   タをメモリに準備し、その画像データを前記仮想的画面
   にビットマップ展開して前記表示ユニットの配列方向に
   スクロール表示するのに相当する制御を行う。その表示
   制御において、実在する表示ユニットのｍ個のランプ列
   に重なる画像データの１列ｍドット分のデータを選出し
   て該当の表示ユニットにそれぞれ割り当てる処理を行
   う。 （４）前記表示制御装置の前記処理によって前記各表示
   ユニットに割り当てられた各１列ｍドット分で合計ｎ列
   分の画像データは、データ分配送信機によって前記各表
   示ユニットに無線伝送される。 （５）１つひとつの前記表示ユニットは、各ユニットを
   区別するためのユニットＩＤを設定する手段と、前記デ
   ータ分配送信機から送出される無線信号を受信して復調
   する手段と、復調信号中から前記ユニットＩＤに基づい
   て自ユニットに割り当てられた１列ｍドット分の画像デ
   ータを認知して取得する手段と、取得した１列ｍドット
   分の画像データをｍ個の前記各ランプに対応づけて一時
   記憶し、そのデータに従って前記各ランプを制御駆動す
   る手段とを備えている。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のコードレス型残像補間
   式スクロール表示システムを構成するための前記表示ユ
   ニットであって、棒状のハウジングに沿って直線状に一
   定間隔で配列されたｍ個のランプと、ユニットＩＤを設
   定する手段と、前記データ分配送信機から送出される無
   線信号を受信して復調する手段と、復調信号中から前記
   ユニットＩＤに基づいて自ユニットに割り当てられた１
   列ｍドット分の画像データを認知して取得する手段と、
   取得した１列ｍドット分の画像データをｍ個の前記各ラ
   ンプに対応づけて一時記憶し、そのデータに従って前記
   各ランプを制御駆動する手段とを備えたことを特徴とす
   る表示ユニット。
3. 【請求項３】 請求項２において、太陽電池パネルの出
   力を畜電して各部の電源として利用する系を含んだ電源
   装置が付帯していることを特徴とする表示ユニット。