JPH10266406A - 金属ネットで補強した耐火パネル - Google Patents
金属ネットで補強した耐火パネルInfo
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- JPH10266406A JPH10266406A JP7732197A JP7732197A JPH10266406A JP H10266406 A JPH10266406 A JP H10266406A JP 7732197 A JP7732197 A JP 7732197A JP 7732197 A JP7732197 A JP 7732197A JP H10266406 A JPH10266406 A JP H10266406A
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- Japan
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- metal net
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- fire
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 充填された樹脂発泡体を金属ネットで補強す
ることにより、耐火性を向上させた耐火パネルを得る。 【解決手段】 無機質難燃剤を配合した樹脂製発泡体1
の内部に金属ネット4を挿入し、樹脂製発泡体1の両面
を面板2,3で覆っている。金属ネット4としては、3
mm×3mm〜30mm×30mmの網目ピッチをもつ
平面状又は波形状の金属ネットが使用される。 【効果】 金属ネット4で樹脂製発泡体1が補強される
ため、炭化や亀裂の発生があっても脱落することが少な
くなり、長時間の耐火特性を呈する。
ることにより、耐火性を向上させた耐火パネルを得る。 【解決手段】 無機質難燃剤を配合した樹脂製発泡体1
の内部に金属ネット4を挿入し、樹脂製発泡体1の両面
を面板2,3で覆っている。金属ネット4としては、3
mm×3mm〜30mm×30mmの網目ピッチをもつ
平面状又は波形状の金属ネットが使用される。 【効果】 金属ネット4で樹脂製発泡体1が補強される
ため、炭化や亀裂の発生があっても脱落することが少な
くなり、長時間の耐火特性を呈する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板を面板とし、発
泡体を内部に充填した外観,強度,軽量性及び耐火性に
優れた耐火パネルに関する。
泡体を内部に充填した外観,強度,軽量性及び耐火性に
優れた耐火パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている耐火パネルとし
ては、発泡コンクリート製の軽量パネル,発泡合成樹脂
製の芯材を金属板でサンドイッチしたパネル,パーライ
ト等の発泡軽量骨材を配合した発泡合成樹脂製芯材を金
属板でサンドイッチしたパネル等がある。たとえば、N
a2 O,B2 O3 等を内面に施した金属板でポリイソシ
アヌレートフォームをサンドイッチしたパネル(特開昭
53−27223号公報),合成樹脂発泡層を芯材とし
ネット状耐火物,無機質耐火層,不燃性板等を積層した
サンドイッチパネル(特開昭55−90352号公
報),リン酸セメントフォームを面材の間に注入したサ
ンドイッチパネル(特開平6−136851号公報)等
が知られている。
ては、発泡コンクリート製の軽量パネル,発泡合成樹脂
製の芯材を金属板でサンドイッチしたパネル,パーライ
ト等の発泡軽量骨材を配合した発泡合成樹脂製芯材を金
属板でサンドイッチしたパネル等がある。たとえば、N
a2 O,B2 O3 等を内面に施した金属板でポリイソシ
アヌレートフォームをサンドイッチしたパネル(特開昭
53−27223号公報),合成樹脂発泡層を芯材とし
ネット状耐火物,無機質耐火層,不燃性板等を積層した
サンドイッチパネル(特開昭55−90352号公
報),リン酸セメントフォームを面材の間に注入したサ
ンドイッチパネル(特開平6−136851号公報)等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発泡コンクリート製の
パネルは、耐火性に優れているものの、かなりの重量物
であるため、施工に大型の機材を必要とする。また、コ
ンクリートが表面に露出しているので、施工後に仕上げ
塗装が必要とされること等から施工期間が長くなる。発
泡合成樹脂製の芯材をサンドイッチした金属パネルは、
軽量であるが、耐熱性及び耐火性に劣る。すなわち、火
炎で加熱されたときに金属板が膨らんで変形し、芯材に
割れが発生し、熱膨張で変形した金属板と樹脂との間の
隙間に割れた芯材が落ち込み易い欠点がある。また、発
泡軽量骨材を配合した芯材では、面材に対する接着強度
が局部的に低下し、パネルの曲げ強度が低下する。本発
明は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、金属ネット又は成形加工した金属ネットを挿入する
ことにより、炭化した場合でも芯材の割れや落下を抑
え、外観,強度,軽量性及び耐火性に優れた耐火パネル
を提供することを目的とする。
パネルは、耐火性に優れているものの、かなりの重量物
であるため、施工に大型の機材を必要とする。また、コ
ンクリートが表面に露出しているので、施工後に仕上げ
塗装が必要とされること等から施工期間が長くなる。発
泡合成樹脂製の芯材をサンドイッチした金属パネルは、
軽量であるが、耐熱性及び耐火性に劣る。すなわち、火
炎で加熱されたときに金属板が膨らんで変形し、芯材に
割れが発生し、熱膨張で変形した金属板と樹脂との間の
隙間に割れた芯材が落ち込み易い欠点がある。また、発
泡軽量骨材を配合した芯材では、面材に対する接着強度
が局部的に低下し、パネルの曲げ強度が低下する。本発
明は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、金属ネット又は成形加工した金属ネットを挿入する
ことにより、炭化した場合でも芯材の割れや落下を抑
え、外観,強度,軽量性及び耐火性に優れた耐火パネル
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の耐火パネルは、
その目的を達成するため、無機質難燃剤を配合した樹脂
製発泡体と、樹脂製発泡体の内部に挿入され、3mm×
3mm〜30mm×30mmの網目ピッチをもつ金属ネ
ットと、樹脂製発泡体の両面に貼り合わされた面板とを
備えていることを特徴とする。金属ネットとしては、平
面状の金属ネット又は波形状の金属ネットの何れを使用
しても良い。
その目的を達成するため、無機質難燃剤を配合した樹脂
製発泡体と、樹脂製発泡体の内部に挿入され、3mm×
3mm〜30mm×30mmの網目ピッチをもつ金属ネ
ットと、樹脂製発泡体の両面に貼り合わされた面板とを
備えていることを特徴とする。金属ネットとしては、平
面状の金属ネット又は波形状の金属ネットの何れを使用
しても良い。
【0005】
【実施の形態】本発明に従った耐火パネルは、図1の断
面構造に示すように樹脂製発泡体1を芯材として金属製
面板2と3との間に挟み込んでいる。金属製面板2,3
には、板厚0.2〜2.0mmの金属板が使用される。
具体的には、各種表面処理鋼板,Znめっき鋼板,Zn
−Alめっき鋼板,Alめっき鋼板,Cuめっき鋼板,
Al板,塗装Al板等がある。一般的には平坦な金属板
であるが、ロール成形機等でエンボス加工や曲げ加工を
施すことにより意匠性や強度を向上させた金属板を使用
することもできる。
面構造に示すように樹脂製発泡体1を芯材として金属製
面板2と3との間に挟み込んでいる。金属製面板2,3
には、板厚0.2〜2.0mmの金属板が使用される。
具体的には、各種表面処理鋼板,Znめっき鋼板,Zn
−Alめっき鋼板,Alめっき鋼板,Cuめっき鋼板,
Al板,塗装Al板等がある。一般的には平坦な金属板
であるが、ロール成形機等でエンボス加工や曲げ加工を
施すことにより意匠性や強度を向上させた金属板を使用
することもできる。
【0006】樹脂製発泡体1としては、ウレタンフォー
ム,イソシアヌレートフォーム,フェノールフォーム等
の発泡樹脂が使用される。なかでも、難燃性に優れたフ
ェノールフォーム樹脂発泡体が好ましい。フェノールフ
ォームは、レゾール樹脂系とノボラック樹脂系に分類さ
れるが、耐火パネル用の樹脂製発泡体1としてはレゾー
ル樹脂系が好ましい。発泡性樹脂には、フェノールスル
ホン酸,パラトルエンスルホン酸,キシレンスルホン
酸,ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸等の硬化
剤、石油エーテル,ナフサ,ペンタン,ヘキサン等の揮
発性石油類、塩化メチレン,四塩化炭素,トリクロルエ
タン,フロロトリクロロメタン,トリフロロトリクロロ
メタン等の低沸点炭化水素等の発泡剤、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル,ポリオキシエチレンソルビタンステアレ
ート,ポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンジメチルシリコン等の非イオン性界面
活性剤等の製泡剤が適宜添加される。
ム,イソシアヌレートフォーム,フェノールフォーム等
の発泡樹脂が使用される。なかでも、難燃性に優れたフ
ェノールフォーム樹脂発泡体が好ましい。フェノールフ
ォームは、レゾール樹脂系とノボラック樹脂系に分類さ
れるが、耐火パネル用の樹脂製発泡体1としてはレゾー
ル樹脂系が好ましい。発泡性樹脂には、フェノールスル
ホン酸,パラトルエンスルホン酸,キシレンスルホン
酸,ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸等の硬化
剤、石油エーテル,ナフサ,ペンタン,ヘキサン等の揮
発性石油類、塩化メチレン,四塩化炭素,トリクロルエ
タン,フロロトリクロロメタン,トリフロロトリクロロ
メタン等の低沸点炭化水素等の発泡剤、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル,ポリオキシエチレンソルビタンステアレ
ート,ポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンジメチルシリコン等の非イオン性界面
活性剤等の製泡剤が適宜添加される。
【0007】レゾール樹脂系フォームは、フェノール及
びホルムアルデヒドをアルカリ触媒の下で反応させて得
られたレゾール樹脂に発泡剤,製泡剤等を添加してレゾ
ール樹脂コンパウンドを調製し、前掲した硬化剤でレゾ
ール樹脂コンパウンドを発泡硬化させることにより製造
される。樹脂製発泡体1の製造に際し、結晶水を持った
粉末状の無機質難燃剤を樹脂コンパウンドに配合する。
無機質難燃剤としては、水酸化アルミニウム,水酸化マ
グネシウム,二水和石膏,ホウ砂,ホウ酸,ゼオライ
ト,リン酸アルミニウム等が使用される。添加された難
燃剤は、樹脂の熱分解温度近傍での熱分解に起因する吸
熱作用を呈し、また分解時に発生する多量の水蒸気等の
不燃性ガスによる希釈作用を発現させ、樹脂の燃焼を抑
制する。
びホルムアルデヒドをアルカリ触媒の下で反応させて得
られたレゾール樹脂に発泡剤,製泡剤等を添加してレゾ
ール樹脂コンパウンドを調製し、前掲した硬化剤でレゾ
ール樹脂コンパウンドを発泡硬化させることにより製造
される。樹脂製発泡体1の製造に際し、結晶水を持った
粉末状の無機質難燃剤を樹脂コンパウンドに配合する。
無機質難燃剤としては、水酸化アルミニウム,水酸化マ
グネシウム,二水和石膏,ホウ砂,ホウ酸,ゼオライ
ト,リン酸アルミニウム等が使用される。添加された難
燃剤は、樹脂の熱分解温度近傍での熱分解に起因する吸
熱作用を呈し、また分解時に発生する多量の水蒸気等の
不燃性ガスによる希釈作用を発現させ、樹脂の燃焼を抑
制する。
【0008】結晶水を持った粉末状無機質難燃剤は、所
定の耐火作用を得るために樹脂100重量部に対して5
重量部以上の割合で配合することが好ましい。難燃剤の
配合量が5重量部未満では耐火性が劣る。しかし、15
0重量部を超える多量の難燃剤が配合されると、レゾー
ル樹脂コンパウンドの液粘度が著しく上昇する。その結
果、発泡挙動に悪影響を及ぼし、樹脂が発泡しなくなる
虞れがある。樹脂製発泡体1は、金属ネット4が挿入さ
れて耐火芯材となる。金属ネット4は、耐火芯材の曲げ
強度を向上させると共に、加熱された樹脂製発泡体1が
分解収縮するときに発生し易い樹脂製発泡体1の割れを
抑制する。仮に樹脂製発泡体1が割れた場合でも、加熱
で膨らんだ耐火パネルの内部空間に割れた樹脂製発泡体
1が脱落することが防止される。
定の耐火作用を得るために樹脂100重量部に対して5
重量部以上の割合で配合することが好ましい。難燃剤の
配合量が5重量部未満では耐火性が劣る。しかし、15
0重量部を超える多量の難燃剤が配合されると、レゾー
ル樹脂コンパウンドの液粘度が著しく上昇する。その結
果、発泡挙動に悪影響を及ぼし、樹脂が発泡しなくなる
虞れがある。樹脂製発泡体1は、金属ネット4が挿入さ
れて耐火芯材となる。金属ネット4は、耐火芯材の曲げ
強度を向上させると共に、加熱された樹脂製発泡体1が
分解収縮するときに発生し易い樹脂製発泡体1の割れを
抑制する。仮に樹脂製発泡体1が割れた場合でも、加熱
で膨らんだ耐火パネルの内部空間に割れた樹脂製発泡体
1が脱落することが防止される。
【0009】金属ネット4は、両側の樹脂製発泡体1を
一体化し且つ樹脂製発泡体1を支持する上で、5mm×
5mm〜30mm×30mmピッチの網目をもつことが
必要である。5mm×5mm未満のピッチでは、金属ネ
ット4の両側にある樹脂製発泡体1が金属ネット4を境
として分離し易くなる。そのため、耐火パネルを持ち上
げ又は切断する等のハンドリング時に、樹脂製発泡体1
の間に挿入された金属ネット4を境として樹脂製発泡体
1が上下に割れ易く、耐火パネルの強度が低下する。逆
に30mm×30mmを超えるピッチでは、加熱により
発生する樹脂製発泡体1の割れを防止する作用が低下す
る。金属ネット4は、平坦(図1)でも、或いは成形加
工による波形ネット5(図2)でもよい。波形金属ネッ
ト5を樹脂製発泡体1に挿入すると、パネル厚みに対し
て垂直方向の割れは勿論、水平方向の割れも抑制する作
用が得られる。金属ネット4の挿入位置は、パネル内の
どこでも良いが、パネル厚み方向中央からパネル設置時
の表面までの間とすることが好ましい。
一体化し且つ樹脂製発泡体1を支持する上で、5mm×
5mm〜30mm×30mmピッチの網目をもつことが
必要である。5mm×5mm未満のピッチでは、金属ネ
ット4の両側にある樹脂製発泡体1が金属ネット4を境
として分離し易くなる。そのため、耐火パネルを持ち上
げ又は切断する等のハンドリング時に、樹脂製発泡体1
の間に挿入された金属ネット4を境として樹脂製発泡体
1が上下に割れ易く、耐火パネルの強度が低下する。逆
に30mm×30mmを超えるピッチでは、加熱により
発生する樹脂製発泡体1の割れを防止する作用が低下す
る。金属ネット4は、平坦(図1)でも、或いは成形加
工による波形ネット5(図2)でもよい。波形金属ネッ
ト5を樹脂製発泡体1に挿入すると、パネル厚みに対し
て垂直方向の割れは勿論、水平方向の割れも抑制する作
用が得られる。金属ネット4の挿入位置は、パネル内の
どこでも良いが、パネル厚み方向中央からパネル設置時
の表面までの間とすることが好ましい。
【0010】
実施例1:芯材として、レゾール樹脂(昭和高分子株式
会社製 BRL257Z)を使用した。レゾール樹脂1
00重量部に対し硬化剤(昭和高分子株式会社製 AR
L013)23重量部,水酸化アルミニウム60重量
部,硼酸60重量部をそれぞれ添加し、混合撹拌するこ
とにより発泡性樹脂コンパウンドを調製した。金属ネッ
ト4としては、径1mmのZnめっき線を10mm×1
0mmのピッチで平織したものを平面のまま使用した。
パネルの厚み方向中央部に金属ネット4が位置するよう
に、嵌合部をもつカラー鋼板製のパネル底板内に金属ネ
ットを挿入した。なお、嵌合部は、石膏6(図7)を注
入することにより強化した。次いで、発泡性樹脂コンパ
ウンドを充填し、上板で蓋をした。そして、60℃に1
5分加熱することにより、充填した樹脂を発泡させ、長
さ1500mm,幅600mm,厚み50mmの耐火パ
ネルを作製した。
会社製 BRL257Z)を使用した。レゾール樹脂1
00重量部に対し硬化剤(昭和高分子株式会社製 AR
L013)23重量部,水酸化アルミニウム60重量
部,硼酸60重量部をそれぞれ添加し、混合撹拌するこ
とにより発泡性樹脂コンパウンドを調製した。金属ネッ
ト4としては、径1mmのZnめっき線を10mm×1
0mmのピッチで平織したものを平面のまま使用した。
パネルの厚み方向中央部に金属ネット4が位置するよう
に、嵌合部をもつカラー鋼板製のパネル底板内に金属ネ
ットを挿入した。なお、嵌合部は、石膏6(図7)を注
入することにより強化した。次いで、発泡性樹脂コンパ
ウンドを充填し、上板で蓋をした。そして、60℃に1
5分加熱することにより、充填した樹脂を発泡させ、長
さ1500mm,幅600mm,厚み50mmの耐火パ
ネルを作製した。
【0011】実施例2:平面状の金属ネット4に替えて
波形状金属ネット5を使用する以外は、実施例1と同じ
方法で耐火パネルを作製した。波形状金属ネット5とし
ては、実施例1で用いた金属ネット4を図2に示すよう
に高さ45mmの直角二等辺三角形の連続した波形状に
成形したものを使用した。 比較例:平面状の金属ネット4又は波形金属ネット5を
挿入することなく、実施例1,2と同じ方法で耐火パネ
ルを作製した。
波形状金属ネット5を使用する以外は、実施例1と同じ
方法で耐火パネルを作製した。波形状金属ネット5とし
ては、実施例1で用いた金属ネット4を図2に示すよう
に高さ45mmの直角二等辺三角形の連続した波形状に
成形したものを使用した。 比較例:平面状の金属ネット4又は波形金属ネット5を
挿入することなく、実施例1,2と同じ方法で耐火パネ
ルを作製した。
【0012】得られた各耐火パネル数枚を相互に嵌合
し、図3に示すように組み立てた。そして、JIS A
1304「建築構造物の耐火試験法」に準拠して耐火試
験し、木材の炭化開始温度260℃を評価温度としてパ
ネル裏面側への到達温度を測定した。このとき、測定点
は、図3に示すように耐火パネルの裏面側ほぼ中央部に
設定した。平面状の金属ネット4を挿入した実施例1の
耐火パネルは、図4の裏面温度上昇曲線に示すように1
時間経過した時点でも裏面温度が100℃程度に止まっ
ており、耐火1時間の性能を持っていた。波形状金属ネ
ット5を挿入した実施例2の耐火パネルも、図5の裏面
温度上昇曲線に示すように1時間経過した時点でも裏面
温度が100℃程度に止まっており、耐火1時間の性能
を持っていた。これに対し、金属ネット4又は波形金属
ネット5を挿入しない比較例の耐火パネルは、図6の裏
面温度上昇曲線に示すように35分程度で裏面温度が2
60℃に到達し、耐火性が劣っていた。
し、図3に示すように組み立てた。そして、JIS A
1304「建築構造物の耐火試験法」に準拠して耐火試
験し、木材の炭化開始温度260℃を評価温度としてパ
ネル裏面側への到達温度を測定した。このとき、測定点
は、図3に示すように耐火パネルの裏面側ほぼ中央部に
設定した。平面状の金属ネット4を挿入した実施例1の
耐火パネルは、図4の裏面温度上昇曲線に示すように1
時間経過した時点でも裏面温度が100℃程度に止まっ
ており、耐火1時間の性能を持っていた。波形状金属ネ
ット5を挿入した実施例2の耐火パネルも、図5の裏面
温度上昇曲線に示すように1時間経過した時点でも裏面
温度が100℃程度に止まっており、耐火1時間の性能
を持っていた。これに対し、金属ネット4又は波形金属
ネット5を挿入しない比較例の耐火パネルは、図6の裏
面温度上昇曲線に示すように35分程度で裏面温度が2
60℃に到達し、耐火性が劣っていた。
【0013】耐火試験後の各パネルを解体し、パネル断
面の変形や芯材の変質を調査した。何れの耐火パネル
も、図7に示すように火炎に面した鋼板7が火炎側に膨
らんでいた。フェノールフォームは、炭化した芯材8と
なっており、膨らんだ火炎側鋼板7との間に隙間が生じ
ていた。比較例の耐火パネルでは、図7(c)に示すよ
うに上部の炭化したフェノールフォーム9が膨らんだ火
炎側鋼板7と炭化した芯材8との間に落下しており、上
部空間はほとんど空の状態であった。他方、実施例1及
び実施例2の耐火パネルでは、それぞれ図7(a),
(b)に示すように、金属ネット4又は波形金属ネット
5と裏面側の鋼板10との間では健全なフェノールフォ
ーム11及び炭化した芯材8が脱落しておらず、金属ネ
ット4又は波形金属ネット5で拘束されていた。また、
炭化した芯材8に発生した割れも少なかった。金属ネッ
ト4又は波形金属ネット5と火炎側の鋼板7との間にあ
ったフェノールフォームも、炭化した芯材8として金属
ネット4又は波形金属ネット5で拘束され、比較例と比
べるとフェノールフォームの脱落量が大幅に少なくなっ
ていた。この対比から明らかなように、金属ネット4又
は波形金属ネット5で補強された樹脂発泡体1は、断熱
層として優れた効果を発揮することが確認される。
面の変形や芯材の変質を調査した。何れの耐火パネル
も、図7に示すように火炎に面した鋼板7が火炎側に膨
らんでいた。フェノールフォームは、炭化した芯材8と
なっており、膨らんだ火炎側鋼板7との間に隙間が生じ
ていた。比較例の耐火パネルでは、図7(c)に示すよ
うに上部の炭化したフェノールフォーム9が膨らんだ火
炎側鋼板7と炭化した芯材8との間に落下しており、上
部空間はほとんど空の状態であった。他方、実施例1及
び実施例2の耐火パネルでは、それぞれ図7(a),
(b)に示すように、金属ネット4又は波形金属ネット
5と裏面側の鋼板10との間では健全なフェノールフォ
ーム11及び炭化した芯材8が脱落しておらず、金属ネ
ット4又は波形金属ネット5で拘束されていた。また、
炭化した芯材8に発生した割れも少なかった。金属ネッ
ト4又は波形金属ネット5と火炎側の鋼板7との間にあ
ったフェノールフォームも、炭化した芯材8として金属
ネット4又は波形金属ネット5で拘束され、比較例と比
べるとフェノールフォームの脱落量が大幅に少なくなっ
ていた。この対比から明らかなように、金属ネット4又
は波形金属ネット5で補強された樹脂発泡体1は、断熱
層として優れた効果を発揮することが確認される。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の耐火パ
ネルは、面板でサンドイッチされる樹脂製発泡体に平坦
又は波形の金属ネットを挿入し、芯材としての樹脂製発
泡体を補強している。そのため、火災時の加熱で火炎側
の面板が膨張して樹脂製発泡体との間に隙間を生じ、芯
材が炭化し割れた場合でも、炭化した芯材の脱落を抑制
している。また、炭化した芯材の割れ自体も抑制され
る。したがって、本発明の耐火パネルは、耐火時間が長
く、耐火性が要求される各種建築物や構造物の耐火性建
材として使用される。
ネルは、面板でサンドイッチされる樹脂製発泡体に平坦
又は波形の金属ネットを挿入し、芯材としての樹脂製発
泡体を補強している。そのため、火災時の加熱で火炎側
の面板が膨張して樹脂製発泡体との間に隙間を生じ、芯
材が炭化し割れた場合でも、炭化した芯材の脱落を抑制
している。また、炭化した芯材の割れ自体も抑制され
る。したがって、本発明の耐火パネルは、耐火時間が長
く、耐火性が要求される各種建築物や構造物の耐火性建
材として使用される。
【図1】 平面状の金属ネットを挿入した耐火パネル
【図2】 波形状の金属ネットを挿入した耐火パネル
【図3】 耐火試験に使用した複数の耐火パネルの組立
て形状
て形状
【図4】 平面状の金属ネットを挿入した耐火パネルの
耐火試験における裏面温度の上昇を示すグラフ
耐火試験における裏面温度の上昇を示すグラフ
【図5】 波形状の金属ネットを挿入した耐火パネルの
耐火試験における裏面温度の上昇を示すグラフ
耐火試験における裏面温度の上昇を示すグラフ
【図6】 金属ネットを挿入しない耐火パネルの耐火試
験における裏面温度の上昇を示すグラフ
験における裏面温度の上昇を示すグラフ
【図7】 平面状の金属ネットを挿入した耐火パネル
(a),波形状の金属ネットを挿入した耐火パネル
(b)及び金属ネットを挿入しない耐火パネル(c)を
耐火試験した後のパネル断面
(a),波形状の金属ネットを挿入した耐火パネル
(b)及び金属ネットを挿入しない耐火パネル(c)を
耐火試験した後のパネル断面
1:樹脂製発泡体 2,3:金属製面板 4:金属
ネット 5:波形金属ネット 6:嵌合部補強用の
石膏 7:火炎側の鋼板 8:炭化した芯材 9:脱落したフェノールフォーム 10:裏面側の鋼
板 11:健全なフェノールフォーム
ネット 5:波形金属ネット 6:嵌合部補強用の
石膏 7:火炎側の鋼板 8:炭化した芯材 9:脱落したフェノールフォーム 10:裏面側の鋼
板 11:健全なフェノールフォーム
Claims (2)
- 【請求項1】 無機質難燃剤を配合した樹脂製発泡体
と、樹脂製発泡体の内部に挿入され、3mm×3mm〜
30mm×30mmの網目ピッチをもつ金属ネットと、
樹脂製発泡体の両面に貼り合わされた面板とを備えてい
ることを特徴とする金属ネットで補強した耐火パネル。 - 【請求項2】 平面状の金属ネット又は波形状の金属ネ
ットを樹脂発泡体の内部に挿入している請求項1記載の
金属ネットで補強した耐火パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7732197A JPH10266406A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 金属ネットで補強した耐火パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7732197A JPH10266406A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 金属ネットで補強した耐火パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10266406A true JPH10266406A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13630681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7732197A Withdrawn JPH10266406A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 金属ネットで補強した耐火パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10266406A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6602611B1 (en) * | 1998-09-02 | 2003-08-05 | Daimlerchrysler Ag | Bonded multi-layer composite plates and a method for producing multi-layer composite plates |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP7732197A patent/JPH10266406A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6602611B1 (en) * | 1998-09-02 | 2003-08-05 | Daimlerchrysler Ag | Bonded multi-layer composite plates and a method for producing multi-layer composite plates |
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