JPH10266098A - 電気絶縁積層板原紙及び積層板 - Google Patents

電気絶縁積層板原紙及び積層板

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JPH10266098A
JPH10266098A JP7358297A JP7358297A JPH10266098A JP H10266098 A JPH10266098 A JP H10266098A JP 7358297 A JP7358297 A JP 7358297A JP 7358297 A JP7358297 A JP 7358297A JP H10266098 A JPH10266098 A JP H10266098A
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JP
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pulp
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xylanase
treatment
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JP7358297A
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Kenichiro Uematsu
謙一郎 植松
Junji Osawa
純二 大澤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁抵抗、耐熱性に優れた電気絶縁積層板原
紙を提供する。 【解決手段】 キシラナーゼ処理、その後の洗浄及び少
なくとも再度キシラナーゼ処理を施したパルプを原料と
して抄紙してなる電気絶縁積層板原紙。前記積層板原紙
に熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱成型してなる電気絶縁
積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、電気絶縁積層板に用いら
れる積層板原紙に関するものであり、特に寸法安定性、
反り等の積層板特性を損うことなく、耐熱性、絶縁抵抗
が良好な積層板を製造するのに用いられる積層板原紙に
関する。
【従来の技術】通常の積層板、特に電気絶縁用積層板
は、積層板原紙にフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂を含浸し、これを加熱乾燥して半硬化樹脂の
プリプレグにし、このプリプレグを複数枚積層し、金属
箔と共に熱圧成型することにより製造される。このよう
な積層板は比較的安価で、通常の電気或いは電子機器に
使用するための性能をほぼ満足しているため家庭用電気
製品を中心に広く使用されている。しかしながら、近年
の電気製品の軽薄短小化により、電気部品の実装密度が
高くなり、プリント配線板の導体パターンの細線化が進
んでいるため、プリント基板用積層板にはより高いレベ
ルの耐熱性、耐湿性、絶縁抵抗および寸法安定性などの
諸特性が要求されるようになって来ている。
【0002】プリント配線板の耐熱性、耐湿性および絶
縁抵抗を改良するために、原紙に要求される特性として
は、原紙中の残留イオンが少ないこと、熱硬化性樹脂の
含浸性が良好なことが挙げられる。かかる諸問題を解決
するために、無機イオン交換体を含有する樹脂ワニスを
使用する方法(特開平2-133442号公報、特開平5-162245
号公報)が知られているが、積層板原紙を使用した紙基
材フェノール樹脂積層板の場合は、積層板原紙が残留イ
オンを多量に含むパルプ繊維から製造されるものである
ため、根本的な解決にはならなかった。
【0003】一方、積層板の電気特性を改良するため
に、α−セルロース含有率を高くする方法(特開昭60-7
9952号公報)が提案されているが、その具体的手段とし
てアルカリ精製、アルカリ抽出工程を挟んで公知の漂白
剤によって高度の漂白を行なう、又は蒸解に先立って過
熱蒸気により前加水分解を行なう、又は後段で冷アルカ
リ精製を行なう手段をとっており、このような場合はα
−セルロース含有率を大幅に向上すると、繊維の屈曲が
大きくなり積層板の寸法安定性及び反りが悪化する欠点
がある。又、α−セルロース含有率の高いリンターパル
プを使用すると、絶縁抵抗が向上するが、リンターパル
プは繊維が著しく屈曲しているため、積層板の寸法安定
性及び反りが悪いという欠点があり、更に、リンターパ
ルプは綿実を原料としているため、原料供給が不安定で
しかも価格は高価で変動しやすく採用が難しかった。
【0004】近年、パルプ分野への酵素の利用が高まっ
ており、リパーゼによるピッチコントロール法(特公平
4-29794 号公報)、セルラーゼによる古紙の脱インキ法
(特公平3-57235 号公報)などの報告がある。又、未晒
パルプをヘミセルラーゼ処理すると、未晒パルプのリグ
ニン量が低下し、塩素段での塩素添加率を25%低減で
きることが知られている(Viikari.L ら、第3回紙パル
プ工業におけるバイオテクノロジーについての国際シン
ポジウム(1986))。酵素処理によるパルプ特性の
変化に関する報告としては、セルラーゼによるベッセル
ピック抑制法(特公平3-4672号公報)などが知られてい
る。
【0005】本発明に関するところである電気絶縁用積
層板原紙について酵素処理を応用した例として、特定の
酵素処理を含んだパルプ漂白方法を採用することによ
り、繊維を屈曲させることなくパルプ中のヘミセルロ−
スを低減させ、積層板の耐熱性、電気特性を向上せしめ
る方法(特開平6-287898号公報)が提案されている。し
かしながら、この方法をもって除去せしめることが可能
なヘミセルロ−スには限界があり、高まり続ける品質要
求に対応できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑みプリント配線板の耐熱性、耐湿性および絶縁
抵抗と原料物性の関係について種々検討した結果、ヘミ
セルロースの分解酵素であるキシラナーゼをパルプに添
加し処理したパルプ原料を一旦洗浄し、更なるキシラナ
ーゼ処理およびその後の洗浄を複数回施したパルプを原
料として抄造した積層板原紙を用いて得られる積層板の
寸法安定性と耐熱性が極めて優れていることを見出し、
本発明を完成させるに至った。 本発明の目的は、寸法
安定性、反り等の積層板特性を損うことなく、耐熱性が
良好な積層板を製造するに適した積層板原紙を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の態様を
含む。 〔1〕 キシラナーゼ処理、その後の洗浄及び少なくと
も再度キシラナーゼ処理を施したパルプを原料として抄
紙してなる電気絶縁積層板原紙。 〔2〕 〔1〕記載の積層板原紙に熱硬化性樹脂を含浸
させ、加熱成型してなる電気絶縁積層板。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、積層板原紙用のパル
プ原料にキシラナーゼ処理を施すことが重要である。即
ち、パルプにキシラナーゼを添加し処理することによ
り、パルプ繊維中のキシランを選択的に分解し、α−セ
ルロース含有率を高めることができる。α−セルロース
含有率が向上するということは、一般的には、γ−セル
ロース等の低分子量のセルロースの減少を意味するが、
本発明においては、キシラナーゼが繊維表面に再吸着し
たキシランを選択的に分解するため、積層板原紙の強
度、弾性率、積層板の寸法安定性や反り特性を維持した
状態でα−セルロース含有率を高めることが可能であ
る。
【0009】また本発明では、前述のキシラナーゼ処理
を複数回、それぞれの処理の間にパルプの洗浄を行いな
がら施すことが重要である。即ち、パルプに対して複数
回のキシラナーゼ処理を行うことにより、1回の処理で
は到達しがたい水準にまで効果的にα−セルロース含有
率を高めることができる。一般的に1回のキシラナーゼ
処理によってα−セルロース含有率を高める、すなわち
キシランの分解によって生じる還元糖の溶出量をより多
くする為には、パルプに対するキシラナーゼの添加率を
高くしたり、パルプとの接触時間を長くとるなどの方法
が用いられるが、これらの方法では還元糖の溶出量の増
加には限界があり、また酵素添加量の増加、接触時間が
長くなることによるコストアップが考えられるため、採
用することはできなかった。一方、前述したごとく、蒸
解法、晒法によりα−セルロース含有率を高めた場合も
積層板の絶縁抵抗を改良することができるが、これらの
方法によりα−セルロース含有率を十分高めた場合、繊
維全体からキシランが抽出分解されるためか積層板原紙
の強度低下、弾性率低下、積層板の寸法安定性や反り特
性の低下を招き採用できなかった。
【0010】本発明に使用されるキシラナーゼは、任意
の適当なキシラナーゼ生産微生物、例えば、キシラナー
ゼ産生菌を培養することによって採取される。上記微生
物は、天然産の菌体、又はその変異株でも良く、あるい
はキシラナーゼの生産を増大させるためにより一層純粋
なキシラナーゼ混合物(例えば実質的にセルラーゼを含
まないもの)を製造するため、遺伝子工学によって製造
された菌株、即ち組替え菌体株でも良い。キシラナーゼ
は培養液中に生産されたままのものでも良く、あるいは
その濃縮混合物としてでも良い。またキシラナーゼが更
に濃縮された混合物、又はキシラナーゼの乾燥物のいず
れから製造された混合物としてでも良い。
【0011】本発明のパルプのキシラナーゼ処理は、酵
素が均一にパルプと混ざるように、撹拌が必要であり、
低濃度ミキサー、中濃度ミキサーあるいはスタティック
ミキサーなどで、撹拌することが望ましい。酵素の添加
率は特に限定しないが、絶乾パルプ重量当たり0.2な
いし20キシラナーゼユニットが好ましく、より好まし
くは1ないし4キシラナーゼユニットである。キシラナ
ーゼの添加率が少ない場合は、キシランの分解が少ない
ため十分な効果が得られない恐れがあり、多くても効果
が飽和し、意味がない。
【0012】酵素の処理温度は、10ないし70℃、好
ましくは30ないし60℃であり、処理時のpHは3.
0ないし10.0、好ましくは4.0ないし6.0が良
い。パルプ濃度は、1%ないし30%、実機を想定する
と、好ましくは5%ないし15%である。キシラナーゼ
処理時間は特に限定しないが各回、2〜8時間程度であ
る。短いと必ずしも十分な効果が得られない恐れがあ
り、長くても効果が飽和してしまう。洗浄工程には少な
くとも、キシラナーゼ処理液を除く処理工程が含まれ
る。洗浄方法は例えばフィルター等による濾過を行い、
必要により更に水による洗浄と濾過を行う方法が挙げら
れる。洗浄を行うことにより系内のキシラナーゼ及び溶
出糖を系外に排出することができる。キシラナーゼ処理
の繰り返し回数も特に限定しないが、2〜3回程度が好
ましい。キシラナーゼ処理を繰り返し、糖の溶出量が初
回の半分以下になる程度の処理数が好ましい。
【0013】キシラナーゼ多段処理は、公知の酸素漂
白、塩素、アルカリ、次亜塩素酸及び二酸化塩素による
多段漂白の後段に施すか、又は抄紙直前のパルプに施し
ても良く、特に限定されるものではない。本発明の晒ク
ラフトパルプに使用される木材チップは、特に限定され
るものではなく、ミズナラ、シナノキ、イタヤカエデ、
ハリギリ、カツラ、ハルニレ、シラカンバ等の国内産
(特に、北海道産)広葉樹材か、又はユーカリ材、アカ
シア材等が使用できる。
【0014】積層板原紙に使用されるパルプは、上記の
ような広葉樹木材からの未叩解晒クラフトパルプ(LB
KP)が用いられるのが一般的である。用途によっては
積層板原紙の強度を高めるために針葉樹晒クラフトパル
プを配合したり、コスト低減を目的に未晒パルプを配合
したり、又、高白色度化のためにサルファイトパルプ
(SP)を用いることもできる。このようなパルプは公
知の抄紙機で抄紙され、得られる積層板原紙の密度は例
えば0.45〜0.55g/cm3 という低い水準のも
のである。尚,メラミン樹脂等の湿潤強度剤などの助剤
を適宜添加することもできる。
【0015】本発明の積層板原紙から積層板を製造する
ため、この積層板原紙に熱硬化性樹脂を含浸して乾燥
し、このようにして得られたプリプレグの2枚以上を積
層し、所定温度及び圧力により成型一体化することが行
われる。熱硬化性樹脂としては、一般に、レゾール型フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂が用いられるが、これ
に限定されることなく、その他の、例えば、通常のフェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアル
デヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂を挙げること
ができ、適宜選択して使用される。熱硬化される際の加
熱と加圧操作の条件は、熱硬化性樹脂の種類や量及び積
層体の構成、寸法等により変化するが、一般に150〜
180℃の温度、80〜120kg/cm2 の圧力で3
0〜60分間行われる。
【0016】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって何等
制限されるものではない。尚、実施例及び比較例中の%
は特に断らない限り重量%を表す。本発明で用いた溶出
還元糖量(全糖量)測定法、α−セルロース含有率測定
法、積層板の製造法、耐熱性、絶縁抵抗の評価法は次の
通りである。
【0017】〔溶出還元糖量測定法〕酵素処理を施した
パルプ懸濁液を濾過し、採取した濾液に過剰量の80%
フェノ−ル液を加え、濃硫酸を速やかに滴下した後、1
0分間放置する。放置後20〜30℃の水浴中にて10
〜20分保った後、480nmの波長の吸光度を測定す
ることにより、濾液中の糖濃度を定量する。
【0018】〔α−セルロース含有率測定法〕温度20
℃の17.5%NaOHで、繊維をあらかじめ膨潤させ
た後、8.75%NaOHで5分間β−セルロース、γ
−セルロースを抽出し、残留したα−セルロースフラク
ションを乾燥秤量し、下記式によりα−セルロース含有
率αを求める。 α(%)=(Fα/W)×100 Fα:α−セルロースフラクションの重量 W :元のパルプ重量
【0019】〔積層板の作製法〕積層板の製造法は、積
層板原紙に、市販水溶性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBRL−2854:昭和高分子(株)製)を含浸
し、乾燥機で乾燥することにより、樹脂と基材の比率が
15:85の一次プリプレグを作製し、次にこの一次プ
リプレグに市販の油変性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBLS−3122:昭和高分子(株)製)を含浸
し、乾燥して、水溶性フェノール樹脂と油変性フェノー
ル樹脂の両方を合せた樹脂と基材の比率が50:50の
プリプレグを製造した。次にプリプレグを8枚重ね、1
65℃、100kg/cm2 、60分間加圧成型するこ
とによって、フェノール樹脂積層板を得た。 〔耐熱性、絶縁抵抗の評価法〕JIS−C6481に準
ずる方法で測定を行った。
【0020】実施例に用いたパルプの製造方法及びキシ
ラナーゼ処理方法は次の通り。 (1)チップ材種 チップ材種としては、国内産広葉樹の混合材を使用し
た。 (2)未晒パルプ 蒸解条件:4リットルオートクレーブ、クラフト白液
(硫化度29%)、液比4.5、最高温度167℃、保
持時間90分、絶乾チップ当たりのアルカリ添加率1
7.0%(Na2 Oとして)で、カッパー価が18.0
の未晒パルプを得た。 (3)晒パルプ 公知のC−E−H−Dの4段漂白法によりパルプのハン
ターによる白色度が89.0±1.0%の範囲内にある
ように次亜塩素酸ソーダの添加率を変え、実験室におい
てポリエチレン袋にパルプを入れ、次に述べる条件で漂
白した。 塩素段C:Cl2 添加率=未晒パルプのカッパー価×
0.2%、温度常温、時間60分、パルプ濃度4% アルカリ抽出段E:NaOH添加率=未晒パルプのカッ
パー価×0.1%、温度60℃、時間90分、パルプ濃
度10% 次亜塩素酸ソーダ段H:次亜塩素酸ソーダ添加率=絶乾
未晒パルプ当たり2.0%、温度40℃、時間120
分、パルプ濃度10% 二酸化塩素段D:二酸化塩素添加率=絶乾未晒パルプ当
たり0.4%、温度75℃、時間120分、パルプ濃度
10%。
【0021】(4)キシラナーゼ処理 晒パルプをポリエチレン袋に取り、パルプ濃度を10%
になるようにイオン交換水にて調成した後、市販のキシ
ラナーゼを有する混合液(商品名:イルガザイム10A
×4、供給元:チバガイギー社製)を、絶乾パルプ重量
当たり、所定量添加し、十分にミキサーで撹拌した(攪
拌時間2分30秒)後、45℃で3時間保持した。反応
終了後、パルプを袋から取り出し、吸引濾過器で濾過洗
浄し、遠心脱水した。多段処理を行う場合は、洗浄後の
パルプを上記の要領で所定の回数キシラナ−ゼ処理を繰
り返した。
【0022】実施例1 8,000ユニット/mlの活性(市販のキシランを基
質として、還元糖の定量法によるキシラナーゼ活性を測
定)をもつ市販のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.025%の添加率で添加し、上記の要領でキシ
ラナーゼ処理を2回施し、処理パルプ濾液中の溶出全糖
量を測定した。このときの溶出全糖量は1回目の処理濾
液中の溶出全糖量と2回目の処理濾液中の溶出全糖量の
累計で表すこととする。処理後のパルプを抄紙原料とし
て、メラミン樹脂(商品名スミレッツAC8:住友化学
(株)製)を対パルプ1%内添し、坪量125g/
2 、密度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造し
た。この積層板原紙のα−セルロース含有率を測定し
た。又、この積層板原紙から積層板を作製し、絶縁抵
抗、半田耐熱性の評価を行った。
【0023】実施例2 実施例1と同様のキシラナーゼ0.025%添加による
処理を3回施したパルプを抄紙原料として、メラミン樹
脂を対パルプ1%内添し、坪量125g/m2、密度
0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。3回のキ
シラナ−ゼ処理のパルプ濾液中の累計溶出全糖量および
この積層板原紙のα−セルロース含有率を測定した。
又、この積層板原紙から積層板を作製し、絶縁抵抗、半
田耐熱性の評価を行った。
【0024】実施例3 1回目の処理を実施例1と同様のキシラナーゼ0.01
5%添加、2回目の処理を実施例1と同様のキシラナー
ゼ0.025%添加により行ったパルプを抄紙原料とし
て、メラミン樹脂を対パルプ1%内添し、坪量125g
/m2 、密度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造し
た。処理パルプ濾液中の累計溶出全糖量およびこの積層
板原紙のα−セルロース含有率を測定した。又、この積
層板原紙から積層板を作製し、絶縁抵抗、半田耐熱性の
評価を行った。
【0025】実施例4 1回目の処理を実施例1と同様のキシラナーゼ0.02
5%添加、2回目の処理を実施例1と同様のキシラナー
ゼ0.015%添加により行ったパルプを抄紙原料とし
て、メラミン樹脂を対パルプ1%内添し、坪量125g
/m2 、密度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造し
た。処理パルプ濾液中の累計溶出全糖量およびこの積層
板原紙のα−セルロース含有率を測定した。又、この積
層板原紙から積層板を作製し、絶縁抵抗、半田耐熱性の
評価を行った。
【0026】比較例1 キシラナーゼ処理を施さずに、実施例1と同様の方法で
坪量125g/m2 、密度0.50g/cm3 の積層板
原紙を抄造した。パルプ濾液中の全糖量およびこの積層
板原紙のα−セルロース含有率を測定した。又、この積
層板原紙から積層板を作製し、絶縁抵抗、半田耐熱性の
評価を行った。 比較例2 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.005%の添加率で添加し、キシラナーゼ処理
を施した。処理後のパルプを抄紙原料として、実施例1
と同様の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/
cm3 の積層板原紙を抄造した。処理パルプ濾液中の累
計溶出全糖量およびこの積層板原紙のα−セルロース含
有率を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価を行った。
【0027】比較例3 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.015%の添加率で添加し、キシラナーゼ処理
を施した。処理後のパルプを抄紙原料として、実施例1
と同様の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/
cm3 の積層板原紙を抄造した。処理パルプ濾液中の累
計溶出全糖量およびこの積層板原紙のα−セルロース含
有率を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価を行った。 比較例4 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.025%の添加率で添加し、キシラナーゼ処理
を施した。処理後のパルプを抄紙原料として、実施例1
と同様の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/
cm3 の積層板原紙を抄造した。処理パルプ濾液中の累
計溶出全糖量およびこの積層板原紙のα−セルロース含
有率を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価を行った。
【0028】比較例5 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.100%の添加率で添加し、キシラナーゼ処理
を施した。処理後のパルプを抄紙原料として、実施例1
と同様の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/
cm3 の積層板原紙を抄造した。処理パルプ濾液中の累
計溶出全糖量およびこの積層板原紙のα−セルロース含
有率を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価を行った。
【0029】比較例6 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.150%の添加率で添加し、キシラナーゼ処理
を施した。処理後のパルプを抄紙原料として、実施例1
と同様の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/
cm3 の積層板原紙を抄造した。処理パルプ濾液中の累
計溶出全糖量およびこの積層板原紙のα−セルロース含
有率を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価を行った。
【0030】比較例7 実施例1と同様のキシラナーゼを、絶乾パルプ重量に対
して0.05%の添加率で添加し、処理時間を6時間と
してキシラナーゼ処理を施した。処理後のパルプを抄紙
原料として、実施例1と同様の方法で坪量125g/m
2 、密度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。
処理パルプ濾液中の累計溶出全糖量およびこの積層板原
紙のα−セルロース含有率を測定した。又、この積層板
原紙から積層板を作製し、絶縁抵抗、半田耐熱性の評価
を行った。
【0031】実施例および比較例で得られた結果を表1
に示す。表1から明らかなように、キシラナーゼ多段処
理したパルプを原料として抄紙することを特徴とする本
発明の積層板原紙から製造される積層板は、単段処理し
たものに比べて、非常に効果的に積層板原紙の絶縁抵抗
および耐熱性を改良することが可能である(実施例1〜
4)。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は、キシラナ−ゼ単段処理したも
のに比べて、効率的に処理効果を得ることができ、積層
板原紙の絶縁抵抗および耐熱性を改良することが可能な
積層板原紙を提供するという効果を奏する。従って、そ
の工業的意義は極めて大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キシラナーゼ処理、その後の洗浄及び少
    なくとも再度キシラナーゼ処理を施したパルプを原料と
    して抄紙してなる電気絶縁積層板原紙。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層板原紙に熱硬化性樹
    脂を含浸させ、加熱成型してなる電気絶縁積層板。
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JP (1) JPH10266098A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018204158A (ja) * 2017-06-09 2018-12-27 王子ホールディングス株式会社 リグノセルロース系原料からの溶解パルプの製造方法

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