JPH10265672A - 常温施工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法 - Google Patents

常温施工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法

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JPH10265672A
JPH10265672A JP7213397A JP7213397A JPH10265672A JP H10265672 A JPH10265672 A JP H10265672A JP 7213397 A JP7213397 A JP 7213397A JP 7213397 A JP7213397 A JP 7213397A JP H10265672 A JPH10265672 A JP H10265672A
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emulsifier
emulsion
asphalt
decolorized
weight
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JP7213397A
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Kyoji Onishi
教司 大西
Izuru Sakamoto
出 坂本
Takashi Fujita
巍 藤田
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Fuji Kosan Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大規模な加熱混合プラントを必要とせず、簡
易なミキサーで常温にて混合が出来、小規模な施工に対
応し得る省エネルギー型のカラー舗装、自然色舗装の常
温施工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 脱色アスファルトの乳化剤を含む常温施
工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法であり、
脱色アスファルトが石油樹脂、軟化剤、ゴム・樹脂熱可
塑性エラストマーを含み、乳化剤が、アルキルアミンの
中和塩型乳化剤、4級化アンモニウム塩型カチオン系乳
化剤およびポリオキシアルキレンエーテル型ノニオン系
乳化剤からなる群から選択されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温施工用脱色ア
スファルト乳剤、特にカラー舗装や自然色舗装の常温混
合、常温施工を目的とした常温施工用脱色アスファルト
乳剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脱色アスファルトを用いたカラー
舗装、自然色舗装は、脱色アスファルトと骨材とを事前
に加熱し、それをアスファルト混合プラントに入れ、1
40℃から180℃の温度で加熱混合し、それを施工現
場に搬送して温度の高い条件で施工するのが常である。
このため、脱色アスファルトは、高温の熱履歴を受け物
理性状の低下や色相変化を起こし、舗装強度の低下、カ
ラー舗装、自然色舗装の目的を損なう事態がしばし発生
している。また、脱色アスファルトを使用したカラー舗
装、自然色舗装の需要は、車道より、むしろイベント会
場や並木道などの歩道が多く、これらの場合には施工面
積は車道と比べてはるかに小さく、使用される脱色アス
ファルトの使用量が数キロから数トンオーダーと少ない
ため、加熱タンクローリーの供給では持ち帰りなどの無
駄がありコストが高くつくものとなっている。
【0003】さらに、加熱タンクローリーでは、温度を
保持したまま遠隔地や離島などに供給することが困難な
ため、これまでは殆ど供給されていないのが実情であ
る。一方、天然アスファルト、ストレートアスファルト
やブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト(例え
ば、プロパン脱瀝アスファルト)などの石油アスファル
ト、これら石油アスファルトにゴムや高分子物質などを
混合した改質アスファルトなどのアスファルト乳剤で
は、色彩の自由度の高いカラー舗装、自然色舗装が到底
望めず、たとえカラー化がなし得たとしても顔料などの
高価な材料を多く混合しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は脱色
アスファルトを乳剤化することにより、大規模な加熱混
合プラントを必要とせず、簡易なミキサーを使用して常
温で混合が出来、かつ、小規模な施工に対応し得る省エ
ネルギー型のカラー舗装、自然色舗装の常温施工用脱色
アスファルト乳剤およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らは鋭意研究の結果、カラー舗装、自然色舗装
用の常温施工用脱色アスファルト乳剤を開発したもので
ある。すなわち、本発明は、以下の常温施工用脱色アス
ファルト乳剤およびその製造法方法を提供する。
【0006】1)脱色アスファルトの乳化剤を含むこと
を特徴とする常温施工用脱色アスファルト乳剤。 2)脱色アスファルトが石油樹脂、軟化剤、ゴム・樹脂
熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする前記1に
記載の常温施工用脱色アスファルト乳剤。 3)乳化剤が、アルキルアミンの中和塩型乳化剤、4級
化アンモニウム塩型カチオン系乳化剤、およびポリオキ
シアルキレンエーテル型ノニオン乳化剤からなる群から
選択される前記1または2に記載の常温施工用脱色アス
ファルト乳剤。
【0007】4)脱色アスファルトを加熱溶融し、加温
した水に乳化剤を加えて得た乳化液を前記溶融脱色アス
ファルトに添加し、所望によりさらに安定剤を加えて混
合した後、機械的に乳化させることを特徴とする常温施
工用脱色アスファルト乳剤の製造方法。 5)脱色アスファルト50.0〜72.0重量部を加熱溶融し、
加温した水27.5〜49.5重量部に乳化剤0.5〜5.0重量部
(固形分として0.3〜5.0重量部)加えた乳化液とし(各
成分の総和は100重量部である。)を前記溶融脱色ア
スファルトに添加し、さらに安定剤を0.50重量部まで加
えて混合し、機械的に乳化させる前記4に記載の常温施
工用脱色アスファルト乳剤の製造方法。 6)前記4または5に記載の方法によって得られる常温
施工用脱色アスファルト乳剤。
【0008】以下さらに詳しく本発明を説明する。本発
明の常温施工用脱色アスファルト乳剤は、基本的には脱
色アスファルトを常温混合が出来る乳剤としたものであ
る。ここで、脱色アスファルトとは、石油樹脂と軟化剤
および熱可塑性エラストマーを主成分とする溶融混合物
であり、外観は淡黄色から暗緑色までの色相のものがあ
る。物理性状は、石油アスファルトと同等の性状であ
り、施工法も同様に取り扱える舗装用結合材としたもの
である。
【0009】脱色アスファルトに含まれる石油樹脂の例
としては、石油、石炭および/または天然物を原料とす
る分子量が200〜3000の物質であり、脂肪族、芳香族
および/または環状化合物の単独、またはこれらにフェ
ノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン
などのフェノール類を加えてフリーデル−クラフツ型触
媒により重合させた分子量が上記範囲にある石油樹脂、
クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、あるいはC1
〜C3のアルキル基1〜6個で置換された、もしくは無
置換の共役二重結合を有する五員環化合物および/また
はそのディールス−アルダー付加物の単独重合体もしく
は上記五員環化合物等と一価もしくは多価のアルキル基
置換もしくは無置換のフェノールとの共重合体であるシ
クロペンタジエン樹脂のような石炭系樹脂、テルペン樹
脂や各種脂肪酸エステルのような天然樹脂が含まれる。
さらには、これらの樹脂を水素化して得られる脂肪族系
の樹脂も含まれる。
【0010】また、脱色アスファルトに含まれる軟化剤
の例としては、例えば高沸点のパラフィン系炭化水素留
分、芳香族炭化水素留分など、引火点が240℃以上、
典型的には260℃以上で、動粘度(40℃)が100
mm2/s以上、典型的には300mm2/s以上である
重質鉱油が挙げられる。
【0011】脱色アスファルトに含まれる熱可塑性エラ
ストマーの具体例としては、スチレンとブタジエンやイ
ソプレンなどの共役ジエンとのブロック共重合体および
その部分水素化物が挙げられる。具体的には、SBS
(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロツ
ク共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン/ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体)などが挙げられる。典
型的には分子量が80000以上、ポリスチレン含有量が1
0〜50wt%、比重0.9以上のものが用いられる。
【0012】その他の熱可塑性エラストマーとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレ
ン、ブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体およ
びエチレンなどのオレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸
エチルなどの極性モノマーとの共重合体などが挙げられ
る。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−アク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−酢酸ビ
ニル共重体などが挙げられる。典型的には、密度が0.88
〜0.91g/cm3、メルトインデックスが0.1〜50のも
のが用いられる。
【0013】脱色アスファルトは、通常、上記樹脂(3
0〜60wt%)と上記軟化剤(35〜65wt%)を
混合し、さらに上記熱可塑性エラストマー(0.5〜7.0w
t%)を添加することにより得られる。これにより針入
度40〜120、軟化点40〜80のアスファルトと同
様の物性を達成することができる。なお、以上は典型例
を説明したものであって、上記の組成から外れるもので
あっても、また、ナフテン酸、マレイン酸、界面活性剤
その他の添加剤を含むものであっても、本願発明の適用
対象となる。なお、これらの脱色系アスファルトについ
ての詳細は、例えば特公昭49-17020号や特開平4ー1258
号、特開平4-100862号の各公報に記載されている。
【0014】本発明で使用される代表的なアルキルアミ
ンの中和塩型カチオン系乳化剤としては、一般式(1) R1−NH2 (1) (式中、R1はC11〜20の飽和または不飽和脂肪族
単価水素基である。)で示される第一級アルキルアミ
ン、
【0015】一般式(2) (式中、R1は前記と同じ意味を表わし、R2はC1〜4
の低級アルキル基である。)で示される第二級アルキル
アミン、
【0016】一般式(3) (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表わし、R3
はR2と同種または異種のC1〜4の低級アルキル基で
ある。)で示される第三級アルキルアミンを無機酸また
は有機酸(HX)で中和した、次の一般式(4)〜
(6)で示されるアルキルアミンの中和塩型のカチオン
乳化剤である。
【0017】 (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)、
【0018】 (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)、
【0019】 (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)。
【0020】代表的なアルキルアミンの中和塩型カチオ
ン乳化剤としては、次の一般式(7) (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される
第一級アミンの塩酸塩、
【0021】一般式(8) (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される
第二級アミンの酢酸塩、
【0022】一般式(9) (式中の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される
第三級アミンの臭化水素酸塩などが使用でき、特に第2
級アミンのR2がプロピル基であるアルキルプロピレン
ジアミン、第3級アミンのR2およびR3がメチル基であ
るジメチルアルキルアミンの酢酸塩などが好ましく使用
できる。
【0023】また、アルキルアミンの四級化アンモニウ
ム塩型カチオン乳化剤の代表例としては、前記一般式
(3)で示される第3級アルキルアミンと、アルキル化
剤、例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、ベ
ンジルクロライド、長鎖アルキルクロライド(RCl:
Rは長鎖アルキル基)、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、
エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド等と反応して
得られる、次の一般式(10)
【0024】 で示されるアルキルアミンの第4級化アンモニウム塩型
カチオン乳化剤である。
【0025】アルキルアミンの第4級化アンモニウム塩
の代表的な例としては以下のものが挙げられる(式中の
記号は、前記と同じ意味を表わす。)。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】特に、R2およびR3がメチル基であるジメ
チルアルキルアミン、ジメチルアルキルジアミンの4級
化アンモニウム塩型などが好ましく使用できる。本発明
で使用される代表的なポリオキシアルキレンエーテル型
ノニオン系乳化剤としては、例えば高級アルコール(R
OH:Rは長鎖アルキル基)、アルキルフェノール(R
464OH:R4はアルキル基)、オレイン酸、高級脂
肪族アミン(RNH2:Rは長鎖アルキル基)、脂肪族
アミド(R4CONH2:R4はアルキル基)等の疎水性
基を有する原料化合物に、一般式(19)
【0034】 (式中、AはHまたはCH3である。)で示されるアル
キレンオキサイドを付加させて得られる下記の一般式
(20)〜(26)で示される化合物が挙げられる。
【0035】ポリオキシエチレンアルキルエーテル系: R5O(C24O)nH (20)
【0036】ポリオキシプロピレンポリオキシエチレン
アルキルエーテル系:
【0037】ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル系: R6−C64−O(C24O)nH (22) (一般式(20)〜(22)中、R5はC12〜24の
アルキル基、R6はC8〜9の飽和または不飽和脂肪族
炭化水素、アルキレンオキサイドの付加モル数n及びm
は、各々独立したものであって、5〜100である。)
【0038】ポリオキシエチレンアルキルエステル系: R7COO(C24O)nH (23) (式中、R7はC11〜23の飽和または不飽和脂肪族
炭化水素、エチレンオキサイドの付加モル数nは5〜1
00である。)
【0039】ポリオキシエチレンアルキルアミン系: (式中、R8はC12〜18の飽和または不飽和脂肪族
炭化水素、エチレンオキサイドの付加モル数nは5〜5
0である。)
【0040】ポリオキシエチレンアルキルアマイド系: (式中、R9はC11〜24の飽和または不飽和脂肪族
の炭化水素、エチレンオキサイドの付加モル数nは5〜
50である。)
【0041】ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
縮合系: (式中、m1およびm2はエチレンオキサイドの付加モ
ル数、nはプロピレンオキシドの付加モル数であり、m
1+n+m2=20〜100、nは15〜50であ
る。)。
【0042】これらの中でも一般式(20)および(2
1)で示されるポリオキシアルキレンエーテル型ノニオ
ン乳化剤、および一般式(22)で示されるポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル系が好ましく、一般
式(22)で示されるポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル系が特に好ましい。上記のアルキルアミン
の中和塩型乳化剤、アルキルアミンの四級化アンモニウ
ム塩型カチオン乳化剤およびポリオキシアルキレンエー
テル型ノニオン乳化剤は単独または混合して使用するこ
とができる。
【0043】
【製造方法】本願発明の常温施工用脱色アスファルト乳
剤の製造方法を以下に具体的に説明する。まず、脱色ア
スファルト(針入度40〜120)の50.0〜72.0重量部
を120〜170℃に加熱溶融する。次に、40〜70
℃に加温した水道水27.5〜49.5重量部に乳化剤として、
例えば、ジメチルアルキルアミンの4級化アンモニウム
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を
0.5〜5.0重量部(固形分として0.3〜5.0重量部)の範囲
に加えて乳化液とする(各成分の総和は100重量部で
ある。)。これを前記した脱色アスファルトに添加し混
合する。必要に応じてこれに安定剤として、例えば天然
セルロースを原料とした高分子化合物水溶液を0.05〜0.
50重量部を加え混合する。
【0044】そして、上記のように作製された脱色アス
ファルト50.0〜72.0重量部と乳化液50.0〜38.0重量部と
の混合物(両者の総量は100重量部である。)をホモ
ジナイザー、ホモミキサー、またはコロイドミル等で機
械的に乳化させ常温施工用脱色アスファルト乳剤を作製
する。
【0045】上記した常温施工用脱色アスファルト乳剤
の作製において、脱色アスファルトに対する水道水の配
合量は27.5〜49.5重量%、好ましくは29.0〜45.0重量%
である。配合量が27.5重量%であると作製される常温施
工用脱色アスファルト乳剤の乳剤エングラー度(乳剤粘
度)が大きくなり、乳剤の分解時間が長くなる。配合量
が49.5重量%以上であるとエングラー度(乳剤粘度)が
小さいが貯蔵安定性が悪くなる。
【0046】本発明のカチオン型乳化剤としては、飽和
または不飽和脂肪族炭化水素基であるR1の炭素数が1
1〜20、R2およびR3がメチル基であるジメチルアル
キルアミン、ジメチルアルキルジアミンなどの酢酸塩お
よび4級化アンモニウム塩型が好ましい。
【0047】本発明のノニオン型乳化剤としては、飽和
または不飽和脂肪族炭化水素基であるR1の炭素数が8
〜9、アルキレンオキサイドの付加モル数が5〜100
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系が好
ましい。
【0048】脱色アスファルトに対する乳化剤の配合量
は、0.2〜7.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%であ
る。配合量が0.2重量%以下であると作製される常温施
工用脱色アスファルト乳剤の貯蔵安定性が悪く、配合量
が7.0重量%以上であると作製される常温施工用脱色ア
スファルト乳剤のエングラー度(乳剤粘度)が大きくな
り乳剤の分解時間が長くなる。
【0049】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。なお、実施例および比較例中の
部および%は、特に断りのないかぎり重量基準である。
なお、実施例および比較例で調製した乳剤の特性(エン
グラー度、貯蔵安定性、分解時間、起泡性、蒸発残留物
質量、蒸発残留物の針入度)の評価方法は下記の通りで
ある。
【0050】1)エングラー度(JIS K2208) 25℃の試料50mlがエングラー計から流出する時間
と同量の蒸留水がエングラー計から流出する時間とを測
定し、その比をエングラー度として求めた。値が小さい
ほど粘性が低い。エングラー度が15を越える場合は、
セイボルトフロール秒試験法(JIS K2208)によって測
定し、その結果をエングラー度に換算した。
【0051】2)貯蔵安定性(24時間)重量%(JIS
K 2208) JIS K 2839の図番号5に規定するシリンダーに試料を2
50mlはかり採り、ゴム栓をして24時間室温に静置
した後、上部取り出し口と下部取出し口から各々の試料
50gを蒸発残留分試験容器(容量250ml、内径8
0mm、高さ50mm、壁厚1mmのアルミニウム製)
に採り、これを電熱器上でヘラで混ぜながら30分加熱
し、水分がなくなった後、蒸発残留物の質量をはかり、
シリンダー上部の蒸発残留物%と下部の蒸発残留物%と
の差で表わす。小さいほど貯蔵安定性が良い。
【0052】3)分解時間 水洗後乾燥処理した5号砕石を試料に1分間浸けた後、
ガラス板に置き、骨材表面に付着した試料が分解して透
明感のある皮膜が生成するまでの時間を分解時間とし
た。
【0053】4)起泡性 乳化中の泡だちが少ないか、乳化後の消泡性か良いかを
以下の評価基準で判定した。 ○……乳化中の泡立ちが少ない、 △……若干泡立つが乳化後の消泡が速い、 ×……泡立ちが多く乳化後の消泡が遅い。
【0054】5)蒸発残留物質量%(JIS K 2208) 容量1500ml直径180mm、高さ60mm、壁厚1m
mの金属製の試料容器に試料300gを採取し、これを
電熱器上でへラで混ぜなから30分加熱し、水分がなく
なった後蒸発残留物の質量をはかり、試料に対する質量
百分率%として求めた。
【0055】6)蒸発残留物の針入度(JIS K2207) 5)によって得られた蒸発残留物に規定の針が一定時間
内に進入する長さをJIS K2207に従って測定した。
【0056】実施例1〜6 表1に示した成分および配合割合で、130℃に加熱溶
融した脱色アスファルトと70℃に加温した水道水に乳
化剤を添加し混合した乳化液とをプロペラミキサーで混
合した後、ホモジナイザーに通過させ常温施工用脱色ア
スファルト乳剤を連続的に調製した。この乳剤の評価は
表2に示すとおり、50〜70%濃度の常温施工用脱色
アスファルト乳剤が得られた。乳剤のエングラー度は、
小さい値であり貯蔵安定性の良好な実用上有用な常温施
工用脱色アスファルト乳剤が得られた。
【0057】比較例7〜10 表1に示した成分および配合割合で、130℃に加熱溶
融した脱色アスファルトと70℃に加温した水道水に乳
化剤を添加し混合した乳化液とをプロペラミキサーで混
合した後、ホモジナイザーに通過させ、常温施工用脱色
アスファルト乳剤を連続的に調製した。この乳剤の評価
を表2に示した。比較例7はエングラー度が180と大
きく流動性に欠け、貯蔵安定度が3.6%と大きく、上下
の分離が早く安定性に欠ける乳剤であった。比較例8は
エングラー度が290と非常に大きく流動性に欠け、取
り扱いが困難な乳剤となった。比較例9はゲル状になり
流動性の無い乳剤となった。比較例10はエングラー度
が360と非常に大きく流動性に欠け、取り扱いが困難
な乳剤となった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明により、常温で取扱いが容易な脱
色アスファルト乳剤をつくることができ、小規模な施工
に対応し得る省エネルギー型のカラー舗装、自然色舗装
の常温施工用脱色アスファルト乳剤として利用される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱色アスファルトの乳化剤を含むことを
    特徴とする常温施工用脱色アスファルト乳剤。
  2. 【請求項2】 脱色アスファルトが、石油樹脂、軟化
    剤、熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求
    項1に記載の常温施工用脱色アスファルト乳剤。
  3. 【請求項3】 乳化剤が、アルキルアミンの中和塩型乳
    化剤、4級化アンモニウム塩型カチオン系乳化剤および
    ポリオキシアルキレンエーテル型ノニオン系乳化剤から
    なる群から選択される請求項1または2に記載の常温施
    工用脱色アスファルト乳剤。
  4. 【請求項4】 脱色アスファルトを加熱溶融し、加温し
    た水に乳化剤を加えて得た乳化液を前記溶融脱色アスフ
    ァルトに添加し、所望によりさらに安定剤を加えて混合
    した後、機械的に乳化させることを特徴とする常温施工
    用脱色アスファルト乳剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 脱色アスファルト50.0〜72.0重量部を加
    熱溶融し、加温した水27.5〜49.5重量部に乳化剤0.5〜
    5.0重量部(固形分として0.3〜5.0重量部)加えた乳化
    液とし(各成分の総和は100重量部である。)を前記
    溶融脱色アスファルトに添加し、さらに安定剤を0.50重
    量部まで加えて混合し、機械的に乳化させる請求項4に
    記載の常温施工用脱色アスファルト乳剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の方法によって
    得られる常温施工用脱色アスファルト乳剤。
JP7213397A 1997-03-25 1997-03-25 常温施工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法 Pending JPH10265672A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161508A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Maeda Seikan Kk 舗装面用高強度常温カラー補修材
JP2007217682A (ja) * 2006-01-20 2007-08-30 Tomah Products Inc アスファルトベースのコーティング組成物および塩界面活性剤
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CN108822565A (zh) * 2018-05-28 2018-11-16 南通福伦利新材料有限公司 一种彩色乳化改性沥青的制备方法
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