JPH10265608A - 微多孔フィルムの製造方法 - Google Patents
微多孔フィルムの製造方法Info
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- JPH10265608A JPH10265608A JP9073712A JP7371297A JPH10265608A JP H10265608 A JPH10265608 A JP H10265608A JP 9073712 A JP9073712 A JP 9073712A JP 7371297 A JP7371297 A JP 7371297A JP H10265608 A JPH10265608 A JP H10265608A
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度の均一な微多孔フィルムを従来の方法
では得られなかった条件でも効率よく生産する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)と、抽出可能な有機
液状物質(B)を主成分とする組成物よりなる微多孔形
成前駆層と、成膜性向上を主目的とする、該前駆層とは
異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分とする補助層とを多
層ダイにより積層共押出し、伝熱媒体により急冷固化さ
せて、15℃以上、該前駆層を構成する熱可塑性樹脂
(A)のビカット軟化点に50℃を加えた温度以下の温
度条件で少なくとも1方向に面積倍率で2倍以上延伸し
て多層フィルムを得、次に補助層を剥離除去し、その後
物質(B)を抽出する。
では得られなかった条件でも効率よく生産する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)と、抽出可能な有機
液状物質(B)を主成分とする組成物よりなる微多孔形
成前駆層と、成膜性向上を主目的とする、該前駆層とは
異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分とする補助層とを多
層ダイにより積層共押出し、伝熱媒体により急冷固化さ
せて、15℃以上、該前駆層を構成する熱可塑性樹脂
(A)のビカット軟化点に50℃を加えた温度以下の温
度条件で少なくとも1方向に面積倍率で2倍以上延伸し
て多層フィルムを得、次に補助層を剥離除去し、その後
物質(B)を抽出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の円筒型電
池、角形電池、薄型電池、ボタン型電池、電解コンデン
サー等の電池材料に使用されるセパレータ、精密濾過膜
等の分離膜、建築用結露防止用通気性フィルム素材、透
気性ジャンパー等の衣料品、おむつ、生理用品等の衛生
用品、通気性で細菌、ゴミ等の通過を阻止する包装用フ
ィルム、白化度の高い反射フィルム、印刷用紙材料等と
して有用な微多孔フィルムの製造方法に関するものであ
る。
池、角形電池、薄型電池、ボタン型電池、電解コンデン
サー等の電池材料に使用されるセパレータ、精密濾過膜
等の分離膜、建築用結露防止用通気性フィルム素材、透
気性ジャンパー等の衣料品、おむつ、生理用品等の衛生
用品、通気性で細菌、ゴミ等の通過を阻止する包装用フ
ィルム、白化度の高い反射フィルム、印刷用紙材料等と
して有用な微多孔フィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなり、厚みが5〜10
0μ程度で、厚さ方向に一表面から他の表面に貫通す
る、孔径が0.01μから5μ程度の連通孔を厚さ方向
に垂直な面全面にわたって均一に有する微多孔フィルム
は、一般に透気度(秒/10cc)が0.1以上100
以下の気体透過性を有する一方で、耐水性を有し、この
ような性能が要求される数多くの分野で頻繁に使用され
ている。
0μ程度で、厚さ方向に一表面から他の表面に貫通す
る、孔径が0.01μから5μ程度の連通孔を厚さ方向
に垂直な面全面にわたって均一に有する微多孔フィルム
は、一般に透気度(秒/10cc)が0.1以上100
以下の気体透過性を有する一方で、耐水性を有し、この
ような性能が要求される数多くの分野で頻繁に使用され
ている。
【0003】従来、このような多孔質フィルムの製造方
法として、(1)ポリオレフィンを有機溶媒に加熱溶
解、もしくは両者を混合し、溶融成形後急冷して相分離
させ、後に延伸および有機溶媒の抽出を行う方法(例え
ば、特開昭60−242035号参照)、(2)無機充
填剤と有機液体とポリオレフィン樹脂とを混合後、溶融
成形し、その後無機充填剤と有機液体とを抽出する方法
(例えば、特開昭55−131028号参照)、(3)
結晶性樹脂を縦方向に流動配向させ、その後冷間延伸と
熱間延伸を続けて行う方法(例えば、特公昭55−32
531号参照)、(4)フィラーを添加したフィルムを
少なくとも一軸に延伸する方法(例えば、特開昭57−
59727号参照)、(5)相溶性の小さい二種類の樹
脂を溶融混練することにより片方の樹脂が他方の樹脂に
微分散したフィルムを形成し、次いで該フィルムを少な
くとも一軸に延伸する方法(例えば、特開平6−263
904号参照)、等が知られている。
法として、(1)ポリオレフィンを有機溶媒に加熱溶
解、もしくは両者を混合し、溶融成形後急冷して相分離
させ、後に延伸および有機溶媒の抽出を行う方法(例え
ば、特開昭60−242035号参照)、(2)無機充
填剤と有機液体とポリオレフィン樹脂とを混合後、溶融
成形し、その後無機充填剤と有機液体とを抽出する方法
(例えば、特開昭55−131028号参照)、(3)
結晶性樹脂を縦方向に流動配向させ、その後冷間延伸と
熱間延伸を続けて行う方法(例えば、特公昭55−32
531号参照)、(4)フィラーを添加したフィルムを
少なくとも一軸に延伸する方法(例えば、特開昭57−
59727号参照)、(5)相溶性の小さい二種類の樹
脂を溶融混練することにより片方の樹脂が他方の樹脂に
微分散したフィルムを形成し、次いで該フィルムを少な
くとも一軸に延伸する方法(例えば、特開平6−263
904号参照)、等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に分離膜や電池用セ
パレータの分野では、高強度、高透過性、高空孔率の均
一な微多孔フィルムが望まれている。これまで、このよ
うなフィルムを製造するには、多量(例えば樹脂14体
積部に対し86体積部)のパラフィンワックスや流動パ
ラフィン等有機液体とともに高分子量ポリオレフィンを
押出し、急冷してシートを作成し、該シートに有機液体
が少なくとも残留した状態で少なくとも一方向に面積倍
率10倍以上に延伸し、その後残留有機液体を抽出する
方法や、電子線照射等により架橋を施したポリオレフィ
ンシートを、前記有機液体に浸漬して膨潤させ、これを
急冷してから結晶分散温度から結晶融点の間の温度で少
なくとも1方向に5〜10倍延伸を行い、最後に(ある
いは延伸しながら)抽出する方法、架橋延伸ポリオレフ
ィンシートを前記有機液体に浸漬して膨潤させ、これを
急冷してから収縮を防止しながら抽出する方法等がとら
れている。
パレータの分野では、高強度、高透過性、高空孔率の均
一な微多孔フィルムが望まれている。これまで、このよ
うなフィルムを製造するには、多量(例えば樹脂14体
積部に対し86体積部)のパラフィンワックスや流動パ
ラフィン等有機液体とともに高分子量ポリオレフィンを
押出し、急冷してシートを作成し、該シートに有機液体
が少なくとも残留した状態で少なくとも一方向に面積倍
率10倍以上に延伸し、その後残留有機液体を抽出する
方法や、電子線照射等により架橋を施したポリオレフィ
ンシートを、前記有機液体に浸漬して膨潤させ、これを
急冷してから結晶分散温度から結晶融点の間の温度で少
なくとも1方向に5〜10倍延伸を行い、最後に(ある
いは延伸しながら)抽出する方法、架橋延伸ポリオレフ
ィンシートを前記有機液体に浸漬して膨潤させ、これを
急冷してから収縮を防止しながら抽出する方法等がとら
れている。
【0005】しかしながら、これらの方法では、前記有
機液体が共存した状態でシートを延伸するため、高配向
の延伸ができない、網状組織の拡大により破断しやす
い、延伸中に前記有機液体がアウトブリードし、該シー
トの厚み方向における前記有機液体の含有量にばらつき
が出て、均一な孔径や空孔率にならないという問題があ
る。また、延伸時の有機液体のアウトブリードにより製
造装置に汚れが生じ、延伸機の長時間連続運転に支障を
きたすという問題もある。
機液体が共存した状態でシートを延伸するため、高配向
の延伸ができない、網状組織の拡大により破断しやす
い、延伸中に前記有機液体がアウトブリードし、該シー
トの厚み方向における前記有機液体の含有量にばらつき
が出て、均一な孔径や空孔率にならないという問題があ
る。また、延伸時の有機液体のアウトブリードにより製
造装置に汚れが生じ、延伸機の長時間連続運転に支障を
きたすという問題もある。
【0006】また、抽出を行わない方法として、密度が
0.960g/cm3以上の高密度ポリエチレン(以下
HDPEという)をドローダウン比(以下DDRとい
う)20〜200で押出して前駆体を形成し、該HDP
Eの結晶融点より10〜25℃低い温度で30秒〜1時
間アニールして比較的大きなサイズの結晶を成長させ、
−20〜70℃の温度、75%/分以上の速度(例え
ば、171%/分の比較的低い速度)で一軸冷延伸して
該前駆体と比較して120〜160%の冷延伸長にし、
その後続いて該HDPEの結晶融点より10〜25℃低
い温度、75%/分以下の速度(例えば、34%/分の
非常に遅い速度)で一軸熱延伸して該前駆体と比較して
235〜310%の熱延伸長にすることによりHDPE
からなる微多孔フィルムを得る方法がある。
0.960g/cm3以上の高密度ポリエチレン(以下
HDPEという)をドローダウン比(以下DDRとい
う)20〜200で押出して前駆体を形成し、該HDP
Eの結晶融点より10〜25℃低い温度で30秒〜1時
間アニールして比較的大きなサイズの結晶を成長させ、
−20〜70℃の温度、75%/分以上の速度(例え
ば、171%/分の比較的低い速度)で一軸冷延伸して
該前駆体と比較して120〜160%の冷延伸長にし、
その後続いて該HDPEの結晶融点より10〜25℃低
い温度、75%/分以下の速度(例えば、34%/分の
非常に遅い速度)で一軸熱延伸して該前駆体と比較して
235〜310%の熱延伸長にすることによりHDPE
からなる微多孔フィルムを得る方法がある。
【0007】しかし、この方法では、一方向にしか配向
を加えることができないため、この方法で得られる微多
孔フィルムはタテヨコ両方向の強度を必要とする用途に
は向かない。
を加えることができないため、この方法で得られる微多
孔フィルムはタテヨコ両方向の強度を必要とする用途に
は向かない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために、より高透過性の均一な微多孔フィ
ルムを効率よく生産する方法について検討を重ねてき
た。その結果、少なくとも1層の熱可塑性樹脂(A)1
5〜90体積部と、抽出可能であって、200℃で少な
くとも粘度が1000cps以下であり、かつ不活性な
有機液状物質(B)85〜10体積部を主成分とする組
成物よりなる微多孔形成前駆層(以下M層ともいう)
と、さらに少なくとも1層の成膜性向上を主目的とす
る、該前駆層とは異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分と
する補助層(以下S層ともいう)とを多層ダイにより
(同時)積層共押出し、伝熱媒体により急冷固化させ
て、15℃以上、該前駆層を構成する熱可塑性樹脂
(A)のビカット軟化点に50℃を加えた温度以下の温
度条件で、少なくとも1方向に面積倍率で2倍以上延伸
して多層フィルムを得、次に該多層フィルムの少なくと
も片面の補助層を剥離除去(場合により回収、リサイク
ル)し、その後物質(B)を抽出して(場合によっては
さらに残りの補助層を剥離除去せしめて)微多孔フィル
ムを得ることにより、従来の技術では得ることができな
かった高強度の単層または多層の微多孔フィルムを得る
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
点を解決するために、より高透過性の均一な微多孔フィ
ルムを効率よく生産する方法について検討を重ねてき
た。その結果、少なくとも1層の熱可塑性樹脂(A)1
5〜90体積部と、抽出可能であって、200℃で少な
くとも粘度が1000cps以下であり、かつ不活性な
有機液状物質(B)85〜10体積部を主成分とする組
成物よりなる微多孔形成前駆層(以下M層ともいう)
と、さらに少なくとも1層の成膜性向上を主目的とす
る、該前駆層とは異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分と
する補助層(以下S層ともいう)とを多層ダイにより
(同時)積層共押出し、伝熱媒体により急冷固化させ
て、15℃以上、該前駆層を構成する熱可塑性樹脂
(A)のビカット軟化点に50℃を加えた温度以下の温
度条件で、少なくとも1方向に面積倍率で2倍以上延伸
して多層フィルムを得、次に該多層フィルムの少なくと
も片面の補助層を剥離除去(場合により回収、リサイク
ル)し、その後物質(B)を抽出して(場合によっては
さらに残りの補助層を剥離除去せしめて)微多孔フィル
ムを得ることにより、従来の技術では得ることができな
かった高強度の単層または多層の微多孔フィルムを得る
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、微多孔フィルムの製
造方法において、少なくとも1層の、熱可塑性樹脂
(A)15〜90体積部と、抽出可能であって、200
℃で少なくとも粘度が1000cps以下であり、かつ
不活性な有機液状物質(B)85〜10体積部を主成分
とする組成物よりなる微多孔形成前駆層(M層)と、さ
らに少なくとも1層の成膜性向上を主目的とする、該前
駆層とは異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分とする補助
層(S層)とを多層ダイにより積層共押出し、伝熱媒体
により急冷固化させて、15℃以上、該前駆層(M層)
を構成する熱可塑性樹脂(A)のビカット軟化点(以下
VSP[ASTM D1525(荷重1kgの値)]に
50℃を加えた温度以下の温度条件で、少なくとも1方
向に面積倍率で2倍以上延伸して多層フィルムを得、次
に少なくとも片表面の該補助層を剥離除去し、その後有
機液状物質(B)を抽出することにより微多孔フィルム
を得ることを特徴とする。
造方法において、少なくとも1層の、熱可塑性樹脂
(A)15〜90体積部と、抽出可能であって、200
℃で少なくとも粘度が1000cps以下であり、かつ
不活性な有機液状物質(B)85〜10体積部を主成分
とする組成物よりなる微多孔形成前駆層(M層)と、さ
らに少なくとも1層の成膜性向上を主目的とする、該前
駆層とは異なる熱可塑性樹脂(C)を主成分とする補助
層(S層)とを多層ダイにより積層共押出し、伝熱媒体
により急冷固化させて、15℃以上、該前駆層(M層)
を構成する熱可塑性樹脂(A)のビカット軟化点(以下
VSP[ASTM D1525(荷重1kgの値)]に
50℃を加えた温度以下の温度条件で、少なくとも1方
向に面積倍率で2倍以上延伸して多層フィルムを得、次
に少なくとも片表面の該補助層を剥離除去し、その後有
機液状物質(B)を抽出することにより微多孔フィルム
を得ることを特徴とする。
【0010】この方法により、M層単独では不可能だっ
た、幅および流れ方向で孔形成性、特性が異なる、幅方
向で均一性に欠ける、更には条件的により厳しいバブル
法での延伸(特に横方向に高度な延伸を加える目的の場
合等には上記理由でのパンクや不均一化の問題の他に、
バブル内の空気が抜けて封入できず、延伸が継続してで
きない等の問題がある)ができない等の理由で、いまだ
かつて達成することが出来なかった延伸条件でも、高強
度の微多孔フィルムを効率よく生産することができる製
造方法(1)が提供される。
た、幅および流れ方向で孔形成性、特性が異なる、幅方
向で均一性に欠ける、更には条件的により厳しいバブル
法での延伸(特に横方向に高度な延伸を加える目的の場
合等には上記理由でのパンクや不均一化の問題の他に、
バブル内の空気が抜けて封入できず、延伸が継続してで
きない等の問題がある)ができない等の理由で、いまだ
かつて達成することが出来なかった延伸条件でも、高強
度の微多孔フィルムを効率よく生産することができる製
造方法(1)が提供される。
【0011】また、本願は以下の(2)から(15)の
発明も同時に提供する。 (2)該熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、フッ素系樹脂、エチレンとビニルアル
コールの共重合体、C2〜C12のα−オレフィンと一
酸化炭素の共重合体及びその水添物、スチレンとα−オ
レフィンとの共重合体及びその水添物、スチレンと脂肪
族モノ不飽和脂肪酸との共重合体、スチレンと共役ジエ
ン系不飽和単量体との共重合体及びこれらの水添物から
選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなること
を特徴とする、上記(1)記載の微多孔フィルムの製造
方法。
発明も同時に提供する。 (2)該熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、フッ素系樹脂、エチレンとビニルアル
コールの共重合体、C2〜C12のα−オレフィンと一
酸化炭素の共重合体及びその水添物、スチレンとα−オ
レフィンとの共重合体及びその水添物、スチレンと脂肪
族モノ不飽和脂肪酸との共重合体、スチレンと共役ジエ
ン系不飽和単量体との共重合体及びこれらの水添物から
選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなること
を特徴とする、上記(1)記載の微多孔フィルムの製造
方法。
【0012】(3)該熱可塑性樹脂(A)を構成するポ
リオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂、ポリブテン−1系樹脂、ポリ4−メチル
ペンテン−1系樹脂、エチレンとC3〜C12のα−オ
レフィンとの共重合体、異なるC3〜C12のα−オレ
フィン同士の共重合体、エチレンと環状オレフィンの共
重合体及びその水添物、C3〜C12のα−オレフィン
とと環状オレフィンの共重合体及びその水添物から少な
くとも1種選択されることを特徴とする、上記(2)記
載の微多孔フィルムの製造方法。
リオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂、ポリブテン−1系樹脂、ポリ4−メチル
ペンテン−1系樹脂、エチレンとC3〜C12のα−オ
レフィンとの共重合体、異なるC3〜C12のα−オレ
フィン同士の共重合体、エチレンと環状オレフィンの共
重合体及びその水添物、C3〜C12のα−オレフィン
とと環状オレフィンの共重合体及びその水添物から少な
くとも1種選択されることを特徴とする、上記(2)記
載の微多孔フィルムの製造方法。
【0013】(4)該抽出可能な有機液状物質(B)
が、該熱可塑性樹脂(A)を、加熱下で溶解もしくは膨
潤させうることを特徴とする、前記(1)記載の微多孔
フィルムの製造方法。 (5)該微多孔形成前駆層(M層)を構成する組成物
が、該熱可塑性樹脂(A)と該有機液状物質(B)合計
100体積部に加え、抽出可能な充填剤を7〜60体積
部含んでいることを特徴とする、前記(1)記載の微多
孔フィルムの製造方法。
が、該熱可塑性樹脂(A)を、加熱下で溶解もしくは膨
潤させうることを特徴とする、前記(1)記載の微多孔
フィルムの製造方法。 (5)該微多孔形成前駆層(M層)を構成する組成物
が、該熱可塑性樹脂(A)と該有機液状物質(B)合計
100体積部に加え、抽出可能な充填剤を7〜60体積
部含んでいることを特徴とする、前記(1)記載の微多
孔フィルムの製造方法。
【0014】(6)該前駆層(M層)が、少なくとも2
層の、同種または異種の該熱可塑性樹脂(A)と該抽出
可能な有機液状物質(B)を主成分とする組成物からな
る層をからなることを特徴とする、前記(1)記載の微
多孔フィルムの製造方法。 (7)該熱可塑性樹脂(C)が、該前駆層(M層)とは
異なるポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とか
ら選択されることを特徴とする、前記(1)記載の微多
孔フィルムの製造方法。
層の、同種または異種の該熱可塑性樹脂(A)と該抽出
可能な有機液状物質(B)を主成分とする組成物からな
る層をからなることを特徴とする、前記(1)記載の微
多孔フィルムの製造方法。 (7)該熱可塑性樹脂(C)が、該前駆層(M層)とは
異なるポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とか
ら選択されることを特徴とする、前記(1)記載の微多
孔フィルムの製造方法。
【0015】(8)該熱可塑性樹脂(C)が、ポリブテ
ン−1を主体とした結晶性樹脂であることを特徴とす
る、前記(1)または(7)記載の微多孔フィルムの製
造方法。 (9)該熱可塑性樹脂(C)が、以下のC1ないしC3
をその構成成分とし、かつ(C1)、(C2)及び(C
3)からなる組成物、(C1)と(C2)からなる組成
物、または(C2)と(C3)からなる組成物からなる
群より選択される混合組成物からなることを特徴とす
る、前記(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。ただ
し、 C1:低密度ポリエチレン(但し、α−オレフィンが1
5モル%以下でかつビカット軟化点が80℃以上の、エ
チレンとC3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も
含むものとする)、またはビニルエステル単量体、脂肪
族不飽和モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエ
ステルより選択される少なくとも1種の単量体とエチレ
ンとの共重合体、エチレン99〜82モル%とスチレン
1〜18モル%のエチレン−スチレン系共重合体、また
はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の共重
合体; C2:ビカット軟化点が80℃以下の軟質熱可塑性エラ
ストマー; C3:プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1より選択される少なくとも1種の単量体の単独重合
体、またはこれらの単量体とエチレンまたは別のα−オ
レフィンから選択される少なくとも1種の単量体との共
重合体、またはこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の共重合体; である。
ン−1を主体とした結晶性樹脂であることを特徴とす
る、前記(1)または(7)記載の微多孔フィルムの製
造方法。 (9)該熱可塑性樹脂(C)が、以下のC1ないしC3
をその構成成分とし、かつ(C1)、(C2)及び(C
3)からなる組成物、(C1)と(C2)からなる組成
物、または(C2)と(C3)からなる組成物からなる
群より選択される混合組成物からなることを特徴とす
る、前記(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。ただ
し、 C1:低密度ポリエチレン(但し、α−オレフィンが1
5モル%以下でかつビカット軟化点が80℃以上の、エ
チレンとC3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も
含むものとする)、またはビニルエステル単量体、脂肪
族不飽和モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエ
ステルより選択される少なくとも1種の単量体とエチレ
ンとの共重合体、エチレン99〜82モル%とスチレン
1〜18モル%のエチレン−スチレン系共重合体、また
はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の共重
合体; C2:ビカット軟化点が80℃以下の軟質熱可塑性エラ
ストマー; C3:プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1より選択される少なくとも1種の単量体の単独重合
体、またはこれらの単量体とエチレンまたは別のα−オ
レフィンから選択される少なくとも1種の単量体との共
重合体、またはこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の共重合体; である。
【0016】(10)少なくとも1層からなる該前駆層
(M層)を、2層の少なくとも1層からなる該補助層
(S層)に、挟み込んで共押出することを特徴とする、
前記(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。 (11)共押出する多層ダイとして、環状ダイを使用す
ることを特徴とする、前記(1)記載の微多孔フィルム
の製造方法。
(M層)を、2層の少なくとも1層からなる該補助層
(S層)に、挟み込んで共押出することを特徴とする、
前記(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。 (11)共押出する多層ダイとして、環状ダイを使用す
ることを特徴とする、前記(1)記載の微多孔フィルム
の製造方法。
【0017】(12)少なくとも一方向に、15℃以
上、かつ、該前駆層(M層)を構成する組成物のビカッ
ト軟化点に50℃を加えた温度以下の温度条件内で少な
くとも異なる温度条件で二段階以上のステップで合計2
倍以上延伸することを特徴とする、前記(1)記載の微
多孔フィルムの製造方法。 (13)二段階以上延伸することにより微多孔フィルム
を製造する方法において、各段における延伸開始部の温
度差が少なくとも10℃以上であることを特徴とする、
上記(12)記載の微多孔フィルムの製造方法。
上、かつ、該前駆層(M層)を構成する組成物のビカッ
ト軟化点に50℃を加えた温度以下の温度条件内で少な
くとも異なる温度条件で二段階以上のステップで合計2
倍以上延伸することを特徴とする、前記(1)記載の微
多孔フィルムの製造方法。 (13)二段階以上延伸することにより微多孔フィルム
を製造する方法において、各段における延伸開始部の温
度差が少なくとも10℃以上であることを特徴とする、
上記(12)記載の微多孔フィルムの製造方法。
【0018】(14)延伸開始部と延伸終了部の温度差
が5℃以上の条件下で延伸することを特徴とする、前記
(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。 (15)延伸前、延伸後の少なくともいずれかにおい
て、該前駆層(M層)に、2〜15Mradの高エネル
ギー線による架橋処理を行うことを特徴とする、前記
(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。
が5℃以上の条件下で延伸することを特徴とする、前記
(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。 (15)延伸前、延伸後の少なくともいずれかにおい
て、該前駆層(M層)に、2〜15Mradの高エネル
ギー線による架橋処理を行うことを特徴とする、前記
(1)記載の微多孔フィルムの製造方法。
【0019】本発明において、M層は、少なくとも1種
の熱可塑性樹脂(A)15〜90体積部と、少なくとも
1種の抽出可能であって、200℃で少なくとも粘度が
1000cps以下であり、かつ不活性な有機液状物質
(B)85〜10体積部を主成分とする組成物よりな
る。該熱可塑性樹脂(A)は、本発明の方法により得ら
れる微多孔フィルムを使用する目的により選択されるべ
きもので、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレ
ン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、超高
分子量ポリエチレンをはじめとするポリエチレン系樹
脂、ポリブテン−1系樹脂、ポリ4−メチルペンテン−
1系樹脂、エチレンとC3〜C12のα−オレフィンと
の共重合体、異なるC3〜C12のα−オレフィン同士
の共重合体、エチレンと環状オレフィンの共重合体及び
その水添物、C3〜C12のα−オレフィンと環状オレ
フィンの共重合体及びその水添物等をはじめとするポリ
オレフィン系樹脂、ポリアミド−6、ポリアミド−6
6、ポリアミド−6、66をはじめとするポリアミド系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ−α−
ヒドロキシイソ酪酸をはじめとする結晶性ポリエステル
及びこれらの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ3
フッ化塩化エチレンをはじめとするそれぞれ自由な共重
合体を含むフッ素系樹脂、エチレンとビニルアルコール
の共重合体、エチレンやプロピレンに代表されるα−オ
レフィンと一酸化炭素の共重合体及びその水添物、スチ
レンとα−オレフィンとの共重合体及びその水添物、ス
チレンと脂肪族モノ不飽和脂肪酸との共重合体、スチレ
ンと共役ジエン系不飽和単量体との共重合体及びこれら
の水添物等が挙げられる。
の熱可塑性樹脂(A)15〜90体積部と、少なくとも
1種の抽出可能であって、200℃で少なくとも粘度が
1000cps以下であり、かつ不活性な有機液状物質
(B)85〜10体積部を主成分とする組成物よりな
る。該熱可塑性樹脂(A)は、本発明の方法により得ら
れる微多孔フィルムを使用する目的により選択されるべ
きもので、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレ
ン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、超高
分子量ポリエチレンをはじめとするポリエチレン系樹
脂、ポリブテン−1系樹脂、ポリ4−メチルペンテン−
1系樹脂、エチレンとC3〜C12のα−オレフィンと
の共重合体、異なるC3〜C12のα−オレフィン同士
の共重合体、エチレンと環状オレフィンの共重合体及び
その水添物、C3〜C12のα−オレフィンと環状オレ
フィンの共重合体及びその水添物等をはじめとするポリ
オレフィン系樹脂、ポリアミド−6、ポリアミド−6
6、ポリアミド−6、66をはじめとするポリアミド系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ−α−
ヒドロキシイソ酪酸をはじめとする結晶性ポリエステル
及びこれらの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ3
フッ化塩化エチレンをはじめとするそれぞれ自由な共重
合体を含むフッ素系樹脂、エチレンとビニルアルコール
の共重合体、エチレンやプロピレンに代表されるα−オ
レフィンと一酸化炭素の共重合体及びその水添物、スチ
レンとα−オレフィンとの共重合体及びその水添物、ス
チレンと脂肪族モノ不飽和脂肪酸との共重合体、スチレ
ンと共役ジエン系不飽和単量体との共重合体及びこれら
の水添物等が挙げられる。
【0020】また、本発明の微多孔フィルムを製造する
方法において、少なくとも1種の該熱可塑性樹脂(A)
に加えて、少なくとも1種の抽出可能であって、200
℃で少なくとも粘度が1000cps以下であり、かつ
不活性な有機液状物質(B)[以下、単に有機液状物
質、または(B)ともいう。]が使用される。該(B)
の200℃での粘度が1000cpsを超えると、次の
ような問題が発生する場合があり好ましくない。1)溶
融時における該(B)の粘度が高いために、押出後冷却
するまでの間に該(A)と該(B)が均一に相分離せ
ず、その結果得られる微多孔フィルムの孔構造が不均一
化する。2)高粘度物質は一般に分子量が高いため、延
伸後該(B)を抽出する際に抽出されにくく、効率的で
ない。
方法において、少なくとも1種の該熱可塑性樹脂(A)
に加えて、少なくとも1種の抽出可能であって、200
℃で少なくとも粘度が1000cps以下であり、かつ
不活性な有機液状物質(B)[以下、単に有機液状物
質、または(B)ともいう。]が使用される。該(B)
の200℃での粘度が1000cpsを超えると、次の
ような問題が発生する場合があり好ましくない。1)溶
融時における該(B)の粘度が高いために、押出後冷却
するまでの間に該(A)と該(B)が均一に相分離せ
ず、その結果得られる微多孔フィルムの孔構造が不均一
化する。2)高粘度物質は一般に分子量が高いため、延
伸後該(B)を抽出する際に抽出されにくく、効率的で
ない。
【0021】本発明に用いられる有機液状物質として
は、より好ましくは200℃で500cps以下の液状
物質が用いられる。これら(B)の具体例として、例え
ば、キシレン、トルエン、デカリン、デカン、ドデカ
ン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンや、流
動パラフィン、パラフィンワックス等のパラフィンオイ
ル類、環状成分を含むミネラルオイル類、ステアリルア
ルコール、セチルアルコール等の高級アルコール類及び
それらのエステル、グリセリン等の多価アルコール及び
その少なくとも一部をエステル化したもの、天然油脂
類、ワックス類、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン
等の液状ゴム類、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−n
−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エス
テル類、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジオク
チル等のセバシン酸エステル類、リン酸トリ−n−ブチ
ル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類、ロジン
類、テルペン樹脂及びその水添物、石油樹脂及びその水
添物等、及びこれらの混合成分が挙げられる。また、成
形性や、得られる微多孔フィルムの均一性や用途によっ
ては、該有機液状物質(B)は、該熱可塑性樹脂(A)
を、溶融成形温度においてに溶解もしくは膨潤させうる
ことが望ましい場合がある。
は、より好ましくは200℃で500cps以下の液状
物質が用いられる。これら(B)の具体例として、例え
ば、キシレン、トルエン、デカリン、デカン、ドデカ
ン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンや、流
動パラフィン、パラフィンワックス等のパラフィンオイ
ル類、環状成分を含むミネラルオイル類、ステアリルア
ルコール、セチルアルコール等の高級アルコール類及び
それらのエステル、グリセリン等の多価アルコール及び
その少なくとも一部をエステル化したもの、天然油脂
類、ワックス類、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン
等の液状ゴム類、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−n
−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エス
テル類、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジオク
チル等のセバシン酸エステル類、リン酸トリ−n−ブチ
ル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類、ロジン
類、テルペン樹脂及びその水添物、石油樹脂及びその水
添物等、及びこれらの混合成分が挙げられる。また、成
形性や、得られる微多孔フィルムの均一性や用途によっ
ては、該有機液状物質(B)は、該熱可塑性樹脂(A)
を、溶融成形温度においてに溶解もしくは膨潤させうる
ことが望ましい場合がある。
【0022】該(A)と該(B)は、(A)15〜90
体積部と(B)85〜10体積部、好ましくは、(A)
25〜80体積部と(B)75〜20体積部の比で混合
される。該(A)の量が15体積部未満の場合は、製造
時に大量の該(B)が必要になり不経済になるばかり
か、ダイの出口でスウェルやネックインが大きく、均一
な微多孔フィルムが得られない。一方、該(A)の量が
90体積部を超えると、空孔率や孔径が小さくなりす
ぎ、厚さ方向に連通した孔がほとんど、あるいは全く形
成されない場合がある。
体積部と(B)85〜10体積部、好ましくは、(A)
25〜80体積部と(B)75〜20体積部の比で混合
される。該(A)の量が15体積部未満の場合は、製造
時に大量の該(B)が必要になり不経済になるばかり
か、ダイの出口でスウェルやネックインが大きく、均一
な微多孔フィルムが得られない。一方、該(A)の量が
90体積部を超えると、空孔率や孔径が小さくなりす
ぎ、厚さ方向に連通した孔がほとんど、あるいは全く形
成されない場合がある。
【0023】さらに、溶融成形時に該有機液状物質
(B)の遊離を防止し、成形を容易にする目的で、該熱
可塑性樹脂(A)と有機液状物質(B)に加え、抽出可
能な無機系および有機系の充填剤を、(A)と(B)の
合計100体積部に対して7〜60体積部用いることも
できる。このうち、無機系充填剤は、酸もしくはアルカ
リにより抽出可能な、(3次元投影法により測定され
た)平均粒径が0.005〜0.5μ、比表面積50〜
500m2/gの微少(多孔質)粒子であることが好ま
しく、具体的は、例えば、微粉ケイ酸、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、等が好ましく使用される。
(B)の遊離を防止し、成形を容易にする目的で、該熱
可塑性樹脂(A)と有機液状物質(B)に加え、抽出可
能な無機系および有機系の充填剤を、(A)と(B)の
合計100体積部に対して7〜60体積部用いることも
できる。このうち、無機系充填剤は、酸もしくはアルカ
リにより抽出可能な、(3次元投影法により測定され
た)平均粒径が0.005〜0.5μ、比表面積50〜
500m2/gの微少(多孔質)粒子であることが好ま
しく、具体的は、例えば、微粉ケイ酸、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、等が好ましく使用される。
【0024】また、有機系充填剤は、溶媒、酸もしくは
アルカリにより抽出可能な、(3次元投影法により測定
された)平均粒径が0.005〜0.5μ、比表面積5
0〜500m2/gの微少(多孔質)粒子であることが
好ましく、セルロース粉末、スチレン系、アクリル系、
シリコーン系、その他の樹脂系架橋粒子等が好ましく使
用される。また、有機系充填剤として、充分混練するこ
とによりに該熱可塑性樹脂(A)中に微分散化され、所
定の溶媒により抽出可能な、公知の樹脂も好ましく使用
される。
アルカリにより抽出可能な、(3次元投影法により測定
された)平均粒径が0.005〜0.5μ、比表面積5
0〜500m2/gの微少(多孔質)粒子であることが
好ましく、セルロース粉末、スチレン系、アクリル系、
シリコーン系、その他の樹脂系架橋粒子等が好ましく使
用される。また、有機系充填剤として、充分混練するこ
とによりに該熱可塑性樹脂(A)中に微分散化され、所
定の溶媒により抽出可能な、公知の樹脂も好ましく使用
される。
【0025】これら充填剤は該有機液状物質(B)が抽
出されることにより形成された孔の壁部に更に小さな孔
を形成する場合があり、その結果得られる微多孔フィル
ムの空孔率や透気度を増大させ、電気抵抗を低下させ
る。また、電池用セパレータをはじめとする電気化学的
用途に使用する際、電流のシャットダウン効果を二段階
で発現させうる等、目的により好ましい場合もある。
出されることにより形成された孔の壁部に更に小さな孔
を形成する場合があり、その結果得られる微多孔フィル
ムの空孔率や透気度を増大させ、電気抵抗を低下させ
る。また、電池用セパレータをはじめとする電気化学的
用途に使用する際、電流のシャットダウン効果を二段階
で発現させうる等、目的により好ましい場合もある。
【0026】このとき、無機系および有機系の充填剤の
量が(A)と(B)の合計100体積部に対して7体積
部未満では、十分に該有機液状物質(B)を吸着するこ
とができず、成形性を向上させる効果が不十分である。
また、60体積部を超えると、溶融時の流動性が悪く、
後の延伸時にもろくなり微多孔フィルムが安定して得ら
れない。さらに該充填剤を用いる場合、溶融成形性、得
られる微多孔フィルムの空孔度や機械的強度及びこれら
の均一性の点で、該(B)を該充填剤と混合してから、
該(A)と混合することが好ましい。
量が(A)と(B)の合計100体積部に対して7体積
部未満では、十分に該有機液状物質(B)を吸着するこ
とができず、成形性を向上させる効果が不十分である。
また、60体積部を超えると、溶融時の流動性が悪く、
後の延伸時にもろくなり微多孔フィルムが安定して得ら
れない。さらに該充填剤を用いる場合、溶融成形性、得
られる微多孔フィルムの空孔度や機械的強度及びこれら
の均一性の点で、該(B)を該充填剤と混合してから、
該(A)と混合することが好ましい。
【0027】また、製造時の延伸性、得られる微多孔フ
ィルムの引張強度、引裂強度や孔径分布等を向上させる
目的で、熱可塑性樹脂(A)、有機液状物質(B)、充
填剤に加え、全体に対し、0.05〜30体積%の範囲
内で、結晶核剤、酸化防止剤、軟質樹脂、エラストマー
をはじめとする公知の加工助剤を用いることも好ましい
ことである。
ィルムの引張強度、引裂強度や孔径分布等を向上させる
目的で、熱可塑性樹脂(A)、有機液状物質(B)、充
填剤に加え、全体に対し、0.05〜30体積%の範囲
内で、結晶核剤、酸化防止剤、軟質樹脂、エラストマー
をはじめとする公知の加工助剤を用いることも好ましい
ことである。
【0028】M層は、得られる微多孔フィルムの強度、
耐熱性や厚み方向の孔径分布等の性能面からの要求によ
り、熱可塑性樹脂(A)と有機液状物質(B)を成分と
する組成物からなる、少なくとも2層の、同種または異
種の樹脂からなる層から構成される、異なる微多孔状態
を有する多層構造を有することも本発明の好ましい範囲
に属する。
耐熱性や厚み方向の孔径分布等の性能面からの要求によ
り、熱可塑性樹脂(A)と有機液状物質(B)を成分と
する組成物からなる、少なくとも2層の、同種または異
種の樹脂からなる層から構成される、異なる微多孔状態
を有する多層構造を有することも本発明の好ましい範囲
に属する。
【0029】本発明において、S層を構成する熱可塑性
樹脂(C)は、M層の成膜性を向上するものであれば、
特に限定されないが、後にM層とS層とが容易に剥離で
きるよう、M層を構成する熱可塑性樹脂(A)との溶解
度パラメータの差が、例えば0.3以上であることが好
ましい場合がある。また、これに加え/これとは別に、
熱可塑性樹脂(C)の結晶化度が40%以上であること
が好ましい場合もある。この要件を満足するためには、
具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂のいずれかを主成分とすることが好ましい。このうち
ポリオレフィン系樹脂として、好ましい組成は、ポリブ
テン−1を主体とした結晶性樹脂、あるいは、以下のC
1ないしC3をその構成成分とし、かつ(C1)、(C
2)及び(C3)からなる組成物、(C1)と(C2)
からなる組成物、または(C2)と(C3)からなる組
成物よりなる群から選択される混合組成物である。ただ
し、 C1:低密度ポリエチレン(但し、α−オレフィンが1
5モル%以下でかつVSPが80℃以上の、エチレンと
C3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も含むもの
とする)、またはビニルエステル単量体、脂肪族不飽和
モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエステルよ
り選択される少なくとも1種の単量体とエチレンの共重
合体、エチレン99〜82モル%とスチレン1〜18モ
ル%のエチレン−スチレン系共重合体、またはこれらの
誘導体から選択される少なくとも1種の共重合体; C2:VSPが80℃以下の軟質熱可塑性エラストマ
ー; C3:プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1より選択される少なくとも1種の単量体の単独重合
体、またはこれらの単量体とエチレンまたは別のα−オ
レフィンから選択される少なくとも1種の単量体との共
重合体、またはこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の共重合体; である。
樹脂(C)は、M層の成膜性を向上するものであれば、
特に限定されないが、後にM層とS層とが容易に剥離で
きるよう、M層を構成する熱可塑性樹脂(A)との溶解
度パラメータの差が、例えば0.3以上であることが好
ましい場合がある。また、これに加え/これとは別に、
熱可塑性樹脂(C)の結晶化度が40%以上であること
が好ましい場合もある。この要件を満足するためには、
具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂のいずれかを主成分とすることが好ましい。このうち
ポリオレフィン系樹脂として、好ましい組成は、ポリブ
テン−1を主体とした結晶性樹脂、あるいは、以下のC
1ないしC3をその構成成分とし、かつ(C1)、(C
2)及び(C3)からなる組成物、(C1)と(C2)
からなる組成物、または(C2)と(C3)からなる組
成物よりなる群から選択される混合組成物である。ただ
し、 C1:低密度ポリエチレン(但し、α−オレフィンが1
5モル%以下でかつVSPが80℃以上の、エチレンと
C3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も含むもの
とする)、またはビニルエステル単量体、脂肪族不飽和
モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエステルよ
り選択される少なくとも1種の単量体とエチレンの共重
合体、エチレン99〜82モル%とスチレン1〜18モ
ル%のエチレン−スチレン系共重合体、またはこれらの
誘導体から選択される少なくとも1種の共重合体; C2:VSPが80℃以下の軟質熱可塑性エラストマ
ー; C3:プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1より選択される少なくとも1種の単量体の単独重合
体、またはこれらの単量体とエチレンまたは別のα−オ
レフィンから選択される少なくとも1種の単量体との共
重合体、またはこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の共重合体; である。
【0030】ここに挙げたポリブテン−1とは、ブテン
−1含量93モル%以上の結晶性で他のモノマー(例え
ば、エチレン、プロピレン、C5以上のもの)との共重
合体をも含む高分子量のものとし、液状及びワックス状
の低分子量のものとは異なり、MI[ASTM D12
38(E条件):以後MIと言う]0.2〜10のもの
が好ましい。また、ポリブテン−1に水添飽和炭化水素
系樹脂(好ましくは、その構成単位の一成分に環状部分
を少なくとも一部含む同樹脂)を混合した組成物も好ま
しく用いられる。
−1含量93モル%以上の結晶性で他のモノマー(例え
ば、エチレン、プロピレン、C5以上のもの)との共重
合体をも含む高分子量のものとし、液状及びワックス状
の低分子量のものとは異なり、MI[ASTM D12
38(E条件):以後MIと言う]0.2〜10のもの
が好ましい。また、ポリブテン−1に水添飽和炭化水素
系樹脂(好ましくは、その構成単位の一成分に環状部分
を少なくとも一部含む同樹脂)を混合した組成物も好ま
しく用いられる。
【0031】該熱可塑性樹脂(C)として別の好ましい
混合組成物について説明する。 <成分(C1)>成分(C1)としては、主として延伸
性の観点から、硬質、軟質の中間程度の比較的、低結晶
性(DSC法により35〜75%、好ましくは40〜7
0%の結晶性)の重合体が選ばれる。このような重合体
としては、例えば、低密度ポリエチレン[好ましくは直
鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、または、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)等のα−オレフィンが1
5モル%以下でかつVSPが80℃以上の、エチレンと
C3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も含むもの
とする。]、ビニルエステル単量体、脂肪族不飽和モノ
カルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエステル誘導体
から選ばれる少なくとも1種の単量体とエチレンとの共
重合体、エチレン99〜82モル%とスチレン1〜18
モル%のエチレン−スチレン系共重合体、またはこれら
の誘導体から選ばれる少なくとも1種の重合体が挙げら
れる。また、上記すべての樹脂のカルボン酸基含有単量
体でのグラフト変性樹脂を使用しても良い。 <成分(C2)>次に、成分(C2)のVSPが80℃
以下の軟質、熱可塑性エラストマーとしては、α−オレ
フィンエラストマー、つまり異なったα−オレフィン同
士の少なくとも自由な2種以上の共重合体(炭素数C3
〜C12)、或いはエチレンと炭素数C3〜C12のα
−オレフィン共重合体、ブチルゴム系エラストマー、ス
チレン−共役2重結合ジエン誘導体ブロック共重合エラ
ストマー、該エラストマーの共役2重結合または環由来
の部分の少なくとも1部を水素添加した共重合体、熱可
塑性ポリウレタン等から選ばれる少なくとも1種の重合
体が好ましい。また、(C1)の場合と同様に、上記の
樹脂のグラフト変性樹脂を用いても良い。
混合組成物について説明する。 <成分(C1)>成分(C1)としては、主として延伸
性の観点から、硬質、軟質の中間程度の比較的、低結晶
性(DSC法により35〜75%、好ましくは40〜7
0%の結晶性)の重合体が選ばれる。このような重合体
としては、例えば、低密度ポリエチレン[好ましくは直
鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、または、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)等のα−オレフィンが1
5モル%以下でかつVSPが80℃以上の、エチレンと
C3〜C12のα−オレフィンとの共重合体も含むもの
とする。]、ビニルエステル単量体、脂肪族不飽和モノ
カルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエステル誘導体
から選ばれる少なくとも1種の単量体とエチレンとの共
重合体、エチレン99〜82モル%とスチレン1〜18
モル%のエチレン−スチレン系共重合体、またはこれら
の誘導体から選ばれる少なくとも1種の重合体が挙げら
れる。また、上記すべての樹脂のカルボン酸基含有単量
体でのグラフト変性樹脂を使用しても良い。 <成分(C2)>次に、成分(C2)のVSPが80℃
以下の軟質、熱可塑性エラストマーとしては、α−オレ
フィンエラストマー、つまり異なったα−オレフィン同
士の少なくとも自由な2種以上の共重合体(炭素数C3
〜C12)、或いはエチレンと炭素数C3〜C12のα
−オレフィン共重合体、ブチルゴム系エラストマー、ス
チレン−共役2重結合ジエン誘導体ブロック共重合エラ
ストマー、該エラストマーの共役2重結合または環由来
の部分の少なくとも1部を水素添加した共重合体、熱可
塑性ポリウレタン等から選ばれる少なくとも1種の重合
体が好ましい。また、(C1)の場合と同様に、上記の
樹脂のグラフト変性樹脂を用いても良い。
【0032】これらの中でも、一般の非加硫ゴムのよう
にその形状がブロック状でなく、しかもコールド・フロ
ーを起こさない、ペレット状で供給され、単体でもフィ
ルム状に押出し加工でき得る程度の充分な熱可塑性を有
するものが好ましい。 <成分(C3)>次に成分(C3)としては、比較的硬
質[成分(C1)、(C2)よりも硬質]で比較的結晶
化度の高い成分よりなる、ポリプロピレン、ポリブテン
−1、ポリ4−メチルペンテン−1系重合体が挙げられ
る、これらは好ましくは、単体で使用する時はそれ自体
で、混合して使用する場合は、成分(C3)全体として
のVSPが80℃以上、好ましくは90℃以上、より好
ましくは100℃以上の比較的硬質の重合体よりなるこ
とが好ましい。
にその形状がブロック状でなく、しかもコールド・フロ
ーを起こさない、ペレット状で供給され、単体でもフィ
ルム状に押出し加工でき得る程度の充分な熱可塑性を有
するものが好ましい。 <成分(C3)>次に成分(C3)としては、比較的硬
質[成分(C1)、(C2)よりも硬質]で比較的結晶
化度の高い成分よりなる、ポリプロピレン、ポリブテン
−1、ポリ4−メチルペンテン−1系重合体が挙げられ
る、これらは好ましくは、単体で使用する時はそれ自体
で、混合して使用する場合は、成分(C3)全体として
のVSPが80℃以上、好ましくは90℃以上、より好
ましくは100℃以上の比較的硬質の重合体よりなるこ
とが好ましい。
【0033】次に、本発明の微孔性フィルムの製造時に
用いるS層における、上記の各成分の好ましい組み合わ
せとしては、:(C1)と(C2)、:(C2)と
(C3)及び:(C1)と(C2)と(C3)を主体
とする混合組成が挙げられる。これらの混合量の好まし
い範囲は以下の通りである。 0.05≦C2/(C1+C2)≦0.90、 0.30≦C2/(C2+C3)≦0.90または 0.05≦C2/(C1+C2)≦0.90でかつ
0.05≦C3/(C1+C2)≦2.0である、また
より好ましくは 0.07≦C2/(C1+C2)≦0.70、また
は 0.40≦C2/(C2+C3)≦0.87、また
は 0.07≦C2/(C1+C2)≦0.70でかつ
0.07≦C3/(C1+C2)≦1.0である。
用いるS層における、上記の各成分の好ましい組み合わ
せとしては、:(C1)と(C2)、:(C2)と
(C3)及び:(C1)と(C2)と(C3)を主体
とする混合組成が挙げられる。これらの混合量の好まし
い範囲は以下の通りである。 0.05≦C2/(C1+C2)≦0.90、 0.30≦C2/(C2+C3)≦0.90または 0.05≦C2/(C1+C2)≦0.90でかつ
0.05≦C3/(C1+C2)≦2.0である、また
より好ましくは 0.07≦C2/(C1+C2)≦0.70、また
は 0.40≦C2/(C2+C3)≦0.87、また
は 0.07≦C2/(C1+C2)≦0.70でかつ
0.07≦C3/(C1+C2)≦1.0である。
【0034】ここで軟質成分(C2)の混合量が少ない
場合は、、、の場合とも混合物としての、相乗効
果を発揮し難くなり、例えば、S層の延伸性向上効果が
低下する。また多すぎても軟質化しすぎ、ダイ下でのド
ロー時のムラ防止効果(以下ドローダウン性)が十分に
得られない傾向にある。また、成分(C2)を好ましい
重量の範囲から選択することにより、、、の場合
とも混合物としての相乗効果が大きくなる。
場合は、、、の場合とも混合物としての、相乗効
果を発揮し難くなり、例えば、S層の延伸性向上効果が
低下する。また多すぎても軟質化しすぎ、ダイ下でのド
ロー時のムラ防止効果(以下ドローダウン性)が十分に
得られない傾向にある。また、成分(C2)を好ましい
重量の範囲から選択することにより、、、の場合
とも混合物としての相乗効果が大きくなる。
【0035】以上の各混合組成組合せのうち、特に好ま
しい組合せは、の(C1)と(C2)と(C3)を主
体とするものである。この場合について更に記述すると
成分(C3)は、混合組成の押出し・延伸性を他の成分
と相乗的に改良する効果が大きい、その効果は混合量が
少ない場合は、例えばフイルムの加工性に改良の効果が
少なくなる。多すぎると、押出成型性に劣ってくる等の
ため、好ましくは上記の範囲である。ここで、成分(C
1)は、前述の中、好ましくは特定のエチレン系共重合
体よりなり、前述の3成分(C1)、(C2)、(C
3)の混合体の中で主体となることが好ましい場合があ
る。
しい組合せは、の(C1)と(C2)と(C3)を主
体とするものである。この場合について更に記述すると
成分(C3)は、混合組成の押出し・延伸性を他の成分
と相乗的に改良する効果が大きい、その効果は混合量が
少ない場合は、例えばフイルムの加工性に改良の効果が
少なくなる。多すぎると、押出成型性に劣ってくる等の
ため、好ましくは上記の範囲である。ここで、成分(C
1)は、前述の中、好ましくは特定のエチレン系共重合
体よりなり、前述の3成分(C1)、(C2)、(C
3)の混合体の中で主体となることが好ましい場合があ
る。
【0036】またS層としては上記〜の混合重合体
が少なくとも50重量%、好ましくは80重量%以上に
なるよう、諸特性を害しない範囲にて本発明中または他
に公知の他樹脂を加えた層として用いても良い。このS
層は、それ自体のドローダウン性及び延伸性がよいばか
りでなく、多層にしたときに発揮する、M層に格段の
(M層単独では不均一化、破断してしまうような)高ド
ローダウン性、(タテ、横方向に厚みムラのない)高均
一性を発揮し、更に原反パンク、延伸パンクをも防ぎ、
更にM層の延伸性を大幅に改良する効果がある。また、
延伸中に該前駆層にネッキングが発生するのを防ぐ効果
もある。また、共延伸中は適度な層間密着力があり両層
を構成する樹脂の差による延伸歪(それぞれ単層では延
伸条件が異なるために発生する歪)を生じさせることな
く、逆に全体として延伸最適条件が広がり、全体として
より安定化する相乗効果を発揮する。その結果全層とし
ての延伸特性(得られる微多孔フィルムの孔径制御及び
その分布、空孔率等)がよくなるばかりか、特に最終的
に微多孔フィルムとして使用するM層の延伸効果を著し
く改良する。
が少なくとも50重量%、好ましくは80重量%以上に
なるよう、諸特性を害しない範囲にて本発明中または他
に公知の他樹脂を加えた層として用いても良い。このS
層は、それ自体のドローダウン性及び延伸性がよいばか
りでなく、多層にしたときに発揮する、M層に格段の
(M層単独では不均一化、破断してしまうような)高ド
ローダウン性、(タテ、横方向に厚みムラのない)高均
一性を発揮し、更に原反パンク、延伸パンクをも防ぎ、
更にM層の延伸性を大幅に改良する効果がある。また、
延伸中に該前駆層にネッキングが発生するのを防ぐ効果
もある。また、共延伸中は適度な層間密着力があり両層
を構成する樹脂の差による延伸歪(それぞれ単層では延
伸条件が異なるために発生する歪)を生じさせることな
く、逆に全体として延伸最適条件が広がり、全体として
より安定化する相乗効果を発揮する。その結果全層とし
ての延伸特性(得られる微多孔フィルムの孔径制御及び
その分布、空孔率等)がよくなるばかりか、特に最終的
に微多孔フィルムとして使用するM層の延伸効果を著し
く改良する。
【0037】M層とS層とを合わせた、全体の層構成
は、少なくとも両層が1層ずつ含まれていれば特に限定
すべきものではないが、例示すれば、M層/S層、M層
/S層/M層、S層/M層/S層、M層/S層/M層/
S層/M層等が挙げられるが、生産性の面から、複数の
M層を含む層構成が望ましい。また先述したように、各
M層及びS層はそれぞれ多層構造であってもよい。特に
微多孔フィルムの高性能化、高品質化を優先する場合、
好ましいのは、S層/M1層/M2層、S層/M1層/
M2層/S層、S層/M1層/M2層/M1層、S層/
M1層/M2層/M1層/S層、M1層/M2層/M1
層/S層/M1層/M2層/M1層等である。より好ま
しいのは、外側に少なくとも1層のS層が存在する場合
で、更に望ましいのは、少なくとも1層からなる該微多
孔形成前駆層(M層)を、2層の少なくとも1層からな
る該補助層(S層)に、挟み込んだ層構成、例えば、S
層/M層/S層、S層/M層/S層/M層/S層、S層
/M1層/M2層/M3層/S層、S1層/S2層/M
層/S2層/S1層等である。このようにM層を複数の
S層により挟み込むことにより、押出後延伸が終わるま
での間、M層から有機液体が分離するのを防ぐことがで
きる。その結果、製造設備の有機液状物質により汚染を
防止するばかりか、ブリードアウトが原因で厚み方向の
有機液状物質の含有量が不均一化することによって生じ
る、空孔率や孔径の異なる表面層の形成を防げるという
効果が得られる。
は、少なくとも両層が1層ずつ含まれていれば特に限定
すべきものではないが、例示すれば、M層/S層、M層
/S層/M層、S層/M層/S層、M層/S層/M層/
S層/M層等が挙げられるが、生産性の面から、複数の
M層を含む層構成が望ましい。また先述したように、各
M層及びS層はそれぞれ多層構造であってもよい。特に
微多孔フィルムの高性能化、高品質化を優先する場合、
好ましいのは、S層/M1層/M2層、S層/M1層/
M2層/S層、S層/M1層/M2層/M1層、S層/
M1層/M2層/M1層/S層、M1層/M2層/M1
層/S層/M1層/M2層/M1層等である。より好ま
しいのは、外側に少なくとも1層のS層が存在する場合
で、更に望ましいのは、少なくとも1層からなる該微多
孔形成前駆層(M層)を、2層の少なくとも1層からな
る該補助層(S層)に、挟み込んだ層構成、例えば、S
層/M層/S層、S層/M層/S層/M層/S層、S層
/M1層/M2層/M3層/S層、S1層/S2層/M
層/S2層/S1層等である。このようにM層を複数の
S層により挟み込むことにより、押出後延伸が終わるま
での間、M層から有機液体が分離するのを防ぐことがで
きる。その結果、製造設備の有機液状物質により汚染を
防止するばかりか、ブリードアウトが原因で厚み方向の
有機液状物質の含有量が不均一化することによって生じ
る、空孔率や孔径の異なる表面層の形成を防げるという
効果が得られる。
【0038】次に、M層とS層を合わせた延伸前の全層
の厚みは、好ましくは5〜1000μで、より好ましく
は10〜700μである。この下限は、M層中の結晶サ
イズやM層中に含まれる(B)の分散径により決定さ
れ、上限は押出後の急冷時、あるいは延伸中の加熱及び
/または冷却の際の温度ムラにより決定される。また、
S層の、S層とM層とを含めた全層厚みに対する比率
は、一般に10〜90%、好ましくは20〜80%、よ
リ好ましくは30〜70%である。この範囲の下限は、
S層の冷間延伸力で、M層それ自体単独層で冷間延伸を
達成することのできない条件下でも冷間延伸による配向
を特に安定に(フィルムの破れ、サージングなしに)付
与し本発明の相乗効果を発揮させるために必要な比率で
ある。また高温延伸域でも同様な効果がある。その比は
M層の構成により最適に決定すれば良い。例えば、M層
が冷間延伸せしめ難い組成層を含む場合はベース層の該
層比率下限は比較的高く、逆に延伸により配向を付与し
やすい組成層を含む場合は言うまでもなく、加工上のみ
を考えると低い該層比率レベルで良い。
の厚みは、好ましくは5〜1000μで、より好ましく
は10〜700μである。この下限は、M層中の結晶サ
イズやM層中に含まれる(B)の分散径により決定さ
れ、上限は押出後の急冷時、あるいは延伸中の加熱及び
/または冷却の際の温度ムラにより決定される。また、
S層の、S層とM層とを含めた全層厚みに対する比率
は、一般に10〜90%、好ましくは20〜80%、よ
リ好ましくは30〜70%である。この範囲の下限は、
S層の冷間延伸力で、M層それ自体単独層で冷間延伸を
達成することのできない条件下でも冷間延伸による配向
を特に安定に(フィルムの破れ、サージングなしに)付
与し本発明の相乗効果を発揮させるために必要な比率で
ある。また高温延伸域でも同様な効果がある。その比は
M層の構成により最適に決定すれば良い。例えば、M層
が冷間延伸せしめ難い組成層を含む場合はベース層の該
層比率下限は比較的高く、逆に延伸により配向を付与し
やすい組成層を含む場合は言うまでもなく、加工上のみ
を考えると低い該層比率レベルで良い。
【0039】本発明では、少なくとも1層のM層を構成
する熱可塑性樹脂を主成分とする組成物と少なくとも1
層のS層を構成する熱可塑性樹脂を主成分とする組成物
とが、それぞれ別々の押出機で熱可塑化溶融し、多層ダ
イより共押出後、伝熱媒体により急冷固化させ(場合に
よってはM層中に相分離を生じさせ)十分均一なチュー
ブまたはシート状原反とする。この際、共押出の方法と
しては、多層のT−ダイ法、多層の環状ダイ法と特に制
限はされないが、後者の方法がその製法の一例として、
原反効率の良さ、流動配向の均一性等の点で好ましい。
する熱可塑性樹脂を主成分とする組成物と少なくとも1
層のS層を構成する熱可塑性樹脂を主成分とする組成物
とが、それぞれ別々の押出機で熱可塑化溶融し、多層ダ
イより共押出後、伝熱媒体により急冷固化させ(場合に
よってはM層中に相分離を生じさせ)十分均一なチュー
ブまたはシート状原反とする。この際、共押出の方法と
しては、多層のT−ダイ法、多層の環状ダイ法と特に制
限はされないが、後者の方法がその製法の一例として、
原反効率の良さ、流動配向の均一性等の点で好ましい。
【0040】M層とS層とからなる原反は、続いて15
℃以上、かつ、M層を構成する組成物のVSPに50℃
を加えた温度以下の温度条件で、少なくとも1方向に面
積倍率で2倍以上延伸する。延伸温度は15℃以上、か
つ、M層を構成する組成物のVSPに50℃を加えた温
度以下の範囲になければ、後に抽出を行っても、延伸ム
ラが発生する、あるいは開孔しないといった問題が発生
する。
℃以上、かつ、M層を構成する組成物のVSPに50℃
を加えた温度以下の温度条件で、少なくとも1方向に面
積倍率で2倍以上延伸する。延伸温度は15℃以上、か
つ、M層を構成する組成物のVSPに50℃を加えた温
度以下の範囲になければ、後に抽出を行っても、延伸ム
ラが発生する、あるいは開孔しないといった問題が発生
する。
【0041】延伸倍率は上記の範囲外、例えば2倍未満
であると、後に抽出を行っても、M層が均一に開孔しな
いか、あるいは全く開孔しない。また、延伸倍率の上限
は、安定に延伸できず破断してしまうといった現象が生
じる場合、あるいは不必要に延伸倍率が大きいと、延伸
機が大規模になり過ぎるのと同時に、加熱及び/または
冷却効率が悪くなる場合とで異なるが、前者の現象が起
こる場合、一般に30倍以内、後者の場合は400倍以
内であることが好ましい。延伸方向はM層の組成ならび
に微多孔フィルムに要求される特性により決定される
が、一軸でも二軸でもかまわない。
であると、後に抽出を行っても、M層が均一に開孔しな
いか、あるいは全く開孔しない。また、延伸倍率の上限
は、安定に延伸できず破断してしまうといった現象が生
じる場合、あるいは不必要に延伸倍率が大きいと、延伸
機が大規模になり過ぎるのと同時に、加熱及び/または
冷却効率が悪くなる場合とで異なるが、前者の現象が起
こる場合、一般に30倍以内、後者の場合は400倍以
内であることが好ましい。延伸方向はM層の組成ならび
に微多孔フィルムに要求される特性により決定される
が、一軸でも二軸でもかまわない。
【0042】延伸の方法は、圧延法、ロール延伸法、テ
ンターフレーム法、(ダブルバブル、トリプルバブル等
のマルチバブルプロセスを含む)チューブラー法等の各
種方法があるが、以下の理由等からチューブラー法によ
るのが好ましい。 1)先述したように原反をチューブ状で作成するのが好
ましい。 2)得られる微多孔フィルムの厚み方向、幅方向、長さ
方向における均一性、高流動配向を付与した結果開孔が
容易になる。 3)開孔サイズや分布の均一性がよいこと。 4)延伸時のチャック部やネックインによる製品のロス
がないこと。 5)孔の開いていないS層が存在するためエアー漏れの
心配がないこと。 6)延伸時のM層由来の(特に、M層単層では破断する
ような高延伸倍率、延伸温度、またはM層に含まれるゲ
ル、ボイド、組成ムラ、厚みムラに由来する)破断(パ
ンク)を防止する効果がある。 7)延伸時のM層の延伸応力上昇がない、または少ない
場合の破断(パンク)防止効果。
ンターフレーム法、(ダブルバブル、トリプルバブル等
のマルチバブルプロセスを含む)チューブラー法等の各
種方法があるが、以下の理由等からチューブラー法によ
るのが好ましい。 1)先述したように原反をチューブ状で作成するのが好
ましい。 2)得られる微多孔フィルムの厚み方向、幅方向、長さ
方向における均一性、高流動配向を付与した結果開孔が
容易になる。 3)開孔サイズや分布の均一性がよいこと。 4)延伸時のチャック部やネックインによる製品のロス
がないこと。 5)孔の開いていないS層が存在するためエアー漏れの
心配がないこと。 6)延伸時のM層由来の(特に、M層単層では破断する
ような高延伸倍率、延伸温度、またはM層に含まれるゲ
ル、ボイド、組成ムラ、厚みムラに由来する)破断(パ
ンク)を防止する効果がある。 7)延伸時のM層の延伸応力上昇がない、または少ない
場合の破断(パンク)防止効果。
【0043】またこのようにチューブラー法により延伸
を行うとき、先述したように少なくともチューブの外表
面がS層からなることが、得られる微多孔フィルムの表
面の傷つき防止の点から好ましい。延伸の際、得られる
微多孔フィルムの微孔特性を使用される用途に合わせ
る、寸法安定性を付与する、タテ/ヨコの延伸度合いを
変換・移動する等の目的で、延伸を多段階に分けて行っ
てもよい。この場合、15℃以上、M層を構成する組成
物のVSPに50℃を加えた温度以下の範囲の温度で、
かつ、合計面積倍率が2倍以上であれば特に限定されな
いが、各段における延伸開始部の温度差が少なくとも1
0℃以上であることが好ましい。例えば、M層を構成す
る組成物のVSPから10℃を引いた温度で2倍の延伸
後、M層を構成する組成物のVSPに30℃を加えた温
度で5倍の延伸を行ってもよい。
を行うとき、先述したように少なくともチューブの外表
面がS層からなることが、得られる微多孔フィルムの表
面の傷つき防止の点から好ましい。延伸の際、得られる
微多孔フィルムの微孔特性を使用される用途に合わせ
る、寸法安定性を付与する、タテ/ヨコの延伸度合いを
変換・移動する等の目的で、延伸を多段階に分けて行っ
てもよい。この場合、15℃以上、M層を構成する組成
物のVSPに50℃を加えた温度以下の範囲の温度で、
かつ、合計面積倍率が2倍以上であれば特に限定されな
いが、各段における延伸開始部の温度差が少なくとも1
0℃以上であることが好ましい。例えば、M層を構成す
る組成物のVSPから10℃を引いた温度で2倍の延伸
後、M層を構成する組成物のVSPに30℃を加えた温
度で5倍の延伸を行ってもよい。
【0044】また、同様な目的で、延伸開始部と延伸終
了部の温度差が5℃以上の条件下で延伸してもよい。な
お、ここでいう延伸温度とは、延伸開始部の温度のこと
をいう。また、寸法安定性を特に重要視する場合は、最
終延伸段の温度を高めにしてヒートセット効果を付与し
ても、または次工程としてヒートセット工程を加えても
よい。
了部の温度差が5℃以上の条件下で延伸してもよい。な
お、ここでいう延伸温度とは、延伸開始部の温度のこと
をいう。また、寸法安定性を特に重要視する場合は、最
終延伸段の温度を高めにしてヒートセット効果を付与し
ても、または次工程としてヒートセット工程を加えても
よい。
【0045】さらに、延伸前、延伸後の少なくともいず
れかに、M層とS層からなる積層原反の延伸性、M層の
延伸開孔性を高め、また微多孔フィルムの強度、耐熱
性、寸法安定性を向上させる目的で、延伸前、延伸後で
自由にM層に2〜15Mrad、好ましくは2.5〜1
0Mradの高エネルギー線により、架橋処理を行って
もよい。この際の方法としては、電離性放射線、例えば
電子線、放射性同位元素から放射されるβ線、γ線を照
射する方法、またはベンゾフェノンやパーオキサイド等
の増感剤をあらかじめM層に混合しておき、紫外線照射
を行う方法等があるが、これらのうち、工業的には高エ
ネルギー電子線を使用するのが好ましい。
れかに、M層とS層からなる積層原反の延伸性、M層の
延伸開孔性を高め、また微多孔フィルムの強度、耐熱
性、寸法安定性を向上させる目的で、延伸前、延伸後で
自由にM層に2〜15Mrad、好ましくは2.5〜1
0Mradの高エネルギー線により、架橋処理を行って
もよい。この際の方法としては、電離性放射線、例えば
電子線、放射性同位元素から放射されるβ線、γ線を照
射する方法、またはベンゾフェノンやパーオキサイド等
の増感剤をあらかじめM層に混合しておき、紫外線照射
を行う方法等があるが、これらのうち、工業的には高エ
ネルギー電子線を使用するのが好ましい。
【0046】また、多層状のM層の所定層の架橋度合い
を、以下に述べる方法等により、コントロール(例え
ば、表層の架橋密度を高くする、中間層の架橋密度を下
げる、または実質的にゲル分率が測定できない程度の弱
い架橋を行う等)してもよい。 1)架橋されやすい、またはされにくい樹脂を使用す
る。 2)分子量の高いもの、または低いものを使用する。
を、以下に述べる方法等により、コントロール(例え
ば、表層の架橋密度を高くする、中間層の架橋密度を下
げる、または実質的にゲル分率が測定できない程度の弱
い架橋を行う等)してもよい。 1)架橋されやすい、またはされにくい樹脂を使用す
る。 2)分子量の高いもの、または低いものを使用する。
【0047】3)架橋を促進する、または抑制する添加
剤等を利用する。 4)エネルギー線の透過深度を制御する。 さらにこれらの架橋処理をS層に適用し、相乗効果を得
てもよい。上記の積層後延伸されたM層とS層の延伸積
層体から、少なくとも片表面の延伸された剥離し、その
後有機液状物質(B)や充填剤を抽出し、さらに残りの
延伸されたM層を剥離除去することにより少なくとも1
枚の微多孔フィルムが得られる。この際、抽出前にすべ
ての補助層を除去した場合は、抽出後の剥離操作は行わ
なくてもよい。また、抽出前に延伸されたM層の片表面
がむき出しになっている場合は、抽出前の剥離操作は行
わなくてもよい場合がある。
剤等を利用する。 4)エネルギー線の透過深度を制御する。 さらにこれらの架橋処理をS層に適用し、相乗効果を得
てもよい。上記の積層後延伸されたM層とS層の延伸積
層体から、少なくとも片表面の延伸された剥離し、その
後有機液状物質(B)や充填剤を抽出し、さらに残りの
延伸されたM層を剥離除去することにより少なくとも1
枚の微多孔フィルムが得られる。この際、抽出前にすべ
ての補助層を除去した場合は、抽出後の剥離操作は行わ
なくてもよい。また、抽出前に延伸されたM層の片表面
がむき出しになっている場合は、抽出前の剥離操作は行
わなくてもよい場合がある。
【0048】本発明により得られる微多孔フィルムの厚
みは、好ましくは1〜150μ程度、より好ましくは5
〜100μ程度である。該延伸積層体は延伸歪を内蔵す
ることがあるので、その除去のために、延伸後に該延伸
積層体を緊張状態あるいは緩和状態(収縮させる)に保
ち、所定温度、通常は延伸温度(複数段階延伸した場合
はその最高温度)の前後近くの温度で加熱し安定化させ
ることができる。
みは、好ましくは1〜150μ程度、より好ましくは5
〜100μ程度である。該延伸積層体は延伸歪を内蔵す
ることがあるので、その除去のために、延伸後に該延伸
積層体を緊張状態あるいは緩和状態(収縮させる)に保
ち、所定温度、通常は延伸温度(複数段階延伸した場合
はその最高温度)の前後近くの温度で加熱し安定化させ
ることができる。
【0049】また、場合により最後に多少の(自由方向
の)一軸延伸を加え配向移動処理を行ってもよい。この
歪除去のための加熱時間は、温度、該積層体に残存する
歪量等に応じて設定するが、通常約5秒間から2分間で
ある。必要に応じて、該熱処理を剥離後の微多孔フィル
ムに対して行ってもよい。また、剥離により該延伸積層
体から除去されたS層は、リサイクルしてS層の少なく
とも一部に、または場合によりM層に混合して使用して
もよい。
の)一軸延伸を加え配向移動処理を行ってもよい。この
歪除去のための加熱時間は、温度、該積層体に残存する
歪量等に応じて設定するが、通常約5秒間から2分間で
ある。必要に応じて、該熱処理を剥離後の微多孔フィル
ムに対して行ってもよい。また、剥離により該延伸積層
体から除去されたS層は、リサイクルしてS層の少なく
とも一部に、または場合によりM層に混合して使用して
もよい。
【0050】
【発明の実施の形態】次に実施例と比較例を挙げて本発
明の具体的実施態様を説明する。なお、表1、表2に本
実施例で使用する熱可塑性樹脂組成を示す。また実施例
中に示される透気度はASTM D−726(B)法に
基づいて測定したガーレー値(秒/10cc)である。
明の具体的実施態様を説明する。なお、表1、表2に本
実施例で使用する熱可塑性樹脂組成を示す。また実施例
中に示される透気度はASTM D−726(B)法に
基づいて測定したガーレー値(秒/10cc)である。
【0051】
【実施例1】内側層のM層として組成11をギアポンプ
付の強混練タイプ二軸押出機に、外側層のS層として組
成21を単軸押出機に、それぞれ投入し溶融混練して、
これらを180℃に加熱された2種2層の環状ダイに供
給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの
間の距離を調節してDDR18の厚みムラのない原反を
安定に得た。
付の強混練タイプ二軸押出機に、外側層のS層として組
成21を単軸押出機に、それぞれ投入し溶融混練して、
これらを180℃に加熱された2種2層の環状ダイに供
給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの
間の距離を調節してDDR18の厚みムラのない原反を
安定に得た。
【0052】この原反を、2対の送りニップロールと引
取りニップロールの間に通して熱風により52℃に加熱
し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触ガイドを用い
て連続的に膨張させて機械方向(以下タテ方向)の延伸
倍率が3倍、機械方向に垂直方向(以下ヨコ方向)の延
伸倍率が3倍になるように延伸し、次いでもう一組の2
対の送りニップロールと引取りニップロールの間に通し
て熱風により110℃に加熱し、タテ方向の延伸倍率が
2倍、ヨコ方向の延伸倍率が1.5倍になるように再延
伸し、さらにもう一組の2対の送りニップロールと引取
りニップロールの間に通してチューブ状にして周方向よ
り熱風により110℃に加熱してタテ方向に5%、ヨコ
方向に5%収縮させながら30秒間ヒートセットした。
取りニップロールの間に通して熱風により52℃に加熱
し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触ガイドを用い
て連続的に膨張させて機械方向(以下タテ方向)の延伸
倍率が3倍、機械方向に垂直方向(以下ヨコ方向)の延
伸倍率が3倍になるように延伸し、次いでもう一組の2
対の送りニップロールと引取りニップロールの間に通し
て熱風により110℃に加熱し、タテ方向の延伸倍率が
2倍、ヨコ方向の延伸倍率が1.5倍になるように再延
伸し、さらにもう一組の2対の送りニップロールと引取
りニップロールの間に通してチューブ状にして周方向よ
り熱風により110℃に加熱してタテ方向に5%、ヨコ
方向に5%収縮させながら30秒間ヒートセットした。
【0053】最後に両端をスリットしながら、延伸され
たS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化メチレ
ンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去するこ
とにより目的の微多孔フィルム(厚み15μ、透気度4
1)が得られた。また、各層間には適度な密着性があ
り、各工程中でもそれらが剥離してバラバラになること
もなかった。
たS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化メチレ
ンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去するこ
とにより目的の微多孔フィルム(厚み15μ、透気度4
1)が得られた。また、各層間には適度な密着性があ
り、各工程中でもそれらが剥離してバラバラになること
もなかった。
【0054】
【比較例1】M層として組成11をギアポンプ付の強混
練タイプ二軸押出機に投入し実施例1と同様に溶融混練
して、これを140℃に加熱された単層の環状ダイに供
給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの
間の距離を調節してDDR18の原反を得ようとした
が、幅方向および流れ方向の厚みムラが大きく、安定し
て原反を得ることはできなかった。
練タイプ二軸押出機に投入し実施例1と同様に溶融混練
して、これを140℃に加熱された単層の環状ダイに供
給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの
間の距離を調節してDDR18の原反を得ようとした
が、幅方向および流れ方向の厚みムラが大きく、安定し
て原反を得ることはできなかった。
【0055】結局、DDR7で原反を作成し、これを、
2対の送りニップロールと引取りニップロールの間に通
して熱風により125℃に加熱し、そのまま内部に空気
を入れ、整流接触ガイドを用いて連続的に膨張させてタ
テ方向の延伸倍率が5倍、ヨコ方向の延伸倍率が5倍に
なるように延伸した。最後に延伸されたM層を塩化メチ
レンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去する
ことにより目的の微多孔フィルム(厚み35μ、透気度
95)が得られた。
2対の送りニップロールと引取りニップロールの間に通
して熱風により125℃に加熱し、そのまま内部に空気
を入れ、整流接触ガイドを用いて連続的に膨張させてタ
テ方向の延伸倍率が5倍、ヨコ方向の延伸倍率が5倍に
なるように延伸した。最後に延伸されたM層を塩化メチ
レンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去する
ことにより目的の微多孔フィルム(厚み35μ、透気度
95)が得られた。
【0056】しかし、この方法では、DDRを厚み15
μのフィルムを得ようとした場合、延伸バブルが安定せ
ずにパンクが多発し、2〜3mの厚みの不均一なフィル
ムしか得られなかった。
μのフィルムを得ようとした場合、延伸バブルが安定せ
ずにパンクが多発し、2〜3mの厚みの不均一なフィル
ムしか得られなかった。
【0057】
【実施例2】M層として組成11を、S層として組成2
2を、実施例1と同様に溶融混練して、これらを180
℃に加熱された2種3層のT−ダイにS層/M層/S層
の層構成になるように供給し、20℃の冷却ロールに接
触させてDDR13の耳部以外に厚みムラのない原反を
安定に得た。
2を、実施例1と同様に溶融混練して、これらを180
℃に加熱された2種3層のT−ダイにS層/M層/S層
の層構成になるように供給し、20℃の冷却ロールに接
触させてDDR13の耳部以外に厚みムラのない原反を
安定に得た。
【0058】この原反を、52℃に加熱されたロール延
伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍になるように延
伸し、次いで110℃に加熱されたテンター延伸機に通
してヨコ方向の延伸倍率が5倍になるように延伸し、さ
らに110℃に加熱してタテ方向に5%、ヨコ方向に5
%収縮させながら30秒間ヒートセットした。最後に両
端をスリットしながら、延伸されたS層をM層から剥離
し、延伸されたM層を塩化メチレンで洗浄して残留する
流動パラフィンを抽出除去することにより目的の微多孔
フィルム(厚み15μ、透気度41)が得られた。
伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍になるように延
伸し、次いで110℃に加熱されたテンター延伸機に通
してヨコ方向の延伸倍率が5倍になるように延伸し、さ
らに110℃に加熱してタテ方向に5%、ヨコ方向に5
%収縮させながら30秒間ヒートセットした。最後に両
端をスリットしながら、延伸されたS層をM層から剥離
し、延伸されたM層を塩化メチレンで洗浄して残留する
流動パラフィンを抽出除去することにより目的の微多孔
フィルム(厚み15μ、透気度41)が得られた。
【0059】この微多孔フィルムの厚み方向の孔構造
は、走査型電子顕微鏡により均一であることを確認され
た。また、各層間に適度な密着性があり、各工程中でも
それらが剥離してバラバラになることもなかった。
は、走査型電子顕微鏡により均一であることを確認され
た。また、各層間に適度な密着性があり、各工程中でも
それらが剥離してバラバラになることもなかった。
【0060】
【比較例2】M層として組成12を、S層として組成2
2を、実施例2と同様にDDR13の均一な原反を得よ
うとしたが、M層とS層の間に流れムラが発生し、原反
を得ることはできなかった。また、M層単独でも、スウ
ェルが大きく原反を得ることはできなかった。
2を、実施例2と同様にDDR13の均一な原反を得よ
うとしたが、M層とS層の間に流れムラが発生し、原反
を得ることはできなかった。また、M層単独でも、スウ
ェルが大きく原反を得ることはできなかった。
【0061】
【比較例3】M層として組成13を、S層として組成2
2を、実施例2と同様にDDR13の耳部以外に厚みム
ラのない原反を安定に得た。この原反を、52℃に加熱
されたロール延伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍
になるように延伸し、次いで110℃に加熱されたテン
ター延伸機に通してヨコ方向の延伸倍率が5倍になるよ
うに延伸し、さらに110℃に加熱してタテ方向に5
%、ヨコ方向に5%収縮させながら30秒間ヒートセッ
トした。
2を、実施例2と同様にDDR13の耳部以外に厚みム
ラのない原反を安定に得た。この原反を、52℃に加熱
されたロール延伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍
になるように延伸し、次いで110℃に加熱されたテン
ター延伸機に通してヨコ方向の延伸倍率が5倍になるよ
うに延伸し、さらに110℃に加熱してタテ方向に5
%、ヨコ方向に5%収縮させながら30秒間ヒートセッ
トした。
【0062】最後に両端をスリットしながら、延伸され
たS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化メチレ
ンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去するこ
とによりフィルム(厚み15μ)が得られた。このフィ
ルムの透気度は100以上と大きく、また、断面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、添加した流動パラフィ
ンの量が少なかったためか、孔の連通がほとんど見られ
なかった。
たS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化メチレ
ンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去するこ
とによりフィルム(厚み15μ)が得られた。このフィ
ルムの透気度は100以上と大きく、また、断面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、添加した流動パラフィ
ンの量が少なかったためか、孔の連通がほとんど見られ
なかった。
【0063】
【比較例4】実施例2で得られた原反を、0℃に冷却さ
れたロール延伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍に
なるように延伸しようとしたが、伸びが小さく延伸する
ことはできなかった。
れたロール延伸機に通してタテ方向の延伸倍率が5倍に
なるように延伸しようとしたが、伸びが小さく延伸する
ことはできなかった。
【0064】
【比較例5】実施例2で得られた原反を、175℃に加
熱された二軸延伸試験装置(ストレッチャー)でタテヨ
コそれぞれの方向に5×5倍延伸した。このとき原反が
軟化しすぎて不均一な伸びが発生し、均一なフィルムを
得ることはできなかった。
熱された二軸延伸試験装置(ストレッチャー)でタテヨ
コそれぞれの方向に5×5倍延伸した。このとき原反が
軟化しすぎて不均一な伸びが発生し、均一なフィルムを
得ることはできなかった。
【0065】
【比較例6】実施例2で得られた原反を、65℃に加熱
された二軸延伸試験装置(ストレッチャー)でタテヨコ
それぞれの方向に1.3×1.3倍延伸した。この後延
伸されたS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化
メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去
することによりフィルムが得られたが、このフィルムは
延伸が不十分なために透気度が100以上と大きく、実
用に適しないものであった。
された二軸延伸試験装置(ストレッチャー)でタテヨコ
それぞれの方向に1.3×1.3倍延伸した。この後延
伸されたS層をM層から剥離し、延伸されたM層を塩化
メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去
することによりフィルムが得られたが、このフィルムは
延伸が不十分なために透気度が100以上と大きく、実
用に適しないものであった。
【0066】
【実施例3】M層として、組成14層/組成15層/組
成14層を積層したものを、S層として組成21層をそ
れぞれ使用し、必要数の二軸/単軸押出機を使用し、1
80℃に加熱された4層環状ダイに(外側層)組成21
層/組成14層/組成15層/組成14層の層構成にな
るように供給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水
冷リングの間の距離を調節してDDR18の厚みムラの
ない原反を安定に得た。 この原反を、実施例1と同様
に延伸、ヒートセットを行い、両端をスリットし、次に
1,1,1−トリクロロエタンと苛性ソーダ水溶液で洗
浄して残留するDBP、微粉ケイ酸、流動パラフィンを
抽出除去し、最後に延伸されたS層をM層から剥離する
ことにより目的の微多孔フィルム(厚み25μ;組成1
4層/組成15層/組成14層=8/9/8、透気度2
5)が得られた。
成14層を積層したものを、S層として組成21層をそ
れぞれ使用し、必要数の二軸/単軸押出機を使用し、1
80℃に加熱された4層環状ダイに(外側層)組成21
層/組成14層/組成15層/組成14層の層構成にな
るように供給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水
冷リングの間の距離を調節してDDR18の厚みムラの
ない原反を安定に得た。 この原反を、実施例1と同様
に延伸、ヒートセットを行い、両端をスリットし、次に
1,1,1−トリクロロエタンと苛性ソーダ水溶液で洗
浄して残留するDBP、微粉ケイ酸、流動パラフィンを
抽出除去し、最後に延伸されたS層をM層から剥離する
ことにより目的の微多孔フィルム(厚み25μ;組成1
4層/組成15層/組成14層=8/9/8、透気度2
5)が得られた。
【0067】
【比較例7】M層として、組成14層/組成15層/組
成14層を積層したものを使用し、必要数の二軸押出機
を使用し、180℃に加熱された3層環状ダイに供給
し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの間
の距離を調節してDDR18の原反を得ようとしたが、
ネックインのため安定して原反を得ることは不可能であ
った。
成14層を積層したものを使用し、必要数の二軸押出機
を使用し、180℃に加熱された3層環状ダイに供給
し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷リングの間
の距離を調節してDDR18の原反を得ようとしたが、
ネックインのため安定して原反を得ることは不可能であ
った。
【0068】結局DDR6で原反を得、この原反を実施
例1と同様に2対の送りニップロールと引取りニップロ
ールの間に通して熱風により52℃に加熱し、そのまま
内部に空気を入れ、整流接触ガイドを用いて連続的に膨
張させてタテ方向の延伸倍率が3倍、ヨコ方向の延伸倍
率が3倍になるように延伸しようとしたが、パンクが多
発して安定して延伸することはできなかった。このため
この原反を比較例5で使用したストレッチャー(52℃
に加熱)でタテヨコそれぞれの方向に3×3倍延伸し、
これを同じストレッチャー(110℃に加熱)その後さ
らにタテヨコそれぞれ2×1.5に延伸しようとした
が、二段目の延伸でポリプロピレン層の伸びが少ないた
めに破断が発生し、微多孔フィルムを得ることはできな
かった
例1と同様に2対の送りニップロールと引取りニップロ
ールの間に通して熱風により52℃に加熱し、そのまま
内部に空気を入れ、整流接触ガイドを用いて連続的に膨
張させてタテ方向の延伸倍率が3倍、ヨコ方向の延伸倍
率が3倍になるように延伸しようとしたが、パンクが多
発して安定して延伸することはできなかった。このため
この原反を比較例5で使用したストレッチャー(52℃
に加熱)でタテヨコそれぞれの方向に3×3倍延伸し、
これを同じストレッチャー(110℃に加熱)その後さ
らにタテヨコそれぞれ2×1.5に延伸しようとした
が、二段目の延伸でポリプロピレン層の伸びが少ないた
めに破断が発生し、微多孔フィルムを得ることはできな
かった
【0069】
【実施例4】M層として組成16層/組成17層/組成
16層を積層したものを、S層として組成22を、それ
ぞれ実施例3同様溶融混練して、これらを180℃に加
熱された3種5層の環状ダイに組成22層/組成16層
/組成17層/組成16層/組成22層の層構成になる
ように供給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷
リングの間の距離を調節してDDR18の厚みムラのな
い原反を安定に得た。
16層を積層したものを、S層として組成22を、それ
ぞれ実施例3同様溶融混練して、これらを180℃に加
熱された3種5層の環状ダイに組成22層/組成16層
/組成17層/組成16層/組成22層の層構成になる
ように供給し、ダイ先端と20℃の水が均一に出る水冷
リングの間の距離を調節してDDR18の厚みムラのな
い原反を安定に得た。
【0070】この原反を、この原反を、2対の送りニッ
プロールと引取りニップロールの間に通して熱風により
97℃に加熱し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触
ガイドを用いて連続的に膨張させてタテ方向の延伸倍率
が5.5倍に、ヨコ方向の延伸倍率が4.5倍になるよ
うに同時二軸延伸し、冷却ゾーンで20℃の冷風で冷却
してバブル延伸した。次いでもう一組の2対の送りニッ
プロールと引取りニップロールの間に通して熱風により
130℃に加熱して20秒間ヒートセットした。 つぎ
に両端をスリットしながら、延伸されたS層をM層から
剥離し、これを塩化メチレンで洗浄して残留するパラフ
ィンワックスとエチレン−酢酸ビニル共重合体を抽出除
去し、さらにファンデグラフ型電子加速器により常温で
500KVのエネルギーの電子線を5Mrad照射して
架橋することにより目的の微多孔フィルム(厚み15
μ;組成16層/組成17層/組成16層=5/5/
5、透気度22)が得られた。この微多孔フィルム組成
17層の孔構造は、走査型電子顕微鏡により壁部に更に
微細孔を有した、二重構造の多孔体となっていることが
確認された。
プロールと引取りニップロールの間に通して熱風により
97℃に加熱し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触
ガイドを用いて連続的に膨張させてタテ方向の延伸倍率
が5.5倍に、ヨコ方向の延伸倍率が4.5倍になるよ
うに同時二軸延伸し、冷却ゾーンで20℃の冷風で冷却
してバブル延伸した。次いでもう一組の2対の送りニッ
プロールと引取りニップロールの間に通して熱風により
130℃に加熱して20秒間ヒートセットした。 つぎ
に両端をスリットしながら、延伸されたS層をM層から
剥離し、これを塩化メチレンで洗浄して残留するパラフ
ィンワックスとエチレン−酢酸ビニル共重合体を抽出除
去し、さらにファンデグラフ型電子加速器により常温で
500KVのエネルギーの電子線を5Mrad照射して
架橋することにより目的の微多孔フィルム(厚み15
μ;組成16層/組成17層/組成16層=5/5/
5、透気度22)が得られた。この微多孔フィルム組成
17層の孔構造は、走査型電子顕微鏡により壁部に更に
微細孔を有した、二重構造の多孔体となっていることが
確認された。
【0071】
【比較例8】M層として組成16層/組成17層/組成
16層を積層したものを使用し、比較例7と同様にDD
R6の原反を得た。この原反を、2対の送りニップロー
ルと引取りニップロールの間に通して熱風により97℃
に加熱し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触ガイド
を用いて連続的に膨張させてタテ方向の延伸倍率が5.
5倍に、ヨコ方向の延伸倍率が4.5倍になるように同
時二軸延伸しようとしたが、パンクが多発して安定して
延伸することはできなかった。
16層を積層したものを使用し、比較例7と同様にDD
R6の原反を得た。この原反を、2対の送りニップロー
ルと引取りニップロールの間に通して熱風により97℃
に加熱し、そのまま内部に空気を入れ、整流接触ガイド
を用いて連続的に膨張させてタテ方向の延伸倍率が5.
5倍に、ヨコ方向の延伸倍率が4.5倍になるように同
時二軸延伸しようとしたが、パンクが多発して安定して
延伸することはできなかった。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明により、M層単独では不可能だっ
た、延伸工程中に不均一になり裂けてしまう、厚み方向
で孔形成性、特性が異なる、幅方向で均一性に欠ける、
更には条件的により厳しいバブル法での延伸(特に高度
な延伸を加え低温の延伸条件で開孔させる目的の場合等
には上記理由でのパンクや不均一化の問題の他に、バブ
ル内の空気が抜けて封入できず、延伸が継続してできな
い等の問題がある)ができない等の理由で、いまだかつ
て達成することができなかった樹脂組成や延伸条件で
も、均一な高強度の微多孔フィルムを効率よく生産する
ことができる製造方法が提供される。
た、延伸工程中に不均一になり裂けてしまう、厚み方向
で孔形成性、特性が異なる、幅方向で均一性に欠ける、
更には条件的により厳しいバブル法での延伸(特に高度
な延伸を加え低温の延伸条件で開孔させる目的の場合等
には上記理由でのパンクや不均一化の問題の他に、バブ
ル内の空気が抜けて封入できず、延伸が継続してできな
い等の問題がある)ができない等の理由で、いまだかつ
て達成することができなかった樹脂組成や延伸条件で
も、均一な高強度の微多孔フィルムを効率よく生産する
ことができる製造方法が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 微多孔フィルムの製造方法において、少
なくとも1層の、熱可塑性樹脂(A)15〜90体積部
と、抽出可能であって、200℃で少なくとも粘度が1
000cps以下であり、かつ不活性な有機液状物質
(B)85〜10体積部を主成分とする組成物よりなる
微多孔形成前駆層と、さらに少なくとも1層の、該前駆
層に用いられる樹脂とは異なる熱可塑性樹脂(C)を主
成分とする補助層とを多層ダイにより積層共押出し、伝
熱媒体により該前駆層を急冷固化させて、15℃以上、
かつ、該前駆層を構成する熱可塑性樹脂(A)のビカッ
ト軟化点に50℃を加えた温度以下の温度条件で、少な
くとも1方向に面積倍率で2倍以上延伸して多層フィル
ムを得、次に少なくとも片表面の該補助層を剥離除去
し、その後有機液状物質(B)を抽出することにより微
多孔フィルムを得ることを特徴とする、微多孔フィルム
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9073712A JPH10265608A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 微多孔フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9073712A JPH10265608A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 微多孔フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10265608A true JPH10265608A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13526116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9073712A Withdrawn JPH10265608A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 微多孔フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10265608A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006112425A1 (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Teijin Limited | 反射シートおよびその製造法 |
JP2009001817A (ja) * | 2008-08-12 | 2009-01-08 | Asahi Kasei Corp | 通流体性微多孔フィルム及びその製造方法 |
CN111844666A (zh) * | 2020-06-29 | 2020-10-30 | 四川东方绝缘材料股份有限公司 | 一种液晶聚合物薄膜和tpx阻胶膜的同步制备方法 |
-
1997
- 1997-03-26 JP JP9073712A patent/JPH10265608A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006112425A1 (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Teijin Limited | 反射シートおよびその製造法 |
JPWO2006112425A1 (ja) * | 2005-04-14 | 2008-12-11 | 帝人株式会社 | 反射シートおよびその製造法 |
JP2009001817A (ja) * | 2008-08-12 | 2009-01-08 | Asahi Kasei Corp | 通流体性微多孔フィルム及びその製造方法 |
CN111844666A (zh) * | 2020-06-29 | 2020-10-30 | 四川东方绝缘材料股份有限公司 | 一种液晶聚合物薄膜和tpx阻胶膜的同步制备方法 |
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