JPH10264642A - 能力可変型ビスカスヒータ - Google Patents
能力可変型ビスカスヒータInfo
- Publication number
- JPH10264642A JPH10264642A JP9072049A JP7204997A JPH10264642A JP H10264642 A JPH10264642 A JP H10264642A JP 9072049 A JP9072049 A JP 9072049A JP 7204997 A JP7204997 A JP 7204997A JP H10264642 A JPH10264642 A JP H10264642A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chamber
- hole
- heat
- flapper valve
- generating chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F24—HEATING; RANGES; VENTILATING
- F24V—COLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F24V40/00—Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】長期間使用後の耐久後又は高速運転後の発熱量
の低下を防止可能にしつつ、能力縮小の十分な応答性を
実現可能な能力可変型ビスカスヒータを提供する。 【解決手段】後部プレート3に発熱室8及び制御室CR
と連通する回収孔3a及び供給孔3bを設け、回収孔3
aをバイメタル型の回収弁9自身の変形により開閉す
る。また、後部プレート3に回収弁9の根元側に開口す
る補助孔3cを設け、発熱室8内におけるシリコンオイ
ルを回収弁9に当接させ、回収弁9の変形を補助させ
る。
の低下を防止可能にしつつ、能力縮小の十分な応答性を
実現可能な能力可変型ビスカスヒータを提供する。 【解決手段】後部プレート3に発熱室8及び制御室CR
と連通する回収孔3a及び供給孔3bを設け、回収孔3
aをバイメタル型の回収弁9自身の変形により開閉す
る。また、後部プレート3に回収弁9の根元側に開口す
る補助孔3cを設け、発熱室8内におけるシリコンオイ
ルを回収弁9に当接させ、回収弁9の変形を補助させ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘性流体をせん断
により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換
して暖房熱源に利用する能力可変型ビスカスヒータに関
する。
により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換
して暖房熱源に利用する能力可変型ビスカスヒータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、実開平3−98107
号公報に能力可変のビスカスヒータが開示されている。
このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対
設された状態で締結され、内部に発熱室と、この発熱室
の外域にウォータジャケットとを形成している。ウォー
タジャケット内では循環水が入水ポートから取り入れら
れ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく
循環されている。前部及び後部ハウジングには軸受装置
を介して駆動軸が回動可能に支承され、駆動軸には発熱
室内で回動可能なロータが固着されている。発熱室の壁
面とロータの外面とは互いに近接する軸方向のラビリン
ス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面との
間隙にはシリコーンオイル等の粘性流体が介在される。
号公報に能力可変のビスカスヒータが開示されている。
このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対
設された状態で締結され、内部に発熱室と、この発熱室
の外域にウォータジャケットとを形成している。ウォー
タジャケット内では循環水が入水ポートから取り入れら
れ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく
循環されている。前部及び後部ハウジングには軸受装置
を介して駆動軸が回動可能に支承され、駆動軸には発熱
室内で回動可能なロータが固着されている。発熱室の壁
面とロータの外面とは互いに近接する軸方向のラビリン
ス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面との
間隙にはシリコーンオイル等の粘性流体が介在される。
【0003】また、このビスカスヒータの特徴的な構成
として、前部及び後部ハウジングの下方には内部にダイ
アフラムを備えた上下カバーが設けられ、上カバーとダ
イアフラムとにより制御室が区画されている。発熱室は
前部及び後部ハウジングの上端に貫設された貫通孔によ
り大気と連通されているとともに、上下カバーに設けら
れた連通管により制御室と連通されており、ダイアフラ
ムはマニホールド負圧及びコイルスプリング等により制
御室の内部容積を調整可能になされている。
として、前部及び後部ハウジングの下方には内部にダイ
アフラムを備えた上下カバーが設けられ、上カバーとダ
イアフラムとにより制御室が区画されている。発熱室は
前部及び後部ハウジングの上端に貫設された貫通孔によ
り大気と連通されているとともに、上下カバーに設けら
れた連通管により制御室と連通されており、ダイアフラ
ムはマニホールド負圧及びコイルスプリング等により制
御室の内部容積を調整可能になされている。
【0004】車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカ
スヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、
発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の
壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。
この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換さ
れ、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供され
ることとなる。
スヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、
発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の
壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。
この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換さ
れ、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供され
ることとなる。
【0005】ここで、このビスカスヒータの能力変化は
同公報によれば以下の作用となる。すなわち、暖房が過
強である場合、マニホールド負圧でダイアフラムを下方
に変位させて制御室の内部容積を拡大する。これによ
り、発熱室内の粘性流体が制御室内に回収されるため、
発熱室の壁面とロータの外面との間隙の発熱量が減少し
(能力縮小)、暖房が弱められることとなる。他方、暖
房が過弱である場合、気圧調整孔及びコイルスプリング
の作用でダイアフラムを上方に変位させて制御室の内部
容積を縮小する。これにより、制御室内の粘性流体は発
熱室内に送り出されるため、発熱室の壁面とロータの外
面との間隙の発熱量が増大し(能力拡大)、暖房が強め
られることとなる。
同公報によれば以下の作用となる。すなわち、暖房が過
強である場合、マニホールド負圧でダイアフラムを下方
に変位させて制御室の内部容積を拡大する。これによ
り、発熱室内の粘性流体が制御室内に回収されるため、
発熱室の壁面とロータの外面との間隙の発熱量が減少し
(能力縮小)、暖房が弱められることとなる。他方、暖
房が過弱である場合、気圧調整孔及びコイルスプリング
の作用でダイアフラムを上方に変位させて制御室の内部
容積を縮小する。これにより、制御室内の粘性流体は発
熱室内に送り出されるため、発熱室の壁面とロータの外
面との間隙の発熱量が増大し(能力拡大)、暖房が強め
られることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のビ
スカスヒータでは、粘性流体を発熱室から制御室内に回
収する際、これによる発熱室内の負圧を貫通孔から導か
れる新たな空気により相殺している。粘性流体は、こう
して能力縮小の度に新たな空気と接触することにより、
酸化劣化が進行しやすくなり、また随時空気中の水分が
補充される形となって、その水分による悪影響(トルク
低下)を受ける。
スカスヒータでは、粘性流体を発熱室から制御室内に回
収する際、これによる発熱室内の負圧を貫通孔から導か
れる新たな空気により相殺している。粘性流体は、こう
して能力縮小の度に新たな空気と接触することにより、
酸化劣化が進行しやすくなり、また随時空気中の水分が
補充される形となって、その水分による悪影響(トルク
低下)を受ける。
【0007】また、このビスカスヒータでは、制御室内
に粘性流体を回収しない状態で駆動軸が高回転数を維持
すると、発熱室内の粘性流体を入れ替える手段も有して
いないことから、発熱室内の粘性流体が上限なく高温化
し、粘性流体が耐熱限界を超えて劣化してしまう。この
場合、高速運転後の発熱量が低下してしまう。この点、
ドイツ公開特許公報第3832966号公報記載の暖房
装置では、ハウジングに発熱室と連通する通口と、この
通口と連通する制御室とを形成し、通口を閉鎖装置によ
り開閉可能にしたため、長期間使用後の耐久後又は高速
運転後の発熱量の低下を防止可能である。
に粘性流体を回収しない状態で駆動軸が高回転数を維持
すると、発熱室内の粘性流体を入れ替える手段も有して
いないことから、発熱室内の粘性流体が上限なく高温化
し、粘性流体が耐熱限界を超えて劣化してしまう。この
場合、高速運転後の発熱量が低下してしまう。この点、
ドイツ公開特許公報第3832966号公報記載の暖房
装置では、ハウジングに発熱室と連通する通口と、この
通口と連通する制御室とを形成し、通口を閉鎖装置によ
り開閉可能にしたため、長期間使用後の耐久後又は高速
運転後の発熱量の低下を防止可能である。
【0008】しかしながら、かかる暖房装置では、一端
が揺動可能に支持され、他端に通口を閉鎖可能な閉鎖要
素をもつレバーと、レバーの閉鎖要素を通口側に付勢す
る弾性要素と、粘性流体の温度上昇により変形するバイ
メタルにより作られ、弾性要素と対抗して変形可能な板
ばねとにより閉鎖装置が構成されている。このため、こ
の暖房装置では、板ばねの変形がレバーに伝達され、レ
バーの変形が閉鎖要素に伝達され、これにより初めて通
口の開閉が行われることとなる。これでは、たとえ制御
室内の温度変化が直接にバイメタルに影響を与えたとし
ても、各部品の公差を加算して閉鎖要素が移動すること
となり、間接的にしか通口の開閉が行われないこととな
るため、能力制御の応答性が十分でない。また、この暖
房装置では、閉鎖装置として多数の部品が必要となるた
め、製造コストの高騰化及び組付けの煩雑性を招来して
しまう。さらに、この暖房装置では、閉鎖装置が大型の
ものとなるため、それを収納可能な大型の制御室を確保
しなければならず、暖房装置全体の大型化から、車両等
への搭載性が損なわれることとなる。
が揺動可能に支持され、他端に通口を閉鎖可能な閉鎖要
素をもつレバーと、レバーの閉鎖要素を通口側に付勢す
る弾性要素と、粘性流体の温度上昇により変形するバイ
メタルにより作られ、弾性要素と対抗して変形可能な板
ばねとにより閉鎖装置が構成されている。このため、こ
の暖房装置では、板ばねの変形がレバーに伝達され、レ
バーの変形が閉鎖要素に伝達され、これにより初めて通
口の開閉が行われることとなる。これでは、たとえ制御
室内の温度変化が直接にバイメタルに影響を与えたとし
ても、各部品の公差を加算して閉鎖要素が移動すること
となり、間接的にしか通口の開閉が行われないこととな
るため、能力制御の応答性が十分でない。また、この暖
房装置では、閉鎖装置として多数の部品が必要となるた
め、製造コストの高騰化及び組付けの煩雑性を招来して
しまう。さらに、この暖房装置では、閉鎖装置が大型の
ものとなるため、それを収納可能な大型の制御室を確保
しなければならず、暖房装置全体の大型化から、車両等
への搭載性が損なわれることとなる。
【0009】かかる不具合を回避すべく、発明者らは、
自身の変形により通口を開閉可能なフラッパ弁を採用す
ることを検討した。しかしながら、単にこのようなフラ
ッパ弁を制御室内に設け、このフラッパ弁の変形により
通口の一つとしての回収孔の開閉を行うようにすると、
発熱室内における粘性流体が回収孔のみでフラッパ弁に
当接するだけであるため、フラッパ弁が変形しにくく、
回収孔が開放されにくくなる。
自身の変形により通口を開閉可能なフラッパ弁を採用す
ることを検討した。しかしながら、単にこのようなフラ
ッパ弁を制御室内に設け、このフラッパ弁の変形により
通口の一つとしての回収孔の開閉を行うようにすると、
発熱室内における粘性流体が回収孔のみでフラッパ弁に
当接するだけであるため、フラッパ弁が変形しにくく、
回収孔が開放されにくくなる。
【0010】この現象は、そのフラッパ弁が発熱室の圧
力上昇により変形するリード型のものであれ、また粘性
流体の温度上昇により変形するバイメタル型のものであ
れ、低速・低温時の封止性の観点から回収孔を小径にせ
ざるを得ないために生じる。特に、フラッパ弁がバイメ
タル型のものであれば、小径の回収孔を経ては発熱室内
の粘性流体がその温度をフラッパ弁に中々伝達しにくい
ことから、顕著にこの現象が生じる。こうして、回収孔
が開放されるべき条件でも、中々現実にそれが開放され
ず、能力縮小の応答性が十分でないこととなる。
力上昇により変形するリード型のものであれ、また粘性
流体の温度上昇により変形するバイメタル型のものであ
れ、低速・低温時の封止性の観点から回収孔を小径にせ
ざるを得ないために生じる。特に、フラッパ弁がバイメ
タル型のものであれば、小径の回収孔を経ては発熱室内
の粘性流体がその温度をフラッパ弁に中々伝達しにくい
ことから、顕著にこの現象が生じる。こうして、回収孔
が開放されるべき条件でも、中々現実にそれが開放され
ず、能力縮小の応答性が十分でないこととなる。
【0011】本発明の課題は、長期間使用後の耐久後又
は高速運転後の発熱量の低下を防止可能にしつつ、能力
縮小の十分な応答性を実現可能な能力可変型ビスカスヒ
ータを提供することにある。
は高速運転後の発熱量の低下を防止可能にしつつ、能力
縮小の十分な応答性を実現可能な能力可変型ビスカスヒ
ータを提供することにある。
【0012】
(1)請求項1の能力可変型ビスカスヒータは、内部に
発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放
熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置
を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で
該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱
室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロー
タの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカス
ヒータにおいて、前記ハウジングには、前記発熱室と連
通するとともにフラッパ弁により開閉可能な回収孔と、
該発熱室と連通する供給孔と、該回収孔及び該供給孔と
連通する制御室と、該発熱室内における該粘性流体が該
フラッパ弁に当接し、該フラッパ弁の変形を補助する補
助部とが形成され、開放された該回収孔を経て該発熱室
内の前記粘性流体を該制御室内に回収して能力縮小を行
なうとともに、開放された該供給孔を経て該制御室内の
該粘性流体を該発熱室内に供給して能力拡大を行なうこ
とを特徴とする。
発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放
熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置
を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で
該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱
室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロー
タの回動により発熱される粘性流体とを有するビスカス
ヒータにおいて、前記ハウジングには、前記発熱室と連
通するとともにフラッパ弁により開閉可能な回収孔と、
該発熱室と連通する供給孔と、該回収孔及び該供給孔と
連通する制御室と、該発熱室内における該粘性流体が該
フラッパ弁に当接し、該フラッパ弁の変形を補助する補
助部とが形成され、開放された該回収孔を経て該発熱室
内の前記粘性流体を該制御室内に回収して能力縮小を行
なうとともに、開放された該供給孔を経て該制御室内の
該粘性流体を該発熱室内に供給して能力拡大を行なうこ
とを特徴とする。
【0013】このビスカスヒータでは、ハウジングに発
熱室と回収孔及び供給孔により連通する制御室が配設さ
れている。このため、供給孔が開放されておれば、制御
室内の粘性流体はその供給孔を経て発熱室内に供給され
る。この一方、回収孔が開放されておれば、発熱室内の
粘性流体はその回収孔を経て制御室内に回収されるた
め、発熱室の壁面とロータの外面との間隙の発熱量が減
少し(能力縮小)、暖房が弱められ得る。他方、回収孔
が閉塞されておれば、発熱室内の粘性流体はその回収孔
を経ては制御室内に回収されないため、発熱室の壁面と
ロータの外面との間隙の発熱量が増大し(能力拡大)、
暖房が強められることとなる。これら能力縮小と能力拡
大とは粘性流体の回収量と供給量との調整により選択さ
れ得る。
熱室と回収孔及び供給孔により連通する制御室が配設さ
れている。このため、供給孔が開放されておれば、制御
室内の粘性流体はその供給孔を経て発熱室内に供給され
る。この一方、回収孔が開放されておれば、発熱室内の
粘性流体はその回収孔を経て制御室内に回収されるた
め、発熱室の壁面とロータの外面との間隙の発熱量が減
少し(能力縮小)、暖房が弱められ得る。他方、回収孔
が閉塞されておれば、発熱室内の粘性流体はその回収孔
を経ては制御室内に回収されないため、発熱室の壁面と
ロータの外面との間隙の発熱量が増大し(能力拡大)、
暖房が強められることとなる。これら能力縮小と能力拡
大とは粘性流体の回収量と供給量との調整により選択さ
れ得る。
【0014】この間、このビスカスヒータでは、粘性流
体を発熱室から制御室内に回収したり、逆に制御室から
発熱室内に供給したりする際、発熱室と回収孔と供給孔
と制御室との合計の内部容積は変化しないため、粘性流
体が移動することによる負圧は生じない。このため、粘
性流体は、新たな空気と接触することはなく、随時空気
中の水分が補充される訳ではないので、劣化しにくい。
体を発熱室から制御室内に回収したり、逆に制御室から
発熱室内に供給したりする際、発熱室と回収孔と供給孔
と制御室との合計の内部容積は変化しないため、粘性流
体が移動することによる負圧は生じない。このため、粘
性流体は、新たな空気と接触することはなく、随時空気
中の水分が補充される訳ではないので、劣化しにくい。
【0015】また、このビスカスヒータでは、駆動軸が
高回転数を維持しても、発熱室内の粘性流体は制御室内
の粘性流体と入れ替えられる。このため、粘性流体は、
上限なく高温化することはなく、耐熱限界を超えた劣化
が防止される。この場合、高速運転後にも一定の発熱量
が確保される。そして、このビスカスヒータでは、回収
孔の開閉をフラッパ弁により行っている。ここで、発熱
室内における粘性流体は、補助部によりそのフラッパ弁
に当接し、そのフラッパ弁の変形を補助する。この現象
は、そのフラッパ弁がリード型のものであれば補助部に
より受圧面積が拡大するため、またバイメタル型のもの
であれば補助部により受熱面積が拡大するため、生じ得
る。このため、フラッパ弁が変形しやすく、低速・低温
時の封止性の観点から小径に形成された回収孔が開放さ
れやすい。こうして、回収孔が開放されるべき条件にお
いて、現実にそれが開放され、能力縮小の応答性が十分
となる。
高回転数を維持しても、発熱室内の粘性流体は制御室内
の粘性流体と入れ替えられる。このため、粘性流体は、
上限なく高温化することはなく、耐熱限界を超えた劣化
が防止される。この場合、高速運転後にも一定の発熱量
が確保される。そして、このビスカスヒータでは、回収
孔の開閉をフラッパ弁により行っている。ここで、発熱
室内における粘性流体は、補助部によりそのフラッパ弁
に当接し、そのフラッパ弁の変形を補助する。この現象
は、そのフラッパ弁がリード型のものであれば補助部に
より受圧面積が拡大するため、またバイメタル型のもの
であれば補助部により受熱面積が拡大するため、生じ得
る。このため、フラッパ弁が変形しやすく、低速・低温
時の封止性の観点から小径に形成された回収孔が開放さ
れやすい。こうして、回収孔が開放されるべき条件にお
いて、現実にそれが開放され、能力縮小の応答性が十分
となる。
【0016】したがって、このビスカスヒータは、長期
間使用後の耐久後又は高速運転後の発熱量の低下を防止
可能であるとともに、能力縮小の十分な応答性を実現可
能である。 (2)請求項2の能力可変型ビスカスヒータは、請求項
1記載の能力可変型ビスカスヒータにおいて、フラッパ
弁はバイメタル型のものであり、補助部はフラッパ弁の
根元側に開口されていることを特徴とする。
間使用後の耐久後又は高速運転後の発熱量の低下を防止
可能であるとともに、能力縮小の十分な応答性を実現可
能である。 (2)請求項2の能力可変型ビスカスヒータは、請求項
1記載の能力可変型ビスカスヒータにおいて、フラッパ
弁はバイメタル型のものであり、補助部はフラッパ弁の
根元側に開口されていることを特徴とする。
【0017】フラッパ弁はその先端側が最も大きく変位
することとなるため、通常、回収孔はフラッパ弁の先端
側で開閉される。他方、バイメタル型のフラッパ弁で
は、その根元側で感温した方が大きく変形する。このた
め、補助部をその根元側に開口させれば、補助部を経た
粘性流体によりフラッパ弁が変形しやすく、回収孔を開
放しやすい。
することとなるため、通常、回収孔はフラッパ弁の先端
側で開閉される。他方、バイメタル型のフラッパ弁で
は、その根元側で感温した方が大きく変形する。このた
め、補助部をその根元側に開口させれば、補助部を経た
粘性流体によりフラッパ弁が変形しやすく、回収孔を開
放しやすい。
【0018】(3)請求項3の能力可変型ビスカスヒー
タは、請求項1又は2記載の能力可変型ビスカスヒータ
において、フラッパ弁はバイメタル型のものであり、補
助部は発熱室の外周域に連通していることを特徴とす
る。発熱室の外周域ではロータの周速度が大きく、そこ
での粘性流体が最も高温化しやすい。このため、補助部
を発熱室の外周域に連通させれば、補助部を経た粘性流
体によりバイメタル型のフラッパ弁が変形しやすく、回
収孔を開放しやすい。
タは、請求項1又は2記載の能力可変型ビスカスヒータ
において、フラッパ弁はバイメタル型のものであり、補
助部は発熱室の外周域に連通していることを特徴とす
る。発熱室の外周域ではロータの周速度が大きく、そこ
での粘性流体が最も高温化しやすい。このため、補助部
を発熱室の外周域に連通させれば、補助部を経た粘性流
体によりバイメタル型のフラッパ弁が変形しやすく、回
収孔を開放しやすい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、各請求項記載の発明を具体
化した実施形態1〜3を図面を参照しつつ説明する。 (実施形態1)実施形態1の能力可変型ビスカスヒータ
は請求項1、2を具体化している。
化した実施形態1〜3を図面を参照しつつ説明する。 (実施形態1)実施形態1の能力可変型ビスカスヒータ
は請求項1、2を具体化している。
【0020】このビスカスヒータでは、図1に示すよう
に、前部プレート2と後部プレート3とが間にOリング
5を介してカップ状の前部ハウジング本体1内に収容さ
れ、前部ハウジング本体1はOリング6を介して複数本
の通しボルト7により後部ハウジング本体4で閉塞され
ている。前部プレート2の後端面に凹設された凹部は後
部プレート3の平坦な前端面とともに発熱室8を形成し
ている。後部プレート3には、図2にも示すように、発
熱室8の中央域上方と連通する回収孔3aと、発熱室8
の中央域下方と連通する供給孔3bとが後端面まで貫設
されている。これら回収孔3aと供給孔3bとは低速・
低温時の封止性を考慮し、同一径で形成されている。後
部プレート3には、図3にも示すように、回収孔3aを
その先端側の変形により開閉するフラッパ弁としての回
収弁9がボルト9aにより設けられている。また、後部
プレート3には、補助部としての補助孔3cが発熱室8
と連通し、回収弁9の裏面におけるボルト9a側つまり
根元側に開口すべく貫設されている。この補助孔3cは
回収孔3a及び供給孔3bより小径に形成されている。
また、後部プレート3には、図2に示すように、供給孔
3bをその先端側の変形により開閉するフラッパ弁とし
ての供給弁10がボルト10aにより設けられている。
回収弁9及び供給弁10は、それぞれ平坦な当接面を有
するバイメタル型のものであり、粘性流体としてのシリ
コーンオイルの温度上昇により変形する。
に、前部プレート2と後部プレート3とが間にOリング
5を介してカップ状の前部ハウジング本体1内に収容さ
れ、前部ハウジング本体1はOリング6を介して複数本
の通しボルト7により後部ハウジング本体4で閉塞され
ている。前部プレート2の後端面に凹設された凹部は後
部プレート3の平坦な前端面とともに発熱室8を形成し
ている。後部プレート3には、図2にも示すように、発
熱室8の中央域上方と連通する回収孔3aと、発熱室8
の中央域下方と連通する供給孔3bとが後端面まで貫設
されている。これら回収孔3aと供給孔3bとは低速・
低温時の封止性を考慮し、同一径で形成されている。後
部プレート3には、図3にも示すように、回収孔3aを
その先端側の変形により開閉するフラッパ弁としての回
収弁9がボルト9aにより設けられている。また、後部
プレート3には、補助部としての補助孔3cが発熱室8
と連通し、回収弁9の裏面におけるボルト9a側つまり
根元側に開口すべく貫設されている。この補助孔3cは
回収孔3a及び供給孔3bより小径に形成されている。
また、後部プレート3には、図2に示すように、供給孔
3bをその先端側の変形により開閉するフラッパ弁とし
ての供給弁10がボルト10aにより設けられている。
回収弁9及び供給弁10は、それぞれ平坦な当接面を有
するバイメタル型のものであり、粘性流体としてのシリ
コーンオイルの温度上昇により変形する。
【0021】また、図1に示すように、前部プレート2
の前面外周側には円弧状のフィン2aが複数条前方に突
出されており、内端のフィン2aと一体のボスの外周面
には前部ハウジング本体1との間にOリング11が設け
られ、これらにより前部プレート2の前端面と前部ハウ
ジング本体1の内面とが発熱室8の前部に隣接する前部
放熱室としての前部ウォータジャケットFWを形成して
いる。他方、後部プレート3の後面外周側にも円弧状の
フィン3gが複数条後方に突出されており、後部ハウジ
ング本体4のボスには内端のフィン3gとの間にOリン
グ12が設けられ、これらにより後部プレート3の後端
面と後部ハウジング本体4の内面とが発熱室8の後部に
隣接する後部放熱室としての後部ウォータジャケットR
Wを形成しているとともに、後部プレート3の後面内周
側と後部ハウジング本体4の内面内周側とが回収孔3a
及び供給孔3bと連通可能な制御室CRを形成してい
る。
の前面外周側には円弧状のフィン2aが複数条前方に突
出されており、内端のフィン2aと一体のボスの外周面
には前部ハウジング本体1との間にOリング11が設け
られ、これらにより前部プレート2の前端面と前部ハウ
ジング本体1の内面とが発熱室8の前部に隣接する前部
放熱室としての前部ウォータジャケットFWを形成して
いる。他方、後部プレート3の後面外周側にも円弧状の
フィン3gが複数条後方に突出されており、後部ハウジ
ング本体4のボスには内端のフィン3gとの間にOリン
グ12が設けられ、これらにより後部プレート3の後端
面と後部ハウジング本体4の内面とが発熱室8の後部に
隣接する後部放熱室としての後部ウォータジャケットR
Wを形成しているとともに、後部プレート3の後面内周
側と後部ハウジング本体4の内面内周側とが回収孔3a
及び供給孔3bと連通可能な制御室CRを形成してい
る。
【0022】前部プレート2の周囲には支持壁2bが軸
方向前方に突出され、支持壁2bには後述する入水ポー
ト13と連通する開口2cと、図示しない出水ポートと
連通する図示しない同様の開口とが径方向に貫設されて
いる。他方、後部プレート3の周囲にも支持壁3hが軸
方向後方に突出され、支持壁3hにも入水ポート13と
連通する開口3iと、出水ポートと連通する図示しない
同様の開口とが径方向に貫設されている。
方向前方に突出され、支持壁2bには後述する入水ポー
ト13と連通する開口2cと、図示しない出水ポートと
連通する図示しない同様の開口とが径方向に貫設されて
いる。他方、後部プレート3の周囲にも支持壁3hが軸
方向後方に突出され、支持壁3hにも入水ポート13と
連通する開口3iと、出水ポートと連通する図示しない
同様の開口とが径方向に貫設されている。
【0023】さらに、前部ハウジング本体1の周面の上
方には、外部の図示しない暖房回路から循環流体として
の循環水を取り入れる入水ポート13と、循環水を暖房
回路へ送り出す出水ポートとが隣接して形成され、入水
ポート13と出水ポートとは開口2c、3i等を介して
前部及び後部ウォータジャケットFW、RWに連通され
ている。
方には、外部の図示しない暖房回路から循環流体として
の循環水を取り入れる入水ポート13と、循環水を暖房
回路へ送り出す出水ポートとが隣接して形成され、入水
ポート13と出水ポートとは開口2c、3i等を介して
前部及び後部ウォータジャケットFW、RWに連通され
ている。
【0024】また、前部プレート2のボス内には軸封装
置内蔵の軸受装置14が設けられ、前部ハウジング本体
1には軸受装置15が設けられ、これら軸受装置14、
15を介して駆動軸16が回動可能に支承されている。
駆動軸16の後端には発熱室8内で回動可能な平板形状
のロータ17が圧入され、ロータ17には連通孔17a
が前後に貫設されている。
置内蔵の軸受装置14が設けられ、前部ハウジング本体
1には軸受装置15が設けられ、これら軸受装置14、
15を介して駆動軸16が回動可能に支承されている。
駆動軸16の後端には発熱室8内で回動可能な平板形状
のロータ17が圧入され、ロータ17には連通孔17a
が前後に貫設されている。
【0025】そして、発熱室8の壁面とロータ17の外
面との間隙及び制御室CR内にはシリコーンオイルが介
在されている。但し、発熱室8と回収孔3aと供給孔3
bと制御室CRとには、シリコーンオイルが介在されて
いる他、組付け時に不可避の空気が多少は残留されてい
る。駆動軸16の先端には図示しないプーリが固定さ
れ、プーリは車両のエンジンによりベルトで回転される
ようになっている。
面との間隙及び制御室CR内にはシリコーンオイルが介
在されている。但し、発熱室8と回収孔3aと供給孔3
bと制御室CRとには、シリコーンオイルが介在されて
いる他、組付け時に不可避の空気が多少は残留されてい
る。駆動軸16の先端には図示しないプーリが固定さ
れ、プーリは車両のエンジンによりベルトで回転される
ようになっている。
【0026】車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカ
スヒータでは、駆動軸16がエンジンにより駆動されれ
ば、発熱室8内でロータ17が回動するため、発熱室8
内のシリコーンオイルは発熱室8の壁面とロータ17の
外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱は前部
及び後部ウォータジャケットFW、RW内の循環流体と
しての循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回
路で車両の暖房に供されることとなる。
スヒータでは、駆動軸16がエンジンにより駆動されれ
ば、発熱室8内でロータ17が回動するため、発熱室8
内のシリコーンオイルは発熱室8の壁面とロータ17の
外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱は前部
及び後部ウォータジャケットFW、RW内の循環流体と
しての循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回
路で車両の暖房に供されることとなる。
【0027】ここで、制御室CR内のシリコーンオイル
の温度が高くなれば、暖房が過強になりつつある。ここ
で、発熱室8内におけるシリコーンオイルは、図3
(A)に示すように、補助孔3cにより回収弁9の裏面
に当接する。このとき、補助孔3cにより回収弁9は受
熱面積が拡大しており、また回収弁9の根元側で感温し
ているため、その回収弁9自身が大きく変形し、図3
(B)に示すように、回収孔3aが迅速に開放される。
同時に、図2に示す供給弁10自身が変形して供給孔3
bを閉塞する。この時、回収弁9及び供給弁10は、そ
れら自身の変形により回収孔3a及び供給孔3bを開閉
するため、その開閉度合いを細かく設定することがで
き、制御性に優れている。また、このビスカスヒータで
は、このような回収弁9及び供給弁10の一端をボルト
9a、10aにより後部プレート3に固定すれば足り、
多数の部品が必要でないために、製造コストの低廉化及
び組付けの容易性を実現できる。さらに、このビスカス
ヒータでは、小型の回収弁9及び供給弁10の採用によ
り、それらを収納可能な小型の制御室CRを確保すれば
足り、暖房装置全体の小型化から、車両等への搭載性に
優れる。
の温度が高くなれば、暖房が過強になりつつある。ここ
で、発熱室8内におけるシリコーンオイルは、図3
(A)に示すように、補助孔3cにより回収弁9の裏面
に当接する。このとき、補助孔3cにより回収弁9は受
熱面積が拡大しており、また回収弁9の根元側で感温し
ているため、その回収弁9自身が大きく変形し、図3
(B)に示すように、回収孔3aが迅速に開放される。
同時に、図2に示す供給弁10自身が変形して供給孔3
bを閉塞する。この時、回収弁9及び供給弁10は、そ
れら自身の変形により回収孔3a及び供給孔3bを開閉
するため、その開閉度合いを細かく設定することがで
き、制御性に優れている。また、このビスカスヒータで
は、このような回収弁9及び供給弁10の一端をボルト
9a、10aにより後部プレート3に固定すれば足り、
多数の部品が必要でないために、製造コストの低廉化及
び組付けの容易性を実現できる。さらに、このビスカス
ヒータでは、小型の回収弁9及び供給弁10の採用によ
り、それらを収納可能な小型の制御室CRを確保すれば
足り、暖房装置全体の小型化から、車両等への搭載性に
優れる。
【0028】そして、発熱室8内のシリコーンオイルと
制御室CR内のシリコーンオイルとは、回収孔3aでは
その伸張粘性により繋がり、供給孔3bではその繋がり
が絶たれるため、発熱室8内のシリコーンオイルが回収
孔3aを経て制御室CR内に回収され、制御室CR内の
シリコーンオイルが供給孔3bを経ては発熱室8に供給
されないこととなる。この間、発熱室8の前壁面とロー
タ17の前側面との間のシリコーンオイルがロータ17
の連通孔17aを経て制御室CRに回収されやすい。こ
のため、発熱室8の壁面とロータ17の外面との間隙の
発熱量が減少し(能力縮小)、暖房が弱められることと
なる。
制御室CR内のシリコーンオイルとは、回収孔3aでは
その伸張粘性により繋がり、供給孔3bではその繋がり
が絶たれるため、発熱室8内のシリコーンオイルが回収
孔3aを経て制御室CR内に回収され、制御室CR内の
シリコーンオイルが供給孔3bを経ては発熱室8に供給
されないこととなる。この間、発熱室8の前壁面とロー
タ17の前側面との間のシリコーンオイルがロータ17
の連通孔17aを経て制御室CRに回収されやすい。こ
のため、発熱室8の壁面とロータ17の外面との間隙の
発熱量が減少し(能力縮小)、暖房が弱められることと
なる。
【0029】こうして、回収孔3aが開放されるべき条
件において、現実にそれが開放され、能力縮小の応答性
が十分となる。また、能力縮小が行われることで、駆動
軸16が高速回転を維持していても、発熱室8内のシリ
コーンオイルの高温化が抑制され、劣化が防止される。
この一方、制御室CR内のシリコーンオイルの温度が低
ければ、暖房が過弱であるため、図3(A)に示すよう
に、回収弁9自身が変形して回収孔3aを閉塞し、図2
に示す供給弁10自身が変形して供給孔3bを開放す
る。そして、発熱室8内のシリコーンオイルと制御室C
R内のシリコーンオイルとは、供給孔3bではその伸張
粘性により繋がり、回収孔3aではその繋がりが絶たれ
るため、発熱室8内のシリコーンオイルが回収孔3aを
経ては制御室CR内に回収されず、制御室CR内のシリ
コーンオイルが供給孔3bを経て発熱室8に供給される
こととなる。この間、制御室CR内のシリコーンオイル
がロータ17の連通孔17aを経て発熱室8の前壁面と
ロータ17の前側面との間に送り出されやすい。このた
め、発熱室8の壁面とロータ17の外面との間隙の発熱
量が増大し(能力拡大)、暖房が強められることとな
る。こうして、このビスカスヒータにおいては、ビスカ
スヒータ内部の物性変化であるシリコーンオイルの温度
低下により能力拡大を行なうことができるため、能力拡
大のための外部入力を必要としない。このため、暖房装
置の低コスト化を実現することができる。
件において、現実にそれが開放され、能力縮小の応答性
が十分となる。また、能力縮小が行われることで、駆動
軸16が高速回転を維持していても、発熱室8内のシリ
コーンオイルの高温化が抑制され、劣化が防止される。
この一方、制御室CR内のシリコーンオイルの温度が低
ければ、暖房が過弱であるため、図3(A)に示すよう
に、回収弁9自身が変形して回収孔3aを閉塞し、図2
に示す供給弁10自身が変形して供給孔3bを開放す
る。そして、発熱室8内のシリコーンオイルと制御室C
R内のシリコーンオイルとは、供給孔3bではその伸張
粘性により繋がり、回収孔3aではその繋がりが絶たれ
るため、発熱室8内のシリコーンオイルが回収孔3aを
経ては制御室CR内に回収されず、制御室CR内のシリ
コーンオイルが供給孔3bを経て発熱室8に供給される
こととなる。この間、制御室CR内のシリコーンオイル
がロータ17の連通孔17aを経て発熱室8の前壁面と
ロータ17の前側面との間に送り出されやすい。このた
め、発熱室8の壁面とロータ17の外面との間隙の発熱
量が増大し(能力拡大)、暖房が強められることとな
る。こうして、このビスカスヒータにおいては、ビスカ
スヒータ内部の物性変化であるシリコーンオイルの温度
低下により能力拡大を行なうことができるため、能力拡
大のための外部入力を必要としない。このため、暖房装
置の低コスト化を実現することができる。
【0030】また、このビスカスヒータでは、シリコー
ンオイルを発熱室8から制御室CR内に回収したり、逆
に制御室CRから発熱室8内に供給したりする際、発熱
室8と回収孔3aと供給孔3bと制御室CRとの合計の
内部容積は変化しないため、シリコーンオイルが移動す
ることによる負圧は生じない。このため、シリコーンオ
イルは、新たな空気と接触することはなく、随時空気中
の水分が補充される訳ではないので、劣化しにくい。
ンオイルを発熱室8から制御室CR内に回収したり、逆
に制御室CRから発熱室8内に供給したりする際、発熱
室8と回収孔3aと供給孔3bと制御室CRとの合計の
内部容積は変化しないため、シリコーンオイルが移動す
ることによる負圧は生じない。このため、シリコーンオ
イルは、新たな空気と接触することはなく、随時空気中
の水分が補充される訳ではないので、劣化しにくい。
【0031】さらに、このビスカスヒータでは、駆動軸
16が高回転数を維持しても、発熱室8内のシリコーン
オイルは制御室CR内のシリコーンオイルと入れ替えら
れる。このため、シリコーンオイルは、上限なく高温化
することはなく、耐熱限界を超えた劣化が防止される。
この場合、高速運転後にも一定の発熱量が確保される。
16が高回転数を維持しても、発熱室8内のシリコーン
オイルは制御室CR内のシリコーンオイルと入れ替えら
れる。このため、シリコーンオイルは、上限なく高温化
することはなく、耐熱限界を超えた劣化が防止される。
この場合、高速運転後にも一定の発熱量が確保される。
【0032】したがって、このビスカスヒータは、長期
間使用後の耐久後又は高速運転後の発熱量の低下を防止
可能であるとともに、能力縮小の十分な応答性を実現可
能である。なお、回収弁9として、発熱室8の圧力上昇
により変形するリード型のものを採用した場合は、補助
孔3cにより受圧面積が拡大するため、同様の作用及び
効果を奏する。 (実施形態2)実施形態2の能力可変型ビスカスヒータ
も請求項1、2を具体化している。
間使用後の耐久後又は高速運転後の発熱量の低下を防止
可能であるとともに、能力縮小の十分な応答性を実現可
能である。なお、回収弁9として、発熱室8の圧力上昇
により変形するリード型のものを採用した場合は、補助
孔3cにより受圧面積が拡大するため、同様の作用及び
効果を奏する。 (実施形態2)実施形態2の能力可変型ビスカスヒータ
も請求項1、2を具体化している。
【0033】このビスカスヒータでは、図4及び図5に
示すように、制御室CR側の回収孔3aと連通し、回収
弁9の裏面におけるボルト9a側に延在する補助溝3d
が補助部として刻設されている。他の構成は実施形態1
と同様である。このビスカスヒータにおいても、実施形
態1と同様の作用及び効果を奏することができる。 (実施形態3)実施形態3の能力可変型ビスカスヒータ
は請求項1、3を具体化している。
示すように、制御室CR側の回収孔3aと連通し、回収
弁9の裏面におけるボルト9a側に延在する補助溝3d
が補助部として刻設されている。他の構成は実施形態1
と同様である。このビスカスヒータにおいても、実施形
態1と同様の作用及び効果を奏することができる。 (実施形態3)実施形態3の能力可変型ビスカスヒータ
は請求項1、3を具体化している。
【0034】このビスカスヒータでは、図6に示すよう
に、制御室CRの容積を比較的大きくすることができる
場合、回収弁9及び供給弁10をそれぞれ回収孔3a及
び供給孔3bから放射方向に延在して後部プレート3に
設け、これにより補助孔3cを発熱室8の外周域に連通
させている。この場合、回収弁9自身の変形を大きくす
る観点から、補助孔3cは回収孔3aよりも外周側に配
置することが好ましい。他の構成は実施形態1と同様で
ある。
に、制御室CRの容積を比較的大きくすることができる
場合、回収弁9及び供給弁10をそれぞれ回収孔3a及
び供給孔3bから放射方向に延在して後部プレート3に
設け、これにより補助孔3cを発熱室8の外周域に連通
させている。この場合、回収弁9自身の変形を大きくす
る観点から、補助孔3cは回収孔3aよりも外周側に配
置することが好ましい。他の構成は実施形態1と同様で
ある。
【0035】このビスカスヒータでは、発熱室8の外周
域においてロータ17の周速度が大きく、そこでのシリ
コーンオイルが最も高温化しやすいため、補助孔3cを
経たシリコーンオイルにより回収弁9自身が変形しやす
く、回収孔3aを開放しやすい。他の作用及び効果は実
施形態1と同様である。
域においてロータ17の周速度が大きく、そこでのシリ
コーンオイルが最も高温化しやすいため、補助孔3cを
経たシリコーンオイルにより回収弁9自身が変形しやす
く、回収孔3aを開放しやすい。他の作用及び効果は実
施形態1と同様である。
【図1】実施形態1の能力可変型ビスカスヒータの縦断
面図である。
面図である。
【図2】実施形態1の能力可変型ビスカスヒータの後部
プレート等に係り、制御室側からの部分平面図である。
プレート等に係り、制御室側からの部分平面図である。
【図3】実施形態1に係り、(A)は閉塞時のフラッパ
弁等の断面図、(B)は開放時のフラッパ弁等の断面図
である。
弁等の断面図、(B)は開放時のフラッパ弁等の断面図
である。
【図4】実施形態2に係り、フラッパ弁の平面図であ
る。
る。
【図5】実施形態2に係り、閉塞時のフラッパ弁等の断
面図である。
面図である。
【図6】実施形態3に係り、図2と同様の部分平面図で
ある。
ある。
8…発熱室 FW、RW…放熱室(FW…前部ウォータジャケット、
RW…後部ウォータジャケット) 1、2、3、4…ハウジング(1…前部ハウジング本
体、2…前部プレート、3…後部プレート、4…後部ハ
ウジング本体) 14、15…軸受装置 16…駆動軸 17…ロータ 3a…回収孔 3b…供給孔 CR…制御室 9、10…フラッパ弁(9…回収弁、10…供給弁) 3c、3d…補助部(3c…補助孔、3d…補助溝)
RW…後部ウォータジャケット) 1、2、3、4…ハウジング(1…前部ハウジング本
体、2…前部プレート、3…後部プレート、4…後部ハ
ウジング本体) 14、15…軸受装置 16…駆動軸 17…ロータ 3a…回収孔 3b…供給孔 CR…制御室 9、10…フラッパ弁(9…回収弁、10…供給弁) 3c、3d…補助部(3c…補助孔、3d…補助溝)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 達也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (3)
- 【請求項1】内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環
流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハ
ウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動
軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられ
たロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙
に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体
とを有するビスカスヒータにおいて、 前記ハウジングには、前記発熱室と連通するとともにフ
ラッパ弁により開閉可能な回収孔と、該発熱室と連通す
る供給孔と、該回収孔及び該供給孔と連通する制御室
と、該発熱室内における該粘性流体が該フラッパ弁に当
接し、該フラッパ弁の変形を補助する補助部とが形成さ
れ、開放された該回収孔を経て該発熱室内の前記粘性流
体を該制御室内に回収して能力縮小を行なうとともに、
開放された該供給孔を経て該制御室内の該粘性流体を該
発熱室内に供給して能力拡大を行なうことを特徴とする
能力可変型ビスカスヒータ。 - 【請求項2】フラッパ弁はバイメタル型のものであり、
補助部はフラッパ弁の根元側に開口されていることを特
徴とする請求項1記載の能力可変型ビスカスヒータ。 - 【請求項3】フラッパ弁はバイメタル型のものであり、
補助部は発熱室の外周域に連通していることを特徴とす
る請求項1又は2記載の能力可変型ビスカスヒータ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9072049A JPH10264642A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 能力可変型ビスカスヒータ |
SE9800951A SE9800951L (sv) | 1997-03-25 | 1998-03-23 | Värmegenerator av viskös vätsketyp med reglerbar värmegenereringsfunktion |
US09/046,139 US5887551A (en) | 1997-03-25 | 1998-03-23 | Viscous fluid type heat generator with heat-generating performance changing ability |
DE19813212A DE19813212A1 (de) | 1997-03-25 | 1998-03-25 | Wärmegenerator vom Viskosfluid-Typ mit Fähigkeit zur Änderung der Wärmeerzeugungsleistung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9072049A JPH10264642A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 能力可変型ビスカスヒータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10264642A true JPH10264642A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13478146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9072049A Pending JPH10264642A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 能力可変型ビスカスヒータ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5887551A (ja) |
JP (1) | JPH10264642A (ja) |
DE (1) | DE19813212A1 (ja) |
SE (1) | SE9800951L (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10144845A1 (de) * | 2001-09-06 | 2003-03-27 | Behr Gmbh & Co | Heizvorrichtung, insbesondere für Kraftfahrzeuge |
KR101015423B1 (ko) * | 2010-07-16 | 2011-02-22 | 두배라 주식회사 | 회전력을 이용한 열 발생장치 |
US20230422452A1 (en) * | 2022-06-23 | 2023-12-28 | Hamilton Sundstrand Corporation | Mini-channel cold plate with three-dimensional adaptive flow-path using bi-metal fins |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3832966A1 (de) * | 1988-09-29 | 1990-04-05 | Bosch Gmbh Robert | Heizvorrichtung fuer den fahrgastraum eines eine fluessigkeitsgekuehlte brennkraftmaschine aufweisenden kraftfahrzeuges |
JP2712510B2 (ja) * | 1989-03-21 | 1998-02-16 | アイシン精機株式会社 | 車両用暖房装置 |
JP2712516B2 (ja) * | 1989-03-28 | 1998-02-16 | アイシン精機株式会社 | 車両用暖房装置 |
JPH07115581B2 (ja) * | 1989-07-25 | 1995-12-13 | アイシン精機株式会社 | 車両用暖房装置 |
-
1997
- 1997-03-25 JP JP9072049A patent/JPH10264642A/ja active Pending
-
1998
- 1998-03-23 SE SE9800951A patent/SE9800951L/ not_active Application Discontinuation
- 1998-03-23 US US09/046,139 patent/US5887551A/en not_active Expired - Fee Related
- 1998-03-25 DE DE19813212A patent/DE19813212A1/de not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE19813212A1 (de) | 1998-10-01 |
SE9800951L (sv) | 1998-09-26 |
SE9800951D0 (sv) | 1998-03-23 |
US5887551A (en) | 1999-03-30 |
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