JPH10264594A - 画像転写用静電記録体および画像転写方法 - Google Patents

画像転写用静電記録体および画像転写方法

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JPH10264594A
JPH10264594A JP9073287A JP7328797A JPH10264594A JP H10264594 A JPH10264594 A JP H10264594A JP 9073287 A JP9073287 A JP 9073287A JP 7328797 A JP7328797 A JP 7328797A JP H10264594 A JPH10264594 A JP H10264594A
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誠 青柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、転写に際して接着層を介在させな
くても、画像転写特性に優れると共に、被転写体の種類
に関係なく良好な画像転写が可能な画像転写用静電記録
体および画像転写方法の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の画像転写用静電記録体は、導電
層を有する基体シート上に離型層が設けられ、更に該離
型層上に、ガラス転移温度が−20℃〜100℃の自己
架橋性樹脂により形成された誘電性剥離層が設けられる
ものであり、また、画像転写方法は、上記の画像転写用
静電記録体上に転写用画像を形成した後、被転写体を重
ねて熱圧着し、画像転写用静電記録体上の画像を被転写
体上に転写するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布、紙、フィル
ム、皮革等の被転写体への画像転写に使用される画像転
写用静電記録体および画像転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】布地、紙、フィルム、合成皮革等の被転
写体に模様を形成するために、顔料等によって形成され
た画像を転写する方法が広く用いられている。最近で
は、表面に凹凸を有する材料、例えば天然皮革のように
表面に微少な穴が存在する材料に対しても画像を転写し
て模様を形成し多様な要求に応えようとしている。
【0003】例えば、カラー模様の転写法としては、色
に応じた複数個の版を使用して転写する方法があるが、
製版工程に多大な時間と費用を要する。また、図柄に対
しても流行、時期等に応じて各種の要求がされるので、
従来技術ではこれらの要求に即座に応えるには時間的に
問題があった。
【0004】一方、電子写真複写機の如き電子写真法を
用いて光導電体上の画像を所望の材料上に転写すること
も可能であるが、このような転写装置には、例えば転写
コロナ、除電、クリーニングといった複雑な機構が必要
であり、更に、光導電体の形状により被転写体の形状も
制約されるといった問題がある。
【0005】このような問題を解決する方法として、本
発明者等はイオンプリンターを使用して画像転写用静電
記録体上にイオンパターンを形成し、そのイオンパター
ンを着色剤を含有する湿式現像剤で現像して画像転写用
静電記録体を作製した後、該画像転写用静電記録体上の
画像を被転写体に転写する方法を開発し、先に特願平7
−268875号として出願した。この画像転写方法
は、必要な色、図柄等をCRT表示装置等の表示装置で
観察しながら、直接、リアルオンタイムで、階調性のあ
る画像を容易に作製でき、また、画像転写にあたって生
産性に優れると共に、布地、紙、フィルム、合成皮革等
の被転写体への画像転写に適するものであるが、その画
像転写特性は十分でなく、接着層を介在させて熱圧着さ
せているが、逆に、熱融着を起こしやすく、画像転写が
可能な被転写体が限られるという課題があることが判明
した。また、接着剤層を設けていない被転写体に対して
は画像転写特性が十分でないという課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、転写に際し
て接着層を介在させなくても、画像転写特性に優れると
共に、被転写体の種類に関係なく良好な画像転写が可能
な画像転写用静電記録体および画像転写方法の提供を課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像転写用静電
記録体は、導電層を有する基体シート上に離型層が設け
られ、更に該離型層上に、ガラス転移温度が−20℃〜
100℃の自己架橋性樹脂により形成された誘電性剥離
層が設けられることを特徴とする。
【0008】また、上記の画像転写用静電記録体が、イ
オン流によってイオンパターンを形成した後、形成され
たイオンパターンを着色剤を含有する湿式現像剤によっ
て現像して転写用画像が形成されるものであることを特
徴とする。
【0009】また、本発明の画像転写方法は、導電層を
有する基体シート上に離型層、ガラス転移温度が−20
℃〜100℃の自己架橋性樹脂により形成された誘電性
剥離層が順次設けられた画像転写用静電記録体上に、転
写用画像を形成した後、被転写体を重ねて熱圧着し、画
像転写用静電記録体上の画像を被転写体上に転写するこ
とを特徴とする。
【0010】また、上記の画像転写方法における転写用
画像が、画像転写用静電記録体上にイオン流によってイ
オンパターンを形成した後、形成されたイオンパターン
を着色剤を含有する湿式現像剤によって現像して形成さ
れることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の画像転写用静電記録体
を、図を参照して説明する。図1は、画像転写用静電記
録体の一例を説明する図である。図1の画像転写用静電
記録体20は、基体シート21の一方の面には、離型層
22、ガラス転移温度が−20℃〜100℃の自己架橋
性アクリル樹脂からなる誘電性剥離層23が順次積層さ
れ、他方の面には導電層24を有する。
【0012】基体シート21としては、熱転写シートの
基材として一般に使用されている材料を使用することが
できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステルフイル
ム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンフイルム、ナイロンなどのポリアミドフイルム等の合
成樹脂フイルム、また、紙、合成紙などを用いることが
できる。また、基材シートとしては、これらの材料を複
数、積層したものであっても良く、膜厚は5g/m2
150g/m2 、好ましくは30g/m2 〜100g/
2 とするとよい。
【0013】離型層22は、転写後における被転写体と
の熱融着防止を目的とし、該離型層と後述する剥離層と
の界面での剥離性を改良することを目的として設けられ
るものであって、熱硬化性樹脂、または活性光線硬化性
樹脂やセルロース誘導体樹脂等から構成されるとよい。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、
メラミン樹脂、アミノアルキッド樹脂、尿素樹脂、キシ
レン・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、フラン樹脂等が例示されるが、好ましくはシリ
コーン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキ
ッド樹脂であり、さらに好ましくはシリコーン樹脂であ
る。
【0014】熱硬化性樹脂層は、上記樹脂をトルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類等の溶剤、水または
これらの混合溶剤に溶解した後、リバースコーティン
グ、ロールコーティング、グラビアコーティング、キス
コーティング、ブレードコーティング、スムーズコーテ
ィングなどにより塗布した後、加熱し、硬化させて形成
される。
【0015】また、活性光線硬化性樹脂層は、活性光
線、例えば電子線、可視光線、紫外線、赤外線、X線、
レーザー光線等により光重合して硬化する樹脂であっ
て、多官能性アクリレート、多官能性メタクリレート、
ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリ
エステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、
エポキシアクリレート等のモノマー、オリゴマー等を下
記の架橋剤、光開始剤の存在下または不存在下で光重合
させて形成される。
【0016】架橋剤としては、メラミン樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹脂、尿素樹脂
等のアミノ樹脂、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−
t−ブチルペルオキシド等の有機過酸化物、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリ
アミン、芳香族アミン、ジメチルアミノメチルフェノー
ル等の3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げ
られる。また、有機金属化合物、有機シラン、金属石ケ
ンのごとき硬化促進剤も使用される。
【0017】また、光開始剤としては、例えば2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製
「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジル
メチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア6
51」)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェ
ニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギ
ー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチルチ
オキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)
とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製
「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオ
キサントン(ワードブレキンソップ社製「クンタキュア
・ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの
混合物等が挙げられるが、液状である2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがモノマ
ー若しくはオリゴマー等の樹脂形成材料との相溶性の面
で特に好ましい。
【0018】単量体100重量部に対して、架橋剤0重
量部〜20重量部、光開始剤0重量部〜20重量部の組
成物をトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステ
ル類、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等の
溶剤、水またはこれらの混合溶剤に溶解した後、リバー
スコーティング、ロールコーティング、グラビアコーテ
ィング、キスコーティング、ブレードコーティング、ス
ムーズコーティングなどにより塗布した後、活性光線を
照射して硬化形成される。
【0019】また、セルロース誘導体樹脂としては、酢
酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
ベンジルセルロース、オキシエチルセルロース、カルボ
キシエチルセルロース等のセルロースエーテルや、アセ
チルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエス
テル等が例示され、溶媒としてトルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸メチル等のエステル類、プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類等の溶剤、水またはこれらの混合
溶剤に溶解した後、リバースコーティング、ロールコー
ティング、グラビアコーティング、キスコーティング、
ブレードコーティング、スムーズコーティングなどによ
り塗布し、乾燥させて形成するとよい。
【0020】離型層22の膜厚は、硬化後、又は乾燥後
重量で、0.05〜10g/m2 、好ましくは0.2〜
5g/m2 、特に好ましくは0.5〜2g/m2 であ
る。
【0021】誘電性剥離層23は、ガラス転移温度が−
20℃〜100℃の自己架橋性樹脂により形成される。
このような自己架橋性樹脂としては、2つ以上の官能基
を有するアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等
において、その置換基相互で反応性を有する、例えば水
酸基、カルボキシル基、エポキシド基、アミド基、N−
メチロールアミド基、アミノ基、イソシアネート基等を
有し、エポキシド基や水酸基とカルボキシル基との間で
のエステル化反応や、カルボキシル基や水酸基とN−メ
チロール基との間での縮合反応等により架橋構造を形成
するもの、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、アリルア
ルコール等の水酸基含有モノマー、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するモノマ
ー、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等のエポキシド基を有するモノマー、メチロール化ア
クリルアミド、アルコキシメチルアクリルアミド等のメ
チロール化アミド基を有するモノマー、アミノエチルメ
タクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等
のアミノ基を有するモノマーを単独もしくは共重合した
樹脂、または、或る種の反応性モノマーを共重合した
後、得られたポリマーを化学処理して目的とする官能基
を有する側鎖を形成した樹脂、更には、これらの樹脂の
中でも、オリゴマー、プレポリマーと称される重合度が
数十〜数千の樹脂が挙げられ、水系エマルジョンの形
で、リバースコーティング、ロールコーティング、グラ
ビアコーティング、キスコーティング、ブレードコーテ
ィング、スムーズコーティングなどにより離型層上に塗
布し、活性光線処理若しくは室温保存、加熱処理して、
架橋化させるとよい。
【0022】また、上記の樹脂の構造式中に水酸基、カ
ルボキシル基等が導入された樹脂と、架橋剤として金属
酸化物や尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の熱
硬化性樹脂とからなる組成物を、溶媒としてトルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類等を使用し、リバー
スコーティング、ロールコーティング、グラビアコーテ
ィング、キスコーティング、ブレードコーティング、ス
ムーズコーティングなどにより塗布し、加熱乾燥させて
形成してもよい。
【0023】加熱架橋する樹脂としては、それ自体の反
応で網目構造を形成する自己架橋型樹脂と、架橋剤の存
在で網目構造を形成する架橋剤反応型樹脂とに分けられ
る。このうち自己架橋型樹脂は、架橋剤反応型樹脂に見
られる架橋剤単独の自己硬化体に起因した塗膜硬化の問
題がないために、フイルムの柔軟さを損なうことなく網
目構造を形成できるために好ましい。
【0024】このような自己架橋型樹脂としては、架橋
性樹脂の中でも特に、カルボキシル基、エポキシド基を
有するアクリルモノマー、メタクリルモノマー、およ
び、メチロール化アミド基、もしくはそのアルキルエー
テル基を有するアクリルモノマー等からなるアクリル樹
脂が挙げられる。また、このような自己架橋性樹脂とし
ては、市販されているものを使用してもよく、例えば、
日本純薬社製のSEK−301(ガラス転移温度18
℃)、SEK−410(ガラス転移温度44℃)等が挙
げられる。
【0025】誘電性剥離層の塗布量は、乾燥重量で0.
1〜20g/m2 、好ましくは0.2〜10g/m2
特に好ましくは0.5〜2.0g/m2 である。塗布量
が20g/m2 を超えると被転写体に転写した際にその
本来の表面特性を損うので好ましくない。
【0026】上述した離型層22として有機溶剤系の塗
布液を使用した場合には、剥離層23としては離型層の
塗膜表面を侵すことがなくて塗布可能とする水系樹脂を
使用するとよく、中でも上記の如きエマルジョン系架橋
樹脂を使用するとよく、これにより、また、静電記録性
に優れるものとできる。
【0027】すなわち、誘電性剥離層は、画像転写用静
電記録体の最表層となるものであり、静電記録層として
の帯電特性の観点から、ASTM D257で規定する
電気抵抗値で、1×1012Ω・cm〜1×1017Ω・c
m(湿度65%、25℃)のものとされる。そのために
は、上記の剥離層形成用の塗布液中には、現像特性、耐
湿特性の観点から分散剤や架橋開始剤等を含有させるこ
とは好ましくなく、所謂「ソープレスエマルジョン」の
形で使用するとよい。
【0028】本発明における剥離層は、誘電層、剥離
層、接着層の各機能を満たす観点から、適度のガラス転
移温度特性を有するとともに、コーティング特性、帯電
特性に優れる自己架橋性樹脂が好ましく、材料選択性の
広さから考えると、自己架橋性アクリル樹脂が特に好ま
しい。また、画像と共に被転写体へ転写された際に、被
転写体上での最外層として優れるものとできると共に、
被転写体への画像転写に際して接着層を介さなくても被
転写体との密着性に優れるものとできる。又、成膜性に
優れ、塗膜強度の優れるものである。
【0029】また、誘電性剥離層23表面は、マット化
されるとよい。これにより、スリット現像時にスリット
に吸引されても、画像転写用静電記録体の動きが妨げら
れることがない。そのためには、上述した剥離層形成用
塗液中に、無機または有機物の微粒子を分散させた後、
塗布形成される。微粒子としては、シリカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、タルク、カオリナイト、雲母等の
無機微粒子、アクリロニトリルポリマー、アクリル酸エ
ステルのポリマー、ポリスチレン等の疎水性樹脂のポリ
マー粒子、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
アミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の親水性樹
脂のポリマー粒子、或いはこれらの樹脂の微粉砕物、エ
マルジョン等が挙げられる。
【0030】微粒子は、その平均粒径が100μm〜1
0μm、好ましくは500nm〜5μm、さらに好まし
くは700nm〜3μmであり、樹脂100重量部に対
して、1〜500重量部、好ましくは10〜200重量
部の割合で混合するとよく、500重量部よりも多くな
ると、画像カブリ等の問題が発生しやすくなる。
【0031】マット化層の塗布量は、乾燥重量で0.1
〜10g/m2 、好ましくは0.5〜5g/m2 、特に
好ましくは1〜2g/m2 である。塗布量が10g/m
2 を超えると現像後のグラジエーション画像における階
調特性が劣化する傾向にあるので好ましくない。
【0032】また、マット化層と前記剥離層との機能を
一体化し、上記の剥離層、マット化層に代えてマット化
剥離層としてもよい。マット化剥離層は、上述した剥離
層の形成に使用する材料に、上述した微粒子を同様に混
合して剥離層と同様に形成するとよい。マット化剥離層
の塗布量は、剥離層と同様である。
【0033】また、マット化層を設ける代わりに、基体
シートとして表面に凹凸を有するものを用いるか、ま
た、離型層22に微粒子を混合してマット化してもよ
い。また、基体シートと離型層の間に、上記の微粒子を
バインダー中に上記と同様に分散させたマット化層を設
けて凹凸面を形成してもよい。なお、マット化層におけ
るバインダーとしては、アクリル酸エステル樹脂、メタ
クリル酸エステル樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹
脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂などの合成樹脂、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン等の親水性樹脂、またフェノール樹脂、フラン樹
脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、また、これ
らの樹脂の混合物および共重合物も使用可能である。ま
た、マット化手段として微粒子を添加する代わりに、表
面に凹凸のある板をマット化を必要とする層の表面に押
しつけて凹凸面を形成してもよい。
【0034】上述した凹凸面における凹凸の程度は、現
像器の種類等によって異なるが、表面平滑性がベックマ
ン平滑度で10〜1000秒程度であり、また表面アラ
サRz(10点平均粗さ JIS−B06010)が1
00nm〜10μmとするとよい。
【0035】また、画像転写性を更に向上させることを
目的に、必要に応じて、剥離層表面に、画像を形成する
前に接着層を予め形成しておいてもよい。但し、このよ
うな接着層は、保管時や画像の形成時等では接着あるい
は粘着特性を示さず、被転写体と熱圧着される際に始め
て接着性或いは粘着性を示すものであることが必要であ
り、また、静電記録層として、上述した表面抵抗値を有
することが必要である。また、接着層は、画像転写用静
電記録体の表面に設ける代わりに、後述する被転写体表
面に設けておいてもよい。
【0036】接着層としては、例えば、スチレンブタジ
エンゴム等の合成ゴム、アクリル系樹脂、メタクリル系
樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化
ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂等の熱可塑性樹脂を溶剤に溶解
し、塗布形成される。
【0037】接着層の塗布量は、乾燥重量で1g/m2
〜30g/m2 、好ましくは2g/m2 〜15g/
2 、特に好ましくは2g/m2 〜10g/m2 であ
る。塗布量が30g/m2 を超えると被転写体に転写し
た際にその本来の表面特性を損うので好ましくない。ま
た、接着層の周囲に、接着強度の大きな接着強化層を形
成し、被転写体に転写した後に周囲から被転写体が剥が
れることを防止することができる。接着強化層として
は、上記した接着層用材料において、特に接着強度に優
れたものを用いるとよい。なお、接着層による画像の変
質、劣化等が生じるような場合には、接着層を全面に設
けないで、画像が形成されない周囲のみに形成してもよ
く、これにより接着層による画像の変質、劣化等を防止
することができる。
【0038】また、基材シートの反対面に設けられる導
電層24は、イオン伝導性あるいは電子伝導性のものが
用いられ、例えばボリビニルベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、或いは
アニオン性高分子電解質、また、界面活性剤、金属や金
属酸化物の導電性微粒子を高分子結着剤と混合して基体
シート上に塗布して形成するとよい。また、上記材料を
基体シート上に真空蒸着、スパッタリングにより膜形成
してもよい。導電層の表面抵抗は、1011Ω以下とする
とよい。1011Ωより大きいと剥離放電によってイオン
パターンが乱れたり、或いはカブリ等が発生し、画像の
品質に問題が発生する。なお、基材シート21と導電層
24の組合せの例として、導電性紙上に誘電体層を形成
して作製される静電記録紙を用いてもよい。
【0039】次に、合成樹脂フイルムを基体シートとし
て使用すると、支持性の観点からその膜厚は厚いものと
なるが、イオン像による画像を形成する際には誘電体と
して作用し、基材シートに高い電圧が帯電し、放電を惹
起する。このような放電による障害は、導電層を基体シ
ートのイオン像を形成する側に配置するとよい。
【0040】このような画像転写用静電記録体を、図2
に示す。図中、図1と同一符号は同一内容を示す。この
画像転写用静電記録体は、基体シート21、導電層2
4、離型層22、自己架橋性樹脂からなる誘電性剥離層
23を順次設けた構造を有し、離型層、剥離層は、導電
層24上に図1に示したものと同様に、形成するとよ
い。また、剥離層面は、図1に示すものと同様に、マッ
ト化表面としてもよく、また、離型層、基材シート表面
をマット化してもよく、また、剥離層表面には接着層や
接着強化層を設けてもよい。
【0041】また、図2における基体シート21、導電
層24の組合せに代えて、基体シート自体が導電性を有
する、例えば導電性紙を使用してもよい。導電性紙とし
ては、塩化ナトリウム等の無機塩、ポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分
子電解質、アニオン性高分子電解質、界面活性剤、酸化
亜鉛、あるいは導電化処理をした酸化亜鉛等の金属酸化
物半導体を含浸もしくは塗布し、表面抵抗を105 〜1
11Ωとした紙が挙げられる。
【0042】上述した本発明の画像転写用静電記録体に
おける画像形成面は、図1に示すものと同様に、静電潜
像の記録性の観点から、ASTM D257で規定する
電気抵抗値で、1×1012Ω・cm〜1×1017Ω・c
m(湿度65%、25℃)のものとされる。
【0043】次に、本発明の画像転写用静電記録体への
画像形成方法について説明する。画像形成方法として
は、イオン流によってイオンパターンを形成し、形成し
たイオンパターンを着色剤を含有する湿式現像剤によっ
て現像して転写用画像を形成するのが好ましい。
【0044】イオンパターン画像形成装置の一例を図3
に示す。イオンパターン画像形成装置1はイオン流の照
射を行う記録ヘッド2を有しており、誘電体3を介して
積層したライン電極4とフィンガー電極5の間に印加し
た高周波電圧によってフィンガー電極の周辺部に放電を
起こし、正負のイオン6を発生し、フィンガー電極5と
画像転写用静電記録体(記録体)7の間に形成した電界
によってイオン流8が形成されて記録体上にイオンによ
る静電画像を形成するものであり、記録体上に形成した
静電画像からフィンガー電極を孤立させるためにスクリ
ーン電極9に電圧を印加している。
【0045】図4は記録ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。ライン電極4、フィンガー電極5、および絶縁体1
0を介してスクリーン電極9が積層されており、スクリ
ーン電極に形成された穴11を通じてイオン流が流れ
る。これは、固体放電型ヘッドを示したものである。ま
た、記録ヘッドにはフィンガー電極にイオン流制御のた
めの電圧を各穴に加えるドライバー回路を内蔵してい
る。このドライバー回路は、各イオン流通過孔にイオン
流通過用電圧パルスを256段階のパルス幅で与えるこ
とができ、これにより各ドット毎に256段階の階調制
御が実現される。
【0046】イオン流による画像の記録は、この他、図
5に示すコロトロン放電型ヘッドを用いることもでき
る。コロトロン放電型ヘッド12は、金属容器13内に
設けた放電用電極14によって、イオンを発生させ、誘
電体15の両面に設けたイオン流調整用電極16によっ
て形成すべき画像に応じて、イオン流8を調整してい
る。
【0047】この記録方式におけるイオン流の制御は、
放電によって生じたイオンを電界の制御によって記録媒
体上に電荷パターンを形成することにより行われている
が、イオン流を制御するための電極板間に印加する電圧
を制御する電圧制御、或いは電極板間に印加する電圧パ
ルスの時間を制御するパルス巾制御をすることで各ドッ
ト毎の階調制御が可能となり、従来の静電プロッター等
の静電的な手段によって画像を形成する方法では得られ
なかった階調画像を形成することが可能となる。したが
って、記録ドットが網点印刷的にドット毎に変調され、
ドット毎の体積階調と面積階調とを同時に制御する階調
濃度制御および階調再現能力がエッジ部等の微妙な再現
を可能とし、実効的な分解能を高めている。これにより
ドットの大きさが数マイクロ秒の短時間に変化できるた
め網点グラビア的階調表現が可能となる。これらに加え
てドットが線画のエッジ部においても、履歴の影響なく
シャープな形状を保っていることは、熱履歴の影響によ
り尾引き等の出やすい熱昇華記録方式と比較してもさら
に有利な点である。
【0048】マスクパターンを介さずに静電パターンを
形成させることは、静電プロッター等を使用することに
よっても可能であるが、この場合には、一般には2値画
像となり階調表現が限定されてしまう。また、印字速度
の規制をなくし2値以外の画像処理を行って階調表現し
た場合も疑似階調表現となるためその階調性あるいは解
像性はやはり限定されてしまうという問題がある。
【0049】また、イオン流による画像の記録方法は、
記録ドット毎に階調制御が可能なことに加え、熱昇華記
録方式のようなインクフィルムの大量消費等によるラン
ニングコスト増の心配がないため、フルカラー画像を高
画質かつ低コストで提供できる記録方式であり、また、
コンピュータ等による電子的に処理された画像情報を種
々の基材上に転写して画像を形成することを可能とす
る。
【0050】更に、本発明の画像転写用静電記録体への
記録方法として、イオン流によりイオンパターンを形成
する方法の他に、例えば、電子写真方式を採用してもよ
い。この場合には、記録光(例えばレーザー光)の照射
量を記録光強度、照射時間を制御して各画素毎に静電潜
像のサイズならびに電荷量を制御して記録しても階調表
現が可能である。また、本発明の画像転写用静電記録体
はマルチスタイラスヘッドを用いた静電プリンターによ
る画像の形成方法にも用いることができる。
【0051】次に、本発明の画像転写用静電記録体を作
製するにあたっての現像方法について説明する。現像方
法としては、湿式現像剤を使用して、ローラ現像方式や
スリット現像方式などで行うことができ、また、カラー
現像にあたっては、C、M、YもしくはC、M、Y、B
kの3色または4色のイオン像の形成および現像を繰り
返し行うことによってカラー画像を形成することができ
る。
【0052】湿式現像剤は、電気絶縁性液体中に着色
剤、定着用樹脂、電荷制御剤を分散したものであり、必
要に応じて分散安定剤、帯電特性改善用樹脂、色重ね向
上剤等が添加されたものからなる。
【0053】着色剤としては、公知の有機若しくは無機
の顔料、または昇華性染料を使用することができる。顔
料について説明する。ブラック系の顔料としては無機系
のカ−ボンブラック、四三酸化鉄、有機系のシアニンブ
ラックが挙げられる。
【0054】イエロー系顔料としては、無機系の黄鉛、
カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、オーカー
等が挙げられる。また、難溶性金属塩(アゾレーキ)の
アセト酢酸アニリド系モノアゾ顔料としては、ハンザイ
エローG( C.I.No. PigmentYellow 1、以下、同
様)、ハンザイエロー10G( Pigment Yellow 3)、
ハンザイエローRN( Pigment Yellow 65)、ハンザ
ブリリアントイエロー5GX( Pigment Yellow 7
4)、ハンザブリリアントイエロー10GX( Pigment
Yellow 98)、パーマネントイエローFGL( Pigmen
t Yellow 97)、シムラレーキファストイエロー6G
( Pigment Yellow 133)、リオノールイエローK−
2R( Pigment Yellow 169)、またアセト酢酸アニ
リドジスアゾ顔料としては、ジスアゾイエローG( Pig
ment Yellow 12)、ジスアゾイエローGR( Pigment
Yellow 13)、ジスアゾイエロー5G( Pigment Yel
low 14)、ジスアゾイエロー8G( Pigment Yellow
17)、ジスアゾイエローR( Pigment Yellow 5
5)、パーマネントイエローHR( Pigment Yellow 8
3)が挙げられる。
【0055】縮合アゾ顔料としては、クロモフタルイエ
ロー3G( Pigment Yellow 93)、クロモフタルイエ
ロー6G( Pigment Yellow 94)、クロモフタルイエ
ローGR( Pigment Yellow 95)が挙げられる。更
に、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料としては、ホス
タパームイエローH3G( Pigment Yellow 154)、
ホスタパームイエローH4G( Pigment Yellow 15
1)、ホスタパームイエローH2G( Pigment Yellow
120)、ホスタパームイエローH6G( PigmentYell
ow 175)、ホスタパームイエローHLR( Pigment
Yellow 156)が挙げられる。また、イソインドリノ
ン系顔料としては、イルガジンイエロー3RLTN( P
igment Yellow 110)、イルガジンイエロー2RL
T、イルガジンイエロー2GLT( Pigment Yellow 1
09)、ファストゲンスーパーイエローGROH( Pig
ment Yellow 137)、ファストゲンスーパーイエロー
GRO(Pigment Yellow 110)、サンドリンイエロ
ー6GL( Pigment Yellow 173)が挙げられ、その
他、スレン系顔料であるフラバントロン( Pigment Yel
low 24)、アントラミリミジン( Pigment Yellow 1
08)、フタロイルアミド型アントラキノン( Pigment
Yellow 123)、ヘリオファストイエローE3R( P
igment Yellow 99)、金属錯体顔料であるアゾ系ニッ
ケル錯体顔料( Pigment Green10)、ニトロソ系ニッ
ケル錯体顔料( Pigment Yellow 153)、アゾメチン
系銅錯体顔料( Pigment Yellow 117)、更にキノフ
タロン顔料であるフタルイミドキノフタロン顔料( Pig
ment Yellow 138)等が挙げられる。
【0056】また、マゼンタ系顔料としては無機系のカ
ドミウムレッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン朱
が挙げられる。また、アゾ系顔料のアゾレーキ系として
は、ブリリアントカーミン6B( Pigment Red57:
1)、レーキレッド( PigmentRed53:1)、パーマ
ネントレッドF5R( Pigment Red48)、リソールレ
ッド( Pigment Red49)、ペルシアオレンジ( Pigme
nt Orange17)、クロセイオレンジ( Pigment Orange
18)、ヘリオオレンジTD( Pigment Ora nge1
9)、ピグメントスカーレット( Pigment Red60:
1)、ブリリアントスカーレットG( Pigment64:
1)、ヘリオレッドRMT( Pigment Red51)、ボル
ドー10B( Pigment Red63)、ヘリオボルドーBL
( Pigment Red54)が挙げられ、また、不溶性アゾ系
(モノアゾ、ジスアゾ系、縮合アゾ系)としては、パラ
レッド( Pigment Red1)、レーキレッド4R( Pigme
nt Red3)、パーマネントオレンジ( Pigment Orange
5)、パーマネントレッドFR2( Pigment Red2)、
パーマネントレッドFRLL( Pigment Red9)、パー
マネントレッドFGR( Pigment Red112)、ブリリ
アントカーミンBS( Pigment Red114)、パーマネ
ントカーミンFB( Pigment Red5)、P.V.カーミ
ンHR( Pigment Red150)、パーマネントカーミン
FBB( Pigment Red146)、ノバパームレッドF3
RK−F5RK( Pigment Red170)、ノバパームレ
ッドHFG( Pigment Orange38)、ノバパームレッ
ドHF4B(Pigment Red187)、ノバパームオレン
ジHL.HL−70( Pigment Orange36)、P.
V.カーミンHF4C( Pigment Red185)、ホスタ
バームブラウンHFR( Pigment Brown25)、バルカ
ンオレンジ( Pigment Orange 16)、ピラゾロンオレ
ンジ( Pigment Orange13)、ピラゾロンレッド( p
igment Red38)が挙げられ、更に、縮合アゾ顔料とし
てクロモフタールオレンジ4R( Pigment Orange3
1)、クロモフタールスカーレットR( Pigment R ed
166)、クロモフタールレッドBR( Pigment Red1
44)が挙げられる。
【0057】また、縮合多環系顔料であるアントラキノ
ン顔料としてピランスロンオレンジ( Pigment Orange
40)、アントアントロンオレンジ( Pigment Orange
168)、ジアントラキノニルレッド( Pigment Red1
77)が挙げられ、チオインジゴ系顔料としてチオイン
ジゴマゼンタ( Pigment Violet38)、チオインジゴ
バイオレット( Pigment Violet36)、チオインジゴ
レッド( Pigment Red88)が挙げられ、ペリノン系顔
料としてペリノンオレンジ( Pigment Orange 43)が
挙げられ、更にペリレン系顔料として、ペリレンレッド
( Pigment Red190)、ペリレンバーミリオン( Pig
ment Red123)、ペリレンマルーン( Pigment Red1
79)、ペリレンスカーレット( Pigment Red14
9)、ペリレンレッド( Pigment Red178)が挙げら
れ、キナクリドン系顔料としてキナクリドンレッド( P
igment Violet19)、キナクリドンマゼンタ( Pigme
nt Red122)、キナクリドンマルーン( Pigment Red
206)、キナクリドンスカーレット( Pigment Red2
07)が挙げられ、その他、縮合多環顔料としてピロコ
リン系顔料、赤色系フルオルビン系顔料、染付けレーキ
系顔料(水溶性染料+沈殿剤→レーキ化固着)が挙げら
れる。
【0058】シアン系顔料としては、無機系の群青、紺
青、コバルトブルー、セルリアンブルー等が挙げられ、
またフタロシアニン系として、ファーストゲンブル−B
B(Pigment Blue 15)、スミトン・シアニン・ブル
ーHB( Pigment Blue 15)、シアニンブルー502
0( Pigment Blue 15:1)、スミカプリント・シア
ニン・ブルーGN−O( Pigment Blue 15)、ファス
ト・スカイブルーA−612( Pigment Blue 17)、
シアニン・グリーンGB( Pigment Green7)、シアニ
ングリーンS537−2Y( Pigment Green36)、ス
ミトン・ファストバイオレットRL( Pigment Violet
23)が挙げられ、また、スレン系顔料であるインダン
トロンブルー(PB−60P,PB−22,PB−2
1,PB−64)、塩基性染料レーキ顔料であるメチル
バイオレット・リン・モリブデン酸レーキ(PV−3)
等が挙げられる。その他、上記顔料の表面に樹脂をコー
ティングしたいわゆる加工顔料と呼ばれる着色剤も同様
に使用することができる。また、顔料に代えて、熱によ
り拡散、溶融、もしくは昇華して画像転写用記録体より
布へ移行する染料でもよく、このような染料としては特
に分散染料が好ましく用いられ、約150〜550程度
の分子量を有するものであり、昇華あるいは溶融温度、
色相、耐光性、樹脂、現像剤中での溶解性などを考慮し
て選択される。
【0059】例えばジアリールメタン系、トリアリール
メタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメチン系、キ
サンチン系、オキサジン系、アゾおよびアゾ系誘導体、
アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スピロジ
ピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、
ローダミンラクタム系の染料が好適に用いられる。
【0060】具体的には、カラーインデックスで示す
C.I.ディスパースイエロー51、3、54、79、
60、23、7、141、 C.I.ディスパースブル
ー24、56、14、301、334、165、19、
72、87、287、154、26、359 C.I.
ディスパースレッド135、146、59、1、73、
60、167 C.I.ディスパースバイオレット4、
13、26、36、56、31 C.I.ソルベントバ
イオレット13 C.I.ソルベントブラック3C.
I.ソルベントグリーン3 C.I.ソルベントイエロ
ー56、14、16、29、105 C.I.ソルベン
トブルー70、35、63、36、50、49、11
1、105、97、11C.I.ソルベントレッド13
5、81、18、25、19、23、24、143、1
46、182などが例示される。
【0061】また、3、3−ジエチルオキサシアニンア
イオダイド、アストラゾンピンクFG(バイエル社製、
C.I.48015)、2,2−カルボシアニン(C.
I.808)、アストラフイロキシンFF(C.I.1
48070)、アストラゾンイエロー7GLL(C.
I.ベーシックイエロー21)、アイゼンカロチンイエ
ロー3GLH(保土谷化学製、C.I.48055)、
アイゼンカロチンレッド6BH(C.I.4802
0)、等のモノメチン系、ジメチン系またはトリメチン
系等のメチン(シアニン)系塩基性染料、オーラミン
(C.I.655)等のごときジフェニルメタン系塩基
性染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ブリリアントグリーン(C.I.42040)、マゼン
タ(C.I.42510)、メチルバイオレット(C.
I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.
42555)、メチルグリーン(C.I.684)、ビ
クトリアルブルーB(C.I.44045)等のトリフ
ェニルメタン系塩基性染料、ピロニンG(C.I.73
9)、ローダミンB(C.I.45170)、ローダミ
ン6G(C.I.45160)等のキサンテン系塩基性
染料、アクリジンイエローG(C.I.785)、レオ
ニンAL(C.I.46075)、ベンゾフラビン
(C.I.791)、アフィン(C.I.46045)
等のアクリジン系塩基性染料、ニュートラルレッド
(C.I.50040)、アストラゾンブルーBGE/
X125%(C.I.51005)、メチレンブルー
(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染
料、その他第4級アミンをもったアントラキノン系塩基
性染料等の塩基性染料類があげられる。
【0062】これらの染料は、そのままの状態で、或い
はこれらの染料をアルカリ処理した形態で用いることが
でき、またこれらの染料の対イオン交換体あるいはロイ
コ体も用いることができる。常態では無色あるいは淡色
であるロイコ染料等を使用する場合は、静電記録体側に
顕色剤を包含させておけばよい。
【0063】また、これらの分散染料は1成分のみで用
いるのではなく、2種以上を混合した場合でも用いられ
る。とくに混合、溶融された場合、両者がどの様な混合
体を形成するかによっても熱的挙動は大きく異なり、こ
れに伴って蒸気圧も組成比によって特有な変化をするの
で、融点温度に低下を起こす場合、活性化エネルギーも
小さくてすみ昇華感度向上を可能とする。着色剤の湿式
現像剤中における含有量は、0.1重量%〜5重量%で
ある。
【0064】定着用樹脂としては、後述する電気絶縁性
液体や着色剤、電荷制御剤、分散安定剤等の組み合わせ
を考慮した上で選択され、イオンパターンの現像の後、
記録体上に着色剤を定着、保持できるものであれば良
い。具体的には、アクリル系、スチレン系、エチレン
系、ビニル系、ゴム系等の樹脂、ゴム、もしくはそれら
の共重合体を単独または混合して使用することができ、
被転写体上に加熱、圧着する際に、黄変あるいは変質が
目視によって確認されるものでなければ使用することが
できる。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、その部分ケン化物、カルボキシル化変性物、ある
いはアクリル酸、メタクリル酸等のエステル化物等の重
合体、共重合体を使用することができる。定着用樹脂の
湿式現像剤中における含有量は、0.02重量%〜5重
量%である。
【0065】電荷制御剤としては、熱転写条件において
分解し人体に害を与えることのない電荷制御剤であれば
使用できる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸金属
塩、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフ
テン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸
鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸ク
ロム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オク
チル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジ
ルコニウム、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸
コバルト、オクチル酸クロム、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸マグネシウム、ドデシル酸マンガン、ドデシル酸カ
ルシウム、ドデシル酸ジルコニウム、ドデシル酸鉄、ド
デシル酸鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケ
ル、ドデシル酸クロム、ドデシル酸亜鉛、ドデシル酸マ
グネシウム等の金属石鹸、ドデシルベンゼンスルホン酸
カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸バリウム等のアルキルベン
ゼンスルホン酸塩、レシチン、セハリン等の燐脂質、n
−デシルアミン等の有機アミン類等が挙げられる。好ま
しくは、ナフテン酸、オクチル酸の金属塩が挙げられ、
特に好ましくは、ナフテン酸ジルコニウムである。湿式
現像剤中に添加する電荷制御剤の含有量は、添加する材
料等によっても影響を受けるが、湿式現像剤中0.00
1重量%〜2重量%である。
【0066】電気絶縁性液体としては、炭化水素系の高
絶縁性液体が使用でき、例えばn−パラフィン系炭化水
素、iso−パラフィン系炭化水素、またはその混合
物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられる。特に好
ましくは分岐鎖脂肪族炭化水素であり、例えばエクソン
社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、ア
イソパーL、アイソパーM、アイソパーV等を使用する
ことが好ましい。これらの液状の脂肪族炭化水素は、電
気絶縁性液体であって1010Ω・cm以上の体積抵抗を
有し、湿式現像剤における電気絶縁性を高めることを目
的として使用されるものであり、また、湿式現像剤成分
に対する溶解力が比較的小さいことが要求され、これに
より劣化が防止される。
【0067】次に、本発明の画像転写用静電記録体を使
用した被転写体への転写方法について説明する。本発明
の画像転写用静電記録体を使用して画像を転写するのに
適した被転写体としては、布、紙、合成樹脂フィルム、
皮革等であるが、着色剤として昇華性染料を使用する場
合には、着色性に優れた素材、例えばポリエステル製の
布、コート紙、合成樹脂フィルム、皮革が好ましい。
【0068】転写にあたっては、熱圧着の方法は、熱ロ
ールを使用して行なうとよく、その条件は使用する画像
転写用静電記録体や被転写体の特性に応じて適宜設定す
ることができるが、温度100〜200℃、好ましくは
120〜180℃の範囲で、線圧力は、3〜30kg/
cm、好ましくは5〜15kg/cm、熱ロールの送り
速さは、20m/分以下、好ましくは5〜15m/分と
するとよい。転写温度が100℃より低いと被転写体と
画像転写用静電記録体の画像形成面との接着性が充分に
得られず、均質な転写ができない。また、200℃を超
えると画像転写用静電記録体、或いは被転写体の変形あ
るいは変質が起こってしまう。
【0069】また、上述した画像転写用静電記録体にお
いては、被転写体とをそのまま密着させるとよいが、必
要に応じて、被転写体表面に接着剤層を設けるか、また
は、画像転写用静電記録体に画像を形成した後、その画
像上に接着剤層を設けてもよく、接着剤層を設けた後、
上記と同様の転写方法により密着させ、画像を被転写体
に転写させてもよい。
【0070】被転写体表面に設けられる接着剤層として
は、被転写体へ画像を良好に熱転写させることができる
熱可塑性樹脂であって、イソプレンゴム、イソブチルゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリルニト
リルゴム等の合成ゴム、アクリル系樹脂、メタクリル系
樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化
ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂などが例示され、画像転写用静
電記録体に形成された着色画像を破壊しないような有機
溶剤と混合するか、または水系エマルジョンの形で塗
布、形成される。
【0071】接着層の厚さは、乾燥重量で1g/m2
30g/m2 であり、好ましくは3〜15g/m2 であ
る。接着層の厚さが1g/m2 以下では充分な接着力が
得られない。30g/m2 を超えると被転写体の本来の
表面の特性が損なわれてしまう。
【0072】密着させ、画像を転写した後には、画像転
写用静電記録体における離型層と剥離層間から剥離し
て、画像を転写した被転写体を得ることができる。本発
明においては、画像転写特性が十分で、被転写体の種類
によらず、熱融着を起こさない優れた転写方法となしう
る。また、転写にあたって、熱ロール工程での熱転写で
は、被転写体への画像の接着強度が十分ではない場合に
は、剥離後の被転写体を加熱板を用いて熱プレスして接
着力を高めるとよい。
【0073】また、上記では、画像転写用静電記録体に
記録した画像を、布、紙、合成樹脂フィルム、皮革等の
被転写体に直接転写したが、画像転写用静電記録体に記
録した静電潜像を静電記録紙等の二次転写体に転写した
後、二次転写体上の潜像を現像し、次いでこの二次転写
体を使用して目的とする布、紙、合成樹脂フィルム、皮
革等に画像を転写してもよい。また、画像転写用静電記
録体に形成した潜像を現像して得られる画像を用転写紙
等の二次転写体に一旦転写したのち、二次転写体上の画
像を目的とする布、紙、合成樹脂フィルム、皮革等に転
写してもよい。以下、本発明の実施例を示し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0074】
【実施例】
(実施例1) (画像転写用静電記録体の作製)坪量55g/m2 の上
質紙の表面に、四級アンモニウム含有導電性樹脂(三洋
化成社製 ケミスタット6300H)を乾燥後の塗布量
が3g/m2 の塗布量となるようにグラビアコータを使
用し、グラビアリバース法により塗布し、また裏面に
は、乾燥後の塗布量が2g/m2 となるように塗布し、
導電性紙を作製した。
【0075】次いで、得られた導電記録紙の記録面に、
下記の組成の溶液を、乾燥重量が1g/m2 となるよう
にミヤバー塗布した後、120℃で加熱して、硬化樹脂
からなる離型層を形成した。
【0076】 東芝シリコーンワニス(東芝シリコーン(株)社製、TSR102) ・・・ 100重量部 硬化剤(東芝シリコーン(株)社製、CR12) ・・・ 5重量部 更に、得られた離型層上に、下記の組成の溶液を、乾燥
重量が1g/m2 となるようにミヤバー塗布し、120
℃で10分の条件下で架橋化させた後、乾燥して剥離層
を形成し、本発明の画像転写用静電記録体を作製した。
【0077】 自己架橋性アクリル樹脂(日本純薬社製、SEK−301) ・・・50重量部 溶剤(イオン交換水) ・・・50重量部 (画像形成方法及び現像方法)上記で得られた画像転写
用静電記録体に対して、図3に示すイオン流照射記録装
置を使用し、カラー原画を色分解して得られるシアン情
報に基づき、負のイオンパターン(−40V)を形成し
た。
【0078】なお、このイオン流照射記録装置における
記録ヘッドは1728個のイオン流通過孔を有してお
り、200DPIの記録密度でA4幅の記録を可能とす
るものである。
【0079】このイオンパターンを形成した画像転写用
静電記録体を、下記のシアン現像剤を有するローラー現
像器で現像し、シアン画像を有する画像転写用静電記録
体を得た。
【0080】(シアン現像剤)2−エチルヘキシルメタ
クリレート−アクリル酸共重合樹脂(2−エチルヘキシ
ルメタクリレート/アクリル酸(重量比)=85/1
5、重量平均分子量131,000)を5重量部、Mo
nasutral Blue FGX(C.I.Pig
ment Blue15:4 セネカ製)を5重量部、
ナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業製)を5重量部
からなる組成物を、テトラヒドロフラン100g中に投
入した後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製
US−300T)を使用して共重合樹脂を溶解させ、室
温で分散させた。次いで、超音波ホモジナイザーの作動
下に、アイソパーG(エクソン社製)300gを投入し
た後、ロータリーエバポレータによってテトラヒドロフ
ランを除去し、固形分1.4%の湿式現像剤とした。
【0081】次いで、このシアン画像を有する画像転写
用静電記録体の画像面に、カラー原画を色分解して得ら
れるマゼンタ情報に基づき、負のイオンパターン(−4
0V)を形成した後、下記のマゼンタ現像剤を有するロ
ーラー現像器で現像し、シアン画像とマゼンタ画像を有
する画像転写用静電記録体を得た。
【0082】(マゼンタ現像剤)200ml丸底フラス
コに樹脂として変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(変
性EVA)(武田薬品工業製 デュミラン2270)
2.7gと電荷調整剤ジアルキルスルホコハク酸コバル
ト60mg、さらに溶媒としてテトラヒドロフランを1
50ml添加した。この溶液を樹脂溶解温度60〜80
℃で1時間加熱撹拌した。なお、ジアルキルスルホコハ
ク酸コバルトは、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム
(和光純薬製、Aerosol OT )と硝酸コバルト
を非水溶媒中において反応して製造した。造粒可能な樹
脂は変性EVAが最適で特に接着特性も考慮してデュミ
ラン2270を使用した。デュミランシリーズには部分
ケン化度を変えたものがあり、いずれも使用可能であっ
た。
【0083】別に200mlビーカに着色剤としてブリ
リアントカーミン6B(スミカプリントカーミン6BF
−1、住化カラー製)1.0gと分散剤としてポリ−1
2−ヒドロキシステアリン酸メチルエステル(伊藤製油
製、3量体)60mgをテトラヒドロフラン100ml
を溶媒として分散した。分散は卓上型超音波ホモジナイ
ザー(日本精機 UHS−300T)を使用した。この
分散液を先に調整されたフラスコ内に一度に投入した。
混合撹拌を60〜80℃でさらに1時間行い顔料分散液
とした。500mlビーカーに温度10℃に冷却したア
イソパーG(エクソン社製)200mlを用意し、これ
に先に調整した顔料分散液を超音波ホモジナイザーで分
散しながら投入した。これにより樹脂の溶解度を利用し
た造粒を行った。テトラヒドロフランとアイソパーGと
の溶媒置換はデカンテーションまたは遠心分離操作によ
り、完全にアイソパーGに置換して湿式現像剤とした。
この湿式現像剤をさらにアイソパーGを使用して印刷濃
度1%に調整した。
【0084】(被転写体) コピー用紙(リコー(株)製、PPC用紙タイプ620
0) (転写方法)上記で得たシアン画像及びマゼンタ画像を
有する画像転写用静電記録体の画像面と、上記の被転写
体とを重ね合わせ、熱圧ローラ(160℃、線圧力20
kg/cm、送り速さは2m/分)で加熱圧着した後、
被転写体を剥離した。
【0085】剥離に際しては、画像転写用静電記録体に
おける離型層と剥離層間できれいに剥離し、また、画像
転写用静電記録体における画像はほとんど被転写体に転
写した。
【0086】(実施例2)実施例1における画像転写用
静電記録体における剥離層を、下記組成の塗液をミヤバ
ー塗布し、120℃で10分の加熱条件下で架橋化させ
た後、乾燥し、乾燥重量が1g/m2 となるように形成
したものとした以外は、実施例1同様にして画像転写用
静電記録体を作製した。
【0087】 自己架橋性アクリル樹脂(日本純薬社製、SEK−410) ・・・50重量部 溶剤(イオン交換水) ・・・50重量部 この画像転写用静電記録体を使用し、実施例1同様に画
像形成した後、実施例1で作製した被転写体に、実施例
1同様に画像を転写した。
【0088】剥離に際しては、画像転写用静電記録体に
おける離型層と剥離層間できれいに剥離し、また、画像
転写用静電記録体における画像はほとんど被転写体に転
写した。
【0089】(比較例1)実施例1における画像転写用
静電記録体における剥離層に代えて、下記の組成物を同
様に塗布した以外は、実施例1同様にして画像転写用静
電記録体を作製した。
【0090】 アクリル樹脂(三菱レーヨン社製、Br−101) ・・ 10重量部 溶剤(メチルエチルケトン) ・・ 45重量部 溶剤(トルエン) ・・ 45重量部 この画像転写用静電記録体を使用し、実施例1同様に画
像形成した後、実施例1で作製した被転写体に、実施例
1同様に画像を転写した。
【0091】画像の転写後、被転写体を剥離したが、画
像の転写残りが多かった。
【0092】
【発明の効果】本発明の画像転写用静電記録体及び画像
転写方法は、転写に際して接着層を介在させなくても、
画像転写特性に優れるものである。また、特にその画像
をイオン流によってイオンパターンを形成し、形成した
イオンパターンを着色剤を含有する湿式現像剤によって
現像して形成すると、コンピュータ等による電子的に処
理された画像情報を種々の基材上に転写して画像を形成
することができると共に、時間短縮による生産性の向上
も可能で、且つどのような形状の被転写体へも画像転写
が可能とするものである。
【0093】さらに、画像表現に関しては、グラデーシ
ョン印刷物に対して従来より細かな階調表現が可能であ
り高精細印字物が得られる。さらに図柄等をエンドレス
に長巻き作製可能であり、生産性も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像転写用静電記録体の模式断面図
である。
【図2】 本発明の画像転写用静電記録体の他の例にお
ける模式断面図である。
【図3】 イオン流による画像形成装置の一例を説明す
るための図である。
【図4】 記録ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図5】 記録ヘッドの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…記録ヘッド、3…誘電体、4…
ライン電極、5…フィンガー電極、6…イオン、7…記
録媒体、8…イオン流、9…スクリーン電極、10…絶
縁体、11…穴、12…コロトロン放電型ヘッド、13
…金属容器、14…放電用電極、15…誘電体、16…
イオン流調整用電極、20…画像転写用静電記録体、2
1…基体シート、22…離型層、23…自己架橋性樹脂
からなる誘電性剥離層、24…導電層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電層を有する基体シート上に離型層が
    設けられ、更に該離型層上に、ガラス転移温度が−20
    ℃〜100℃の自己架橋性樹脂により形成された誘電性
    剥離層が設けられることを特徴とする画像転写用静電記
    録体。
  2. 【請求項2】 画像転写用静電記録体が、イオン流によ
    ってイオンパターンを形成した後、形成されたイオンパ
    ターンを着色剤を含有する湿式現像剤によって現像して
    転写用画像が形成されるものであることを特徴とする請
    求項1記載の画像転写用静電記録体。
  3. 【請求項3】 導電層を有する基体シート上に離型層、
    ガラス転移温度が−20℃〜100℃の自己架橋性樹脂
    により形成された誘電性剥離層が順次設けられた画像転
    写用静電記録体上に、転写用画像を形成した後、被転写
    体を重ねて熱圧着し、画像転写用静電記録体上の画像を
    被転写体上に転写することを特徴とする画像転写方法。
  4. 【請求項4】 転写用画像が、画像転写用静電記録体上
    にイオン流によってイオンパターンを形成した後、形成
    されたイオンパターンを着色剤を含有する湿式現像剤に
    よって現像して形成されることを特徴とする請求項4記
    載の画像転写方法。
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CN115820066A (zh) * 2022-12-13 2023-03-21 中国化工株洲橡胶研究设计院有限公司 用于热转印喷墨打印的水性涂层涂料及其制备方法和应用

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CN115820066B (zh) * 2022-12-13 2024-04-05 中国化工株洲橡胶研究设计院有限公司 用于热转印喷墨打印的水性涂层涂料及其制备方法和应用

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