JPH10264416A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10264416A
JPH10264416A JP7718397A JP7718397A JPH10264416A JP H10264416 A JPH10264416 A JP H10264416A JP 7718397 A JP7718397 A JP 7718397A JP 7718397 A JP7718397 A JP 7718397A JP H10264416 A JPH10264416 A JP H10264416A
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head
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dots
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置において、色の再現性をよくす
る。 【解決手段】 インクジェットプリンタはYMCKのイ
ンクを吐出するヘッドと、RGBのインクを吐出するヘ
ッドとを備える。それぞれのヘッドに印加される電圧を
制御することにより、同一階調で印字されたRGBのド
ットの直径(70μm)をYMCKのドットの直径(1
00μm)よりも小さくする。これにより、RGBのド
ットの光学反射濃度を下げることができ、色の再現性を
よくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は画像形成装置に関
し、特に複数色のインクを混ぜ合わせることによりカラ
ー画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式のプリン
タや感熱転写方式のプリンタなどに代表されるさまざま
な方式のカラーの画像形成装置が存在する。これらの画
像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シ
アン(C)および黒(K)の複数色のインクが用いら
れ、それらのインクを混ぜ合わせることによりフルカラ
ーの画像形成が行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像形成装置は色の再現性が悪いという問題点があっ
た。特にハイライトの大きな面積の部分において、YM
CKインクによる2次色である紫、緑、赤、オレンジな
どの色の鮮明さに欠けるという問題点がある。
【0004】このような問題を解決するため、YMCK
インク以外に、RGB(赤、緑、青)のインクを用いて
プリントを行なうことも考えられる。しかしながら、R
GBのインクを用いると、RGBの色が強くなり、画像
の色調が異なってしまうという新たな問題が生ずる。
【0005】この発明はそのような問題点を解決するた
めになされたもので、画像形成装置において色の再現性
をよくすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のある局面に従うと、画像形成装置は、第
1のグループに属する複数の色の中から所望の色のドッ
トを記録媒体にプリントすることができるヘッドであっ
て、階調に応じてプリントするドットの大きさを変える
ことができる第1のヘッドと、第1のグループに属する
複数の色とは補色関係にある第2のグループに属する複
数の色の中から所望の色のドットを記録媒体にプリント
することができるヘッドであって、階調に応じてプリン
トするドットの大きさを変えることができる第2のヘッ
ドとを備え、同一の階調のドットをプリントしたとき
に、第1のヘッドによりプリントされるドットは第2の
ヘッドによりプリントされるドットよりも大きいことを
特徴としている。
【0007】この発明の他の局面に従うと、画像形成装
置は、第1のグループに属する複数の色の中から所望の
色のドットを記録媒体にプリントすることができるヘッ
ドであって、階調に応じてプリントするドットの大きさ
を変えることができる第1のヘッドと、第1のグループ
に属する複数の色とは補色関係にある第2のグループに
属する複数の色の中から所望の色のドットを記録媒体に
プリントすることができるヘッドであって、階調に応じ
てプリントするドットの大きさを変えることができる第
2のヘッドとを備え、第1のグループに属する複数の色
の濃度は、第2のグループに属する複数の色の濃度より
も濃いことを特徴とする。
【0008】さらに好ましくは、第1のグループに属す
る複数の色は、イエロー、マゼンタ、およびシアンを含
み、第2のグループに属する複数の色は、赤、緑、およ
び青を含む。
【0009】このような発明に従うと、画像形成装置に
おいて色の再現性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]以下、図面を参照して、本発明の
第1の実施の形態におけるインクジェットプリンタにつ
いて説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
るインクジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図で
ある。
【0012】インクジェットプリンタ1は、用紙やプラ
スチック薄板などの記録媒体である記録シート2と、イ
ンクジェット方式のプリンタヘッドであるプリンタヘッ
ド3と、プリンタヘッド3を保持するキャリッジ4と、
キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動
させるための揺動軸5、6と、キャリッジ4を揺動軸
5、6に沿って往復駆動させる駆動モータ7と、駆動モ
ータ7の回転をキャリッジの往復運動に変えるためのタ
イミングベルト9と、アイドルプーリ8とを含んでい
る。
【0013】また、インクジェットプリンタ1は、記録
シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間で記録シート2を
押さえることにより記録シート2の浮きを防止する紙押
さえ板11と、記録シート2を排出するための排出ロー
ラ12と、拍車ローラ13と、プリンタヘッド3のイン
クを吐出するノズル面を洗浄しインク吐出量を良好な状
態に回復させる回復系14と、記録シート2を手動で搬
送するための紙送りノブ15とを含んでいる。
【0014】記録シート2は、手差しあるいはカットシ
ートフィーダなどの給紙装置によって、プリンタヘッド
3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれる。
この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御され、
記録部への搬送が制御される。
【0015】プリンタヘッド3には、圧電素子(PZ
T)が用いられる。圧電素子には電圧が印加され、歪み
が生じる。この歪みは、インクで満たされたチャンネル
の容積を変化させる。この容積の変化により、チャンネ
ルに設けられたノズルからインクが吐出され、記録シー
ト2への記録が行なわれる。
【0016】キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドル
プーリ8、およびタイミングベルト9により、記録シー
ト2を桁方向(記録シート2を横切る方向)に主走査
し、キャリッジ4に取付けられたプリンタヘッド3は1
ライン分の画像を記録する。1ラインの記録が終わるご
とに、記録シート2は縦方向に送られ副走査され、次の
ラインが記録される。
【0017】記録シート2にはこのようにして画像が記
録される。記録部を通過した記録シート2は、その搬送
方向下流側に配置された排出ローラ12とこれに圧接さ
れる拍車ローラ13とによって排出される。
【0018】図2は、キャリッジ4周辺の構成を説明す
るための斜視図である。キャリッジ4の周辺には、イン
クを収容するインクカートリッジ403と、インクカー
トリッジ403を収納するケーシング401と、ケーシ
ング蓋405と、インクカートリッジ403を着脱可能
にしつつインクをプリンタヘッド3に受給するインク受
給ピン402と、ケーシング蓋405を閉じた際ケーシ
ング401にケーシング蓋405を固定するための付勢
クラッチ406と、付勢クラッチ止め407と、インク
カートリッジ403を収納する向き(矢印D3の向き)
とは反対の向きにインクカートリッジ403を押しつつ
インクカートリッジ403をケーシング蓋405ととも
に保持する板ばね408とが含まれる。図に示す矢印D
1方向にキャリッジ4が移動することにより主走査が行
なわれ、矢印D2方向にインクドロップは吐出される。
【0019】図3は、図1のプリンタヘッドをノズルを
有する面側から見た図である。図を参照して、プリンタ
ヘッドは、イエロー、マゼンタおよびシアンのインクを
吐出するイエロー(y)ヘッド3Y、マゼンタ(m)ヘ
ッド3M、およびシアン(c)ヘッド3Cと、レッド、
グリーン、およびブルーのインクを吐出するレッド
(r)ヘッド3R、グリーン(g)ヘッド3G、および
ブルー(b)ヘッド3Bと、ブラックのインクを吐出す
るブラック(k)ヘッド3Kとを含んでいる。
【0020】図4〜図6は、プリンタヘッド3の構成を
説明するための図である。図4は、プリンタヘッド3の
ノズルを有する面の一部を示す平面図であり、図5は図
4のIII−III線断面図であり、図6は、図5のI
V−IV線断面図である。
【0021】プリンタヘッド3は、ノズルプレート30
1、隔壁302、振動板303、基板304とを一体に
重ねた構成となっている。
【0022】ノズルプレート301は、金属または合成
樹脂などからなり、ノズル307を有し、表面318に
は撥イオン層を有する。隔壁302には、薄肉フィルム
が使用されており、ノズルプレート301と振動板30
3との間に固定されている。
【0023】また、ノズルプレート301と隔壁302
との間には、インク305を収容する複数のインクチャ
ンネル306と、各インクチャンネル306をインク供
給室308に連結するインクインレット309が形成さ
れている。インク供給室308は図示しないインクタン
クに接続されており、インク供給室308内のインク3
05はインクチャンネル306へと供給される。
【0024】振動板303には、各インクチャンネル3
06に対応した複数の圧電素子313が含まれる。振動
板303の加工は、まず振動板303が配線部317を
有する基板304に絶縁接着剤で固定され、その後、ダ
イサー加工によりセパレート溝315、316が形成さ
れ振動板303が分断されることにより行なわれる。ま
た、この分断によって各インクチャンネル308に対応
する圧電素子313と、隣接する圧電素子313との間
に位置する圧電素子柱部314と、これらを囲む壁31
0とが分離される。
【0025】基板304上の配線部317は、アースに
接続されプリンタヘッド3内のすべての圧電素子313
に共通に接続される共通電極側配線部311と、プリン
タヘッド3内の各圧電素子313に個別に接続される個
別電極側配線部312とを有する。この基板304上の
共通電極側配線部311は、圧電素子313内の共通電
極に接続される。個別電極側配線部312は、圧電素子
313内の個別電極に接続される。
【0026】このような構成のプリンタヘッド3の動作
は、インクジェットプリンタ1の制御部によってコント
ロールされる。制御部のヘッド吐出駆動部105(図7
参照)からは、圧電素子313内部に設けられた共通電
極と個別電極との間に、印字信号である所定の電圧が印
加され、圧電素子は隔壁302を押す方向に変形する。
圧電素子313の変形は隔壁302に伝えられ、これに
よりインクチャンネル306内のインク305が加圧さ
れ、ノズル307を介してインクドロップが記録シート
2(図1参照)に向かって飛翔する。
【0027】図7は、インクジェットプリンタ1の制御
部の概略構成を示すブロック図である。
【0028】インクジェットプリンタ1の制御部は、C
PU101と、RAM102と、ROM103と、デー
タ受信部104と、ヘッド吐出駆動部105と、ヘッド
移動駆動部106と、紙送り駆動部107と、回復系モ
ータ駆動部108と、各種センサ部109とを含んでい
る。
【0029】全体を制御するCPU101は、必要に応
じてRAM102を用い、ROM103に記憶されてい
るプログラムを実行する。このプログラムには、データ
受信部104から読込まれる画像データに基づいて、ヘ
ッド吐出駆動部105、ヘッド移動駆動部106、紙送
り駆動部107、各種センサ部109を制御し記録シー
ト2上に画像を記録するための部分と、必要なときに回
復系モータ駆動部108、各種センサ部109を制御し
プリンタヘッド3のノズル面を良好な状態に回復させる
ための部分とが含まれる。
【0030】データ受信部104はホストコンピュータ
などに接続され、記録すべき画像データを受信する。
【0031】CPU101の制御に基づいて、ヘッド吐
出駆動部105は、プリンタヘッド3の圧電素子313
を駆動し、ヘッド移動駆動部106はプリンタヘッド3
を保持するキャリッジ4を桁方向に移動させる駆動モー
タ7を駆動し、紙送り駆動部107は紙送りローラを駆
動する。また、CPU101の制御に基づいて、回復系
モータ駆動部108は、プリンタヘッド3のノズル面を
良好な状態に回復させるために必要なモータなどを駆動
する。
【0032】図8は、図7のCPU101の構成を示す
ブロック図である。CPU101は、データ受信部(画
像ソース入力部)104から、赤、緑および青の色に対
応する信号r,g,bを入力し、階調の補正を行なう階
調補正部151と、階調の補正が行なわれたr,g,b
のデータを、c,m,y,k,r,g,bのデータに変
換する色変換部152と、変換後のデータにディザ処理
を行なうディザ処理部153とを備える。
【0033】ヘッド吐出駆動部105へは、ディザ処理
の行なわれたデータが入力される。ヘッド吐出駆動部1
05は、各色ヘッド3を駆動する。
【0034】図9は、図8のディザ処理部153、ヘッ
ド吐出駆動部105および各色ヘッド3の構成を示すブ
ロック図である。
【0035】図を参照して、ヘッド吐出駆動部105
は、cヘッド駆動回路120cと、mヘッド駆動回路1
20mと、yヘッド駆動回路120yと、kヘッド駆動
回路120kと、rヘッド駆動回路120rと、gヘッ
ド駆動回路120gと、bヘッド駆動回路120bとを
含む。
【0036】各色ヘッド3は、それぞれの駆動回路に接
続されるcヘッド3cと、mヘッド3mと、yヘッド3
yと、kヘッド3kと、rヘッド3rと、gヘッド3g
と、bヘッド3bとを含む。
【0037】本実施の形態におけるインクジェットプリ
ンタは、それぞれのヘッド駆動回路120c,m,y,
k,r,g,bにより、圧電素子313に印加する電圧
を制御することで、各色ヘッドから吐出されるインクの
量を制御する。これにより、印字されるドット径を階調
に応じて変化させることができる。
【0038】図10は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタに用いられるイエローインクの組成を示
す図である。
【0039】イエローインクには、溶剤として、水を7
4.5%、多価アルコール/DEG(ジエチレングリコ
ール)を11.0%、多価アルコールエーテル/TGB
(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)を6.
5%、増粘剤/PEG(ポリエチレングリコール)#4
00を4.5%含む。また、色材として染料/Baye
r Y−CA51092を2.5%含む。その他添加剤
として、界面活性剤/オルフィンE1010を0.8
%、pH調整剤/NaHCO3 を0.2%含む。
【0040】図11は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタで用いられるマゼンタインクの組成を示
した図である。
【0041】マゼンタインクは、溶剤として水を74.
5%、多価アルコール/DEGを11.0%、多価アル
コールエーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#
400を4.5%含む。また、色材として染料/BAS
F Red ff−3282を2.5%含む。その他添
加剤として、界面活性剤/オルフィンE1010を0.
8%、pH調整剤/NaHCO3 を0.2%含む。
【0042】図12は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタで用いられるシアンインクの組成を示し
た図である。
【0043】シアンインクは、溶剤として、水を74.
5%、多価アルコール/DEGを11.0%、多価アル
コールエーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#
400を4.0%含む。また、色材として染料/Bay
er CY−BGを3.0%含む。また、添加剤として
界面活性剤/オルフィンE1010を0.8%、pH調
整剤/NaHCO3 を0.2%含む。
【0044】図13は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタで用いられるブラックインクの組成を示
した図である。
【0045】ブラックインクは、溶剤として水を77.
9%、多価アルコール/DEGを6.0%、多価アルコ
ールエーテル/TGBを6.0%、増粘剤/PEG#4
00を4.5%含む。また、色材として染料/Baye
r BK−SPを4.6%含む。その他添加材として、
界面活性材/オルフィンE1010を0.8%、pH調
整剤/NaHCO3 を0.2%含む。
【0046】図14は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタで用いられる赤インクの組成を示した図
である。
【0047】赤インクは、溶剤として水を74.5%、
多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコール
エーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#400
を4.5%含む。また、色材として染料/Sumino
l Leveling Red 6BL(住友化学)を
2.5%含む。その他添加剤として、界面活性剤/オル
フィンE1010を0.8%、pH調整剤/NaHCO
3 を0.2%含む。
【0048】図15は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタに用いられる緑インクの組成を示した図
である。
【0049】緑インクは、溶剤として、水を74.5
%、多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコ
ールエーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#4
00を4.0%含む。また、色材として染料/Cosm
olan Green 3GL(住友化学)を3.0%
含む。その他添加剤として界面活性剤/オルフィンE1
010を0.8%、pH調整剤/NaHCO3 を0.2
%含む。
【0050】図16は、本実施の形態におけるインクジ
ェットプリンタで用いられる青インクの組成を示した図
である。
【0051】青インクには、溶剤として水を74.5
%、多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコ
ールエーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#4
00を4.5%含む。また、色材として染料/Kaya
nol Milling Ultra Sky SE
(日本化薬)を2.5%含む。その他添加剤として、界
面活性剤/オルフィンE1010を0.8%、pH調整
剤/NaHCO3 を0.2%含む。
【0052】これらのインクの組成により、RGBイン
クの物性(表面張力、粘性など)をYMCインクの物性
にほぼ一致させることができる。したがって、同一の条
件でプリントを行なうとほぼ同様のドットをプリントす
ることができる。
【0053】図17および18は、圧電素子313に印
加される電圧の波形を示す図である。
【0054】圧電素子313に印加される電圧が10V
以下のときには、図17に示される波形がヘッド駆動回
路からヘッドに印加される。図を参照して、波形は立上
がりに2μsecを有し、V0 の電圧を6μsec維持
し、立下がりに22μsecを要する。電圧が圧電素子
313に印加される時間の合計は、30μsecであ
る。
【0055】圧電素子313に印加される電圧が10V
を越えるときには、図18に示される波形がヘッド駆動
回路からヘッドに印加される。
【0056】図を参照して、波形は、立上がりに5μs
ecを要し、V0 の電圧を6μsec維持し、立下がり
に79μsecを要する。電圧が圧電素子31に印加さ
れる時間の合計は、90μsecである。
【0057】図19は、圧電素子313に印加される電
圧と、記録シート2に付着するドットの直径との関係を
示したグラフである。
【0058】図を参照して、たとえば印加電圧が15V
のとき、付着するドット径は70μmである(図中の
S)。印加電圧が22.5Vのとき、付着するドット径
は100μmである(図中のL)。印加電圧を変化させ
ることにより、付着するドット径が変化するため、階調
に応じたドット径でのプリントが可能となる。
【0059】図20は、用紙に付着したドットの直径
と、光学反射濃度OD(ID)との関係を示すグラフで
ある。ODとはオプチカルデンシティを、IDはイメー
ジデンシティを示す。
【0060】光学反射濃度の測定装置として、Saku
ra Densitometer(PDA65)を用い
た。また、測定に用いた紙は、エプソン社製SF(スー
パーファイン)紙である。測定方法として、360dp
i(ドットとドットとの間隔が70.6μm)で、グラ
フの横軸に示されるドット径を有するドットを、5×5
mmのエリア以上にわたりプリントした。プリントが行
なわれた用紙に、カラーフィルタでフィルタリングを行
ない、光学反射濃度を測定した。カラーフィルタは、プ
リントされたドットとは補色関係にある色のものを用い
た。すなわち、Yインクに対してはBフィルタ、Mイン
クに対してはGフィルタ、Cインクに対してはRフィル
タ、Rインクに対してはCフィルタ、Gインクに対して
はMフィルタ、Bインクに対してはYフィルタをそれぞ
れ用いた。
【0061】なお、用紙自体(紙の白地)の光学反射濃
度は約0.12である。グラフから明らかなように、す
べての色のドットにおいて、ドット径が大きくなるほど
に光学反射濃度は大きくなる。また、同一のドット径の
ドットを印字した場合において、RGBインクの光学反
射濃度は、CMインクの濃度とほぼ等しい。
【0062】したがって、RGBのドット径を、CMの
ドット径と等しくしてプリントを行なうと、RGBの色
が強くなり、画像の色調が変わってしまう。
【0063】このような問題を解決するために、本実施
の形態においては、RGBのヘッドに印加される電圧
を、YMCKのヘッドに印加される電圧に対して低くす
ることにより、同一階調でプリントされるRGBのドッ
トの径を小さくしている。これにより、RGBのドット
の光学反射濃度を下げることができる。
【0064】具体的には、RGBのヘッドに印加される
電圧の最高値を15Vとしている。これにより、RGB
のドットの最大の直径は、約70μmとなる(図19参
照)。
【0065】YMCKのヘッドに印加される電圧の最大
値は22.5Vとした。これにより、YMCKのドット
の最大の直径は約100μmとなる(図19参照)。
【0066】図21は、YMCKのドットによりベタ画
像を印字した状態を示す図である。本実施の形態におい
ては、360dpiの解像度でプリントを行なうことと
している。したがって、ベタ画像におけるドット間のピ
ッチPは、70.6μmである。また、斜めに並ぶドッ
ト間の距離Lは、1.414×P=約99.8μmとな
る。ベタ画像においてYMCKのドット径は約100μ
mであるので、用紙はインクでほぼ埋まることとなる。
このときのC、Mのドットの光学反射濃度は、図20を
参照して約0.95である。
【0067】図22は、RGBのドットによりベタ画像
を印字した状態を示す図である。ベタ画像におけるRG
Bのドットの直径は約70μmであるため、ドットの付
着した部分の面積は図21に示されるベタ画像の約半分
となる。また、光学反射濃度は図20を参照して約0.
69となる。
【0068】このようにして、RGBのドットの濃度を
下げることができる。 [第2の実施の形態]第2の実施の形態におけるインク
ジェットプリンタのハードウェア構成は第1の実施の形
態と同一であるのでここでの説明を繰返さない。第1の
実施の形態と本実施の形態とが異なる点は、RGB、Y
MCKすべてのドット径を同一階調で同じにする点と、
RGBのインクとして淡い色のインク(濃度の薄いイン
ク)を用いる点である。すなわち、RGBもYMCKも
ベタ画像を形成するときのドット径は図21に示される
100μmのものを用いる。
【0069】淡いRGBのインクのそれぞれの組成を以
下に示す。図23は、淡いRインクの組成を示した図で
ある。淡いRインクには、溶剤として水を76.2%、
多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコール
エーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#400
を4.5%含む。また、色材として染料/Sumino
l Leveling Red 6BL(住友化学)を
0.8%含む。その他添加剤として、界面活性剤/オル
フィンE1010を0.8%、pH調整剤/NaHCO
3 を0.2%含む。
【0070】図24は、淡いGインクの組成を示す図で
ある。淡いGインクには、溶剤として水を76.6%、
多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコール
エーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#400
を4.0%含む。また、色材として染料/Cosmol
an Green 3GL(住友化学)を0.9%含
む。その他添加剤として、界面活性剤/オルフィンE1
010を0.8%、pH調整剤/NaHCO3 を0.2
%含む。
【0071】図25は、淡いBインクの組成を示す図で
ある。淡いBインクには、溶剤として水を76.2%、
多価アルコール/DEGを11.0%、多価アルコール
エーテル/TGBを6.5%、増粘剤/PEG#400
を4.5%含む。また、色材として染料/Kayano
l Milling Ultra SKY SE(日本
化薬)を0.8%含む。その他添加剤として、界面活性
剤/オルフィンE1010を0.8%、pH調整剤/N
aHCO3 を0.2%含む。
【0072】このようなインクの組成により、RGBと
YMCKのドットの径は同一階調で同一であるが、RG
Bのドットの濃度を下げることができ、鮮やかな色調を
再現することができる。また、本実施の形態においては
RGB、YMCKドットとも同一階調では同一径により
プリントできるため、プリンタを制御するドライバ、お
よび画像処理がハード面、ソフト面ともに容易となり、
装置のローコスト化、処理に要する時間の短縮化を図る
ことができる。
【0073】[第3の実施の形態]第3の実施の形態で
は、第1の実施の形態と同様に同一の階調ではRGBの
ドット径をYMCKのドット径よりも小さくする。か
つ、第2の実施の形態と同様に、RGBのインクの濃度
をYMCKのインクの濃度よりも薄くする。このように
することで、より効果的にRGBのドットの濃度を低下
させることができる。
【0074】[発明の効果]図26は、第1および第2
の実施の形態における効果を説明するためのグラフであ
る。グラフにおいて縦軸はドットの光学反射濃度を示
す。なお、光学反射濃度の測定方法は、図20で行なっ
た方法と同様である。
【0075】図中のG1に示される位置にある点は、対
比のためにプロットされた点であり、RGBおよびYM
Cの各ドットを同一径でプリントしたときの光学反射濃
度を示したものである。なお、G1においては、インク
は図10〜図16に示す組成のものを用いている。
【0076】G1に示されるドットでは、RGBのドッ
トの光学反射濃度がMCのドットの光学反射濃度とほぼ
同じになる。これにより、プリントを行なったときにR
GBの色が強くなり、画像の色調が意図したものと異な
ってしまう。
【0077】図中G2に示される斜線が付された丸は、
第1の実施の形態における効果を示した点である。すな
わち、RGBのドットを小さくするように制御を行なっ
ている。これによると、YMCのドットに比べてRGB
のドットの光学反射濃度を約1/2に低下させることが
できる。
【0078】G2に示される白丸は、第2の実施の形態
における効果を示した点である。すなわち、ドット径
は、YMCとRGBとで同一であるが、RGBのインク
として、図23〜図25に示される組成の淡い色のイン
クを用いている。この実施の形態によっても、第1の実
施の形態と同様にRGBのドットの光学反射濃度を下げ
ることができる。
【0079】図27は(a*,b*)平面による色再現
チャート(gamut)を示したグラフである。図を参
照して、A1で囲まれる領域は、YMCKインクのみで
色を再現したときの色の再現領域(従来例)である。A
2で囲まれる領域は、第1の実施の形態における色の再
現領域である。A3で囲まれる領域は、第3の実施の形
態における色の再現領域である。
【0080】図からも明らかなように、第2および第3
の実施の形態においては、従来例よりも発色の範囲が、
高濃度、高彩度領域に広がっている。特に、青および緑
の領域が顕著に広がっている。これにより、本発明の実
施により、再現される画像が鮮やかになることがわか
る。
【0081】[変形例]以上の実施の形態を以下のよう
に変形することもできる。
【0082】(1) RGB色以外に白色のインクを吐
出するノズルを追加する。これにより、ハイライトの一
番薄い濃度の色再現性を向上させることができ、画像の
鮮明さが増加する。
【0083】(2) RGB色以外に茶色のインクを吐
出するノズルを追加する。これにより、人の肌色のよう
な色の再現性がよくなり、画像に深みが増す。
【0084】(3) RGB色以外にグレイ色のインク
を吐出するノズルを追加する。これにより、モノクロハ
ーフトーン階調の再現性が向上する。
【0085】(4) インクジェットプリンタ以外の画
像形成装置においても、YMCK、RGB色をプリント
するようにし、さらにRGBのドットを小さくしたり、
またはRGBの濃度を下げたりする。すなわち、感熱転
写方式のプリンタなどにも本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるインクジェ
ットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】キャリッジ4周辺の構成を説明するための斜視
図である。
【図3】プリンタヘッド3の平面図である。
【図4】図3の一部を拡大した図である。
【図5】図4におけるIII−III断面図である。
【図6】図5におけるIV−IV断面図である。
【図7】図1のインクジェットプリンタの制御回路のブ
ロック図である。
【図8】図7のCPU101の構成を示すブロック図で
ある。
【図9】図8のヘッド吐出駆動部105および各色ヘッ
ド3の構成を示すブロック図である。
【図10】第1の実施の形態におけるYインクの組成を
示す図である。
【図11】第1の実施の形態におけるMインクの組成を
示す図である。
【図12】第1の実施の形態におけるCインクの組成を
示す図である。
【図13】第1の実施の形態におけるKインクの組成を
示す図である。
【図14】第1の実施の形態におけるRインクの組成を
示す図である。
【図15】第1の実施の形態におけるGインクの組成を
示す図である。
【図16】第1の実施の形態におけるBインクの組成を
示す図である。
【図17】圧電素子に印加される電圧のパルス(V0
10)の波形を示す図である。
【図18】圧電素子に印加される電圧のパルス(V0
10)の波形を示す図である。
【図19】圧電素子に印加される電圧と記録媒体に付着
するドット径との関係を示した図である。
【図20】記録媒体に付着したドットの直径とその光学
反射濃度との関係を示した図である。
【図21】第1の実施の形態におけるYMCKのドット
によるベタ画像の拡大図である。
【図22】第1の実施の形態におけるRGBのドットに
よるベタ画像の拡大図である。
【図23】第2の実施の形態における淡いRインクの組
成を示す図である。
【図24】第2の実施の形態における淡いGインクの組
成を示す図である。
【図25】第2の実施の形態における淡いBインクの組
成を示す図である。
【図26】第1および第2の実施の形態の効果を説明す
るための図である。
【図27】第1および第3の実施の形態での効果を説明
するための図である。
【符号の説明】
3Y,M,C,K YMCKプリンタヘッド 3R,G,B RGBプリンタヘッド 305 インク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のグループに属する複数の色の中か
    ら所望の色のドットを記録媒体にプリントすることがで
    きるヘッドであって、階調に応じてプリントするドット
    の大きさを変えることができる第1のヘッドと、 前記第1のグループに属する複数の色とは補色関係にあ
    る第2のグループに属する複数の色の中から所望の色の
    ドットを記録媒体にプリントすることができるヘッドで
    あって、階調に応じてプリントするドットの大きさを変
    えることができる第2のヘッドとを備え、 同一の階調のドットをプリントしたときに、前記第1の
    ヘッドによりプリントされるドットは、前記第2のヘッ
    ドによりプリントされるドットよりも大きいことを特徴
    とする、画像形成装置。
  2. 【請求項2】 第1のグループに属する複数の色の中か
    ら所望の色のドットを記録媒体にプリントすることがで
    きるヘッドであって、階調に応じてプリントするドット
    の大きさを変えることができる第1のヘッドと、 前記第1のグループに属する複数の色とは補色関係にあ
    る第2のグループに属する複数の色の中から所望の色の
    ドットを記録媒体にプリントすることができるヘッドで
    あって、階調に応じてプリントするドットの大きさを変
    えることができる第2のヘッドとを備え、 前記第1のグループに属する複数の色の濃度は、前記第
    2のグループに属する複数の色の濃度よりも濃いことを
    特徴とする、画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のグループに属する複数の色
    は、イエロー、マゼンタ、およびシアンを含み、 前記第2のグループに属する複数の色は、赤、緑、およ
    び青を含む、請求項1または2に記載の画像形成装置。
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