JPH10264177A - 樹脂成形体の製造方法並びに樹脂成形体 - Google Patents
樹脂成形体の製造方法並びに樹脂成形体Info
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- JPH10264177A JPH10264177A JP9090026A JP9002697A JPH10264177A JP H10264177 A JPH10264177 A JP H10264177A JP 9090026 A JP9090026 A JP 9090026A JP 9002697 A JP9002697 A JP 9002697A JP H10264177 A JPH10264177 A JP H10264177A
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- Japan
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- metal core
- induction heating
- core material
- material layer
- resin
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- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 肉厚が薄くても撓性が解消され、短時間処理
で歪の生じない樹脂成形体の製造方法と樹脂成形体を提
供する。 【解決手段】 誘導加熱の可能な金属芯材1を被覆する
ように配合樹脂材層6を形成して全体形を成形した後、
誘導加熱手段10により前記金属芯材1を発熱させるこ
とによって配合樹脂材層6を加熱させて硬化させる樹脂
成形体9の成形方法。金属芯材1を成形体の形状に成形
し、該金属芯材成形体2を被覆するように繊維強化材7
を被着させ、該繊維強化材7に配合樹脂材を積層させ硬
化前FRP材層8を一体に形成して全体形を成形した
後、誘導加熱手段10により前記金属芯材1を発熱させ
ることによって配合樹脂材層6を硬化させる樹脂成形体
9の製造方法。この製法で製造された樹脂成形体
で歪の生じない樹脂成形体の製造方法と樹脂成形体を提
供する。 【解決手段】 誘導加熱の可能な金属芯材1を被覆する
ように配合樹脂材層6を形成して全体形を成形した後、
誘導加熱手段10により前記金属芯材1を発熱させるこ
とによって配合樹脂材層6を加熱させて硬化させる樹脂
成形体9の成形方法。金属芯材1を成形体の形状に成形
し、該金属芯材成形体2を被覆するように繊維強化材7
を被着させ、該繊維強化材7に配合樹脂材を積層させ硬
化前FRP材層8を一体に形成して全体形を成形した
後、誘導加熱手段10により前記金属芯材1を発熱させ
ることによって配合樹脂材層6を硬化させる樹脂成形体
9の製造方法。この製法で製造された樹脂成形体
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は樹脂成形体の製造
方法並びに樹脂成形体に係り、特に強度の優れた樹脂成
形体を容易かつ安価に短時間で製造することのできる樹
脂成形体の製造方法と樹脂成形体に関する。
方法並びに樹脂成形体に係り、特に強度の優れた樹脂成
形体を容易かつ安価に短時間で製造することのできる樹
脂成形体の製造方法と樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばFRP成形体の成形方法は、ガラ
ス繊維を強度向上材として使用し、ハンドレイアップ方
式では、型の上に配置したガラス繊維にローラ等で硬化
剤の入った樹脂で含浸させ、スプレイアップ方式では、
型に樹脂と硬化剤、ガラス繊維を同時にスプレイガンで
噴射し、それぞれ成形した状態で自己発熱及び外的加熱
によって4ないし6時間もかけて硬化させて成形してい
る。また外的加熱を利用して成形サイクルをあげている
SMC成形法等その他の成形方法も設備費、プレス金型
代等高価であるため少量生産には向かない。
ス繊維を強度向上材として使用し、ハンドレイアップ方
式では、型の上に配置したガラス繊維にローラ等で硬化
剤の入った樹脂で含浸させ、スプレイアップ方式では、
型に樹脂と硬化剤、ガラス繊維を同時にスプレイガンで
噴射し、それぞれ成形した状態で自己発熱及び外的加熱
によって4ないし6時間もかけて硬化させて成形してい
る。また外的加熱を利用して成形サイクルをあげている
SMC成形法等その他の成形方法も設備費、プレス金型
代等高価であるため少量生産には向かない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、熱硬化
性樹脂を使用する成形体の成形においては、硬化材(触
媒)や熱のコントロールが良品を生むために必要であ
る。現在は熱のコントロールを金型で行うのが主流にな
っているため、どうしても金型代が高くなるし、少ロッ
トではコスト高となり使用することができない。高熱を
かければ硬化スピードをあげることは可能であるが、自
己発熱も起こり成形品に歪、膨らみ等支障が発生し、短
時間処理では均等加熱が困難で、気候、温度、湿度、時
間などの管理が非常に難しいものである。また機械的強
度は、金属に匹敵するほどの強度がありながら、撓むと
いう難点を除去することができなかった。この発明はそ
れらの実情に鑑みて、肉厚が薄くても撓性が解消され、
短時間処理でも品質に障害の生じない樹脂成形体の製造
方法と樹脂成形体を提供することを目的として発明され
たものである。
性樹脂を使用する成形体の成形においては、硬化材(触
媒)や熱のコントロールが良品を生むために必要であ
る。現在は熱のコントロールを金型で行うのが主流にな
っているため、どうしても金型代が高くなるし、少ロッ
トではコスト高となり使用することができない。高熱を
かければ硬化スピードをあげることは可能であるが、自
己発熱も起こり成形品に歪、膨らみ等支障が発生し、短
時間処理では均等加熱が困難で、気候、温度、湿度、時
間などの管理が非常に難しいものである。また機械的強
度は、金属に匹敵するほどの強度がありながら、撓むと
いう難点を除去することができなかった。この発明はそ
れらの実情に鑑みて、肉厚が薄くても撓性が解消され、
短時間処理でも品質に障害の生じない樹脂成形体の製造
方法と樹脂成形体を提供することを目的として発明され
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は前記課題を解
決し、目的を達成するために次のような技術的な手段を
講じた。ここでいう誘導加熱可能な金属芯材とは、金属
のような電気的良導体の被熱体に誘導加熱手段によって
誘導電流を発生させ、被熱体自体に生じる誘導電流と導
体の抵抗によって発熱する金属板、金属棒、金属ネッ
ト、網目板(エキスパンデットメタル)、多孔板などを
さす。配合樹脂材とは、外的加熱により硬化が促進され
る熱硬化性合成樹脂に、硬化剤と必要に応じて炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリ
カ、ガラス短繊維、砂、石、ガラス粉、マイクロバルー
ン、木粉、硫酸バリウム、酸化マグネシュウム、鉱物.
有機質繊維等の一種或いは複種の充填材を適宜配合した
ものをさしている。誘導加熱とは高周波磁界を発生して
被加熱体にジュール熱を発生させる手段をさす。繊維強
化材とはガラス、カーボン、ボロン、アラミド、等の鉱
物.有機質繊維のマット、チョップ、クロス等をさして
いる。硬化前FRP材とは、繊維強化材と配合樹脂材と
を積層したものをいい、金属芯材上でこの積層作業を行
う場合もあれば、あらかじめ作業が完了したシート状の
ものも含まれる。具体的な発明の構成は次のとおりであ
る。
決し、目的を達成するために次のような技術的な手段を
講じた。ここでいう誘導加熱可能な金属芯材とは、金属
のような電気的良導体の被熱体に誘導加熱手段によって
誘導電流を発生させ、被熱体自体に生じる誘導電流と導
体の抵抗によって発熱する金属板、金属棒、金属ネッ
ト、網目板(エキスパンデットメタル)、多孔板などを
さす。配合樹脂材とは、外的加熱により硬化が促進され
る熱硬化性合成樹脂に、硬化剤と必要に応じて炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリ
カ、ガラス短繊維、砂、石、ガラス粉、マイクロバルー
ン、木粉、硫酸バリウム、酸化マグネシュウム、鉱物.
有機質繊維等の一種或いは複種の充填材を適宜配合した
ものをさしている。誘導加熱とは高周波磁界を発生して
被加熱体にジュール熱を発生させる手段をさす。繊維強
化材とはガラス、カーボン、ボロン、アラミド、等の鉱
物.有機質繊維のマット、チョップ、クロス等をさして
いる。硬化前FRP材とは、繊維強化材と配合樹脂材と
を積層したものをいい、金属芯材上でこの積層作業を行
う場合もあれば、あらかじめ作業が完了したシート状の
ものも含まれる。具体的な発明の構成は次のとおりであ
る。
【0005】誘導加熱が可能な金属芯材を配合樹脂材層
で被覆して全体形を成形した後、誘導加熱手段により前
記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させることによって
配合樹脂材層を硬化させる樹脂成形体の製造方法。
で被覆して全体形を成形した後、誘導加熱手段により前
記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させることによって
配合樹脂材層を硬化させる樹脂成形体の製造方法。
【0006】誘導加熱が可能な金属芯材を硬化前FRP
材層で被覆して全体形を一体成形した後、誘導加熱手段
により前記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させること
によって硬化前FRP材層を硬化させる樹脂成形体の製
造方法。
材層で被覆して全体形を一体成形した後、誘導加熱手段
により前記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させること
によって硬化前FRP材層を硬化させる樹脂成形体の製
造方法。
【0007】誘導加熱が可能な金属芯材を成形体の形状
に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可能
な金属芯材成形体を硬化前のFRP材層で被覆して全体
形を一体成形した後、誘導加熱手段により前記誘導加熱
が可能な金属芯材成形体を発熱させることによって硬化
前FRP材層を硬化させる樹脂成形体の製造方法。
に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可能
な金属芯材成形体を硬化前のFRP材層で被覆して全体
形を一体成形した後、誘導加熱手段により前記誘導加熱
が可能な金属芯材成形体を発熱させることによって硬化
前FRP材層を硬化させる樹脂成形体の製造方法。
【0008】誘導加熱が可能な金属芯材を成形体の形状
に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可能
な金属芯材成形体を硬化前FRP材層で被覆して全体形
を一体成形した後、硬化前FRP材層を硬化させる樹脂
成形体の製造方法。
に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可能
な金属芯材成形体を硬化前FRP材層で被覆して全体形
を一体成形した後、硬化前FRP材層を硬化させる樹脂
成形体の製造方法。
【0009】熱硬化性樹脂を使用した成形体であって、
あらかじめ成形体の形状に形成された粗目金属芯材成形
体の表裏に積層されたFRP材層が粗目金属芯材の目孔
を介して一体に連結されて硬化成形されている樹脂成形
体。
あらかじめ成形体の形状に形成された粗目金属芯材成形
体の表裏に積層されたFRP材層が粗目金属芯材の目孔
を介して一体に連結されて硬化成形されている樹脂成形
体。
【0010】
【作用】上記のように構成されたこの発明は次のような
作用を有している。すなわち、樹脂成形体を仮りに板と
して見た場合、板の厚み中間部に誘導加熱が可能な例え
ば粗目シートからなる金属芯材成形体が芯材として介在
して、その表裏の配合樹脂材層(硬化前FRP材層)は
粗目の金属芯材成形体の粗目孔を介して連続一体に結合
している。従って金属芯材がそのままの場合には肉厚の
薄い物なので撓みが生じるが、粗目孔に配合樹脂材が充
填された状態で表裏の配合樹脂材層(硬化前FRP材
層)が硬化し、この金属芯材は目孔のない金属板に変化
しているので、粗目金属芯材の撓みが生じない。かつ硬
化した表裏の配合樹脂材層(FRP材層)が目孔を通し
て一体になっているため、配合樹脂材層(FRP材層)
の撓みがこの金属芯材によって解消されて、その相乗作
用によって板の撓みを無くし剛性を生じさせる作用があ
る。
作用を有している。すなわち、樹脂成形体を仮りに板と
して見た場合、板の厚み中間部に誘導加熱が可能な例え
ば粗目シートからなる金属芯材成形体が芯材として介在
して、その表裏の配合樹脂材層(硬化前FRP材層)は
粗目の金属芯材成形体の粗目孔を介して連続一体に結合
している。従って金属芯材がそのままの場合には肉厚の
薄い物なので撓みが生じるが、粗目孔に配合樹脂材が充
填された状態で表裏の配合樹脂材層(硬化前FRP材
層)が硬化し、この金属芯材は目孔のない金属板に変化
しているので、粗目金属芯材の撓みが生じない。かつ硬
化した表裏の配合樹脂材層(FRP材層)が目孔を通し
て一体になっているため、配合樹脂材層(FRP材層)
の撓みがこの金属芯材によって解消されて、その相乗作
用によって板の撓みを無くし剛性を生じさせる作用があ
る。
【0011】誘導加熱が可能な金属芯材を加工して成形
体、例えば皿状に形成し、この皿状の金属芯材成形体の
表面に、配合樹脂材を含浸させた繊維強化材を張りあわ
せていけば、成形型が不用となり、そのまま硬化させる
ことによって樹脂成形体が成形される。
体、例えば皿状に形成し、この皿状の金属芯材成形体の
表面に、配合樹脂材を含浸させた繊維強化材を張りあわ
せていけば、成形型が不用となり、そのまま硬化させる
ことによって樹脂成形体が成形される。
【0012】誘導加熱が可能な金属芯材成形体を硬化前
FRP材層で被覆して全体形を一体に成形した後、誘導
加熱手段によって高周波を樹脂成形体の誘導加熱が可能
な金属芯材成形体に当てると、金属芯材成形体に電磁誘
導電流が生じ、その誘導電流と導体の抵抗によってジュ
ール熱が生じ、金属芯材成形体を被覆している硬化前F
RP材層を中から加熱するので、熱のコントロールによ
って短時間に歪を起こさずにFRP材層を硬化させるこ
とができる。
FRP材層で被覆して全体形を一体に成形した後、誘導
加熱手段によって高周波を樹脂成形体の誘導加熱が可能
な金属芯材成形体に当てると、金属芯材成形体に電磁誘
導電流が生じ、その誘導電流と導体の抵抗によってジュ
ール熱が生じ、金属芯材成形体を被覆している硬化前F
RP材層を中から加熱するので、熱のコントロールによ
って短時間に歪を起こさずにFRP材層を硬化させるこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態例を図面に
基づいて説明する。図1は誘導加熱が可能な粗目金属シ
ートを加工して階段状の成形体とした誘導加熱が可能な
金属芯材成形体の斜視図、図2は樹脂成形体の製造方法
を示す側面図である。図1において、網目板(エキスパ
ンデットメタル)からなる誘導加熱が可能な金属芯材1
を加工して、階段状の金属芯材成形体2を形成した。こ
の状態で誘導加熱が可能な金属芯材1は例えば肉厚1み
り程度のものであるため広面方向に撓み性が生じて、こ
のままでは実用にならない。図2において、階段の形に
合わせた成形型3の表面にロウ引紙4を敷き詰め、その
上に御影石、大理石、木、その他成形体などの表面装飾
材5…を配設する。その上に配合樹脂材6を介して繊維
強化材7を張り合わせ、繊維強化材7に配合樹脂材(溶
けた飴状のもの)6をハンドレイアップ方式或いはスプ
レーアップ方式など任意の方式により充分含浸させた硬
化前FRP材層8を形成、その上に前記階段状の金属芯
材成形体2を、表部を下にして重ね、その上面に配合樹
脂材6を介して繊維強化材7を張り合わせた硬化前FR
P材層8を形成、側部の内外に繊維強化材7を張り合わ
せ、繊維強化材7に充分配合樹脂材6を含浸させた硬化
前FRP材層8を形成した状態で全体の成形を完成させ
る。しかる後、配合樹脂材層6及び硬化前FRP材層8
を硬化させることによって樹脂成形体9が完成する。こ
の場合、金属芯材成形体2にシート状の硬化前FRP材
層8を積層させるだけの工程でもよい。配合樹脂材層6
及び硬化前FRP材層8を加熱させる熱は配合樹脂材に
配合される硬化剤による化学反応によるもののみでもよ
いが、硬化完了までに4ないし6時間も要するので、短
時間で硬化させるためには硬化前の樹脂成形体(9)に
誘導加熱手段10を近接させて中の誘導加熱が可能な金
属芯材成形体2に誘導電流と導体の抵抗によるジユール
熱を発生させることによって配合樹脂材6及び硬化前F
RP材層8を中から加熱させて硬化を促進させることが
できる。その点で例えば図3に示すような誘導加熱手段
10の上に前記硬化前の樹脂成形体を被せて高周波を発
生させて中の誘導加熱が可能な金属芯材成形体2を発熱
させることによって、短時間での硬化が促進される。
基づいて説明する。図1は誘導加熱が可能な粗目金属シ
ートを加工して階段状の成形体とした誘導加熱が可能な
金属芯材成形体の斜視図、図2は樹脂成形体の製造方法
を示す側面図である。図1において、網目板(エキスパ
ンデットメタル)からなる誘導加熱が可能な金属芯材1
を加工して、階段状の金属芯材成形体2を形成した。こ
の状態で誘導加熱が可能な金属芯材1は例えば肉厚1み
り程度のものであるため広面方向に撓み性が生じて、こ
のままでは実用にならない。図2において、階段の形に
合わせた成形型3の表面にロウ引紙4を敷き詰め、その
上に御影石、大理石、木、その他成形体などの表面装飾
材5…を配設する。その上に配合樹脂材6を介して繊維
強化材7を張り合わせ、繊維強化材7に配合樹脂材(溶
けた飴状のもの)6をハンドレイアップ方式或いはスプ
レーアップ方式など任意の方式により充分含浸させた硬
化前FRP材層8を形成、その上に前記階段状の金属芯
材成形体2を、表部を下にして重ね、その上面に配合樹
脂材6を介して繊維強化材7を張り合わせた硬化前FR
P材層8を形成、側部の内外に繊維強化材7を張り合わ
せ、繊維強化材7に充分配合樹脂材6を含浸させた硬化
前FRP材層8を形成した状態で全体の成形を完成させ
る。しかる後、配合樹脂材層6及び硬化前FRP材層8
を硬化させることによって樹脂成形体9が完成する。こ
の場合、金属芯材成形体2にシート状の硬化前FRP材
層8を積層させるだけの工程でもよい。配合樹脂材層6
及び硬化前FRP材層8を加熱させる熱は配合樹脂材に
配合される硬化剤による化学反応によるもののみでもよ
いが、硬化完了までに4ないし6時間も要するので、短
時間で硬化させるためには硬化前の樹脂成形体(9)に
誘導加熱手段10を近接させて中の誘導加熱が可能な金
属芯材成形体2に誘導電流と導体の抵抗によるジユール
熱を発生させることによって配合樹脂材6及び硬化前F
RP材層8を中から加熱させて硬化を促進させることが
できる。その点で例えば図3に示すような誘導加熱手段
10の上に前記硬化前の樹脂成形体を被せて高周波を発
生させて中の誘導加熱が可能な金属芯材成形体2を発熱
させることによって、短時間での硬化が促進される。
【0014】上記の構成において、成形型3の上に表面
装飾体5を配置したが、このような表面装飾体5を使用
しないものにおいては、成形型3を使用することなく、
誘導加熱が可能な金属芯材成形体2に、硬化前FRP材
層8を積層し、或いは繊維強化材7に配合樹脂材6を積
層して硬化前FRP材層8を形成していくことができる
ので、その場合には成形型3を必要としない。
装飾体5を配置したが、このような表面装飾体5を使用
しないものにおいては、成形型3を使用することなく、
誘導加熱が可能な金属芯材成形体2に、硬化前FRP材
層8を積層し、或いは繊維強化材7に配合樹脂材6を積
層して硬化前FRP材層8を形成していくことができる
ので、その場合には成形型3を必要としない。
【0015】図4は箱形の誘導加熱が可能な金属芯材成
形体2を示す。側壁2Aの突合部2Bは溶接されてい
る。符号2Cは箱形のつなぎ合わせ時にボルト等を挿通
させるための貫通孔である。この誘導加熱が可能な金属
芯材成形体2の表裏面に前記同様の方法で、硬化前FR
P材層8形成し、あるいは繊維強化材7に配合樹脂材6
を積層して硬化前FRP材層8を形成して、全体の成形
を完了後、硬化させると図5に断面を示すような樹脂成
形体9が得られる。誘導加熱が可能な金属芯材1は肉厚
1ミリ程度の薄いものなので、広い面は表裏へと膨らみ
が生じ、全体として歪が生じる。しかし誘導加熱が可能
な金属芯材成形体2の表裏面に一体に配合樹脂材層6及
び硬化前FRP材層8が形成されることによって、この
樹脂成形体9は、誘導加熱が可能な金属芯材成形体2の
目孔に配合樹脂材6が充填されて表裏の配合樹脂材層6
及び硬化前FRP材層8と一体にして硬化させれば、誘
導加熱が可能な金属芯材成形体2の剛性と、硬化前FR
P材層8が硬化したFRP材層の剛性との相乗作用によ
って強度が著しく向上している。その結果、従来、FR
P成形による剛性を要求される製品は、成形体の肉厚を
厚くしなければ強度がなく、肉厚を厚くすると高価な樹
脂を多用することからコスト高になって実用に不向きだ
とされていたのに、この発明によれば樹脂成形体の肉厚
を薄くすることができ、配合樹脂材及び硬化前FRP材
層8の使用量を肉厚の厚い物に対比して著しく減少させ
ることができるため、コスト負担が軽くなり実用に供す
ることができるという効果がある。前記誘導加熱が可能
な金属芯材1が平板の場合でも、配合樹脂材層6及び硬
化前FRP材層8の接着性が高いものでは製品に剥離等
の生じることを防止することができる。
形体2を示す。側壁2Aの突合部2Bは溶接されてい
る。符号2Cは箱形のつなぎ合わせ時にボルト等を挿通
させるための貫通孔である。この誘導加熱が可能な金属
芯材成形体2の表裏面に前記同様の方法で、硬化前FR
P材層8形成し、あるいは繊維強化材7に配合樹脂材6
を積層して硬化前FRP材層8を形成して、全体の成形
を完了後、硬化させると図5に断面を示すような樹脂成
形体9が得られる。誘導加熱が可能な金属芯材1は肉厚
1ミリ程度の薄いものなので、広い面は表裏へと膨らみ
が生じ、全体として歪が生じる。しかし誘導加熱が可能
な金属芯材成形体2の表裏面に一体に配合樹脂材層6及
び硬化前FRP材層8が形成されることによって、この
樹脂成形体9は、誘導加熱が可能な金属芯材成形体2の
目孔に配合樹脂材6が充填されて表裏の配合樹脂材層6
及び硬化前FRP材層8と一体にして硬化させれば、誘
導加熱が可能な金属芯材成形体2の剛性と、硬化前FR
P材層8が硬化したFRP材層の剛性との相乗作用によ
って強度が著しく向上している。その結果、従来、FR
P成形による剛性を要求される製品は、成形体の肉厚を
厚くしなければ強度がなく、肉厚を厚くすると高価な樹
脂を多用することからコスト高になって実用に不向きだ
とされていたのに、この発明によれば樹脂成形体の肉厚
を薄くすることができ、配合樹脂材及び硬化前FRP材
層8の使用量を肉厚の厚い物に対比して著しく減少させ
ることができるため、コスト負担が軽くなり実用に供す
ることができるという効果がある。前記誘導加熱が可能
な金属芯材1が平板の場合でも、配合樹脂材層6及び硬
化前FRP材層8の接着性が高いものでは製品に剥離等
の生じることを防止することができる。
【0016】図6は管状の誘導加熱が可能な金属芯材成
形体2を示す。まず誘導加熱が可能な金属シートからな
る金属芯材1を管状に成形して、その周囲に硬化前FR
P材層8を形成し、或は繊維強化材7に配合樹脂材6を
積層して硬化前FRP材層8を形成して、全体の成形を
完了後、硬化させると図6の下部に示すような管状の樹
脂成形体9が得られる。この管状の樹脂成形体9の管径
が例えば2メートルで肉厚が2ミリであるような場合、
中に誘導加熱が可能な金属芯材成形体2が入っていない
場合には、周面を外から押すと歪が生じるし、誘導加熱
が可能な金属芯材成形体2自体も周面を外から押すと歪
が生じるが、誘導加熱が可能な金属芯材成形体2を硬化
した配合樹脂材層6(FRP材層8)で被覆しているこ
とによって剛性が生じ、歪が生じることはない。従って
肉薄であっても例えばコンクリート型枠の一部や、多用
途に使用することができ、底を形成すれば槽にすること
ができる。
形体2を示す。まず誘導加熱が可能な金属シートからな
る金属芯材1を管状に成形して、その周囲に硬化前FR
P材層8を形成し、或は繊維強化材7に配合樹脂材6を
積層して硬化前FRP材層8を形成して、全体の成形を
完了後、硬化させると図6の下部に示すような管状の樹
脂成形体9が得られる。この管状の樹脂成形体9の管径
が例えば2メートルで肉厚が2ミリであるような場合、
中に誘導加熱が可能な金属芯材成形体2が入っていない
場合には、周面を外から押すと歪が生じるし、誘導加熱
が可能な金属芯材成形体2自体も周面を外から押すと歪
が生じるが、誘導加熱が可能な金属芯材成形体2を硬化
した配合樹脂材層6(FRP材層8)で被覆しているこ
とによって剛性が生じ、歪が生じることはない。従って
肉薄であっても例えばコンクリート型枠の一部や、多用
途に使用することができ、底を形成すれば槽にすること
ができる。
【0017】なおこの発明においては、前記構成に限定
されるものではなく、適宜設計変更をすることができ
る。
されるものではなく、適宜設計変更をすることができ
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は次のよ
うなすぐれた効果を有している。
うなすぐれた効果を有している。
【0019】A.誘導加熱が可能な金属芯材成形体を配
合樹脂材層及び硬化前FRP材層で被覆し一体に成形し
た状態で誘導加熱により誘導加熱が可能な金属芯材成形
体を発熱させるものにおいては、平均的に内部から加熱
ができるため、短時間でむらのない硬化をさせることが
でき、製品製造コストを低下させることができる効果が
ある。
合樹脂材層及び硬化前FRP材層で被覆し一体に成形し
た状態で誘導加熱により誘導加熱が可能な金属芯材成形
体を発熱させるものにおいては、平均的に内部から加熱
ができるため、短時間でむらのない硬化をさせることが
でき、製品製造コストを低下させることができる効果が
ある。
【0020】B.誘導加熱が可能な金属芯材成形体を配
合樹脂材層及び硬化前FRP材層で被覆し一体に成形す
るものにおいては、誘導加熱が可能な金属芯材成形体を
あらかじめ樹脂成形体の形に成形しているために、成形
型を使用することなく、誘導加熱が可能な金属芯材成形
体に配合樹脂材を介して硬化前FRP材層を直接貼り合
わせることができ、短時間で容易に成形体を製造するこ
とができる効果がある。
合樹脂材層及び硬化前FRP材層で被覆し一体に成形す
るものにおいては、誘導加熱が可能な金属芯材成形体を
あらかじめ樹脂成形体の形に成形しているために、成形
型を使用することなく、誘導加熱が可能な金属芯材成形
体に配合樹脂材を介して硬化前FRP材層を直接貼り合
わせることができ、短時間で容易に成形体を製造するこ
とができる効果がある。
【0021】C.誘導加熱が可能な金属芯材成形体を配
合樹脂材層で被覆し一体に成形した樹脂成形体は、中の
金属芯材成形体や配合樹脂材層及びFRP材層単独では
撓みが生じる肉薄なものであっても、金属芯材成形体と
配合樹脂材層及びFRP材層が合体結合することによっ
て、剛性が著しく向上する効果があり、その結果、高価
な配合樹脂材及びFRP材を多量使用する必要性がなく
なり、原料が高価なために製造することのできなかった
分野の工業材を安価に提供することができる効果があ
る。
合樹脂材層で被覆し一体に成形した樹脂成形体は、中の
金属芯材成形体や配合樹脂材層及びFRP材層単独では
撓みが生じる肉薄なものであっても、金属芯材成形体と
配合樹脂材層及びFRP材層が合体結合することによっ
て、剛性が著しく向上する効果があり、その結果、高価
な配合樹脂材及びFRP材を多量使用する必要性がなく
なり、原料が高価なために製造することのできなかった
分野の工業材を安価に提供することができる効果があ
る。
【図1】誘導加熱が可能な金属芯材成形体の斜視図であ
る。
る。
【図2】金属芯材成形体で樹脂成形体を製造する工程を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図3】誘導加熱手段の側面図である。
【図4】誘導加熱が可能な金属芯材成形体の第2実施形
態例を示す斜視図である。
態例を示す斜視図である。
【図5】第2実施形態例の樹脂成形体の製造工程を示す
側面図である。
側面図である。
【図6】第3実施形態例の樹脂成形体の製造工程を示す
側面図である。
側面図である。
1 誘導加熱が可能な金属芯材 2 誘導加熱が可能な金属芯材成形体 2A 側壁 2B 突合せ部 2C 貫通孔 3 成形型 4 ロウ引紙 5 表面装飾体 6 配合樹脂材層 7 繊維強化材 8 硬化前FRP材層 9 樹脂成形体 10 誘導加熱手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 15/08 105 B29C 67/14 L // B29K 101:10 67/18 105:06 B29L 9:00
Claims (5)
- 【請求項1】 誘導加熱が可能な金属芯材を配合樹脂材
層で被覆して全体形を一体成形した後、誘導加熱手段に
より前記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させることに
よって配合樹脂材層を硬化させることを特徴とする樹脂
成形体の製造方法。 - 【請求項2】 誘導加熱が可能な金属芯材を硬化前FR
P材層で被覆して全体形を一体成形した後、誘導加熱手
段により前記誘導加熱が可能な金属芯材を発熱させるこ
とによって硬化前FRP材層を硬化させることを特徴と
する樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項3】 誘導加熱が可能な金属芯材を成形体の形
状に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可
能な金属芯材成形体を硬化前FRP材層で被覆して全体
形を一体成形した後、誘導加熱手段により前記誘導加熱
が可能な金属芯材成形体を発熱させることによって硬化
前FRP材層を硬化させることを特徴とする樹脂成形体
の製造方法。 - 【請求項4】 誘導加熱が可能な金属芯材を成形体の形
状に賦形して金属芯材成形体を形成し、該誘導加熱が可
能な金属芯材成形体を硬化前FRP材層で被覆して全体
形を一体成形した後、硬化前FRP材層を硬化させるこ
とを特徴とする樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項5】 熱硬化性樹脂を使用した成形体であっ
て、あらかじめ成形体の形状に形成された粗目金属芯材
成形体の表裏に積層されたFRP材層が金属芯材成形体
の目孔を介して一体に連結されて硬化成形されているこ
とを特徴とする樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9090026A JPH10264177A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 樹脂成形体の製造方法並びに樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9090026A JPH10264177A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 樹脂成形体の製造方法並びに樹脂成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10264177A true JPH10264177A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13987179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9090026A Pending JPH10264177A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 樹脂成形体の製造方法並びに樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10264177A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2852881A1 (fr) * | 2003-03-24 | 2004-10-01 | Allevard Rejna Autosuspensions | Dispositif et procede de moulage de palier d'elastomere sur une barre stabilisatrice |
-
1997
- 1997-03-26 JP JP9090026A patent/JPH10264177A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2852881A1 (fr) * | 2003-03-24 | 2004-10-01 | Allevard Rejna Autosuspensions | Dispositif et procede de moulage de palier d'elastomere sur une barre stabilisatrice |
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