JPH10263686A - 鋼管シーム部の平滑化装置 - Google Patents

鋼管シーム部の平滑化装置

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JPH10263686A
JPH10263686A JP9076939A JP7693997A JPH10263686A JP H10263686 A JPH10263686 A JP H10263686A JP 9076939 A JP9076939 A JP 9076939A JP 7693997 A JP7693997 A JP 7693997A JP H10263686 A JPH10263686 A JP H10263686A
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rolling
pipe
roll
seam
steel pipe
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JP9076939A
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English (en)
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Toshio Onishi
寿雄 大西
Masahiro Kagawa
正弘 香川
Yoshinori Sugie
善典 杉江
Koji Sugano
康二 菅野
Nobuki Tanaka
伸樹 田中
Takaaki Toyooka
高明 豊岡
Motoaki Itaya
元晶 板谷
Yuji Hashimoto
裕二 橋本
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Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 固相圧接造管法で製造される鋼管のシーム
部増肉を有効に抑制できる鋼管シーム部の平滑化装置を
提供する。 【解決手段】 オープン管1両エッジ部を誘導加熱後ス
クイズロール3で衝合・圧接して製管された鋼管4のシ
ーム増肉部10Xを平滑化する鋼管シーム部の平滑化装置
であって、管内外からシーム部10を圧下する圧延ロール
5と、管内の圧延ロール5Aを回転自在に支持する軸受
6と、管内でシーム部と反対側の管内面に当接する受け
ローラ7を有し前記軸受を圧下方向に変位可能に支持す
るフレームロッド8と、リンク機構9を介して前記軸受
を圧下方向に変位させ前記圧延ロールに圧延力を伝達す
る圧延力伝達ロッド11と、該圧延力伝達ロッドに伝達さ
せる圧延力を発生する圧延力発生手段12とを備えた装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管シーム部の平
滑化装置に関し、詳しくは、オープン管の両エッジ部を
固相圧接適正温度域で衝合接合して成形した鋼管のシー
ム増肉部を平滑化する鋼管シーム部の平滑化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶接鋼管は、鋼板または鋼帯(帯鋼)を
管状に成形しその継目を溶接したもので、小径から大径
まで各種の製造法によりつくられているが、主な製造法
として、電気抵抗溶接(電縫)、鍛接、電弧溶接による
ものが挙げられる。小径〜中径鋼管用としては、高周波
誘導加熱を利用した電気抵抗溶接法(電気抵抗溶接鋼
管、電縫管)が主として利用されている。この方法は、
連続的に帯鋼を供給し、成形ロールで管状に成形してオ
ープン管とし、続いて高周波誘導加熱によりオープン管
の両エッジ部端面を鋼の融点以上に加熱した後、スクイ
ズロールで両エッジ部端面を衝合溶接して鋼管を製造す
る方法である(例えば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)
1056〜1092頁)。
【0003】上記した高周波誘導加熱を利用した電縫管
の製造方法では、オープン管の両エッジ部端面を鋼の融
点以上に加熱するため、電磁力の影響により溶鋼が流動
し、生成された酸化物が衝合溶接部に噛み込まれペネト
レータ等の溶接欠陥あるいは、溶鋼飛散(フラッシュ)
が発生しやすいという問題があった。この問題に対し、
例えば、特開平2-299782号公報には、2つの加熱装置を
有する電縫鋼管の製造法が提案されている。すなわち、
第1の加熱装置でオープン管の両エッジ部の温度をキュ
リー点以上に加熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に
加熱し、すぐ下流に設けたスクイズロールで両エッジ部
を衝合溶接して鋼管を製造する。また、特開平2-299783
号公報には、第1の加熱装置で周波数45〜250kHzの電流
を流し、両側エッジ部を予熱し、第2の加熱装置で更に
融点以上に加熱し、スクイズロールで両エッジ部を衝合
溶接して鋼管を製造する電縫管製造装置が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、これらの電縫管製造技術で
は、エッジ部を均一に加熱することは示唆しているもの
の、両エッジ部を鋼の融点以上に加熱するため、衝合溶
接時に、溶融した鋼が管の内外面に排出されビード(余
盛)が形成される。そのため、衝合溶接後に管内外面の
溶接ビードの除去が必要であり、ほとんどがビード切削
用バイトにより切削されて除去されている。
【0005】このようなことから、この方法では、 ビード切削用バイトの切削量の調整で、材料と時間の
ロスが発生する。 ビード切削用バイトは消耗品であるため、造管速度に
よって異なるが、3000〜4000mのビード切削長毎にバイ
トを交換する必要があり、そのため、1時間程度ごとに
3〜5分間のバイト交換のためのラインの停止を余儀な
くされる。
【0006】特に造管速度が100 m/min を超える高
速造管では、ビード切削用バイトの寿命が短く、交換頻
度が高い。など、ビード切削がネックとなり、高速造管
ができないため生産性が低いという問題があった。一
方、比較的小径鋼管用として極めて高い生産性を有する
鍛接鋼管製造方法がある。この方法は、連続的に供給し
た帯鋼を加熱炉で1300℃程度に加熱した後、成形ロール
で管状に成形してオープン管とし、続いてオープン管の
両エッジ部に高圧空気を吹き付けて端面のスケールオフ
を行った後、ウェルディングホーンにより端面に酸素を
吹き付け、その酸化熱で端面を1400℃程度に昇温させて
から、鍛接ロールで両エッジ部端面を衝合させ固相接合
して鋼管を製造する方法である(例えば、第3版鉄鋼便
覧第III 巻(2)1056〜1092頁)。
【0007】しかし、この鍛接鋼管製造方法では、 端面のスケールオフが完全ではないので、鍛接衝合部
へのスケール噛込みが発生し、シーム部の強度が母材部
に比べてかなり劣る。このため、偏平試験で、電縫鋼管
なら偏平高さ比h/D=2t/D(t:板厚)を達成で
きるのに対し、鍛接鋼管では偏平高さ比h/Dが0.5 程
度に劣るものとなる。
【0008】帯鋼を高温に加熱するため、管表面にス
ケールが生成し表面肌が悪い。など、造管速度が300m/
min 以上と速く生産性は高いが、シーム品質及び表面肌
が悪く、JISのSTK等の強度信頼性や表面品質を要
求されるものは製造できないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を有利に解決
するには、本発明者らの創案になる固相圧接造管法によ
るのが好適である。これは、オープン管のエッジ部を、
キュリー点(770 ℃程度)以上融点未満の温度域(予熱
温度域という)に誘導加熱(エッジ予熱という)し、次
いで空冷により予熱温度域内でエッジ部の温度均一化を
行った後、固相圧接適正温度域(1300℃〜1500℃)に誘
導加熱(本加熱という)して衝合・圧接するという従来
にない造管法である。この固相圧接造管法で製造される
鋼管(固相圧接鋼管と称する)は、従来の溶接管のよう
にビード切削の必要がないので高速造管が可能で生産性
が高く、しかも従来の鍛接管の欠点である酸化起因のシ
ーム品質および表面肌の劣化もない。
【0010】しかしながら図7(a)、(b)に示すよ
うに、固相圧接された鋼管4には、エッジ部の到達温度
あるいはスクイズロールによる絞り込みの程度(アップ
セット量)によりシーム部10の管内外側または管内側に
管体肉厚の5%以上の増肉を生じることがある。このよ
うなシーム増肉部10Xは、鋼管のネジ切り等の加工性を
阻害し、また、鋼管を絞り圧延する際には内面角張りを
助長するので好ましくない。
【0011】そこで、本発明は、固相圧接造管法で製造
される鋼管のシーム部増肉を有効に抑制できる鋼管シー
ム部の平滑化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、オープン管両
エッジ部を誘導加熱後スクイズロールで衝合・圧接して
製管された鋼管のシーム増肉部を平滑化する鋼管シーム
部の平滑化装置であって、管内外からシーム部を圧下す
る圧延ロールと、管内の圧延ロールを回転自在に支持す
る軸受と、管内でシーム部と反対側の管内面に当接する
受けローラを有し前記軸受を圧下方向に変位可能に支持
するフレームロッドと、リンク機構を介して前記軸受を
圧下方向に変位させ前記圧延ロールに圧延力を伝達する
圧延力伝達ロッドと、該圧延力伝達ロッドに伝達させる
圧延力を発生する圧延力発生手段とを備えたことを特徴
とする鋼管シーム部の平滑化装置である。
【0013】前記本発明は、管壁を介して前記受けロー
ラに反力を及ぼすガイドローラが配置されたものである
こと、また、前記フレームロッドが冷却水の通水路を内
蔵すること、また、スクイズロールがシーム部に当接す
るように配置されてなること、また、シーム部に当接す
るスクイズロールが管外の圧延ロールを兼ねることがそ
れぞれに好ましく、また、シーム部に当接するロールが
曲げ強度15kg/mm2以上、耐熱衝撃温度差 150℃以上の特
性を有する素材からなること、さらには、かかる素材が
窒化ケイ素系、炭化ケイ素系、ジルコニア系、またはア
ルミナ系のセラミックスであることが好ましい。
【0014】また、本発明は、前記平滑化装置を用いる
鋼管シーム部の平滑化方法であって、前記圧延力発生装
置により前記圧延力伝達ロッドおよび圧延ロールを鋼管
の製品サイズおよび圧延ロールの摩耗量に応じた所定の
位置に固定して圧延力を発生することを特徴とする鋼管
シーム部の平滑化方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の平滑化装置(本
発明装置)の一例を示す模式図であり、オープン管1が
両エッジ部をワークコイル2で誘導加熱された後スクイ
ズロール3で衝合・圧接されて鋼管4に製管される過程
で、シーム増肉部10Xが平滑化装置により平滑化される
状態を示している。
【0016】また、図1のスクイズロール3近傍から造
管方向下流側を拡大して図2に示す。なお、以下の説明
において、先端とは造管方向(管軸方向)下流側の端を
指し、尾端とは前記先端と反対側の端を指す。図1、図
2に示すように、この平滑化装置は、管内外からシーム
増肉部10Xを圧延ロール5(管内圧延ロール5A、管外
圧延ロール5B)で圧下することにより平滑化するよう
に構成される。
【0017】管内圧延ロール5Aはローラピン20を介し
て軸受6によって回転自在に支持され、軸受6は、シー
ム部10と反対側の管内面に当接して管内圧延ロール5A
の圧延反力を受ける受けローラ7を有するフレームロッ
ド8により、固定ピン21を介して圧下方向に変位可能に
支持される。フレームロッド8の細部は特に限定されな
いが、この例では、フレームロッド8を、軸受6を支持
するフレーム部8Aとオープン管1側に延長するロッド
部8Bとを継手14で連結して構成し、ロッド部8B尾端
近傍に取りつけた固定部材をオープン管1スリット部
(両エッジ部間の空間)に通して管外に固定することに
より、管内の所定位置に保持するようにした。この保持
位置は、管内圧延ロール5Aがシーム増肉部10Xを挟ん
で管外圧延ロール5Bと対向しうる位置である。
【0018】なお、シーム増肉部10Xはより高温で圧下
するほうが平滑化しやすいので、圧延ロール5はスクイ
ズロール3にできるだけ近づけて配置するほうがよく、
好ましくはスクイズロール3出側でシーム部10が約900
℃を下回らない位置に配置する。一方、軸受6はリンク
機構9を介して圧延力伝達ロッド11に連結される。
【0019】リンク機構9の細部は特に限定されない
が、この例では、フレーム部8Aに支持されて管軸方向
に摺動可能なリンクアーム9Aと、両端の可動ピン22を
介してリンクアーム9Aと軸受6とを連結するリンクレ
バー9Bとで構成し、リンクレバー9B長さおよび両可
動ピン22配置についてはリンクアーム9Aの管軸方向の
変位が軸受6(すなわち管内圧延ロール5A)の圧下方
向の変位に変換されるように設計し、主アーム9A尾端
で圧延力伝達ロッド11先端に連結させるようにした。
【0020】圧延力伝達ロッド11は、フレームロッド8
の脇を通されてもよいが、好ましくはフレームロッド8
(ロッド部8B)内を通され、その尾端で圧延力発生手
段12に連結される。この連結形態に関しては特に限定さ
れないが、この例では、管外に固定した油圧シリンダを
圧延力発生手段12とし、該油圧シリンダのシリンダロッ
ド12Aと圧延力伝達ロッド11尾端との間でオープン管1
スリット部を通る位置に、L字中央部を固定ピン23で固
定されたL形レバー13を設け、該L形レバー13の一端を
可動ピン24でシリンダロッド12Aに止め、他端を補助ア
ーム13Aを介して可動ピン24で圧延力伝達ロッド11尾端
に止めるようにした。
【0021】なお、圧延力発生手段12としては、油圧シ
リンダの代わりに、電動モータ、空圧シリンダ等を充当
してもよい。電動モータの場合には、図1の連結形態で
実施しようとするとモータ回転軸の回転動作を往復動作
に変換する変換手段が別途必要となるが、かかる変換手
段はクランク等周知の機械要素を用いて容易に構成でき
る。
【0022】この装置構成により、圧延力発生手段12で
発生させた圧延力が圧延力伝達ロッド11を管軸方向に変
位させ、この変位がリンク機構9で軸受6すなわち管内
圧延ロール5Aの圧下方向(図の上下方向)変位に変換
されることとなり、よって、オープン管1スリット部か
ら管内を通して圧延ロール5に好適にシーム増肉部10X
を平滑化するための圧延力を付与することができ、この
圧延力により圧延ロール5はシーム増肉部10Xを効果的
に平滑化することができる。
【0023】この例では、シリンダロッド12Aを前進さ
せることにより、圧延力伝達ロッド11が後退(尾端側に
移動)し、図2でリンクレバー9Bがリンクアーム9A
側の可動ピン22を中心に時計回りに回転し、軸受6が固
定ピン21を中心に時計回りに回転して管内圧延ロール5
Aをシーム増肉部10Xに押しつけることができる。圧延
力はシリンダロッド12Aの前進距離に対応する。
【0024】なお、シーム増肉部10Xが圧延されるとき
の容易変形範囲は、約 800℃以上の温度域にある範囲で
ある。そのため、シーム増肉部10Xを過度に押し込まな
いように、圧延ロール5の胴長(幅)を管周方向の容易
変形範囲より大きくとることが肝要である。例えば、オ
ープン管を固相圧接して得られる外径62mmφ×内径56mm
φの鋼管の容易変形範囲(管周方向)は約12mmであり、
これに応じて圧延ロール5の寸法を例えば径40mm×幅16
mmとする。
【0025】ところで、図1、図2に示した受けローラ
7は圧延反力を受けて管壁を押すことになるが、鋼管4
の剛性が弱くて管体の変形が懸念されるような場合に
は、図3に示すように、管壁を介して受けローラ7に反
力を及ぼすガイドローラ15を配置するのが好ましい。ま
た、フレームロッド8は、素材を鋼材とするのが経済的
であるが、ロッド部8Bがワークコイル2の磁界影響範
囲に設置されるため、誘導電流が流れて発熱・軟化する
可能性が高いので、図4に示すように、内部に通水路16
を設けて冷却水を流せるようにしておくのが好ましい。
【0026】なお、とくに限定されないが、図4では通
水路16を、圧延力伝達ロッド11を内管、ロッド部8Bを
外管とする二重管構造とし、冷却水を尾端側から内管に
供給し先端側で外管と連通させて尾端側で外管から排出
する形態とした。また、図7(a)に示したシーム増肉
部10Xにおける管外側の盛り上がりは、スクイズロール
3をこの部分に当接させることによってその形成を抑制
できるので、圧延ロール5の負担を軽くする観点から、
図5に示すように、スクイズロール3はシーム部10を踏
むように配置されるのが好ましい。この場合にはさら
に、図6に示すように、スクイズロール3の設置個所に
管内圧延ロール5Aを配置することにより、スクイズロ
ール3の片方に管外圧延ロール5Bの役割を担わせるこ
ともできる。
【0027】また、シーム部に当接するロール(圧延ロ
ールおよび場合によってはスクイズロールの片方)は、
増肉平滑化の際に、管体からの反力によって15kg/mm2
上の曲げ応力が生じ、かつ当該ロールの管体への当接面
の圧接点(シーム部の始点)近傍とそれ以外の領域との
温度差は150 ℃以上にまで達していることが多い。その
ため、これらのロールの寿命延長のために、当該ロール
の素材は、曲げ強度15kg/mm2以上、耐熱衝撃温度差150
℃以上の特性を有するもののうちから選択することが好
ましい。なお、ここで評価に用いた耐熱衝撃温度差と
は、材料試験片として3mm×4mm×40mmの角棒(JIS 4
点曲げ試験用の仕様)を使用して、試験片を所定温度ま
で加熱した後に、水中に投下した際に試験片にクラック
が発生しない温度差(加熱温度と水温との差)のことで
ある。
【0028】現状の技術水準に照らせば、かかる素材と
しては、窒化ケイ素(Si3N4 )系または炭化ケイ素(Si
C )系またはジルコニア(ZrO2)系またはアルミナ(Al
2O3)系のセラミックスが最適である。図1に示したよ
うに、本発明装置によれば、シリンダロッド12Aを前進
させることにより、圧延ロール5にシリンダロッド12A
が基準点から移動した距離(圧延力発生手段12に係る圧
下位置とよぶ)に対応した圧延力を付与することができ
る。かかる圧下位置の制御方式としては、鋼管のシーム
部肉厚分布(長手方向)を連続測定し、目標値からのズ
レを修正するように圧下位置を時々刻々変更する所謂動
的フィードバック制御方式が考えられるが、小径管の肉
厚分布を走間で実測することは現状の技術水準に照らし
て困難であると思われる。
【0029】そこで、本発明装置を用いた鋼管シーム部
の平滑化方法は、圧下位置を鋼管の製品サイズ毎に一定
値に保つ所謂圧下位置一定制御方式によりシーム増肉部
10Xを所定の厚みまで平滑化する方法としたほうが現実
的であり、この方法によっても十分な精度で公差に収ま
り得る肉厚分布が得られる。ただし、圧延ロール5が摩
耗してきたときは、その摩耗量に応じて圧下位置を修正
する必要がある。ロール摩耗量は造管ライン出側での管
厚実測あるいはモデル計算による推定によって把握でき
るから、これを随時圧延力発生手段12にフィードバック
すればよい。
【0030】
【実施例】図4(ただしスクイズロール近傍から下流側
は図5)に示した形態の本発明装置を鋼管製造ラインに
設置し、シーム増肉部10Xを平滑化しながら、固相圧接
造管法により製品管径φ21.7〜114.3 mm×肉厚1.9 〜4.
5 mmの配管用、一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G3452のS
GP、G3444のSTK相当品)を製造し、実施例とし
た。
【0031】実施例では、圧延力発生装置12を油圧シリ
ンダで構成し、シーム増肉部10Xに当接するスクイズロ
ール3、圧延ロール5の素材を、曲げ強度85kg/mm2、耐
熱衝撃温度差 800℃なる特性を有する窒化ケイ素系のセ
ラミックスとした。また、本発明装置運転時には通水路
16に冷却水を流し、前記の圧下位置一定制御方式にて圧
延ロール5に圧延力を付与した。
【0032】一方、スクイズロール3をシーム増肉部10
Xの両脇に配置し且つシーム部10の平滑化をビード切削
で行う従来型の鋼管製造ラインで上記と同規格同寸法の
鋼管を固相圧接造管法によって製造する操業形態を比較
例とした。この結果、実施例では、最大造管速度が比較
例の100m/minから150m/minへ、シーム品質(偏平試験で
の偏平高さ比h/Dの平均値で評価)が比較例の0.5 か
ら0.2 へ、シーム部長手方向厚み変動が比較例の−0.2
〜+0.3mm から±0.15mmへと、いずれも顕著に向上し
た。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ビ
ード切削の必要がなく高い生産性が確保できしかもシー
ム品質および表面肌に優れ且つシーム部肉厚偏差の格段
に小さい固相圧接鋼管が得られるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一例を示す模式図である。
【図2】図1のスクイズロール近傍から造管方向下流側
の拡大図である。
【図3】本発明装置の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明装置の他の例を示す模式図である。
【図5】本発明装置の他の例を示す模式図である。
【図6】本発明装置の他の例を示す模式図である。
【図7】シーム部に生じる増肉の説明図である。
【符号の説明】
1 オープン管 2 ワークコイル 3 スクイズロール 4 鋼管 5 圧延ロール 5A 管内圧延ロール 5B 管外圧延ロール 6 軸受 7 受けローラ 8 フレームロッド 8A フレーム部 8B ロッド部 9 リンク機構 9A リンクアーム 9B リンクレバー 10 シーム部 10X シーム増肉部 11 圧延力伝達ロッド 12 圧延力発生手段 12A シリンダロッド 13 L形レバー 13A 補助アーム 14 継手 15 ガイドローラ 16 通水路 20 ローラピン 21、23 固定ピン 22、24 可動ピン
フロントページの続き (72)発明者 杉江 善典 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 菅野 康二 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 田中 伸樹 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 豊岡 高明 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 板谷 元晶 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 橋本 裕二 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オープン管両エッジ部を誘導加熱後スク
    イズロールで衝合・圧接して製管された鋼管のシーム増
    肉部を平滑化する鋼管シーム部の平滑化装置であって、
    管内外からシーム部を圧下する圧延ロールと、管内の圧
    延ロールを回転自在に支持する軸受と、管内でシーム部
    と反対側の管内面に当接する受けローラを有し前記軸受
    を圧下方向に変位可能に支持するフレームロッドと、リ
    ンク機構を介して前記軸受を圧下方向に変位させ前記圧
    延ロールに圧延力を伝達する圧延力伝達ロッドと、該圧
    延力伝達ロッドに伝達させる圧延力を発生する圧延力発
    生手段とを備えたことを特徴とする鋼管シーム部の平滑
    化装置。
  2. 【請求項2】 管壁を介して前記受けローラに反力を及
    ぼすガイドローラが配置された請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記フレームロッドが冷却水の通水路を
    内蔵する請求項1または2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 スクイズロールがシーム部に当接するよ
    うに配置された請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 【請求項5】 シーム部に当接するスクイズロールが管
    外の圧延ロールを兼ねる請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 シーム部に当接するロールが曲げ強度15
    kg/mm2以上、耐熱衝撃温度差 150℃以上の特性を有する
    素材からなる請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記素材が窒化ケイ素系、炭化ケイ素
    系、ジルコニア系、またはアルミナ系のセラミックスで
    ある請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の装置を
    用いる鋼管シーム部の平滑化方法であって、前記圧延力
    発生装置により前記圧延力伝達ロッドおよび圧延ロール
    を鋼管の製品サイズおよび圧延ロールの摩耗量に応じた
    所定の位置に固定して圧延力を発生することを特徴とす
    る鋼管シーム部の平滑化方法。
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