JPH10263606A - 表面疵の少ない熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面疵の少ない熱延鋼板の製造方法

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JPH10263606A
JPH10263606A JP7313497A JP7313497A JPH10263606A JP H10263606 A JPH10263606 A JP H10263606A JP 7313497 A JP7313497 A JP 7313497A JP 7313497 A JP7313497 A JP 7313497A JP H10263606 A JPH10263606 A JP H10263606A
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rolling
roll
target value
width
roll gap
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JP7313497A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kachi
孝行 加地
Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Haruhiko Ishizuka
晴彦 石塚
Ryosuke Oikawa
良介 及川
Hideya Furusawa
英哉 古澤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 粗圧延工程に改良を加えてシーム疵の発生
をこれまで以上に有効に抑止できる表面疵の少ない熱延
鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 粗圧延の初期数パスを水平圧延のみと
し、該水平圧延のワークロールのロール間隙の目標値
を、幅中央側のほうが幅端側よりも大きくなる分布をも
つように設定し、さらに好ましくは、これに続く竪型圧
延直後の水平圧延で、該水平圧延のワークロールのロー
ル間隙の目標値を、幅端側のほうが幅中央側よりも大き
くなる分布をもつように設定し、実際のロール間隙を前
記目標値に合わせて変更する。これにより、圧延材4の
初期コーナ部位置20の表裏面(4e,4d) への回り込み量を
大幅に低減(x≪y)できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面疵の少ない熱
延鋼板の製造方法に関し、詳しくは、熱間粗圧延途上で
鋼板表裏面の板幅端部近傍に圧延方向に線状をなして生
じやすい表面疵(「シーム疵」と呼ばれる)の抑制に有
効な、表面疵の少ない熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板は、例えば図6に示す構成のホ
ットストリップミルを用いて製造される。そこでは、 2
00〜300mm 厚さの連続鋳造スラブまたは分塊スラブから
なる矩型断面の鋼素材を、加熱炉10により所定温度まで
加熱した後、パスライン11に沿って竪型圧延機1a〜1
cおよび水平圧延機2a〜2cを含む粗圧延機列に通し
て粗圧延し、引き続き仕上圧延機12により所定の厚さの
熱延鋼板(ホットストリップ)に仕上圧延し、コイラ14
にて巻取って製品としている。
【0003】粗圧延機列はこの例では3スタンド(R1 〜
R3) からなり、各スタンドが竪型圧延機1と水平圧延機
2の対により構成され、粗圧延では図7に示すように、
圧延材4が竪ロールで代表図示の竪型圧延機1で竪型圧
延(幅圧延)された直後に水平ワークロールで代表図示
の水平圧延機2で水平圧延(厚み圧延)される。この段
階のパススケジュールは、例えば図6に示すように、粗
第1スタンドR1で3パス(1stパス〜3rdパス)、粗第
2スタンドR2で3パス(4thパス〜6thパス)、粗第3
スタンドR3で1パス(7thパス)というように設定され
る。
【0004】ところで、粗圧延開始前の圧延材4は、図
8(a)に示すように矩形断面をもつが、竪型圧延と水
平圧延とが種々のパス順で繰り返される粗圧延の初期に
おいて、図8(b)に示すようにその側面4cに圧延方
向に沿ったしわが発生し、さらに粗圧延が進むと、図8
(c)に示すように側面4cの一部分が圧延材4の表面
4dおよび裏面4eへ回り込み、この回り込んだ側面4
cに含まれるしわの一部を起点として、板幅端部にシー
ム疵4fとよばれる線状表面欠陥が発生することが少な
からずある。
【0005】熱延鋼板にこのようなシーム疵の発生した
幅端部分が含まれると、製品として採用不能であるた
め、最終的にかかる幅端部分を板幅トリミングによって
切除せざるをえず、大幅な歩留り損失を招く。とくに、
製品表面品質要求の厳しいステンレス鋼板などでは必然
的にトリミング幅が大きくなるのでその弊害が大きい。
このシーム疵を防止する手段として、これまでに、スラ
ブコーナの面とり法(特開昭60−33803 号公報)、圧延
材側端部とロールとの間に潤滑剤を塗布する方法(特開
平1−150403号公報)、孔型竪ロール圧延あるいは凸金
型を用いたサイジングプレスにより圧延材側端部を予成
形し側面部分の表裏面側への回り込みを小さくする方法
(特開平5−123713号公報)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの対策
をもってしても、シーム疵の発生は完全には抑えきれ
ず、さらに有効なシーム疵抑止対策が望まれている。そ
こで、本発明は、粗圧延工程に改良を加えてシーム疵の
発生をこれまで以上に有効に抑止できる表面疵の少ない
熱延鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決にあたり鋭意検討・実験を重ねた結果、粗圧延の初
期数パスにおいて、スラブ幅端のコーナ部が圧延材表裏
面に回り込む段階のエッジシームと、竪型圧延後の圧延
材幅端のコーナ部が圧延材表裏面に回り込む段階のエッ
ジシームとでは、後者のほうがそれ以降の粗圧延および
下流の仕上圧延ならびに冷間圧延で消失しにくく、製品
でのシーム疵の元凶であることをつきとめた。
【0008】そこで、後者の線状痕を生じさせない方策
を種々検討し、粗圧延機列の、とくに上流スタンドによ
る初期数パスで竪型圧延を省略すると共に、当該パスの
水平圧延で水平圧延機の上下のワークロールの間隙を適
正にして、板幅方向の材料流れ(メタルフロー)を制御
することにより、圧延材側面部の表裏面への回り込みを
効果的に抑制できることを見いだし、かかる知見に基づ
いて以下の本発明をなした。
【0009】本発明は、加熱鋼片を竪型圧延と水平圧延
とを組み合わせて粗圧延したのち仕上圧延して熱延鋼板
とする熱延鋼板の製造方法において、粗圧延の初期数パ
スを水平圧延のみとし、該水平圧延のワークロールのロ
ール間隙の目標値を、幅中央側のほうが幅端側よりも大
きくなる分布をもつように設定し、実際のロール間隙を
前記目標値に合わせて変更することを特徴とする表面疵
の少ない熱延鋼板の製造方法である。
【0010】本発明においては、前記初期数パスに続く
竪型圧延直後の水平圧延で、該水平圧延のワークロール
のロール間隙の目標値を、幅端側のほうが幅中央側より
も大きくなる分布をもつように設定し、実際のロール間
隙を前記目標値に合わせて変更するのが好ましい。前記
ロール間隙の変更は、以下の方法〜のいずれかまた
はそれらの組み合わせにより行うことが好ましい。 方法:胴長方向両端部にテーパ部をもち、該テーパ部
のテーパ形状が前記目標値に応じた両テーパロールをワ
ークロールとして使用する。 方法:胴長方向で片端の所定位置にテーパ部をもつ片
テーパロールをワークロールとし、該ワークロールを上
下でテーパ部が圧延材幅中心に対して互いに逆側になる
ように配置して前記目標値に応じたシフト量だけロール
軸方向にシフトさせる。 方法:上下のワークロールおよび/またはバックアッ
プロールのロール軸を圧延面内で上下で逆向きに前記目
標値に応じたクロス角だけ回転させる。 方法:ワークロールを前記目標値に応じたベンディン
グ力で上下ワークロール端間隙が拡開または縮閉する向
きにベンドする。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、粗圧延(竪型圧延および
水平圧延)時の圧延材幅方向断面の変形挙動の説明図で
ある。図1を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明
する。従来の竪型圧延前の圧延材4は、図1(a)に示
すように矩形断面を有する。なお、図1において●印で
示した20は、この初期の矩形断面のコーナ部位置(初期
コーナ部位置)である。この圧延材4が竪型圧延される
と、図1(b)に示すように板幅端部に肥厚部(通常
「ドッグボーン」と呼ばれる)19が発生する。ただし、
初期コーナ部位置20は、竪ロールで拘束されて幅端部に
止まっており、圧延材4表裏面への回り込みは小さい。
【0012】このようにドッグボーン19をもつ圧延材4
を水平圧延すると、水平圧延の圧下率は幅中央部よりも
幅端部に向かうに従って大きくなる。その結果、圧延方
向のメタルフローは幅端部では多く、幅中央部では少な
く流れようとするので、幅断面の端部には圧縮応力、中
央部には引張応力が作用する。このため、図1(b)に
示すように幅方向外向きのメタルフロー21が発生し、図
1(c)に示すように側面4cが外側に迫り出してくる
結果、表面4e裏面4dへの初期コーナ部位置20の回り
込み量(y)が大きくなる。
【0013】これに対し、本発明においては、粗圧延の
初期数パスを水平圧延のみとし、該水平圧延のワークロ
ールのロール間隙の目標値を、幅中央側のほうが幅端側
よりも大きくなる分布をもつように設定し、実際のロー
ル間隙を前記目標値に合わせて変更するようにしたか
ら、この初期数パスに続く最初の竪型圧延前の圧延材4
の幅断面形状を、図(A)に示すように幅端部が減肉さ
れた形状にすることができ、そのため竪型圧延後のドッ
グボーン19を小さくでき、それ以降で従来同様の水平圧
延が行われても、水平圧延圧下率の幅方向位置による差
が小さくなって幅断面に作用する応力の幅方向分布が均
等化し、図1(B)に示すように幅方向外向きのメタル
フロー21が小さくなる。従って、側面4cの外側への迫
り出しが従来よりも小さくなり、図1(c)で示した表
面4e裏面4dへの初期コーナ部位置20の回り込み量
(y)も従来より小さくなる。
【0014】なお、前記初期数パスのパス数をn、粗圧
延全パス数をNとするとき、全Nパスについて竪型圧延
を行わないとエッジシーム疵低減の効果が大きい。しか
しながら、粗圧延に次いで行われる仕上圧延後の熱延板
の圧延長手方向での幅変動量が大きくなるため、所定の
製品幅を保障するには、この幅変動を考慮して製品幅に
対して過幅狙いで圧延する必要があり、その場合、所定
製品幅にトリミングする際に切り捨てる量が大きくなる
ため好ましくない。したがって、エッジシーム疵の低減
と板幅精度を両立するには、竪型圧延を少なくとも1パ
スは行うことが好ましく、粗後段パスにおいて1パス以
上の竪型圧延を行えるようにnを適宜定めればよい。
【0015】本発明ではさらに、図1(B)のようなド
ッグボーン19形状の圧延材4を水平圧延する際に、該水
平圧延のワークロールのロール間隙の目標値を、幅端側
のほうが幅中央側よりも大きくなる分布をもつように設
定し、実際のロール間隙を前記目標値に合わせて変更す
るのが好ましい。これにより幅方向外向きのメタルフロ
ー21がさらに減少し、図1(C)に示すように、初期コ
ーナ部位置20の回り込み量(x)がより一段と小さくな
る。すなわち、x≪yとなる。
【0016】このように、本発明によれば、熱延鋼板の
シーム疵を板幅端部のごく狭い範囲に制限することがで
きるので、製品歩留りを従来よりも格段に向上させるこ
とができる。
【0017】
【実施例】図6に示した構成のホットストリップミルに
よる熱延鋼板の製造における本発明の実施例を以下に説
明する。粗圧延では、粗第1スタンドR1で3パス(1st
パス〜3rdパス)、粗第2スタンドR2で3パス(4thパ
ス〜6thパス)、粗第3スタンドR3で1パス(7thパ
ス)の水平圧延がなされ、従来は、逆パスである2ndパ
ス、5thパスを除き、1st、3rd、4th、6th、7thの
各パスで竪型圧延がなされる。これに対し実施例では、
R1での1stパス、3rdパスでは竪型圧延を行わず、R2以
降での4th、6th、7thの各パスで竪型圧延を行ってい
る。
【0018】実施例の1stパス〜3rdパスでは圧延材の
幅方向位置wにおけるワークロール間隙S(w)の目標
値を以下の手順で設定する。まず、最初に竪型圧延がな
される4thパスの竪型圧延(幅圧延)により発生する幅
方向板厚分布Δh(w)を実測あるいはシミュレーショ
ン計算により求める。この場合、4thパスの竪型圧延を
行う前の圧延材の板厚は、3rdパス終了後厚でその幅方
向分布は略均一とする。なお、シミュレーション計算に
は、竪型圧延の幅圧下量(=竪型圧延機入側板幅−竪ロ
ール間距離)を用いる。
【0019】それと共に、板幅中心位置でのワークロー
ル間隙S0 を、上位のコンピュータから与えられる板厚
スケジュールに基づいて算出する。こうして得られたΔ
h(w)、S0 を下式(1) に代入してS(w)の目標値
(目標分布)を算出する。 S(w)=−g×Δh(w)+S0 ……………(1) 一方、竪型圧延に先行される4th、6th、7thの各パス
の水平圧延では、夫々のパスの竪型圧延により発生する
幅方向板厚分布Δh(w)を前記同様に実測あるいはシ
ミュレーション計算により求め、それと共に、板幅中心
位置でのワークロール間隙S0 を、上位のコンピュータ
から与えられる板厚スケジュールに基づいて算出する。
こうして得られたΔh(w)、S0 を下式(2) に代入し
てS(w)の目標値(目標分布)を算出する。
【0020】 S(w)=k×Δh(w)+S0 ……………(2) なお、式(1) の係数g、式(2) の係数kは調整ゲインと
呼ばれ、鋼種、圧延荷重、パス順位等の影響を考慮した
補正因子を表す正の実数であって、エッジシームを低減
するように実験により決定される。式(1) 、式(2) から
わかるように、竪型圧延のない初期のパスではロール間
隙の目標値を板幅端側ほど小さくし、竪型圧延に続く水
平圧延では本発明のより好ましい形態に従ってロール間
隙の目標値を板幅端側ほど大きくしている。また、粗最
終7thパスでは板厚が薄くエッジシームの回り込みが小
さいこと、仕上ミルにおいて形状不良を誘発しないよう
にしたいことから、式(2) のkをゼロとした。
【0021】実際のワークロール間隙を、式(1) (2) で
得られるロール間隙の目標分布(目標ロール間隙)に合
わせるように変更するために、この実施例では前記方法
を用いている。方法は、図2に示すように、水平圧
延のワークロール2Wとして、竪型圧延しないR1では両
端部に先太りの(図2(a))、また竪型圧延するR2で
は両端部に先細りの(図2(b))テーパ部9をもつ両
テーパロール2DTを採用し、それらのうちから当該目
標ロール間隙に応じたテーパ形状のワークロール2Wを
選んで使用する方法であり、これは、圧延ロールを随時
所望の圧延指標に合わせて当該指標に見合う形状のロー
ルに交換する所謂「ロール交換法」を本発明に適用した
ものである。
【0022】ただし、1stパスと3rdパス、4thパスと
6thパスのように、同じミルによる水平パスについて
は、その都度個別の目標ロール間隙に合う形状のロール
に交換すると設備的コストが大きくなるため、目標ロー
ル間隙の平均値を目標値として使用するようにし、式
(2) のkをゼロとした7thパスを行うR3では水平圧延を
従来のようにフラットロールで行った。
【0023】また、目標ロール間隙が複雑な曲線となっ
て、テーパ部9のテーパ形状をそれに忠実に合わせるこ
とがロール加工精度の点から困難な場合も想定される
が、テーパ形状は図示のように直線、あるいは幅方向位
置wのベキ級数等で表される単純な曲線で近似しても、
実用上支障はない。なお、図2において、15はロール幅
中心、16はミル幅中心(板幅中心)であり、この場合両
中心を一致させて水平圧延する。
【0024】図2(a)において、ワークロールセンタ
から 350mmの位置を起点とし、ワークロール端部に向け
て半径/ワークロール胴長方向長さ=0.02の傾きで径が
太くなるテーパを設けた両テーパロールを粗第1スタン
ドに適用し、また、図2(b)において、ワークロール
センタから 350mmの位置を起点とし、ワークロール端部
に向けて半径/ワークロール胴長方向長さ=0.02の傾き
で径が細くなるテーパを設けた両テーパロールを粗第2
スタンドに適用し、1000mm幅のステンレス鋼の熱間圧延
を行った。本発明例では、圧延材の両端 150mm部分にお
いてワークロール径が変化し、粗第1スタンドにおいて
は、板端部では板中央部よりも上下3mmずつワークロー
ル間隙が小さくなり、粗第2スタンドにおいては、板端
部では板中央部よりも上下3mmずつワークロール間隙が
大きくなる。圧下スケジュールは、スラブ厚 200mm、上
記両端が先太りの両テーパロールを使用した1st,2n
d,3rdパス出側厚はそれぞれ 179mm, 147mm, 118m
m、上記両端が先細りの両テーパロールを使用した4t
h,5th,6thパス出側厚はそれぞれ72mm,66mm,46m
m、フラットロールを使用した7thパス出側厚は35mmと
なるように圧延した。そして竪型圧延は4th,6th,7
thパスにおいて行うようにした。その結果、シーム疵の
板幅端部からの距離を圧延長手方向で平均すると10mmで
あった。また、粗第1スタンドおよび粗第2スタンドの
ワークロールを従来のとおりテーパを設けないものと
し、竪型圧延を1st,3rd,4th,6th,7thにて行う
従来の粗圧延方法にて圧延した場合(粗圧延板厚スケジ
ュールは上記本発明例と同一)では、シーム疵の板幅端
部からの距離の圧延長手方向での平均値は15mmであっ
た。従って、本発明例によりシーム疵の板幅端部からの
距離は5mm小さくなっている。
【0025】なお、板幅方向のロール間隙を変更する手
段としては、方法で適用されるロール交換法以外に、
「ワークロールシフト法」、「ロールクロス法」、「ロ
ールベンディング法」がよく知られており、これらはい
ずれも、単独であるいは適宜組み合わせて、本発明に適
用できる。前記方法は本発明にワークロールシフト法
を適用したもので、図3に示すように、胴長方向片側の
所定位置に、水平圧延のみの初期数パスでは先太り(図
3(a))、竪型圧延に先行される水平圧延では先細り
(図3(b))のテーパ部9をもつ片テーパロール2S
Tをワークロール2Wとし、これを上下でテーパ部9が
互いに逆側になるように配置して目標ロール間隙に応じ
たシフト量ηだけロール軸方向にシフトさせる方法であ
る。シフト量ηは、図示のようにロール幅中心15のミル
幅中心16からのずらし量である。なお、ワークロールシ
フト法を実施できる圧延機は「シフトミル」と通称され
る。
【0026】前記方法は本発明にロールクロス法を適
用したもので、図4に示すように、上下のワークロール
2Wおよび/またはバックアップロール(図示省略)の
ロール軸17を圧延面内で上下で逆向きに目標ロール間隙
に応じたクロス角αだけ回転させる方法である。クロス
角αは、図示のように圧延直角方向18を基線とするロー
ル軸17の傾き角である。なお、ロールクロス法を実施で
きる圧延機は「クロスミル」と通称される。ただし、フ
ラットロールにロールクロス法を単独で適用すると、板
幅端部は常に増厚されることになるので、板幅端部の減
厚を可能にするには以下に述べるロールベンディング法
との併用が望ましい。
【0027】前記方法は本発明にロールベンディング
法を適用したもので、図5に示すように、ワークロール
2Wを目標ロール間隙に応じたベンディング力6で上下
ワークロール端間隔が拡開または縮閉する向きにベンド
する方法である。この方法は、周知のロールベンディン
グ装置(ロールベンダ)を用いて実施される。なお図5
には、ワークロールシフト法との併用例を示した。
【0028】上記方法〜では、逐一ロール交換しな
くてもよいので、方法に比べて実際のロール間隙を目
標ロール間隙に数段速く到達させることができ、圧延条
件の変更に迅速に対応できるという利点がある。なお、
ここで説明したワークロールシフト法、ロールクロス
法、ロールベンディング法を、ここに開示されない他の
ロール間隙変更手段で単に置換して本発明に適用した実
施形態が、本発明と同等のシーム疵低減効果を奏しうる
ことは自明であるので、そのような単なる置換実施形態
も本発明範囲に属する。
【0029】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
熱延鋼板のシーム疵を板幅端部のごく狭い範囲に制限す
ることができるので、製品歩留りを従来よりも格段に向
上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗圧延(竪型圧延および水平圧延)時の圧延材
の変形挙動の説明図であり、(a)〜(c)は従来法に
よる竪型圧延前、竪型圧延後、水平圧延後、(A)〜
(C)は本発明による竪型圧延前、竪型圧延後、水平圧
延後の幅方向板厚分布をそれぞれ示す。
【図2】ロール間隙を変更する方法の説明図である。
【図3】ロール間隙を変更する方法の説明図である。
【図4】ロール間隙を変更する方法の説明図である。
【図5】ロール間隙を変更する方法の説明図である。
【図6】ホットストリップミルの構成図である。
【図7】粗圧延機の概念図である。
【図8】シーム疵発生過程の説明図である。
【符号の説明】
1 竪型圧延機 2 水平圧延機 2W ワークロール 2DT 両テーパロール 2ST 片テーパロール 4 圧延材 4c 側面 4d 裏面 4e 表面 4f シーム疵 9 テーパ部 10 加熱炉 11 パスライン 12 仕上圧延機 14 コイラ 15 ロール幅中心 16 ミル幅中心(板幅中心) 17 ロール軸 18 圧延直角方向 19 板幅端部の肥厚部(ドッグボーン) 20 初期コーナ部位置 21 幅方向外向きのメタルフロー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21B 31/20 B21B 31/20 D (72)発明者 石塚 晴彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 及川 良介 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 古澤 英哉 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱鋼片を竪型圧延と水平圧延とを組み
    合わせて粗圧延したのち仕上圧延して熱延鋼板とする熱
    延鋼板の製造方法において、粗圧延の初期数パスを水平
    圧延のみとし、該水平圧延のワークロールのロール間隙
    の目標値を、幅中央側のほうが幅端側よりも大きくなる
    分布をもつように設定し、実際のロール間隙を前記目標
    値に合わせて変更することを特徴とする表面疵の少ない
    熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記初期数パスに続く竪型圧延直後の水
    平圧延で、該水平圧延のワークロールのロール間隙の目
    標値を、幅端側のほうが幅中央側よりも大きくなる分布
    をもつように設定し、実際のロール間隙を前記目標値に
    合わせて変更する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 胴長方向両端部にテーパ部をもち、該テ
    ーパ部のテーパ形状が前記目標値に応じた両テーパロー
    ルをワークロールとして使用することにより前記ロール
    間隙を変更する請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 胴長方向で片端の所定位置にテーパ部を
    もつ片テーパロールをワークロールとし、該ワークロー
    ルを上下でテーパ部が圧延材幅中心に対して互いに逆側
    になるように配置して前記目標値に応じたシフト量だけ
    ロール軸方向にシフトさせることにより前記ロール間隙
    を変更する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 上下のワークロールおよび/またはバッ
    クアップロールのロール軸を圧延面内で上下で逆向きに
    前記目標値に応じたクロス角だけ回転させることにより
    前記ロール間隙を変更する請求項1〜4のいずれかに記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 ワークロールを前記目標値に応じたベン
    ディング力で上下ワークロール端間隔が拡開または縮閉
    する向きにベンドすることにより前記ロール間隙を変更
    する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002064275A1 (fr) * 2001-02-14 2002-08-22 Hitachi, Ltd. Laminoir a chaud multietage et procede permettant le laminage au moyen du laminoir a chaud multietage
KR101438774B1 (ko) * 2012-12-27 2014-09-05 주식회사 포스코 극후강판 압연 설비와 압연 방법
CN104324940A (zh) * 2014-11-19 2015-02-04 天津市中重科技工程有限公司 粗轧机组连轧工艺
CN113617850A (zh) * 2020-05-07 2021-11-09 上海梅山钢铁股份有限公司 一种改善热轧软钢表面质量的控制方法

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