JPH1026208A - ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置 - Google Patents

ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置

Info

Publication number
JPH1026208A
JPH1026208A JP18030396A JP18030396A JPH1026208A JP H1026208 A JPH1026208 A JP H1026208A JP 18030396 A JP18030396 A JP 18030396A JP 18030396 A JP18030396 A JP 18030396A JP H1026208 A JPH1026208 A JP H1026208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
cooling water
brazing
pump impeller
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18030396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3681475B2 (ja
Inventor
Isao Matsumoto
勲 松本
Hiroshi Sone
寛 曽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kogyo Co Ltd filed Critical Denki Kogyo Co Ltd
Priority to JP18030396A priority Critical patent/JP3681475B2/ja
Publication of JPH1026208A publication Critical patent/JPH1026208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3681475B2 publication Critical patent/JP3681475B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう付け加熱の際に蓄積されたポンプインペ
ラー機構部(ワーク)の熱を短時間のうちに急速に放出
させることができ、その際の冷却速度の調整によりポン
プインペラー機構部ケーシングの上端開口部及び下端中
心開口部の変形量を容易に制御することができるような
ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう
付け装置を提供する。 【解決手段】 高周波誘導加熱によるろう付けを行った
後に、ワーク受け治具15の内部に設けられた冷却水通
路22に冷却水を流すことにより、ポンプインペラー機
構部2のケーシングの中央開孔4部分を強制冷却すると
共に、内部に冷却水通路27を有する当て金部材26を
ケーシング5の開放口3に対応する箇所(例えば、外周
部分5a)に当接させてこの当て金部材26の冷却水通
路27に冷却水を流すことにより、ポンプインペラー機
構部(ワーク)2を強制冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機用トル
クコンバータの主要構成部材であるポンプインペラー機
構部の椀状のケーシングに複数の羽根を組付けて高周波
誘導加熱によりろう付け(高周波雰囲気ろう付け或いは
高周波真空ろう付け)した後にポンプインペラー機構部
(ワーク)を強制冷却する方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機用トルクコンバータの主要部
分を構成するポンプインペラー機構部は、椀状のケーシ
ングと、このケーシング内に組込まれた複数の羽根と、
これらの羽根の上部を互いに連結するように配設された
連結リングとにて構成されている。ケーシングに羽根を
ろう付けするに当たっては、ケーシング内に複数の羽根
及び連結リングを組込んで成るワークを気密容器内に収
容配置し、高周波誘導加熱コイルにて加熱することによ
りろう付けを行なうようにしている。なお、従来では、
ケーシングの外側下部を高周波誘導加熱する渦巻形の下
部加熱コイルと、羽根及び連結リングを高周波誘導加熱
する渦巻形の上部加熱コイルとをシリーズに結合(直列
接続)し、これらのコイルに1つの高周波電源から高周
波電流を供給することによりろう材を高周波誘導にて加
熱溶融させてそれぞれの継手部にろう材を流し込むよう
にしている。
【0003】このようにしてろう付け作業をした後に
は、次のワークのろう付け作業を直ちに行い得るよう
に、ろう付け完了後のポンプインペラー機構部を強制的
に冷却(強制冷却)するのが効率及び変色防止の上から
も好ましい。そこで、従来では、ケーシングへの羽根の
ろう付け後におけるワークの強制冷却は、ガス圧6kg/
cm 2 の窒素ガスを加圧ガスとしてワーク(ポンプインペ
ラー機構部)へ吹き付けることにより行っているのが実
状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の強制冷却方法及びその方法を実施する従来の
装置にあっては、次のような問題点がある。すなわち、
6kg/cm2 の圧力の窒素ガスをワークに吹き付けること
による冷却では、冷却速度が遅く、一例を挙げればワー
ク全体を200℃以下迄冷却するのに約7.5分を要す
る。またワーク1個当たり可成りの窒素ガス(7.8リ
ットル)を消費する。その上、ケーシングの上端開口部
及び下端中心開口部の変形量を制御しにくい等の問題点
がある。
【0005】本発明は、上述の如き問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、ろう付け加熱の際に蓄
積されたポンプインペラー機構部(ワーク)の熱を短時
間のうちに急速に放出させることができ、その際の冷却
速度の調整によりポンプインペラー機構部ケーシングの
上端開口部及び下端中心開口部の変形量を容易に制御す
ることができるようなろう付け時の強制冷却方法及びろ
う付け装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る強制冷却方法では、自動変速機用ト
ルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する椀
状のケーシングの下部中央箇所をワーク受け治具の上に
載置した状態の下で、このケーシングを被ろう付部材と
して気密容器内に収納配置し、前記気密容器内を不活性
ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持
し、前記被ケーシング内に複数の羽根を高周波誘導加熱
によりろう付けした後に前記ポンプインペラー機構部を
強制冷却する方法において、前記ケーシング及びこのケ
ーシングに組付けられた羽根を高周波誘導加熱してこれ
らの間の継手部にろう材を流し込んでろう付けを行った
後に、前記ワーク受け治具の内部に設けられた冷却水通
路に冷却水を流すことにより、前記ケーシングの中央開
孔部分を強制冷却すると共に、内部に冷却水通路を有す
る当て金部材を前記ケーシングの開放口に対応する部分
に当接させて前記当て金部材の冷却水通路に冷却水を流
すことにより、前記ポンプインペラー機構部を強制冷却
するようにしている。
【0007】また、本発明に係る強制冷却方法では、前
記気密容器内が10-3Torr以上の不活性ガス雰囲気
或いは還元性ガス雰囲気、又は真空であるようにしてい
る。
【0008】また、本発明に係る強制冷却方法では、前
記ワーク受け治具及び当て金部材の冷却水通路にそれぞ
れ供給する冷却水の量を調整することにより、前記椀状
のケーシングの下部中央箇所及び円環状上部箇所の変形
量を制御するようにしている。
【0009】また、本発明に係るろう付け装置では、
(A) 自動変速機用トルクコンバータのポンプインペ
ラー機構部を構成する椀状のケーシングの下部中央開口
に挿入配置される位置決用の上部突設部を備え、かつ、
内部に冷却水通路を有するワーク受け治具と、(B)
内部が不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は
真空に保持され、前記ポンプインペラー機構部の椀状の
ケーシングが前記ワーク受け治具の上部に位置決めされ
て載置された状態でその内部に収容配置される気密容器
と、(C) 前記ケーシング、このケーシングの内部に
組付けられた複数の羽根、並びにろう材を同時に高周波
誘導加熱する高周波誘導加熱コイルと、(D) 前記ワ
ーク受け治具上に載置された前記ケーシングの円環状上
部箇所に対して移動して当接し得るように構成され、か
つ、その内部に冷却水通路が形成された当て金部材と、
をそれぞれ設け、前記高周波誘導加熱コイルにて加熱溶
融されたろう材を前記ケーシングと羽根との間の継手部
に流し込んだ直後に、前記ワーク受け治具及び当て金部
材の冷却水通路に冷却水を供給して前記ポンプインペラ
ー機構部を強制冷却するようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。なお、本実施例においては、
本発明に係るろう付け方法及び装置を使用することによ
り、自動車用自動変速機のトルクコンバータ1の主要構
成部材であるポンプインペラー機構部2の製造(銅ろう
付けによる組付け工程)を行なうようにしている。
【0011】図1〜図3はポンプインペラー機構部(羽
根車)2の組立完成品を示すものであって、このポンプ
インペラー機構部2は、一端側に開放口3を有しかつ他
端側の中心部に中央開孔4を有するカップ形状のケーシ
ング5と、このケーシング5の内部の円周領域において
等角度間隔をもって配設された軟鋼製の複数枚(例え
ば,32枚)の羽根6と、これらの羽根6の上部を互い
に連結する位置決め兼補強用の連結リング7とから構成
されるものである。上述の羽根6には図2に示すように
3つの突起8,9及び10が一体成形されており、これ
らのうちの片側の一対の突起8,9がケーシング5の径
方向の2箇所に形成された凹部11,12にそれぞれ係
合された状態で、各羽根6の一端面6aがケーシング5
に当接配置されている。そして、羽根6の他端面の中間
箇所に一体成形された突起10が、前記連結リング7の
孔部13にそれぞれ挿入配置された状態となされてい
る。これにより、複数枚の羽根6は、ケーシング5の所
定位置に位置決めされてこのケーシング5と連結リング
7との間に一体に組付けられると共に(図2及び図3参
照)、ケーシング5の径方向に対して所定の角度に傾斜
された状態で配設されてろう付けされるようになってい
る(図1参照)。
【0012】なお、図2及び図3において、Aは羽根6
とケーシング5とが互いに銅ろう付けにて結合される継
手部であり、Bは羽根6と連結リング7とが互いに銅ろ
う付けにて結合されるの継手部である。また、図示を省
略したが、前記ケーシング5に中央箇所には開孔4を閉
塞した状態で駆動軸が一体に結合されるようになってい
る。
【0013】図4は、ポンプインペラー機構部2のケー
シング2に複数の羽根6を組込んでろう付けを行なう際
に用いるろう付け装置14を示すものであって、本例の
ろう装置15を示すものであって、このろう付け加熱装
置14は、ポンプインペラー機構部2を構成する椀状の
ケーシング5を載置して保持するワーク受け治具15
と、内部が不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、
又は真空に保持され、ポンプインペラー機構部2の椀状
のケーシング5がワーク受け治具15の上部に位置決め
されて載置された状態でその内部に収容配置される気密
容器16と、羽根6を前記ケーシング5にろう付けする
ために高周波誘導加熱を行なう下部加熱コイル17及び
上部加熱コイル18とから成る高周波誘導加熱機構部1
9と、これらの下部加熱コイル17及び上部加熱コイル
18に高周波電流を供給する高周波電源20とで構成さ
れている。
【0014】上述の下部加熱コイル17及び上部加熱コ
イル18は、前記複数の羽根6に対応する本体部17
a,18aがそれぞれ渦巻状に巻回されたものであっ
て、図4に示すようにこれらの加熱コイル17と18と
は互いに並列に接続されている。そして、これらの加熱
コイル17及び18のリード部17b,18bを介し
て、高周波電源20から高周波電流が供給されるように
構成されている。なお、下部加熱コイル17及び上部加
熱コイル18は、図外の駆動遮断にて密閉容器16内に
おいて移動可能に支持されており、後述の如く、前記下
部加熱コイル17がケーシング5の外側部分のうち羽根
6に対応する下部部分に対して僅かな隙間を隔てて対応
配置されると共に、前記上部加熱コイル18がケーシン
グ5内に組付けられた複数の羽根6の上部にこれらの羽
根に対して僅かな隙間を隔てて対応配置されるようにな
っている。
【0015】さらに、本例においては、ろう付けのため
の加熱を行った後にケーシング5の中央開口4の付近箇
所並びにケーシング5の開放口3の付近箇所を急速に強
制冷却するための手段が備えられている。具体的には、
図4,図5及び図6に示すように前記ワーク受け治具1
5の内部には冷却水通路22が設けられており、図外の
貯水槽から導入用パイプ23を介して冷却水がこの冷却
水通路22に供給されてワーク受け治具15の内を巡回
し、しかる後に排出用パイプ24から外部に排出される
ように構成されている。かくして、前記ケーシング5が
載置されるワーク受け治具15の上部部分(載置台箇
所)15aがこの冷却水にて急冷され、ひいてはワーク
受け治具15の上部の当て金部(ワーク載置部)15a
に接触しているケーシング5の中央開口4付近の部分が
強制冷却されるようになっている。
【0016】また、気密容器16内には、ワーク受け治
具15の当て金部15a上に載置された前記ケーシング
5の円環状上部箇所の外周部分5aに対応する位置に、
ケーシング強制冷却用の3つの金属製当て金部材26が
配設されている。これらの当て金部材26は、図7に明
示するようにケーシング5の開放口に対応する円環状外
周部分に一致する円弧形状(中心角はそれぞれ120
度,断面形状は矩形)に成形されかつ図4に示すように
内部に冷却水通路27を有する熱伝導度の高い金属から
成るものであって、各々の当て金部材26の円周方向の
両端部には冷却水通路27に連通する冷却水導入用パイ
プ28及び冷却水排出パイプ29がそれぞれ配設されて
いる(図7参照)。そして、図外の貯溜層から冷却水が
各導入用パイプ28を介して冷却水通路27内を流動
し、排出用パイプ29から外部へ排出されるようになっ
ている。
【0017】さらに、各々の当て金部材26の円周方向
の中間部は保持ロッド30の一端が取付けられており、
この保持ロッド30にて当て金部材26が所定の高さ位
置に保持されている。かくして、前記保持ロッド30は
図外の駆動装置により駆動されるのに応じて3つの当て
金部材26がワークに向かって径方向に同時に水平移動
され、これに伴って各当て金部材26の内周面26aが
図8に明示するようにケーシング5の円環状上部箇所の
外周部分5a並びに上端面部分5bに当接(接触)され
るように構成されている。なお、図4及び図6において
αで示す部分はワーク受け治具15とケーシング5との
接触部であり、図8において矢印βで示す部分は当て金
部材26とケーシング5との接触部である。
【0018】このようなポンプインペラー機構部のろう
付け加熱後の冷却は、下記の手順で行われる。
【0019】(1) まず、トルクコンバータ1のポン
プインペラー機構部2の構成部材であるケーシング5上
に、所要膜厚の銅材金属被膜が予め形成された複数の羽
根6を所定位置に載置してケーシング5の凹部11,1
2内に各羽根6の突起8,9をそれぞれ係合させた状態
で組付ける。しかる後に、連結リング7の孔部13に各
羽根6の突起10を嵌着させた状態でこの連結リング7
を複数の羽根6の上部箇所に配置する。これにより、複
数の羽根6をケーシング5と連結リング7との間に位置
決めされた状態で組付けて組立体S(図2参照)を得
る。
【0020】(2) 次に、この組立体(ワーク)Sを
図外の密閉容器内(例えば、10-3Torr以上の不活
性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空中)に
収容して図4に示すようにワーク受け治具15の当て金
部15a上に載置し、上部加熱コイル18を連結リング
7の上部に僅かな間隔を隔てて配置すると共に、下部加
熱コイル17を前記羽根6に対応するケーシング5の下
部部分に対して僅かな間隔を隔てて配置し、これにより
これら両コイル16,17間に被ろう付け部材である羽
根6、連結リング7及びケーシング5を所定間隔をもっ
て配置する。
【0021】(3) 次いで、密閉容器の蓋体を閉じ、
真空ポンプにより密閉容器内を所定圧力に真空引きした
後、例えば窒素及び水素の混合ガスにより密閉容器内を
置換し、所要圧力とする。
【0022】(4) この状態の下で、高周波電源20
から下部及び上部加熱コイル17及び18に所要周波数
の高周波電流を供給し、これにより、ケーシング5,複
数の羽根6及び連結リング7を同時に高周波誘導加熱し
て所定のろう付温度にする。これに伴って、羽根6の表
面に予め形成されている銅材金属被膜が加熱溶融されて
羽根6の表面上を上下両方向に向けて流れ(下方へは重
力及び継手部Aの空隙部分の毛管作用により、また上方
へは継手部Bの空隙部分の毛管作用により流れる)、図
9に示すように銅材Mから成るろう材が継手部A,Bの
両部に集まる。そして、羽根6とケーシング5との継手
部Aの空隙に溶融状態の銅材Mがろう材として流れ込む
と共に、羽根6とケーシング5とによって形成された角
部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上がり部
40aが形成される。一方、羽根6と連結リング7との
継手部Bの空隙に溶融状態の銅材Mがろう材として流れ
込むと共に、羽根6と連結リング7とによって形成され
た角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上が
り部40bが形成される。これらの盛り上がり部40
a,40bは余盛(補強)としての機能を果たすことと
なる。
【0023】(5) 所定のろう付け温度状態を所要時
間にわたって保持した後、前記両コイル17,18への
通電を停止し、誘導加熱を終了する。
【0024】(6) 約1200℃に誘導加熱してろう
材(銅)の溶融温度(銅の場合には1084.5℃)ま
で自然冷却した後に、図外の駆動装置を作動させること
により保持ロッッド30を介して3つの当て金部材26
をワーク受け治具15上のケーシング5に向けて水平移
動させ、当て金部材26の内周面26aをケーシングの
上端部周面の外周部分5aに当設せしめる。その直後
に、ワーク受け治具15の内部の冷却水通路22に導入
用パイプ23より冷却水を供給してその内部を通水状態
にすると共に、当て金部材26の内部の冷却水通路27
に導入用パイプ28より冷却水を供給してその内部を通
水状態にする。なお、冷却水通路22,27に供給され
た冷却水の排出は排出用パイプ24,29をそれぞれ介
して行われる。この際、ワーク受け治具15及び当て金
部材26の内部を流れる冷却水はその周囲の熱を奪うた
め、冷却水の吸熱作用にて加熱状態のワーク(特に、ケ
ーシング5)が急冷されることとなる。
【0025】すなわち、ろう付加熱終了後にワーク受け
治具15の内部の冷却水通路22に通水することによ
り、ケーシング5の下端中央開口4付近のワーク部分
が、ケーシング5とワーク受け治具15の当て金部15
aとの接触部αを介して放熱されて急速に強制冷却さ
れ、収縮されていく。これと同時に、ケーシング5の上
端開放口3に対応する部分に当接された当て金部材26
の内部の冷却水通路27に通水することにより、ケーシ
ング5の上端開放口3付近のワーク部分が急速に強制冷
却され、従ってケーシング5の上端開口部24付近より
収縮し始め、金属製当て金部材26より離れて行くが上
記水平移動機構に追従機構(図示外)が設けられている
ので、金属製当て金部材7が常にワークに接触した状態
で冷却され、収縮されていく。
【0026】(7) このようにして、誘導加熱の終了
後、ワーク(ポンプインペラー機構部2)を所要温度
(例えば、200℃以下)まで急速に強制冷却する。し
かる後に、冷却水通路22及び27への通水を停止する
と共に、ケーシング5の上端部周面の外周部分5aに当
設配置された3つの当て金部材26を水平移動させて元
の位置に戻す。
【0027】(8) この後、真空ポンプを停止し、組
立の完了したポンプインペラー機構部2を密閉容器内か
ら取出す。
【0028】以上の手順によりワークは加熱後急速に冷
却されて短いサイクルでの良好なろう付が行われる。
【0029】以下に、上記実施例の具体的な加工条件を
述べる。 加工条件の具体例 (1) ポンプインペラー機構部の寸法 〈ア〉 ケーシングの外径 : 260mm ケーシングの高さ : 65mm 〈イ〉 羽根数 : 32枚 (2) 羽根の被覆成形条件 〈ア〉 被膜形成方法(被覆方法) : 銅めっき法 〈イ〉 被膜の厚さ(膜厚) : 50μm (3) 高周波誘導加熱条件 〈ア〉 周波数 : 7KHz 〈イ〉 出力 : 160KW 〈ウ〉 加熱時間 : 25秒 〈エ〉 保持時間 : 15秒 〈オ〉 放冷時間 : 10秒 〈カ〉 加熱温度 : 1200℃ (4) 気密容器内の雰囲気条件 〈ア〉 加熱時の置換ガス : 窒素+一酸化炭素(10%) 〈イ〉 加熱時の圧力 : 10Torr 〈ウ〉 冷却時の圧力 : 10Torr(窒素) (5) 冷却条件 〈ア〉 冷却開始温度 : 銅の溶融温度(1084.5℃)付近 〈イ〉 冷却水の供給圧力 : 3.5kg/cm2 〈ウ〉 当て金部材の冷却水通路の流量 : 90 l/min 〈エ〉 ワーク受け治具の冷却水通路の流量 : 40 l/min 〈オ〉 当て金部材及びワーク受け部材の材質 : 銅材
【0030】上記加工条件により上記加工手順に従って
ろう付加工することにより、ろう付け加熱後のワークの
200℃(ワークを大気に晒しても殆ど変色しない温
度)迄の冷却速度は約1分すなわち従来の約1/7程度
となり、しかも32枚の羽根6の全てがケーシング5に
強固にろう付けされ、かつケーシング5の上端開放口3
及び下端中央開口4の寸法は加熱前と殆ど変化がなかっ
た。
【0031】このような本例の方法及び装置によれば、
高周波誘導加熱によるろう付け加工後に、ワーク受け治
具15及び当て金部材26の内部の冷却水通路にそれぞ
れ通水することによって、ろう付け加熱の際に蓄積され
たワーク(ポンプインペラー機構部2)の熱は、ワーク
受け治具15及び当て金部材26に向かってそれぞれ急
速に伝搬してそれの内部を流通する冷却水に吸収され、
この冷却水と共に外部に運び去られることとなる。従っ
て、ワークの冷却速度は充分に速くなり、短時間の内に
200℃以下の温度(気密容器16から取出して大気に
晒しても変色を生じない温度)にすることが可能であ
る。また、冷却後におけるケーシング5の上端開放口3
及び下端中央開口4の変形量は、ワーク受け治具15及
び当て金部材26を流れる冷却水の流量を適宜に調整す
ることにより、ワークの冷却速度を任意に設定すること
ができ、この流量設定に応じてワークの変形量を制御す
ることができる。
【0032】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、ワーク受け治具15の形状及びその内部の
冷却水通路22の経路等は必要に応じて変更可能であ
る。また、当て金部材26の断面形状等も必要に応じて
変更可能であり、さらに、既述の実施例のように3分割
式のものである必要はなく2分割或いは4分割以上のも
のであってもよい。また、既述の実施例ではケーシング
5の開放口3に対応する円環状上部箇所の外周部分5a
に当て金部材26を当接させるようにしたが、ケーシン
グ5の開放口3に対応する円環状上部箇所の内周部分に
当て金部材26を当接させるような構成も採用可能であ
る。
【0033】また、既述の実施例では水冷のみによりワ
ークの強制冷却を行なうようにしたが、ワークの冷却時
間を短縮するために、この水冷に加えてガス噴射冷却も
併せて行なうようにすることも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、高周波誘導加熱
によるろう付けを行った後に、ワーク受け治具の内部に
設けられた冷却水通路に冷却水を流すことにより、ポン
プインペラー機構部のケーシングの中央開孔部分を強制
冷却すると共に、内部に冷却水通路を有する当て金部材
をケーシングの開放口に対応する部分に当接させてこの
当て金部材の冷却水通路に冷却水を流すことにより、ポ
ンプインペラー機構部(ワーク)を強制冷却するように
したものであるから、ろう付け加熱によりポンプインペ
ラー機構部に蓄積された熱(ワークの熱)はワーク受け
治具及び当て金部材に向かって急速に伝搬し、ワーク受
け治具及び当て金部材が得た熱は冷却水に吸収されてこ
の冷却水と共に運び去られることとなる。従って、ポン
プインペラー機構部全体の冷却速度が速くなり、短時間
のうちに例えば200℃以下にすることができ、ろう付
け作業の能率の向上を図ることができる。また、ポンプ
インペラー機構部のケーシングの中央開孔部分及び開放
口部分の変形量は、ワーク受け治具及び当て金部材の内
部の冷却水通路を流れる冷却水の単位時間当たりの流量
を調整してポンプインペラー機構部全体の冷却速度を変
化させることにより、容易に制御することができ、短時
間のサイクルタイムで高品質の高周波ろう付加工品(製
品としてのポンプインペラー機構部)を得ることができ
る。しかも、本発明によれば、ワーク冷却のために不活
性ガス等の副資材を必要としないので、非常に実用的で
あり産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るろう付け方法にてろう付けが施さ
れるトルクコンバータのポンプインペラー機構部を示す
平面図である。
【図2】図1におけるX−X線拡大断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線拡大断面図である。
【図4】ポンプインペラー機構部の羽根を高周波誘導加
熱によりろう付けする装置の断面図である。
【図5】ワーク受け治具の平面図である。
【図6】図5におけるZ−Z線断面図である。
【図7】3分割式の当て金部材の平面図である。
【図8】図7におけるR−R線断面図である。
【図9】羽根をろう付けした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 ポンプインペラー機構部 3 開放口 4 中央開孔 5 ケーシング 5a 外周部分 5b 上端面部分 6 被ろう付け部材としての羽根 7 連結リング 14 ろう付け装置 15 ワーク受け治具 15a 当て金部 16 気密容器 17 上部加熱コイル 18 下部加熱コイル 22 冷却水通路 26 当て金部材 27 冷却水通路 A,B ろう付け部(継手部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機用トルクコンバータのポンプ
    インペラー機構部を構成する椀状のケーシングの下部中
    央箇所をワーク受け治具の上に載置した状態の下で、こ
    のケーシングを被ろう付部材として気密容器内に収納配
    置し、前記気密容器内を不活性ガス雰囲気或いは還元性
    ガス雰囲気、又は真空に保持し、前記被ケーシング内に
    複数の羽根を高周波誘導加熱によりろう付けした後に前
    記ポンプインペラー機構部を強制冷却する方法におい
    て、前記ケーシング及びこのケーシングに組付けられた
    羽根を高周波誘導加熱してこれらの間の継手部にろう材
    を流し込んでろう付けを行った後に、前記ワーク受け治
    具の内部に設けられた冷却水通路に冷却水を流すことに
    より、前記ケーシングの中央開孔部分を強制冷却すると
    共に、内部に冷却水通路を有する当て金部材を前記ケー
    シングの開放口に対応する部分に当接させて前記当て金
    部材の冷却水通路に冷却水を流すことにより、前記ポン
    プインペラー機構部を強制冷却することを特徴とするろ
    う付け時の強制冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記気密容器内が10-3Torr以上の
    不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空で
    あることを特徴とする請求項1に記載のろう付け時の強
    制冷却方法。
  3. 【請求項3】 前記ワーク受け治具及び当て金部材の冷
    却水通路にそれぞれ供給する冷却水の量を調整すること
    により、前記椀状のケーシングの下部中央箇所及び円環
    状上部箇所の変形量を制御するようにしたことを特徴と
    する請求項1又は2に記載のろう付け時の冷却方法。
  4. 【請求項4】(A) 自動変速機用トルクコンバータの
    ポンプインペラー機構部を構成する椀状のケーシングの
    下部中央開口に挿入配置される位置決め用の上部突設部
    を備え、かつ、内部に冷却水通路を有するワーク受け治
    具と、(B) 内部が不活性ガス雰囲気或いは還元性ガ
    ス雰囲気、又は真空に保持され、前記ポンプインペラー
    機構部の椀状のケーシングが前記ワーク受け治具の上部
    に位置決めされて載置された状態でその内部に収容配置
    される気密容器と、(C) 前記ケーシング、このケー
    シングの内部に組付けられた複数の羽根、並びにろう材
    を同時に高周波誘導加熱する高周波誘導加熱コイルと、
    (D) 前記ワーク受け治具上に載置された前記ケーシ
    ングの円環状上部箇所に対して移動して当接し得るよう
    に構成され、かつ、その内部に冷却水通路が形成された
    当て金部材と、をそれぞれ具備し、前記高周波誘導加熱
    コイルにて加熱溶融されたろう材を前記ケーシングと羽
    根との間の継手部に流し込んだ直後に、前記ワーク受け
    治具及び当て金部材の冷却水通路に冷却水を供給して前
    記ポンプインペラー機構部を強制冷却するようにしたこ
    とを特徴とするろう付け装置。
JP18030396A 1996-07-10 1996-07-10 ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置 Expired - Fee Related JP3681475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18030396A JP3681475B2 (ja) 1996-07-10 1996-07-10 ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18030396A JP3681475B2 (ja) 1996-07-10 1996-07-10 ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1026208A true JPH1026208A (ja) 1998-01-27
JP3681475B2 JP3681475B2 (ja) 2005-08-10

Family

ID=16080856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18030396A Expired - Fee Related JP3681475B2 (ja) 1996-07-10 1996-07-10 ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3681475B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040639A1 (ja) * 2003-10-29 2005-05-06 Exedy Corporation トルクコンバータの回転体の製造方法、及びその製造方法により製造されたトルクコンバータの回転体
CN111130282A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 通用汽车环球科技运作有限责任公司 制造定子的方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110860902B (zh) * 2019-12-07 2020-11-24 湖州师范学院 一种空气悬浮轴承高速变频电机叶轮生产设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040639A1 (ja) * 2003-10-29 2005-05-06 Exedy Corporation トルクコンバータの回転体の製造方法、及びその製造方法により製造されたトルクコンバータの回転体
CN111130282A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 通用汽车环球科技运作有限责任公司 制造定子的方法
CN111130282B (zh) * 2018-10-31 2022-11-08 通用汽车环球科技运作有限责任公司 制造定子的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3681475B2 (ja) 2005-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5239157A (en) Superconducting accelerating tube and a method for manufacturing the same
WO2001031719A1 (en) Method of producing lead storage batteries and jig for production thereof
KR20100035164A (ko) 레이저 빔 용접 장치 및 레이저 빔 용접 방법
GB2028180A (en) Turbine rotor fabrication by thermal methods
JPH1026208A (ja) ろう付け時の強制冷却方法及びその方法を実施するろう付け装置
JP3934848B2 (ja) 高周波ろう付け方法とそのろう付け装置
CN108188525A (zh) 一种蜂窝板成型用的卧式氮气保护钎焊炉及焊接方法
US5642853A (en) Method for bonding steel to copper
JPH10202373A (ja) 摩擦圧接方法および装置
US4435448A (en) Method for manufacturing babbitted bearings
JPH1061746A (ja) ろう付け方法
US6888921B2 (en) Laser plasma X-ray generating apparatus
JP3814020B2 (ja) ろう材の高周波誘導加熱方法及びその高周波誘導加熱装置
JPH0494859A (ja) 金属の精密鋳造装置
JPH1034322A (ja) ろう付け方法
JPH09314319A (ja) ろう付け方法
JP3131666B2 (ja) 金属材の高周波誘導加熱によるろう付け方法
JPH10128543A (ja) スタッド溶接方法及びスタッド溶接装置
JPH09314321A (ja) ろう付け方法
JPH1043855A (ja) ろう付け方法
CN217777771U (zh) 增强复合管的封口设备
CN220923293U (zh) 增强复合管的封口设备
JPH04322100A (ja) 加速管の製造方法
JP2007505731A (ja) 放射加熱器を用いてアルミニウム含有ハニカム体を製造するためのプロセス
CN117548801B (zh) 一种灯杆座全自动焊接装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050419

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20050426

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050518

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090527

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees