JPH10261937A - 弾性表面波フィルタ及び多段弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ及び多段弾性表面波フィルタ

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JPH10261937A
JPH10261937A JP13151197A JP13151197A JPH10261937A JP H10261937 A JPH10261937 A JP H10261937A JP 13151197 A JP13151197 A JP 13151197A JP 13151197 A JP13151197 A JP 13151197A JP H10261937 A JPH10261937 A JP H10261937A
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徹 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】挿入損失の少ない弾性表面波共振器が実現出来
ないと言う課題。 【解決手段】弾性表面波共振器は、圧電基板11上に、
IDT電極12a、13aとその両側に配置される反射
器電極12b,12c等とにより構成されている。その
弾性表面波共振器を2個、それぞれの弾性表面波の伝搬
方向が互いに平行となる様に近接配置して、音響結合さ
せることにより、伝搬周波数の異なる複数の励起モード
を有する弾性表面波フィルタが構成できる。2個のID
T電極12a,13aの内側の第1、第2バスバー電極
14,15が互いに電気的に分離されており、それら各
バスバー電極14,15上の少なくとも2箇所から引き
出されている引出し電極16a,16b等が、互いに電
気的に接続されることにより平衡型入出力端子の一方を
形成する。その結果、IDT電極の電極抵抗が軽減され
て、挿入損失がより一層少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、無線通信
機器における高周波回路などに使用可能な弾性表面波フ
ィルタ及び多段弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW)を用いたエレクト
ロメカニカル機能部品は、波の音速が数km/sであ
り、波のエネルギーが伝搬媒体の表面に集中する性質を
有することからハードウェアの高密度化の流れの中で注
目され、インタディジタルトランスデューサ(IDT電
極)電極の開発と、その変形展開を可能にした薄膜作成
技術、表面加工技術の進歩によって、レーダ用遅延線、
テレビジョン受像機用帯域フィルタなどに実用化され、
現在では、無線通信機器送受信回路のRF、IF段のフ
ィルタとして広く使用されている。
【0003】近年、移動体通信機器のディジタル化に伴
い、ディジタル携帯電話やディジタルコードレス電話な
どの開発が強力に進められている。これらの機器に用い
られる通信方式は、信号の振幅および位相に情報を持つ
ため、IF段に用いられるフィルタには振幅特性および
群遅延偏差特性が平坦であることが要求される。また、
隣接チャネルの信号と所望する信号とを区別する選択度
にも優れた特性が要求されているので、遷移帯域幅の狭
い急峻な遮断特性も必要条件である。また、最近はIF
フィルタ前後段のIC素子の平衡入出力化が進み、IF
フィルタにも平衡入出力型が求められている。
【0004】従来から、IF段に適する弾性表面波フィ
ルタとして、トランスバーサル型弾性表面波フィルタ、
および縦モード結合型と横モード結合型の2種類のモー
ド結合型弾性表面波フィルタが知られている。トランス
バーサル型弾性表面波フィルタは優れた群遅延偏差特性
を持つが、挿入損失が大きく、遮断特性も劣り、そして
素子サイズが大である。一方、モード結合型弾性表面波
フィルタは急峻な遮断特性を呈し、挿入損失が小さく、
素子サイズも小型であるが、群遅延偏差特性がトランス
バーサル型弾性表面波フィルタに比べ劣る。また、縦モ
ード型弾性表面波フィルタは、通過帯域の近傍高域側に
比較的大きいスプリアスが存在すること、横モード型弾
性表面波フィルタは非常に狭帯域な通過特性を有するこ
とを特徴としている。上記の特徴から、移動体通信機器
用のIFフィルタとしては、小型で遮断特性の優れた横
モード結合型の弾性表面波フィルタが広く用いられてき
た。
【0005】以下、従来の横モード結合型弾性表面波フ
ィルタについて説明する。
【0006】図24は従来技術による横モード結合共振
器型弾性表面波フィルタを示す構成図である。図24に
おいて、241は単結晶圧電基板であり、この圧電基板
241の上に電極パターンを形成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。242aは圧電基
板241の上に形成されたIDT電極であり、その両側
に反射器電極242b,242cを配置することによっ
て、エネルギー閉じ込め型の弾性表面波共振器が形成さ
れている。また、圧電基板241の上には、IDT電極
243aと反射器電極243b,243cとによって同
様の弾性表面波共振器が形成されている。そして、これ
ら2個の共振器は近接して配置されており、その間に音
響結合が生じることによって、弾性表面波フィルタが構
成される。
【0007】以上のように構成された弾性表面波フィル
タは、IDT電極の電極指交差幅と近接配置された2個
の弾性表面波共振器間の距離とによって圧電基板上に励
起する2種類の弾性表面波のモード周波数が決定され、
フィルタの通過帯域幅が定められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
構成された弾性表面波フィルタにおいては、実現可能な
帯域幅が非常に狭く、実現されるフィルタの比帯域幅
(フィルタの中心周波数で正規化した帯域幅)は高々
0.1%程度である。最近のディジタル化に対応するた
めには、フィルタの通過特性をより広帯域化して、群遅
延偏差特性の平坦な帯域を広くすることが要求される。
【0009】また、最近では、IFフィルタ前後段にお
けるIC素子の平衡入出力化が進み、したがって、IF
フィルタにも平衡入出力型が強く要望されている。しか
し、図24に示されているように、従来の弾性表面波フ
ィルタにおいては、入出力段のIDT電極242a,2
43aの電極指の片側は接地されているので、平衡入出
力型にすることはできないという課題が有った。
【0010】さらには、IFフィルタとその前後段にお
けるIC素子とのインピーダンス整合が要望されてお
り、前記従来のフィルタの入出力インピーダンスはフィ
ルタ特性に密接に関連するIDT電極に含まれる電極指
の対数に依存するため、所望のフィルタ特性を得ると同
時に所望のインピーダンス値を得ることは困難であると
言う課題があった。
【0011】本発明は、従来技術における上記課題を解
決するもので、(1)平衡型入出力構成の実現、及び入
出力端子における平衡型端子のバランス度向上、挿入損
失の低減が図れる、(2)通過帯域の広帯域化、及び位
相、振幅特性の平坦化が図れる、(3)所望の入出力イ
ンピーダンスを有する弾性表面波フィルタの提供を目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、インタディジタルトラン
スデューサ電極としてのIDT電極の両側に反射器電極
を具備した第1及び第2の弾性表面波共振器が、それぞ
れの弾性表面波の伝搬方向が互いに平行となる位置に近
接配置され音響結合された、圧電基板上の弾性表面波フ
ィルターであって、前記第1の弾性表面波共振器の第1
のIDT電極に含まれる内側のバスバー電極と、前記第
2の弾性表面波共振器の第2のIDT電極に含まれる内
側のバスバー電極とが互いに電気的に分離されており、
前記第1のIDT電極は平衡型入力端子と接続されてお
り、又、前記第2のIDT電極は平衡型出力端子と接続
されており、前記平衡型入力端子の一方の端子は、前記
第1のIDT電極の内側のバスバー電極の少なくとも2
箇所から直接又は間接的に引出された引き出し電極と電
気的に接続されており、又、前記平衡型出力端子の一方
の端子は、前記第2のIDT電極の内側のバスバー電極
の少なくとも2箇所から直接又は間接的に引出された引
き出し電極と電気的に接続されてバランス動作する弾性
表面波フィルタである。
【0013】この構成によって、例えば、低挿入損失か
つ良好なバランス度である平衡型入出力端子を有する弾
性表面波フィルタの基本的電極パターンが得られる。
【0014】また、請求項22記載の本発明は、インタ
ディジタルトランスデューサ電極としてのIDT電極の
両側に反射器電極を具備した第1及び第3の弾性表面波
共振器が、圧電基板上に、それぞれの弾性表面波の伝搬
方向が互いに平行となる位置に形成されており、前記第
1及び第3の弾性表面波共振器の間に、複数本のストリ
ップライン電極が前記第1及び第3の弾性表面波共振器
と同一の電極周期で並行に配置され、前記複数本のスト
リップライン電極がバスバー電極によって互いに接続さ
れた周期構造状電極列を有する第2の弾性表面波共振器
が形成されており、前記第1及び第3の弾性表面波共振
器と前記第2の弾性表面波共振器とは近接配置されて音
響結合されており、前記弾性表面波共振器間の隣接する
バスバー電極は電気的に分離されていると共に、前記第
2の弾性表面波共振器の周期構造電極を全て接地した弾
性表面波フィルタであって、前記第1及び第3の弾性表
面波共振器を構成する前記IDT電極の電極指交差幅を
W1とし、前記第2の弾性表面波共振器を構成する前記
周期構造状電極列のストリップライン長をW2とした場
合、前記W1とW2の相対寸法が1≦W2/W1に設定
されている弾性表面波フィルタである。
【0015】この構成によって、3つの共振周波数の間
隔が等しくなると共に、入出力の整合をとった場合に通
過帯域内のリップルが減少し、優れた通過特性が得られ
る。その結果、広帯域でかつ平坦な通過特性と、急峻な
遮断特性有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0016】さらに、請求項28記載の本発明は、イン
タディジタルトランスデューサ電極としてのIDT電極
の両側に反射器電極を具備した弾性表面波共振器を、そ
れぞれの弾性表面波の伝搬方向が互いに平行となる位置
に少なくとも2個近接配置して音響結合させた、圧電基
板上の弾性表面波フィルタであって、少なくとも1個の
前記IDT電極に含まれる複数の電極指の内、隣接する
少なくとも一対の電極指が逆相関係にあり、かつ前記複
数の電極指は、それぞれの電荷が互いに打ち消し合わな
いように接続されている弾性表面波フィルタである。
【0017】この構成によって、例えば、所望の入出力
インピーダンスを有する弾性表面波フィルタが得られる
ものである。
【0018】以上説明したように、本発明によれば、例
えば、挿入損失が従来に比べより一層少なく、平衡型入
出力端子におけるバランス度が向上し、あるいは、フィ
ルタ通過特性の平坦化と良好な帯域外減衰特性が実現出
来、あるいは、所望の入出力インピーダンスを有するコ
ンパクトな弾性表面波フィルタが提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0020】(実施の形態1)図1は本発明による弾性
表面波フィルタの第1の実施の形態を示す電極パターン
構成図である。
【0021】図1に示す単結晶圧電基板11の上に、周
期構造ストリップライン状の電極パターンを形成するこ
とによって、弾性表面波を励起させることができる。圧
電基板11の上には、IDT電極12aと反射器電極1
2b,12cとによって構成されるエネルギー閉じ込め
型の第1の弾性表面波共振器が形成されている。また、
圧電基板11の上には、IDT電極13aと反射器電極
13b,13cとによって構成される第2の弾性表面波
共振器が構成されている。そして、これら2個の弾性表
面波共振器は近接して配置されており、その間に音響結
合が生じることによって、弾性表面波フィルタが構成さ
れる。
【0022】図1に示す本発明第1の実施形態と、図2
4に示す従来技術の弾性表面波フィルタとの電極パター
ン構成上の顕著な相違点は、図24の従来例における近
接配置された2個の共振器に共通のバスバー電極244
が、図1の本発明実施の形態においては、IDT電極部
において内側にある第1のバスバー14と第2のバスバ
ー15に電気的に分離されている点である。第1のバス
バー14は第1の弾性表面波共振器に属し、第2のバス
バー15は第2の弾性表面波共振器に属する。このバス
バー分離構成によって、第1と第2の弾性表面波共振器
は、完全に電気的に独立した入力また出力ステージを持
つことができる。すなわち、第1の弾性表面波共振器の
平衡入力ステージは、第1のバスバー電極14で結ばれ
て形成された電極指と、その電極指と対をなす電極指と
からなるIDT電極12aで構成される。同様に、第2
の弾性表面波共振器の平衡出力ステージは、第2のバス
バー電極15で結ばれて形成された電極指と、その電極
指と対をなす電極指とからなるIDT電極13aで構成
される。ここで、本発明の第1のIDT電極は、IDT
電極12aと対応する。又、本発明の第2のIDT電極
は、IDT電極13aと対応する。
【0023】このようにして構成された平衡回路への信
号線の接続は、第1のバスバー電極14と、これと対を
なす、IDT電極の外側に位置する第3のバスバー電極
14aの間に入力信号を印加するように接続し、第2の
バスバー電極15と、これと対をなすIDT電極の外側
に位置する第4のバスバー電極15aの間から出力信号
を取出すように接続すればよい。これで、入出力端子平
衡化の目的は達成されたのであるが、挿入損失の面から
みると、上記接続の場合、約3.2dBであった。
【0024】上述した平衡型入力端子における一つの端
子については、第1のバスバー電極14の1箇所から接
続線が出されており、又、平衡型出力端子における一つ
の端子については、第2のバスバー電極15の1箇所か
ら接続線が出されている場合について説明した。これに
対して、次に、第1及び第2のバスバー電極14,15
の2個所から接続線を出した構成の場合について述べ
る。
【0025】この挿入損失は、第1のバスバー電極14
の2個所から接続線(引き出し電極指16a,16b)
を出して入力側の一つの端子とし、第2のバスバー電極
15の2個所から接続線(引き出し電極指17a,17
b)を出して出力側の一つの端子とすることによって、
平衡型入出力端子におけるバランス度の向上が実現する
と同時に、各端子に生じる損失の差が低減し、上記した
挿入損失は大幅に減少し、約2.8dBとなった。この
ことは、微小損失、及び平衡型入出力端子におけるバラ
ンス度を問題とする小型携帯用通信機器においては、重
要な価値を持つ効果である。即ち、図1において、第1
のバスバー電極14の両端から、IDT電極12aと反
射器電極12b,12cの間隙に、外側に向う引出し電
極指16a,16bが形成され、これらの電極指の端部
を図示のように結線することによって上記効果が得られ
る。第2のバスバー電極15の両端の引出し電極指17
a,17bも同様の効果を呈する。尚、引出し電極指1
6a,16bは、第1のバスバー電極14の両端部に接
続された、他の電極指と同じ長さの電極指と、更にそれ
ら双方の電極指の先端部に接続された長さの短い引き出
し電極とから構成されているとみることが出来る。又、
引出し電極指17a,17bについてもこれと同様のこ
とが言える。
【0026】図2は、図1に示した本発明の第1の実施
形態のバリエーションの一例を示す。図1と同一機能を
果す部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0027】引出し電極指16aと16bの間を接続す
る配線パターン21は、圧電基板11上に形成され、共
振器電極幅よりも幅広の線路幅を持つ。その一部は、図
2に示すように、さらに拡張されて、平衡型入力端子と
外部配線体25aとの接続用の、一方の接続ランド21
aを形成する。
【0028】又、引出し電極指17aと17bの間を接
続する配線パターン22は、圧電基板11上に形成さ
れ、共振器電極幅よりも幅広の線路幅を持つ。その一部
は、同図に示すように、さらに拡張されて、平衡型出力
端子と外部配線体26aとの接続用の、一方の接続ラン
ド22aを形成する。
【0029】バスバー電極14aは外方へ拡張されてお
り、平衡型入力端子と外部配線体25bとの接続用の、
他方の接続ランド23を形成する。また、バスバー電極
15aも外方へ拡張されており、平衡型出力端子と外部
配線体26bとの接続用の、他方の接続ランド24を形
成する。
【0030】上記構成は、前述の低挿入損失の平衡型入
出力端子をもつ弾性表面波フィルタの低挿入損失、及び
良好なバランス度の特長を確実にし、フィルタ特性の安
定化に有効である。
【0031】図1および図2を参照して、一段構成の弾
性表面波フィルタを例に挙げて説明してきた。このよう
な弾性表面波フィルタは多段構成で使用することができ
る。
【0032】図3はその一例であって、同一圧電基板3
1の上で複数個の弾性表面波フィルタを縦続し、多段接
続の弾性表面波フィルタを構成すると、挿入損失の若干
の増加はあるが阻止域および遷移域の特性の大幅な改善
が得られる。図3における2段縦続フィルタは、図1に
おいて説明したIDT電極12aと反射器電極12b,
12cで構成された第1の弾性表面波共振器と、IDT
電極13aと反射器電極13b,13cで構成された第
2の弾性表面波共振器とを近接して配置した弾性表面波
フィルタ32と、それと同一の構成の弾性表面波フィル
タ33を圧電基板31上に形成し、両者を接続線でもっ
て接続したものである。
【0033】図3において、第1段の弾性表面波フィル
タ32の出力側の引出し電極17aおよび17bは、次
段の弾性表面波フィルタ33の入力側の引出し電極16
aおよび16bにそれぞれ接続線39aおよび39bに
よって接続されている。また、第1段目の今一つの出力
であるIDT電極のバスバー電極15aは、次段の今一
つの入力であるIDT電極14aに接続線40でもって
接続されている。
【0034】このようにフィルタ段間においても、ID
T電極の一方を39aと39bの2カ所にて接続するこ
とによって多段縦続時の挿入損失の増加の低減、及び平
衡型入出力端子のバランス度の向上が実現できる。
【0035】図3に示した多段フィルタの入力側および
出力側の結線は、図1の場合と同様であって、同等の作
用効果を呈する。
【0036】図4は、段間および入出力配線を基板41
上に形成した配線パターンによって行った例を示す。
【0037】圧電基板41上には図1、図2、そして図
3に示されている弾性表面波フィルタと同一の構成の第
1の弾性表面波フィルタ42と第2の弾性表面波フィル
タ43が形成されている。
【0038】第1の弾性表面波フィルタ42の出力側の
引出し電極17aと17bは、第2のフィルタ43の入
力側の引出し電極16aと16bに、共振器の電極幅よ
りも幅広の第1の段間接続電極44a,44bを圧電基
板41上に形成することにより接続されている。また、
第1のフィルタ42の今一つの出力15aと、第2のフ
ィルタ43の今一つの入力14aとは、共振器の電極幅
よりも幅広の第2の段間接続電極45を圧電基板41上
に形成することにより接続されている。
【0039】また、第1のフィルタ42の入力側の引出
し電極16aと16bとは、圧電基板41上に形成した
共振器電極幅よりも幅広の線路幅の配線パターン46に
よって接続されている。また、その配線パターン46の
一部をさらに拡張して平衡型入力端子の外部配線体47
aとの一方の接続ランド46aを形成し、外側のIDT
電極のバスバー電極14aを外方に拡張して平衡型入力
端子の外部配線体47bとの接続ランド48aを形成す
る。
【0040】一方、第2のフィルタ出力側の引出し電極
17aと17bとの間は、圧電基板41上に形成した共
振器電極幅よりも幅広の線路幅の配線パターン46bに
よって接続している。また、その配線パターンの一部を
さらに拡張して平衡型出力端子の外部配線体47cとの
接続ランド46cを形成し、バスバー電極15aを外方
に拡張して平衡型出力端子の外部配線体47dとの接続
ランド48aを形成する。
【0041】このようなパターン構成によって、低挿入
損失で良好なバランス度を有する平衡型多段弾性表面波
フィルタが提供できる。
【0042】図3の段間接続電極44b,45に設けた
外部配線用ランド44c,45aは、フィルタ特性調整
用外部回路素子の接続において有用である。
【0043】ところで、弾性表面波フィルタを単純に縦
続しただけでは、各段の入出力インピーダンスの不整合
によって、目的とする良好な伝送特性を得ることができ
ない場合もある。
【0044】その場合には、段間接続電極にインダクタ
等のリアクタンス素子を整合素子として接続し調整すれ
ばよい。外部配線用ランド44c,45aは、そのため
に役立つ。また、同一圧電基板41の上または別の基板
上にスパイラル状インダクタを始めとするリアクタンス
素子を形成し、それを段間接続電極に接続する構成を採
れば、余分なスペースを必要とせず、フィルタ回路の小
型化が容易にできる。調整用リアクタンス素子は第1の
段間接続ランド44c,45aのいずれかに接続し、他
のランドを接地すればよいが、実験によるとリアクタン
ス素子を第1の接続ランド44cに接続した方がフィル
タ伝送特性の対称性の改善が得られた。
【0045】(実施の形態2)図5は本発明による弾性
表面波フィルタの第2の実施の形態を示す電極パターン
構成図である。
【0046】図5において、圧電基板51の上に周期構
造ストリップライン状の電極パターンを形成することに
よって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基
板51の上には、IDT電極52aと反射器電極52
b,52cとによって構成されるエネルギー閉じ込め型
の第1の弾性表面波共振器が形成されている。また、圧
電基板51の上には、IDT電極54aと反射器電極5
4b,54cとによって構成される第3の弾性表面波共
振器が形成されている。
【0047】ここで注目すべき点は、反射器電極53
b,53cを伴い、第1の弾性表面波共振器と第3の弾
性表面波共振器との間に形成される第2の弾性表面波共
振器のIDT電極部分が反射器電極と同様の構造を有
し、第1および第3の弾性表面波共振器におけるIDT
電極52a,54aの電極指交差幅と同程度の長さを有
する周期構造ストリップライン電極列53aによって構
成されている点である。
【0048】即ち、このように第2の弾性表面波共振器
の電極部分の構造が、上述したIDT電極52a,54
aと同じ様な構造ではなく、周期構造ストリップライン
電極列53aに変わっても、電極周期が同じであれば、
弾性表面波は全く同様に伝搬することができるので、中
央部の第2の弾性表面波共振器の音響的振舞いはIDT
電極構造の場合と変わらない。
【0049】上記3個の弾性表面波共振器は近接配置さ
れ音響結合されており、互いに隣接する部分のバスバー
電極は電気的に独立している。第1の弾性表面波共振器
におけるIDT電極の第2の弾性表面波共振器に隣接す
るバスバー電極55の両端から、IDT電極52aと反
射器電極52b,52cとの間隙に平衡型入力端子の一
部を構成する第1と第2の電極指57aと57bが外側
へ向って形成されている。また、第3の弾性表面波共振
器におけるIDT電極の第2の弾性表面波共振器に隣接
するバスバー電極56の両端から、IDT電極54aと
反射器電極54b,54cとの間隙に平衡型出力端子の
一部を構成する第3と第4の電極指58aと58bが外
側に向って形成されている。上記した電極構成は、本発
明による低挿入損失の平衡型入出力端子を有する三重モ
ード弾性表面波フィルタの基本的な構成である。
【0050】図6に、図5において説明した三重モード
弾性表面波フィルタの、本発明における平衡型入出力端
子の接続の一例を示す。
【0051】同図に示すように、第1の弾性表面波共振
器の第1の電極指57aと第2の電極指57bとを接続
線61a,61bによって接続して平衡型入力端子の一
方の入力端子とし、外側IDT電極のバスバー電極55
aから接続線62を引出して平衡型入力端子の他方の入
力端子とする。そして、第3の弾性表面波共振器の第3
の電極指58aと第4の電極指58bとを接続線63
a,63bによって接続して平衡型入力端子の一方の出
力端子とし、外側IDT電極のバスバー電極56aから
接続線64を引出して平衡型出力端子の他方の出力端子
を構成している。
【0052】図7は、三重モード弾性表面波フィルタの
平衡型入出力端子構成の今一つの例を示すものである。
【0053】同図に示すように、第1の弾性表面波共振
器の第1の電極指57aと第2の電極指57bの間を圧
電基板51上に形成した共振器電極幅よりも幅広の線路
幅の配線パターン71でもって接続し、パターン71を
さらに拡張して外部配線体75aとの接続ランド71a
を形成し、IDT電極のバスバー電極55aを外方に拡
張して外部配線体75との接続ランド73を形成し、第
3の弾性表面波共振器の第3と第4の電極指58aと5
8b間を圧電基板51の上に形成した共振器電極幅より
も幅広の線路幅の配線パターン72で接続し、パターン
72をさらに拡張して外部配線体76aとの接続ランド
72aを形成し、IDT電極のバスバー電極56aを外
方に拡張して外部配線体76と接続ランド74を形成し
てある。この構成によると、第1の実施の形態で述べた
と同様挿入損失がさらに低減され、外部回路との接続の
容易な三重モード弾性表面波フィルタが提供可能とな
る。
【0054】図8は、図5において説明した三重モード
弾性表面波フィルタを複数段縦続した場合の一例を示
す。
【0055】同図に示すように、圧電基板81の上には
第1の三重モード弾性表面波フィルタ82と第2の三重
モード弾性表面波フィルタ83とが形成されており、第
1のフィルタ82の出力側第3、第4の電極指58a,
58bおよび出力側バスバー電極56aは、第2のフィ
ルタ83の入力側第1、第2の電極指57a,57bお
よび入力側バスバー電極55aに接続線83a,83
b、および84によって段間接続されている。入力回
路、出力回路の平衡型結線は図6に示した単一段のフィ
ルタにおける結線構成と全く同一である。
【0056】図9は、図8に示されている縦続三重モー
ド弾性表面波フィルタの入出力構成と段間構成の今一つ
の例を示すものである。
【0057】同図に示すように、圧電基板91の上に
は、第1の三重モード弾性表面波フィルタ92と第2の
三重モード弾性表面波フィルタ93とが形成されてい
る。両フィルタは、第1のフィルタ92の出力側第3、
第4の電極指58a,58b、および出力側バスバー電
極56aと、第2のフィルタ93の入力側第1、第2の
電極指57a,57b、および入力側バスバー電極55
aとを圧電基板91の上に形成した共振器電極幅よりも
幅広の段間接続電極94a,94b、そして95でもっ
て段間接続されている。各接続電極の一部に形成されて
いるランド94c,95aは、フィルタ特性調整用外付
素子の接続に用いて便利である。入力回路、出力回路の
結線パターンは、図7に示されている単一段のフィルタ
における構成と全く同一である。
【0058】以上のように、本実施形態1及び2によれ
ば、IDT電極のバスバー電極が電気的に独立している
ので、平衡入出力化が実現でき、したがって、フィルタ
特性が電極の接地状態による浮遊容量などの影響を受け
なくなるので、阻止域および遷移域の特性が改善され、
さらに本発明の特徴とする引出し電極構造によって、挿
入損失の大幅な改善、及び平衡型入出力端子におけるバ
ランス度の向上が実現できる。
【0059】なお、本実施の形態3では平衡型三重モー
ドフィルタとして、図5に示すような中央部共振器のI
DT電極が反射器電極と同一の周期構造状の電極構成と
なっている例を用いたが、この部分は従来通りのIDT
電極構造としても、本発明における平衡結線によるフィ
ルタ特性改善の効果はまったく同様に得られる。
【0060】(実施の形態3)図10は本発明による弾
性表面波フィルタの第3の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0061】図10において、101は単結晶圧電基板
であり、この圧電基板101の上に電極パターンを形成
することにより、弾性表面波を励起させることができ
る。圧電基板101の上には、IDT電極102aと反
射器電極102b、102cにより構成されるエネルギ
ー閉じ込め型の第1の弾性表面波共振器が形成されてい
る。また、圧電基板101の上には、IDT電極104
aと反射器電極104b、104cとにより構成される
第3の弾性表面波共振器が形成されている。反射器電極
103b、103cを伴い、第1の弾性表面波共振器と
第3の弾性表面波共振器との間に形成される第2の弾性
表面波共振器の電極部分103aは反射器電極と同様の
構造を有する。
【0062】このように、第2の弾性表面波共振器の電
極部分103aの構造が、上述したIDT電極と同じ様
な構造ではなく、周期構造ストリップライン電極列であ
っても、電極周期が同じであれば、弾性表面波は全く同
様に伝搬することができるので、中央部に配置された第
2の弾性表面波共振器の音響的振舞いはIDT電極構造
の場合と変わらない。
【0063】さらに、第1及び第3の弾性表面波共振器
におけるIDT電極102a、104aの電極指交差幅
をW1、第2の弾性表面波共振器のIDT電極部103
aを構成するストリップラインの長さをW2としたと
き、W1とW2の相対寸法がW1≦W2となるように設
定されている。
【0064】上記3個の弾性表面波共振器は近接して配
置され、互に隣接する部分のバスバー電極は電気的に独
立している。第1の弾性表面波共振器におけるIDT電
極102aの電極指は平衡型入力端子INに接続され、
第3の弾性表面波共振器におけるIDT電極104aの
電極指は平衡型出力端子OUTに接続されている。ま
た、第2の弾性表面波共振器における周期構造ストリッ
プライン電極列103aは接地されている。
【0065】以下、上記のように構成された弾性表面波
フィルタについて、その動作を説明する。
【0066】図11は本実施の形態における弾性表面波
フィルタのの励起モード分布図であり、図10と対応す
る部分には同じ符号が付されている。図11において、
(a)は図10に示した弾性表面波フィルタの電極構成
図である。第1〜第3の弾性表面波共振器が近接して配
置されることによって、その間に音響結合が生じ、図1
1(b)に示すようなポテンシャル分布を有する1次、
2次、3次のモードが励起される。ここで、中央に配置
された第3の弾性表面波共振器の電極部分103aが電
気的に全て接地されていることにより、2次モードのポ
テンシャル分布の極性が中央で反転可能となるので、1
次及び3次モードと同レベルの強い励振強度が得られ
る。このため、3つの励起モードを効果的に利用した多
重モードフィルタが構成できるので、広帯域でかつ急峻
な遮断特性を有する弾性表面波フィルタが実現される。
【0067】図12はW1=W2=Wとした時の、弾性
表面波の波長λで規格化したWの値に対する各モードの
共振周波数の変化を導波路モード解析によって求めたも
のである。曲線121、122、123は各々1次、2
次、3次モードの共振周波数の変化を示している。図1
2に示すように、ある与えられたWに対し、1次モード
と2次モードの周波数差Δ1と、2次モードと3次モー
ドの周波数差Δ2は異なる値となる。すなわち、50Ω
系で見た場合、図13に示すように、弾性表面波フィル
タの通過特性は、曲線131のように3つの共振モード
のピークが等間隔とならない。従って、入出力の整合を
とっても曲線132のように帯域内にリップルが残り、
フィルタ特性が悪化する。
【0068】ここで、第1及び第3の弾性表面波共振器
におけるIDT電極102a、104aの電極指交差幅
W1に対する第2の弾性表面波共振器の電極部分103
aを構成するストリップラインの長さW2の比率(W2
/W1)を変えた場合の効果を図14に示す。図14
に、図10の構成を有する本発明による弾性表面波フィ
ルタにおけるW2/W1に対する共振モードの周波数差
(図13におけるΔ1、Δ2)の実測値を規格化した値
を示す。図14は、第1及び第3の弾性表面波共振器の
IDT電極指交差幅W1が6.5波長、結合ギャップ長
Gが1波長の場合に、第2の弾性表面波共振器の電極部
分103aを構成するストリップラインの長さW2を変
化させたときの値を示す。図14に示すように、W2/
W1の値が約1.13のとき、Δ1=Δ2となる。すな
わち、3つの共振周波数の間隔が等しくなる。許容範囲
としては、1≦W2/W1≦1.3の範囲内に入る様
に、W1、W2の相対寸法を定めればよい。実際には、
製作バラツキを考慮すると1≦W2/W1≦1.16の
範囲にW1、W2の値を定めるのが望ましい。
【0069】図15に、W1=6.5波長、W2=7.
5波長、すなわちW2/W1=1.15の場合の弾性表
面波フィルタの通過特性を示す。図15において、15
1が50Ω系で見た場合の特性を示し、152は整合を
とった場合の特性を示す。図13の場合と比較して、明
らかに通過帯域内のリップルが減少し、優れた通過特性
が得られていることが分かる。
【0070】以上のように本実施の形態3によれば、3
個の弾性表面波共振器を近接して配置し、中央の弾性表
面波共振器の電極部を、反射器電極と同様の構造で、第
1及び第3の弾性表面波共振器のIDT電極指交差幅よ
りもわずかに長い周期構造のストリップライン電極列で
構成し、それをすべて接地することにより、広帯域でか
つ平坦な通過特性と、急峻な遮断特性を有する弾性表面
波フィルタが得られる。
【0071】さらにIDT電極中央部のバスバーが電気
的に独立していることにより、第1の弾性表面波共振器
のIDT電極102aと第3の弾性表面波共振器の10
4aを全て独立して配線することができるので、弾性表
面波フィルタの平衡入出力化が可能となる。従って、フ
ィルタ特性が電極の接地状態による浮遊容量等の影響を
受けることがなくなるので、阻止域及び遷移域の特性が
さらに改善される。また、バラン等の外付回路を用いる
ことなくフィルタの前段及び後段にIC等の平衡型素子
を接続することが可能となるので、回路全体のノイズ特
性も改善される。
【0072】なお、図10においては、第2の弾性表面
波共振器の電極部103aは、第3の弾性表面波共振器
のIDT電極104aと反射器電極104cとの間隙に
存在する電極パターンを介して接地されているが、必ず
しもこの構成に限定されるものではなく、電極部103
aの両側の反射器電極103b、103cを介して接地
されていてもよい。
【0073】また、本実施の形態3においては、一段構
成の弾性表面波フィルタを例に挙げて説明しているが、
図16に示すように、同一圧電基板161の上で複数の
弾性表面波フィルタ162、163を縦続に接続し、多
段接続の弾性表面波フィルタを構成すれば、挿入損失は
若干増えるものの、阻止域および遷移域の特性が大幅に
改善され、さらに良好なフィルタ特性が得られる。この
場合には、前段の弾性表面波フィルタの第1の弾性表面
波共振器電極が平衡型入力端子に接続され、後段の弾性
表面波共振器の第3の弾性表面波共振器電極が平衡型出
力端子に接続されているのが好ましい。なぜなら、平衡
型フロントエンドICなどの周辺回路に容易に接続する
ことができ、配線にグランドを確保する必要がなくなる
ために、浮遊容量の影響も少なく、安定したフィルタ特
性が得られるからである。
【0074】ところで、弾性表面波フィルタを単純に縦
続に接続しただけでは、各段の入出力インピーダンスの
不整合により、良好な伝送特性を得ることができない場
合がある。この場合には、段間の接続電極パターン16
4、165にインダクタ等のリアクタンス素子を整合素
子として接続すればよい。この場合、完全に平衡型入出
力回路に対応させるには、電極パターン164、165
間に整合素子を接続する必要がある。しかし、実際には
段間部分は入出力端子とは電気的なつながりが無く、音
響的な結合のみであるため、一方の電極パターン(例え
ば電極パターン165)は直接接地し、もう一方の電極
パターン(例えば電極パターン164)をリアクタンス
素子166を介して接地すれば、両者間にリアクタンス
素子を接続した場合と同様の動作を行わせることができ
る。そして、このような構成を採用すれば、接地の配線
を電極パターン上で行うことができるので、ボンディン
グワイヤを減らすことができる。その結果、単純な構造
で特性の改善を図ることができる。
【0075】(実施の形態4)図17は本発明による弾
性表面波フィルタの第4の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0076】図17において、171は単結晶圧電基板
であり、この圧電基板171の上に電極パターンを形成
することにより、第3の実施の形態と同様に弾性表面波
を励起させることができる。圧電基板171上には、I
DT電極172aと反射器電極172b、172cとに
より構成されるエネルギー閉じ込め型の第1の弾性表面
波共振器が形成されている。また、圧電基板171の上
には、IDT電極173aと反射器電極173b、17
3cとにより構成されるエネルギー閉じ込め型の第2の
弾性表面波共振器と、IDT電極174aと反射器電極
174b、174cとにより構成されるエネルギー閉じ
込め型の第3の弾性表面波共振器とが形成されている。
そして、これら3個の弾性表面波共振器は近接して配置
され、互いに隣接するIDT電極のバスバー電極は電気
的に独立している。また、反射器電極は共通のバスバー
によって接続されている。第1の弾性表面波共振器にお
けるIDT電極172aの電極指は平衡型入力端子IN
に接続され、第3の弾性表面波共振器におけるIDT電
極174aの電極指は平衡型出力端子OUTに接続され
ている。また、第2の弾性表面波共振器におけるIDT
電極173aの電極指はすべて接地されている。さら
に、第1及び第3の弾性表面波共振器におけるIDT電
極172a、174aの電極指交差幅をW1、第2の弾
性表面波共振器のIDT電極173aの電極指交差幅を
W2としたとき、W1とW2の相対寸法はW1≦W2と
なるように設定されている。
【0077】以上の構成を有する弾性表面波フィルタ
は、中央部の第2の弾性表面波共振器の電極構造が上記
第3の実施の形態おける周期構造ストリップライン電極
列からIDT電極173aに変わっているが、弾性表面
波の伝搬は全く同様に行われるので、基本動作は図10
に示す第3の実施の形態の場合と同様である。従って、
弾性表面波フィルタの通過特性の平坦化と阻止域のスプ
リアスの抑圧が第3の実施の形態と同様に実現される。
【0078】本実施の形態4によれば、3個の弾性表面
波共振器を近接して配置し、中央の第2の弾性表面波共
振器を構成するIDT電極173aを全て接地し、その
交差幅を第1及び第3の弾性表面波共振器のIDT電極
指交差幅よりもわずかに長くすることにより、広帯域で
かつ平坦な通過特性と、急峻な遮断特性を有する弾性表
面波フィルタが得られる。また、IDT電極中央部のバ
スバーが電気的に独立しているので、第1の弾性表面波
共振器のIDT電極172aと第2の弾性表面波共振器
のIDT電極174aを全て独立して配線することによ
り、弾性表面波フィルタの平衡入出力化を実現すること
ができる。その結果、フィルタの特性が電極の接地状態
による浮遊容量等の影響を受けることがなくなるので、
阻止域および遷移域の特性が改善される。また、バラン
等の外付回路を用いることなくフィルタの前段および後
段にIC等の平衡型素子を接続することが可能となるの
で、回路全体のノイズ特性も改善される。
【0079】さらに、本実施の形態4においても、弾性
表面波フィルタを複数個縦続に接続し、多段接続の弾性
表面波フィルタを構成すれば、遷移域および阻止域の特
性が大幅に改善される。この場合の縦続接続方法及びリ
アクタンス素子(整合素子)の段間への接続方法は、図
16に示した第3の実施の形態の場合と全く同様であ
り、フィルタ特性への影響も上記第3の実施の形態で述
べたのと同様である。
【0080】なお、上記第3の実施の形態においては、
図10に示したように、第1の弾性表面波共振器のID
T電極102aと第2の弾性表面波共振器のIDT電極
104aを互いに逆相の電極配置としているが、必ずし
もこの構成に限定されるものではなく、互いに同相の電
極配置としてもよい。この場合でも、帯域外スプリアス
の現れ方が若干異なるだけで、その作用効果は変わらな
い。この点は、第4の実施の形態についても同様であ
る。
【0081】また、上記第3および第4の実施の形態に
おいては、入出力端子を平衡型にしているが、必ずしも
この構成に限定されるものではなく、入出力端子のそれ
ぞれ片側を接地して、不平衡型にすることも可能であ
る。また、入出力端子のどちらか一方を接地した場合に
は、平衡−不平衡端子を有する弾性表面波フィルタが構
成できる。 (第5の実施形態)図18は本発明による弾性表面波フ
ィルタの実施の形態5の電極パターン構成図を示すもの
である。
【0082】図18において、181は単結晶圧電基板
であり、この圧電基板181の上に、周期構造ストリッ
プライン状の電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板181の
上には、IDT電極182aと反射器電極182b、1
82cとによって構成されるエネルギー閉じこめ型の第
1の弾性表面波共振器が形成されている。また、圧電基
板181の上には、IDT電極183aと反射器電極1
83b、183cとによって構成されるエネルギー閉じ
こめ型の第2の弾性表面波共振器が形成されている。
【0083】図18に示す通り、第2の弾性表面波共振
器を構成するIDT電極183aは、第1、第2および
第3の分割IDT電極184a、184b及び184c
の3つのグループの接続により構成されている。ここ
で、第1の分割IDT電極184aと第2の分割IDT
電極184bは逆相に配置され、第2の分割IDT電極
184bと第3の分割IDT電極184cは同相に配置
されている。同相及び逆相については、後述する。
【0084】又、これら3つのグループの接続の仕方
は、次の通りである。
【0085】即ち、第1の分割IDT電極184aの下
部電極(外側のバスバー電極)1841oと第2の分割
IDT電極184bの上部電極(内側のバスバー電極)
1842iとが、第1の分割IDT電極184aに含ま
れる第5電極指184a5と短い接続電極184abと
を介して、互いに接続されている。又、第2の分割ID
T電極184bの下部電極(外側のバスバー電極)18
42oと第3の分割IDT電極184cの下部電極(外
側のバスバー電極)1843oとが接続されている。
【0086】これにより、第2の弾性表面波共振器を構
成するIDT電極183aが形成されている。
【0087】尚、上記グループの分けたかは、内側のバ
スバー電極の分割状況、及び外側のバスバー電極の分割
状況に基づくものである。
【0088】即ち、上部電極1843iと上部電極18
42iとが分割されていることにより、第3の分割ID
T電極184cと第2の分割IDT電極184bとに分
けられている。又、下部電極1842oと下部電極18
41oとが分割されていることにより第2の分割IDT
電極184bと第1の分割IDT電極184aとに分け
られている。
【0089】そして、これら2個の第1及び第2の弾性
表面波共振器は近接して配置されており、その間に音響
結合が生じることによって弾性表面波フィルタが構成さ
れる。
【0090】さらに、IDT電極182aの上部電極お
よび下部電極はそれぞれ平衡型入力端子INに接続され
ている。また、IDT電極183aを構成する第1の分
割IDT電極184aの下部電極および第2の分割ID
T電極184bの上部電極は平衡型出力端子OUTの一
方に接続され、第2の分割IDT電極184bの下部電
極および第3の分割IDT電極184cの下部電極は平
衡型出力端子OUTの他方に接続され、第1の分割ID
T電極184aの上部電極および第3の分割IDT電極
184cの上部電極は接地されることにより平衡型入出
力端子を形成する。
【0091】ここで、上述した同相及び逆相について説
明する。
【0092】先ず、隣接する2つの電極指(即ち、隣接
する一対の電極指)の構造的な配置関係について述べ
る。
【0093】即ち、隣接する2つの電極指が同相関係に
あるとは、それら2つの電極指の一方が、内側のバスバ
ー電極と接続されて内側から外側へ向けて伸びており、
他方が外側のバスバー電極に接続されて外側から内側に
向けて伸びている接続関係の状態にあることを言う。
又、隣接する2つの電極指が逆相関係にあるとは、それ
ら2つの電極指のいずれもが、内側のバスバー電極と接
続されて内側から外側へ向けて伸びているか、又は、外
側のバスバー電極と接続されて外側から内側へ向けて伸
びている接続関係を言う。ここで、内側と外側のバスバ
ー電極の電荷は異なるものとする。又、隣接する2つの
電極指間のピッチ(中心間距離)は、1/2xλである
とする。尚、上記電極指間のピッチは、(m+1/2)
xλでもよい。その場合、もしも、そのピッチが(m+
1)xλであれば、上記同相関係と逆相関係は、その意
味内容が上記説明と完全に逆転する。ここで、λは励起
された弾性表面波の波長であり、m=0,1,2,3,
・・・であるとする。
【0094】具体的には、第1の分割IDT電極184
aについて見ると、図18に示すように、例えば、第1
電極指184a1と第2電極指184a2は、同相関係
にあり、又、第4電極指184a4と第5電極指184
a5も、同相関係にある。従って、第1の分割IDT電
極184aに含まれる第1〜第5の全ての電極指は、同
相関係にある。又、同様にして、第2及び第3の分割I
DT電極184b,184cに含まれる全ての電極指に
ついても、各分割IDT電極内において同相関係にあ
る。
【0095】次に、隣接する2つの電極指184a5と
184b1について見ると、同図に示す様に、電極指1
84a5が外側のバスバー電極1841oに、又、電極
指184b1が外側のバスバー電極1842oに接続さ
れているので、それらは逆相関係にある。又、これら2
つの電極指は、第1の分割IDT電極184aと第2の
IDT電極184bとの分かれ目に配置されている。
【0096】以上のことから、上記3つのグループの配
置関係において述べている、逆相又は、同相の意味も、
隣接した2つの電極指の上述した関係に基づいているこ
とは言うまでもない。他の実施の形態においても、この
点は同じである。
【0097】尚、第5電極指184a5の短手方向の幅
について更に述べる。図18では、第5電極指184a
5の幅が、他の電極指の幅と同じである構成のものを示
しているが、これに限らず例えば、他の電極指の幅に比
べて幅広にしても勿論良い。この様にすることにより、
電極指の抵抗値が小さくなり、従って、それを含むID
T電極の抵抗値が小さくなり、挿入損失が低減されると
言う効果がある。このことは、他の実施の形態の場合に
も当てはまる。
【0098】以上のように構成される第5の実施形態に
おける弾性表面波フィルタについて、以下、その動作を
説明する。
【0099】図19は第5の実施形態の容量等価回路図
であり、C1は第1の弾性表面波共振器を構成するID
T電極182aの容量である。また、Ca、Cbおよび
Ccはそれぞれ第1、第2、及び第3の分割IDT電極
184a、184b、184cの容量であり、Ca、C
bおよびCcの合成容量が第2の弾性表面波共振器ID
T電極183aの総容量C2となる。ここで、IDT電
極183aに含まれる電極指の対数をnとし、第1、第
2、及び第3の分割IDT電極184a、184b、1
84cのそれぞれの対数をna、nb、ncとすると、
次式が成り立つ。 n=na+nb+nc前記記載の弾
性表面波フィルタにおいて、IDT電極182a、18
3aの容量は電極の対数に支配される。IDT電極18
2aの対数をnとし、一対のIDT電極指の電極容量を
Cとすると、C1、Ca、CbおよびCcはそれぞれ以
下のように表せる。
【0100】C1=n×C Ca=na×C=C1×na/n=C1×na/(na+
nb+nc) Cb=nb×C=C1×nb/n=C1×nb/(na+
nb+nc) Cc=nc×C=C1×nc/n=C1×nc/(na+
nb+nc) したがって、図19の容量等価回路図より、総容量C2
はCa、Cb、Ccを用いると(数1)で表される。
【0101】
【数1】
【0102】例えば、分割IDT電極184a、184
b,184cの対数が等しいとした場合、すなわちna
=nb=nc=n/3としたとき、C2=C1×1/2と
なり、C2の容量はC1の半分となる。分割IDT電極1
84a、184b、184cの対数na、nb、ncを
変えることにより、IDT電極183aの総容量C2は
(数1)に応じてC1×1/4<C2<C1の範囲で変化
する。すなわち、IDT電極183aの総容量は分割I
DT電極184a、184b、184cの分割比により
制御できる。
【0103】また、このとき第1、第2、及び第3の分
割IDT電極184a、184b、184cの電極上の
電荷は互いに打ち消されることなく、第1、第2、及び
第3の分割IDT電極184a、184b、184cに
よって生じる弾性表面波は同相となるため、第2の弾性
表面波共振器は第1の弾性表面波共振器と同等の共振特
性を持つ。したがって、第1の弾性表面波共振器と第2
の弾性表面波共振器とを近接配置することにより、従来
と同様の横モード結合共振器型フィルタとして動作す
る。
【0104】以上のように、本実施形態5によれば、平
衡型入出力をもつ弾性表面波フィルタは、狭帯域で帯域
外選択度に優れた特性を持つとともに、本発明の特徴と
する分割IDT電極により形成されるIDT電極の電極
構造によって、弾性表面波フィルタの出力インピーダン
スも制御できるものである。
【0105】なお、第5の実施形態では、第2の弾性表
面波共振器を構成するIDT電極183aにおいて、I
DT電極183aを構成する第1、第2及び第3の分割
IDT電極184a、184b、184cを、図中にお
いて左側から右側へ順次並べた場合について述べたが、
これに限らず、右側から左側へ順次184a、184
b、184cと並べてもかまわない。また、IDT電極
183aの電極パターンが上下反転してもよい。この場
合には、図20に示すように、圧電基板201の上の第
2の弾性表面波共振器を構成するIDT電極203a
は、第1、第2および第3の分割IDT電極204a、
204bおよび204cの3つのグループの接続により
構成されている。第1の分割IDT電極204aと第2
の分割IDT電極204bは逆相に配置され、第2の分
割IDT電極204bと第3の分割IDT電極204c
は同相に配置されるとともに、第1の分割IDT電極2
04aの上部電極と第2の分割IDT電極204bの下
部電極が接続され、第2の分割IDT電極204bの上
部電極と第3の分割IDT電極204cの上部電極が接
続され、第2の弾性表面波共振器を構成するIDT電極
203aが形成される。また、図20においても、分割
IDT電極204a、204b、204cを左側から2
04a、204b、204cとしたが、これは右側から
でもかまわない。これらの場合においてはIDT電極は
電極構造のみが異なるだけであり、弾性表面波フィルタ
の特性は図18の場合と同様の効果が得られる。
【0106】また、本実施の形態5においては、IDT
電極182aの対数と第1、第2及び第3の分割IDT
電極184a、184b、184cのそれぞれの対数の
和が等しいとしたが、全く同じ対数である必要はなく、
また、第1、第2及び第3の分割IDT電極184a、
184b、184c対数比も任意に設定できるものであ
る。また、IDT電極183aの分割数を3としたがそ
れ以外であってもかまわない。また、IDT電極182
aの電気端子は平衡型としたが、上部電極あるいは下部
電極のどちらか一方を接地して不平衡型電気端子として
もかまわない。その場合には、平衡−不平衡端子を有す
る弾性表面波フィルタが構成できる。反射器電極182
bと183b、182cと183cを電気的に分離した
構成としたが、両方を接続するとともに接地してもよ
い。さらに、分割IDT電極184a、184b及び1
84cによって構成されるIDT電極183aは第2の
弾性表面波共振器を構成するものとしたが、これは、第
1の弾性表面波共振器を構成してもかまわないし、ある
いはその両方であってもよく、その場合には入出力両方
のインピーダンスの制御が可能である弾性表面波フィル
タが実現できる。 (第6の実施形態)図21は本発明による弾性表面波フ
ィルタの実施の形態6の電極パターン構成図を示すもの
である。
【0107】図21において、211は単結晶圧電基板
であり、この圧電基板211の上に、周期構造ストリッ
プライン状の電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板211の
上には、IDT電極212aと反射器電極212b、2
12cとによって構成されるエネルギー閉じこめ型の第
1の弾性表面波共振器が形成されている。また、圧電基
板211の上には、IDT電極213aと反射器電極2
13b、213cとによって構成されるエネルギー閉じ
こめ型の第2の弾性表面波共振器が形成されている。第
2の弾性表面波共振器を構成するIDT電極213a
は、第1、第2および第3の分割IDT電極214a、
214b及び214cの3つのグループの接続により構
成されている。第1、第2および第3の分割IDT電極
214a、214b及び214cは、すべて同相に配置
されるとともに、第1の分割IDT電極214aの上部
電極と第2の分割IDT電極214bの上部電極が接続
され、第2の分割IDT電極214bの下部電極と第3
の分割IDT電極214cの下部電極が接続されること
により、第2の弾性表面波共振器を構成するIDT電極
213a が形成される。そして、これら2個の第1及
び第2の弾性表面波共振器は近接して配置されており、
その間に音響結合が生じることによって、弾性表面波フ
ィルタが構成される。
【0108】さらに、IDT電極212aの上部電極お
よび下部電極はそれぞれ平衡型入力端子INに接続され
ている。また、IDT電極213aを構成する第1の分
割IDT電極214aの上部電極および第2の分割ID
T電極214bの上部電極は平衡型出力端子OUTの一
方に接続され、第2の分割IDT電極214bの下部電
極および第3の分割IDT電極214cの下部電極は平
衡型出力端子OUTの他方に接続され、第1の分割ID
T電極214aの下部電極および第3の分割IDT電極
214cの上部電極は接地されることにより平衡型入出
力端子を形成する。
【0109】以上のように構成された弾性表面波フィル
タにおいて、第1の弾性表面波共振器は、第5の実施形
態の弾性表面波共振器と同様の構造であり、第2の弾性
表面波共振器は、IDT電極213aが第5の実施形態
のIDT183aと電極パターン及びその接続方法のみ
が異なる。この場合も、分割IDT電極214a、21
4b、214cの電極上の電荷は互いに打ち消されるこ
となく、分割IDT電極214a、214b、214c
によって生じる弾性表面波は同相となるため、第2の弾
性表面波共振器は第1の弾性表面波共振器と同等の共振
特性を持ち、第1の弾性表面波共振器と第2の弾性表面
波共振器とを近接配置することにより、本実施の形態6
における弾性表面波フィルタは第5の実施形態と同様に
従来の横モード結合共振器型フィルタとして動作する。
さらに、平衡型入出力をもつ弾性表面波フィルタは、狭
帯域で帯域外選択度に優れた特性を持つとともに、弾性
表面波フィルタの入出力インピーダンスも制御できると
いう、第5の実施形態の弾性表面波フィルタと同様の効
果が得られる。
【0110】なお、第6の実施形態では、分割IDT電
極214a、214b、214cを左側から214a、
214b、214cとしたが、これは右側からでもかま
わないし、IDT電極213aの分割数を3としたがそ
れ以外であってもかまわない。また、IDT電極212
aの電気端子を平衡型としたが、上部電極あるいは下部
電極のどちらか一方を接地して不平衡型電気端子として
もかまわない。その場合には、平衡−不平衡端子を有す
る弾性表面波フィルタが構成できる。また、反射器電極
212bと213b、及び212cと213cは電気的
に分離した構成としたが、両方を接続するとともに接地
してもよい。さらに、分割IDT電極214a、214
b及び214cによって構成されるIDT電極213a
は第2の弾性表面波共振器を構成するものとしたが、こ
れは、第1の弾性表面波共振器を構成してもかまわない
し、あるいはその両方であってもよく、その場合には入
出力両方のインピーダンスの制御が可能である弾性表面
波フィルタが実現できる。(第7の実施形態)実施の形
態5及び6において、一段構成の弾性表面波フィルタを
例に挙げて説明してきた。このような弾性表面波フィル
タは多段構成で使用することができる。
【0111】図22はその一例であって、本発明による
弾性表面波フィルタの実施の形態7の電極パターン構成
図を示すものである。図22において、221は単結晶
圧電基板であり、この圧電基板221の上で、複数個の
弾性表面波フィルタを縦続し、多段接続の弾性表面波フ
ィルタを構成すると、挿入損失の若干の増加はあるが阻
止域および遷移域の特性の大幅な改善が得られる。
【0112】図22における2段縦続フィルタは、ID
T電極222aと反射器電極222b,222cで構成
された第1の弾性表面波共振器と、IDT電極223a
と反射器電極223b,223cで構成された第2の弾
性表面波共振器とを近接して配置した第1の弾性表面波
フィルタと、 IDT電極224aと反射器電極224
b,224cで構成された第3の弾性表面波共振器と、
IDT電極225aと反射器電極225b,225cで
構成された第4の弾性表面波共振器とを近接して配置し
た第2の弾性表面波フィルタを圧電基板221上に形成
されている。第2の弾性表面波フィルタにおける第4の
弾性表面波共振器を構成するIDT電極225aは、第
1、第2および第3の分割IDT電極226a、226
b及び226cの3つのグループの接続により構成され
ている。第1の分割IDT電極226aと第2の分割I
DT電極226bは逆相に配置され、第2の分割IDT
電極226bと第3の分割IDT電極226cは同相に
配置されるとともに、第1の分割IDT電極226aの
下部電極と第2の分割IDT電極226bの上部電極が
接続され、第2の分割IDT電極226bの下部電極と
第3の分割IDT電極226cの下部電極が接続される
ことにより、第4の弾性表面波共振器を構成するIDT
電極225a が形成される。第1段の弾性表面波フィ
ルタの出力側の引出し電極の一方は相対する次段の弾性
表面波フィルタの入力側の相対する引出し電極に段間接
続電極パターン227aによって接続されており、第1
段目の今一つの出力側のIDT電極は次段の今一つの入
力側のIDT電極に段間接続電極パターン227bによ
って接続されることにより、2段の弾性表面波フィルタ
が形成される。
【0113】さらに、第1の弾性表面波フィルタにおけ
る第1の弾性表面波共振器を構成するIDT電極222
aの上部電極および下部電極はそれぞれ平衡型入力端子
INに接続されている。また、第2の弾性表面波フィル
タにおける第4の弾性表面波共振器を構成するIDT電
極225aにおいて、IDT電極225a構成する第1
の分割IDT電極226aの下部電極および第2の分割
IDT電極226bの上部電極は平衡型出力端子OUT
の一方に接続され、第2の分割IDT電極226bの下
部電極および第3の分割IDT電極225cの下部電極
は平衡型出力端子OUTの他方に接続され、第1の分割
IDT電極226aの上部電極および第3の分割IDT
電極226cの上部電極は接地されることにより平衡型
入出力端子を形成する。
【0114】しかし、弾性表面波フィルタを単純に縦続
しただけでは、各段の入出力インピーダンスの不整合に
よって、目的とする良好な伝送特性を得ることができな
い場合もある。その場合には、段間接続電極にインダク
タ等のリアクタンス素子を整合素子として接続し調整す
ればよい。また、同一圧電基板221の上または別の基
板上にスパイラル状インダクタを始めとするリアクタン
ス素子を形成し、それを段間接続電極に接続する構成を
採れば、余分なスペースを必要とせず、フィルタ回路の
小型化が容易にできる。調整用リアクタンス素子は第1
の段間接続電極パターン227a,227bのいずれか
に接続し、他の段間電極接続パターンを接地すればよい
が、実験によると、図22に示すように、リアクタンス
素子228を段間接続電極パターン227aに接続した
方がフィルタ伝送特性の対称性の改善が得られた。
【0115】以上の構成によって、本実施形態7におけ
る平衡型入出力を有する弾性表面波フィルタは、狭帯域
な特性を有するとともに、2個の弾性表面波フィルタを
段間接続電極パターン227a、227bにより接続す
ることにより、1段の場合よりも帯域外選択度がより急
峻な特性となるとともに、弾性表面波フィルタの出力イ
ンピーダンスも制御できるものである。
【0116】なお、第7の実施形態では、第2の弾性表
面波フィルタにおける第4の弾性表面波共振器を構成す
るIDT電極225aにおいて、IDT電極225aを
構成する第1、第2及び第3の分割IDT電極226
a、226b、226cを図面に向かって左側から22
6a、226b、226cとしたが、これは右側からで
もかまわない。また、IDT電極225aの電極パター
ンが上下反転してもよい。
【0117】また、本実施の形態7においては、 ID
T電極225aの分割数を3としたがそれ以外であって
もかまわない。IDT電極222aの電気端子は平衡型
としたが、上部電極あるいは下部電極のどちらか一方を
接地して不平衡型電気端子としてもかまわない。その場
合には、平衡−不平衡端子を有する弾性表面波フィルタ
が構成できる。 IDT電極225aは第6の実施形態
で示した構成のIDT電極213aでもよい。これらの
場合においてはIDT電極234aは電極構造のみが異
なるだけであり、弾性表面波フィルタの特性は図22と
同様の効果が得られる。反射器電極222bと223
b、及び222cと223cを電気的に分離した構成と
したが、両方を接続するとともに接地してもよい。さら
に、分割IDT電極226a、226b及び226cに
よって構成されるIDT電極225aは、第4の弾性表
面波共振器を構成するものとしたが、これは、第1の弾
性表面波共振器を構成してもかまわないし、あるいはそ
の両方であってもよく、その場合には入出力両方のイン
ピーダンスの制御が可能である弾性表面波フィルタが実
現できる。また、弾性表面波の段数を2段としたが、そ
れ以上であってもよく、その場合は、帯域外選択度がよ
り優れた急峻なフィルタ特性となるものである。(第8
の実施形態)図23は、本発明による弾性表面波フィル
タの実施の形態8の電極パターン構成図を示すものであ
る。図23において、231は単結晶圧電基板であり、
この圧電基板231の上に電極パターンを形成すること
により、弾性表面波を励起させることができる。圧電基
板231の上には、IDT電極232aと反射器電極2
32b、232cにより構成されるエネルギー閉じ込め
型の第1の弾性表面波共振器が形成されている。また、
圧電基板231の上には、IDT電極234aと反射器
電極234b、234cとにより構成される第3の弾性
表面波共振器が形成されている。反射器電極233b、
233cを伴い、第1の弾性表面波共振器と第3の弾性
表面波共振器との間に形成される第2の弾性表面波共振
器の電極部分233aは反射器電極と同様の構造を有す
る。このように、第2の弾性表面波共振器の電極部分2
23aの構造がIDT電極構造ではなく周期構造ストリ
ップライン電極列であっても、電極周期が同じであれ
ば、弾性表面波は全く同様に伝搬することができるの
で、中央部に配置された第2の弾性表面波共振器の音響
的振舞いはIDT電極構造の場合と変わらない。
【0118】さらに、第3の弾性表面波共振器を構成す
るIDT電極234aは、第1、第2および第3の分割
IDT電極235a、235b及び235cの3つのグ
ループの接続により構成されている。第1の分割IDT
電極235aと第2の分割IDT電極235bは逆相に
配置され、第2の分割IDT電極235bと第3の分割
IDT電極235cは同相に配置されるとともに、第1
の分割IDT電極235aの下部電極と第2の分割ID
T電極235bの上部電極が接続され、第2の分割ID
T電極235bの下部電極と第3の分割IDT電極23
5aの下部電極が接続されることにより、第3の弾性表
面波共振器を構成するIDT電極234a が形成され
る。
【0119】上記3個の弾性表面波共振器は近接して配
置され、互いに隣接する部分のバスバー電極は電気的に
独立している。第1の弾性表面波フィルタにおける第1
の弾性表面波共振器を構成するIDT電極232aの上
部電極および下部電極はそれぞれ平衡型入力端子INに
接続されている。また、第3の弾性表面波共振器を構成
するIDT電極234aにおいて、IDT電極234a
構成する第1の分割IDT電極235aの下部電極およ
び第2の分割IDT電極235bの上部電極は平衡型出
力端子OUTの一方に接続され、第2の分割IDT電極
235bの下部電極および第3の分割IDT電極235
cの下部電極は平衡型出力端子OUTの他方に接続さ
れ、第1の分割IDT電極235aの上部電極および第
3の分割IDT電極235cの上部電極は接地されるこ
とにより平衡型入出力端子を形成し、第2の弾性表面波
共振器における周期構造ストリップライン電極列233
aは接地されている。
【0120】以上のように、本実施の形態8による弾性
表面波フィルタは、3個の弾性表面波共振器を弾性表面
波の伝搬方向と平行に近接配置し、音響結合させること
により、フィルタ特性を実現することを特徴とする。
【0121】この時、弾性表面波フィルタは、本願発明
者らが公開した特開平8−51334の弾性表面波多重
モードフィルタにおけるIDT電極を、本発明の弾性表
面波フィルタにおける第2の弾性表面波共振器を構成す
るIDT電極233aに置き換えたものであり、特開平
8−51334で述べられているのと同様の動作をし、
即ち、弾性表面波共振器を3段とすることにより、広帯
域、かつ帯域外選択度に優れた特性を持つとともに、弾
性表面波フィルタの出力インピーダンスも制御できるも
のである。
【0122】なお、第8の実施形態では、第3の弾性表
面波共振器を構成するIDT電極234aにおいて、I
DT電極234aを構成する第1、第2及び第3の分割
IDT電極235a、235b、235cを図面に向か
って左側から235a、235b、235cとしたが、
これは右側からでもかまわない。また、IDT電極23
4aの電極パターンが上下反転してもよい。 IDT電
極234aは第6の実施形態で示した構成のIDT電極
213aでもよい。これらの場合においてはIDT電極
234aは電極構造のみが異なるだけであり、弾性表面
波フィルタの特性は図23と同様の効果が得られる。
【0123】また、IDT電極234aの分割数を3と
したがそれ以外であってもかまわない。IDT電極23
2aの電気端子は平衡型としたが、上部電極あるいは下
部電極のどちらか一方を接地して不平衡型電気端子とし
てもかまわない。その場合には、平衡−不平衡端子を有
する弾性表面波フィルタが構成できる。反射器電極23
2bと233b、232cと233cを電気的に分離し
た構成としたが、両方を接続するとともに接地してもよ
い。さらに、分割IDT電極235a、235b及び2
35cによって構成されるIDT電極234aは、第3
の弾性表面波共振器を構成するものとしたが、これは、
第1の弾性表面波共振器を構成してもかまわないし、あ
るいはその両方であってもよく、その場合には入出力両
方のインピーダンスの制御が可能である弾性表面波フィ
ルタが実現できる。
【0124】本実施の形態8において、IDT電極23
3aはIDT電極232aとその右側の反射器電極23
3cの間隙に設けた電極パターンを介して接地されてい
るとしたが、IDT電極233aとその左側の反射器電
極233aの間隙に設けた電極パターンを介して接地さ
れてもよく、また、IDT電極234aと反射器電極2
34bあるいは234cのどちらか一方の間隙に設けた
電極パターンを介して接地されてもよい。反射器電極2
32bと233bと233c、及び232cと233c
と234cを弾性表面波共振器ごとに電気的に分離した
構成としたが、それぞれを接続するとともに接地しても
よく、さらに、IDT電極233aは、それぞれ反射器
電極232b、232c、233b、233c、234
b、234cのいずれかを介して接地してもよい。ま
た、IDT電極233aをIDT電極232aと同じ構
成の電極構造としてもよく、この場合も、弾性表面波の
伝搬は同様に行われるので、本実施の形態8の弾性表面
波フィルタと同様の特性が得られる。さらに、分割ID
T電極234aは第3の弾性表面波共振器を構成すると
したが、これは、第1の弾性表面波共振器構成してもよ
く、あるいはその両方であってもよく、その場合は入力
側あるいは入出力両方のインピーダンスの制御が可能と
なるものである。また、第1から第3の弾性表面波共振
器は同様の構成としたが、必ずしも同じである必要はな
い。また、本実施の形態8の弾性表面波フィルタを2段
縦続に接続する構成にしてもよく、この場合は帯域外選
択度特性がさらに急峻となる。
【0125】また、本発明における圧電基板としては、
温度特性に優れたSTカット水晶を用いることが好まし
いが、LiTaO3,LiNbO3,Li247,La3
Ga3SiO14等を基板として使用することができる。
また、電極材料としては、膜厚制御の容易な比較的密度
の小さいアルミニウムを用いるのが好ましいが、金電極
の使用も可能である。
【0126】さらに、本発明は、上述した様な弾性表面
波のみでなく、弾性表面波の一種である、すべり波(S
urface Skimming Balk Wav
e)や擬似表面波(Pseudo suface wa
ves)等を利用した共振器にも適用できる。
【0127】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、平衡型入出力構成の実現、及び入出力端子にお
ける平衡型端子のバランス度向上、挿入損失の低減が出
来得ると言う長所を有する。
【0128】又、本発明は、通過帯域の広帯域化、及び
位相、振幅特性の平坦化が出来得ると言う長所を有す
る。
【0129】又、本発明は、所望の入出力インピーダン
スを実現し得ると言う長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
フィルタを示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
フィルタの他の例を示す構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における多段弾性表
面波フィルタを示す構成図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における多段弾性表
面波フィルタの他の例を示す構成図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波
フィルタを示す構成図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波
フィルタの他の例を示す構成図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波
フィルタの他の例を示す構成図。
【図8】本発明の第2の実施の形態における多段弾性表
面波フィルタを示す構成図。
【図9】本発明の第2の実施の形態における多段弾性表
面波フィルタの他の例を示す構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図11】(a)、(b):本発明の第3の実施の形態
における弾性表面波フィルタの動作を説明するための弾
性表面波フィルタの図と励起モード分布図。
【図12】本発明の第3の実施の形態においてW1=W
2=Wとしたときの、弾性表面波の波長λで規格化した
Wの値に対する各モードの共振周波数の特性図。
【図13】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波フィルタの通過特性の比較例を示す代表的実測図。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるW2/W
1に対する共振モード周波数差の実測図。
【図15】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波フィルタの通過特性を示す実測図。
【図16】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波フィルタの他の例を示す構成図。
【図17】本発明の第4の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図18】本発明の第5の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図19】本発明の第5の実施の形態における弾性表面
波フィルタの容量等価回路図。
【図20】本発明の第5の実施の形態における弾性表面
波フィルタの他の例を示す構成図。
【図21】本発明の第6の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図22】本発明の第7の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図23】本発明の第8の実施の形態における弾性表面
波フィルタを示す構成図。
【図24】従来の弾性表面波フィルタの電極パターン
図。
【符号の説明】
11,31,41,51,101 単結晶圧電基板 12a,13a,52a,54a IDT電極 12b,12c,13b,13c 反射器 14 第1のバスバー電
極 14a 第3のバスバー電
極 15 第2のバスバー電
極 15a 第4のバスバー電
極 16a,16b,17a,17b 引き出し電極指 103a 周期構造ストリッ
プライン電極列 166,228 リアクタンス素子 184a 第1の分割IDT
電極 184b 第2の分割IDT
電極 184c 第3の分割IDT
電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石崎 俊雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インタディジタルトランスデューサ電極
    としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した第1
    及び第2の弾性表面波共振器が、それぞれの弾性表面波
    の伝搬方向が互いに平行となる位置に近接配置され音響
    結合された、圧電基板上の弾性表面波フィルターであっ
    て、 前記第1の弾性表面波共振器の第1のIDT電極に含ま
    れる内側のバスバー電極と、前記第2の弾性表面波共振
    器の第2のIDT電極に含まれる内側のバスバー電極と
    が互いに電気的に分離されており、 前記第1のIDT電極は平衡型入力端子と接続されてお
    り、又、前記第2のIDT電極は平衡型出力端子と接続
    されており、 前記平衡型入力端子の一方の端子は、前記第1のIDT
    電極の内側のバスバー電極の少なくとも2箇所から直接
    又は間接的に引出された引き出し電極と電気的に接続さ
    れており、又、前記平衡型出力端子の一方の端子は、前
    記第2のIDT電極の内側のバスバー電極の少なくとも
    2箇所から直接又は間接的に引出された引き出し電極と
    電気的に接続されてバランス動作することを特徴とする
    弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記引出し電極が、前記IDT電極と前
    記反射器電極との間隙に形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記IDT電極と前記反射器電極との間
    隙に形成された2本の前記引出し電極を接続して、前記
    平衡型入力端子の一方の端子または前記平衡型出力端子
    の一方の端子とし、前記IDT電極に含まれる外側のバ
    スバー電極を、前記平衡型入力端子または前記平衡型出
    力端子の他方の端子とすることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記IDT電極と前記反射器電極との間
    隙に形成された2本の引出し電極の間は、前記圧電基板
    上に形成した前記引き出し電極の幅よりも幅広の線路幅
    を有する配線パターンによって接続されており、 前記配線パターンにおいて更に拡張された部位が、前記
    平衡型入力端子の一方の端子又は前記平衡型出力端子の
    一方の端子としての接続ランドであり、 前記IDT電極に含まれる外側のバスバー電極が外方向
    に拡張された部位が、前記平衡型入力端子の他方の端子
    又は前記平衡型出力端子の他方の端子として接続ランド
    であることを特徴とする請求項1、2、または3のいず
    れか一つに記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の弾性表面波フィルタを同
    一圧電基板上に複数段形成し、 前段の前記弾性表面波フィルタの出力側の引出し電極の
    一方を相対する次段の前記弾性表面波フィルタの入力側
    の相対する引出し電極に接続し、前記前段の弾性表面波
    フィルタの出力側の引出し電極の他方を前記次段の弾性
    表面波フィルタの入力側の相対する引出し電極に接続
    し、前記前段の弾性表面波フィルタの残る一つの出力側
    電極と前記次段の弾性表面波フィルタの残る一つの入力
    側電極とが接続されていることを特徴とする多段弾性表
    面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の弾性表面波フィルタを同
    一圧電基板上に複数段形成し、 前段の前記弾性表面波フィルタの出力側の引出し電極の
    一方と相対する次段の前記弾性表面波フィルタの入力側
    の相対する引出し電極とを、又、前記出力側の引出し電
    極の他方と前記次段の弾性表面波フィルタの入力側の相
    対する引出し電極とを、前記引き出し電極の幅よりも幅
    広の第1の段間接続電極によりそれぞれ接続し、 前記前段の弾性表面波フィルタの残る一つの出力電極と
    前記次段の弾性表面波フィルタの残る一つの入力側電極
    とを、前記引き出し電極の幅よりも幅広の第2の段間接
    続電極によりそれぞれ接続し、 初段の弾性表面波フィルタの入力側の2本の引出し電極
    の間は、前記圧電基板上に形成した前記引き出し電極の
    幅よりも幅広の線路幅をもつ配線パターンによって接続
    されており、その配線パターンにおいて更に拡張された
    部位が、前記平衡型入力端子の一方の端子としての接続
    ランドであり、前記初段の弾性表面波フィルタのIDT
    電極に含まれる外側のバスバー電極が外方向に拡張され
    た部位が、前記平衡型入力端子の他方の端子としての接
    続ランドであり、 終段の弾性表面波フィルタの出力側の2本の引出し電極
    の間は、前記圧電基板上に形成した前記引き出し電極幅
    よりも幅広の線路幅をもつ配線パターンによって接続さ
    れており、その配線パターンにおいて更に拡張された部
    位が、前記平衡型出力端子の一方の端子としての接続ラ
    ンドであり、前記終段の弾性表面波フィルタのIDT電
    極に含まれる外側のバスバー電極が外方向に拡張された
    部位が、前記平衡型出力端子の他方の端子として接続ラ
    ンドであることを特徴とする多段弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記第1と第2の段間接続電極間をリア
    クタンス素子を介して接続したことを特徴とする請求項
    6記載の多段弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記第1と第2の段間接続電極の内、一
    方を接地し、他方をリアクタンス素子を介して接地した
    ことを特徴とする請求項6記載の多段弾性表面波フィル
    タ。
  9. 【請求項9】 前記第1の段間接続電極をリアクタンス
    素子を介して接地し、第2の段間接続電極を接地したこ
    とを特徴とする請求項6記載の多段弾性表面波フィル
    タ。
  10. 【請求項10】 弾性表面波を励起させるための第1の
    IDT電極の両側に反射器電極を有する第1の弾性表面
    波共振器と第2のIDT電極の両側に反射器電極を有す
    る第2の弾性表面波共振器とが、それぞれの前記弾性表
    面波の伝搬方向が互いに平行となる位置に近接配置され
    音響的に結合された、圧電基板上の弾性表面波フィルタ
    であって、 前記第1のIDT電極に含まれる内側の第1バスバー電
    極と、前記第2のIDT電極に含まれる内側の第2バス
    バー電極とは、互いに分離され対向配置されており、 前記内側の第1バスバー電極上の少なくとも2箇所から
    引き出された引出し電極同士の電気的接続を利用して構
    成された、平衡型入力端子の内の一方の入力端子と、 前記内側の第2バスバー電極上の少なくとも2箇所から
    引き出された引出し電極同士の電気的接続を利用して構
    成された、平衡型出力端子の内の一方の出力端子とを備
    えてバランス動作することを特徴とする弾性表面波フィ
    ルタ。
  11. 【請求項11】 インタディジタルトランスデューサ電
    極としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した第
    1及び第3の弾性表面波共振器が、それぞれの弾性表面
    波の伝搬方向が平行となる位置に形成されており、 前記第1及び第3の弾性表面波共振器の間に、前記ID
    T電極の電極指交差幅と実質上同一の長さを有する複数
    本のストリップライン電極を前記第1及び第3の弾性表
    面波共振器と同一の電極周期で並行に配置し、それら複
    数本のストリップライン電極の両端部をバスバー電極に
    よって互いに接続した周期構造状電極列からなる第2の
    弾性表面波共振器が形成されており、 前記第1、第2、第3の弾性表面波共振器を近接配置し
    て音響結合させ、前記第1の弾性表面波共振器のIDT
    電極の内側のバスバー電極の両端から外側方向へ向っ
    て、前記両側の反射器電極との間隙に平衡型入力端子の
    一部を構成する第1と第2の引出し電極が形成されてお
    り、 前記第3の弾性表面波共振器のIDT電極の内側のバス
    バー電極の両端から外側方向へ向って、前記両側の反射
    器電極との間隙に平衡型出力端子の一部を構成する第3
    と第4の引出し電極が形成されており、バランス動作す
    ることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記第1の弾性表面波共振器の前記第
    1と第2の引出し電極を接続して平衡型入力端子の一方
    の入力端子とし、 前記第1の弾性表面波共振器のIDT電極の外側のバス
    バー電極を平衡型入力端子の他方の入力端子とし、 前記第3の弾性表面波共振器の前記第3と第4の引出し
    電極を接続して平衡型出力端子の一方の出力端子とし、 第3の弾性表面波共振器のIDT電極の外側のバスバー
    電極を平衡型出力端子の他方の出力端子としたことを特
    徴とする請求項11記載の弾性表面波フィルタ。
  13. 【請求項13】前記第1の弾性表面波共振器の第1と第
    2の引出し電極間を、圧電基板上に形成した前記引き出
    し電極の幅よりも幅広の線路幅を有する配線パターンに
    よって接続し、前記配線パターンの一部をさらに拡張し
    て平衡型入力端子の一方の接続ランドを形成し、前記第
    1の弾性表面波共振器のIDT電極の外側のバスバー電
    極を外方向に拡張して平衡型入力端子の他方の接続ラン
    ドを形成し、 前記第3の弾性表面波共振器の第3と第4の引出し電極
    間を、圧電基板上に形成した前記引き出し電極の幅より
    も幅広の線路幅を有する配線パターンによって接続し、
    前記配線パターンの一部をさらに拡張して平衡型出力端
    子の一方の接続ランドを形成し、前記第3の弾性表面波
    共振器のIDT電極の外側のバスバー電極を外方向に拡
    張して平衡型出力端子の他方の接続ランドが形成されて
    いることを特徴とする請求項11または12記載の弾性
    表面波フィルタ。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の弾性表面波フィルタ
    を同一圧電基板上に複数段形成し、前段の前記弾性表面
    波フィルタの前記第3及び第4の引出し電極を相対する
    次段の前記弾性表面波フィルタの前記第1及び第2の引
    出し電極にそれぞれ接続し、前記前段の弾性表面波フィ
    ルタの残りの出力側電極と前記次段の弾性表面波フィル
    タの残りの入力側電極とが接続されていることを特徴と
    する多段弾性表面波フィルタ。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の弾性表面波フィルタ
    を同一圧電基板上に複数段形成し、 前段の前記弾性表面波フィルタの第3及び第4の引出し
    電極と相対する次段の前記弾性表面波フィルタの第1及
    び第2の引出し電極とを、前記引き出し電極の幅よりも
    幅広の、前記圧電基板上の第1の段間接続電極により接
    続し、 前記前段と次段の今一つの出力側電極と入力側電極と
    を、前記引き出し電極の幅よりも幅広の、前記圧電基板
    上の第2の段間接続電極により接続し、 初段の弾性表面波フィルタの第1と第2の引出し電極間
    を、前記圧電基板上に形成した前記引き出し電極の幅よ
    りも幅広の線路幅をもつ配線パターンによって接続し、
    その配線パターンの一部をさらに拡張して平衡型入力端
    子の一方の接続ランドを形成し、前記初段の弾性表面波
    フィルタのIDT電極の外側のバスバー電極を外方向に
    拡張することにより平衡型入力端子の他方の接続ランド
    を形成し、 終段の弾性表面波フィルタの第3と第4の引出し電極間
    を、前記圧電基板上に形成した前記引き出し電極の幅よ
    りも幅広の線路幅をもつ配線パターンによって接続し、
    その配線パターンの一部をさらに拡張して平衡型出力端
    子の一方の接続ランドを形成し、前記終段の弾性表面波
    フィルタのIDT電極の外側のバスバー電極を外方向に
    拡張することにより平衡型出力端子の他方の接続ランド
    が形成されていることを特徴とする多段弾性表面波フィ
    ルタ。
  16. 【請求項16】 前記第1と第2の段間接続電極間をリ
    アクタンス素子を介して接続したことを特徴とする請求
    項15記載の多段弾性表面波フィルタ。
  17. 【請求項17】 前記第1と第2の段間接続電極の内、
    一方を接地し、他方をリアクタンス素子を介して接地し
    たことを特徴とする請求項15記載の多段弾性表面波フ
    ィルタ。
  18. 【請求項18】 前記第1の段間接続電極をリアクタン
    ス素子を介して接地し、第2の段間接続電極を接地した
    ことを特徴とする請求項15記載の多段弾性表面波フィ
    ルタ。
  19. 【請求項19】 前記第2の弾性表面波共振器は、前記
    第1及び第3の弾性表面波共振器と実質上同一形状の、
    IDT電極の両側に反射器電極を具備した構造であり、
    前記IDT電極が接地されていることを特徴とする請求
    項11から13の何れか一つに記載の弾性表面波フィル
    タ。
  20. 【請求項20】 前記第2の弾性表面波共振器は、前記
    第1及び第3の弾性表面波共振器と実質上同一形状の、
    IDT電極の両側に反射器電極を具備した構造であり、
    前記IDT電極が接地されていることを特徴とする請求
    項14から18の何れか一つに記載の多段弾性表面波フ
    ィルタ。
  21. 【請求項21】 弾性表面波を励起させるための第1の
    電極の両側に反射器電極を有する第1の弾性表面波共振
    器と第3の電極の両側に反射器電極を有する第3の弾性
    表面波共振器とが、それぞれの前記弾性表面波の伝搬方
    向が互いに平行となる位置に配置された、圧電基板上の
    弾性表面波フィルタであって、 前記第1の電極に含まれる第1のバスバー電極と、前記
    第3の電極に含まれる第3のバスバー電極とは、互いに
    分離され対向配置されており、 前記対向する第1のバスバー電極と第3のバスバー電極
    との間に、複数のストリップライン電極と、それら複数
    のストリップライン電極の両端部の内、一方の端部同士
    を接続する電極と、他方の端部同士を接続する電極とを
    有する第2の弾性表面波共振器が形成されており、 前記第2の弾性表面波共振器に対して、前記第1の弾性
    表面波共振器、及び前記第3の弾性表面波共振器が、そ
    れぞれ近接配置され、音響結合されており、 前記第1のバスバー電極上の少なくとも2箇所から引き
    出された引出し電極同士の電気的接続を利用して構成さ
    れた、平衡型入力端子の内の一方の入力端子と、 前記第3のバスバー電極上の少なくとも2箇所から引き
    出された引出し電極同士の電気的接続を利用して構成さ
    れた、平衡型出力端子の内の一方の出力端子とを備えて
    バランス動作をすることを特徴とする弾性表面波フィル
    タ。
  22. 【請求項22】 インタディジタルトランスデューサ電
    極としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した第
    1及び第3の弾性表面波共振器が、圧電基板上に、それ
    ぞれの弾性表面波の伝搬方向が互いに平行となる位置に
    形成されており、前記第1及び第3の弾性表面波共振器
    の間に、複数本のストリップライン電極が前記第1及び
    第3の弾性表面波共振器と同一の電極周期で並行に配置
    され、前記複数本のストリップライン電極がバスバー電
    極によって互いに接続された周期構造状電極列を有する
    第2の弾性表面波共振器が形成されており、前記第1及
    び第3の弾性表面波共振器と前記第2の弾性表面波共振
    器とは近接配置されて音響結合されており、前記弾性表
    面波共振器間の隣接するバスバー電極は電気的に分離さ
    れていると共に、前記第2の弾性表面波共振器の周期構
    造電極を全て接地した弾性表面波フィルタであって、 前記第1及び第3の弾性表面波共振器を構成する前記I
    DT電極の電極指交差幅をW1とし、前記第2の弾性表
    面波共振器を構成する前記周期構造状電極列のストリッ
    プライン長をW2とした場合、前記W1とW2の相対寸
    法が1≦W2/W1に設定されていることを特徴とする
    弾性表面波フィルタ。
  23. 【請求項23】 インタディジタルトランスデューサ電
    極としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した第
    1、第2及び第3の弾性表面波共振器が、圧電基板上
    に、それぞれの弾性表面波の伝搬方向が互いに平行とな
    る位置に近接配置して音響結合させ、前記弾性表面波共
    振器間の隣接するバスバー電極は電気的に分離されてい
    ると共に、前記第1及び第3の間に設けられた前記第2
    の弾性表面波共振器の前記IDT電極を全て接地した弾
    性表面波フィルタであって、 前記第1及び第3の弾性表面波共振器を構成する前記I
    DT電極の電極指交差幅をW1とし、前記第2の弾性表
    面波共振器の前記IDT電極の電極指交差幅をW2とし
    た場合、前記W1とW2の相対寸法が1≦W2/W1に
    設定されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  24. 【請求項24】 W1とW2の相対寸法が1≦W2/W
    1≦1.3に設定されたことを特徴とする請求項22ま
    たは23記載の弾性表面波フィルタ。
  25. 【請求項25】 請求項22または23記載の弾性表面
    波フィルタが、圧電基板上に形成された第1及び第2の
    段間接続電極パターンによって複数個縦続接続されたこ
    とを特徴とする多段弾性表面波フィルタ。
  26. 【請求項26】 第1及び第2の段間接続電極パターン
    のうち、一方が直接接地され、他方がリアクタンス素子
    を介して接地されたことを特徴とする請求項25記載の
    多段弾性表面波フィルタ。
  27. 【請求項27】 前段の前記弾性表面波フィルタの第1
    の弾性表面波共振器電極が平衡型入力端子に接続され、
    後段の前記弾性表面波フィルタの第3の弾性表面波共振
    器電極が平衡型出力端子に接続されていることを特徴と
    する請求項25記載の多段弾性表面波フィルタ。
  28. 【請求項28】 インタディジタルトランスデューサ電
    極としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した弾
    性表面波共振器を、それぞれの弾性表面波の伝搬方向が
    互いに平行となる位置に少なくとも2個近接配置して音
    響結合させた、圧電基板上の弾性表面波フィルタであっ
    て、 少なくとも1個の前記IDT電極に含まれる複数の電極
    指の内、隣接する少なくとも一対の電極指が逆相関係に
    あり、かつ前記複数の電極指は、それぞれの電荷が互い
    に打ち消し合わないように接続されていることを特徴と
    する弾性表面波フィルタ。
  29. 【請求項29】 前記IDT電極は、内側のバスバー電
    極と外側のバスバー電極を有し、 前記一対の電極指が逆相関係にあるとは、(1)その一
    対の電極指間のピッチが(m+1/2)xλであり(こ
    こで、m=0,1,2,3,・・・、λは励起された弾
    性表面波の波長である)、且つ、それらの電極指の何れ
    もが、前記内側のバスバー電極と接続されているか、又
    は、(2)その一対の電極指間のピッチが(m+1/
    2)xλであり、且つ、前記外側のバスバー電極と接続
    されているか、又は、(3)その一対の電極指間のピッ
    チが(m+1)xλであり、且つ、それらの電極指の
    内、一方の電極指が前記内側のバスバー電極と接続され
    ており、且つ、他方の電極指が前記外側のバスバー電極
    と接続されている関係にあることであることを特徴とす
    る請求項28記載の弾性表面波フィルタ。
  30. 【請求項30】 前記少なくとも1個のIDT電極は、
    第1、第2、および第3の分割IDT電極により構成さ
    れており、 前記第1の分割IDT電極と前記第2の分割IDT電極
    とが隣接する部位の一対の電極指は前記逆相関係にあ
    り、且つ、前記第2の分割IDT電極と前記第3の分割
    IDT電極とが隣接する部位の一対の電極指は同相関係
    にあり、更に、前記第1の分割IDT電極の外側のバス
    バー電極と前記第2の分割IDT電極の内側のバスバー
    電極とが接続され、且つ前記第2の分割IDT電極の外
    側のバスバー電極と前記第3の分割IDT電極の外側の
    バスバー電極とが接続されていることを特徴とする請求
    項28記載の弾性表面波フィルタ。
  31. 【請求項31】 前記第1、第2及び第3の分割IDT
    電極は、前記少なくとも1個のIDT電極が有するバス
    バー電極の分かれ目を基準としてグループ分けされてお
    り、 前記一対の電極指が同相関係にあるとは、(1)その一
    対の電極指間のピッチが(m+1/2)xλであり(こ
    こで、m=0,1,2,3,・・・、λは励起された弾
    性表面波の波長である)、且つ、それらの電極指の内、
    一方の電極指が前記内側のバスバー電極と接続されてお
    り、且つ、他方の電極指が前記外側のバスバー電極と接
    続されている関係にあるか、又は、(2)その一対の電
    極指間のピッチが(m+1)xλであり、且つ、それら
    の電極指の何れもが、前記内側のバスバー電極と接続さ
    れているか、又は、(3)その一対の電極指間のピッチ
    が(m+1)xλであり、且つ、前記外側のバスバー電
    極と接続されている関係にあることであることを特徴と
    する請求項30記載の弾性表面波フィルタ。
  32. 【請求項32】 前記少なくとも1個のIDT電極は、
    第1、第2、および第3の分割IDT電極により構成さ
    れており、 前記第1の分割IDT電極と前記第2の分割IDT電極
    とが隣接する部位の一対の電極指は前記逆相関係にあ
    り、且つ、前記第2の分割IDT電極と前記第3の分割
    IDT電極とが隣接する部位の一対の電極指は同相関係
    にあり、更に、前記第1の分割IDT電極の内側のバス
    バー電極と前記第2の分割IDT電極の外側のバスバー
    電極とが接続され、且つ前記第2の分割IDT電極の内
    側のバスバー電極と前記第3の分割IDT電極の内側の
    バスバー電極とが接続されていることを特徴とする請求
    項28記載の弾性表面波フィルタ。
  33. 【請求項33】 インタディジタルトランスデューサ電
    極としてのIDT電極の両側に反射器電極を具備した弾
    性表面波共振器を、それぞれの弾性表面波の伝搬方向が
    互いに平行となる位置に少なくとも2個近接配置して音
    響結合させた、圧電基板上の弾性表面波フィルタであっ
    て、 少なくとも1個の前記IDT電極に含まれる複数の電極
    指における、何れの隣接する一対の電極指も同相関係に
    あり、かつ前記複数の電極指は、それぞれの電荷が互い
    に打ち消し合わないように接続されており、 前記少なくとも1個のIDT電極は、第1、第2、およ
    び第3の分割IDT電極により構成されており、 前記第1の分割IDT電極の内側のバスバー電極と前記
    第2の分割IDT電極の内側のバスバー電極とが接続さ
    れ、且つ前記第2の分割IDT電極の外側のバスバー電
    極と前記第3の分割IDT電極の外側のバスバー電極と
    が接続されていることを特徴とする弾性表面波フィル
    タ。
  34. 【請求項34】 前記一対の電極指が同相関係にあると
    は、(1)その一対の電極指間のピッチが(m+1/
    2)xλであり(ここで、m=0,1,2,3,・・
    ・、λは励起された弾性表面波の波長である)、且つ、
    それらの電極指の内、一方の電極指が前記内側のバスバ
    ー電極と接続されており、且つ、他方の電極指が前記外
    側のバスバー電極と接続されている関係にあるか、又
    は、(2)その一対の電極指間のピッチが(m+1)x
    λであり、且つ、それらの電極指の何れもが、前記内側
    のバスバー電極と接続されているか、又は、(3)その
    一対の電極指間のピッチが(m+1)xλであり、且
    つ、前記外側のバスバー電極と接続されている関係にあ
    ることであることを特徴とする請求項33記載の弾性表
    面波フィルタ。
  35. 【請求項35】 前記分割IDT電極により構成される
    IDT電極の電気端子が平衡型となっていることを特徴
    とする請求項30〜33の何れか一つに記載の弾性表面
    波フィルタ。
  36. 【請求項36】 前記第2の分割IDT電極の前記内側
    の電極と前記外側の電極をそれぞれ平衡型の正と負の電
    気端子に接続し、前記第1および前記第3の分割IDT
    電極における、前記正と負の電気端子のいずれにも接続
    されていない方の電極を接地することを特徴とする請求
    項30〜33の何れか一つに記載の弾性表面波フィル
    タ。
  37. 【請求項37】 前記分割IDT電極の分割比を変える
    ことにより、前記IDT電極の総容量を可変とし、入出
    力のインピーダンスを制御することを特徴とする請求項
    28記載の弾性表面波フィルタ。
  38. 【請求項38】 IDT電極の両側に反射器電極を具備
    した弾性表面波共振器を、それぞれの弾性表面波の伝搬
    方向が互いに平行となる位置に2個近接配置して音響結
    合させた弾性表面波フィルタが複数段、段間接続電極パ
    ターンによって縦続接続された、圧電基板上の多段弾性
    表面波フィルタであって、 前記多段弾性表面波フィルタの最上段と最下段のIDT
    電極の少なくとも一方のIDT電極に含まれる複数の電
    極指の内、隣接する少なくとも一対の電極指が逆相関係
    にあり、かつ前記複数の電極指は、それぞれの電荷が互
    いに打ち消し合わないように接続されていることを特徴
    とする多段弾性表面波フィルタ。
  39. 【請求項39】 前記少なくとも一方のIDT電極は、
    第1、第2、および第3の分割IDT電極により構成さ
    れており、 前記第1の分割IDT電極と前記第2の分割IDT電極
    とが隣接する部位の一対の電極指は前記逆相関係にあ
    り、且つ、前記第2の分割IDT電極と前記第3の分割
    IDT電極とが隣接する部位の一対の電極指は同相関係
    にあり、更に、前記第1の分割IDT電極の外側のバス
    バー電極と前記第2の分割IDT電極の内側のバスバー
    電極とが接続され、且つ前記第2の分割IDT電極の外
    側のバスバー電極と前記第3の分割IDT電極の外側の
    バスバー電極とが接続されていることを特徴とする請求
    項38記載の多段弾性表面波フィルタ。
  40. 【請求項40】 前記少なくとも一方のIDT電極は、
    第1、第2、および第3の分割IDT電極により構成さ
    れており、 前記第1の分割IDT電極と前記第2の分割IDT電極
    とが隣接する部位の一対の電極指は前記逆相関係にあ
    り、且つ、前記第2の分割IDT電極と前記第3の分割
    IDT電極とが隣接する部位の一対の電極指は同相関係
    にあり、更に、前記第1の分割IDT電極の内側のバス
    バー電極と前記第2の分割IDT電極の外側のバスバー
    電極とが接続され、且つ前記第2の分割IDT電極の内
    側のバスバー電極と前記第3の分割IDT電極の内側の
    バスバー電極とが接続されていることを特徴とする請求
    項38記載の多段弾性表面波フィルタ。
  41. 【請求項41】 IDT電極の両側に反射器電極を具備
    した弾性表面波共振器を、それぞれの弾性表面波の伝搬
    方向が互いに平行となる位置に2個近接配置して音響結
    合させた弾性表面波フィルタが複数段、段間接続電極パ
    ターンによって縦続接続された、圧電基板上の多段弾性
    表面波フィルタであって、 前記多段弾性表面波フィルタの最上段と最下段のIDT
    電極の少なくとも一方のIDT電極に含まれる複数の複
    数の電極指における、何れの隣接する一対の電極指も同
    相関係にあり、かつ前記複数の電極指は、それぞれの電
    荷が互いに打ち消し合わないように接続されており、 前記少なくとも一方のIDT電極は、第1、第2、およ
    び第3の分割IDT電極により構成されており、 前記第1の分割IDT電極の内側のバスバー電極と前記
    第2の分割IDT電極の内側のバスバー電極とが接続さ
    れ、且つ前記第2の分割IDT電極の外側のバスバー電
    極と前記第3の分割IDT電極の外側のバスバー電極と
    が接続されていることを特徴とする多段弾性表面波フィ
    ルタ。
  42. 【請求項42】 前記分割IDT電極により構成される
    IDT電極の電気端子が平衡型となっていることを特徴
    とする請求項39〜41の何れか一つに記載の多段弾性
    表面波フィルタ。
  43. 【請求項43】 前記第2の分割IDT電極の前記内側
    の電極と前記外側の電極をそれぞれ平衡型の正と負の電
    気端子に接続し、前記第1および前記第3の分割IDT
    電極における、前記正と負の電気端子のいずれにも接続
    されていない方の電極を接地することを特徴とする請求
    項39〜41の何れか一つに記載の多段弾性表面波フィ
    ルタ。
  44. 【請求項44】 前記段間接続電極パターンが複数設け
    られており、それらの一方を接地し、他方をリアクタン
    ス素子を介して接地したことを特徴とする請求項42又
    は43に記載の多段弾性表面波フィルタ。
  45. 【請求項45】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器電極を具備した弾性表面波共振器を、それぞれの弾
    性表面波の伝搬方向が互いに平行となる位置に3個近接
    配置して音響結合させた弾性表面波フィルタであって、 前記3個の弾性表面波共振器の内、中央に配置された前
    記弾性表面波共振器を構成するIDT電極を全て電気的
    に接地すると共に、外側に配置された前記弾性表面波共
    振器を構成するIDT電極を電気的に独立させ、更に、
    前記外側に配置された弾性表面波共振器の少なくとも一
    方の弾性表面波共振器のIDT電極に含まれる複数の電
    極指の内、隣接する少なくとも一対の電極指が逆相関係
    にあり、かつ前記複数の電極指は、それぞれの電荷が互
    いに打ち消し合わないように接続されていることを特徴
    とする弾性表面波フィルタ。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の弾性表面波フィル
    タが複数段、圧電基板上に形成された複数の段間接続電
    極パターンによって縦続接続されていることを特徴とす
    る多段弾性表面波フィルタ。
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