JPH10259610A - 場所打ち杭の周辺強化方法 - Google Patents

場所打ち杭の周辺強化方法

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JPH10259610A
JPH10259610A JP6478397A JP6478397A JPH10259610A JP H10259610 A JPH10259610 A JP H10259610A JP 6478397 A JP6478397 A JP 6478397A JP 6478397 A JP6478397 A JP 6478397A JP H10259610 A JPH10259610 A JP H10259610A
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JP6478397A
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Tatsuo Ito
達男 伊藤
Sakae Nakai
栄 中井
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Mitsui Construction Co Ltd
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Mitsui Construction Co Ltd
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  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削によって周辺地山が緩み、泥水によるマ
ッドケーキが孔壁に対するコンクリートの付着力を弱
め、杭の耐力を低下させていた。 【解決手段】 泥水工法で掘削して水中コンクリートを
打設した掘削孔4の孔壁に対して、掘削孔4内を昇降可
能で半径方向へ拡縮径可能な載荷部材を備えた載荷装置
3により、打設した水中コンクリートを孔壁側へ押圧し
て周辺地山を締め固める。 【効果】 周辺地山に対して打設コンクリートの孔壁へ
の付着を阻害するマッドケーキを破壊した状態で強固に
締め固めを行うことができ、各深度毎に載荷板に対する
荷重度及び変位量を計測して施工中の杭耐力を推定でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の基礎とな
る場所打ち杭の構築に際し、例えばリバースサーキュレ
ーション工法やアースドリル工法等のように、スタンド
パイプ以外にはケーシングチューブを用いないノーケー
シング工法による場所打ちコンクリート杭における杭周
辺の強化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のノーケーシング工法による場所
打ち杭の構築では、泥水と必要に応じて安定液を用いた
泥水圧で孔壁を維持安定させる泥水工法で掘削した掘削
孔に、鉄筋籠を建て込んでトレミー菅などを介して孔底
側から順次水中コンクリートを打ち込み、この水中コン
クリートを泥水と置換させながら所望の長さのコンクリ
ート杭を造成する。
【0003】前記ノーケーシング工法は、杭の長さを自
由に選定できること、造成する際における騒音の発生が
少ないこと、等の既成杭やオールケーシングの場所打ち
杭では得られない長所がある。
【0004】然し、泥水圧や安定液の管理を適切に行わ
ないと、周辺地山が緩んで孔壁崩壊の恐れがあること、
掘削によって周辺地山の応力が開放された状態で水中コ
ンクリートの打設を行うので、杭周辺の摩擦による地盤
支持力が充分に得られ難いこと、周辺地山との境界面に
形成される不透水性のマッドケーキ(泥膜)が、当該周
辺地山に対する打設コンクリートの付着を阻害し、特に
杭の鉛直方向(押し込み、引き抜き)の耐力を著しく低
下させる恐れがあこと、等の欠点も併せ持っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、前
記したような従来技術における課題を解決し得る場所打
ち杭の周辺強化方法を提案するものであり、その主な目
的は、杭周辺の地山を効果的に締め固め且つ打設したコ
ンクリートの付着を良好にして地盤の支持力を増強さ
せ、杭の鉛直方向(押し込み、引き抜き)の耐力及び水
平方向の耐力を増加させることである。
【0006】また本発明の他の目的は、打設コンクリー
トが充分な地盤支持力で周辺地山に接合されて、所望な
杭の耐力が得られているか否かについては、従来は構築
した後の杭に対して莫大な費用をかけて載荷試験を行わ
ないと確認できなかったが、これを簡便で安価な装置を
用いて各深度毎に締め固めた際における地盤支持力を確
認しながら締め固めを行うことにより、改めて載荷試験
を行うことなく施工中の杭の耐力が推定できるようにす
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明による場所打ち杭の周辺強化方法では、泥水
工法で掘削して水中コンクリートを打設した掘削孔の孔
壁に対して、掘削孔内を昇降可能で半径方向へ拡縮径可
能な載荷部材を備えた載荷装置により、打設した水中コ
ンクリートを孔壁側へ押圧して周辺地山を締め固めるよ
うにした。
【0008】これにより、周辺地山はコンクリートを介
して締め固められるが、その際にコンクリートの流動成
分は一部が載荷部材の上下へ流出して残った流動成分と
骨材を介して周辺地山が押圧され、骨材がマッドケーキ
を破壊して一部骨材が地山中に食い込んだ状態で締め固
めが行われた後、載荷部材の後退によって押圧力を解除
すると一旦流出していた流動成分が復元するので、掘削
によって緩んでいた周辺地山が締め固められると共に、
マッドケーキの破壊によって地山に対するコンクリート
の付着力が増強される。
【0009】また、前記載荷装置に深度と荷重度及び変
位量の各計測手段を設け、各深度毎に締め固めた際にお
ける地盤の支持状態を荷重度及び変位量として計測しな
がら締め固めを行うようにすると、これらの計測値に基
づく演算処理によって施工中の杭の耐力が推定できるの
で、従来技術のように膨大な費用をかけた行う載荷試験
を省略することが可能である。
【0010】前記載荷装置は、環状の内枠板に対して流
体圧力で半径方向へ拡縮径する載荷部材を備え、この流
体圧力によって前記荷重度を計測すると共に、内枠板に
対する載荷部材の距離によって前記変位量を計測するこ
とが望ましく、特に前記載荷装置として、可撓性部材で
ドーナツ状に形成した空気室を備えた空気ばね構造を使
用すると、狭い空間に対しても載荷装置を容易に設置で
きると共に、変位量を計測するセンサを泥水中に晒すこ
とのない空気室内に装着できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による場所打ち杭
の周辺強化方法の好適な実施形態について、添付した図
1〜8の図面を参照して詳しく説明すると、図1は、本
発明が適用された場所打ち杭の周辺強化方法の実施に使
用する施工装置の構成の概要を示すものであり、地上に
設置した昇降装置1から吊りワイヤ2を介して載荷装置
3が掘削孔4へ昇降移動可能に縣吊させると共に、載荷
装置3は流体用ホース5を介して地上に設置した流体圧
ポンプ(油圧ポンプ又は空気圧ポンプ)6と、信号用ケ
ーブル7を介して地上に設置した信号処理装置8に、そ
れぞれ接続されている。
【0012】掘削孔4は、図2で示すように開口側へス
タンドパイプ(表層ケーシング)9を設置し、ベントナ
イト等の安定液を混合した泥水10を充填して孔壁の崩
壊を防止した状態で、公知の泥水工法によって所定深度
まで掘削され、一次スライム処理を行った後に掘削孔4
内へ鉄筋籠11を建て込み、この鉄筋籠11をガイドと
してその外周囲に沿って載荷装置3を孔底側へ吊り下ろ
し、トレミー菅12を用いて水中コンクリートが打設さ
れる。
【0013】水中コンクリートが打設された掘削孔4の
孔壁は、図3(a)で示すように掘削によって応力が開
放されて緩んだ周辺地山13の表面には、泥水10中の
ベントナイトやシルト成分によって生成されたマッドケ
ーキ14が被着され、このマッドケーキ14を介して骨
材15を含む水中コンクリートが存在し、緩んだ周辺地
山13とマッドケーキ14とが、前記した理由によって
地盤の支持力及び杭の耐力を阻害していた。
【0014】そこで、図3(b)で示すように載荷装置
3に装着した半径方向へ拡縮径可能な載荷部材16によ
って、打設した水中コンクリートを孔壁側へ押圧する
と、コンクリートの流動成分は一部が載荷部材16の上
下へ流出して残った流動成分と骨材を介して周辺地山が
押圧され、骨材15がマッドケーキ14を破壊して一部
骨材が周辺地山13中に食い込んだ状態で締め固めが行
われた後、載荷部材16の後退によって押圧力を解除す
ると一旦流出していた流動成分が復元し、掘削によって
緩んでいた周辺地山13が締め固められると共に、マッ
ドケーキ14の破壊によって孔壁に対するコンクリート
の付着力が増強される。
【0015】載荷装置3として各種の構造が想定でき且
つ使用が可能であるが、泥水10中で作動させるものな
ので、錆などの発生で動作不良になったり、漏電の危険
性のあるもの等は避ける必要があり、これらの点を勘案
すると例えば図4に示すような、可撓性部材でドーナツ
状に形成した空気室を備えた空気ばね構造を用いて空気
圧で半径方向へ拡縮径させる構造が望ましい。
【0016】載荷装置3は、金属又は硬質合成樹脂材に
よって環状に形成された内枠板17を備え、内枠板17
の外周にはダイヤフラム(図示のもの)又は上下を蛇腹
状にしたベローズ(図示せず)で形成した拡縮径可能な
載荷部材16を例えば押さえバンド19を介して密封状
に被着し、内枠板17と載荷部材16の間に形成される
ドーナツ状の空気室20を内枠板17に穿設した空気出
入り口20aと連通させ、この空気出入り口20aに前
記流体用ホース5を接続して流体圧ポンプ6から空気圧
が給排気されるようにしている。
【0017】また載荷装置3には、空気室20内におけ
る内枠板17の外周面に変位センサ21Aを設けて拡縮
径する載荷部材16の変位を計測し、その電気信号を地
上に設置した信号処理装置8に信号用ケーブル7を介し
て伝送し、載荷部材16に載荷される荷重度を計測する
荷重センサ21Aとして流体圧ポンプ6から空気室20
に給排気される空気圧を流体用ホース5に圧力計を設
け、その電気信号を地上に設置した信号処理装置8に信
号用ケーブル7を介して伝送する構成を設ける。
【0018】更には、載荷装置3は上端側に吊りワイヤ
2に対する適宜な係止手段18を設け、昇降装置1によ
って掘削孔4内を昇降移動できるように構成されるが、
掘削孔4内に建て込んだ鉄筋籠11をガイドとしてその
外周に沿って昇降させると、載荷装置3が動揺して孔壁
を損傷させたりすることがなく、安全且つ容易に昇降移
動させることができるので、それに適合するように内枠
板17の内径を設定しておくことが望ましく、載荷装置
3の深度は深度センサ21Cとして吊りワイヤ2の繰出
し長さを計測する等の公知手段によって計測される。
【0019】なお、前記載荷部材16には伸縮可能な可
撓性を備えたゴム材又は軟質合成樹脂材を用いるが、比
較的大きな荷重が載荷されるので、例えば自動車のチュ
ーブのように柔軟性のあるものよりも、自動車のタイヤ
のようにある程度の剛性を備えたものが望ましい。
【0020】次に、図5では載荷装置のその他の実施形
態を例示するが、これらの載荷装置3A,3B,3Cは
前記載荷装置3に比べると、適当な防水及び防錆手段を
必要とする場合があること、載荷部材を全周状に設けて
均等に載荷することが容易でないこと、載荷部材が拡縮
径される可動域が狭い場合には装着が困難であること等
の点では不利ではあるが、本発明の主要な目的を達成す
ることが可能な形態であり、以下にその概要を説明す
る。
【0021】図5(a)で示す載荷装置3Aは、環状の
内枠板22の外周側に適宜数の流体圧ジャッキ(例えば
油圧ジャッキ)23を設けてその先端に板状の載荷部材
24を装着したものであり、流体用ホース5を介して流
体圧ポンプ6から供給された流体圧で流体圧ジャッキ2
3を伸縮させ、載荷部材24によって前記実施形態と同
様に周辺地山13に対する締め固めを行うと共に、載荷
部材24の変位は内枠板22との間に変位センサ21B
(図示せず)を設けて計測し、載荷部材16の荷重度は
流体圧ジャッキ23を駆動する流体圧を先の実施形態と
同様の荷重センサ21Aによって計測する。
【0022】図5(b)で示す載荷装置3Bは、テーパ
面26aを備えた可動板26を環状の内枠板25の外周
側に配置し、一端側を内枠板25に取り付けた流体圧ジ
ャッキ27の他端側を可動板26に連結させ、内枠板2
5にはテーパ面28aを備えた載荷部材28を半径方向
へ移動可能に取り付け、このテーパ面26aがテーパ面
28aと衝合する態様で可動板26の外周に載荷部材2
8を配置し、流体圧ジャッキ27を作動して可動板26
を内枠板25上で摺動させると、テーパ面28aがテー
パ面26aを摺動しながら楔作用で載荷部材28を仮想
線のように押し上げ、これにより周辺地山13に対する
締め固めを行うと共に、載荷部材28の変位は内枠板2
5との間に変位センサ21B(図示せず)を設けて計測
し、載荷部材28の荷重度は流体圧ジャッキ27を駆動
する流体圧を先の実施形態と同様の荷重センサ21Aに
よって計測する。
【0023】図5(c)で示す載荷装置3Cは、環状の
内枠板29の外周側に平行リンク機構30を設け、平行
リンク機構30の内枠板29と平行なリンク辺を載荷部
材31にすると共に、平行なリンク辺の一方の枢着部と
内枠板29の間に平行リンク機構30を起伏作動させる
流体圧ジャッキ32を連結させたものであり、流体圧ジ
ャッキ32を作動して可動板32により周辺地山13に
対する締め固めを行うと共に、載荷部材31の変位は内
枠板29との間に変位センサ21B(図示せず)を設け
て計測し、載荷部材32の荷重度は流体圧ジャッキ32
を駆動する流体圧を先の実施形態と同様の荷重センサ2
1Aによって計測する。
【0024】これらの載荷部材で孔壁を載荷すると、載
荷部材と周辺地山の間に介在されたコンクリートが圧縮
され、粗骨材に対する過剰なモルタル分が絞り出されて
載荷面から一旦流出すると共に、掘削によって緩んでい
た周辺地山も押圧によって次第に復元するので、所定深
度における荷重度と変位量の関係は図6(a)で示すよ
うに、初期段階の領域では急激に変化していた変位量
は静止土圧P0に達した以降の領域では、ほぼ直線状
に僅かずつ減少する弾性的な挙動を示し、塑性点に達す
ると時間の経過と共に変形及び歪みが増大する(クリー
プ)の領域になり、荷重度を上げると地盤は降伏から
破壊に到る。
【0025】従って、載荷部材による地盤強化は少なく
とも領域に到達しない領域内で行うことが望まし
く、そのためには静止土圧P0に基づいて載荷時におけ
る地盤の変形係数Ebを確認する必要があるが、この場
合に静止土圧P0に達した以降の領域における荷重度
と変位量の関係は推定が可能でも、領域における静止
土圧P0までの変位量は、地盤の緩み度合いによって異
なるので推定が不能である。
【0026】そこで、図6(a)における荷重度と変位
量の関係に基づいて地盤の変位係数Ebを求める場合に
は、同図で最初の曲線が直線に変化している領域から
領域に移行する点における荷重度が静止土圧P0であ
るから、荷重度と変位量との関係を表す数1の式1を式
2のように2重微分すると、領域は図6(b)で示す
ように荷重度が略0(ゼロ)となって変化しない領域と
して表すことができるので、これにより静止土圧P0を
求めることができ、静止土圧P0が判れば数2の式3に
よって所定深度における地盤の変形係数Ebを算出でき
ると共に、この変形係数Ebを掘削孔の各深度毎に求め
て図7のように分布図を描くと、掘削孔に打設したコン
クリート杭の耐力の推定その他に活用することができ
る。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】本発明では、載荷装置に装着させた荷重セ
ンサ21Aと変位センサ21B及び深度計21Cの計測
値を用いて、前記理論に基づく変形係数Ebの算出を自
動的に行うと共に、載荷部材による載荷が掘削孔の周辺
地山の性状に応じて適正に行われるようにするものであ
り、これを実施するために例えば図8で概略のブロック
図を示すような信号処理装置8を使用している。
【0030】この信号処理装置8は、計算などのデータ
処理や入出力を制御する制御部及び演算部に加えて、計
算や制御に必要なプログラム及びデータなどを格納して
必要に応じ読み書きする記憶手段などを備えたCPU
(中央処理装置)と、CPUに対してデータやプログラ
ム或いは指示などを入力するキーボードやマウスなどの
入力装置と、計算や制御に必要なプログラム及びデータ
を格納してCPUとの間で授受するフロッピィディスク
やMOディスクなどの外部記憶装置と、必要な情報をC
RT上に表示するディスプレイと、必要な情報を紙に印
刷するプリンタによって構成されている。
【0031】CPU及び又は外部記憶装置には、前記式
1〜3の計算式と、標準的なデータの離散数値に基づく
図6及び図7の図表と、荷重センサ12Aと変位センサ
12B及び深度計12Cで計測した実測データを格納す
るテーブルと、入力データに基づいて前記変位量や変形
係数を算出してその結果を記憶し且つ必要に応じてディ
スプレイ上に表示させたりプリンタで印刷する一連のプ
ログラムを設定させておくと共に、実測データと標準的
なデータとの比較差によって前記載荷装置を所望に制御
するプログラムも設定させておき、入力装置によって前
記プログラムの実行を指令したりデータ及びプログラム
の修正を行う。
【0032】従って、荷重装置3の各計器21A,21
B,21Cで計測した載荷時における実測データが信号
処理装置8に入力されると、これらのデータに基づいて
掘削孔4の所定深度毎における変形係数Eb即ち杭周辺
の地山の変形特性を求めることができるので、この変形
係数Ebに基づいて杭基礎の鉛直方向に対する沈下や支
持力を算定したり、地盤のせん断強さの算定、杭の水平
方向に対するK値の算定を容易に行うことができ、これ
らによって改めて載荷試験を行うことなく施工中の杭の
耐力が推定できる。
【0033】特に地盤のせん断強さに関しては、図6の
塑性点における塑性荷重Pmと静止土圧P0によって周
辺地山のせん断強さを算定することができるが、現実に
は塑性点まで載荷することは困難であることから塑性点
以前の領域内まで最大荷重度Piを載荷し、この載荷
点における各計測データに基づいて算出したデータを図
6(b)の図表と照合することにり、未だ塑性領域に
は達していないこと及び少なくともこれ以上のせん断強
さを持っている地盤であることを確認することができ
る。
【0034】なお、周辺地山13に対する載荷装置3に
よる締め固め作業は、鉄筋籠11及び載荷装置3がトレ
ミー菅12によって打設された水中コンクリートに被わ
れた段階で行われることが望ましいので、孔底側からト
レミー菅12を順次引き上げながらコンクリート打設す
る作業に同期させて載荷装置3を引き上げながら行われ
るが、各計測器によって得られたデータは前記した施工
中に活用する態様だけではなく、信号処理装置8の外部
記憶装置に一旦格納しておき、施工後にデータを分析し
て杭耐力などの確認に使用する態様もある。
【0035】
【発明の効果】以上の説明でも明らかなように、本発明
による場所打ち杭の周辺強化方法によると、掘削によっ
て緩んでいた周辺地山を強固に締め固めた状態で杭が造
成できること及び、マッドケーキを破壊した状態で打設
コンクリートが孔壁へ付着することによって杭周辺の摩
擦支持力が向上し、鉛直方向(押し込み、引き抜き)及
び水平方向の耐力が増加すると共に、杭の耐力が増加す
るとその分だけ杭の規模を縮小して建設コストの低減を
図ることも可能になり、比較的簡単な装置によって目的
が達成されることと相俟って経済的である。
【0036】また、締め固めの際に各深度毎に載荷板に
対する荷重度及び変位量を計測し、この計測値に基づい
て施工中の杭に対する耐力を推定することによって載荷
試験を省略することが可能であり、而も計測した各デー
タをフィードバックして載荷装置の制御に使用したり、
杭の各種性能を算出する為の基礎データとして多目的活
用することが可能である。
【0037】前記締め固めを行う載荷装置として、空気
圧の供給で空気室が半径方向へ拡縮する空気ばね構造を
用いると、狭い空間でも容易に装着することができるこ
と、孔壁に対して全周的に均一な載荷を行うことができ
ること、泥水中でも格別に防水を施したり錆の発生を心
配するすること無く装置が安定に作動されることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による場所打ち杭の周辺強化方法に使用
する施工装置の概略構成図。
【図2】図1の施工装置を使用した周辺強化方法の途中
工程の施工状態を示す全体図。
【図3】図1の施工装置を使用した周辺強化方法の要部
拡大図。
【図4】図1の施工装置における載荷装置の実施形態を
示す縦断面図。
【図5】図1の施工装置における載荷装置の他の実施形
態を示す概略側面図。
【図6】本発明による場所打ち杭の周辺強化方法に使用
する変位量の特性曲線図。
【図7】本発明による場所打ち杭の周辺強化方法に使用
する変形係数の特性曲線図。
【図8】図1の施工装置における信号処理装置のブロッ
ク図。
【符号の説明】
1 昇降装置 2 吊りワイヤ 3,3A,3B,3C 載荷装置 4 掘削孔 5 流体用ホース 6 流体圧ポンプ 7 信号用ケーブル 8 信号処理装置 9 スタンドパイプ 10 泥水 11 鉄筋籠 12 トレミー菅 13 周辺地山 14 マッドケーキ 15 骨材 16,24,28,31 載荷部材 17,22,25,29 内枠板 18 係止手段 19 押さえバンド 20 空気室 20a 空気出入り口 21A 荷重センサ 21B 変位センサ 21C 深度計 23,27,32 流体圧ジャッキ 26 可動板 30 平行リンク機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 泥水工法で掘削して水中コンクリートを
    打設した掘削孔の孔壁に対して、掘削孔内を昇降可能で
    半径方向へ拡縮径可能な載荷部材を備えた載荷装置によ
    り、打設した水中コンクリートを孔壁側へ押圧して周辺
    地山を締め固めることを特徴とした場所打ち杭の周辺強
    化方法。
  2. 【請求項2】 前記載荷装置に深度と荷重度及び変位量
    の各計測手段を設け、これらの計測値から各深度毎に締
    め固めた際における地盤の支持状態を確認しながら締め
    固めを行う請求項1に記載の場所打ち杭の周辺強化方
    法。
  3. 【請求項3】 前記載荷装置は、環状の内枠板に対して
    流体圧力で半径方向へ拡縮径する載荷部材を備え、この
    流体圧力によって前記荷重度を計測すると共に、内枠板
    に対する載荷部材の距離によって前記変位量を計測する
    請求項2に記載の場所打ち杭の周辺強化方法。
  4. 【請求項4】 前記載荷装置として、可撓性部材でドー
    ナツ状に形成した空気室を備えた空気ばね構造を使用し
    た請求項1〜請求項3のいずれかに記載の場所打ち杭の
    周辺強化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424272C (zh) * 2006-07-11 2008-10-08 南京工业大学 散粒材料静压桩复合地基予力工法
JP2018100560A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 株式会社熊谷組 杭孔検査方法及び杭孔検査装置

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CN100424272C (zh) * 2006-07-11 2008-10-08 南京工业大学 散粒材料静压桩复合地基予力工法
JP2018100560A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 株式会社熊谷組 杭孔検査方法及び杭孔検査装置

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