JPH10259563A - 多頭式刺繍機の糸道 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多頭式刺繍機のてんびん部に多段に設置され
る糸道への糸通し作業が簡単にできるようにして、セッ
トアップに要する時間の短縮を図るとともに、糸切れの
補修も簡単にできるようにする。 【解決手段】 プレート１の前縁の沿って設けられる各
糸通し孔２に、プレートの前縁に通ずるガイド溝３を設
けて、正面側から各糸通し孔に糸４を嵌め込めるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、多頭式刺繍機の
糸道に関し、プレートの前縁に沿って配置された多数の
糸通し孔にガイド溝を設けて糸通し操作を容易にできる
ようにしたことを特長とするものである。

【０００２】

【従来の技術】多頭式刺繍機のてんびん部の上下には、
例えば実開平６ー４２９８５号公報に示されるように、
多数のテンションローラーと共に、プレートの前縁に沿
って針数に応じた多数の糸通し孔を配置した糸道が多段
に設置されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の糸道は、プレー
トの前縁に対して後側に離れた所定位置に、表裏に貫通
する円形の孔を穿孔して糸通し孔としていたので、多段
に設置した各糸道に糸を通す場合のセットアップに手数
を要し、時間がかかる欠点があった。また、糸切れの補
修にも同様な不便があった。

【０００４】上記のようなことから本発明が解決すべき
課題は、多頭式刺繍機のてんびん部に多段に設置されて
いる各糸道に対する糸通しが容易にできるようにするこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記従
来の欠点を除去するために、プレートの前縁に沿って多
数の糸通し孔を配置した多頭式刺繍機の糸道において、
前記糸通し孔に、それぞれプレートの前縁に開口する糸
通し用のガイド溝を設けたことを特徴とする糸道を提供
するものである。

【０００６】本発明における糸道の各糸通し孔は、糸の
末端を持つことなく、プレートの前縁に開口する糸通し
用のガイド溝に刺繍機の正面側から糸の中間を嵌め込む
ことにより簡単に糸通しができる。したがって、多段に
設置されている各段の糸道に対する糸通しはきわめて容
易になり、セットアップに要する時間の短縮ができると
ともに、糸切れの補修も容易になる。

【０００７】なお、本発明糸道は、プレートの一端に、
回転自在に軸部をヒンジされてプレートの前縁に沿って
スイングして、各糸通し孔のガイド溝を開閉するガード
バーを設けると、１度糸通し孔に通した糸がガイド溝か
らの脱出を該バーによって阻止されるので、安定した糸
の保持ができる。また、上記ガードバーは、軸部を支点
とするスイングにより、各ガイド溝を１度に開閉するの
で、ガイド溝の開放操作と糸の保持操作が簡単にでき、
セットアップに及ぼす影響も少ない。

【０００８】また、本発明糸道は、各糸通し孔のガイド
溝に、プレートの前縁に向けて広く開口する開先を設け
ることにより、ガイド溝に対する糸の嵌め込み操作をよ
りいっそうスムーズにすることができる。本発明は、以
上のようにして前記の課題を解決したものである。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面について説明す
る。図１に示す実施例１は、長方形のプレート１に糸通
し孔２を設けた糸道Ａを示し、図２に示す実施例２は、
円弧形のプレート１に糸通し孔２を設けた糸道Ｂを示
す。

【００１０】実施例１，２共に各糸通し孔２は、プレー
ト１の前縁に開口する糸通し用のガイド溝３を設けるこ
とにより、セットアップ時等に、糸４の端末を持つこと
なく、糸の中間をガイド溝３に嵌め込むという側面から
の糸通しができる。

【００１１】各糸通し孔２に設けるガイド溝３は、プレ
ート１の前縁に向けて広い開先３’を具えることによ
り、よりいっそう糸４の嵌め込み操作がスムーズにでき
るようになる。

【００１２】また、実施例１，２は、プレート１の一端
に軸部５’をヒンジさせて、プレート１の前縁にそって
スイングするガードバー５を備え、このガードバー５
を、図１，２中にそれぞれ虚線で示すようにプレート１
の前縁に嵌め込むことにより糸通し孔２を閉じて、通し
終えた糸４がガイド溝３から脱出しないように保持させ
る。

【００１３】この実施例において、ガードバー５にはプ
レート１の厚さに対応する間隔を有して平行し、かつ、
Ｕ字状に折り曲げられた針金製のものを用い、軸部５’
に対向するプレート１の他端のノッチ６に先端を弾性的
に掛止させて、ガイド溝３の閉鎖状態を維持するように
している。

【００１４】なお、本発明において、図３に示すように
途中に設置される実施例３のような糸道Ｃにあっては、
実施例１，２と同様に糸通し孔に通ずるガイド溝３を設
けているが、ガードバー５の付設は不要である。

【００１５】上記のように、本発明においてガイドバー
５を設けことは、糸道が設置される場所に応じた任意の
事項に属する。また、該バー５の形状とか、バーを掛止
するためのノッチ６とか、ガイド溝３に設ける開先３’
の有無等は、適宜に設計変更し得るもので、実施例の態
様には限定されない。

【００１６】なお、図３は実施例の使用状態を略図で示
すもので、図中７はてんびん部、８は針部、９は刺繍枠
である。図示の状態において、ガードバー５は開放位置
にあって、各段の糸道Ａ，Ｂ，Ｃに糸４がセットされる
場合を示している。

【００１７】

【発明の効果】前記のように構成し、上記のように使用
される本発明糸道は、前述のように糸通し操作が容易に
できてセットアップに時間を要さないという使用上の利
点ばかりでなく、ガイド溝を設けることにより、製作過
程における研磨を十分に施すことができ、摩擦とか抵抗
の少ない糸通し孔を設けることができるという製作上の
利点もある。

【００１８】すなわち、プレートに穿孔するのみであっ
た従前品は、バフによる糸通し孔の研磨が表裏から施さ
れることになるので孔の内周面には行き届き難かったの
に対し、本発明品は、ガイド溝側からの側面研磨ができ
るので、十分な内周面研磨ができるようになる。本発明
には以上のように優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例１の平面図

【図２】図２は実施例２の平面図

【図３】図３は使用状態を略図で示す立面図である。

【符合の説明】

１ プレート ２ 糸通し孔 ３ ガイド溝 ３’ 開先 ４ 糸 ５ ガードバー ５’ 軸部 ６ ノッチ ７ てんびん部 ８ 針部 ９ 刺繍枠 Ａ 糸道 Ｂ 糸道 Ｃ 糸道

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレートの前縁に沿って多数の糸通し孔
   を配置した多頭式刺繍機の糸道において、前記糸通し孔
   に、それぞれプレートの前縁に開口する糸通し用のガイ
   ド溝を設けたことを特徴とする多頭式刺繍機の糸道。
2. 【請求項２】 前記プレートの一端に、軸部を該端部に
   回転自在にヒンジされてプレートの前縁に沿ってスイン
   グして、前記各糸通し孔のガイド溝を開閉するガードバ
   ーを設けたことを特徴とする請求項１の多頭式刺繍機の
   糸道。
3. 【請求項３】 前記各糸通し孔のガイド溝は、前記プレ
   ートの前縁に向けて広く開口する開先を有することを特
   徴とする請求項１の多頭式刺繍機の糸道。