JPH10259151A - ポリカ−ボネ−トより炭酸ジアルキルとビスフェノ−ルとを得る方法 - Google Patents

ポリカ−ボネ−トより炭酸ジアルキルとビスフェノ−ルとを得る方法

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JPH10259151A JP9085618A JP8561897A JPH10259151A JP H10259151 A JPH10259151 A JP H10259151A JP 9085618 A JP9085618 A JP 9085618A JP 8561897 A JP8561897 A JP 8561897A JP H10259151 A JPH10259151 A JP H10259151A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカ−ボネ−トより炭酸ジアルキルとビス
フェノ−ルとを安全に且つ安価に得る、新規な技術手段
を提供する。 【構成】 ポリカ−ボネ−トと低級アルコ−ルとを少量
のアルカリを触媒としてエステル交換反応を行い、炭酸
ジアルキルとビスフェノ−ルとを得る方法において、反
応系に溶剤を混合した後、混合物の沸騰温度以下でかき
混ぜ、ポリカ−ボネ−トを分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ポリカ−ボネ−ト(以下、PCと
略す)は優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐寒
性、透明性等を備えており、エンジニアリングプラスチ
ックスとして広範囲な用途に応用されている。使用済み
のPC廃棄材料を化学的に分解して、その原料モノマ−
のビスフェノ−ル−A(以下、BPAと略す)を回収す
ることができれば、有用な原料を得ることができ、且つ
廃棄物の減量も可能となる。
【0002】
【従来の技術】一般に、高分子材料を回収し、再利用す
るとき、性能の劣化、汚れ等のため、非常に低い価値の
用途にしか向けるほかはなく、しかもこれらの加工は面
倒な手順を経、結局屡々焼却という処理手段に頼ること
になる。
【0003】PCは、主鎖にエステル結合を持ち、その
安定性の研究結果から、PCのエステル結合は酸又は塩
基性触媒の存在下で容易に加水分解或いは加アルコ−ル
分解することが一般に知られている。しかし、PCは水
及びアルコ−ルに不溶であるため、モノマ−まで分解す
るには長い反応時間或いは高温高圧等過酷な条件を必要
とする。そこで水に代わって、アンモニア水溶液と塩化
メチレンとの混合溶媒を用いてPCを分解する研究が報
告されている[「Recovering bisphenols fromscrap po
lyesters」D.W.Fox他,U.S.Pat.No.4,885,407(198
9)]。また、アルカリ触媒存在下でPCをフェノ−ル溶
媒或いはクロロフェノ−ルと塩化メチレンの混合溶媒中
で分解し、BPAと炭酸ジアリ−ルを回収する研究が報
告されている[「Method for recovering bishydroxy a
romatic monomers and bisarylcarbo-nates from scrap
aromatic polycarbonates」S.J.Shafer,U.S.Pat.No.5,
336,814(1994)]が、その分離回収工程が煩雑であり、
回収率及びコストの面でも問題がある。更に、アルカリ
或いは金属酸化物触媒の存在下、PCを炭酸アリ−ル中
でオリゴマ−に解重合後再びPCを合成する方法も報告
されている[「Cyclic carbonates by the depropagati
on of polycarbonate」Q,Li, M.A.Buese, Polym.Mater.
Sci.Eng.67, pp.457,(1992)]。
【0004】しかし、以上の何れの方法も大量に生産さ
れ、排出されるプラスチックスの中のPCを、安全に安
価に処理し、価値ある炭酸ジアルキルとビスフェノ−ル
とを得る工業的方法としては満足できるものでないこと
は、明らかである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題点を解決するため、低級アルコ−ル中での加アルカリ
分解に関する研究を行い、アルカリによるPCの効率的
なエステル交換反応方法につき、系統的な研究、実験を
重ねた結果、遂に、系に加えるアルコ−ルに対してベン
ゼン、トルエン、キシレン類或いはジオキサンを使用す
ることにより、PCを比較的緩和な条件下で短時間内に
炭酸ジアルキルにまで分解でき、ビスフェノ−ルと溶剤
との分離操作が簡単で、しかもそれらの回収率も高く、
連続的に分解回収することができるという新知見を得、
本発明を完成したのである。
【0006】即ち、本発明は、PC及びPCの回収物等
に低級アルコ−ルとトルエン等の溶剤を加え、2乃至1
2mol%のアルカリの存在下でかき混ぜ、生成したビ
スフェノ−ルを(必要であれば水を加えて)結晶として
分離させ、一方の生成した炭酸ジアルキルは、分留によ
り回収する方法に関するものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成することができる。つまり、
PCとしては、小粒、粉末、小片或いはこれらの集まっ
た塊状物、又はこれらの2つ以上の混合物を用いる。ア
ルコ−ルとしては、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ
−ル類、ブタノ−ル類を挙げることができ、これらのア
ルコ−ルは少なくとも1つ或いは2つ以上の混合物とし
て用いることができる。
【0008】アルコ−ルに対して用いる溶剤類として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン等を挙
げることができ、これらの溶剤類は少なくとも1つ或い
は2つ以上の混合物として用いることができる。反応を
促進させるためにはアルコ−ルに対して溶剤を0.25
〜0.4容量比を添加すればよい。添加の容量比が0.
25未満の場合には分解に長時間を要し、0.4以上の
場合には分離に手間取る上、安全性・経済性の点で不利
益となる。使用するアルカリとしては、NaOH、KO
H、Na2CO3、K2CO3、CaO、BaO、ZuO、
SnO、PbO等を挙げることができる。
【0009】次に、本発明の化学分解反応で機能してい
るPC分解機構は、極めて特異的であり、本発明を特色
づけるものである。その機構を説明する。
【0010】まずはじめに、同じエステル交換反応であ
っても、メタノ−ル溶媒のみを用いて反応させるとNa
2CO3の沈殿が生成するのに対して、混合溶媒中ではこ
のNa2CO3が生成しないことを観察している。その理
由は次のように説明できる。
【0011】主な理由は、炭酸(pKa1=6、pKa2
10.2)、フェノ−ル(pKa=10)、及び反応中
間体の酸性度の差にあると考えられる。はじめにPCは
アルカリと反応して、炭酸1塩1エステルとフェノ−ル
性水酸基を持つ中間体(以下、(1)という)に変換され
る。(1)は更にNaOHによって炭酸1塩(以下、(2)
という)とBPA1塩(以下、(3)という)に切断され
るが、(2)のpKaは(3)のそれよりも小さいので酸塩
基平衡によりNa2CO3となり、これが沈殿するために
平衡は更に移動して、遊離のBPAが生成する。NaO
Hの使用量は触媒量であり、これがすべてNa2CO3
変換された場合はBPAはフェノキシド基に変化される
ことはない。
【0012】一方、トルエン或いはジオキサンを添加し
た混合溶媒中では、ペレットの表面が膨潤したり、或い
は部分的に溶解される。したがって、初期のアルカリ反
応に関与するエステル結合数はアルカリ触媒の量に対し
て、相対的に増加しているから、反応初期段階で多くの
アルカリ分子は、PCのエステル結合と反応して消費さ
れ(1)が生成する。しかし、過剰なアルカリが存在しな
いので、(1)はメタノ−と反応して炭酸モノメチルのN
a塩とBPAを生じ、前者は更にMeOHと反応して炭
酸ジメチル(以下、DMCと略す)を生成すると同時
に、アルカリが再生される。ここで再生したアルカリ
は、平衡反応的にDMCと反応するよりも速く、系中に
存在するPCと反応するから、触媒反応サイクルが成立
すると考えられる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施の態様を述べて、本発明
の有効性を一層明らかにする。しかし、本発明の主旨を
逸脱せざる限り、この説明のみに本発明の範囲が限定さ
れるものではない。
【0014】[実験の方法]PCには、分子量Mw=
2.2×104のペレット状試料[2.2mm×3mm
(直径×長さ)]を用いた。メタノ−ルとトルエン、或
いはメタノ−ルとジオキサンとの混合溶媒(0.6〜2
mL/0.5〜2mL)を試験管に採り、0.01〜
0.063g(2.4×10-4〜1.5×10-3mo
l)のNaOHを添加して溶解させてから、PCペレッ
トを1.27g(5×10-3mol)加え、40〜60
℃で攪拌してPCを完全に分解した後、試験管中の分解
物を40mLの蒸留水中(或いは5〜10mLのトルエ
ン)に投入し、室温で約1時間放置して完全にBPAを
晶出させた(完全に分解された場合は特にトルエン存在
下でのBPAの晶出速度が速く、数分間で完全に晶出す
る。)。その結晶は微細なものではないので、容易に濾
過できた。濾過後、室温で十分に乾燥してから、その重
量より収率を算出した。更に、得られたBPAをFT−
IR、1H NMR及び蛍光X線で解析した。
【0015】一方、PCの分解によって生成したDMC
を、ガスクロマトグラフィ−(以下、GCと略す)で分
析した。一定時間反応後、分解液の50μLを採取して
これに10mLのn−ペンタンを添加し、分解液中のB
PA(分解が完全に進行していない場合には、PCのオ
リゴマーが含まれる)を沈殿させた後、上澄液の1μL
をマイクロシリンジでGCに注入した。DMC標準液を
用いて作成した検量線によってDMCの生成量を求め
た。
【0016】このPC分解法は、メタノ−ルによるエス
テル交換反応であるため、モノマ−に完全分解させるた
めには、PCのエステル結合に対して等モル量以上のメ
タノ−ルを必要とする。そこで、トルエンとの混合溶媒
中でメタノ−ルの添加量を変化させて、PCの分解効率
との関係を検討した。
【0017】PC(1.27g)のエステル結合に対し
て添加したメタノ−ルのモル量が1.0のとき(1.0
mLのトルエン中にMeOH 0.4mL)、60℃で
330分反応させると、PCペレットは溶解して消失し
た。しかし、GCで分析すると、DMCの量は理論値の
80%しか生成しておらず、その反応液を水中に投入し
てもきれいな結晶は晶出せずに、粘性のある個体物が得
られ、PCはモノマ−に完全分解できていないことが示
された。モル量が1.5(MeOH 0.6mL)の場
合は、60分間の反応でPCペレットがほぼ溶解して9
5%のDMCが生成した。更に60分反応させると、D
MCの生成量は100%に達し、完全分解された。この
反応液を水に投入して晶出させると、96%のBPAが
得られた。
【0018】これらの結果から、PCを完全にモノマ−
まで分解するには、PCのエステル結合1モル単位に対
してメタノ−ルを1.5モル以上必要とすることが示さ
れた。しかし、BPAはアルコ−ルによく溶解するた
め、メタノ−ル量が多すぎると分解後水中で晶出させる
ときの晶出率が低下したり、多量の水が必要となる。た
とえば、MeOH添加量を0.6mLから2.5mL
(PCのエステル結合1モルに対して6.3モル)に増
加させたとき、BPAの晶出収率は91%に低下した。
これらの実験結果から、PCのカ−ボネ−トのエステル
結合1モル単位に対して1.5〜2.5モルのメタノ−
ルの添加が適当であると考えられる。分解後水中に投じ
てBPAを晶出させる代わりに、分解後に5〜10mL
のトルエンを追加すると、BPAを迅速に晶出分離でき
る。この操作で濾過分離したBPAにはNaOH個体が
混合しているので、水で洗浄する。
【0019】[NaOH添加量の影響]NaOH触媒の
添加量を変化させてPCの分解に及ぼす触媒濃度の影響
を検討した。種々の濃度のNaOHとPC1.27gを
メタノ−ルとトルエンの1mL/1mL混合溶媒中に入
れ、60℃で反応させ、30分後に生成したDMCの
量、及びPCペレットが完全分解するのに要した時間を
求めた。これらの結果を図1に示す。PCのエステル結
合1モル単位に対してNaOHの量を2.5〜10mo
l%の範囲内で変化させた場合は、添加量の増加につれ
てDMCは直線的に増加することが分かった。また、N
aOH添加量を2.5、5.0、7.5、8.2及び1
0mol%と増加させると、PCペレットの完全分解に
要する時間はそれぞれ250、180、140、70及
び30分となった。即ち、PCの完全分解に必要な時間
も直線的に減少した。NaOH添加量が増加すると、P
Cの分解速度は速くなるが、添加量が多すぎると、表1
に示すごとく、晶出収率が低下する。よって、最適比
は、PCの−O−CO−結合モル1単位に対して、5〜
10%である。
【0020】
【表1】
【0021】[トルエン或いはジオキサンの添加効果]
まず、メタノ−ルのみの溶媒中でPCの分解について検
討した。メタノ−ル2mLを試験管に採り、NaOHを
0.034g溶解した後、1.27gのPCペレットを
加え、60℃で攪拌しながら反応させた。反応が進むに
つれてPCペレットの重量が少し減少し、白い沈殿が生
成した。しかし、途中からPCペレットの重量はほとん
ど減少しなくなる。この分解液に少量の酸溶液を加える
と、沈殿物を溶解して気泡が発生するので、この沈殿物
はNa2CO3であることが分かる。しかし、メタノ−ル
中にトルエン或いは1,4−ジオキサンを0.5mL加
えた混合溶媒系中で、上記と同じ条件下にPCを分解し
たところ、反応につれてPCペレットの重量は速やかに
減少し、240分後には溶媒中で完全に溶解した。ま
た、トルエンの添加量を増加させると、PCの分解速度
も速くなり、ペレットがなくなるまでの時間は短縮され
た。1mLのメタノ−ルに対して0.5mL、1mL、
1.5mL及び2mLのトルエンを添加した場合には、
それぞれ230分、70分、40分及び15分でPCペ
レットは溶媒に完全溶解した。
【0022】トルエン或いは1,4ージオキサンを添加
した場合には、生成したBPAが塩基性条件下で酸化さ
れ、反応液は着色しやすいが、酸化防止剤としてPCに
対して0.2〜1wt%のNaHSO3を添加すること
により、この着色を十分に防止できる。
【0023】PCペレットが完全に溶解した後、更に3
0分以上反応させ、その分解液を約40mLの水中に投
入すると、BPAの白い結晶が速やかに晶出した。メタ
ノ−ル(2mL)中だけで330分反応した場合は、P
Cペレットの減少量はわずかに9%であり、分解液の酸
性水溶液中からは、わずか7%のBPA結晶しか得られ
なかった。しかし、0.5mLのトルエン或いはジオキ
サンを添加した分解では、270分反応させた後に蒸留
水中で結晶化させると約95%のBPAが得られた。ま
た、1mLのメタノ−ルに対して0.5mL、1mL、
1.5mL及び2mLのトルエンを添加して260分、
100分、70分及び45分反応させた場合は、94〜
96%のBPAを得た。更にこれ以上長時間反応させて
もBPAの収率は変化しなかったことから、晶出したも
のにはPCの低量体オリゴマ−はほとんど含まれないと
推測される。
【0024】[炭酸ジメチルの生成]このPC分解法で
は、アルカリ添加量がPCのエステル結合に対して、等
モル量を必要とせず、上述のようにNaOH/PC=
0.034g/1.27g(カ−ボネ−トのエステル結
合1モル単位に対してNaOHは8mol%)で十分分
解が進行する。その分解反応は、アルコ−ルによるエス
テル交換反応であり、PCを分解するときに、BPAの
生成に伴ってDMCも生成する。そこで、この生成した
DMCをGCで分析した。
【0025】種々の混合比の溶媒中で0.034gのN
aOHを溶解した後、PCを1.27g加えて60℃で
分解したときのDMCの生成量と分解時間の関係を図2
に示す。メタノ−ル2mLのみの中で5分間反応したと
き、約4%のDMCが生成したが、その後はほとんど増
加せず、300分間反応してもDMCの生成量はわずか
6%であった。しかし、同様な条件下で0.5mLのト
ルエン或いは1,4−ジオキサンを添加すると、240
分でPCペレットが溶媒に完全溶解し、100%のDM
Cが生成した。また、1mLのメタノ−ルに対して0.
5mL、1mL、1.5mL及び2mLのトルエンを添
加した場合には、それぞれ230分、70分、40分及
び15分でPCペレットは溶媒に完全溶解して100%
のDMCが生成した。
【0026】[分解温度の影響]PCの分解に及ぼす反
応温度の影響としては、トルエンとメタノールの混合溶
媒中(1.5mL/1mL)で0.034gのNaOH
を溶解した後、PCを1.27g入れ、40〜60℃で
反応させて、PCの分解に及ぼす反応温度の効果を調べ
た。各反応温度下で分解したときのDMCの生成量の変
化を図3に示す。分解温度の上昇に対応して、分解速度
は速やかに増加し、PCが完全に分解してDMC100
%を生成するのに要した時間は、40℃、50℃及び6
0℃でそれぞれ約350分、約140分及び約40分で
あった。完全に分解した後、水中で晶出させて得られた
BPAの収率は、それぞれ96%、95%及び96%で
あった。
【0027】
【発明の効果】本発明により、PCは、アルコ−ルとト
ルエン或いはアルコ−ルとジオキサン等の混合溶媒中
で、少量のアルカリ触媒を用いて穏和な条件下で迅速に
モノマ−に分解できる。分解後、水中に投じて晶出させ
たBPAは容易に分離でき、高収率で回収できる。トル
エンのような水に不溶の共溶媒を使用する場合は、溶媒
を簡単に分離回収できるので、PCの分解に再使用でき
る利点がある。また、BPAの晶出分離はトルエン中で
もできる。この後者の方法では、BPA分離後の濾液を
蒸留すれば、アルコ−ル、トルエン及び炭酸ジメチルを
それぞれ分離回収できるので、これらをすべて再使用で
きる。つまり、本発明の特徴は、穏和な条件下で簡単且
つ高効率に、PCからその構成モノマ−のBPAとDM
Cを回収できる点にある。また、BPAとDMCはいず
れもPCのモノマ−としてのみならず、工業的用途の広
い化学原料であるので、本発明が使用済みのPCの工業
的リサイクル方法として大変有効に活用でき、産業上の
利用性は、非常に高いといえる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】メタノ−ルとトルエンとの混合溶媒(1mL/
1mL)中におけるPC(1.27g)の分解速度に及
ぼすNaOH濃度の効果(分解温度60℃)を示す図で
ある。
【図2】PC(1.27g)の分解におけるDMCの生
成速度に及ぼすメタノ−ルへのトルエン或いはジオキサ
ンの添加効果(分解温度60℃、NaOH0.034
g)を示す図である。
【図3】メタノ−ルとトルエン混合溶媒中(1mL/
1.5mL)でのPC(1.27g)の分解におけるD
MCの生成速度に及ぼす分解温度の影響(NaOH0.
034g)を示す図である。
【符号の説明】
[図1における符号] ○ 30分間分解したときのDMCの生成量 ● PCが完全に分解される時間 [図2における符号] ○ メタノ−ル2mLのみを用いたとき × トルエン/メタノ−ル混合溶媒(0.5mL/2m
L)を用いたとき ▽ トルエン/メタノ−ル混合溶媒(0.5mL/1m
L)を用いたとき □ トルエン/メタノ−ル混合溶媒(1mL/1mL)
を用いたとき ● トルエン/メタノ−ル混合溶媒(1.5mL/1m
L)を用いたとき △ メタノ−ル/ジオキサン混合溶媒(2mL/0.5
mL)を用いたとき [図3における符号] ○ 40℃ △ 50℃ ● 60℃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 27/232 B01J 27/232 X C07C 27/00 C07C 27/00 37/01 37/01 68/06 68/06 Z 69/96 69/96 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカ−ボネ−トと低級アルコールとを
    少量のアルカリを触媒としてエステル交換反応を行い、
    炭酸ジアルキルとビスフェノ−ルとを得る方法におい
    て、反応系にベンゼン、トルエン、キシレン類及びジオ
    キサンよりなる群から選ばれる少なくとも一つの溶剤を
    混合して、混合物の沸騰温度以下でかき混ぜることを特
    徴とする、ポリカ−ボネ−トより炭酸ジアルキルとビス
    フェノ−ルとを得る方法。
  2. 【請求項2】 低級アルコ−ルが、メタノ−ル、エタノ
    −ル、プロパノ−ル類、ブタノ−ル類なる群から選ばれ
    る少なくとも1つ或いは2つ以上の混合物であることを
    特徴とする、請求項1記載のポリカ−ボネ−トより炭酸
    ジアルキルとビスフェノ−ルとを得る方法。
  3. 【請求項3】 少量のアルカリが苛性ソ−ダ、苛性カ
    リ、炭酸ソ−ダ、炭酸カリ、酸化カルシウム、酸化バリ
    ウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛なる群から選ばれる少
    なくとも一つ或いは二つ以上の混合物で、ポリカ−ボネ
    −トのエステル結合1モル単位に対して、2乃至12m
    ol%の範囲であることを特徴とする、請求項1記載の
    ポリカ−ボネ−トより炭酸ジアルキルとビスフェノ−ル
    とを得る方法。
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