JPH10257689A - 車両用交流発電機の発電停止検出方式 - Google Patents

車両用交流発電機の発電停止検出方式

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JPH10257689A
JPH10257689A JP6071097A JP6071097A JPH10257689A JP H10257689 A JPH10257689 A JP H10257689A JP 6071097 A JP6071097 A JP 6071097A JP 6071097 A JP6071097 A JP 6071097A JP H10257689 A JPH10257689 A JP H10257689A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用交流発電機の発電停止状態を正確に検
出することができる車両用交流発電機の発電停止検出方
式を提供すること。 【解決手段】 警報装置4は、オルタネータ1の回転数
が増すにしたがって値が高くなる基準電圧を発生させて
おり、電圧比較器52によって、この基準電圧とオルタ
ネータ1の発電電圧を比較する。オルタネータ1が回転
中に発電動作が停止すると、発電電圧がその回転数に対
応して設定された基準電圧を下回り、アンド回路60を
介してSR型フリップフロップ64がセットされ、トラ
ンジスタ66がオン状態となってチャージランプ84が
点灯する。また、回転数がある程度上昇すると、回転数
検出/基準電圧変更回路50から状態保持信号が出力さ
れ、それより高回転域でのSR型フリップフロップ64
の内容更新が禁止されるため、発電停止状態において残
留磁束等によって発電電圧が上昇した場合であってもチ
ャージランプ84が点灯した状態が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用交流発電機
が発電していない状態を検出する車両用交流発電機の発
電停止検出方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用交流発電機の出力電圧を
制御する電圧制御装置には各種の警報機能が付加されて
いる。例えば、車両用交流発電機を回転させて発電して
いるときに、何らかの原因によって発電が停止した場合
には、チャージランプを点灯させることにより、運転者
に発電異常が知らされる。このような発電停止状態を監
視する従来技術として、特開昭57−142144号公
報に開示された「車両用発電制御装置」が知られてい
る。この車両用発電制御装置は、発電機の固定子巻線に
発生する相電圧を整流・平滑した発電電圧を所定の基準
電圧と比較し、発電電圧が基準電圧よりも低くなると発
電表示装置としてのチャージランプを点灯させる。した
がって、走行中に励磁巻線の断線等が発生して発電機に
よる発電が停止するとチャージランプが点灯するため、
運転者は発電機の異常を知ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の車両用発電制御装置は、発電機の発電電圧がある一
定の基準電圧より低くなったときに発電表示装置を点灯
させているため、発電機の回転子に残留磁束が残ってい
ると、励磁電流が流れていない場合であってもある程度
の発電電圧が生じる場合があり、発電していないにもか
かわらず発電表示装置が点灯せずに、発電停止状態の正
確な検出が行えないおそれがある。
【0004】特に、特開平5−207716号公報や特
開平7−123664号公報に開示されているような永
久磁石がポールコアの爪間に挿入された回転子を有する
発電機の場合には、励磁電流が流れない状態でも永久磁
石による磁束が発生するため、ある程度の発電電圧が発
生し、発電機の回転数が増すと発電電圧が上述した基準
電圧を越えてしまって、発電停止の状態を検出できない
場合がある。また、このような不具合を回避するため
に、励磁電流が流れていない状態で回転させた場合の発
電電圧よりも基準電圧の値を高く設定することも考えら
れるが、基準電圧をあまり高くすると、エンジンを始動
して発電機を回転させたときに発電表示装置が消灯する
までの時間が長くなり、運転者に不快感を与えることに
なるため好ましくない。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は車両用交流発電機の発電停止
状態を正確に検出することができる車両用交流発電機の
発電停止検出方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の車両用交流発電機の発電停止検出方式
では、車両用交流発電機が発電停止状態にあると所定回
転数以下の低回転域で判定されたときに、車両用交流発
電機が所定回転数以上に回転した場合であってもこの低
回転域での判定結果に基づいて、所定の警報信号を出力
している。したがって、回転子に残留磁束が残っている
場合等であって回転数が高くなって発電電圧が高くなっ
た場合にも、発電停止状態に対応した警報信号を継続的
に出力することができ、回転数にかかわらず正確に発電
停止状態を検出することができる。
【0007】また、励磁巻線によって生じる磁界中に永
久磁石が埋設された回転子を有する場合には、励磁電流
が流れない状態においても磁束が発生するため、回転数
が高い場合には発電停止状態であってもある程度の発電
電圧が発生するが、低回転域で判定した発電停止状態に
基づいて低回転域以外の回転域において警報信号が出力
されるため、発電電圧が一時的に高くなって警報信号の
出力が中断されることがなく、車両用交流発電機の発電
停止状態を正確に検出することができる。
【0008】また、車両用交流発電機が発電状態にある
か発電停止状態にあるかを判定するために用いられる基
準電圧の値を、回転数が上述した所定値を越えない範囲
で、回転数が高くなるに従って高い値に変更することに
より、残留磁束等によって発生する電圧に対応した基準
電圧を設定することができ、より広範囲で正確な発電停
止状態の検出が可能となる。特に、回転数が低い場合に
上述した基準電圧が低い値に設定されているため、車両
用交流発電機が正常な発電を行う場合には、エンジン始
動直後に発電電圧がこの低い基準電圧よりも高くなるま
でに要する時間が短くなり、チャージランプ等の発電表
示装置が速やかに消灯されるため、運転者が不快感を感
じることもない。
【0009】また、回転数が上述した所定値を越えない
範囲で設定される基準電圧は、車両用交流発電機の発電
停止状態を検出するという目的からすると、励磁電流が
流れていない状態において回転させたときに発生する電
圧に沿って、かつこの電圧よりも高い値に設定する必要
がある。具体的には、この電圧に沿ってほぼ連続的に、
あるいは階段状に基準電圧を変化させる場合が考えられ
る。より正確に発電停止状態を検出するためには基準電
圧をほぼ連続的に変化させる方が好ましいが、基準電圧
を階段状に何段階か切り替える場合には回路構成を簡略
化することができる。
【0010】また、上述した回転数の所定値は、車両用
交流発電機の発電停止状態を検出するという目的からす
ると、励磁電流が流れない状態において回転させたとき
に発生する電圧が発電停止を検出する基準電圧未満であ
る領域に設定する必要がある。低回転時に判定した発電
停止状態を、確実に高回転時に維持できるからである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の車両用交流発電機の発電
停止検出方式は、警報装置において車両用交流発電機
(以下、「オルタネータ」と称する)の発電電圧と所定
の基準電圧とを比較する際に、この基準電圧の値をオル
タネータの回転数が高くなるほど高く設定することによ
り、ポールコアに残留磁束が残っていた場合等において
も正確に発電の停止状態を検出することに特徴がある。
以下、本発明を適用した一の実施形態の警報装置につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】図1は、本発明の車両用交流発電機の発電
停止検出方式を適用した一実施形態の全体構成を示す図
である。同図に示すオルタネータ1は、エンジン(図示
せず)によって回転駆動されて発電を行い、バッテリ8
0に対する充電と電気負荷82に対する給電を行うもの
であり、発電制御装置2によってその出力電圧がほぼ一
定に制御される。また、警報装置4によって、オルタネ
ータ1の発電停止状態が検出されて、この発電停止状態
を運転者に知らせるために警報表示装置としてのチャー
ジランプ84が点灯される。
【0013】上述したオルタネータ1は、固定子である
ステータに含まれるX相、Y相、Z相からなる3相のス
テータコイル10と、回転子であるロータに含まれる励
磁巻線であるフィールドコイル12と、フィールドコイ
ル12によって発生する磁束中に埋設された永久磁石1
4と、ステータコイル10の出力端子に誘起される3相
交流電圧を全波整流する3相全波整流回路16とを備え
ている。なお、永久磁石14は、ロータのポールコアの
各爪部間に漏洩磁束を減少させる向きに埋設されてい
る。
【0014】また、図1に示した発電制御装置2は、オ
ルタネータ1内のフィールドコイル12に対する通電を
行うスイッチングトランジスタ20と、フィールドコイ
ル12と並列に接続されたフライホイールダイオード2
2と、抵抗24、26により構成される分圧回路の出力
電圧と基準電圧発生回路28の出力電圧とを比較するこ
とによりスイッチングトランジスタ20のオンオフ状態
を設定する電圧比較器30と、この電圧比較器30とス
イッチングトランジスタ20の間に挿入されたオア回路
32とを備えている。
【0015】バッテリ80の端子電圧(オルタネータ1
の出力電圧)を抵抗24、26で分圧した電圧が電圧比
較器30の一方の入力端(例えば−端子)に印加されて
おり、電圧比較器30は、−端子に印加される電圧が他
方の+端子に印加される所定の基準電圧よりも高いとき
は出力をローレベルに、反対に所定の基準電圧よりも低
いときは出力をハイレベルに設定する。電圧比較器30
の出力がハイレベルになるとスイッチングトランジスタ
20がオン状態になるため、フィールドコイル12に励
磁電流が流れ、オルタネータ1による発電が行われてそ
の出力電圧を高い方に変化させる。反対に、電圧比較器
30の出力がローレベルになるとスイッチングトランジ
スタ20がオフ状態になるため、オルタネータ1内のフ
ィールドコイル12には励磁電流が流れず、オルタネー
タ1の出力電圧は低い方に変化する。
【0016】このように、バッテリ80の端子電圧、す
なわちオルタネータ1の出力電圧が所定の値より低い場
合にはスイッチングトランジスタ20がオン状態に制御
され、反対にオルタネータ1の出力電圧が所定の値より
高い場合にはスイッチングトランジスタ20がオフ状態
に制御されるため、オルタネータ1の出力電圧は常にほ
ぼ一定の電圧に制御される。
【0017】また、図1に示した警報装置4は、オルタ
ネータ1の発電電圧を検出するための抵抗40、42、
44、ダイオード46、コンデンサ48と、オルタネー
タ1の回転数を検出するとともに発電停止状態にあるか
否かを判定するために必要な基準電圧の設定と回転数に
応じた変更を行う回転数検出/基準電圧変更回路50
と、回転数検出/基準電圧変更回路50によって設定さ
れた基準電圧とオルタネータ1の発電電圧を比較する電
圧比較器52と、電圧比較器52による比較結果を保持
するためのインバータ回路54、抵抗56、コンデンサ
58、アンド回路60、62、SR型フリップフロップ
(SR−FF)64と、SR−FF64の出力に応じて
チャージランプ84を点灯あるいは消灯するトランジス
タ66と、オルタネータ1の発電電圧とバッテリ電圧と
を比較するための抵抗68、70、電圧比較器72とを
備えている。
【0018】上述した電圧比較器52が発電状態判定手
段に、回転数検出/基準電圧変更回路50が回転数検出
手段、基準電圧変更手段にそれぞれ対応している。ま
た、上述したインバータ回路54、抵抗56、コンデン
サ58、アンド回路60、62、RS−FF64が警報
出力手段に対応している。
【0019】オルタネータ1のステータコイル10のい
ずれかの相電圧がP端子に印加されており、このP端子
に印加された相電圧を抵抗40、42で分圧した電圧が
ダイオード46のアノード側に印加される。ダイオード
46のカソード側は、一方端が接地されたコンデンサ4
8と抵抗44からなる並列回路の他方端に接続されてい
る。したがって、ダイオード46のカソード側の電位が
コンデンサ48の両端電圧よりも高い場合にダイオード
46からコンデンサ48に向かって電流が流れるため、
このコンデンサ48は、ダイオード46のアノード側に
印加された電圧(オルタネータ1の相電圧を分圧した電
圧)のピーク電圧よりダイオード46の順方向電圧降下
分だけ下がった電圧まで充電される。ダイオード46の
カソード側電圧が低い場合にはダイオード46は導通し
ないため、結果的にダイオード46の両端電圧は、相電
圧のピーク値に比例した値となる。
【0020】回転数検出/基準電圧変更回路50は、上
述したコンデンサ48の両端電圧と比較して発電停止状
態の検出を行うために必要な基準電圧を発生させる。こ
の基準電圧は、オルタネータ1の回転数が増すにしたが
って高い値に変更される。また、回転数検出/基準電圧
変更回路50は、オルタネータ1の回転数が所定の回転
数以上になったときにSR−FF64の更新動作を禁止
することにより、それより回転数が低いときの状態を保
持するために必要な状態保持信号を出力する機能を有し
ている。
【0021】図2は、回転数検出/基準電圧変更回路5
0の詳細な構成を示す図である。同図に示すように、回
転数検出/基準電圧変更回路50は、電圧比較器50
0、カウンタ502、タイマ504、デジタル−アナロ
グ変換器(D/A変換器)506およびインバータ回路
508を含んで構成されている。
【0022】電圧比較器500は、一方の入力端子(例
えば+端子)に抵抗40、42からなる分圧回路を介し
てステータコイル10の相電圧が印加されており、この
入力電圧を他方の入力端子(−端子)に印加される所定
の電圧Vbと比較することにより、オルタネータ1の回
転数に同期したパルス信号を出力する。例えば、−端子
に印加される電圧Vbがほぼ0Vに設定されており、+
端子に印加される相電圧の周期、すなわちオルタネータ
1の回転の周期に等しい周期を有するパルス信号が電圧
比較器500から出力される。
【0023】カウンタ502は、タイマ504によって
設定された一定時間(例えば100msec)内に電圧
比較器500から出力されるパルス数を計数する。この
カウンタ502は、一定時間内の計数動作を実行中に、
1つ前の計数結果を保持する機能を有しており、一定時
間経過の都度計数値が切り替わるようになっている。ま
た、カウンタ502は、nビットの計数出力の中の下位
mビットを除く上位の(n−m)ビットの値が計数値と
して出力されており(例えば7ビットの計数出力の中の
上位5ビットの値が計数値として出力される)、オルタ
ネータ1の回転数がある程度上昇するまでは計数値が
「0」で、それを越えた後は回転数に比例して計数値が
増えるようになっている。さらに、オルタネータ1の回
転数が増加していって、計数出力の各ビットが“1”に
なった後は桁上がりは行わずに、その値が保持されるよ
うになっている。
【0024】D/A変換器506は、カウンタ502か
ら出力される計数値(デジタルデータ)に応じたアナロ
グ電圧を発生する。このD/A変換器506は、オルタ
ネータ1の回転数が低速であってカウンタ502の計数
値が「0」の間は、所定のオフセット電圧を発生するよ
うに設定されており、オルタネータ1の回転数が上がっ
てカウンタ502から出力される計数値が増加した後は
この計数値に比例した出力電圧を発生する。また、D/
A変換器506は、さらにオルタネータ1の回転数が増
してカウンタ502の計数値が上限値で保持された場合
には、この上限値に対応した一定の出力電圧を発生す
る。このようにしてD/A変換器506で発生されるオ
ルタネータ1の回転数に応じた電圧は、オルタネータ1
が発電停止状態にあるか否かを判定する基準電圧として
使用される。
【0025】インバータ回路508は、カウンタ502
の計数出力端子の中の最上位ビットに接続されており、
この計数出力端子の最上位ビットから出力されるデータ
が“0”であるとき、すなわちオルタネータ1の回転数
がある回転数に達するまではハイレベルの信号を出力
し、反対にこの計数出力端子の最上位ビットから出力さ
れるデータが“1”であるとき、すなわちオルタネータ
1の回転数がある回転数を越えた後はローレベルの信号
を出力する。このインバータ回路508の出力は、上述
した状態保持信号として回転数検出/基準電圧変更回路
50から出力される。
【0026】図1に示した電圧比較器52は、コンデン
サ48の両端に現れるオルタネータ1の発電電圧と、回
転数検出/基準電圧変更回路50から出力される基準電
圧とを比較し、発電電圧が基準電圧よりも高い場合には
ローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号
は、オルタネータ1を回転駆動して発電を行っている状
態における正常動作に対応する。電圧比較器52の出力
は、インバータ回路54およびアンド回路62を介して
SR−FF64のR端子に入力されるとともに、抵抗5
6とコンデンサ58からなる遅延回路とアンド回路60
を介してSR−FF64のS端子に入力される。仮に、
アンド回路60、62の他の入力端子に入力される信号
が全てハイレベルであるとすると、電圧比較器52から
ローレベルの信号が出力されると、インバータ回路54
から出力されるハイレベルの信号がアンド回路62を介
してSR−FF64のR端子に入力されるため、その出
力端子Qからはローレベルの信号が出力される。したが
って、トランジスタ66はオフ状態を維持するため、オ
ルタネータ1が回転して正常に発電を行っている場合に
はチャージランプ84が消灯された状態となる。
【0027】また、図1に示した電圧比較器72は、コ
ンデンサ48の両端に現れるオルタネータ1の発電電圧
と、バッテリ電圧を抵抗68、70によって分圧した電
圧とを比較し、発電電圧の方が高い場合にはローレベル
の信号を出力する。この電圧比較器72の出力は、SR
−FF64のS端子に接続された一方のアンド回路60
に入力される。オルタネータ1の出力電圧が上昇してバ
ッテリ電圧を越えるような場合に、電圧比較器72から
ローレベルの信号が出力されるように、抵抗40、42
による分圧比と抵抗68、70による分圧比が設定され
ており、このような場合には、正常な発電が行われてい
て発電停止状態の検出を行う必要がないとものとして、
電圧比較器52の出力がハイレベルになってもSR−F
F64のS端子には入力しないようにする。
【0028】また、回転数検出/基準電圧変更回路50
から出力される状態保持信号は、2つのアンド回路6
0、62のそれぞれに入力されており、オルタネータ1
の回転数がある程度高くなると、この状態保持信号がハ
イレベルからローレベルに切り替わる。したがって、以
後2つのアンド回路60、62からSR−FF64のS
端子、R端子に入力される信号がともにローレベルとな
って、SR−FF64の内容更新が停止され、それまで
の内容が保持される。
【0029】本実施形態の警報装置4および発電制御装
置2は上述した構成を有しており、次にその動作を説明
する。図3は、オルタネータ1の回転数と警報装置4の
各部に入出力される信号の電圧レベルを示す図である。
図3(A)〜図3(G)のそれぞれにおいて、点線はオ
ルタネータ1が正常な発電動作を行っている場合に対応
し、実線は例えばフィールドコイル12が断線してオル
タネータ1の発電が停止している場合に対応する。ま
た、図3(B)〜(G)のそれぞれは、図1においてB
〜Gの各符号を付した信号線に現れる電圧レベル(縦
軸)とオルタネータ回転数(横軸)との関係を示してい
る。
【0030】最初に、回転数検出/基準電圧変更回路5
0によって発生する基準電圧について説明する。図3
(A)に示した一点鎖線aは、回転数検出/基準電圧変
更回路50によって発生される基準電圧を示している。
【0031】上述したように、オルタネータ1の回転子
には永久磁石14が埋設されており、フィールドコイル
12に励磁電流が流れない状態でもオルタネータ1を回
転させるとその回転数に応じて増大する電圧が発生す
る。図3(A)の実線bは、このような条件下で発生す
る電圧の最大値を示している。なお、この発生電圧がバ
ッテリ電圧cにダイオードの順方向電圧を加えた値より
高くなると、全波整流回路16を通してバッテリ80や
電気負荷82に対して電流が流れるため、オルタネータ
1をさらに高回転で回しても、P端子に印加される相電
圧はこれより高くならずに一定となる。
【0032】回転数検出/基準電圧変更回路50によっ
て発生する基準電圧は、低回転域と高回転域とを除く中
回転域では、上述した励磁電流を流さない状態でオルタ
ネータ1を回転させたときに発生する電圧の最大値(個
体差等によるばらつきを考慮した最大値)に沿って、し
かもこの最大値より若干大きな値となるように設定され
ている。また、上述した基準電圧は、低回転域では上述
した中回転域と連続するような一定値に設定されてお
り、高回転域では上述した中回転域と連続し、しかもバ
ッテリ電圧よりも若干低い一定値に設定されている。
【0033】このような、基準電圧の設定は、図2に示
したカウンタ502とD/A変換器506とを組み合わ
せることにより実現される。上述したように、カウンタ
502は、下位nビットを除く上位(m−n)ビットの
データを計数値として出力しているため、オルタネータ
1が所定の回転数に達するまでは計数値は「0」とな
る。このとき、D/A変換器506からは所定のオフセ
ット電圧が発生されており、この値が図3(A)に一点
鎖線aで示した基準電圧の低回転域の値に対応する。オ
ルタネータ1の回転数が上昇するとカウンタ502の計
数値が増加するため、D/A変換器506から発生する
電圧も回転数に比例して上昇し、この値が基準電圧の中
回転域の値に対応する。なお、図3(A)ではこの中回
転域における基準電圧の値がオルタネータ1の回転数に
比例して連続的に上昇しているように図示したが、カウ
ンタ502の計数値が離散的な値を取るため、正確に
は、この計数値に対応する基準電圧も階段状に変化して
上昇する。また、さらにオルタネータ1の回転数が増し
ていってカウンタ502の計数値が上限値(出力の各ビ
ットが“1”になった場合)に達した後はこの計数値が
保持されるため、D/A変換器506で発生される電圧
も一定となり、この値が基準電圧の高回転域の値に対応
する。
【0034】次に、オルタネータ1が正常に発電動作を
行っている場合の警報装置4の動作について説明する。
イグニッションキーが回されて、イグニッションスイッ
チ86がオン状態になってエンジンが始動される前の状
態においてはオルタネータ1で発電が行われていないた
め、P端子に印加されるステータコイル10の相電圧は
0Vであり、警報装置4内の電圧比較器52からはハイ
レベルの信号が出力されるため、SR−FF64の出力
端子Qからはハイレベルの信号が出力されてトランジス
タ66がオン状態になって、チャージランプ84が点灯
される。
【0035】さらにイグニッションキーが回されて、ス
タータ(図示せず)が起動されエンジンが始動される
と、エンジンによって駆動されるオルタネータ1の回転
数も次第に増加する。また、このとき発電制御装置4内
の電圧比較器30からはハイレベルの信号が出力される
ため、スイッチングトランジスタ20がオン状態となっ
て、オルタネータ1内のフィールドコイル12に対して
励磁電流が流されるため、オルタネータ1の回転数の増
加に伴って発電電圧が上昇する。このようにして、オル
タネータ1の回転数の上昇に伴って発電電圧が上昇し、
その値が回転数検出/基準電圧変更回路50によって発
生された低回転用の一定の基準電圧を越えると、電圧比
較器52からローレベルの信号が出力されるため(図3
(B))、この信号がアンド回路60を介して(図3
(E))SR−FF64のS端子に、この信号の論理を
反転した信号がアンド回路62を介して(図3(F))
SR−FF64のR端子に入力される。したがって、S
R−FF64がリセットされ、出力端子Qからトランジ
スタ66のベースにはローレベルの信号が出力されて
(図3(G))、トランジスタ66がオフ状態になり、
チャージランプ84が消灯される。
【0036】また、オルタネータ1の回転数が増してい
って発電電圧がバッテリ電圧を越えた場合には、警報装
置4の電圧比較器72からはローレベルの信号が出力さ
れるため(図3(D))、以後アンド回路60から出力
される信号はローレベルに固定されて、SR−FF64
のS端子に対するハイレベル信号の入力がマスクされる
ため、チャージランプ84は消灯状態を維持する。オル
タネータ1の発電電圧がバッテリ電圧を越える場合に
は、正常な発電が行われていると考えることができるた
め、このような状態におけるSR−FF64のS端子へ
のハイレベル信号の入力をマスクすることにより、チャ
ージランプ84の誤点灯を防止することができる。な
お、チャージランプ84が誤点灯する場合とは、例えば
大きな電気負荷82を接続したときに一時的にバッテリ
電圧が低下するような場合が考えられる。
【0037】また、接続された大きな電気負荷82を瞬
時に遮断したような場合には発電電圧が高くなって一時
的にオーバーチャージの状態になるが、このような正常
動作時の発電停止によるチャージランプ84の誤点灯
は、電圧比較器52とアンド回路60の間に抵抗56と
コンデンサ58による遅延回路を挿入することにより回
避することができる。すなわち、オーバーチャージの状
態においてオルタネータ1の発電電圧が低下して、その
ときの回転数に応じて設定されている基準電圧を下回る
と電圧比較器52からはハイレベルの信号が出力される
が、アンド回路60の出力は所定時間はローレベルを維
持する。ところで、電圧比較器52の出力は発電制御装
置2のオア回路32にも入力されており、電圧比較器5
2からハイレベルの信号が出力されると、このハイレベ
ルの信号がオア回路32を介してスイッチングトランジ
スタ20のベースに入力され、オルタネータ1のフィー
ルドコイル12に励磁電流を流すようになっている。し
たがって、オルタネータ1の発電電圧が回転数検出/基
準電圧変更回路50によって設定された基準電圧を大き
く下回ることはなく、一時的に下回ったとしてもすぐに
発電を再開するため、アンド回路60に入力される電圧
比較器52の出力は遅延回路によって遅延および平滑さ
れ、SR−FF64のS端子にハイレベルの信号が入力
されることはなく、トランジスタ66もオフ状態を保つ
ため、オルタネータ1の正常動作時におけるチャージラ
ンプ84の誤点灯を防止することができる。
【0038】次に、オルタネータ1が正常に発電動作を
行っているときに、例えばフィールドコイル12が切れ
て発電を停止した場合の警報装置4の動作について説明
する。オルタネータ1の回転数が所定の回転数以上にな
ると、回転数検出/基準電圧変更回路50からは状態保
持信号が出力されるが、この状態保持信号が出力される
回転数Naは、図3(A)の一点鎖線aで示した基準電
圧の中回転領域に含まれるように設定されている。
【0039】オルタネータ1の回転数がNaより低い場
合にオルタネータ1の発電が停止すると、発電電圧が低
下して回転数検出/基準電圧変更回路50によって設定
された基準電圧を下回るため、電圧比較器52からハイ
レベルの信号が出力され、この信号がアンド回路60を
介してSR−FF64のS端子に入力される。したがっ
て、トランジスタ66がオン状態になってチャージラン
プ84が点灯され、運転者にオルタネータ1の発電が停
止したことが知らされる。
【0040】また、オルタネータ1の回転数がNaより
高い場合には、回転数検出/基準電圧変更回路50から
2つのアンド回路60、62に状態保持信号が入力され
てSR−FF64の内容更新が禁止される。したがっ
て、上述したオルタネータ1の回転数がNaより低い場
合にオルタネータ1の発電停止状態を検出した場合に
は、この状態を保持し、チャージランプ84の点灯状態
が維持される。このため、発電停止状態になった後にオ
ルタネータ1を高回転で回した場合に、残留磁束や永久
磁石14による磁束によって一時的に発電電圧が上昇し
てもチャージランプ84が消灯するといった誤動作がな
く、オルタネータ1の発電停止状態を正確に運転者に知
らせることができる。
【0041】なお、オルタネータ1の回転数がNaより
高い場合に発電停止状態に陥った場合には、その時点で
はSR−FF64の内容更新が禁止されているためチャ
ージランプ84が点灯しないが、オルタネータ1の回転
数が一旦低回転になったときに発電停止状態が検出さ
れ、以後上述したようにオルタネータ1の回転数が高く
なった場合であってもチャージランプ84の点灯状態が
維持される。
【0042】このように、本実施形態の警報装置4で
は、オルタネータ1が回転駆動されて発電を行っている
ときに、フィールドコイル12の断線等によって発電停
止の状態になった場合に、発電電圧を所定の基準電圧と
比較することにより、この発電停止状態を検出してチャ
ージランプ84を点灯させ、運転者にその旨を知らせる
ことができる。特に、上述した基準電圧は、オルタネー
タ1の回転数が低い場合には低く設定されており、エン
ジン始動直後にオルタネータ1の回転を開始した後にチ
ャージランプ84が消灯するまでの時間を短縮すること
ができる。また、上述した基準電圧は、オルタネータ1
の回転数が次第に高くなるにしたがってこれに連動して
高くなるように設定されており、励磁電流が流れていな
い状態で発電電圧が高くなるような場合であっても、確
実に発電停止状態を検出することができる。さらに、こ
のようにして発電停止状態が検出された後にオルタネー
タ1が高速回転された場合には、回転数検出/基準電圧
変更回路50から状態保持信号が出力されてSR−FF
64の内容が保持され、チャージランプ84の点灯状態
が維持されるため、高速回転時に一時的に発電電圧が高
くなった場合であっても誤ってチャージランプ84が消
灯することがない。
【0043】図4は、警報装置に含まれる回転数検出/
基準電圧変更回路の変形例を示す図である。同図に示す
回転数検出/基準電圧変更回路50Aは、電圧比較器5
00、カウンタ502、タイマ504、インバータ回路
508、ノア(NOR)回路510、トランジスタ51
4、抵抗512、516、518、520を含んで構成
されている。電圧比較器500、カウンタ502、タイ
マ504、インバータ回路508は、図2に示した回転
数検出/基準電圧変更回路50に含まれるものと同じ動
作を行うものである。
【0044】また、ノア回路510は、カウンタ502
が有する7ビットの出力端子の中の上位3ビットQ5 、
Q6 、Q7 から出力されるデータの論理和を求め、その
結果を反転する。したがって、ノア回路510からは、
オルタネータ1の回転数が所定値に達するまではハイレ
ベルの信号が出力され、所定の値を越えるとをローレベ
ルの信号が出力される。
【0045】トランジスタ514はこのノア回路510
から出力される信号によってオンオフ状態が設定されて
いる。オルタネータ1の回転数が低い場合であってノア
回路510からハイレベルの信号が出力され、トランジ
スタ514がオン状態になると、コレクタに接続された
抵抗516の一方端がコレクタ−エミッタ間を介して接
地されるため、3つの抵抗516、518、520によ
って分圧回路が構成される。また、オルタネータ1の回
転数が高い場合であってノア回路510からローレベル
の信号が出力され、トランジスタ514がオフ状態にな
ると、上述した抵抗516の一方端が開放された状態に
なるため、2つの抵抗518、520によって分圧回路
が構成される。3つの抵抗516、518、520によ
って構成される分圧回路の分圧比の方が、2つの抵抗5
18、520によって構成される分圧回路の分圧比より
も小さくなるため、オルタネータ1が低回転で動作中は
低い一定の基準電圧が発生され、高回転で動作中は高い
一定の基準電圧が発生される。
【0046】図5は、オルタネータ1の回転数と回転数
検出/基準電圧変更回路50Aで発生する基準電圧の関
係を示す図である。同図に示した一点鎖線dが階段状に
2段階に変更される基準電圧を示しており、オルタネー
タ1の低回転域においては低い一定値が、それ以上の中
回転域および高回転域においては高い一定値が設定され
ている。
【0047】このように、図4に示した回転数検出/基
準電圧変更回路50Aによって発生する基準電圧は、オ
ルタネータ1の回転数が低い場合には低く設定されてお
り、エンジン始動直後にオルタネータ1の回転を開始し
た直後にチャージランプ84が消灯するまでの時間を短
縮することができる。また、上述した基準電圧は、オル
タネータ1の回転数が高くなると階段状に高くなるよう
に設定されており、励磁電流が流れていない状態で発電
電圧が高くなるような場合であっても、確実に発電停止
状態を検出することができる。さらに、このようにして
発電停止状態が検出された後にオルタネータ1が高速回
転された場合には、回転数検出/基準電圧変更回路50
Aから状態保持信号が出力されてSR−FF64の内容
が保持され、チャージランプ84の点灯状態が維持され
るため、高速回転時に一時的に発電電圧が高くなった場
合であっても誤ってチャージランプ84が消灯すること
がない。
【0048】また、図2に詳細構成を示した回転数検出
/基準電圧変更回路50と図4に詳細構成を示した回転
数検出/基準電圧変更回路50Aとを比較すると、前者
はより正確に発電停止状態を検出する場合に適してお
り、後者は回路構成を簡略化する場合に適している。
【0049】なお、オルタネータ1の回転数が増してい
った場合に状態保持信号を出力する回転数Naは、図5
において実線bで示された発電停止時の発電電圧と一点
鎖線dで示された基準電圧とが交差する回転数よりも低
い範囲で設定されている。
【0050】図6は、ロータに埋設された永久磁石14
の具体例を示すロータの部分的な斜視図である。同図に
示すように、ロータ90に含まれるポールコア92、9
4の爪部間に、各爪部間に生じる漏洩磁束を減少される
向きに着磁された永久磁石14が挿入されている。各永
久磁石14は、樹脂あるいは非磁性体の金属で形成され
た磁石保持器96に収納された状態で各爪部間に装着さ
れている。但し、磁石保持器96は、図6に示した形状
に限定されるものではなく、永久磁石14の全体をロー
タの外径側から覆うように箱形形状に形成したり、樹脂
内にモールド成形してもよい。あるいは、磁石保持器9
6を使用せずに永久磁石14をポールコア92、94の
各爪部間に直接埋設してもよい。
【0051】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態の警報装置4
では、オルタネータ1の回転数が所定値Naを越える
と、回転数検出/基準電圧変更回路50、50Aから状
態保持信号を出力して、SR−FF64においてそれよ
り低回転時の内容を保持するようにしたが、低回転時に
点灯したチャージランプ84が高回転時に誤って消灯し
なければよいため、上述した状態保持信号をSR−FF
64のR端子に接続されたアンド回路62のみに入力す
るようにしてもよい。この場合には、低回転域でチャー
ジランプ84が点灯されたときにはその状態が高回転域
でも維持される。また、チャージランプ84の点灯は状
態保持信号が出力された後も可能であり、発電電圧がバ
ッテリ電圧を越えない状態(電圧比較器72からハイレ
ベルの信号が出力されているとき)において、発電電圧
が回転数検出/基準電圧変更回路50、50Aによって
発生した基準電圧を下回ると、SR−FF64のS端子
にハイレベルの信号が入力されて、SR−FF64の出
力がローレベルからハイレベルに変化し、チャージラン
プ84が点灯される。このように、状態保持信号が出力
された後も、SR−FF64のS端子への入力を有効に
しておくことにより、より広範囲にわたってオルタネー
タ1の発電停止状態を検出することが可能となる。
【0052】また、上述した実施形態では、オルタネー
タ1のロータに永久磁石14が埋設された場合について
説明したが、永久磁石14を含まないオルタネータにつ
いても同様に本発明を適用することができる。この場合
には、ロータに永久磁石14が含まれないため発電停止
時の発電電圧が小さくなるが、残留磁束があると回転数
に比例した発電電圧が生じる点は同じであり、この発電
電圧に沿ってこれより高い基準電圧を設定・変更すれば
よい。
【0053】また、上述した実施形態では、回転数検出
/基準電圧変更回路50、50Aによって基準電圧を変
更する動作と、所定の回転数以上のときに状態保持信号
を出力してそれより低回転域で検出した結果を保持する
動作とを組み合わせて発電停止状態を検出するようにし
たが、これらの動作は必ずしも組み合わせる必要はなく
単独で実行するようにしてもよい。
【0054】図7は、回転数検出/基準電圧変更回路5
0(あるいは50A)によって基準電圧を変更する動作
のみを行って発電停止状態を検出するようにした警報装
置4Aの構成を示す図である。同図に示す警報装置4A
は、図1に示した警報装置4に対して、SR−FF64
とそのR端子に接続されたアンド回路62とインバータ
回路54が削除された点が異なっており、それ以外の構
成は共通している。また、SR−FF64が含まれない
ため、回転数検出/基準電圧変更回路50(あるいは5
0A)から状態保持信号を出力する必要はなく、図2や
図4に示したインバータ回路508を省略することがで
きる。このように、SR−FF64やその前段に接続さ
れたアンド回路62およびインバータ回路54がない場
合であっても、オルタネータ1の回転数に応じて変化す
る基準電圧と発電電圧とを比較して発電停止状態を検出
することにより、オルタネータ1が正常に動作している
ときには低回転域で速やかにチャージランプ84を消灯
させることができる。また、発電が停止した状態で回転
数が上昇した場合であっても、高い値に設定された基準
電圧と発電電圧とを比較することによりこの発電停止状
態を検出することができ、チャージランプ84を点灯さ
せることができる。
【0055】図8は、低回転域で検出した発電停止状態
を保持する動作のみを行うようにした警報装置4Bの構
成を示す図であり、全回転域を通じて一定の基準電圧が
設定されている場合の構成が示されている。同図に示す
警報装置4Bは、図1に示した警報装置4に対して、回
転数検出/基準電圧変更回路50を、この回路から状態
保持信号を出力する機能のみを分離した状態保持信号発
生回路68Aと、一定の基準電圧を発生する基準電圧発
生回路68Bとに置き換えた点が異なっており、それ以
外の構成は共通している。基準電圧発生回路68Bは、
図3(A)に一点鎖線aで示した低回転域の一定の基準
電圧を発生させるものである。また、状態保持信号発生
回路68Aは、発電停止時の発電電圧がこの一定の基準
電圧を越える回転数よりも低い回転数で状態保持信号を
発生し、この回転数より高回転になるとSR−FF64
の内容更新が禁止される。このように、基準電圧を回転
数に応じて変化させない場合であっても、低回転域で検
出した発電停止状態を回転数が上がっても保持すること
により、発電電圧が上昇した後もチャージランプ84を
点灯させることができ、運転者に確実に発電停止状態を
知らせることができる。
【0056】また、上述した実施形態では、発電停止状
態を検出したときに、チャージランプ84を点灯させて
運転者にその旨を知らせるようにしたが、チャージラン
プ84を点灯させる代わりに、あるいは点灯させると同
時に、発電停止検出信号をエンジン制御装置(ECU)
等の他の装置に送るようにしてもよい。
【0057】また、図4に示した回転数検出/基準電圧
変更回路50Aでは、低回転域とそれ以外の回転域用に
2段階の基準電圧を設定したが、3段階以上に設定して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用交流発電機の発電停止検出方式
を適用した一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】回転数検出/基準電圧変更回路の詳細な構成を
示す図である。
【図3】オルタネータの回転数と警報装置の各部に入出
力される信号の電圧レベルを示す図である。
【図4】警報装置内の回転数検出/基準電圧変更回路の
変形例を示す図である。
【図5】オルタネータの回転数と図4に示した回転数検
出/基準電圧変更回路で発生する基準電圧の関係を示す
図である。
【図6】永久磁石の具体例を示すロータの部分的な斜視
図である。
【図7】回転数検出/基準電圧変更回路によって基準電
圧を変更する動作のみを行って発電停止状態を検出する
ようにした警報装置の構成を示す図である。
【図8】低回転域で検出した発電停止状態を保持する動
作のみを行うようにした警報装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 発電制御装置 4 警報装置 10 ステータコイル 12 フィールドコイル 14 永久磁石 16 3相全波整流回路 40、42、44、56、68、70 抵抗 46 ダイオード 48、58 コンデンサ 50 回転数検出/基準電圧変更回路 52、72 電圧比較器 54 インバータ回路 60、62 アンド回路 64 SR型フリップフロップ 66 トランジスタ 84 チャージランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02J 7/16 H02J 7/16 E H02P 9/04 H02P 9/04 M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁巻線に励磁電流を流すことにより発
    電を行う車両用交流発電機と、 前記車両用交流発電機の発電電圧が基準電圧以下のとき
    に、前記車両用交流発電機が発電停止状態にあると判定
    する発電状態判定手段と、 前記車両用交流発電機の回転数を検出する回転数検出手
    段と、 前記回転数検出手段によって検出した回転数が所定値以
    下のときに前記発電状態判定手段によって発電停止状態
    にあると判断した場合には、前記回転数検出手段によっ
    て検出した回転数が所定値を越えた場合であっても、前
    記車両用交流発電機が発電停止状態にあるものとして所
    定の警報信号を出力する警報出力手段と、 を備えることを特徴とする車両用交流発電機の発電停止
    検出方式。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記車両用交流発電機は、前記励磁巻線により生じる磁
    界中に磁石が埋設された回転子を有することを特徴とす
    る車両用交流発電機の発電停止検出方式。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記回転数検出手段によって検出した回転数が前記所定
    値を越えない範囲で、回転数が高くなるに従って前記基
    準電圧を高い値に変更する基準電圧変更手段をさらに備
    えることを特徴とする車両用交流発電機の発電停止検出
    方式。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記基準電圧変更手段によって変更される前記発電状態
    判定手段の基準電圧は、前記励磁巻線に励磁電流が流れ
    ていない状態で前記車両用交流発電機を回転させたとき
    に発生する電圧に沿って、しかもこの電圧よりも高い値
    に設定されることを特徴とする車両用交流発電機の発電
    停止検出方式。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記回転数検出手段によって検出した回転数の前記所定
    値は、前記発電状態判定手段の基準値が前記励磁巻線に
    励磁電流が流れていない状態で前記車両用交流発電機を
    回転させたときに発生する電圧未満の領域に設定される
    ことを特徴とする車両用交流発電機の発電停止検出方
    式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009183087A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Denso Corp 発電停止検出方式

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