JPH10257674A - モデリング方法、予測方法及び系統安定化制御方法 - Google Patents

モデリング方法、予測方法及び系統安定化制御方法

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JPH10257674A
JPH10257674A JP5352697A JP5352697A JPH10257674A JP H10257674 A JPH10257674 A JP H10257674A JP 5352697 A JP5352697 A JP 5352697A JP 5352697 A JP5352697 A JP 5352697A JP H10257674 A JPH10257674 A JP H10257674A
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Yasuhiro Kojima
康弘 小島
Yasuyuki Kowada
靖之 小和田
Hideji Oshida
秀治 押田
Shinichi Imai
伸一 今井
Hisaya Shiyouji
寿哉 庄司
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電所の自端情報のみを用いて動揺現象の予
測演算を行ない脱調現象を防止する安定化制御のための
手段を提供する。 【解決手段】 本発明の系統安定化制御方法は、発電所
の自端情報のみの計測を行なった上で、動揺現象を特徴
づける2機発電機モデルと等価な発電機モデルの位相角
及び発電機定数を算出する発電機定数算出工程と、算出
された位相角及び発電機定数を用いて動揺現象の予測演
算を行なう予測演算工程と、予測結果に基づき発電機が
脱調するか否かを判定する脱調予測判定工程と、脱調が
判定された際に発電機遮断量を算出する遮断量算出工程
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力系統の安定
化を図るためのモデリング方法、予測方法及び系統安定
化制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】系統安定化方法とは、発電機の動揺現象
の安定化を図る方法で、例えば揚水発電機群を有する発
電所において、本系統で事故が発生した時に、揚水発電
機の脱調現象を最小限に抑え、系統全体の安定化を図る
ために必要台数の発電機の遮断を行なうために用いられ
る。図20は、従来の系統安定化制御装置の一例を示す
システムの概念図である。この図において、符号1は系
統安定化制御装置の設置される発電所(以下自端と呼
ぶ)の発電機、2は自端以外において代表発電機を含む
多機系統で構成される本系統、3は系統安定化で用いる
本系統側の代表発電機(以下代表発電機と呼ぶ)、4は
系統安定化制御装置、5は系統安定化制御装置4で用い
る自端のデータ計測点、6は代表発電機のデータ計測装
置、7は代表発電機3に設置されるデータ計測装置6か
ら系統安定化制御装置4へのデータ転送を行なうための
伝送路を示している。
【0003】従来の系統安定化制御装置4では、装置へ
の系統状態の入力は、自端及び本系統側の代表点におけ
る計測データである。ここで本系統側の代表点として
は、事前の系統現象の解析などに基づき系統事故発生時
に自端と相対して動揺すると思われる発電機を選択して
おく必要がある。また、代表点のデータを自端にて用い
るために、専用の伝送路を設置する必要がある。
【0004】図19は平成8年電気学会電力・エネルギ
ー部門大会にて発表された「予測演算論理に基づく系統
安定化制御方式に関する基礎的検討」に記載された等価
発電機オンラインモデリングの概略図である。図19に
おいて、符号1はオンラインモデリングを行ない予測演
算の対象となるの発電機、2は自端以外の本系統、5は
オンラインモデリングを行なうためのデータを計測する
計測点、8は本系統を1機発電機モデルで縮約した仮想
相手端、9は自端及び仮想相手端の間に仮想的に存在す
る線路リアクタンスを示している。
【0005】次にこの従来例の動作について説明する。
上記「系統安定化制御方式に関する基礎的検討」では、
図19に示されるように、自端以外の本系統を等価1機
発電機(以下相手端)で模擬し、自端及び仮想相手端の
2つの発電機を考えることにより、事前に相手端の選択
を行なうことなく、自端で事故発生後に得られる情報を
用いて動揺現象を把握するためのオンラインモデリング
論理が報告されている。
【0006】図19において、自端(1)で事故後に計
測可能な情報は自端付近の計測点における潮流値(P1
+jQ1)及び計測点の電圧値(V1)である。このと
き、
【数1】 及び
【数2】 が成立する。この式をXLについて解くことにより、
【数3】 が得られる。ここで仮想相手端の電圧値(E2)は、事
故直後の過渡領域で大きくは変化しない性質を利用すれ
ば、事前設定しておくことにより自端及び仮想相手端間
の線路リアクタンス(XL)は式3から算出が可能であ
る。ここで得られたXLを再び式2に代入することによ
り、自端及び仮想相手端の位相差は
【数4】 として算出できる。
【0007】しかし、実際には、事故後の動揺現象の過
渡領域であっても、相手端の電圧値(E2)はある程度
の変動をすること、事前に設定した電圧値が実際には異
なる可能性があることなどから、必ずしも式4で算出さ
れる位相角は正確に算出されるとは限らないという問題
がある。また、式3において、演算子「±」が含まれて
いるが、そのどちらを選択するかについては具体的な方
法がないという問題点がある。
【0008】また前出の予測演算論理に関する文献で
は、相手端発電機の発電機定数(慣性定数:M2、制動
係数:D2)及び発電機機械入力(PM2)について
は、
【数5】 で表される仮想相手端発電機に関する運動方程式で表現
ができる。ここでn個の時間断面(t1、・・・、t
n)において前述の式4から得られた位相角(θ2)の
時系列データを用いれば、
【数6】
【数7】 なる式に最小自乗法を適用することにより、
【数8】 から相手端発電機の慣性定数(M2)、制動係数(D
2)及び発電機機械入力(PM2)の算出ができると記
載されている。
【0009】しかし、自端の位相角の動揺に比べて、一
般的に本系統を代表することとなる仮想相手端の動揺の
振幅は小さいといえる。このため、式7を算出する際に
必要な位相角の二階微分の値には誤差が多く含まれるこ
ととなり、発電機定数の算出精度に問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の安定化方式に用
いられる自端に対する仮想相手端のオンライン計測デー
タに基づくモデリング方式は上述したように構成されて
いるので、仮想相手端の位相角の算出及び仮想発電機の
発電機定数の算出に関して、演算精度を満足しないとい
う問題点があった。
【0011】この発明は、上述したような問題点を解決
されるためになされたもので、自端情報のみを用いた仮
想相手端位相角の演算及び発電機定数の算出に際して、
演算精度を向上させることを目的とする。本発明の他の
目的は、自端情報のみから算出された位相角及び発電機
定数から、事故発生後の動揺現象が発散して発電機が脱
調すると予測される場合、事前の予測演算により、安定
化制御に必要な発電機の遮断台数を算出することにあ
る。
【0012】本発明の更に他の目的は、自端−仮想相手
端間の位相角演算において、仮想相手端の電圧の事前設
定値によらず、位相角演算の精度を向上させ得るモデリ
ング方法を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、自端−仮想相手
端間の位相角算出後の発電機定数算出において、仮想相
手端位相角の動揺偏差が小さい場合にも、発電機定数演
算の精度を向上さ得るモデリング方法を提供することに
ある。
【0014】本発明の更に他の目的は、発電機位相角及
び発電機定数算出後に、系統事故発生後の動揺現象の予
測演算を実施するための予測方法を提供することにあ
る。
【0015】本発明の更に他の目的は、発電機の動揺現
象の予測演算の結果を用いて、現状のままであれば発電
機が脱調するかしないかを判定するための予測方法を提
供することにある。
【0016】本発明の更に他の目的は、系統事故発生後
に発電機が脱調すると予測される場合に、系統を安定化
するために必要な発電機遮断を行なうための系統安定化
制御方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
わるモデリング方法は、仮想相手端電圧の事前整定値に
よる誤差を取り除くために、自端及び仮想相手端間の線
路リアクタンス算出前は仮想相手端電圧が変化しないと
仮定してベクトル的に位相角の算出をおこない、最も位
相角が大きくなったことを検出した時点で電圧値を用い
てベクトル的に自端及び仮想相手端間の線路リアクタン
スを算出し、線路リアクタンス算出後は、線路リアクタ
ンスを用いてベクトル的に自端及び仮想相手端間の位相
角を算出するようにしたものである。
【0018】請求項2記載の発明に係わるモデリング方
法は、仮想相手端電圧の事前整定値に固定とするために
発生する演算誤差を取り除くために、現在の相手端電圧
値からベクトル的に算出される位相角と、線路リアクタ
ンスからベクトル的に算出される位相角とを比較し、差
が一定以上開く場合に、差を縮めるよう仮想相手端電圧
値及び線路リアクタンスを修正しながら、自端及び仮想
相手端間の位相角を算出するようにしたものである。
【0019】請求項3記載の発明に係わるモデリング方
法は、発電機定数の算出に際して、自端及び仮想相手端
の2つの発電機モデルを別個に扱うことなく、安定度的
に等価な1機発電機モデルに置き換えることで、位相角
の変動が小さな仮想相手端の発電機定数の算出を行なう
ことなく、動揺現象の予測演算に必要な発電機定数の算
出を行なうようにしたものである。
【0020】請求項4記載の発明に係わるモデリング方
法は、発電機定数の算出に際して、発電機の運動方程式
を計測データの時系列データから最小二乗法を用いて算
出する時に、運動方程式を事前に不定積分しておき位相
角の二階微分の項をなくしておくことで、演算誤差を小
さくして発電機定数の算出を行なうようにしたものであ
る。
【0021】請求項5記載の発明に係わる予測方法は、
予測演算に用いる発電機及び無限大母線系統の回路網方
程式を、上記位相角演算方式で算出した線路リアクタン
ス及び仮想相手端電圧値から算出する代わりに、上述の
位相角演算手法で算出した位相角及び自端で計測可能な
電気的出力値の時系列データを用いて、位相角と電気出
力の関係が三角関数で表現できるという事実に基づき三
角関数で回路網方程式を数式化して算出した上で、発電
機の動揺を表現する運動方程式と回路網方程式を交互に
解いて動揺現象の予測演算を行なうようにしたものであ
る。
【0022】請求項6記載の発明に係わる予測方法は、
上記予測方法の位相角及び電気出力による回路網方程式
の算出に際して、過去の時系列データの選択を位相の間
隔が均等となるように選択した上で回路網方程式の補正
を行ない、動揺現象の予測演算を行なうようにしたもの
である。
【0023】請求項7記載の発明に係わる予測方法は、
自端発電機及び仮想相手端発電機を安定度的に等価な1
機発電機モデルに置き換えて予測演算を行なう際に、自
端発電機の遮断を行なった場合の等価発電機定数の変化
を算出することにより、遮断実施が行なわれた場合の発
電機動揺の予測演算を行なうようにしたものである。
【0024】請求項8記載の発明に係わる予測方法は、
上記発電機動揺の予測演算方法を用いて発電機の位相角
及び電気出力の予測演算行なった結果、発電機の位相角
が増加すると共に、発電機の電気出力値が減少している
時に、事故発生前の発電機出力値を下回ることにより、
発電機の脱調現象を実際の脱調現象が発生する前に判定
するようにしたものである。
【0025】請求項9記載の発明に係わる系統安定化制
御方法は、上記発電機の脱調を予測判定する方法を用い
て、発電機の脱調現象を実際の脱調現象の事前に予測し
た場合、複数台数ある発電機のうち事前に整定した台数
の発電機の遮断を実施することにより、残りの発電機の
脱調現象を抑制して系統の安定化を行なうようにしたも
のである。
【0026】請求項10記載の発明に係わる系統安定化
制御方法は、上記発電機の脱調を予測判定する方法によ
り脱調を予測した場合に、発電機の遮断台数を逐次変更
した上で、再度請求項7の予測演算方法を用いて発電機
動揺の予測演算を行ない、脱調現象が発生しないと予測
されるまで上記を繰り返し行なうことにより、安定化に
必要な発電機の遮断台数の算出を行なうようにしたもの
である。
【0027】請求項11記載の発明に係わる系統安定化
制御方法は、上記発電機の脱調を予測判定する方法を用
いて発電機の脱調現象を実際の脱調現象の事前に予測し
た場合、複数台数ある発電機のうち1台の発電機の遮断
を実施し、更に位相角最小となる時点を待って、更に1
台の遮断を追加して行なうようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、添付図面を参照して、この発明の
実施の形態について説明する。図2は実施の形態1によ
るモデリング方法における位相角算出方式の動作原理を
示すフローチャートである。また、図3は実施の形態1
における諸量のベクトル的な関係を示す図である。
【0029】次に、この実施の形態1の動作について図
2を参照して説明する。本方式では、先ずステップS1
において、最初に仮想相手端電圧(E2)を整定値とし
て与えておく。本系統側で事故が発生したことを検知し
て、以下のループを繰り返し実行する。
【0030】ステップS2では、系統安定化装置を設置
する発電所の計測点における電圧値(V1)を計測し、
ステップS3で電流値(P+jQ)の計測を行なう。ス
テップS4では、計測したデータを用いて計測点の電圧
に対する電流(I)の絶対値及び位相角(α)を
【数9】 として算出する。なお、このステップS4で電流値を直
接計測して利用することも可能である。
【0031】ステップS5では、線路リアクタンス(X
L)が既に算出済みか否かの判定を行なう。すなわち、
始めてこのステップS5に入る場合は、未算出である。
算出済みの場合はステップS6に、算出していない場合
はステップS7を実施する。
【0032】ステップS6では、計測点の電圧値(V
1)、線路リアクタンス(XL)、電流値(I)、電流
の位相角(α)を用いて、電流に対する仮想相手端の位
相角(β)を次式で算出する。
【数10】
【0033】ステップS7では、計測点の電圧値(V
1)、仮想相手端の電圧値(E2)、電流の位相角
(α)を用いて、電流に対する仮想相手端の位相角
(β)を次式で算出する。
【数11】
【0034】ステップS8では、例えば位相角(β)の
微分値などを用いて、極大値の判定を行なう。またこの
ステップS8は、βの代わりに電流値(I)の極大値を
用いることも可能である。極大値である場合、ステップ
S9へ、極大値でない場合はステップS10を実施す
る。
【0035】ステップS9では、計測点の電圧値(V
1)、仮想相手端の電圧値(E2)、電流値(I)、電
流の位相角(α)、電流に対する仮想相手端の位相角
(β)を用いて、次式により線路リアクタンス(XL)
の算出を行なう。
【数12】
【0036】ステップS10では、計測点に対する電流
の位相角(α)及び電流に対する仮想相手端の位相角
(β)を用いて、次式により計測点に対する仮想相手端
の位相角(δ)の算出を行なう。
【数13】 位相角(δ)の算出が完了すれば、次の計測を行なうた
めにステップS2に戻る。
【0037】実施の形態2.図4は本発明の実施の形態
2によるモデリング方法における位相角算出方式の動作
原理を示すフローチャートである。
【0038】次に、この実施の形態2の動作について図
4を参照して説明する。本実施の形態2は、E2を初期
化する部分である、ステップS1乃至S5は実施の形態
1と同じである。
【0039】ステップS20では、実施の形態1のステ
ップS6と同様の方式にて位相角の算出を行なうが、こ
こで得られる値をβ1とする。
【0040】また、ステップS21についても、実施の
形態1のステップS7と同様の方式にて位相角の算出を
行なうが、ここで得られる値をβ2とする。これにとも
ない、図1のステップS7及びステップS8に対応する
ステップS22及びステップS23で用いる位相角はβ
2に置き換わる。
【0041】ステップS24では、自端及び仮想相手端
間の位相角(δ)を次式で算出する。
【数14】
【0042】ステップS25では、算出された位相角β
1及びβ2に関して、β1/β2とβ2/β1との最大
値Max(大きい方)が所定の定数Kよりも大きいか否
かを判定し、Max≦Kの場合には、次のデータを計測
するために、ステップS2に戻る。また、Max>Kの
場合は、ステップS26に進み、α、β1,β2、V1
を用いてE2を修正する。
【0043】ステップS26では、次式により仮想相手
端の電圧値の補正を行なう。
【数15】 なお、フローチャートに示すKは事前整定項目であり、
1ないしは2程度の定数値である。仮想相手端電圧の補
正終了後は、次のデータを計測するためにステップS2
に戻る。
【0044】実施の形態3.図5は、実施の形態3によ
るモデリング方法における発電機定数算出方式の概念図
である。
【0045】次に、この実施の形態3の動作原理につい
て図5を参照して説明する。一般的に、2機発電機系統
は安定度的に等価な1機発電機−無限大母線系統に置き
換えて考えることが可能である。このとき、等価1機発
電機モデルの運動方程式は次式で表される。
【数16】
【0046】2機モデルと1機等価モデルの発電機定数
等の関係は、
【数17】 である。ここで自端及び仮想相手端間の線路に関して
は、前述の位相差演算方式でリアクタンスのみを仮定し
たため有効電力の損失はないため、次式が成立する。
【数18】 したがって、式16は
【数19】 と書き換えることが可能である。
【0047】この式19を式5の代わりに用いて、例え
ば実施の形態1及び2等の位相角演算方式により算出で
きる自端−仮想相手端の位相差(δ)の時系列データを
用いれば、
【数20】
【数21】 なる式に最小自乗法を適用することにより、
【数22】 として、等価1機発電機の発電機定数の算出を行なうこ
とが可能である。
【0048】実施の形態4.本発明の実施の形態4は本
発明によるモデリング方法における発電機定数算出方式
の動作原理を実現するものである。式19の等価1機発
電機モデルの運動方程式に対して不定積分を行ない、
【数23】 と変形する。ここでCは不定積分に伴う積分係数であ
る。
【0049】位相角(δ)に関して、例えば上記実施の
形態1及び2等の位相角演算方式を用いて方法をn個の
時間断面データ(t1、・・・、tn)が得られれば、
式21と同様の式変形により次式が得られる。
【数24】 但し、Tはデータのサンプル間隔である。したがって、
【数25】 として、等価発電機の発電機定数が算出できる。
【0050】実施の形態5.図6は、本発明の実施の形
態5による予測演算方式におけるフローチャートであ
る。また、図7はこの予測演算方式で用いる電力位相差
特性補正の概念図である。
【0051】次に、図6を参照してこの実施の形態5の
動作原理を説明する。発電機の動作の予測演算を行なう
場合は、例えば次式で示される2機の発電機に関する電
力位相差特性を表す回路網方程式(ステップS84)
と、発電機の運動方程式(ステップS85)を交互に解
くことにより実現可能である。
【数26】
【数27】 したがって、図6のフローチャートに示されるように、
自端情報の計測(ステップS80)、オンラインモデリ
ング(ステップS81)を行なって得られる位相角及び
電気出力の値を用いて、上記方程式を交互に解くことに
より予測演算を実行することが可能である(ステップS
83〜ステップS86)。
【0052】この時の電力位相差特性は、式26に示さ
れる通り、自端電圧値(E1)、相手端電圧値(E2)
及び自端相手端間の線路リアクタンス(XL)が分かれ
ば計算することが可能である。したがって、上記実施の
形態1乃至4などの方法を用いて自端とそれに対する本
系統を1機−無限大母線系統モデルに変換することによ
り、オンライン計測データを用いて式26の特性を同定
することが可能である。
【0053】しかし、現実の系統とモデル系統との差に
より誤差が発生する場合がある。この様な場合に、式2
6をより一般的に次式で置き換える(ステップS8
2)。
【数28】 そこで、オンライン計測したPE(t)及び位相角演算
手法により算出されたδ(t)の時系列データを一定時
間間隔で用いて、式28を次のように変形して、各係数
を求める。
【数29】
【数30】
【0054】最小2乗法を適用してb1、b2、P0を
算出すれば、P1、θ0は次式により算出できる。
【数31】
【数32】
【0055】この方式により補正した電力位相差特性を
用いて、1機発電機−無限大母線系統の予測演算を行な
うことにより、予測演算精度の向上を図ることが可能と
なる。
【0056】実施の形態6.図8は、本発明の実施の形
態6による予測演算方式の電力位相特性補正による補正
向上効果を示すもので、(a)は本発明手法によるも
の、(b)は従来方法によるものである。
【0057】次に、この実施の形態6の動作について説
明する。前記実施の形態5の補正方式では、補正に用い
る電気出力(PE)及び位相角(δ)の時系列データに
ついて、現時刻から時間間隔一定で過去に溯りながら選
択して演算に用いている。
【0058】これに対し、本実施の形態6における電力
位相差特性の補正方式では、現時刻から過去に溯りなが
らデータを選択する際に位相角に着目して、最後に選択
したデータと位相角が予め指定した角度を越えるという
条件を満たしたデータの選択を行なう。この動作を繰り
返すことにより、過去の時系列データを選択する際に、
電力位相差の平面上で、図8の(a)に示すように、選
択した時系列データが等間隔に選択されることになり、
最小二乗法で電力位相差特性を演算する際の演算精度を
向上させることが可能となる。
【0059】この方式により補正した電力位相差特性を
用いて、1機発電機−無限大母線系統の予測演算を行な
うことにより、予測演算精度の向上を図ることが可能と
なる。
【0060】実施の形態7.図9の(a)は、本発明の
実施の形態7による予測演算方式を用いた場合の発電機
遮断実施時の予測演算方式(方式1)のフローチャート
である。また、図9の(b)はこの予測演算方式を用た
場合の発電機遮断実施時のもう一つの予測演算方式(方
式2)のフローチャートである。
【0061】次に、この実施の形態7の動作原理につい
て図9を参照して説明する。まず、方式1について説明
する。
【0062】ステップS31における自端でのデータ計
測に基づき、ステップS32において、上記モデリング
方法などの方式を用いて、事故後の動揺現象を特徴づけ
る等価発電機モデルの発電機定数の算出を行なう。
【0063】ステップS33で自端発電機の遮断台数の
設定を行なう。
【0064】ステップS34では、式17の関係を用い
て、事前に知ることのできる自端発電機の慣性定数(M
1)及びステップS32にて算出された等価発電機の慣
性定数(M)を用いて次式で仮想相手端発電機の慣性定
数(M2)の算出を行なう。
【数33】
【0065】ステップS35では、ステップS33で選
択した遮断台数を用いて、自端発電機の慣性定数の変化
の計算を行なう。すなわち、全自端発電機台数をN、遮
断される発電機の台数をnとしたときの遮断係数(a=
(N−n/N))を用いれば、遮断実施後の自端発電機
の慣性定数(M’1)は、次式
【数34】 により表される。
【0066】ステップS36では、ステップS34で算
出したM2及びステップS35で算出したM’1を用い
て、遮断実施後の等価発電機の慣性定数(M’)の算出
を次式で行なう。
【数35】
【0067】ステップS37では、ステップS36で算
出した遮断実施後の等価発電機の慣性定数を用いて、前
記予測演算手法等の方式を用いて予測演算を実施する。
【0068】次に、方式2について説明する。方式2で
は、方式1の等価発電機の慣性定数の算出(ステップS
34、S35、S36)がステップS38と簡略化され
たものである。この簡略化により、方式2のステップS
38では、方式1のステップS36の式35の代わりに
次式が用いられる。
【数36】
【0069】この簡略化により、方式1を用いて算出し
たM’は方式2を用いて算出したM’と比較すれば誤差
を含むことになるが、一般的に自端発電機の慣性定数
(M1)に比べて仮想相手端発電機の慣性定数(M2)
が10倍程度大きなことを考慮すればその誤差の影響は
小さい。
【0070】実施の形態8.図10は、本発明の実施の
形態8による脱調予測判定手法の動作原理を説明するフ
ローチャートである。次にこの実施の形態8の動作につ
いて図10を参照して説明する。
【0071】本方式では、ステップS41において、事
故発生前の自端発電機の電気出力値を保存しておく。
【0072】ステップS42では、前述の実施の形態5
及び6等の予測演算方式を用いて、発電機動揺現象の予
測演算を1サンプルステップ分だけ行なう。
【0073】ステップS43では、ステップS42で得
られた等価発電機の電気出力について、前回の予測演算
結果の電気出力との比較をすることにより、電気出力が
減少しているか否かを判定する。増加している場合は、
脱調現象は発生しないため、ステップS42に戻り、次
の時刻の予測演算を行なう。減少している場合には、脱
調する可能性があるため、ステップS44に進む。
【0074】ステップS44では、現在予測演算してい
る等価発電機電気出力値が、事前に保存した自端発電機
の実際の電気出力より小さいか否かを判定する。大きな
場合は、脱調現象は発生しないため、ステップS42に
戻り、次の時刻の予測演算を行なう。小さな場合には、
脱調する可能性があるため、ステップS45に進む。
【0075】ステップS45では、前回の予測演算結果
の位相角との比較をすることにより、位相角が増加して
いるか否かを判定する。減少している場合には、脱調現
象は発生しないため、ステップS42に戻り、次の時刻
の予測演算を行なう。増加している場合には、脱調する
と判定する。
【0076】実施の形態9.図1は本発明の実施の形態
9による安定化制御方式を組み込んだ系統安定化制御装
置4Aを有するシステムを説明する図である。図11は
実施の形態9の安定化制御方式の動作原理を示すフロー
チャートである。図1のシステムの概略構成は、系統安
定化制御装置4Aを除けば、図19に示した上記従来例
と略同様であり、同一あるいは対応する部分には、図1
9と同一の符号を付した、
【0077】次に、図11のフローチャートを参照し
て、この実施の形態9の動作原理を説明する。ステップ
S51では、電力値、電流値、電圧値など自端情報の計
測を行なう。ステップS52では、実施の形態1乃至4
等の手法を用いて、事故後の動揺現象を特徴つける等価
発電機モデルに関して、位相角及び発電機定数の算出を
行なう。
【0078】ステップS53では、実施の形態5及び6
等の予測演算方式を用いて、現在の状態から先の発電機
の動揺現象の予測演算を行なう。
【0079】ステップS54では、実施の形態8等の脱
調予測判定方式を用いて、現在の発電機の運用状態が将
来脱調するか否かの判定を行なう。脱調すると判定され
ない場合には、ステップS51の自端情報の計測に戻
る。脱調すると予測された場合には、ステップS55に
進む。
【0080】ステップS55では、事前に設定した台数
の発電機を、複数ある自端発電機群の中から選択する。
【0081】ステップS56では、ステップS55で選
択された発電機の遮断を実際に実施する。
【0082】実施の形態10.図12は本発明の実施の
形態10による安定化制御方式の動作原理を示すフロー
チャートである。
【0083】この実施の形態10の動作原理を図12に
より説明する。ステップS51からステップS54まで
は実施の形態9と同じである。
【0084】ステップS57では、遮断する発電機の台
数を1台増加させる。なお、始めてこの処理をする際に
は1台が選択される。
【0085】ステップS58では、上記実施の形態7等
の手法を用いて、ステップS57で選ばれた台数の発電
機を遮断した場合の予測演算を行なう。
【0086】ステップS59では、上記実施の形態8の
脱調予測判定方式などを用いて、ステップS58で予測
演算された発電機の動揺現象が脱調するか否かの判定を
行なう。脱調すると判定されない場合には、ステップS
60に進む。脱調すると予測された場合には、ステップ
S57に戻る。
【0087】ステップS60では、ステップS57で選
択された発電機の遮断台数について複数ある自端発電機
から選択を行ない、実際に遮断を実施する。
【0088】簡単な2機系統モデル系統を用いた本手法
の適用結果を示す。図13は検証に用いた2機系統モデ
ルの構成を示す。図中、G1が等安定化制御方式に基づ
く系統安定化制御装置を設置する自端の発電所で、G2
が相手端の発電所である。
【0089】この系統において、自端発電所G1のデー
タ計測点(GEN1)における自端情報を用いて、上記
実施の形態2に示した手法による発電機位相角演算を行
なった結果を図14に示す。この図14から、両者が正
確に一致しており、自端情報のみから、自端−相手端の
位相角が算出可能なことが確認できる。
【0090】上記実施の形態4に示した発電機定数算出
方式を用いた等価発電機の発電機定数算出結果を図15
に示す。図15中、実線で示される真値と破線で示され
る予測値がほぼ一致していることがわかる。
【0091】上記2機系統モデルの自端発電所G1が、
4台の発電機から構成され、1台ずつ遮断可能とした場
合の、制御量算出にともなう予測演算結果を図17に示
す。図17中、括弧の中に発電機の遮断台数を示してい
る。この図17から、遮断を行なわない場合は、発電機
の電気出力(PE)が減少し続けて脱調に至っている
が、1台の遮断を行なうことにより、脱調現象を未然に
防止できることが予測演算結果から得られた。なお、こ
の遮断台数は、詳細な発電機の安定度解析プログラムを
用いて試行錯誤で遮断台数を選択した結果と一致した。
【0092】実施の形態11.図18は本発明の実施の
形態11による安定化制御方式の動作原理を示すフロー
チャートである。
【0093】次に、この実施の形態11の動作原理を図
18を参照して説明する。ステップS71では、電力
値、電流値、電圧値など自端情報の計測を行なう。
【0094】ステップS72では、上記実施の形態1乃
至4等の手法を用いて、事故後の動揺現象を特徴つける
等価発電機モデルに関して、位相角及び発電機定数の算
出を行なう。
【0095】ステップS73では、ステップ2で算出し
た位相角の値が極小値か否か、及び追加遮断フラグが真
に設定されているかを判定する。なお、始めてこのステ
ップS73に入る場合には、追加遮断フラグは偽に設定
されている。該当する場合(真)にはステップS77
へ、該当しない場合(偽)にはステップS74に進む。
【0096】ステップS74では、上記実施の形態5及
び6等の予測演算方式を用いて、現在の状態から先の発
電機の動揺現象の予測演算を行なう。
【0097】ステップS75では、上記実施の形態8等
の脱調予測判定方式を用いて、現在の発電機の運用状態
が将来脱調するか否かの判定を行なう。脱調すると判定
されない場合には、ステップS71の自端情報の計測に
戻る。脱調すると予測された場合には、ステップS75
に進む。
【0098】ステップS76では、追加遮断フラグを偽
に設定する。
【0099】ステップS77では、追加遮断フラグを真
に設定する。
【0100】ステップS78では、事前に設定した台数
の発電機を、複数ある自端発電機群の中から選択する。
【0101】ステップS79では、選択された発電機の
遮断を実際に実施する。
【0102】
【発明の効果】以上のように、請求項1又は2に記載の
発明によれば、自端−仮想相手端間の位相角演算方式に
関して、仮想相手端電圧の事前整定した値によらず、シ
ステムの動揺中に計測された自端情報に基づき、自端及
び仮想相手端間の線路リアクタンスを算出した上で自端
−仮想相手端間の位相角を算出するため、事前整定の影
響を受けにくく、たとえ現象の途中で相手端電圧値もし
くは線路リアクタンスが変化した場合にも、位相角が正
しく算出できるという効果がある。
【0103】請求項3に記載の発明によれば、自端及び
仮想相手端発電機を等価発電機にまとめて発電機定数を
算出するため、演算精度の悪くなりやすい仮想相手端の
発電機定数の算出を行なわずに、動揺現象を特徴づける
等価1機発電機の特性を同定できるという効果がある。
【0104】請求項4に記載の発明によれば、等価発電
機の運動方程式を解く際に、誤差の発生しやすい位相角
の二階微分の項を、数式上事前に不定積分を行なうこと
により削除したため、発電機定数の算出の際に演算誤差
の影響を受けにくいという効果がある。
【0105】請求項5又は6に記載の発明によれば、等
価発電機の電気出力と位相角の関係を実際の計測データ
を用いて補正するため、動揺現象の予測結果と実際の動
揺現象の誤差が小さくなるという効果がある。
【0106】請求項7に記載の発明によれば、動揺現象
の予測演算を行なう際に、発電機の遮断が行なわれた場
合の発電機定数の算出を行なうことにより、遮断実行後
の動揺現象の予測演算を行なうことができるという効果
がある。
【0107】請求項8に記載の発明によれば、発電機の
動揺現象の予測演算結果を用いて発電機が動揺するか否
かを判定することができるという効果がある。
【0108】請求項9、10又は11に記載の発明によ
れば、発電機の動揺現象の予測演算結果を用いて、発電
機が脱調する場合には、脱調現象を未然に防止するため
に必要な発電機を遮断することにより、系統の安定化を
図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態9による安定化制御方
式を用いた系統安定化装置の説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による位相角演算方
式の説明するフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による位相角演算方
式における位相角の関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による位相角演算方
式の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3の発電機定数算出方
式における等価発電機による縮約を説明する図である。
【図6】 この発明の実施の形態5及び6による予測演
算方式の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態5による予測演算方式
の、電力位相差特性の補正方式の説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による予測演算方式
の、電力位相差特性の補正方式による補正結果の一例で
ある。
【図9】 この発明の実施の形態7による予測演算方式
の動作を説明するフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態8による脱調予測判
定方式の動作を説明するフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態9による制御量算出
方式の動作を説明するフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態10による制御量算
出方式の動作を説明するフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態10において検証を
行なったモデル系統である。
【図14】 この発明の実施の形態10における、位相
角差算出手法の検証結果である。
【図15】 この発明の実施の形態10における、発電
機定数算出手法の検証結果である。
【図16】 この発明の実施の形態10における、発電
機出力値の予測演算結果である。
【図17】 この発明の実施の形態10における、遮断
量算出結果である。
【図18】 この発明の実施の形態11による制御量算
出方式の動作を説明するフローチャートである。
【図19】 これまでに発表された自端情報に基づく安
定化制御方式の説明図である。
【図20】 従来の系統安定化制御装置の一例を示すシ
ステムの概念図である。
【符号の説明】
1 本安定化装置を設置する自端発電所の発電機、2
自端以外で代表発電機を含む多機系統で構成される本系
統、3 従来の系統安定化で用いる本系統側の代表発電
機(代表発電機)、4,4A 系統安定化制御装置、5
自端のデータ計測点、6 系統安定化で用いる本系統
側の代表発電機のデータ計測装置、7代表発電機に設置
されるデータ計測装置から系統安定化装置へのデータ転
送を行なうための伝送路、8 本系統を1機発電機モデ
ルで縮約した仮想相手端、9自端及び仮想相手端の間に
仮想的に存在する線路リアクタンス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 押田 秀治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 今井 伸一 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 庄司 寿哉 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東 京電力株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚水発電機群を有する発電所において、
    本系統における事故発生に伴う発電機動揺中に、自端に
    て計測可能な情報の計測を行ないながら、動揺現象を特
    徴付ける自端及び仮想相手端モデルを用いて自端と本系
    統間の動揺現象を模擬する際の自端−仮想相手端間の位
    相角を算出する方法であって、 動揺現象の過渡領域においては、仮想相手端の電圧が変
    化しないと仮定し、自端にて計測可能な電流量及び電流
    の自端に対する位相角度を用いて、ベクトル図から仮想
    相手端の自端に対する位相角を算出する工程と、 各動揺周期中の位相角が最大となった時点で、その時点
    の電流量を用いて自端−仮想相手端間のリアクタンスを
    算出する工程と、 リアクタンス算出後においては、自端にて計測可能な電
    流量及び電流の自端に対する位相角を用いて、ベクトル
    図から仮想相手端の位相角を算出する工程と、を備える
    モデリング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のモデリング方法において、 算出された線路リアクタンスと自端にて計測した電流値
    及び電流の位相角とを用いて得られる仮想相手端位相角
    と、初期値として事前に設定した仮想相手端電圧値と自
    端にて計測した電流値及び電流の位相角を用いて得られ
    る仮想相手端の位相角とを比較してそれらの間の位相角
    差を求める工程と、 前記位相角差が事前に設定した値よりも大きくなる場合
    は、線路リアクタンス及び仮想相手端電圧値の設定値を
    上記位相角差が小さくなるように修正する工程と、 を更に備えるモデリング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のモデリング方法におい
    て、 上記演算により算出された自端−仮想相手端間の位相角
    から自端位相角を引いて得られる仮想相手端の位相角及
    び自端発電機の電気的出力の実測値から算出した仮想相
    手端発電機出力の時系列データを、仮想相手端発電機の
    運動方程式に当てはめて最小二乗法等により仮想相手端
    発電機の慣性定数、制動係数及び機械的入力の値を算出
    する工程を更に備え、 上記仮想相手端発電機の慣性定数、制動係数及び機械的
    入力の値を算出する工程において、自端−仮想相手端発
    電機を安定度的に等価な1機発電機−無限大母線モデル
    で置き換えて、自端−仮想相手端間の位相角の算出値及
    び自端発電機の電気的出力の実測値の時系列データを等
    価発電機の運動方程式に当てはめて、最小二乗法等によ
    り等価発電機の慣性定数、制動係数及び機械的入力の値
    を算出するモデリング方法。
  4. 【請求項4】 請求項3のモデリング方法において、 自端発電機の電気的出力の実測値の代わりに、電気的出
    力の実測値の積分値を、発電機の運動方程式を数式的に
    不定積分した式に当てはめて、最小二乗法等により発電
    機慣性定数、制動係数及び機械的入力の値を算出するモ
    デリング方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2のモデリング方法により
    得られる位相角、位相角速度及び線路リアクタンスと、
    請求項3又は4のモデリング方法により得られる発電機
    発電機定数とを用いて、現時点から先の発電機の位相角
    及び電気出力等の状態を、運動方程式及び回路網方程式
    を交互に解くことによりの予測演算を実施する予測方法
    において、 自端にて計測可能な発電機の電気出力及び位相角算出手
    法等により得られる位相角の時系列データを用いて、回
    路網方程式が三角関数で表現できるとの仮定に基づく補
    正を行なった上で予測演算を行なう予測方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の予測方法において、 自端にて計測可能な発電機の電気出力及び上記位相角算
    出手法により得られる位相角の時系列データを用いて、
    回路網方程式を補正する際に、補正に用いる位相角の時
    系列データについて位相差が一定となるよう選択した時
    系列データを用いて回路網方程式の補正を行なった上で
    予測演算を行なう予測方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6の予測方法において、 自端発電機の遮断が実施された時の等価発電機の発電機
    定数及び電力位相差特性の算出を行なう工程と、 現在の発電機の運用状態で発電機遮断が行なわれた時の
    発電機の動揺現象の予測演算を行なう工程と、 を更に備える予測方法。
  8. 【請求項8】 請求項5の予測方法において、 系統事故が発生する前の自端発電機の電気出力値と、上
    記予測演算により求められた系統事故発生後の自端発電
    機の電気出力値及び位相角値の予測値とを用いて、電気
    出力値の予測値が事故前の電気出力値もしくは事故前の
    電気出力に事前に設定した係数を乗じた値を下回り、且
    つ位相角の予測値が増加している場合に、発電機が脱調
    すると予測する工程、 を更に備える予測方法。
  9. 【請求項9】 請求項8の予測方法を用いて、系統事故
    発生後に発電機が脱調するか否か予測する工程と、 系統事故発生後に発電機が脱調すると予測した場合に、
    複数の自端発電機のうち予め事前に設定した台数を遮断
    することで、自端発電機の脱調を未然に防止する工程
    と、 を備える系統安定化制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項9の系統安定化制御方法におい
    て、 発電機脱調予測判定方式により発電機が脱調すると予測
    した場合に、発電機の遮断台数を1台ずつ増加させなが
    ら、脱調を予測しなくなるまで請求項7の予測方法を繰
    り返し適用することにより、脱調を防止するために必要
    な発電機の遮断台数を算出する工程と、 複数の自端発電機のうち算出した必要遮断台数を遮断す
    ることで、自端発電機の脱調を未然に防止する工程と、 を更に備える系統安定化制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項9の系統安定化制御方法におい
    て、 系統事故発生後に発電機が脱調すると予測した場合に、
    複数の自端発電機の予め指定した台数を遮断する工程
    と、 上記複数の自端発電機の予め指定した台数を遮断した
    後、自端−仮想相手端間の位相角差が最小となる時刻を
    待って、更に別に指定された台数の遮断を追加して行な
    うことにより、自端発電機の脱調を未然に防止する工程
    と、 を更に備える系統安定化制御方法。
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