JPH10256175A - イオン注入法及び半導体装置の製法 - Google Patents

イオン注入法及び半導体装置の製法

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Publication number
JPH10256175A
JPH10256175A JP9072705A JP7270597A JPH10256175A JP H10256175 A JPH10256175 A JP H10256175A JP 9072705 A JP9072705 A JP 9072705A JP 7270597 A JP7270597 A JP 7270597A JP H10256175 A JPH10256175 A JP H10256175A
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JP
Japan
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ion
ions
source
insulating film
forming
Prior art date
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JP9072705A
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English (en)
Inventor
Hideaki Takami
秀誠 高見
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 深さが異なる複数のイオン注入層を形成する
処理において、処理効率を向上させる。 【解決手段】 イオン源12では、ガス源16からのリ
ン含有ガスをイオン化して2価イオンP++,分子イオン
2 +等を含むイオンビームIBを発生する。質量分析マ
グネット18では、曲率半径rが等しくなることを利用
してイオンビームIBからP++とP2 +から解離したP+
とを抽出する。P2 +がP+ と中性子とに解離したので、
+ のエネルギーはP2 +の半分となり、P++の1/4と
なる。抽出されたP++,P+ を加速器20で加速して半
導体基板28の表面に注入することによりP+ を含む浅
いイオン注入層とP++を含む深いイオン注入層とを同時
的に形成する。P++とP+ の生成比率は、イオン源12
内の圧力に応じて制御可能である。MOS型トランジス
タのしきい値電圧とパンチスルー耐圧を制御するための
イオン注入が1回で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エネルギーコン
タミネーションを利用したイオン注入法に関し、特に深
さが異なる複数のイオン注入層を形成する処理において
所望のドーパントの種々のイオンの中からエネルギーが
異なり且つ磁場内での曲率半径が等しい複数種のイオン
を抽出して同時的に加速・注入することにより処理効率
の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI等の半導体デバイスを製造
する際に不純物導入法として用いられるイオン注入法と
しては、不純物の1価イオンを注入するものが知られて
いる。図10〜12は、このようなイオン注入法を用い
た従来のPチャンネルMOS型トランジスタの製造工程
を示すものである。
【0003】図10の工程では、シリコンからなる半導
体基板1に設けたN型ウェル領域1Aの表面に選択酸化
法により素子孔2aを有するフィールド絶縁膜2を形成
する。そして、素子孔2a内の半導体表面には、熱酸化
法によりゲート絶縁膜3を形成する。
【0004】図11の工程では、フィールド絶縁膜2を
マスクとして素子孔2a内の半導体表面にリンの1価イ
オンP+ を300keVの加速電圧で注入することによ
りパンチスルー耐圧制御用の比較的深いイオン注入層4
を形成する。
【0005】図12の工程では、フィールド絶縁膜2を
マスクとして素子孔2a内の半導体表面にリンの1価イ
オンP+ を150keVの加速電圧で注入することによ
りしきい値電圧制御用の比較的浅いイオン注入層5を形
成する。
【0006】この後、素子孔2a内には、周知の方法に
よりゲート電極層、P型のソース及びドレイン領域等を
形成する。P型のソース及びドレイン領域の形成にイオ
ン注入法を用いた場合には、ソース及びドレイン領域内
の不純物を活性化するためのアニール処理を流用してイ
オン注入層4,5内の不純物を活性化することによりイ
オン注入層4,5をいずれもN型層とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術によ
ると、イオン注入層4,5を別々のイオン注入工程で形
成するので、工程数の増大により製造コストが増大する
という問題点がある。例えば、CMOS(コンプリメン
タリMOS)型LSIを製造する場合には、Pチャンネ
ルMOS型トランジスタのしきい値電圧及びパンチスル
ー耐圧を制御するために図11,12で述べたようにN
型決定不純物のイオン注入を2回行なうと共にNチャン
ネルMOS型トランジスタのしきい値電圧及びパンチス
ルー耐圧を制御するためにP型決定不純物のイオン注入
を2回行なう必要があり、工程数が増大する。
【0008】この発明の目的は、深さが異なる複数のイ
オン注入層を同時的に形成することができる新規なイオ
ン注入法を提供することにある。
【0009】この発明の他の目的は、MOS型トランジ
スタのしきい値電圧及びパンチスルー耐圧を制御するた
めのイオン注入処理を簡略化することができる新規な半
導体装置の製法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るイオン注
入法は、イオン源にて所望のドーパントをイオン化して
種々のドーパントイオンを含むイオンビームを発生する
ステップであって、前記イオンビームは、互いにエネル
ギーが異なり且つ所定磁場内での曲率半径が等しい第1
及び第2種のドーパントイオンを含んでいるものと、前
記イオン源から発生されたイオンビームから質量分析マ
グネットを用いて前記第1及び第2種のドーパントイオ
ンを抽出するステップと、前記質量分析マグネットを用
いて抽出された第1及び第2種のドーパントイオンを加
速手段により加速して被処理体に注入することにより該
被処理体の内部に前記第1種のドーパントイオンを含む
第1のイオン注入層と前記第2種のドーパントイオンを
含む第2のイオン注入層とを深さを異にして同時的に形
成するステップとを含むものである。
【0011】この発明のイオン注入法によれば、1回の
イオン注入により深さが異なる第1及び第2のイオン注
入層を同時的に形成することができ、処理効率が向上す
る。
【0012】この発明のイオン注入法にあっては、所望
のドーズ量に対応してイオン源内の圧力を設定した状態
でイオンビームを発生させるようにするとよい。このよ
うにすると、所望のドーズ量を有するイオン注入層を再
現性よく形成することができる。
【0013】この発明に係る半導体装置の製法は、一導
電型のチャンネルを有するMOS型トランジスタを形成
すべき半導体領域を一方の主面に有する基板を用意する
工程と、前記半導体領域上に位置する素子孔を有するフ
ィールド絶縁膜を前記基板の一方の主面に形成する工程
と、前記素子孔内の半導体表面を覆ってゲート絶縁膜を
形成する工程と、前記ゲート絶縁膜を形成する前又は形
成した後に前記フィールド絶縁膜をマスクとして前記素
子孔内の半導体表面に前記一導電型とは反対の導電型を
決定する不純物をこの発明のイオン注入法によりイオン
注入することによりしきい値電圧制御用の比較的浅い第
1のイオン注入層とパンチスルー耐圧制御用の比較的深
い第2のイオン注入層とを同時的に形成する工程と、前
記素子孔をソース配置部及びドレイン配置部に分けるよ
うに前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極層を形成する工
程と、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極層の積層と
前記フィールド絶縁膜とをマスクとして前記素子孔内の
半導体表面に前記一導電型を決定する不純物を導入する
ことにより前記ソース配置部及び前記ドレイン配置部に
それぞれ対応してソース領域及びドレイン領域を形成す
る工程であって、前記ソース領域及び前記ドレイン領域
を前記第1のイオン注入層より深く且つ前記第2のイオ
ン注入層より浅く形成するものと、アニール処理により
前記第1及び第2のイオン注入層内の不純物を活性化す
ることにより前記第1及び第2のイオン注入層をいずれ
も前記一導電型とは反対の導電型を有する層とする工程
とを含むものである。
【0014】この発明に係る半導体装置の製法によれ
ば、MOS型トランジスタのしきい値電圧及びパンチス
ルー耐圧を制御するためのイオン注入が1回で済む。
【0015】この発明に係る半導体装置の製法にあって
は、この発明のイオン注入法により第1及び第2のイオ
ン注入層を形成する際に所望のしきい値電圧に対応して
イオン源内の圧力を設定した状態でイオン源からイオン
ビームを発生させるようにするとよい。このようにする
と、所望のしきい値電圧を有するMOS型トランジスタ
を再現性よく形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施に用いら
れるイオン注入装置の概略構成を示すものである。
【0017】真空系10内には、イオン源12が設けら
れている。イオン源12は、排気装置14により排気さ
れて所定の圧力(真空度)に維持された状態でガス源1
6からのドーパント含有ガス(例えばリン含有ガス)を
プラズマ等によりイオン化して種々のドーパントイオン
(例えばリンイオン)を含むイオンビームIBを発生す
るようになっている。
【0018】真空系10内には、質量分析マグネット1
8、加速器20、XY偏向器22、並行偏向器24及び
基板ホルダ26がイオン源12から遠ざかる方向に並べ
て配置されている。質量分析マグネット18は、イオン
源12から発生されたイオンビームIBから所望のイオ
ンを抽出して加速器20に供給する。加速器20は、マ
グネット18から供給される抽出イオンを所望の注入速
度になるように加速する。XY偏向器22は、イオンビ
ームが基板ホルダ26上の被処理基板28を全面的に走
査するのを可能にするため、加速器20からの加速イオ
ンをX(水平)方向及びY(垂直)方向に偏向する。並
行偏向器24は、偏向器22で偏向されたイオンビーム
を並行になるように偏向する。偏向器24からのイオン
ビームは、基板ホルダ26上の被処理基板28に入射す
る。
【0019】基板ホルダ26は、被処理基板28として
例えば半導体基板(ウェハ)を保持するもので、矢印a
で示すように傾斜角を調整可能であると共に矢印bで示
すように回転可能である。
【0020】ドーパントイオンとしてリンの2価イオン
++を注入する場合、下記に示すようなエネルギーコン
タミネートョンが発生する。この場合、イオン源12で
発生する主なイオンとしては、リンの1価イオン31
+ ,リンの2価イオン31++,リンの分子イオン
312 +,リンの3価イオン31+++ などがある。これら
のイオンを含むイオンビームIBから質量分析マグネッ
ト18を用いて所望の2価イオン31++を抽出するが、
その際に分子イオン312 +から解離した1価イオン31
+ も抽出される。
【0021】すなわち、質量分析マグネット18でイオ
ンが曲がる曲率半径rは、次の数1の式で与えられる。
【0022】
【数1】 ここで、Hは質量分析マグネット18の磁場の強さ、M
はイオンの質量、Eはイオンのエネルギー、qはイオン
の電荷数である。
【0023】数1の式に従って非解離の1価イオン31
+ の曲率半径r1 を算出すると、次の数2の式に示すよ
うになる。
【0024】
【数2】 数1の式に従って2価イオン31++の曲率半径r2 を算
出すると、次の数3の式に示すようになる。
【0025】
【数3】 分子イオン312 +は、1価イオン31+ と中性子310
とに解離する。そこで、解離イオン31+ の曲率半径r
3 と中性子310 の曲率半径r4 とを数1の式に従って
算出すると、次の数4の式に示すようになる。
【0026】
【数4】 曲率半径r2 とr3 が等しいので、質量分析マグネット
18では、2価イオン31++と共に解離イオン31+
抽出され、加速器20に供給される。分子イオン312 +
が1価イオン31+ と中性子とに解離したので、解離イ
オン31+ のエネルギーは分子イオン312 +の半分とな
り、2価イオン31++の1/4となる。
【0027】この発明では、上記のようにエネルギーが
異なり且つ磁場内での曲率半径が等しい第1及び第2種
のイオン(例えば2価イオン31++及び解離イオン31
+ )を加速器20で一様に加速し、偏向器22,24を
介して被処理基板28としての半導体基板に注入する。
【0028】図2は、このときの注入状況を示すもの
で、被処理基板28としての半導体基板には、低エネル
ギーの解離イオンP+ を含む比較的浅いイオン注入層3
0と高エネルギーの2価イオンP++を含む比較的深いイ
オン注入層32とが同時的に形成される。この結果、迅
速な処理が可能となり、工程数も減る。
【0029】図3は、数2の式で示される曲率半径r1
を有する1価イオンP+ を300keVの加速電圧で被
処理基板28としてのシリコン基板に注入したときのイ
オン量の時間的変化を線Sで示すもので、きれいな台形
波になっているのがわかる。
【0030】一方、図4及び図5は、図2に関して前述
したように低エネルギーの解離イオンP+ と高エネルギ
ーの2価イオンP++とを加速電圧150keV、イオン
ビーム電流4μAの条件で被処理基板28としてのシリ
コン基板に同時的に注入したときのイオン量の時間的変
化を示すものである。図4は、イオン源12内の圧力を
1.2×10-5Torrに設定したときのものであり、
図5は、イオン源12内の圧力を1.6×10-5Tor
rに設定したときのものである。
【0031】図4,5において、線S1 は低エネルギー
の解離イオンP+ のイオン量変化を示し、線S2 は高エ
ネルギーの2価イオンP++のイオン量変化を示す。図
4,5を図3と対比すると、台形波の右肩がくずれると
共に左下に解離イオンP+ に基づく弧状の波形が出現し
ているのがわかる。これは、エネルギーコンタミネーシ
ョンによるものである。また、図4と図5を対比する
と、イオン源12内の圧力の上昇(真空度の悪化)によ
り解離イオンP+ のイオン量が増大しているのがわか
る。このことは、イオン源内の圧力を制御することによ
り2価イオンP++と解離イオンP+ との生成比率を制御
可能であることを示している。従って、所望のドーズ量
に対応してイオン源内圧力を設定すると、設定圧力に対
応するドーズ量を安定性よく再現することができる。
【0032】図6〜8は、この発明の一実施形態に係る
CMOS型LSIにおけるPチャンネルMOS型トラン
ジスタの製造工程を示すものである。
【0033】図6の工程では、シリコンからなる半導体
基板40に設けたN型ウェル領域40Aの表面に選択酸
化法により酸化シリコンからなるフィールド絶縁膜42
を形成する。フィールド絶縁膜42は、PチャンネルM
OS型トランジスタを配置すべき半導体領域に対応して
素子孔42aを有する。この後、素子孔42a内の半導
体表面に熱酸化法により酸化シリコンからなるゲート絶
縁膜44を形成する。
【0034】図7の工程では、フィールド絶縁膜42を
マスクとし且つゲート絶縁膜44を介して前述のこの発
明のイオン注入法により低エネルギーの解離イオンP+
と高エネルギーの2価イオンP++とを素子孔42a内の
半導体表面に同時的に注入することにより解離イオンP
+ を含む比較的浅いイオン注入層46と2価イオンP++
を含む比較的深いイオン注入層48とを同時的に形成す
る。このときのイオン注入条件は、一例として、 加速電圧:300keV P++のドーズ量:7.0×1011ions/cm2 イオン源内圧力:1.1×10-5Torr、1.3×1
-5Torr、1.5×10-5Torr、1.7×10
-5Torr、1.9×10-5Torr又は2.1×10
-5Torrのいずれか とすることができる。イオン注入層46は、Pチャンネ
ルMOS型トランジスタのしきい値電圧を制御するため
のものであり、イオン注入層48は、PチャンネルMO
S型トランジスタのパンチスルー耐圧を制御するための
ものである。
【0035】図8の工程では、基板上面に所望のゲート
電極材料を被着してパターニングすることにより素子孔
42aをソース配置部S及びドレイン配置部Dに分ける
ようにゲート電極層50を形成する。
【0036】次に、ゲート絶縁膜44及びゲート電極層
50の積層とフィールド絶縁膜42とをマスクとして素
子孔42a内の半導体表面にボロン等のP型決定不純物
をイオン注入することにより低濃度ソース用のイオン注
入領域52s及び低濃度ドレイン用のイオン注入領域5
2dをそれぞれソース配置部S及びドレイン配置部Dに
対応して形成する。イオン注入領域52s,52dは、
イオン注入層46より深く且つイオン注入層48より浅
く形成する。このときのドーズ量は、1012〜1013
ons/cm2 のオーダーとすることができる。
【0037】次に、基板上面に酸化シリコン等のサイド
スペーサ材を被着してエッチバック処理を行なうことに
よりゲート電極層50の両側にサイドスペーサ54s,
54dを形成する。また、このときのエッチング処理に
よりゲート絶縁膜44においてソース配置部S及びドレ
イン配置部Dに対応した部分を除去し、各々の除去部分
に対応する半導体部分を露呈させる。
【0038】次に、ゲート絶縁膜44、ゲート電極層5
0及びサイドスペーサ54s,54dを含むゲート部と
フィールド絶縁膜42とをマスクとして素子孔42a内
の半導体表面にBF2 等のP型決定不純物をイオン注入
することにより高濃度ソース用のイオン注入領域56s
及び高濃度ドレイン用のイオン注入領域56dをそれぞ
れソース配置部S及びドレイン配置部Dに対応して形成
する。イオン注入領域56s,56dは、イオン注入層
46及びイオン注入領域52s,52dより深く且つイ
オン注入層48より浅く形成する。このときのドーズ量
は、1015ions/cm2 のオーダーとすることがで
きる。
【0039】この後、アニール処理によりイオン注入層
46,48内及びイオン注入領域52s,52d,56
s,56d内の不純物を活性化することによりイオン注
入層46,48をN型層とすると共にイオン注入領域5
2s,52d,56s,56dをそれぞれP- 型ソース
領域、P- 型ドレイン領域,P+ 型ソース領域,P+
ドレイン領域とする。
【0040】上記した製造工程によれば、図7の工程で
イオン注入層46,48を同時的に形成するので、工程
数の低減が可能となる。すなわち、CMOS型LSIを
製造する際にPチャンネル及びNチャンネルのいずれの
MOS型トランジスタについてもしきい値電圧及びパン
チスルー耐圧を制御するためのイオン注入処理をこの発
明のイオン注入法により行なうと、イオン注入工程は、
Pチャンネル及びNチャンネルについて1回ずつで合計
2回となり、従来の4回に比べて半減させることができ
る。
【0041】図9は、上記した製造工程に従って製作さ
れたPチャンネルMOS型トランジスタについてイオン
源内圧力としきい値電圧との関係を示すものである。
【0042】図9によれば、イオン源内圧力を制御する
ことで、解離イオン31+ の混入比率が変化し、しきい
値電圧が変化することがわかる。従って、図7の工程で
は、図9のデータに基づいて所望のしきい値電圧に対応
してイオン源内圧力を設定すればよい。このようにする
と、所望のしきい値電圧を有するMOS型トランジスタ
を再現性よく形成することができる。
【0043】この発明は、上記した実施形態に限定され
るものではなく、種々の改変形態で実施可能なものであ
る。例えば、次のような変更が可能である。
【0044】(1)ゲート絶縁膜44は、イオン注入層
46,48を形成した後に形成してもよい。また、ゲー
ト絶縁膜44は、ゲート電極層50をパターニングする
際にゲート電極層50と同一のパターンに従ってパター
ニングしてもよい。
【0045】(2)低不純物濃度のソース領域52s及
びドレイン領域52dは、場合によっては省略すること
ができる。
【0046】(3)イオン注入層46,48内の不純物
を活性化するためのアニール処理は、ソース及びドレイ
ン用のイオン注入領域内の不純物を活性化するためのア
ニール処理とは別に行なってもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、1回
のイオン注入により深さが異なる複数のイオン注入層を
同時的に形成するようにしたので、処理効率が向上し、
コスト低減が可能となる効果が得られる。
【0048】また、イオン注入に際してイオン源の圧力
を所望のドーズ量に対応して設定すると、所望のドーズ
量を有するイオン注入層を再現性よく形成することがで
き、歩留りが向上する効果が得られる。
【0049】その上、MOS型トランジスタのしきい値
電圧及びパンチスルー耐圧を制御するためのイオン注入
処理をこの発明のイオン注入法で行なうと、イオン注入
工程数の低減によりLSI等の製造コストの低減が可能
となる効果が得られる。
【0050】さらに、MOS型トランジスタのしきい値
電圧及びパンチスルー耐圧を制御するためのイオン注入
処理をこの発明のイオン注入法で行なう際に、所望のし
きい値電圧に対応してイオン源内の圧力を設定すると、
所望のしきい値電圧を有するMOS型トランジスタを再
現性よく形成することができ、歩留りが向上する効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施に用いられるイオン注入装置
を示す概略構成図である。
【図2】 この発明に係るイオン注入法を説明するため
の基板断面図である。
【図3】 リンの1価イオンP+ を注入した場合のイオ
ン量の時間的変化を示すグラフである。
【図4】 リンの2価イオンP++とリンの分子イオンP
2 +から解離した1価イオンP+ とを同時注入した場合の
イオン量の時間的変化を示すグラフである。
【図5】 図4と同様の場合においてイオン源内圧力を
上昇させたときのイオン量の時間的変化を示すグラフで
ある。
【図6】 この発明の一実施形態に係るPチャンネルM
OS型トランジスタの製法におけるゲート絶縁膜形成工
程を示す基板断面図である。
【図7】 図6の工程に続くイオン注入工程を示す基板
断面図である。
【図8】 図7の工程に続くトランジスタ形成工程を示
す基板断面図である。
【図9】 PチャンネルMOS型トランジスタのしきい
値電圧がイオン源内圧力に依存する様子を示すグラフで
ある。
【図10】 従来のPチャンネルMOS型トランジスタ
の製法におけるゲート絶縁膜形成工程を示す基板断面図
である。
【図11】 図10の工程に続くパンチスルー耐圧制御
用のイオン注入工程を示す基板断面図である。
【図12】 図11の工程に続くしきい値電圧制御用の
イオン注入工程を示す基板断面図である。
【符号の説明】
10:真空系、12:イオン源、14:排気装置、1
6:ガス源、18:質量分析マグネット、20:加速
器、22:XY偏向器、24:並行偏向器、26:基板
ホルダ、28:被処理基板、30,32,46,48:
イオン注入層、40:半導体基板、42:フィールド絶
縁膜、44:ゲート絶縁膜、50:ゲート電極層、56
s:ソース領域、56d:ドレイン領域、IB:イオン
ビーム。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源にて所望のドーパントをイオン化
    して種々のドーパントイオンを含むイオンビームを発生
    するステップであって、前記イオンビームは、互いにエ
    ネルギーが異なり且つ所定磁場内での曲率半径が等しい
    第1及び第2種のドーパントイオンを含んでいるもの
    と、 前記イオン源から発生されたイオンビームから質量分析
    マグネットを用いて前記第1及び第2種のドーパントイ
    オンを抽出するステップと、 前記質量分析マグネットを用いて抽出された第1及び第
    2種のドーパントイオンを加速手段により加速して被処
    理体に注入することにより該被処理体の内部に前記第1
    種のドーパントイオンを含む第1のイオン注入層と前記
    第2種のドーパントイオンを含む第2のイオン注入層と
    を深さを異にして同時的に形成するステップとを含むイ
    オン注入法。
  2. 【請求項2】 前記イオン源からイオンビームを発生す
    るステップでは、所望のドーズ量に対応して前記イオン
    源内の圧力を設定した状態でイオンビームを発生するこ
    とを特徴とする請求項1記載のイオン注入法。
  3. 【請求項3】一導電型のチャンネルを有するMOS型ト
    ランジスタを形成すべき半導体領域を一方の主面に有す
    る基板を用意する工程と、 前記半導体領域上に位置する素子孔を有するフィールド
    絶縁膜を前記基板の一方の主面に形成する工程と、 前記素子孔内の半導体表面を覆ってゲート絶縁膜を形成
    する工程と、 前記ゲート絶縁膜を形成する前又は形成した後に前記フ
    ィールド絶縁膜をマスクとして前記素子孔内の半導体表
    面に前記一導電型とは反対の導電型を決定する不純物を
    請求項1記載のイオン注入法によりイオン注入すること
    によりしきい値電圧制御用の比較的浅い第1のイオン注
    入層とパンチスルー耐圧制御用の比較的深い第2のイオ
    ン注入層とを同時的に形成する工程と、 前記素子孔をソース配置部及びドレイン配置部に分ける
    ように前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極層を形成する
    工程と、 前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極層の積層と前記フ
    ィールド絶縁膜とをマスクとして前記素子孔内の半導体
    表面に前記一導電型を決定する不純物を導入することに
    より前記ソース配置部及び前記ドレイン配置部にそれぞ
    れ対応してソース領域及びドレイン領域を形成する工程
    であって、前記ソース領域及び前記ドレイン領域を前記
    第1のイオン注入層より深く且つ前記第2のイオン注入
    層より浅く形成するものと、 アニール処理により前記第1及び第2のイオン注入層内
    の不純物を活性化することにより前記第1及び第2のイ
    オン注入層をいずれも前記一導電型とは反対の導電型を
    有する層とする工程とを含む半導体装置の製法。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のイオン注入層を形成
    する工程では、請求項1記載のイオン注入法を実施する
    際に所望のしきい値電圧に対応して前記イオン源内の圧
    力を設定した状態で前記イオン源からイオンビームを発
    生することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製
    法。
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