JPH10256141A - 能動的除振装置 - Google Patents

能動的除振装置

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JPH10256141A
JPH10256141A JP9068995A JP6899597A JPH10256141A JP H10256141 A JPH10256141 A JP H10256141A JP 9068995 A JP9068995 A JP 9068995A JP 6899597 A JP6899597 A JP 6899597A JP H10256141 A JPH10256141 A JP H10256141A
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vibration
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feedback loop
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伸二 涌井
Takehiko Mayama
武彦 間山
Hiroaki Kato
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除振台およびその搭載機器を構成する構造体
の変形を防止し搭載機器の性能向上を図る。 【解決手段】 空気ばねアクチュエータと、振動計測手
段と、位置計測手段と、圧力計測手段または荷重計測手
段のような加圧力計測手段とを有する能動的支持脚を複
数台用いて精密機器を搭載する除振台を支えて除振と制
振を行なう装置であって、除振台に無用の力が印加され
てこれを変形させないようにする加圧力フィードバック
ループと、除振台の振動を計測してダンピングを付与す
る加速度フィードバックループと、除振台の位置を計測
して指定した平衡位置に定常偏差なく位置決めする位置
フィードバックループとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、能動的除振装置に
関し、特に、露光用XYステージを搭載してなる半導体
露光装置の一構成ユニットとして好適に使用される能動
的除振装置であって、空気ばねアクチュエータを用いた
空気ばね式の能動的除振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】除振台上には振動を嫌う機器群が搭載さ
れる。例えば、光学顕微鏡や露光用XYステージなどで
ある。特に、露光用XYステージの場合、適切かつ迅速
な露光が行なわれるべく外部から伝達する振動を極力排
除した除振台上に同ステージは搭載されねばならない。
何故ならば、露光は露光用XYステージが完全停止の状
態で行なわれねばならないからである。さらに、露光用
XYステージはステップアンドリピートという間欠運転
を動作モードとして持ち、繰り返しのステップ振動を自
身が発生しこれが除振台の揺れを惹起せしめることにも
注意せねばならない。この種の振動が整定しきれないで
残留する場合にも、露光動作に入ることは不可能であ
る。したがって、除振台には、外部振動に対する除振
と、搭載された機器自身の運動に起因した強制振動に対
する制振性能とをバランスよく実現することが求められ
る。なお、近年XYステージを完全停止させてから同ス
テージ上搭載のシリコンウエハに対して露光光を照射す
るステップアンドリピート方式の半導体露光装置に代わ
って、XYステージなどをスキャンさせながら露光光を
シリコンウエハ上に照射するスキャン方式の半導体露光
装置も登場してきた。このような装置に使われる除振台
に対しても、外部振動の除振と、搭載機器の運動に起因
した強制振動に対する制振性能とをバランスよく満たす
ことが求められることは同様である。
【0003】さて、周知のように除振台は受動的なもの
と能動的なものとに実現形態が分類される。除振台上の
搭載機器に求められる高精度位置決め、高精度スキャ
ン、高速移動などへの要求に応えるべく近年は能動的除
振装置を用いる傾向にある。それに用いられるアクチュ
エータとしては空気ばね、ボイスコイルモータ、圧電素
子などが知られている。本発明では空気ばねをアクチュ
エータとした能動的除振装置を対象に具体的説明を行な
う。
【0004】まず、図11を参照して空気ばねをアクチ
ュエータとする従来技術の能動的除振装置の構成とその
動作を説明する。同図において、1は精密機器を搭載す
る除振台、2a〜dは能動的支持脚である。能動的支持
脚2a〜dの主な構成要素として、3a〜dは水平方向
の振動を計測する振動計測手段、4a〜dは水平方向に
駆動力を発生する不図示のサーボバルブを含めた空気ば
ねアクチュエータ、6a〜dは水平方向の変位を計測す
る位置計測手段である。ここで、振動計測手段3a〜d
としては加速度センサやジオフォンセンサなどが、位置
計測手段6a〜dとしては渦電流式変位センサ、静電容
量センサ、光電変換素子を応用した位置センサなどが使
用できる。図示のように、除振台1の4隅には、上述の
空気ばねアクチュエータ4a〜d、位置計測手段6a〜
d、振動計測手段3a〜dなどを主たる構成要素として
内蔵する能動的支持脚2a〜dを配置し除振台1とその
上に搭載する精密機器とを支持している。なお、除振台
1を鉛直方向に支持する主構成要素については不図示で
あるが、上述した水平方向の構成と同様になる。
【0005】次に、能動的支持脚2a〜dに対する運動
モード別の非干渉化フィードバック装置の構成とその動
作を説明する。まず、加速度センサなどの振動検出手段
3a〜dの電気出力Aa〜dは、除振台1のx軸方向並
進運動、y軸方向並進運動、そしてz軸回りの回転運動
を抽出する加速度に関する運動モード抽出手段7Aに導
かれて運動モード加速度信号(ax ,ay ,aθz )を
得る。この信号は適切な増幅度と時定数とを有するゲイ
ン補償器17x ,17y ,17z を介して運動モード別
の加速度に関する負帰還信号となり、これを運動モード
分配手段9の前段に負帰還している。この加速度フィー
ドバックループにより運動モード別にダンピングが付与
され機構の安定化が図られる。
【0006】さらに、位置計測手段6a〜dの電気出力
Za〜dは偏差増幅器10a〜dの入力となる。各偏差
増幅器10a〜dへのもう一つの入力は位置目標電圧入
力端子11から印加される。この入力端子から指定した
電圧は、能動的支持脚2a〜dが設置されている基礎
(床など)からの除振台1の平衡位置となる。偏差増幅
器10a〜dの出力である位置偏差信号ead は変位
に関する運動モード抽出手段7Pへの入力となり、その
出力は運動モード偏差信号(sx ,sy ,sθz)とな
る。これらの信号は運動モードごとに定常偏差を零にす
るための補償器であるPI補償器12x ,12y ,12
θz に導かれて位置フィードバックループを構成してい
る。次いで、PI補償器12x ,12y ,12θz の出
力信号と先に説明したゲイン補償器17x ,17y ,1
z の出力である運動モード別の加速度に関する負帰還
信号とを加算して運動モード別の駆動信号(dX ,d
y ,dθz )を得る。ここで、Pは比例を、Iは積分動
作をそれぞれ意味する。運動モード別の駆動信号(d
X ,dy ,dθz )は、各軸への駆動信号を生成する運
動モード分配手段9への入力となる。この運動モード分
配手段9の出力信号(da,db ,dc ,dd )で各軸
の電圧電流変換器8a〜dが駆動されると、不図示のサ
ーボバルブの弁開閉によって空気ばねアクチュエータ4
a〜dの内圧が調整され除振台1は位置目標電圧入力端
子11で設定した所望の位置に定常偏差なく保持でき
る。
【0007】図12は能動的支持脚2a〜dの配置を示
す上面図であり、各支持脚内に記入した両側矢印は空気
ばねアクチュエータ4a〜dの駆動方向であると同時
に、振動計測手段3a〜dと位置計測手段6a〜dの計
測方向を示す。これらの駆動と計測方向とを持たせるこ
とによって、x軸並進、y軸並進、およびz軸回りの回
転運動が制御可能なことは容易に理解できる。
【0008】さて、図11に戻って、構造の詳細な説明
は省略するが、除振台1の上には精密機器であるXYス
テージ13が搭載されている。XYステージ13が方向
反転を繰り返しながらX方向にステップアンドリピート
したときの現象を説明しよう。このとき、主にx軸方向
の並進運動とy軸回りの回転運動を発生させる。後者に
ついては、不図示のz軸方向の空気ばねアクチュエータ
が駆動力を発生して除振および制振動作を行なう。XY
ステージ13が方向反転するときには、x軸方向への駆
動とともにy軸への駆動がなされるので、これらの駆動
反力はz軸回りの回転運動を発生させるように作用す
る。このときの除振台を含めた構造体の変形を観測した
結果、それはXYステージ13の位置決め精度あるいは
ウエハ露光にとって無視できない量であることが判明し
た。この現象発現の原因は、加速度の零化と位置の平衡
位置への追従は各々加速度と位置とのフィードバックル
ープによって保証されているものの、空気ばねアクチュ
エータ4a〜dの内圧については一定圧にするという制
御が掛けられていなかったためによる。すなわち、圧力
変化は放任されていたのである。圧力変化は力の変化で
あり、アンバランスな力の印加は除振台1を含む構造体
の変形をもたらす。この変形はそれに搭載されている不
図示の計測機器の読みを狂わせる。例えば図11に示す
装置が半導体露光装置の場合、最終的にはウエハに対す
る露光結果を歪ませるので生産性を著しく落としてい
た。
【0009】なお、上述した問題の解決を狙いとする公
知例として、特開平8−166043号公報に開示され
た防振装置がある。これは複数の荷重センサを備えた除
振装置であり、同センサの検出結果に応じて防振パッド
から受ける反力のバランスが変化しないように高さ調整
手段での調節量を制御することを特徴としている。目的
は、反力に原因した定盤(除振台)の変形を抑制ないし
軽減して定盤上のステージの位置決め精度等が悪化する
という不都合を解消することとしている。しかし、該公
報における構造体の変形を抑止する技術的手段をみる
と、該公報記載の記号を使用して、荷重センサ(5A〜
5D)の測定値に基づき各防振動パッドから受ける反力
のバランスが変化しないように各高さ調節手段である上
下動機構(3A〜3D)の調節量を制御する、としてい
る。すなわち、荷重センサの計測値を、高さ調節手段を
アクチュエータとして構成する閉ループ系への目標値と
して使用しているのであり、閉ループ系の中において荷
重センサの測定値をフィードバックするマイナーループ
は構成されていない、と理解される。さらに、上下動機
構としては、ねじ駆動による電動式と空気式ダンパを挙
げているが、後者の場合、荷重センサの計測値に基づい
て空気ダンパの閉ループ系への目標値を生成してこれを
印加しても同系の応答が極めて緩慢なため、特にステッ
プアンドリピートという周期の短い間欠運動によって生
じる荷重変動を抑制できるものではなかった。
【0010】一方、従来から、除振台上の搭載機器であ
る例えばXYステージ13の駆動に原因した反力を抑制
するため、同ステージの駆動タイミングに同期した信号
を適切に信号処理して能動的除振装置に対してフィード
フォワードを行なうという、いわゆるステージ反力フィ
ードフォワード技術が知られていた。同様に、装置が設
置される基礎(床)の振動が機構部材を介して除振台上
に伝播することを抑制する目的で、 床の振動を適切な床
振動検出手段を使って検出し、 その信号を適切に信号処
理して、 やはり能動的除振装置に対してフィードフォワ
ードする、 いわゆる床振動フィードフォワード技術も知
られていた。 しかし、 上記何れのフィードフォワード
も、 能動的除振装置内のドライブ特性を加味してフィー
ドフォワード補償器の設計がなされねばならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の能動的除振装置
では、ダンピング付与のための加速度フィードバックル
ープと姿勢保持のための位置フィードバックループとが
設けられていた。しかし、最終的に、能動的支持脚2a
〜dによって支えられる除振台1を含む構造体に印加さ
れる力は、制御の管理下には置かれていなかった。その
ため、精密な搭載機器であるところの例えばXYステー
ジ13が除振台上で急速な加減速運転を行なったとき、
激しい反力が発生する結果として荷重も大きく揺動し、
構造体に余計な力を与えてこれを歪ませていた。何故な
らば、圧力あるいは荷重変動に対する修正機構としての
フィードバックループが存在しないということは、それ
が野放しであることを意味し、フィードバックループが
存在する加速度および位置偏差信号の定常状態での零化
を実現するために、不自然な力を発生させることがあっ
た。構造体の変形は、それに搭載される不図示の計測機
器の読み値や、XYステージ13を位置決めするに必要
な不図示のレーザ干渉計の読み値などを狂わせるので、
露光精度を劣化させ、ひいては生産性を著しく阻害する
ことが課題として残されていた。
【0012】本発明は、上述した従来例における問題点
に鑑みてなされたもので、除振台およびその搭載機器を
構成する構造体の変形を防止し搭載機器の性能向上に寄
与する能動的除振装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は上述
の課題を解決するためになされたものである。すなわ
ち、本発明の能動的除振装置は、空気ばねアクチュエー
タと、振動計測手段と、位置計測手段と、圧力計測手段
または荷重計測手段のような加圧力計測手段とを有する
能動的支持脚を複数台用いて精密機器を搭載する除振台
を支えて除振と制振を行なう装置であって、除振台に無
用の力が印加されてこれを変形させないようにする加圧
力フィードバックループと、除振台の振動を計測してダ
ンピングを付与する加速度フィードバックループと、除
振台の位置を計測して指定した平衡位置に定常偏差なく
位置決めする位置フィードバックループとを備えてい
る。
【0014】本発明の第1の実施の形態において、加圧
力フィードバックは、空気ばねアクチュエータの内圧を
計測する圧力計測手段に基づいた場合には圧力フィード
バックとなり、荷重計測手段に基づく場合には荷重フィ
ードバックとなる。
【0015】さらに、加速度フィードバックループと位
置フィードバックループは共に除振台の運動モードに基
づく非干渉化制御系であり、加圧力フィードバックルー
プは除振台を支持する空気ばねアクチュエータの個数ご
と独立に備えられていることを特徴とする。
【0016】より具体的に、加圧力フィードバックルー
プは、空気ばねアクチュエータの内圧を圧力計測手段に
よって検出してそれを適切なゲインを有する圧力補償器
を介して空気ばねアクチュエータを駆動する電圧電流変
換器の前段に負帰還した圧力フィードバック系、または
空気ばねアクチュエータの駆動力を荷重計測手段によっ
て検出してそれを適切なゲインを有する圧力補償器を介
して空気ばねアクチュエータを駆動する電圧電流変換器
の前段に負帰還した荷重フィードバック系であり、圧力
フィードバック系または荷重フィードバック系の1次遅
れの極をキャンセルする零点を持つPI補償器を圧力フ
ィードバック系または荷重フィードバック系の中に備え
る。上述の加圧力フィードバックループの他の一形態と
しては、空気ばねアクチュエータの内圧を圧力計測手段
によって検出してそれを適切なゲインを有する圧力補償
器を介して負帰還して、その負帰還信号と指令電圧とを
比較して得られる偏差信号を前置圧力補償器としてのP
I補償器を介して空気ばねアクチュエータを駆動する電
圧電流変換器に入力する圧力フィードバック系、または
空気ばねアクチュエータの駆動力を荷重計測手段によっ
て検出してそれを適切なゲインを有する圧力補償器を介
して負帰還し、この負帰還信号と指令電圧とを比較して
得られる偏差信号を前置圧力補償器としてのPI補償器
を介して前記空気ばねアクチュエータを駆動する電圧電
流変換器に入力する荷重フィードバック系であってもよ
く、前置圧力補償器としてのPI補償器の零点は、電圧
電流変換器から空気ばねアクチュエータの内圧または力
までの1次遅れの周波数特性としての極を相殺するよう
に設定されていることを特徴とする。
【0017】ここで、上記の加圧力フィードバックルー
プを備えた場合、除振台を平衡位置に定常偏差なく位置
決めする機能を持つ位置偏差信号の対するPI補償器に
代えてゲイン補償器を使用しても構わない。
【0018】また、本発明の第2の実施の形態において
は、空気ばねアクチュエータと、振動計測手段と、位置
計測手段と、圧力計測手段または荷重計測手段などの加
圧力計測手段とを有する能動的支持脚を複数台用いて精
密機器を搭載する除振台を支えて除振と制振を行なう装
置であって、加圧力計測手段の出力に基づく加圧力フィ
ードバックループと、振動計測手段の出力に基づく加速
度フィードバックループと、位置計測手段の出力に基づ
く位置フィードバックループとからなる閉ループ系と、
除振台が設置された床の振動を計測する床振動計測手段
と、床振動計測手段の出力を信号処理する床振動フィー
ドフォワード補償器と、精密機器の駆動信号を適切に信
号処理するステージ反力フィードフォワード補償器とを
備え、床振動フィードフォワード補償器とステージ反力
フィードフォワード補償器の出力が加圧力フィードバッ
クループの前段に加算されるように構成されている。
【0019】ここで、床振動フィードフォワード補償器
はPI補償器の2段カスケード接続であり、その零点の
一つは加圧力フィードバックループの1次遅れ系として
の極を相殺し、もう一つの零点は除振台の粘性摩擦係数
をC、ばね定数をΚとおいて−K/Cとなるように各々
設定されている。
【0020】より簡易な床振動フィードフォワード補償
器の実現としては、積分器とPI補償器のカスケード接
続が考えられ、このPI補償器の零点は加圧力フィード
バックループの1次遅れ系としての極を相殺するよう設
定されているものであっても構わない。
【0021】また、ステージ反力フィードフォワード補
償器は、位相進み補償器であり、その零点は加圧力フィ
ードバックループの1次遅れ系としての極を相殺するよ
うに設定され、極は高周波域に折点を持つように適切に
設定されているものである。
【0022】
【作用】「空気ばねの内圧」×「有効受圧面積」が構造
体に加わる力である。空気ばねアクチュエータ4a〜d
の内圧を指定して、それに一致させるような制御を掛け
るということは、構造体に印加される力をコントロール
することにほかならない。同様に、構造体に印加される
力を直接計測してこれを指定した値に一致させるような
制御を掛ければ、構造体に印加される力がコントロール
できる。従来、空気ばねをアクチュエータとして持つ能
動的除振装置においては、加速度フィードバックループ
と位置フィードバックループとが設けられていた。前者
は振動を零にもっていくダンピングの機能があり、後者
は指定した姿勢に定常偏差なく収束させるように作用す
る。このとき、圧力あるいは力は制御されていないた
め、言ってみれば野放しであり不自然な圧力あるいは力
の発生によって加速度を零に、そして位置の定常偏差を
零にもっていく場合があった。つまり、構造体の変形を
招く圧力変化あるいは力変化を発生させることがあっ
た。
【0023】本発明の第1の実施の形態では、構造体の
変形を招来させないという目的で加圧力フィードバック
ループを導入している。そのため、構造体に加える力を
予め定めた値にコントロールするので無理な力を構造体
に与えてこれを歪ませることがないように作用する。
【0024】一方、従来から、能動的除振装置において
はアクチュエータを積極的に活用するため、フィードフ
ォワード信号を閉ループ系に注入してより積極的に特性
を向上させることが行なわれていた。例えば、除振台へ
の搭載機器であるΧYステージの運転に起因した反力を
抑制するためのステージ反力フィードフォワードや、床
の振動の除振台上への伝播を抑制する床振動フィードフ
ォワードである。しかしながら、上記何れのフィードフ
ォワードも、 能動的除振装置内のドライブ特性を加味し
てフィードフォワード補償器の設計がなされねばならな
い。すなわち、前記第1の実施の形態における加圧力フ
ィードバックループを備えた能動的除振装置において
は、 ステージ反力および床振動フィードフォワードを効
果的に作用させる補償器も従来とは異なるが、このよう
な加圧力フィードバックループを備えた能動的除振装置
に対して、これらのフィードフォワードを最適に実現す
る補償器の型が規定されていないことが課題として残さ
れている。
【0025】本発明の第2の実施の形態では、床の振動
を検出した後適切な補償を施してフィードフォワードす
ることによって床から除振台への振動伝播を抑制する、
所謂床振動フィードフォワードや、除振台への搭載機器
である例えばΧYステージの駆動信号を適切に補償して
アクチュエータにフィードフォワードすることによって
駆動反力による除振台の揺れを抑制する、所謂ステージ
反力フィードフォワードが実装された能動的除振装置へ
本発明を適用したものである。この場合、床振動フィー
ドフォワードやステージ反力フィードフォワードによる
効果を最大限に引き出すためには、本発明の加圧力フィ
ードバックループを新たに付加したという特殊性を考慮
して両フィードフォワード補償器をそれぞれ最適に設定
せねばならない。本実施の形態によれば、加圧力フィー
ドバックループの付加による特殊性を考慮して両フィー
ドフォワードの各補償器を設定したので、床からの振動
伝播を最適に抑制でき、かつ本実施の形態に係る除振装
置に搭載される精密機器、例えばXYステージの駆動反
力による除振台の揺れを効果的に抑制するように作用す
る。
【0026】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。実施例1 図1は本発明の第1の実施例に係る能動的除振装置の構
成を示す。図中、図11の従来例と共通または対応する
部位については同一の符号を付して示す。図1の能動的
除振装置は図11のものに対し、加圧力フィードバック
ループを新たに付加したものである。
【0027】容易な理解を得るべく、1軸形能動的除振
装置を対象にして同フィードバックループをどのように
組み込むかを図2を参照して説明する。同図において、
破線で囲む部分が新たに組み込まれた加圧力フィードバ
ックループである。ここでは、空気ばねアクチュエータ
4の内圧を測定してこれをフィードバックする場合、す
なわち加圧力フィードバックが圧力フィードバックであ
る場合について説明する。
【0028】まず、空気ばねアクチュエータ4の内圧は
圧力計測手段5によって計測され、適切な圧力補償器1
4を介して電圧電流変換器8の前段に負帰還されてい
る。さらに、除振台1の振動を振動計測手段3で計測し
て、その出力をゲイン補償器17を介してフィードバッ
クした操作量が機構に対してはダンピングとして機能す
るように、新たにPI補償器16を前向きに挿入してい
ることが特徴である。PI補償器16が必要な理由と、
そのパラメータの設定については、図2をブロック線図
へと書き直した図3に基づき数式を使って説明する。ま
ず、図3において電圧電流変換器8の入力vsvから空気
ばねアクチュエータ4の内圧pまでの伝達関数を
【0029】
【数1】 とおいている。実際には、極低周波域で折点を持つ1次
遅れ特性であるが、その周波数域以外の高域ではほとん
ど積分特性とみなせる。次に、内圧pを検出して圧力補
償器14のゲインpg で電圧電流変換器8の前段にフィ
ードバックする。このとき、電圧電流変換器8の新たな
入力wsvから内圧pまでの伝達関数は次式となる。
【0030】
【数2】 すなわち、1次遅れ特性となるので、低周波域では入力
sv によって指定された一定の内圧pが得られる。上
式で表現される系に対してゲインAの加速度フィードバ
ックを掛けた場合を考える。(2a)式を得た圧力フィ
ードバックが無いとき、すなわち単にゲインAの加速度
フィードバックを電圧電流変換器8の前段に施したと
き、
【0031】
【数3】 を得る。加速度フィードバックのゲインAは機構にダン
ピングを付与する機能をもつ。これは、vsvからpまで
の伝達関数が積分特性であることに因る。しかるに、圧
力フィードバックを掛けた場合には、(2a)式の如く
svからpまでの特性は1次遅れとなって積分特性は消
滅してしまうので、この系にゲインAの加速度フィード
バックを施したとしても、等価的には質量項を操作する
ように作用してしまい、機構を安定化するダンピングと
しての機能はなくなってしまう。そこで、図3に示すよ
うに、圧力フィードバックを掛けた系の手前にPI補償
器16を挿入して、同補償器の前段にゲインAの加速度
フィードバックを施す。ただし、PI補償器16の零点
を定めるTはTsv’と等しくなるように設定される。す
なわち、極と零点とで相殺を生じるようにする。このと
き、usvからxまでの伝達関数は次式となる。
【0032】
【数4】 上式より、加速度フィードバックのゲインAはダンピン
グとして機能していることがわかる。なお、図3に符号
12で指し示す伝達関数は、位置に関するPI補償器で
あり、位置目標電圧rで指定した平衡位置に定常偏差な
く収束させるための補償器であることは説明するまでも
ない。なお、(2a)と(2b)式は、内圧pを検出し
てそれを圧力補償器14のゲインpg を介して電圧電流
変換器8の前段にフィードバックした場合の伝達関数で
ある。このとき、vsvからpまで特性が完全に(1)式
のように表現されるときには、wsvの指令に対して定常
偏差を生じない。しかし、文中にも記したように実際に
は次式の如く1次遅れ特性である。
【0033】
【数5】 この特性を踏まえて以下のように構成することは妨げら
れない。まず、wsvの指令に対して定常偏差を生じさせ
ないようにするために、他の圧力制御のブロック図であ
る図4を参照してvsvの前段に前置圧力補償器19を挿
入する。前置圧力補償器19としては、例えば図中の如
くPI補償器が用いられる。このとき、圧力指令電圧w
svから実際の圧力pまでの伝達関数は次式となる。
【0034】
【数6】 ここで、Tv =Tsv と選ぶ。すなわち、極低周波に折
点を有する1次遅れの極−1/Tsv を前置圧力補償器
(PI補償器)19の零点ー1/Tv でキャンセルす
る。このとき次式のように1次遅れ特性を得、wsvで指
定した圧力に定常偏差なく追従する特性となる。
【0035】
【数7】 (7)式を得られるように構成した上で(4)式を得る
べく、図2に示したように新たなPI補償器16を設け
ることは上述の通りである。
【0036】さて、以上の背景を踏まえて再び図1を参
照する。同図において、5a〜dは空気ばねアクチュエ
ータ4a〜dの内圧を測定する圧力計測手段、14a〜
dは圧力補償器、15は圧力補償器14a〜dへのもう
一つの入力であって各空気ばねアクチュエータ4a〜d
の基準となる内圧と等価な電圧を設定する圧力目標電圧
入力端子である。圧力計測手段5a〜dとしては、拡散
半導体歪ゲージ式、金属歪ゲージ式、力平衡式、差動キ
ャパシタンス式、ブルドン管式、ベローズ式などのセン
サが使用できる。図示のように、圧力補償器14a〜d
の出力信号は不図示のサーボバルブを駆動する電圧電流
変換器8a〜dの前段に負帰還されている。そして、図
2あるいは図3を使って説明したように、圧力補償器1
4a〜dの出力を負帰還したその前段には、新たにPI
補償器16a〜dを挿入する。すでに説明したように、
圧力フィードバックによって各支持脚の電圧電流変換器
8a〜dの入力から空気ばねアクチュエータ4a〜dの
内圧までの特性が1次遅れとなるので、PI補償器16
a〜dの各零点はこれら1次遅れの極を相殺するように
設定される。このようにすると、加速度に関する運動モ
ード抽出手段7Aの出力をゲイン補償器17x ,17
y ,17z を介して運動モード分配手段9の前段にフィ
ードバックした操作量は純粋にダンピングとしての作用
を持たせられる。一方、PI補償器16a〜dの部位が
単純にゲイン要素である場合には、圧力フィードバック
を施した系が1次遅れ特性となるので加速度に関する運
動モード抽出手段7Aの出力をゲイン補償器17x ,1
y ,17z を介してフィードバックした操作量はダン
ピングとして機能しない。
【0037】再度、図1に示す本発明の実施例の特徴を
主張しておく。ここでは、位置と加速度はともに運動モ
ードに基づく非干渉化制御系の構成を採っており、した
がって運動モード別にきめ細かく除振台1の姿勢制御特
性が調整できるループの骨格を備えている。この構造に
対して、圧力フィードバックは各空気ばねアクチュエー
タごと独立にループが組まれ、除振台1を含めた構造体
に変形あるいは歪を与えないように各軸の空気ばねアク
チュエータ4a〜dの内圧が制御される。この際、単純
に圧力フィードバックだけを付加すると加速度フィード
バックによるダンピングの機能が損なわれるので、圧力
をフィードバックした系に前置する形で前向きに新たな
PI補償器16a〜dを挿入する。しかも、その零点は
圧力フィードバックによる1次遅れ特性の極をキャンセ
ルするように設定する。除振台1上のXYステージ13
の性能指標は、位置決め時間と位置決め精度で規定され
るが、これらの性能指標を極限まで追求するとき、除振
台1の姿勢制御特性が大きく影響することが分かってい
る。特に、加速度に関する運動モード抽出手段7Aの出
力信号をゲイン補償器17x ,17y ,17z を介して
フィードバックする所謂加速度フィードバックループの
ゲイン調整は、XYステージ13の位置決め時間に大き
く影響する。単純な圧力フィードバックの付加は加速度
フィードバックによるダンピングの能力を損なうので、
除振台1を平衡位置に安定に支持できない事態を招くば
かりか、安定に支持し得たとしてもその上に搭載される
XYステージ13の位置決め性能を劣化させてしまう、
という問題が生じる。故に、新たに挿入するPI補償器
16a〜dの存在は極めて重要である。
【0038】なお、空気ばねアクチュエータ4a〜dの
内圧は圧力目標電圧入力端子15への入力電圧によって
定められるが、除振台1を含めた構造体に変形ないし歪
を生じさせない圧力設定の一方法について言及してお
く。静的な変形は一定であれば許容することができ、そ
れが変動しないことが重要であることに注意して、例え
ば、XYステージ13の位置を計測する不図示のレーザ
干渉計の出力、あるいは不図示のアライメント系スコー
プの読み値、ないしは除振台1を含めた構造体の主要箇
所に貼り付けられた歪ゲージの出力信号を計測すること
により、それらが変動しないように圧力目標電圧入力端
子15への電圧を設定することができる。
【0039】実施例2 上記の実施例1では、不図示のサーボバルブで駆動され
る空気ばねアクチュエータ4a〜dの特性が概略積分特
性であり、圧力フィードバックを施すことによって、そ
の特性が1次遅れ系になった。そこで、1次遅れ系の極
を相殺するPI補償器16a〜dを圧力フィードバック
を施した系の前段へ挿入することによって、積分特性を
復活させた。このようにすると、新たに挿入したPI補
償器16a〜dの前段に加速度信号を負帰還すると、そ
の操作量は機構ダイナミクスにとって純粋なダンピング
として機能させることができた。
【0040】しかしながら、圧力フィードバックによる
1次遅れ系としての特性が、ダンピングを付与したい周
波数帯域でみると依然として概略積分特性である場合、
圧力フィードバックを掛けたことによって生じる1次遅
れ特性の極をキャンセルするための新たなPI補償器1
6を敢えて挿入しなくても、必要な周波数帯域ではダン
ピングとしての機能が持たせられる。例えば、圧力フィ
ードバックによる系は1Hzの折れ点周波数を持ち1次
遅れ特性であり、機構の主振動はそれに対して1デカー
ド(10倍)以上離れた高域にある場合には、PI補償
器16を新たに挿入しなくとも機構の主振動に対しては
ダンピングを与えることができる。例えば、具体的に
は、能動的支持脚2a〜dに支えられる除振台1とその
上の搭載物とを含めた全質量が軽い場合に相当する。上
記考えに基づくと、本発明の第2の実施例は図5のよう
になる。すなわち、図1から、PI補償器16a〜dを
除去した能動的除振装置の構成になる。もちろん、運動
モード分配手段9の出力(da ,db ,dc ,dd )か
ら見た空気ばねアクチュエータ4a〜dの内圧までの特
性は厳密には1次遅れ特性となるが、その折れ点は依然
として極低周波域に存在し、かつ運動モード分配手段9
の前段への加速度フィードバックによってダンピングを
与えねばならない周波数域が前記折れ点周波数に比較し
て十分高い場合には、敢えて図1の如きPI補償器16
a〜dを挿入しなくともよいのである。すなわち、圧力
フィードバックは指令入力が指定する一定の圧力を保持
しようと作用するし、加速度フィードバックは必要とす
る周波数域での機械共振ピークに対してダンピングを付
与するように機能し、そして位置フィードバックループ
は位置目標電圧入力端子11で指定した目標電圧に定常
偏差なく収束するように作用する。
【0041】実施例3 上記の実施例1および2では、圧力フィードバックルー
プの挿入によって従来の能動的除振装置が備えていた加
速度および位置フィードバックループの補償器の骨格を
変更することがないようにした。このようにした方が、
従来の能動的除振装置で慣れた調整手順をそのまま引き
継いでいくことができるからである。
【0042】これに対し、実施例3では位置フィードバ
ックループの骨格を変更する例を示す。原理を以下に示
す。(1)式で示したように、電圧電流変換器8の入力
svから空気ばねアクチュエータ4の内圧pまでの特性
を積分特性とおいたが、実際には極低周波域で折れ点を
持つ1次遅れ特性であり(5)式の方がよく現実を表現
している。(8)式として再掲するが、一般的にTsv
十分大きい。
【0043】
【数8】 もし、電圧電流変換器8の入力vsvから空気ばねアクチ
ュエータ4の内圧pまでの特性がまさに(1)式に示す
如く完全積分特性の場合には、その積分特性を利用する
ことによって加速度フィードバックによるダンピング付
与はもちろんのこと、位置フィードバックループの前向
き補償器(具体的にはPI補償器12)を単純にゲイン
としても定常位置偏差零が実現できる。しかし、実際に
は(8)式の特性なので、位置に関する定常偏差零を実
現するために、位置フィードバックループの前向き補償
にはPI補償器12を備える必要があった。
【0044】上記の事実を踏まえて、再び(4)式を参
照する。同式中の積分器は新たに挿入したPI補償器1
6のもので、その積分器(1/Ts)は不完全ではなく
完全なものである。この場合には、位置に関する補償器
を12の如くPIとする必然性はなくなる。単純なゲイ
ン補償にしておいても定常位置偏差零を満たすように作
用する。
【0045】ここで、一軸形能動的除振装置を対象に、
本発明の第3の実施例をブロック線図によって図6に示
す。図3においては、PI補償器12を位置フィードバ
ックループの前向き補償として用いていたが、図6にお
いてはこれをゲインkp のゲイン補償器18にしている
ことが特徴である。本発明の第3の実施例を図1の能動
的除振装置へ展開すると、位置に関するPI補償器12
x ,12y ,12θzに代えてこれらを単純なゲイン補
償器に置き換えればよいことは明らかである。このよう
にすると、圧力目標電圧入力端子15で指定した空気ば
ねアクチュエータの内圧が実現でき、かつ加速度フィー
ドバックループによって機構にダンピングを掛けること
ができ、もちろん位置に関する定常位置偏差を零にする
ことができる。位置フィードバックループの前向き補償
がゲイン補償器18である場合とPI補償器12である
場合とを比較すると、前者の方がオーバシュートなく整
定する、という優れた特徴をもつに至る。
【0046】実施例4上述した実施例1〜3において
は、何れも空気ばねアクチュエータ4a〜dの 内圧を圧力計測手段5a〜dによって測定してフィード
バックを行なった。すなわち、加圧力フィードバックが
圧力フィードバックの場合について本発明の内容を開示
した。ここで、圧力pに空気ばねアクチュエータの有効
受圧面積Sa を掛けたものが力fであるという明らかな
事実に注意すると、実施例1〜3では、XYステージ1
3が動作することによって除振台1を含めた構造体に印
加される力、すなわち空気ばねアクチュエータの荷重が
フィードバックされているのである。つまり、圧力pを
フィードバックすることによって等価的に力fを管理下
において構造体を歪ませることを回避していたのであ
る。したがって、より直接的には、力fを検出して実施
例1〜3において開示した圧力フィードバックと同様の
効果を得ることが考えられる。すなわち、圧力フィード
バックに代えて、加圧力フィードバックが荷重フィード
バックとなる場合である。
【0047】いま、電圧電流変換器8の入力vsvから空
気ばねアクチュエータ4が発生する力fまでの伝達関数
は、(1)式を使って
【0048】
【数9】 となり、(5)式を使って、
【0049】
【数10】 となる。(1)と(9)式、および(5)と(10)式
を比較して明らかなことは、互いに次元は異にするもの
の同一のダイナミックスを持つということである。した
がって、図1〜図6において圧力pの検出に基づく圧力
フィードバックと全く同様の構成を力fの検出に基づく
フィードバックの場合にも採れることがわかる。このフ
ィードバックは荷重フィードバックと呼ぶことができ、
実施例1〜3で述べた圧力フィードバックと併せて、加
圧力フィードバックと称することにする。
【0050】さて、上述の荷重フィードバックは、図1
〜図6の圧力フィードバックにおいて、圧力計測手段で
内圧pを測定する部位を荷重計測手段による力fの検出
に代えれば実現できる。荷重計測手段としては、歪ゲー
ジなどからなるロードセルが使用でき、その実装例は図
7に示す。同図は能動的支持脚2a〜dの内部構造の一
例であり、20V(H)は鉛直(水平)方向の空気ば
ね、21V(H)は鉛直(水平)方向の振動計測手段と
しての加速度センサ、22V(H)は鉛直(水平)方向
の位置計測手段としての位置センサ、23V(H)は空
気ばね20V(H)への動作流体の出入りを制御する鉛
直(水平)方向の電気空圧アナログ弁(例えば、サーボ
弁、電気空圧比例弁、電気空圧レギュレータ)、24は
積層ゴム、25は水平方向の予圧ばね、26はケーシン
グである。鉛直方向の空気ばね20Vが発生する力は、
それと構造体27の間に挿入した荷重センサ28Vによ
って、同様に水平方向の空気ばね20Hが発生する力は
荷重センサ28Hによって計測される。
【0051】実施例5 図8は本発明の第5の実施例に係る能動的除振装置の構
成を示す。図中、図11の従来例と共通または対応する
部位については同一の符号を付して示す。図8におい
て、82x ,82y はステージ反力フィードフォワード
補償器を、85x,85y は床振動フィードフォワード
補償器を示す。両補償器の出力は、運動モード分配手段
9の前段であって、X方向に働かせるときにはX並進運
動を示すdx への入力となるように、Y方向に働かせる
ときにはY並進運動を示すdy への入力となるように加
算されている。ここでは上述の実施例1〜4に示す能動
的除振装置にステージ反力フィードフォワード補償器お
よび床振動フィードフォワード補償器を付加する場合、
両補償器を如何にして最適に設定するかを示す。
【0052】さて、理論的背景を示すために、1軸型の
能動的除振装置を対象にして、ステージ反力フィードフ
ォワードと床振動フィードフォワードの各補償器がどの
ように組み込まれていたかを説明しよう。図13は従来
技術に係るフィードバック、ステージ反力フィードフォ
ワードおよび床振動フィードフォワードの制御ブロック
図である。制御対象の運動方程式は図示に記号を使って
以下のようにおいている。
【0053】
【数11】 ここで、Mは除振台の質量[kg]、Cは粘性摩擦係数
[N・s/m]、Κはばね定数[N/m]、fdis は外
乱[N]、xは除振台の変位[m]、x0 は床振動の変
位[m]である。ここで、空気ばねアクチュエータの操
作量uf の次元は、加圧力フィードバックループが圧力
計測手段の計測値に基づいてなされるとき[Pa]であ
り、同フィードバックループが荷重計測手段の計測値に
基づいてなされるとき[N]である。図13と後の説明
に用いる図9の制御ブロック図では、後者の次元を有す
るuf の記載になっている。
【0054】さて、図13に戻って、電圧電流変換器8
の入力wから操作量uf までの伝達関数を次式のように
表現している。
【0055】
【数12】 但し、一般的にTsvは十分大きく、(12)式は次式の
如く積分器として近似的に表規することも可能である。
【0056】
【数13】 まず、従来の制御系では、ks [V・s2 /m]による
加速度フィードバックループによってダンビングが付与
され、kpos [V/m]と位置の補償器 (PI補償器)
12による位置フィードバックループによって指定した
位置への位置決めがなされている。このような閉ループ
系に対して有効に機能する床振動フィードフォワードの
補償器85の伝達関数は次式のようであった。
【0057】
【数14】 つまり、
【0058】
【数15】 というPI補償器の形である。但し、Tff=C/Kと設
定する。より簡易なGff(s)の実現としては、次式の
ように積分器としても構わなかった。
【0059】
【数16】 この場合は、(14)式においてばね定数Κを残して粘
性摩擦係数Cを無視しているのである。
【0060】一方、ステージ反力フィードフォワード
は、XYステージ13を駆動する不図示の信号をステー
ジ駆動信号入力端子81に導き、これをステージ反力フ
ィードフォワード補償器82の伝達関数Gsff(s)を介
して電圧電流変換器8の前段にフィードフォワードする
技術であり、Gsff(s)は次式の形にする必要があっ
た。
【0061】
【数17】 ここで、Tsff は微分時定数[s]であり、ksff はス
テージ反力フィードフォワードゲイン[−]であり、
(17)式はいわゆる疑似微分の形となっている。
【0062】本実施例では、除振台に対するフィードバ
ックループとして加速度と位置に加えて圧力計測手段あ
るいは荷重計測手段の計測値に基づく加圧力フィードバ
ックループを備えた能動的除振装置を対象にして、最適
な床振動フィードフォワードおよびステージ反力フィー
ドフォワードの実現を図る。より具体的に、圧力または
荷重計測に基づく加圧力フィードバックループを新たに
付加した場合、空気ばねアクチュエータへの駆動指令電
圧からそれが実際に発生する圧力(力)までの応答が1
次遅れ系となるので、この特性を踏まえて床振動フィー
ドフォワード補償器およびステージ反力フィードフォワ
ード補償器の伝達関数の形を一意に規定している。以
下、より詳細に両フィードフォワード補償器の形を求め
ていく。
【0063】図9は、図8の装置の1軸分に相当するフ
ィードバック、ステージ反力フィードフォワードおよび
床振動フィードフォワードの制御ブロック図を示す。図
9中の破線内の系、すなわち加圧力フィードバック系の
伝達関数を考える。新たな指令電圧vp から操作量uf
までの伝達関数は次式と表現できる。但し、Tpv=Tsv
と選ぶ。
【0064】
【数18】 すなわち、vp からuf までの特性は1次遅れ系とな
る。上式はwからuf までの伝達関数を(12)式のよ
うに1次遅れ系とおいた場合である。一方、(13)式
のように積分器と考えた場合、PI補償器18を挿入す
る必要はなく、単純に圧力ゲインpg でフィードバック
すれば定常偏差零が実現できる。その場合には、
【0065】
【数19】 である。つまり、wからuf までの特性を(12)式の
ような1次遅れ系とみなそうと、あるいは(13)式の
ような積分器とみなそうと、何れの場合についても加圧
力フィードバックを施した系は(18a)式あるいは
(19a)式に示す如く1次遅れ系となる。したがっ
て、加圧力フィードバックループが1次遅れ系である特
性を踏まえて、床振動フィードフォワード補償器85の
伝達関数Gff(s)を規定せねばならず次式のようにな
る。
【0066】
【数20】 すなわち、次式のごとくPI補償器を2段カスケード接
続した形になる。
【0067】
【数21】 但し、T1 =C/Κ、T2 =Tsv’である。また、(2
0)式におけるΚ+Csの中で粘性項を無視すると、よ
り簡易な床振動フィードフォワード補償器の実現として
次式が得られる。
【0068】
【数22】 すなわち、次式のように積分器とPI補償器のカスケー
ド接続でも有意な床振動フィードフォワードが実現でき
る。
【0069】
【数23】 上記と同様な手順によって、ステージ反力フィードフォ
ワード補償器82の伝達関数Gsff(s)を求めると次式
が得られる。
【0070】
【数24】 すなわち、伝達関数は位相進み補償器の形であり、T
ff3 は高周波域に折点を持つように適切に定められる。
【0071】なお、図9の中で、16は(25)式の形
のPI補償器である。図中の破線内の特性は1次遅れ系
なので、この系にka のフィードバックを施してもダン
ピングとしては機能しない。そこで、PI補償器16を
1次遅れ系の前に挿入することによって積分器を復活さ
せ、 ka を介した信号をPI補償器16の前段にフィー
ドバックすることによってダンピング機能を満たすよう
にしているのである。
【0072】
【数25】 さらに、PI補償器16が積分器を持つことに応じて、
位置の補償器12はPI補償器に代えてゲインkppとし
ている。補償器16が積分器を持つので位置に関する定
常偏差零は保証されるのである。
【0073】さて、以上の背景を踏まえ再び図8を参照
しよう。同図において、5a〜dは空気ばねアクチュエ
ータ4a〜dの内圧を測定する圧力計測手段、14a〜
dは圧力補償器、15は圧力補償器14a〜dへのもう
一つの入力であって各空気ばねアクチュエータ4a〜d
の基準となる内圧と等価な電圧を設定する圧力目標電圧
入力端子である。圧力計測手段5a〜dとしては、拡散
半導体歪ゲージ式、金属歪ゲージ式、力平衡式、差動キ
ャパシタンス式、ブルドン管式、ベローズ式などのセン
サが使用できる。なお、圧力計測手段5a〜dに代えて
空気ばねアクチュエータ4a〜dが発生する駆動力を計
測する荷重計測手段を備え上述のフィードバックループ
を備えていても構わない。以下、加圧力フィ一ドバック
の中の圧力フィードバックの場合で説明を行なう。
【0074】図示のように、圧力補償器14a〜dの出
力信号は不図示のサーボバルブを駆動する電圧電流変換
器8a〜dの前段に負帰還されている。そして、図9を
使って説明したように、圧力補償器14(14a〜d)
の出力を負帰還したその前段には、新たにPI補償器1
6(16x ,16y ,16z )を挿入する。 ここでは、
運動モード分配手段9の前段であって、かつステージ反
力フィードフォワード補償器82x ,82y と床振動フ
ィードフォワード補償器85x ,85y の出力の加算点
の前段に挿入している。すでに説明したように、加圧力
フィードバックによって各軸への駆動指令da ,db
c ,dd から空気ばねアクチュエータ4a〜dの内圧
までの特性が1次遅れ系となる。図8の構成では、運動
モード別の駆動信号dx ,dy ,dθz から各軸の空気
ばねアクチュエータ4a〜dの内圧までの特性が1次遅
れ特性となっている。 そこで、 PI補償器16x ,16
y,16z の各零点はこれら1次遅れの極を相殺するよ
うに設定される。このようにすると、加速度に関する運
動モード抽出手段7Aの出力をゲイン補償器17x,1
y ,17z を介して運動モード分配手段9の前段にフ
ィードバックした操作量は純粋にダンピングとしての機
能を持つに至る。一方、PI補償器16x ,16y ,1
z の部位が単純にゲイン要素である場合、加圧力フィ
ードバックを施した系が1次遅れ特性となり、加速度に
関する運動モード抽出手段7Aの出力をゲイン補償器1
x ,17y ,17z を介してフィードバックした操作
量は純粋なダンピングとして機能しない。勿論、ダンピ
ングを掛けたい周波数域に対して加圧力フィードバック
を施した結果としての1次遅れ系が十分低い周波数に折
点周波数を持つ場合には、16x ,16y ,16z をP
I補償器にせねばならない絶対的な必要性はなく、これ
らを単純なゲイン補償器としておいても構わない。
【0075】上述したような運動モード別の非干渉化フ
ィードバック装置において、ステージ反力フィードフォ
ワード補償器82x ,82y は運動モード分配手段9の
前段に加算されており、XYステージ13がX軸方向に
駆動されたときの不図示の信号をステージ駆動信号入力
端子81x に導き、同様にXYステージ13がY軸方向
に駆動されたときの信号はステージ駆動信号入力端子8
y へと導いている。ここで、ステージ反力フィードフ
ォワード補償器82x ,82y の伝達関数は位相進み補
償器の形であり、この零点は加圧力フィードバック系の
伝達関数の1次遅れ系としての遅れ時定数をキャンセル
するように設定される。また、位相進み補償器の極は高
周波域に折れ点を持つように適切に定められる。
【0076】また、床振動フィードフォワードは、床の
振動をホルダ83x ,83y に保持した床振動検出手段
84x ,84y によって検出し、その信号を床振動フィ
ードフォワード補償器85x ,85y を介して運動モー
ド分配手段9の前段であって、それぞれXおよびY方向
の運動モード駆動信号dx ,dy が伝達される部位に、
すなわち加圧力フィードバックループの前段に印加され
る。
【0077】なお、運動モード抽出手段7Pの後段に挿
入されている位置の補償器としてのPI補償器12x
12y ,12θz に代えてこれを単純なゲイン補償器と
しても位置に関する定常偏差零は保証される。この理由
は既に説明したように、PI補償器16x ,16y ,1
z が積分器を持つからである。
【0078】図8では運動モード別の従来の非干渉化フ
ィードバック装置の中に加圧力フィードバックループが
各軸独立に組み込まれており、同フィードバックを導入
したことによってPI補償器16(16x ,16y ,1
z )が設けられ、そして同補償器が積分器を持つので
位置の補償器12(12x ,12y ,12θz )はゲイ
ン補償器でもよいことになった。このような制御構造を
踏まえて、ステージ反力フィードフォワード補償器82
(82x ,82y )と床振動フィードフォワード補償器
85(85x ,85y )の各出力を加算する部位の一例
が示されている。しかし、非干渉化フィードバック装置
とそれに組み込む加圧力フィードバツクループとからな
る制御構造の変形は幾つも考えられ、従って両フィード
フォワード補償器の出力の加算形式も幾つかの種類があ
る。そこで、本実施例の本質をより単純な制御構造の図
10を使って再度説明する。同図において、4は空気ば
ねアクチュエータであり、86はサーボバルブ (図8で
は86を4に含めていた)、25は機械ばね、26は粘
性要素を示す。さて、図10では空気ばねアクチュエー
タ4の内圧が圧力計測手段5によって計測され、その出
力は圧力補償器 (ゲイン補償器) 14を介して、サーボ
バルブ86を駆動する電圧電流変換器8に前置したPI
補償器18の前段にフィードバックされて、加圧力フイ
ードバックループを構成している。除振台1の振動は振
動計測手段3によって検出され、ゲイン補償器17を介
してPI補償器16の前段にフィードバックされてい
る。PI補償器16の零点はvp からuf までの特性が
1次遅れ系になることに鑑み、その遅れ時定数を相殺す
るように設定される。除振台1の変位は位置計測手段6
によって検出されて、偏差増幅器10を経て、位置の補
償器であるPIないしはP補償器12に導かれる。この
ような閉ループ系に対して、床振動検出手段22の出力
を床振動フィードフォワード補償器85を介した信号が
加圧力フィードバックループに対して注入される。同様
に、ステージ駆動信号入力端子81に導かれた信号は、
ステージ反力フィードフォワード補償器82を介して加
圧力フィードバックループに対して注入されるのであ
る。
【0079】本実施例によれば以下の効果がもたらされ
る。 (1) 本実施例では、圧力ないし荷重計測に基づくフ
ィードバックである所謂加圧力フィードバックループを
ステージ反力フィードフォワードと床振動フィードフォ
ワードを有する従来の能動的除振装置へ導入したという
特殊性を考慮して最適なステージ反力フィードフォワー
ドと床振動フィードフォワードとを実現した。 (2) したがって、XYステージがステップアンドリ
ピートあるいはステップアンドスキャンしたとき、不必
要なあるいはアンバランスな力を構造体に作用させるこ
とがなく、したがってその変形を招かないという加圧力
フィードバックループ採用の利益を享受した上で、XY
ステージなどの搭載機器の駆動に原因した除振台の揺れ
を効果的に抑制できる。その結果として同ステージの位
置決め整定性を短縮できる。併せて、床の振動の除振台
への伝播を抑制できる結果として除振台上の搭載機器で
あるところの例えばXYステージの位置決め精度を向上
させることができる。 (3) すなわち、生産性向上に寄与するところ大とい
う効果がある。
【0080】
【発明の適用範囲】なお、上述の実施例では図1、図5
および図8を参照して水平方向の除振・制振を対象に、
しかも4台の能動的支持脚で除振台を支える構成に対し
て具体的説明を行なった。もちろん、鉛直方向の除振装
置に対する本願内容の適用は妨げられないし、使用する
能動的支持脚の台数に制約を設けるものでもない。ま
た、図中、制御装置はアナログ回路で実現しているが、
一部もしくは全部をディジタル演算装置に置き換えて実
現することも本発明の範囲に属する。さらに、本発明で
は、空気ばねアクチュエータだけが推力を発生するアク
チュエータであったが、電磁モータの代表であるリニア
モータやボイスコイルモータを、あるいは変位発生型ア
クチュエータの代表である圧電素子や電歪素子を空気ば
ねアクチュエータと併用したハイブリッドの能動的除振
装置への適用も妨げられない。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果がもたらされ
る。 (1) 除振台を含めた構造体を支持するための空気ば
ねの内圧あるいは空気ばねによって印加される力を制御
の管理下においているので、構造体に印加される外乱に
対して指定した圧力あるいは指定した力を保持しようと
作用する。 (2) したがって、XYステージがステップアンドリ
ピートあるいはステップアンドスキャンしたとき、不必
要なあるいはアンバランスな力を構造体に作用させるこ
とがなく、したがってその変形を招かない、という利点
がある。 (3) 構造体の変形を生じさせないのでそこに搭載す
る計測機器の計測値を狂わすこともない。 (4) すなわち、位置決め精度が良好に保たれる結果
として、半導体ウエハに対する露光も良好になされて生
産性も向上する、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る能動的除振装置
の構成図である。
【図2】 図1の装置の1軸分に相当する圧力フィード
バック付きの1軸形能動的除振装置の構成図である。
【図3】 図1の装置の制御ブロック図である。
【図4】 図1の装置の変形例を示す圧力制御のブロッ
ク図である。
【図5】 本発明の第2の実施例に係る能動的除振装置
の構成図である。
【図6】 本発明の第3の実施例に係る1軸形能動的除
振装置のブロック図である。
【図7】 本発明の第4の実施例に係る荷重計測手段の
実装例である。
【図8】 本発明の第5の実施例に係る能動的除振装置
の構成図である。
【図9】 図8の装置の1軸分に相当するフィードバッ
ク、ステージ反力フィードフォワードおよび床振動フィ
ードフォワードの制御ブロック図である。
【図10】 図8の装置の1軸分に相当する圧力フィー
ドバック付きの1軸形能動的除振装置の構成図である。
【図11】 従来技術の能動的除振装置である。
【図12】 アクチュエータの配置と駆動軸方向であ
る。
【図13】 従来のフィードバック、ステージ反力フィ
ードフォワードおよび床振動フィードフォワードの制御
ブロック図である。
【符号の説明】
1:除振台、2,2a〜d:能動的支持脚、3a〜d:
振動計測手段、4,4a〜d:空気ばねアクチュエー
タ、5a〜d:圧力計測手段、6a〜d:位置計測手
段、7A:加速度に関する運動モード抽出手段、7P:
変位に関する運動モード抽出手段、8,8a〜d:電圧
電流変換器、9:運動モード分配手段、10,10a〜
d:偏差増幅器、11:位置目標電圧入力端子、12,
12x ,12y ,12θz :PI補償器、13:XYス
テージ、14a〜d:圧力補償器、15:圧力目標電圧
入力端子、16,16a〜d,16x ,16y ,16
z :PI補償器、17x ,17y ,17z 、:ゲイン補
償器、18:ゲイン補償器、19:前置圧力補償器、2
0V(H):(水平)方向の空気ばね、21V(H):
鉛直(水平)方向の振動計測手段としての加速度セン
サ、22V(H):鉛直(水平)方向の位置計測手段と
しての位置センサ、 23V(H):鉛直(水平)方向
の電気空圧アナログ弁、24:積層ゴム、25:水平方
向の予圧ばね、26:ケーシング、27:構造体、28
V(H):鉛直(水平)方向の荷重センサ28V、8
1,81x ,81y :ステージ駆動信号入力端子、8
2,82x ,82y :ステージ反力フィードフォワード
補償器、83x ,83y:ホルダ、84x ,84y :床
振動検出手段、85,85x ,85y :床振動フィード
フォワード補償器、86:サーボバルブ、87:機械ば
ね、88:粘性要素、Za ,Zb ,Zc ,Zd :位置検
出手段6a〜dの電気出力、ea ,eb ,ec ,ed
位置偏差信号、Aa ,Ab ,Ac ,Ad :加速度センサ
などの振動検出手段3a〜dの電気出力、Sx ,Sy
Sθz :運動モード偏差信号、ax,ay ,aθz :運
動モード加速度信号、dx ,dy ,dθz :運動モード
別の駆動信号、d a,db ,dc ,dd :駆動モード分
配手段9の出力。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気ばねアクチュエータと、振動計測手
    段と、位置計測手段と、前記空気ばねアクチュエータの
    加圧力を計測する加圧力計測手段とを備えた能動的支持
    脚を複数台使用して精密機器を搭載する除振台を制御す
    る能動的除振装置であって、前記加圧力計測手段の出力
    に基づいて前記空気ばねアクチュエータの加圧力を制御
    する加圧力フィードバックループと、前記振動計測手段
    の出力に基づいて前記除振台にダンピングを付与する加
    速度フィードバックループと、前記位置計測手段の出力
    に基づいて指定された平衡位置に定常偏差なく前記除振
    台を位置決めする位置フィードバックループとを備えた
    ことを特徴とする能動的除振装置。
  2. 【請求項2】 前記加速度フィードバックループと前記
    位置フィードバックループは共に前記除振台の運動モー
    ドに基づいた非干渉化制御系であり、前記加圧力フィー
    ドバックループは前記空気ばねアクチュエータの個数ご
    と独立に備えられていることを特徴とする請求項1記載
    の能動的除振装置。
  3. 【請求項3】 前記加圧力計測手段は前記空気ばねアク
    チュエータの内圧を計測する圧力計測手段であり、前記
    加圧力フィードバックループは前記空気ばねアクチュエ
    ータの内圧を前記圧力計測手段によって検出してそれを
    適切なゲインを有する圧力補償器を介して前記空気ばね
    アクチュエータを駆動する電圧電流変換器の前段に負帰
    還する圧力フィードバック系であり、前記圧力フィード
    バック系の1次遅れの極をキャンセルする零点を持つP
    I補償器を前記圧力フィードバック系の前段に備えてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の能動的除振
    装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧力計測手段は前記空気ばねアク
    チュエータの荷重を計測する荷重計測手段であり、前記
    加圧力フィードバックループは前記空気ばねアクチュエ
    ータの駆動力を荷重計測手段によって検出してそれを適
    切なゲインを有する圧力補償器を介して前記空気ばねア
    クチュエータを駆動する電圧電流変換器の前段に負帰還
    する荷重フィードバック系であり、前記荷重フィードバ
    ック系の1次遅れの極をキャンセルする零点を持つPI
    補償器を前記荷重フィードバック系の前段に備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の能動的除振装
    置。
  5. 【請求項5】 前記加圧力計測手段は前記空気ばねアク
    チュエータの内圧を計測する圧力計測手段であり、前記
    加圧力フィードバックループは、前記空気ばねアクチュ
    エータの内圧を前記圧力計測手段によって検出しその圧
    力計測信号を適切なゲインを有する圧力補償器を通した
    後指令電圧と比較して得られる偏差信号を前置圧力補償
    器としてのPI補償器を介して前記空気ばねアクチュエ
    ータを駆動する電圧電流変換器へ入力する圧力フィード
    バック系であり、前記前置圧力補償器としてのPI補償
    器の零点は、前記電圧電流変換器から前記空気ばねアク
    チュエータの内圧までの1次遅れの周波数特性としての
    極を相殺するように設定されていることを特徴とする請
    求項1または2記載の能動的除振装置。
  6. 【請求項6】 前記加圧力計測手段は前記空気ばねアク
    チュエータの荷重を計測する荷重計測手段であり、前記
    加圧力フィードバックループは、前記空気ばねアクチュ
    エータの駆動力を前記荷重計測手段によって検出しその
    荷重計測信号を適切なゲインを有する駆動力補償器を通
    した後指令電圧と比較して得られる偏差信号を前置駆動
    力補償器としてのPI補償器を介して前記空気ばねアク
    チュエータを駆動する電圧電流変換器へ入力する荷重フ
    ィードバック系であり、前記前置駆動力補償器としての
    PI補償器の零点は、前記電圧電流変換器から前記空気
    ばねアクチュエータの駆動力までの1次遅れの周波数特
    性としての極を相殺するように設定されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の能動的除振装置。
  7. 【請求項7】 前記加圧力フィードバックループと他の
    フィードバックループと結合点の前段に前記PI補償器
    を備える場合、前記位置フィードバックループに対する
    位置偏差補償器がPI補償器またはゲイン補償器である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の能動
    的除振装置。
  8. 【請求項8】 前記除振台が設置された床の振動を計測
    する床振動計測手段と、前記床振動計測手段の出力を信
    号処理する床振動フィードフォワード補償器と、前記精
    密機器の駆動信号を適切に信号処理するステージ反力フ
    ィードフォワード補償器とをさらに備え、前記床振動フ
    ィードフォワード補償器と前記ステージ反力フィードフ
    ォワード補償器の出力が前記加圧力フィードバックルー
    プの前段に印加されていることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の能動的除振装置。
  9. 【請求項9】 前記床振動フィードフォワード補償器は
    PI補償器の2段カスケード接続であり、その零点の一
    つは前記加圧力フィードバックループの1次遅れ系とし
    ての極を相殺し、もう一つの零点は除振台の粘性摩擦係
    数をC、ばね定数をΚとおいて−K/Cに設定すること
    を特徴とする請求項8記載の能動的除振装置。
  10. 【請求項10】 前記床振動フィードフォワード補償器
    は積分器とPI補償器のカスケード接続であり、前記P
    I補償器の零点は前記加圧力フィードバックループの1
    次遅れ系としての極を相殺するように設定することを特
    徴とする請求項8記載の能動的除振装置。
  11. 【請求項11】 前記ステージ反力フィードフォワード
    補償器は、位相進み補償器であり、前記位相進み補償器
    の零点は前記加圧力フィードバックループの1次遅れ系
    としての極を相殺するように設定され、前記位相進み補
    償器の極は高周波域に折点を持つように適切に定められ
    ていることを特徴とする請求項8記載の能動的除振装
    置。
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