JPH10254769A - 分散共有メモリのデータ転送制御方法および計算機システム - Google Patents

分散共有メモリのデータ転送制御方法および計算機システム

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JPH10254769A
JPH10254769A JP9056039A JP5603997A JPH10254769A JP H10254769 A JPH10254769 A JP H10254769A JP 9056039 A JP9056039 A JP 9056039A JP 5603997 A JP5603997 A JP 5603997A JP H10254769 A JPH10254769 A JP H10254769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散共有メモリのデータ転送制御方法および計
算機システムに関し,効率的なデータ転送を可能にする
とともに,アプリケーションプログラムの並列実行性を
損なわないようにすることを目的とする。 【解決手段】各計算機1,1’が分散共有仮想メモリ
3,3’にアクセスする際のロック制御をページ単位で
行うロック制御手段4,4’と,各計算機1,1’が分
散共有仮想メモリ3,3’へのアクセスに伴って必要に
なる計算機間のデータ転送を,アクセス要求があったペ
ージを含む所定数のページからなるバルクページ単位で
行うデータ転送手段6,6’とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,計算機網上に実現
された分散データベース管理システム等においてデータ
を効率よく扱うことを可能にした分散共有メモリのデー
タ転送制御方法および分散共有メモリを持つ計算機シス
テムに関する。
【0002】マルチメディアデータ等の大きなサイズを
持ったデータを扱う場合や,ファストイーサネット,A
TMなど大容量のネットワークを利用する場合に特に適
する。
【0003】
【従来の技術】図15は,一般的な従来の計算機網を示
す。例えば図15に示すように,複数の計算機101〜
104がネットワーク100で接続された計算機システ
ムが用いられている。各々の計算機はディスク記憶装置
111〜114を持ち,ディスク記憶装置111〜11
4にはデータベースが格納される。データベースは複数
のディスク記憶装置に分散されていてもよいし,1つの
ディスク記憶装置に集められていてもよい。データベー
スの利用者は,計算機網上の任意の計算機101〜10
4から,ネットワーク100を介して,任意のディスク
記憶装置111〜114に格納されたデータベースにア
クセスする。
【0004】分散データベース管理システムと分散共有
メモリとは密接な関係がある。分散共有メモリ(または
分散共有仮想メモリともいう)とは,計算機網を構成す
る複数の計算機によって共有されたメモリ空間のことで
ある。具体的には,計算機網上の各計算機に分散共有仮
想メモリの複製が作成され,互いの通信により各複製の
メモリイメージの同一性が維持される(このことをメモ
リコヒーレンスという)。
【0005】このシステムでは,オペレーティングシス
テム(OS)が提供するメモリマップドファイルの機能
を利用することで,ディスク記憶装置にファイルとして
格納されたデータベース(データベースファイル)を,
分散共有仮想メモリにマップすることが可能である。
【0006】図16は,図15に示すシステムでのデー
タベースへのアクセス説明図である。図16のように,
あるアプリケーションプログラム152が,ネットワー
ク100を介して遠隔のデータベース141にアクセス
する場合,両方の計算機101,102の仮想メモリ空
間131,132中に,分散共有仮想メモリ121,1
22が作成される。そして,一方の分散共有仮想メモリ
121はデータベースファイルにマップされ,もう一方
の分散共有仮想メモリ122はアプリケーションプログ
ラム152から利用される。
【0007】ここでは,データベースファイルが格納さ
れたディスク記憶装置111に接続された計算機101
をデータベースサイト,アプリケーションプログラム1
52が実行されるサイトをアプリケーションサイトと呼
ぶことにする。
【0008】データベースサイトおよびアプリケーショ
ンサイト上で,メモリコヒーレンスを行うための特別な
プロセスを常に実行し,このプロセスが実行されている
ことをアプリケーションプログラムから意識させないよ
うにすることが可能である。このようにすると,分散共
有仮想メモリ122へのアクセスは,ネットワーク10
0を意識せずに,通常のメモリアクセスと同様に行うこ
とができる。すなわち,分散共有仮想メモリ122を利
用することで,データベース141へのアクセスを通常
のメモリアクセスと同様に行うことができる。このこと
は,計算機網上に実現された分散データベースのアプリ
ケーションプログラム152の開発が容易に行えること
を意味する。
【0009】以上のように,メモリコヒーレンス用プロ
セスとアプリケーションプログラムとの分離により,ア
プリケーションプログラム開発を容易に行えるようにす
ることが,本システムにおいてベースとなる考え方であ
る。
【0010】このようなシステムでは,相互に関係のな
い複数のアプリケーションプログラムが同時にデータベ
ースにアクセスを行うことがあるので,互いの干渉を防
ぐために一種の排他制御が必要である。そのための代表
的な方式には,リードロックとライトロックの組み合わ
せによるロック方式があり,リレーショナルデータベー
ス等のデータベースの排他制御に広く用いられている。
【0011】ロック方式は,あるアプリケーションプロ
グラムが,あるデータにアクセスする前に,そのデータ
に対応したロックの獲得を義務づけるものである。アプ
リケーションプログラムは,データを読み込む前にリー
ドロックを獲得しなければならず,データを更新する前
にライトロックを獲得しなければならない。
【0012】一般に,分散共有メモリにおけるロックの
単位は,計算機システムにおいてあらかじめ定められた
4KBまたは8KBというような大きさのページであ
る。すでにリードロックされているページに対し,他の
アプリケーションプログラムが再度リードロックをする
ことは可能であるが,ライトロックされているページに
はリードロックをすることはできない。また,すでに他
のアプリケーションプログラムにリードロックまたはラ
イトロックされているページに対しては,ライトロック
をすることはできない。
【0013】分散共有仮想メモリ122内に,分散共有
仮想メモリ121の複製が作成されていない場合,アプ
リケーションプログラム152からのデータアクセスに
応じて,自動的に複製が作成される。これはメモリコヒ
ーレンス用プログラムによって行われる。そのデータ転
送単位は,ロックの単位に合わせて,ページである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】最近,マルチメディア
データなど,アクセス対象となるデータのサイズの大き
いものが多く用いられるようになってきている。しか
し,従来の分散共有メモリ・システムのように,データ
を転送する単位がページであると,ページサイズより大
きいデータを転送する場合に,そのデータ転送のメッセ
ージ数が増えることになる。そうすると,1回のメッセ
ージ通信のために固定的にかかる時間が,メッセージ通
信の回数分だけ増加することになる。
【0015】メッセージ通信の回数を減らすために,1
回で転送するデータの大きさをページよりも大きくした
場合,分散共有システムにおいては,各計算機において
データの内容を一致させておく必要があるので,ロック
の単位もデータ転送の単位に合わせて大きくする必要が
あると考えられていた。ところが,ロックの単位が大き
くなると,複数のアプリケーションプログラム間でのロ
ック制御に伴う排他制御が働く機会が増えるので,並列
実行性が損なわれ,アプリケーションプログラムのレス
ポンスタイムの劣化,システム全体としての性能の低下
を招いてしまうという問題が生じる。
【0016】本発明は上記問題点の解決を図り,分散共
有メモリを持つ計算機システムにおいて,効率的なデー
タ転送を可能にするとともに,アプリケーションプログ
ラムの並列実行性を損なわないようにすることを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の概要説明
図である。図中,1,1’はプロセッサとメモリを持つ
計算機,2,2’はアプリケーションプログラム(A
P),3,3’は計算機1,1’が共有する分散共有仮
想メモリ,4,4’は分散共有仮想メモリ3,3’のデ
ータへのアクセスの競合を制御するためのロック制御手
段,5,5’はページ単位のロック情報を管理するペー
ジロックテーブル,6,6’はバルクページ単位で計算
機1,1’間のデータ転送を行うデータ転送手段,7は
ネットワークを表す。
【0018】本発明は,各計算機1,1’が分散共有仮
想メモリ3,3’にアクセスする際のロック制御をペー
ジ単位で行うロック制御手段4,4’と,各計算機1,
1’が分散共有仮想メモリ3,3’へのアクセスに伴っ
て必要になる計算機間のデータ転送を,アクセス要求が
あったページを含む所定数のページからなるバルクペー
ジ単位で行うデータ転送手段6,6’とを持つことを主
要な特徴とする。
【0019】ここで,バルクページとは,ページをある
個数ずつまとめたものである。ページには0から順に番
号がついており,バルクページを構成するページ数をN
とすると,あるページMが属するバルクページの番号
は,M/Nを超えない最大の整数である。図1(B)は
N=3の場合の例を示している。
【0020】なお,バルクページを第0ページから順に
定義するのではなく,アクセス要求があったページを先
頭にして,そこから所定数のページ群をバルクページと
して定義するようにしてもよい。
【0021】データ転送の単位をバルクページとするこ
とで,ページ単位でデータを転送する場合よりもメッセ
ージ数を削減でき,システム全体としての性能が向上す
る。一方,ロック制御は従来と同様にページ単位で行わ
れるので,ロック獲得待ちなどが増えることによってア
プリケーションプログラム2,2’の実行性能が悪くな
ることはない。
【0022】バルクページの単位となるページ数は,ア
プリケーションプログラム2,2’のプロセスごとに,
システムが提供するマクロもしくは関数またはプログラ
ム起動時のパラメータにより指定することができる。
【0023】これによって,アプリケーションプログラ
ム2,2’が扱う例えば画像データ,音声データ,テキ
ストデータというようなデータの属性に応じて,最適な
ページ数をバルクページとして定めることができる。
【0024】また,本発明では,ロックをページ単位で
行い,データ転送をバルクページ単位で行うことを実現
するための一手法として,リードロックとライトロック
の組み合わせによるロック方式に拡張を行い,リードロ
ック,ライトロックに加えて第3のロックモードとして
「予約ロック」モードを導入する。
【0025】本発明では,例えば図15および図16の
ようなシステムにおいて,データベースアクセス時に
は,メモリコヒーレンス・プロセスによって,データベ
ースのデータの複製がアプリケーションサイトに作成さ
れるが,計算機網上でのデータの複製の作成において,
「あるデータに対して,予約ロック,リードロックまた
はライトロックが行われているならば,そのロックを行
ったアプリケーションサイトに,そのデータの複製が作
成されており,逆も成立する」という原則が導入され
る。以上の原則を守るため,予約ロックの獲得は,次の
規則に従って行われる。
【0026】1.すでに他のアプリケーションプログラ
ムによってライトロックされたページには,予約ロック
はできない。 2.まだロックされていないページあるいはすでに他の
アプリケーションプログラムによってリードロックまた
は予約ロックされたページには,予約ロック可能であ
り,この場合は,アプリケーションサイトに該当ページ
の複製が作成される。
【0027】さらに,すでに予約ロックされたページに
対しては次の規則を用いる。 1.すでに,自ら予約ロックしていたページは,リード
ロックに変更可能である。
【0028】2.すでに,自ら予約ロックしていたペー
ジは,他のアプリケーションプログラムによってリード
ロックされていない限りライトロックに変更可能であ
る。 3.すでに他のアプリケーションプログラムによって予
約ロックされたページには,リードロック可能である。
この場合,すでに自ら予約ロックしていたのでなけれ
ば,アプリケーションサイトに該当ページの複製が作成
される。
【0029】4.すでに他のアプリケーションプログラ
ムによって予約ロックされたページには,ライトロック
も可能であるが,この場合,すでに他のアプリケーショ
ンプログラムによって取得されていた予約ロックを取り
消すとともに,そのアプリケーションサイトの該当ペー
ジの複製も消去する。
【0030】これらロックモードの管理は,データベー
スサイトおよびアプリケーションサイトに1つずつ作成
されたページロックテーブル5,5’を用いて行う。ペ
ージロックテーブル5,5’は,各ページごとにロック
の種類とそのロックを行ったプロセスのIDを格納する
データ構造を持つ記憶手段である。データベースシステ
ムは計算機網上に実現されているから,ページロックテ
ーブル5,5’も計算機網上に分散されることになる。
【0031】図2は本発明の作用説明図である。図2に
おいて,点線は転送されたデータ,実線はアプリケーシ
ョンプログラムがアクセス中のデータを表している。ア
プリケーションプログラムは,アクセスしようとするデ
ータが自計算機内にない場合,データを要求し,そのデ
ータが到着するまで待たなければならない。図2のT1
がデータの到着を持つための処理の中断時間である。そ
の中断の後,処理を再開し,転送されたデータにアクセ
スする。この中断時間T1の総和を短くすることが性能
の向上につながる。
【0032】一般にネットワークの伝送時間は,メッセ
ージサイズxに対する一次式ax+bで近似できる。a
はある単位長さのデータを送るのに要する時間の逆数,
bは1回のメッセージ通信のために固定的にかかる時間
である。Nページのデータをページ単位で送る場合,伝
送時間はN(ax+b)となるのに対し,Nページのデ
ータを1バルクページとして送る場合,伝送時間はN
(ax)+bで済む。すなわち,データ転送をバルクペ
ージ単位とすることにより,ページ単位で転送するとき
よりも,アプリケーションの待ち時間を(N−1)bだ
け減らすことが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下,本発明を分散データベース
管理システムに適用した場合の実施の形態を説明する。
【0034】メモリコヒーレンスの実現には,すでにい
くつかの方法があるが,本実施の形態におけるメモリコ
ヒーレンスは,「必要になったら通信を行う」という方
針に基づいている。すなわち,最初,アプリケーション
サイトの分散共有仮想メモリの中身は空であり,必要に
応じて必要な分だけのデータ転送が,アプリケーション
サイトに対して行われるという方針である。
【0035】アプリケーションサイトは,データアクセ
スの前にデータ要求を発し,その返事としてデータがア
プリケーションサイトに供給される。このようにデータ
が必要になった時点で,データ要求とデータ供給の一連
のメッセージがネットワークを介してやりとりされる。
【0036】従来,このようなシステムでのメモリコヒ
ーレンスにおけるデータ転送の単位は,「ページ」を基
本としていた。ページとは,一般に4096バイトある
いは8192バイトの,オペレーティングシステムによ
り規定される長さである。すなわち,あるデータAがア
クセスされた場合,このデータAを含むページ全体が転
送される。このように,データ転送は機械的に区切られ
た単位で行われ,アプリケーションプログラムがアクセ
スするデータの構造には関係なく行われる。
【0037】もし,アプリケーションプログラムのデー
タ構造を意識したデータ転送を行わせるとしたなら,ア
プリケーションプログラムの側からメモリコヒーレンス
・プロセスへ何らかの指示を行わなければならず,効率
が低下し,アプリケーションプログラムも複雑になって
しまう。従って,データ転送の基本単位をページとする
ことは妥当であったといえる。しかし,特にマルチメデ
ィアデータ等の大きなサイズのデータを扱う場合には,
前述したように効率上の問題がある。
【0038】本発明の核となるアイデアは,データ転送
を複数のページをまとめて一度に行うことで,従来のよ
うにデータ転送を1ページごとに行う場合と比べて,メ
ッセージ数を大きく削減し,結果として分散データベー
ス管理システムの性能向上を達成することである。
【0039】アプリケーションプログラムのデータアク
セスにおいて,データ要求とデータ供給のメッセージと
のやりとりが行われるが,データ転送の単位をバルクペ
ージのように大きくすることで,ページ単位の場合より
もメッセージ数を削減でき,全体としての性能が向上す
る。
【0040】以上のようにデータ転送の単位をバルクペ
ージとする一方,ロックの単位はページのままとして,
効率のよい制御を実現する。図3は本発明の実施の形態
におけるロック制御説明図である。
【0041】本実施の形態では,リードロックとライト
ロックの組み合わせによるロック方式に拡張を行い,リ
ードロック,ライトロックに加えて第3のロックモード
として「予約ロック」モードを導入する。
【0042】あるページに対するリード/予約/ライト
のロック要求に対し,そのページの現在の状態がロック
なしの場合には,ロック可となる。また,現在の状態が
リードロックまたは予約ロックの場合に,新たなリード
ロック,予約ロックの重複ロックも許可される。一方,
すでにライトロックされているページには,リード/予
約/ライトのいずれのロックも禁止される。
【0043】リードロックと予約ロックの違いは,現在
の状態がリードロックである場合に,新たなライトロッ
ク要求は,リードロックが終了するまで待たされ,現在
の状態が予約ロックだけである場合には,新たなライト
ロック要求は許可されることである。この場合,先の予
約ロックは取り消され,またその予約ロックしたアプリ
ケーションサイトの該当ページの複製が消去される。
【0044】図4は,以上のロックモードをページ単位
で管理するためのページロックテーブルの構造を示す。
データベースサイトおよびアプリケーションサイトは,
それぞれ図4に示すような構造のページロックテーブル
によって,分散共有仮想メモリのロックモードを管理す
る。ページロックテーブルは,データベースファイルの
ページ数だけのエントリを持ち,各ページごとにロック
の種類とそのロックを行ったプロセスの情報を格納して
いる。
【0045】あるページに対してライトロックを行える
アプリケーションプログラムは高々1つであり,ページ
ロックテーブルにおけるライトロックの欄には,ライト
ロックしているプロセスIDまたは計算機名(アプリケ
ーションサイト名)が格納される。予約ロックおよびリ
ードロックを行えるアプリケーションプログラムは複数
個あるため,予約ロックおよびリードロックを行ってい
るアプリケーションプログラムの情報は,該当ページの
エントリからポイントされるリスト構造で格納される。
【0046】アプリケーションサイトにおけるページロ
ックテーブルとデータベースサイトにおけるページロッ
クテーブルの管理情報は次のように異なる。アプリケー
ションサイトのページロックテーブルでは,それが置か
れているアプリケーションサイトで実行中のアプリケー
ションプログラムのプロセスIDが該当するページのエ
ントリに格納される。
【0047】一方,データベースサイトにおけるページ
ロックテーブルには,そのデータベースにアクセス中の
全アプリケーションプログラムについての情報が格納さ
れ,それには計算機網を構成するすべての計算機上のア
プリケーションプログラムに関する情報が含まれる。各
エントリには,ロックの種類ごとに,そのロックを行っ
ているアプリケーションプログラムのプロセスID,ま
たは,そのアプリケーションプログラムが実行中の計算
機名(アプリケーションサイト名)が格納される。アプ
リケーションプログラムのプロセスIDを格納するの
は,データベースサイトにおいてアプリケーションプロ
グラムが動作している場合であり,アプリケーションサ
イト名を格納するのは,そのアプリケーションプログラ
ムが動作している計算機がデータベースサイトではない
場合である。
【0048】図5はリードロック獲得処理の例を示す。
アプリケーションプログラムがあるデータをリードする
前には,図5に示す処理を行う。まず,ステップS1で
は,ページロックテーブルを参照し,すでに自らによっ
てロックされているかどうかを判定する。自らが予約ロ
ックしている場合にはロックモードをリードロックに変
更し(ステップS2),処理を続行する。自分が予約ロ
ックをしていない場合,すでに他のアプリケーションプ
ログラムによってライトロックされているかどうかを判
定し(ステップS3),ライトロックされていればロッ
ク獲得失敗とする(ステップS4)。
【0049】ライトロックされていない場合,ロックモ
ードをリードロックに設定し(ステップS5),バルク
ページ転送を行う(S6)。ロックの獲得に失敗したと
きは,それは,他のアプリケーションプログラムがロッ
クを保持していることが原因であるから,原因となった
アプリケーションプログラムの終了を待って,再度,ロ
ックの獲得および変更を行う。
【0050】ロックの獲得に成功した場合の処理は2つ
に分かれる。そのページが,自らによって何らロックさ
れていなかった場合には,同時にバルクページ転送が行
われるが,このとき同一バルクページ内の他のページに
ついては,可能な限り多くの予約ロックの獲得を行い,
予約ロックの獲得を行ったページについてのみ転送を行
う。そのページが,すでに予約ロックを含め何らかのロ
ックが自らになされていた場合,そのページを含むバル
クページの転送はすでに済んでいることになるから,ロ
ックモードの変更のみで処理は終了する。
【0051】図6は,リード時におけるメッセージ通信
の例を示す図である。あるアプリケーションプログラム
が,ロックされていないページをリードする場合,内部
的には図6のように2往復のメッセージ通信が行われ
る。メッセージの最初の1往復はリードロックに関する
ものであり,次の1往復は実際のページデータ転送に関
するものである。
【0052】まず,アプリケーションサイトは,データ
ベースサイトに「リードロック可能か」を問い合わせる
ロック要求メッセージを送る。これを受け取ったデータ
ベースサイトは,リードロック可能な場合は直ちにロッ
ク許可を返し,リードロックできない場合はリードロッ
ク可能になるのを待って,ロック許可を返す。次のペー
ジデータ転送メッセージも,データベースサイトに送ら
れる。
【0053】アプリケーションプログラムがすでに予約
ロック済みのページをリードする場合,「ロックモード
をリードロックに変更する」というメッセージが,アプ
リケーションサイトからデータベースサイトに送られ
る。この間アプリケーションプログラムの実行は中断し
ない。
【0054】以上はリードロックの例であるが,ライト
ロックについてもほぼ同様である。アプリケーションプ
ログラムがあるページをライトする場合には,まず,ロ
ック要求のメッセージがデータベースサイトに送られ,
ロック許可のメッセージが返される。次に,そのページ
についてすでに自らによってロックされていなかった場
合に限り,データベースサイトにページデータ要求メッ
セージが送られる。
【0055】あるアプリケーションプログラムAがある
ページをライトする場合,すでに他のアプリケーション
プログラムBによって予約ロックされているときには,
ロック要求メッセージはAのアプリケーションサイトか
らデータベースサイトを経由してBのアプリケーション
サイトに回送される。ロック可能かどうかはBのアプリ
ケーションサイトで判断され,ロック許可はデータベー
スサイトを再び経由してAのアプリケーションサイトに
届く。この時,ロックが許可されたならば,Bのアプリ
ケーションサイトにおける該当ページの複製は消去さ
れ,Bの該当ページに対する予約ロックも取り消され
る。
【0056】リード時とライト時のアプリケーションサ
イトでの処理およびデータベースサイトでの処理を,図
7〜図10に従ってさらに詳しく説明する。図7は,リ
ード時におけるアプリケーションサイトでの処理の例を
示す。
【0057】アプリケーションプログラムからのリード
要求に対して,ステップS10では,ページロックテー
ブルから該当ページの情報を読み出す。ステップS11
の判定により,すでに自らによって予約ロックされてい
れば,ステップS12へ進み,予約ロックされていなけ
ればステップS13へ進む。ステップS12では,ペー
ジロックテーブルの該当ページのロックモードをリード
ロックに変更し,「ロックモードをリードロックに変更
する」というメッセージをデータベースサイトへ送り,
処理を終了する。
【0058】ステップ13では,データベースサイトに
リードロック要求を送り,ロック許可を持つ。ステップ
S14では,ロック許可とともに送られてきた情報をも
とに,バルクページ転送要求を行い,結果を待つ。バル
クページ転送が終わると,ステップS15では,バルク
ページ転送の結果,ページデータが送られてきたページ
について,ページロックテーブルに予約ロックを登録
し,該当ページに対しては,リードロックを登録する。
以下,このページに対してのリード処理が可能になる。
【0059】図8は,ライト時におけるアプリケーショ
ンサイトでの処理の例を示す。アプリケーションプログ
ラムからのライト要求に対して,ステップS20では,
データベースサイトにライトロック要求メッセージを送
り,結果を持つ。ステップS21では,ページロックテ
ーブルから該当ページの情報を読み出し,ステップS2
2によって,すでに自らによって予約ロックまたはリー
ドロックされているかどうかを判定する。ロックされて
いる場合,ステップS23によって,ページロックテー
ブルの該当ページのロックモードをライトロックに変更
し,処理を終了する。
【0060】自らによって予約ロックもリードロックも
していない場合,ステップS24によって,ロック許可
とともに送られてきた情報をもとに,バルクページ転送
要求を行い,結果を待つ。次に,ステップS25では,
バルクページ転送の結果,ページデータが送られてきた
ページについて,ページロックテーブルにロックモード
として予約モードを登録し,該当ページに対しては,ラ
イトロックを登録する。以下,このページに対してのラ
イト処理が可能になる。
【0061】図9は,リード時におけるデータベースサ
イトでの処理の例を示す。アプリケーションサイトから
のリードロック要求に対して,ステップS30では,ペ
ージロックテーブルから該当ページの情報を読み出す。
ステップS31の判定により,すでに他のアプリケーシ
ョンプログラムによってライトロックされていれば,ス
テップS32へ進み,ライトロックされていなければス
テップS33へ進む。ステップS32では,ライトロッ
クしているアプリケーションプログラムのライトロック
解放を待つ。
【0062】次のステップS33では,ページロックテ
ーブルの該当ページのロックモードとしてリードロック
を登録し,続くステップS34では,ページロックテー
ブルから,該当ページを含むバルクページ内のページの
うちライトロックされていないページを探し,予約ロッ
クを登録する。同時に,その結果をロック許可とともに
要求元のアプリケーションサイトに通知し,処理を終了
する。
【0063】図10は,ライト時におけるデータベース
サイトでの処理の例を示す。アプリケーションサイトか
らのライトロック要求に対して,ステップS40では,
ページロックテーブルから該当ページの情報を読み出
す。ステップS41の判定により,すでに他のアプリケ
ーションプログラムによってリード/予約/ライトロッ
クされていれば,ステップS42へ進み,ライトロック
されていなければステップS43へ進む。ステップS4
2では,リード/ライトロックしているアプリケーショ
ンプログラムのリード/ライトロックの解放を待つ。ロ
ックが予約ロックの場合には,その予約ロックを取り消
し,予約ロックをしたアプリケーションサイトに該当ペ
ージの消去通知を行う。
【0064】次のステップS43では,ページロックテ
ーブルの該当ページのロックモードとしてライトロック
を登録し,続くステップS44では,ページロックテー
ブルから,該当ページを含むバルクページ内のページの
うちライトロックされていないページを探し,予約ロッ
クを登録する。同時に,その結果をロック許可とともに
要求元のアプリケーションサイトに通知し,処理を終了
する。
【0065】
【実施例】図11は,本発明の実施例に係るシステム構
成の例を示す。図中,1A〜1Dは各々プロセッサとメ
モリとを有する計算機,2A〜2Dはアプリケーション
プログラム,11A〜11Dはアプリケーションプログ
ラム2A〜2Dに対してデータベースへのアクセス機能
を提供するデータベースサーバ,7は各計算機1A〜1
Dを接続するネットワーク,8A〜8Dはデータベース
あるいは他の計算機から送られてきたデータベースの複
製,9A〜9Dはデータベース8A〜8Dを格納するデ
ィスク記憶装置を表す。
【0066】計算機網を構成する各計算機1A〜1Dに
は,データベースサーバ11A〜11Dが一つずつ配置
される。各データベースサーバ11A〜11Dは,互い
に通信を行い,本発明の機能を実現する。アプリケーシ
ョンプログラム2A〜2Dは,同一計算機内のデータベ
ースサーバ11A〜11Dとのみ通信を行う。すなわ
ち,アプリケーションプログラム2A〜2Dは,同一計
算機内のデータベースサーバ11A〜11Dによって供
給されるデータベース8A〜8Dにアクセスを行うが,
データベースサーバ間で通信や各種処理が行われている
ことは意識しない。
【0067】図12は,計算機の詳細ブロック図であ
り,図11に示す計算機1A〜1Dのうちの2台を計算
機1,計算機1’として示している。データベースサー
バ11(データベースサーバ11’も同様)は,アプリ
ケーションプログラム2とデータベースサーバ11間の
通信のためのアプリケーションインタフェース12,デ
ータベースへのアクセスを制御し,データベース領域1
6を管理するデータベース制御部13,ロック制御を行
うロック制御部14,他のデータベースサーバとの通信
を行う通信制御部15,データベースのデータを展開す
るための分散共有仮想メモリによるデータベース領域1
6,ページ単位のロック情報を管理するページロックテ
ーブル17を持つ。
【0068】以下,図12に示す各処理部の動作を,計
算機1’のアプリケーションプログラム2’が離れた計
算機1のデータベース8内のデータを読み出す場合を例
にとって説明する。
【0069】図13はデータベースオープン時の処理,
図14は最初のリードロックにおける処理を示してい
る。 〔データベースオープン時の処理〕計算機1’(Aとす
る)上のアプリケーションプログラム2’(プロセス番
号を500とする)が,離れた計算機1(Bとする)の
ディスク記憶装置9内にあるデータベース8(ファイル
名をXとする)を利用したい場合,そのアプリケーショ
ンプログラム2’は,Aのデータベース制御部13’
に,“データベースオープン”の要求を行う必要があ
る。
【0070】このデータベースオープンの要求では,図
13(A)に示すように,アプリケーションプログラム
2’から “db_open(B,X,yes,100)” という要求がアプリケーションインタフェース12’へ
送られる。ここで,データベースを持つ計算機名として
B,データベースのファイル名としてX,バルクページ
転送を行う指示としてyes(従来と同様にページ転送
を行わせる場合にはnoを指定する),バルクページ転
送のページ数として100が指定されている。
【0071】アプリケーションインタフェース12’
は,このデータベースオープンの要求メッセージに,ア
プリケーションプログラム2’のプロセス番号500を
付加してデータベース制御部13’に伝える。データベ
ース制御部13’は,そのメッセージにAの計算機から
の要求であることを付加し,AおよびBの通信制御部1
5’,15を利用して,直ちにBのデータベース制御部
13へ送る。
【0072】データベース制御部13は,データベース
オープン処理(従来のデータベースオープン処理と同
様)を行い,問題がなければ,OKのメッセージをBお
よびAの通信制御部15,15’を利用してデータベー
ス制御部13’に返す。データベース制御部13’は,
必要なデータベースオープン処理を行い,アプリケーシ
ョンインタフェース12’を介して,アプリケーション
プログラム2’にデータベースオープンがOKであるこ
とを通知する。
【0073】以上の結果,データベース制御部13,1
3’によるデータベースオープン処理によって,図13
(B),(C)に示すように,データベース領域16,
16’にデータベースファイルのための領域が確保され
る。
【0074】ここでは,領域の確保が行われるだけで,
実際のデータベースファイルの読み込み,転送が行われ
るわけではない。必要になった時点で適当な量だけ読み
込み,転送を行うというのが,本発明におけるベースと
なる考え方である。一般にデータベースファイルのサイ
ズは巨大であり,アプリケーションプログラム2’が実
際に利用するのはその一部であるため,この考え方は合
理的である。
【0075】〔ロック要求(1)の処理〕アプリケーシ
ョンプログラムは,データを利用する前に,そのデータ
を含むページのロック要求を行わなければならない。ロ
ック要求には,リードロック要求とライトロック要求が
あり,データを読み込む前にはリードロック要求を,デ
ータを書き込む前にはライトロック要求を行うことが義
務づけられている。
【0076】ここでは,Aのアプリケーションプログラ
ム2’が,データベースオープンの後,ページ1内のデ
ータを読み込みたいものとする。この場合,アプリケー
ションプログラム2’は,図14(A)に示すように, “read_lock(1)” というリードロック要求をアプリケーションインタフェ
ース12’に伝える。アプリケーションインタフェース
12’は,このリードロック要求のメッセージに,アプ
リケーションプログラム2’のプロセス番号500を付
加してデータベース制御部13’に伝え,データベース
制御部13’はこの要求をロック制御部14’に伝え
る。
【0077】さらにこのリードロック要求は,Aおよび
Bの通信制御部15’,15を利用して,Bのロック制
御部14へ伝えられ,Bのロック制御部14は,リード
ロック要求を認めてよいかどうかの判断を行う。この例
では,ページ1のロックはまだ行われていないから,リ
ードロック要求を認める(一般に,ライトロックされて
いないページにはリードロック要求が認められる)。
【0078】このとき,Bでは,ページロックテーブル
17の書き換えが行われる。ページロックテーブル17
は,前述のようにページの数だけの欄を持った一種の表
である。ここでは,図14(B)に示すように,ページ
ロックテーブル17のページ1の欄に「リードロック」
が記録され,ページロックテーブル17のページ2から
ページ100の欄に「予約ロック」が記録される。同時
にロックの所有者(計算機名Aとプロセス番号500)
の情報も記録される。
【0079】Bのページロックテーブル17の書き換え
後,Bでロックが認められたということが,通信制御部
15,15’を介してAに通知される。その後,Aのデ
ータベース制御部13’は,データ要求をBのデータベ
ース制御部13に対して行う。この結果,Bのデータベ
ース制御部15は,データベース8からデータベース領
域16に,ページ1からページ100までのデータを読
み出して,これらのデータを通信制御部15,15’を
利用してAへ送る。送られたデータは,Aのデータベー
ス領域16’に格納され,データ転送の終了後,Aのペ
ージロックテーブル17’も,図14(C)に示すよう
に,Bのページロックテーブル17と同様に書き換えら
れる。
【0080】〔データアクセス(1)の処理〕アプリケ
ーションプログラム2’がロックを獲得したページは,
すでにデータベースサーバ11’により,データベース
領域16’内にデータそのものも転送されている。すな
わち,アプリケーションプログラム2’は,ロックを獲
得したページに関しては,自由にデータベース領域1
6’を利用可能である。以上のようにして,A上のアプ
リケーションプログラム2’は,Bのデータベース8の
データを利用することができる。
【0081】〔ロック要求(2)の処理〕次に,A上の
アプリケーションプログラム2’が,ページ2内のデー
タを読み込みたいものとする。この場合,このアプリケ
ーションプログラム2は,“read_lock
(2)”の要求を出し,Aのロック制御部14’に「ペ
ージ2のリードロック要求」を行う。
【0082】前述した処理により,Aのページロックテ
ーブル17’には,「ページ2にはすでに予約ロックが
認められている」という情報が記録されており,Aのロ
ック制御部14’は,直ちにアプリケーションプログラ
ム2’にロック許可を与える。同時にページロックテー
ブル17’の書き換えを行い,Bのロック制御部14に
対してもページロックテーブル17の書き換えを要求す
る。
【0083】結果として,AおよびBでは,ページ2の
部分のページロックテーブル17,17’の書き換えが
行われ,ページ2のロックは,予約ロックからリードロ
ックに変更される。
【0084】先ほどのページ1のロック要求では,ロッ
ク要求がAからBへ送られ,Bのロック制御部14にお
いてロック許可が判断されていたのに対して,今回のペ
ージ2のロック要求では,Aのロック制御部14’だけ
でロック許可が判断される点が特徴である。すなわち,
最初のページ1のロック要求では,計算機A,B間の通
信の間,アプリケーションプログラム2’は待たされる
が,ページ2のロック要求では,計算機A,B間の通信
によってアプリケーションプログラム2’が待たされる
ことはなく,アプリケーションプログラム2’の待ち時
間が短くて済む。
【0085】〔データアクセス(2)の処理〕アプリケ
ーションプログラム2’は,ロック要求(2)の後,ペ
ージ2に対するデータアクセスをページ1と同様に行う
ことができる。
【0086】〔ロック解放の処理〕アプリケーションプ
ログラム2’が終了するときには,終了の合図として,
データベースサーバ11’に「ロック解放」と「データ
ベースクローズ」を通知する。この場合,A上のアプリ
ケーションプログラム2’が「ロック解放」要求を,A
のロック制御部14’へ送ると,その「ロック解放」要
求は,Bにも通知され,結果として,AおよびBのペー
ジロックテーブル17’,17が元の値に戻される。
【0087】〔データベースクローズ時の処理〕A上の
アプリケーションプログラム2’が「データベースクロ
ーズ」要求を,Aのデータベース制御部13’へ送る
と,その「データベースクローズ」要求は,Bのデータ
ベース制御部13にも通知され,結果としてAおよびB
のデータベース領域16’,16は解放される。
【0088】以上のように,アプリケーションプログラ
ムは,「データベースオープン」,「ロック要求」,
「データアクセス」,「ロック解放」,「データベース
クローズ」という,一般のデータベース利用におけるの
と同様の手順によりデータベースを利用し,最初にバル
クページのページ数を指定する以外は,バルクページ単
位のデータ転送制御が行われていることを意識する必要
がない。すなわち,バルクページ単位のデータ転送制御
は,データベースサーバの側で行うことにより,アプリ
ケーションプログラムに負担をかけないようになってい
る。バルクページのページ数として,システムのディフ
ォルト値を用いる場合には,ページ数の指定も不要であ
る。
【0089】予約ロックされたページは,他からのリー
ドおよびライトロックが可能である。上記の例では,A
上のアプリケーションプログラムの実行中は,ページ2
からページ100までは予約ロックされているが,ペー
ジ2から100までの部分は,他のアプリケーションプ
ログラムから何ら支障なく利用可能である。
【0090】仮に,上記の例において,A上のアプリケ
ーションプログラム2’の実行中に,他のアプリケーシ
ョンプログラムがページ60をライトした場合の動作は
次のとおりである。
【0091】1.AおよびBのページロックテーブル1
7’17について,ページ60の部分が予約ロックから
ライトロックに書き換わる。 2.ページ60のロックは,ライトロックを要求した他
のアプリケーションプログラムに与えられるため,A上
のアプリケーションプログラム2’がこのページ60の
データにアクセスする場合には,改めてBのロック制御
部14にロック要求が送られなければならない。
【0092】以上のロック制御を用いたバルクページ単
位のデータ転送制御は,あるデータを送るのに必要な時
間に対して,1回のメッセージ通信のために固定的にか
かる時間(レーテンシ)が比較的大きいようなネットワ
ークに特に有効である。例えば,次のような場合が挙げ
られる。
【0093】1.ATMネットワークやファストイーサ
ネット これらのネットワークでは,あるデータを送るのに要す
る時間が非常に小さい。
【0094】2.長距離のネットワーク 長距離のネットワークでは,伝送時間が光の進行速度に
縛られるため,レーテンシが大きくなってしまう。
【0095】3.ルータを含む実用規模のネットワーク ルータを含む実用規模のネットワークでは,ルータにお
いて遅延が発生するため,結果としてレーテンシが大き
くなってしまう。
【0096】本方式は,アプリケーションプログラムが
必要とするデータを含むバルクページを全て送るため,
転送単位がページ単位よりも粗くなっていることから,
転送すべきデータ量は増えるという欠点はあるものの,
以下に示す理由から,ほとんどの場合支障にはならな
い。
【0097】一般に,アプリケーションプログラムがア
クセスするデータは,データベースのある部分に集中す
るという性質がある。すなわち,アプリケーションプロ
グラムは,データベースのデータ全てではなく一部分を
アクセスするに過ぎないが,アプリケーションプログラ
ムがアクセスするデータの集合はデータベース全体に散
らばっていることは少なく,むしろある部分を核とした
数ヵ所の集まりとなることが一般的である。
【0098】このような場合,バルクページを単位とし
て転送することによるデータ量の増大はそれほど大きく
はならない。特にマルチメディアのような,ページサイ
ズに比べて非常に大きなサイズを持ったデータから構成
されるデータベースの場合,これらデータはデータベー
スファイル上で連続する領域に格納されるため,バルク
ページ転送によるデータ量の増大は性能に影響しないと
言える。例えば,ビデオやオーディオなどのマルチメデ
ィアデータへの順再生を行う場合など,シーケンシャル
アクセスを行う場合に,バルクページのページ数をNと
すると,メッセージ数がおよそ1/Nに削減でき,転送
するデータ量も少ししか増えない。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
データ転送のためのメッセージ数の削減によって,1)
システム全体の性能向上,2)アプリケーションプログ
ラムのレスポンスタイムの向上の2つの効果があり,特
に後者の効果が大きい。
【0100】まず,メッセージの送受信ごとに何らかの
負荷がシステムにかかることから,メッセージ数を削減
することでシステム全体の性能が向上するといえる。次
に,データ要求とデータ供給の一連のメッセージの間,
アプリケーションプログラムは何もせずにデータの到着
を待たなければならないから,メッセージ数を削減する
ことでこの待ち時間を減らすことができ,結果としてア
プリケーションプログラムのレスポンスタイムが向上す
ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要説明図である。
【図2】本発明の作用説明図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるロック制御説明図
である。
【図4】ページロックテーブルの構造を示す図である。
【図5】リードロック獲得処理の例を示す図である。
【図6】リード時におけるメッセージ通信の例を示す図
である。
【図7】リード時におけるアプリケーションサイトでの
処理の例を示す図である。
【図8】ライト時におけるアプリケーションサイトでの
処理の例を示す図である。
【図9】リード時におけるデータベースサイトでの処理
の例を示す図である。
【図10】ライト時におけるデータベースサイトでの処
理の例を示す図である。
【図11】本発明の実施例に係るシステム構成の例を示
す図である。
【図12】本発明の実施例に係る計算機の詳細ブロック
図である。
【図13】本発明の実施例によるデータベースオープン
時の処理を説明する図である。
【図14】本発明の実施例による最初のリードロックに
おける処理を説明する図である。
【図15】一般的な従来の計算機網を示す図である。
【図16】図15に示すシステムでのデータベースへの
アクセス説明図である。
【符号の説明】
1,1’ 計算機 2,2’ アプリケーションプログラム(AP) 3,3’ 分散共有仮想メモリ 4,4’ ロック制御手段 5,5’ ページロックテーブル 6,6’ データ転送手段 7 ネットワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の計算機がネットワークを介して仮
    想的にメモリを共有するシステムにおけるデータ転送制
    御方法において,各計算機が前記メモリにアクセスする
    際のロック制御をページ単位で行い,各計算機の前記メ
    モリへのアクセスに伴って必要になる計算機間のデータ
    転送を,アクセス要求があったページを含む所定数のペ
    ージからなるバルクページ単位で行うことを特徴とする
    分散共有メモリのデータ転送制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分散共有メモリのデータ
    転送制御方法において,前記メモリに対するロックモー
    ドとして,リードロック,ライトロックの他に,予約ロ
    ックのモードを有し,実際にアクセス対象となるデータ
    ページのみにリードまたはライトロックを行い,同一バ
    ルクページ内の他のページには予約ロックを行い,ある
    プロセスがすでに予約ロック済みのページにアクセスす
    る場合,予約ロックをリードまたはライトロックに変更
    するという通知を,データを管理する計算機へ送り,す
    でに自ら予約ロックしていたページは,リードロックへ
    の変更を許し,また他のプロセスによってリードロック
    されていないことを条件としてライトロックへの変更を
    許し,すでに他のプロセスによって予約ロックされたペ
    ージに対してライトロックする場合には,すでに他のプ
    ロセスによって獲得されていた予約ロックを取り消すと
    ともに,他のプロセスの計算機が保持する該当ページの
    複製を消去することを特徴とする分散共有メモリのデー
    タ転送制御方法。
  3. 【請求項3】 複数の計算機がネットワークを介して仮
    想的にメモリを共有する計算機システムにおいて,前記
    計算機は,前記メモリにアクセスする際にページ単位で
    ロック制御を行う手段と,アクセス要求があったページ
    を含む所定数のページからなるバルクページ単位で計算
    機間のデータ転送を行う手段とを備えることを特徴とす
    る分散共有メモリを持つ計算機システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の分散共有メモリを持つ計
    算機システムにおいて,マクロもしくは関数またはプロ
    グラム起動時のパラメータにより,プロセスごとに前記
    バルクページの単位となるページ数を指定する手段を有
    することを特徴とする分散共有メモリを持つ計算機シス
    テム。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の分散共有メモリを持つ計
    算機システムにおいて,前記計算機は,各ページごとに
    ライトロック,リードロックおよび予約ロックの状態に
    関する情報を管理するページ管理手段を持つとともに,
    前記ライトロック,リードロックまたは予約ロックに対
    して,前記バルクページ単位のデータ転送により,アク
    セス要求元のプロセスの計算機に該当ページの複製を作
    成する手段と,すでに他のプロセスによって予約ロック
    されたページに対してライトロックする場合に,他のプ
    ロセスの予約ロックを取り消し,前記バルクページ単位
    で転送された該当ページの複製を消去する手段を持つこ
    とを特徴とする分散共有メモリを持つ計算機システム。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の分散共有メモリを持つ計
    算機システムにおいて,前記ロック制御を行う手段は,
    前記メモリに対するロックモードとして,リードロッ
    ク,ライトロックの他に,予約ロックのモードを有し,
    同一ページに対するリードロックと予約ロックの重複ロ
    ックを許し,すでに他のプロセスによってライトロック
    されたページには,予約ロックを不可とし,すでに自ら
    予約ロックしていたページは,リードロックへの変更を
    許し,また他のプロセスによってリードロックされてい
    ないことを条件としてライトロックへの変更を許し,す
    でに他のプロセスによって予約ロックされたページに対
    してライトロックする場合には,すでに他のプロセスに
    よって獲得されていた予約ロックを取り消すとともに,
    他のプロセスの計算機が保持する該当ページの複製を消
    去するようにし,前記データ転送されたバルクページに
    おいて現にアクセスするページにはリードロックまたは
    ライトロックをかけ,他のページには前記予約ロックを
    かけることを特徴とする分散共有メモリのデータ転送制
    御方法。
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