JPH10254392A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH10254392A
JPH10254392A JP6103897A JP6103897A JPH10254392A JP H10254392 A JPH10254392 A JP H10254392A JP 6103897 A JP6103897 A JP 6103897A JP 6103897 A JP6103897 A JP 6103897A JP H10254392 A JPH10254392 A JP H10254392A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
crystal layer
display device
substance
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Application number
JP6103897A
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English (en)
Inventor
Hironori Iwanaga
寛規 岩永
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】情報の保持特性の高い液晶表示素子を提供する
こと。 【解決手段】本発明の液晶表示素子は、対向して配置さ
れ、その対向面に電極3、4を有する、少なくとも一方
が透明な一対の基板1、2と、前記一対の基板1、2間
に挟持され、二色性色素6を含有する液晶材料5及び還
元性物質7を含む液晶層8と、を具備することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に係
り、特に、電圧の保持特性の高い液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は、薄型で軽量に作
製することができ、かつ鮮明な画像が得られるTFT駆
動パネルへ使用されることが主流となりつつある。TF
T駆動パネルで明るく鮮明な画像を得るためには、書き
込まれた情報を、書き込み時間以外でできるだけ長時間
保持することが重要である。したがって、液晶表示素子
の液晶層の電気抵抗値は、十分に高いことが必要であ
る。しかしながら、液晶層中には微量ではあるがイオン
性不純物が存在するため、液晶層の電気抵抗値は十分に
は高くなかった。
【0003】一般的な液晶表示素子では、製造工程にお
いてNa+ 等が混入することにより、液晶層中にイオン
がもたらされる。これに対しては、製造工程の改善やイ
オンを取り込みにくい液晶の開発等の様々な検討がなさ
れているが、極僅かなイオンの混入を防ぐことは非常に
困難であるため、歩留まりが悪く、コストが高くなると
いう問題を有している。
【0004】一方、ゲスト−ホスト方式の液晶表示素子
では、製造工程でのイオンの混入以外に、色素の光劣化
によるイオン性不純物の発生により、液晶層中にイオン
がもたらされる。
【0005】このゲスト−ホスト方式の液晶表示素子を
用いたTFT駆動パネルは、明るく鮮明な画像が得ら
れ、視野角が広く、薄型軽量であるという利点を有して
いる。そのため、ゲスト−ホスト方式の液晶表示素子
は、携帯用機器等に搭載される表示パネルを構成する素
子としては、理想的なものとして期待されている。
【0006】しかしながら、ゲスト−ホスト方式の液晶
表示素子では、上述のように、製造工程でイオンが混入
する以外に、色素の分解によりイオン性不純物が発生す
るため、イオンによる液晶層の汚染が生じ易い。したが
って、ゲスト−ホスト方式の液晶表示素子では、電気抵
抗値が大きく低下するため、電圧の保持特性の低下が特
に顕著である。これが、ゲスト−ホスト方式の液晶表示
素子の市場性を大きく妨げているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電圧の保持
特性の高い液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、対向して配置
され、その対向面に電極を有する、少なくとも一方が透
明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持され、二色
性色素を含有する液晶材料及び還元性物質を含む液晶層
と、を具備することを特徴とする液晶表示素子を提供す
る。
【0009】また、本発明は、対向して配置され、その
対向面に電極を有する、少なくとも一方が透明な一対の
基板と、前記一対の基板間に挟持され、二色性色素を含
有する液晶材料を含む液晶層と、を具備し、前記液晶層
中に含まれるガス成分が不活性ガスにより置換されてい
ることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0010】さらに、本発明は、対向して配置され、そ
の対向面に電極を有する、少なくとも一方が透明な一対
の基板と、前記一対の基板間に挟持され、二色性色素を
含有する液晶材料及びイオン捕捉性物質を含む液晶層
と、を具備することを特徴とする液晶表示素子を提供す
る。
【0011】本発明は、上記液晶表示素子において、前
記イオン捕捉性物質が、ピリジン構造、環状エーテル構
造、及び有機リン構造からなる群より選ばれる少なくと
も1つの構造を有することを特徴とする。
【0012】本発明は、上記液晶表示素子において、前
記イオン捕捉性物質が、シリカ、アルミナ、及び非イオ
ン性極性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1
つの物質からなる微粒子であることを特徴とする。
【0013】本発明は、上記液晶表示素子において、前
記液晶材料がマイクロカプセルに包含され、前記還元性
物質またはイオン補促性物質が、前記マイクロカプセル
の被膜に、またはマイクロカプセル間に存在するバイン
ダー樹脂中に含有されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示素子につ
いて、図面を参照しながら、より詳細に説明する。本発
明の液晶表示素子で用いられる一対の基板は、少なくと
もその一方が透明である必要がある。この素子が反射型
液晶表示素子として用いられる場合は、アルミニウム、
銅等の電極が一方の主面に形成され、必要に応じて反射
板が設けられた基板を、一方の基板に用いることができ
る。
【0015】本発明の液晶表示素子で用いられる透明な
基板として、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネー
ト、及びポリエチレン等の絶縁性の透明基板の少なくと
も一方の主面に、ITO等の透明電極が形成されたもの
を挙げることができる。この素子を、透過型液晶表示素
子として用いる場合は、一対の基板の両方に、この透明
基板が用いられる。
【0016】上述の基板は、表示方式に応じて適切なも
のが選択され、必要に応じて、その液晶層と接する配向
膜面が配向処理される。本発明の液晶表示素子におい
て、液晶材料中に含まれる液晶化合物に特に制限はな
く、それぞれの表示方式で一般的に用いられる液晶化合
物を使用することができる。
【0017】本発明の液晶表示素子がゲスト−ホスト方
式の液晶表示素子である場合、液晶材料には二色性色素
が含まれる。二色性色素としては、アントラキノン類、
アゾ類の色素のように、通常、ゲスト−ホスト方式の液
晶表示素子で用いられる色素が使用される。
【0018】この二色性色素は、光照射により分解して
イオン性不純物が発生することが前述されたが、これ
は、液晶層中に存在する酸素に起因しており、二色性色
素として最も多用されているアントラキノン類の色素
は、励起一重項酸素により分解されることが知られてい
る。
【0019】したがって、液晶層中の酸素濃度を低減す
ることにより、二色性色素の分解に起因する液晶層中で
のイオン性不純物の生成が防止され、液晶層の電気抵抗
値の低下を防止することができるのである。
【0020】図1に、本発明の第1の態様に係る液晶表
示素子の一断面図を示す。この図で、透明な基板1の一
方の主面には、電極3が形成されている。基板1の導電
膜3が形成された面と対向して透明基板2が配置され、
透明基板2の導電膜3と対向する面には、電極4が形成
されている。なお、基板1上に形成された導電膜3上に
は、配向膜が形成されている(図示せず)。これら電極
3及び電極4の間には、液晶化合物5と二色性色素6と
からなる液晶材料、及び還元性物質7を含む液晶層8が
挟持されており、液晶表示素子11を形成している。
【0021】なお、ここで還元性物質とは、液晶層中に
存在する酸素により酸化される化合物のことをいう。図
1に示されるように、液晶層中に還元性物質が含まれる
と、液晶層中の酸素が、還元性物質と反応して消費され
るため、液晶層中の酸素濃度が低下して、励起一重項酸
素の生成が生じない。したがって、二色性色素の光劣化
によるイオン性不純物の生成が生じず、液晶層の電気抵
抗値の低下が起こらない。
【0022】還元性物質としては、ヒドロキノン、フェ
ノールのアルキル化物、及びトコフェノール類等の還元
性化合物や、下記化学式1に示す還元性化合物を用いる
ことができる。
【0023】
【化1】
【0024】この式で、R1 、R2 及びR3 は、フェニ
ル基、置換フェニル基、フェノキシ基及び、γ位の水素
が置換基R4 で置換されたフェノキシ基から選択され、
それぞれが同じ置換基であっても、異なる置換基であっ
てもよい。これら還元性化合物のうち、下記化学式2で
示される化合物を用いた場合、特に、溶存する酸素濃度
を低減する効果が大きいので、好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】なお、R4 としては、H、Me、Et、n
−Pr、i−Pr、及びt−Bu等のアルキル基、及び
MeO、EtO、PrO、i−PrO、及びn−BuO
等のアルコキシル基を挙げることができる。
【0027】この還元性物質は、液晶層に対して、1×
10-2〜2重量%含まれることが好ましい。1×10-3
重量%未満の場合は、液晶層の電気抵抗値の低下を防ぐ
ことができず、2重量%を超える場合は、液晶の配向性
が低下するため好ましくない。
【0028】以上、液晶層中の酸素濃度を低減するため
に、液晶層に還元性物質を含有させることが記載された
が、以下に示すようにして酸素濃度を低減させてもよ
い。図2に、本発明の第2の態様に係る液晶表示素子の
一断面図を示す。
【0029】図2に示す液晶表示素子12は、図1に示
す液晶表示素子とほぼ同様の構成であるが、還元性物質
7を含まず、液晶層中に含まれるガスが不活性ガスで置
換されている点で異なっている。
【0030】上述のように、二色性色素の分解によるイ
オン性不純物の発生は、液晶層中の酸素によって促進さ
れる。したがって、図2に示されるように、液晶層中の
酸素を不活性ガスで置換することにより、二色性色素の
分解を低減させて、液晶層の電気抵抗値の低下を防止す
ることができる。
【0031】液晶層中の酸素の不活性ガスへの置換は、
例えば、処理容器中で液晶と二色性色素との混合物を減
圧条件下で加熱・攪拌し、次に、処理容器に不活性ガス
を導入して処理容器内を常圧にするという操作を、混合
物中の酸素濃度が所望の値になるまで繰り返すことによ
りなされる。
【0032】本発明の第2の態様に係る液晶表示素子に
おいて、液晶層中の酸素濃度は、10-3mol/l以下
であることが好ましく、より好ましくは10-4mol/
l以下である。酸素濃度が10-3mol/lを超える場
合、液晶層の電気抵抗値の低下を、良好に防止すること
ができない。
【0033】この不活性ガスとしては、アルゴン、窒
素、及び希ガスを用いることができる。これら不活性ガ
スは、少量ではあるが、時間の経過とともに液晶層から
脱離する。不活性ガスとして、分子量の大きなクリプト
ン、キセノン等の希ガスを用いた場合、この脱離が最小
限になるため、好ましい。
【0034】以上、液晶層中の酸素濃度を制御すること
により、液晶層中の化合物の分解によるイオン性不純物
の発生を防止することが可能であることを示したが、例
え、液晶層中にイオンが存在しても、以下に示す液晶表
示素子によると、液晶層の電気抵抗値の低減は生じな
い。
【0035】図3に、本発明の第3の態様に係る液晶表
示素子の一断面図を示す。図3に示す液晶表示素子13
は、図1に示す液晶表示素子とほぼ同様の構造である
が、液晶層8は液晶化合物5とイオン捕捉性物質9とで
構成されている。
【0036】なお、ここでイオン捕捉性物質とは、液晶
層中のイオンと電気的に相互作用して、液晶層中でのイ
オンの移動度を低下させる性質を有する物質をいう。本
発明の第3の態様に係る液晶表示素子は、液晶層にイオ
ン捕捉性物質を含んでいる。そのため、液晶層中で電気
抵抗率の低下をもたらすイオン、特に陽イオンは、この
物質にトラップされる。その結果、イオンは、あたかも
イオンの分子量が増加したかのように振る舞い、液晶層
中での移動度が減少し、液晶層の電気抵抗率の低下が生
じないのである。
【0037】イオン捕捉性物質としては、下記化学式3
及び4に示すピリジン構造を有する化合物、下記化学式
5及び6に示すクラウンエーテル等の環状エーテル構造
を有する化合物やクリプトン化合物等のイオンと包接化
合物を形成する化合物、ホスフィンホスファイト等の有
機リン構造を有する化合物、及びそれらの誘導体を挙げ
ることができる。
【0038】
【化3】
【0039】なお、上記化学式3及び4で、R5 、R6
及びR7 は、シアノ基、Me、Et、及びn−Bu等の
アルキル基、フェニル基、及び水素がシアノ基等で置換
されたフェニル基等である。
【0040】イオン捕捉性物質として、これら極性の大
きな化合物等が、ポリマーの側鎖に結合した非イオン性
極性ポリマーや、ガラス微粒子の表面に吸着又はコート
されたものを用いてもよい。この場合、陽イオンの液晶
層中での移動度がさらに減少するため、液晶層の電気抵
抗率の低下をさらに防ぐことができる。
【0041】また、イオン捕捉性物質として、例えば、
アクリル等からなるポリマー微粒子を水等の極性の高い
溶媒中で超音波分散させることにより極性の高い置換基
が表面に局在化された非イオン性極性ポリマー、イオン
交換樹脂、及びシリカやアルミナ等の酸化物等の極性の
大きな化合物からなる微粒子を用いることができる。
【0042】このイオン捕捉性物質は、液晶層に対し
て、1×10-2〜2重量%含まれることが好ましい。1
×10-2重量%未満の場合は、液晶層の電気抵抗値の低
下を防ぐことができず、2重量%を超える場合は、液晶
材料の配向性を低下させるため好ましくない。
【0043】上述の還元性物質及びイオン捕捉性物質
は、液晶材料中に分散された状態で用いることができ
る。また、これら物質を配向膜中に含有させることも可
能である。この場合、還元性又はイオン捕捉性物質は、
液晶材料中には存在しないので、液晶材料の配向性が影
響を受けることはない。
【0044】本発明の第1及び第3の態様に係る液晶表
示素子は、液晶材料がマイクロカプセル化されていても
よい。この場合、図4(a)に示す、被膜14に上述の
還元性又はイオン捕捉性物質15を含有させ、この被膜
14で液晶材料5、6を包含したマイクロカプセル16
を用いることができる。図4(b)に示すように、この
マイクロカプセル16で液晶層を構成すると、液晶材料
の配向性が影響を受けることがないので好ましい。
【0045】また、図5に示すように、液晶材料5、6
が包含されたマイクロカプセル18と、還元性又はイオ
ン捕捉性物質15とを、媒体19に分散させて、液晶層
8を構成してもよい。このようにして液晶表示素子20
を構成すると、液晶材料の配向性が影響を受けることが
ないので好ましい。この場合、バインダー樹脂による保
持率の劣化を防ぐことができる。マイクロカプセルを液
晶層中に分散させる媒体には、ポリビニルアルコールや
セルロース等の通常使用される媒体を用いることができ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)液晶表示素子を以下のようにして作製し
た。
【0047】まず、一方の主面にITO膜が形成された
ガラス基板を透明基板として用い、このITO膜が形成
された面に、1000オングストロームの厚さのポリイ
ミドからなる被膜を形成した。さらに、この被膜に、ラ
ビング法により、水平配向処理を施すことにより、配向
膜を形成した。
【0048】以上のようにして、2枚の透明基板に配向
膜を形成し、その一方の基板の被膜が形成された面の周
辺部にエポキシ接着剤を塗布し、他方の基板の被膜が形
成された面に平均粒度が10μm のスペーサを散布し
た。これら2枚の基板を、それぞれの配向膜が向き合う
ように、及び、それぞれの配向膜の配向方向が平行とな
るようにして張り合わせ、セルを作製した。
【0049】次に、液晶化合物ZLI−2293(チッ
ソ化学工業)に、下記化学式7に示す二色性色素を、液
晶化合物に対して1.0重量%の割合で混合して液晶材
料を調製した。なお、この二色性色素は、R8 とR9
ともにエチル基、R8 がエチル基でR9 がt−Bu基、
及びR8 とR9 がともにt−Bu基である化合物の混合
物であり、それぞれの混合比は、1:2:1である。こ
の液晶材料に、還元性物質として下記化学式8に示す有
機リン化合物を、液晶化合物に対して2.0重量%の割
合で混合した。
【0050】
【化4】
【0051】この混合物を、真空中で、上述のようにし
て張り合わされたセルに注入し、これを封止して液晶表
示素子を作製した。この液晶表示素子の液晶層に含まれ
る酸素濃度を調べたところ、1×10-4mol/lであ
った。
【0052】(実施例2)液晶化合物ZLI−2293
(チッソ化学工業)に、上記化学式7に示す二色性色素
を、液晶化合物に対して1.0重量%の割合で混合して
液晶材料を調製した。
【0053】この液晶材料を、100℃に保たれた処理
容器に投入し、1×10-6Torrの減圧条件下で攪拌
した。3時間攪拌した後、この処理容器にキセノンガス
を導入して、処理容器内を常圧に戻した。
【0054】以上の操作を3回繰り返すことにより、液
晶材料中の酸素をキセノンで置換した。これを、キセノ
ンガス中で、実施例1と同様にして作製したセルに注入
し、これを封止して液晶表示素子を作製した。この液晶
表示素子の液晶層に含まれる酸素濃度を調べたところ、
1×10-4mol/lppmであった。
【0055】(比較例)上記化学式8に示す有機リン化
合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして
液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子の液晶層に
含まれる酸素濃度を調べたところ、1×10-2mol/
lであった。
【0056】以上のようにして作製した実施例1、2及
び比較例の液晶表示素子について、それぞれ、10万ル
クスの太陽光を10時間照射した後、24℃の温度条件
下で、5Vの電圧を印加し、電圧の印加の停止から1
6.7msec後の電圧を測定することにより、印加電
圧に対する16.7msec後の電圧保持率を調べた。
その結果を、表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示されるように、実施例1及び2の
液晶表示素子は、いずれも電圧保持率が98%以上と高
く、電圧保持率が65.0%の比較例の液晶表示素子に
比べて、情報の保持特性が大きく改善されていることが
分かる。
【0059】(実施例3)実施例1に示したのと同様の
混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして液晶
表示素子を作製した。すなわち、実施例1の液晶表示素
子の液晶層中に含まれる酸素がキセノンで置換された液
晶表示素子を作製した。この液晶表示素子の液晶層に含
まれる酸素濃度を調べたところ、1×10-3であった。
【0060】(実施例4)配向膜の材料に、ポリイミド
固形分に対して1.5重量%の上記化学式8に示す有機
リン化合物との混合物を用いたこと以外は、比較例と同
様にして液晶表示素子を作製した。
【0061】(実施例5)液晶材料として、実施例2と
同様の、酸素がキセノンで置換された液晶材料を用い
た。この液晶材料、熱重合性ポリマーとしてメタクリル
酸メチル、界面活性剤としてポリビニルアルコール、及
び重合開始剤としてベンゾインパーオキサイドを水に混
合し、ホモジナイザーで攪拌した。なお、液晶材料、熱
重合性ポリマー及び重合開始剤は、重量で、100:1
0:1の比で混合し、界面活性剤は、水混合液に対し3
重量%の割合で加えた。
【0062】その結果、平均粒度が5μmの液晶マイク
ロカプセルが形成された。次に、一方の主面にITO膜
が形成されたガラス基板を透明基板として用い、この透
明基板のITO膜が形成された面に、液晶マイクロカプ
セルを均一に分散させた。これを、別の透明基板と、そ
れぞれのITO膜が向き合うようにして張り合わせ、3
00g/cm2 の圧力、120℃の温度で、加熱圧着し
て、電極間距離が10μmの液晶表示素子を作製した。
【0063】(実施例6)被膜に上記化学式8に示す有
機リン化合物を含有させなかったこと以外は、実施例5
と同様にして液晶マイクロカプセルを形成した。
【0064】次に、この液晶マイクロカプセル90重量
%と、上記化学式8に示す有機リン化合物と、セルロー
ス9重量%とを混合して、液晶マイクロカプセルと有機
リン化合物とをセルロース中に分散させた。この混合物
を透明基板上に塗布し、実施例5と同様に別の透明基板
を張り合わせ、さらに加熱圧着することにより、液晶表
示素子を作製した。
【0065】上記実施例3〜6で作製した液晶表示素子
について、それぞれ、実施例1、2及び比較例で作製し
た液晶表示素子に関して行なったのと同様にして、電圧
保持率を測定した。その結果を、表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表2に示されるように、実施例3〜6で作
製された液晶表示素子は、高い電圧保持率を有している
ことが分かる。 (実施例7)液晶材料に、下記化学式9に示すピリジン
誘導体を、液晶化合物に対して2重量%の割合で混合し
て用いたこと以外は、比較例と同様にして液晶表示素子
を作製した。
【0068】
【化5】
【0069】(実施例8)上記化学式9に示すピリジン
誘導体の代わりに、下記化学式10に示すクラウンエー
テルを、液晶化合物に対して2重量%の割合で混合した
こと以外は、実施例7と同様にして液晶表示素子を作製
した。
【0070】
【化6】
【0071】(実施例9)上記化学式9に示すピリジン
誘導体の代わりに、上記化学式6に示すクラウンエーテ
ルを、液晶化合物に対して2重量%の割合で混合したこ
と以外は、実施例7と同様にして液晶表示素子を作製し
た。
【0072】(実施例10)ピリジン誘導体を、ガラス
微粒子にコートして用いたこと以外は実施例7と同様に
して液晶表示素子を作製した。
【0073】すなわち、上記化学式9に示すピリジン誘
導体を、液晶材料に直接混合する代わりに、平均粒度が
0.2μmのガラス微粒子に上記ピリジン誘導体をコー
トし、これを、液晶材料に対して2.0重量%含まれる
ように液晶材料に混合した。
【0074】(実施例11)ピリジン誘導体の代わり
に、平均粒度が0.2μmのシリカ微粒子を、液晶化合
物に対して2重量%含有させたこと以外は、実施例7と
同様にして液晶表示素子を作製した。
【0075】(実施例12)配向膜の材料に、上記化学
式9に示す1.5重量%のピリジン誘導体と、60重量
%のポリイミドとの混合物を用いたこと以外は、比較例
と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0076】(実施例13)上記化学式9に示すピリジ
ン誘導体を、液晶材料に対し10重量%混合したこと以
外は、実施例5と同様にして、平均粒度が10μmの液
晶マイクロカプセルを形成し、液晶表示素子を作製し
た。その結果、液晶マイクロカプセルの外壁には化学式
9に示すピリジン誘導体が含有された。
【0077】(実施例14)実施例5と同様の方法によ
り作製した液晶マイクロカプセル80重量%、セルロー
ス10重量%、平均粒度が0.2μmのシリカ微粒子5
重量%、及びスペーサ5重量%を混合し、ITO膜が形
成されたガラス基板上に塗布した。この塗布面に、別の
ITO膜が形成されたガラス基板を、それぞれの基板の
ITO膜が対向するようにして、80℃に加熱しながら
圧着して液晶表示素子を作製した。
【0078】(実施例15)シリカ微粒子の代わりに上
記化学式10に示すクラウンエーテルを用いたこと以外
は実施例14と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0079】(実施例16)平均粒度が0.2μmのシ
リカ微粒子を液晶マイクロカプセルの外壁に分散させた
こと以外は実施例5と同様にして液晶マイクロカプセル
を作製した。この液晶マイクロカプセル85重量%、セ
ルロース10重量%、及びスペーサ5重量%を混合し、
ITO膜が形成されたガラス基板上に塗布した。この塗
布面に、別のITO膜が形成されたガラス基板を、それ
ぞれの基板のITO膜が対向するようにして、80℃に
加熱しながら圧着して液晶表示素子を作製した。
【0080】以上のようにして作製した実施例7〜16
及び比較例の液晶表示素子について、20℃及び50℃
のそれぞれの温度条件下で、5Vの電圧を印加し、電圧
の印加の停止から16.7msec後の電圧を測定する
ことにより、印加電圧に対する16.7msec後の電
圧保持率を調べた。
【0081】さらに、これら液晶表示素子に、10万ル
クスの太陽光を10時間照射し、20℃及び50℃の温
度条件下で、同様にして電圧保持率を調べた。その結果
を、表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】表3に示されるように、光照射前では、こ
れら素子は、温度の高低に関わらず高い電圧保持率を示
しており、実施例7〜16の液晶表示素子は、比較例の
液晶表示素子に比べてわずかに高い電圧保持率を示して
いる。
【0084】一方、光照射後では、比較例の液晶表示素
子は、20℃での電圧保持率が光照射前に比べて20%
以上も低下し、さらに50℃での電圧保持率は20℃の
ときの半分以下にまで低下しており、光照射による電圧
保持率の低下及び温度依存性の増加が極めて大きい。そ
れに対し、実施例7〜16の液晶表示素子は、電圧保持
率が光照射前とほとんど変わらず、温度依存性もほとん
どない。
【0085】
【発明の効果】以上示したように、本発明によると、液
晶層の電気抵抗率の低下が生じにくいので、情報の保持
特性の高い液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る液晶表示素子を示す
一断面図。
【図2】本発明の第2の態様に係る液晶表示素子を示す
一断面図。
【図3】本発明の第3の態様に係る液晶表示素子を示す
一断面図。
【図4】本発明の他の態様に係る液晶表示素子及びそれ
に用いられる液晶マイクロカプセルを示す一断面図。
【図5】本発明のさらに他の態様に係る液晶表示素子を
示す一断面図。
【符号の説明】
1…基板 2…透明基板 3、4…電極 5…液晶化合物 6…二色性色素 7…還元性物質 8…液晶層 9…イオン捕捉性物質 11〜13…液晶表示素子 14…被膜 15…還元性又はイオン捕捉性物質 16…マイクロカプセル 17…液晶表示素子 18…マイクロカプセル 19…媒体 20…液晶表示素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置され、その対向面に電極を
    有する、少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に挟持され、二色性色素を含有する液
    晶材料及び還元性物質を含む液晶層と、を具備すること
    を特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 対向して配置され、その対向面に電極を
    有する、少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に挟持され、二色性色素を含有する液
    晶材料を含む液晶層と、を具備し、 前記液晶層中に含まれるガス成分が不活性ガスにより置
    換されていることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 対向して配置され、その対向面に電極を
    有する、少なくとも一方が透明な一対の基板と、 前記一対の基板間に挟持され、二色性色素を含有する液
    晶材料及びイオン捕捉性物質を含む液晶層と、を具備す
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記イオン捕捉性物質が、ピリジン構
    造、環状エーテル構造、及び有機リン構造からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1つの構造を有することを特徴と
    する請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記イオン捕捉性物質が、シリカ、アル
    ミナ、及び非イオン性極性ポリマーからなる群より選ば
    れる少なくとも1つの物質からなる微粒子であることを
    特徴とする請求項3に記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶材料がマイクロカプセルに包含
    され、 前記還元性物質またはイオン補促性物質が、前記マイク
    ロカプセルの被膜に、またはマイクロカプセル間に存在
    するバインダー樹脂中に含有されることを特徴とする請
    求項1又は3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002203751A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JP2009138023A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Tokyo Univ Of Science 液晶組成物

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