JP2009138023A - 液晶組成物 - Google Patents

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駿介 小林
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孝毅 高頭
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勝 井上
Satoshi Sano
聡 佐野
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Abstract

【課題】可視光の散乱や反射が起こりにくく、かつイオン性成分の混在量を長期間にわたって低減することができる液晶組成物を提供する。
【解決手段】液晶材料に、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲にある微粒子材料を、該液晶材料100質量部に対して0.0010〜2.0質量部の範囲となる量にて分散してなる液晶組成物。液晶材料にプラスイオン性成分が混在する場合は二酸化ケイ素微粒子を、液晶材料にマイナスイオン性成分が混在する場合はジルコニウム酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物からなる微粒子材料を分散させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶組成物に関する。
図1に、従来の液晶表示装置の断面図を示す。図1おいて、液晶表示装置10は、電極12a、12bと、配向膜13a、13bとをこの順に配置した基板11a、11bからなる二つの積層体(第一積層体14a、第二積層体14b)を、液晶材料15を介して、互いに配向膜が対向するように配置した構成となっている。第一積層体14aと第二積層体14bの間隔は、スペーサ16を介在させることによって調節されている。第一積層体と第二積層体の周囲は、シール剤17、及び図示しない液晶材料注入口封止剤で封止されている。
液晶表示装置10は、電極12aと電極12bとの間に電圧を印加して、液晶材料15の配列を変化させて、液晶表示装置を通過する光の明暗を調整することによって、画像を表示する。このような構成の液晶表示装置では、液晶材料にプラスあるいはマイナスの電荷を持ったイオン性成分が混入すると、液晶材料の配列の変化が起こりにくくなって、画像の表示不良が発生することがある。このイオン性成分による画像表示不良の発生を抑えるため、イオン性成分捕捉材料を液晶表示装置内に配置して、液晶材料に混入したイオン性成分を捕捉することが検討されている。
特許文献1には、透明電極と配向膜との間に、平均粒子径が1〜50nmの範囲にある微粒子のイオン性成分捕捉材料(イオン吸着性無機酸化物微粒子)を含む透明被膜を配置した液晶表示装置が開示されている。この特許文献1には、イオン性成分捕捉材料の例として、SiO2、Al23、ZrO2、TiO2、SnO2、In23、Sb25などの無機酸化物、SiO2・Al23、SiO2・ZrO2、SiO2・TiO2、In23・SnO2、Sb25・SnO2、SnO2・In23・Sb25などの複合無機酸化物あるいは固溶体が挙げられている。
特許文献2には、表面及び/又は内部にイオン性成分捕捉材料(イオンゲッター材)を含むスペーサを用いた液晶表示装置が開示されている。この特許文献2では、イオン性成分捕捉材料の例として、SnO2、In23、Sb25、Sb23などの金属酸化物、SiO2・Al23、SiO2・TiO2、In23・SnO2、Sb25・SnO2、SnO2・In23・Sb25などの複合金属酸化物、ゼオライトが挙げられている。
特許文献3には、液晶材料中のイオン性成分と錯体を形成してイオン性成分を吸着するイオン性成分捕捉材料(不純物イオン吸着部材)を、液晶層に接し、かつ表示光を出射しない領域に配置した液晶表示装置が開示されている。この特許文献3には、イオン性成分捕捉材料の例として、クラウンエーテル、クリプタンド、シクロデキストリン、カリックスアレン、環状ポリアミン及びこれらの誘導体などの不純物イオンと包接化合物を形成し得る環状化合物が挙げられている。
特許文献4には、液晶材料中に、イオン性成分捕捉材料(イオン吸着性物質)を分散させた液晶表示装置が開示されている。この特許文献4には、イオン性成分捕捉材料の例として、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、イオン交換セルロース、イオン交換膜、合成ゼオライト、シリカゲル、シリカアルミナ、マグネシアが挙げられており、実施例には、液晶材料に直径2.3μmの球状の陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を分散させた液晶材料が記載されている。
特開2003−186054号公報 特開2005−181889号公報 特開2005−258002号公報 特開平6−110064号公報
上記特許文献に開示されているように、液晶材料に混入したイオン性成分を液晶表示装置内に配置したイオン性成分捕捉材料によって捕捉して、その混在量を低減させることは、液晶材料中のイオン性成分による画像表示不良の発生を抑える手段として有効である。しかしながら、特許文献1乃至3に開示されている液晶表示装置では、イオン性成分捕捉材が直接液晶材料に接触していないか、イオン性成分捕捉材と液晶材料との接触部位が限られているため、液晶材料中に混入したイオン性成分を迅速に安定して捕捉するのは難しい。一方、特許文献4に開示されている液晶表示装置のように、液晶材料に粒子径が可視光の波長よりも大きい粒子状のイオン性成分捕捉剤を分散させると、液晶材料に進入した可視光がイオン性成分捕捉剤で散乱したり、反射したりするという問題がある。
従って、本発明の目的は、可視光の散乱や反射が起こりにくく、かつイオン性成分の混在量を長期間にわたって低減することができる液晶組成物を提供することにある。
本発明は、プラスイオン性成分が混在する液晶材料に、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲にある二酸化ケイ素微粒子を、該液晶材料100質量部に対して0.0010〜2.0質量部の範囲となる量にて分散してなる液晶組成物にある。
本発明はまた、マイナスイオン性成分が混在する液晶材料に、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲にある、ジルコニウム酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物からなる微粒子材料を、該液晶材料100質量部に対して0.0010〜2.0質量部の範囲となる量にて分散してなる液晶組成物にもある。微粒子材料は、酸化マグネシウム微粒子であることが好ましい。
本発明の液晶組成物は、イオン性成分捕捉材が分散されているので、液晶材料にイオン性成分を迅速かつ長期間にわたって確実に捕捉することができる。また、本発明では、イオン性成分捕捉材に可視光の波長よりも微細な微粒子材料を用いるので、イオン性成分捕捉材による可視光の散乱や反射が起こりにくい。従って、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示装置は、イオン性成分による画像表示不良が発生しにくく、画像表示が安定して良好なものとなる。
以下、本発明を添付図面を参照しながら説明する。
図2に、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示装置の一例の断面図を示す。図2おいて、液晶表示装置20は、ITOなどの透明導電材料からなる電極22a、22bと、ポリイミドなどの樹脂材料からなる配向膜23a、23bとをこの順に配置した透明ガラスなどからなる基板21a、21bからなる二つの積層体(第一積層体24a、第二積層体24b)を、微粒子材料28が分散されている液晶材料25を介して、互いに配向膜が対向するように配置した構成となっている。第一積層体24aと第二積層体24bの間隔は、シリカ粒子、アルミナ粒子などの無機酸化物粒子や、ポリオルガノシロキサン粒子などの有機物粒子からなるスペーサ26を介在させることによって調節されている。第一積層体と第二積層体の周囲は、エポキシ樹脂などの樹脂材料からなるシール剤27、及び図示しない液晶材料注入口封止剤で封止されている。
微粒子材料28は、液晶材料に混在しているイオン性成分の捕捉材として作用する。イオン性成分捕捉材として用いる微粒子材料は、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲、好ましくは5〜150nmの範囲、特に好ましくは5〜100nmの範囲にある。
本発明において、イオン性成分捕捉材として分散されている微粒子材料28は、液晶材料25に混在しているイオン性成分がプラスイオン性成分であるかマイナスイオン性成分であるかによって異なる。イオン性成分がプラスイオン性成分である場合は、二酸化ケイ素微粒子を分散させる。イオン性成分がマイナスイオン性成分である場合は、ジルコニウム酸カルシウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化チタン微粒子及びチタン酸バリウム微粒子を分散させる。特に、好ましいのは酸化マグネシウム微粒子である。
液晶材料にプラスイオン性成分とマイナスイオン性成分とが混在する場合は、プラスイオン性成分捕捉用の微粒子材料とマイナスイオン性成分捕捉用の微粒子材料の両方を分散させてもよい。
液晶材料25に微粒子材料28を分散させる方法としては、液晶材料と微粒子材料とを直接混合した後、分散処理を行なう方法、あるいは予め微粒子材料を分散させた微粒子材料分散液を調製し、この微粒子材料分散液と液晶材料とを混合する方法を利用することができる。
イオン性成分捕捉用微粒子材料28の液晶材料25への添加量は、液晶材料に混在しているプラスイオン性成分及びマイナスイオン性成分の量によっても異なるが、液晶材料100質量部に対して、一般に0.0010〜2.0質量部の範囲、好ましくは0.010〜1.5質量部の範囲にある。
液晶材料に混在しているプラスイオン性成分及びマイナスイオン性成分の量は、例えば、下記の(1)〜(3)の工程からなる方法により測定することができる。
(1)イオン性成分量の測定対象となる液晶材料、並びに液晶表示装置の製造に使用する基板、電極、配向膜、スペーサ、シール剤及び液晶材料注入口封止剤などの構成材料を用意する工程。
(2)上記(1)で用意した構成材料を用いて、表面上に電極と配向膜とをこの順に配置した基板からなる第一積層体と、表面上に電極を配置した基板からなる第二積層体とを、液晶材料を介して、第一積層体の配向膜と第二積層体の電極とが互いに対向するように配置してなる模擬液晶表示装置を作製する工程。
(3)上記(2)で作製した模擬液晶表示装置の第一積層体の電極と第二積層体の電極との間に、電圧値を連続的に変動させながら電圧を印加して、模擬液晶表示装置を流れる電流値を測定することによって、液晶材料中に含まれているプラスイオン性成分及びマイナスイオン性成分の量を測定する工程。
液晶材料中のイオン性成分の混在量を測定するに際して用いる基板や電極などの構成材料は、実際の液晶表示装置の製造に使用するものであることが好ましい。各構成材料の組み合わせによって、液晶材料に混入するプラスイオン性成分とマイナスイオン性成分の割合や量が異なることがあるからである。
図3に、模擬液晶表示装置の一例の断面図を示す。図3において、模擬液晶表示装置30は、表面上に電極32aと配向膜33とをこの順に配置した基板31aからなる第一積層体34aと、表面上に電極32bを配置した基板31bからなる第二積層体34bとを、液晶材料35を介して、第一積層体の配向膜と第二積層体の電極とが互いに対向するように配置した構成となっている。第一積層体と第二積層体との間には、スペーサ36を介在させることによって調節されている。第一積層体と第二積層体の周囲は、シール剤37及び図示しない液晶材料注入口封止剤で封止されている。模擬液晶表示装置30は、第二積層体34bに配向膜が配置されていないこと以外は、従来の液晶表示装置と同様の構成とすることができる。
模擬液晶表示装置30は、例えば、表面上に電極と配向膜とをこの順に配置した基板からなる第一積層体と、表面上に電極を配置した基板からなる第二積層体とを用意し、第一積層体の配向膜又は第二積層体の電極の表面にスペーサを塗布して、第一積層体の配向膜側又は第二積層体の電極側の縁部周囲にシール剤を塗布し、そして、第一積層体の配向膜と第二積層体の電極とが対向するように重ね合わせ、積層体の間に液晶材料を注入した後、液晶材料の注入口を封止剤で封止することによって製造することができる。
上記の工程で作製した模擬液晶表示装置の第一積層体34aの電極32aと第二積層体34bの電極32bとの間に、電圧値を連続的に変動させながら電圧を印加して、模擬液晶表示装置を流れる電流値を測定することによって、液晶材料35に含まれているイオン性成分の量を、プラスイオン性成分とマイナスイオン性成分とに分けて測定することができる。
図4に、模擬液晶表示装置に電圧を印加して、模擬液晶表示装置を流れる電流値を測定するためのイオン性成分量測定システムの一例の構成図を示す。図4において、イオン性成分量測定システム40は、電源41、OPアンプ42、フィードバック抵抗43、電圧計44からなる。イオン性成分量測定システム40には、模擬液晶表示装置30に印加する電圧値を測定するために、印加電圧測定用電圧計45が配置されている。
電源41から、模擬液晶表示装置30の第一積層体34aの電極32aと第二積層体34bの電極32bとの間に電圧値を連続的に変動させながら電圧を印加すると、液晶材料35中のイオン性成分が移動して、模擬液晶表示装置に電流が流れる。この模擬液晶表示装置を流れた電流量を、電圧計44にて測定された電圧値から換算し、その電流量からプラスイオン性成分及びマイナスイオン性成分の量を算出する。
図5に、模擬液晶表示装置に電圧を印加したときの液晶材料中のイオン性成分の動きを説明するための、模擬液晶表示装置の断面図を示す。
図5(a)は、第一積層体34aの電極32aがプラス(第二積層体34bの電極32bがマイナス)であるときのイオン性成分の動きを表している。第一積層体34a側にはマイナスイオン性成分51が、第二積層体34b側にはプラスイオン性成分52が移動する。模擬液晶表示装置30を流れる電流量は、絶縁層である配向膜33に到達したイオン性成分の量に対応する。従って、第一積層体34aの電極32aがプラスであるときに測定されるのは、マイナスイオン性成分の量である。
図5(b)は、第一積層体34aの電極32aがマイナス(第二積層体34bの電極32bがプラス)であるときのイオン性成分の動きを表している。第一積層体34a側にはプラスイオン性成分52が、第二積層体34b側にはマイナスイオン性成分51が移動する。従って、第一積層体34aの電極32aがマイナスであるときに測定されるのは、プラスイオン性成分の量である。
図6に、模擬液晶表示装置に0Vから+10V、+10Vから0V、0Vから−10V、そして−10Vから0Vの順で電圧を印加したときの、印加電圧値と模擬液晶表示装置を流れた電流値との関係を示す。図6において、横軸は印加電圧値であり、縦軸は、擬液晶表示装置を流れた電流値である。
図6のグラフにおいて、印加電圧を0Vから+10Vに変化させたときに見られるピーク61は、マイナスイオン性成分の移動によって流れた電流値を表す。このピーク61の面積から液晶材料に含まれているマイナスイオン性成分量を算出することができる。また、図6のグラフにおいて、印加電圧を0Vから−10Vに変化させたときに見られるピーク62は、プラスイオン性成分の移動によって流れた電流値を表す。このピーク62の面積から液晶材料に含まれているプラスイオン性成分量を算出することができる。なお、電流値の時間変化は電荷量となるので、イオン性成分の量の単位はC(クーロン)である。
図6のグラフにおいて、印加電圧を0Vから+10V、又は0Vから−10Vに変化させたときに見られる相対的に大きいピーク63、64は、液晶材料の配列が変化したことによって流れた電流値である。
[実施例1]
(1)酸化ケイ素微粒子分散液晶組成物の製造
イソプロピルアルコール100質量部に平均一次粒子径30nmの酸化ケイ素微粒子5質量部を添加し、ビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM015、寿工業(株)製、ビーズ:平均粒子径30μmの酸化ジルコニウム製ビーズ)による分散処理を行なって酸化ケイ素分散液を調製した。この酸化ケイ素分散液を、液晶材料(ZLI−4792、メルク(株)製)に、酸化ケイ素微粒子濃度が1.00質量%となるように添加して、酸化ケイ素微粒子分散液晶組成物を製造した。
(2)模擬液晶表示装置の作製
表面にITO透明電極を備えたガラス基板からなる積層体を2個用意した。
一方の積層体のITO電極側表面に、スピンコート法により、配向膜形成用塗布液(SE5300、日産化学工業(株)製)を塗布し、乾燥した後、200℃の温度で1時間加熱処理し、常温に冷却した後、ラビング処理して配向膜を形成した。この表面上に電極と配向膜とをこの順に配置したガラス基板からなる積層体(第一積層体)の配向膜の上に、平均粒子径5μmのスペーサを塗布した。
もう一方の積層体(第二積層体)には、ITO電極側表面の縁部周囲に、シール剤(エポキシ系強力接着剤AR−R30、ニチバン(株)製)を塗布した。
両方の積層体を、配向膜とITO電極が対向するように重ね合わせ、積層体の間に上記(1)で製造した酸化ケイ素微粒子分散液晶組成物を注入した後、液晶材料の注入口を封止剤(LOCTITE3123、広島和光(株)製)で封止して、模擬液晶表示装置を作製した。模擬液晶表示装置は6個作製した。
(3)イオン性成分の定量
作製した模擬液晶表示装置を、3個ずつ25℃又は50℃に調節した恒温装置に入れて保存した後の、模擬液晶表示装置の液晶材料に含まれているプラスイオン性成分量を測定した。イオン性成分量の測定は、図3に示したイオン性成分計測システムを用いて、印加電圧範囲−10〜+10V、三角波周波数0.1Hzの条件で行なった。その結果を、図7及び図8に示す。
図7は25℃保存のプラスイオン性成分量の経時変化を、図8は50℃保存のプラスイオン性成分量の経時変化を示す。なお、各図において、イオン性成分量は、各恒温装置で保存した模擬液晶表示装置の平均値である。
[実施例2]
(1)酸化マグネシウム微粒子分散液晶組成物の製造
イソプロピルアルコール100質量部に平均一次粒子径10nmの酸化マグネシウム微粒子(気相合成法により得られた酸化マグネシウム、宇部マテリアルズ(株)製)5質量部を添加し、実施例1と同様にビーズミルによる分散処理を行なって酸化マグネシウム分散液を調製した。この酸化マグネシウム分散液を、液晶材料に、酸化マグネシウム微粒子濃度が0.05質量%となるように添加して、酸化マグネシウム微粒子分散液晶組成物を製造した。
(2)模擬液晶表示装置の作製
液晶組成物に、上記(1)で製造した酸化マグネシウム微粒子分散液晶組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして模擬液晶表示装置を作製した。模擬液晶表示装置は6個作製した。
(3)イオン性成分の定量
作製した酸化マグネシウム微粒子入り模擬液晶表示装置を、3個ずつ25℃又は50℃に調節した恒温装置に入れて保存した後の、液晶材料に含まれているマイナスイオン性成分量を、実施例1と同様に測定した。その結果を、図9及び図10に示す。
図9は25℃保存のマイナスイオン性成分量の経時変化を、図10は50℃保存のマイナスイオン性成分量の経時変化を示す。なお、各図において、イオン性成分量は、各恒温装置で保存した模擬液晶表示装置の平均値である。
[比較例1]
液晶材料に微粒子材料を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして模擬液晶表示装置を作製した。模擬液晶表示装置は8個作製した。
作製した模擬液晶表示装置を、4個ずつ25℃又は50℃に調節した恒温装置に入れて、保存した後の、模擬液晶表示装置の液晶材料に含まれているプラスイオン性成分量及びマイナスイオン性成分量を測定した。その結果を図7乃至10に示す。
図7及び図8の結果から、酸化ケイ素微粒子は、液晶材料に含まれるプラスイオン性成分の低減に効果があることが分かる。
図9及び図10の結果から、酸化マグネシウム微粒子は、液晶材料に含まれるマイナスイオン性成分の低減に効果があることが分かる。
従来の液晶表示装置の断面図である。 本発明の液晶組成物を用いた液晶表示装置の一例の断面図である。 液晶材料に混在しているイオン性成分の量を測定するのに用いることができる模擬液晶表示装置の一例の断面図である。 図3の模擬液晶表示装置に電圧を印加して、模擬液晶表示装置を流れる電流値を測定するためのイオン性成分量測定システムの一例の構成図である。 図3の模擬液晶表示装置に電圧を印加したときの液晶材料中のイオン性成分の動きを説明するための、模擬液晶表示装置の断面図である。 図3の模擬液晶表示装置に、0Vから+10V、+10Vから0V、0Vから−10V、そして−10Vから0Vの順で電圧を印加したときの、印加電圧値と模擬液晶表示装置を流れた電流値との関係を表すグラフである。 実施例1及び比較例1で作製した模擬液晶表示装置を、25℃で保存したときの液晶材料中のプラスイオン性成分量の経時変化を示すグラフである。 実施例1及び比較例1で作製した模擬液晶表示装置を、50℃で保存したときの液晶材料中のプラスイオン性成分量の経時変化を示すグラフである。 実施例2及び比較例1で作製した模擬液晶表示装置を、25℃で保存したときの液晶材料中のマイナスイオン性成分量の経時変化を示すグラフである。 実施例2及び比較例1で作製した模擬液晶表示装置を、50℃で保存したときの液晶材料中のマイナスイオン性成分量の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
10 液晶表示装置
11a、11b 基板
12a、12b 電極
13a、13b 配向膜
14a 第一積層体
14b 第二積層体
15 液晶材料
16 スペーサ
17 シール剤
20 液晶表示装置
21a、21b 基板
22a、22b 電極
23a、23b 配向膜
24a 第一積層体
24b 第二積層体
25 液晶材料
26 スペーサ
27 シール剤
28 微粒子材料
30 模擬液晶表示装置
31a、31b 基板
32a、32b 電極
33 配向膜
34a 第一積層体
34b 第二積層体
35 液晶材料
36 スペーサ
37 シール剤
40 イオン性成分量測定システム
41 電源
42 OPアンプ
43 フィードバック抵抗
44 電圧計
45 印加電圧測定用電圧計
51 マイナスイオン性成分
52 プラスイオン性成分
61、62、63、64 ピーク

Claims (3)

  1. プラスイオン性成分が混在する液晶材料に、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲にある二酸化ケイ素微粒子を、該液晶材料100質量部に対して0.0010〜2.0質量部の範囲となる量にて分散してなる液晶組成物。
  2. マイナスイオン性成分が混在する液晶材料に、平均一次粒子径が5〜200nmの範囲にある、ジルコニウム酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物からなる微粒子材料を、該液晶材料100質量部に対して0.0010〜2.0質量部の範囲となる量にて分散してなる液晶組成物。
  3. 微粒子材料が、酸化マグネシウム微粒子である請求項2に記載の液晶組成物。
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