JPH10254028A - カメラのファインダー装置 - Google Patents

カメラのファインダー装置

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JPH10254028A
JPH10254028A JP9074496A JP7449697A JPH10254028A JP H10254028 A JPH10254028 A JP H10254028A JP 9074496 A JP9074496 A JP 9074496A JP 7449697 A JP7449697 A JP 7449697A JP H10254028 A JPH10254028 A JP H10254028A
Authority
JP
Japan
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optical system
objective optical
double image
subject
lens
Prior art date
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Application number
JP9074496A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Hasushita
幸生 蓮下
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/037,505 priority patent/US6035140A/en
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Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B13/00Viewfinders; Focusing aids for cameras; Means for focusing for cameras; Autofocus systems for cameras
    • G03B13/18Focusing aids
    • G03B13/20Rangefinders coupled with focusing arrangements, e.g. adjustment of rangefinder automatically focusing camera

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の二重像合致式ファインダーでは、画面
の周辺部分にピントを合わせたい場合は、一度その被写
体が視野中央に位置するようにカメラを振り、ピントを
合わせた上で構図を元にもどすといった方法を採らなけ
ればならず、撮影作業が面倒であった。 【解決手段】 所定の基線長をもって被写体を異なる角
度から見込む実像式の第1、第2の対物光学系10,2
0と、各対物光学系から入射した光束を合成するハーフ
ミラー30と、合成された光束を撮影者の眼に導く接眼
光学系40を備えている。第2の対物光学系20は、光
軸Ax1、Ax2間の角度を変更する回動ミラー22と、
第2の対物光学系により取り込まれる像の範囲を変更す
る液晶素子23を備える。回動ミラー22の回動角度
は、測距装置51からの被写体距離情報と二重像形成範
囲の中心座標とに基づいて制御回路50内で演算により
求め、当該被写体距離にある被写体に対して二重像が一
致するように決定され、これによりミラー駆動モータ5
3が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ファインダー視
野の一部に距離計の像を合成して二重像を形成する二重
像合致式ファインダーを備えたカメラのファインダー装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】二重像合致式ファインダーは、所定の基
線長離れた位置から被写体を見込む第1、第2の対物光
学系を備えており、これらの対物光学系から取り込まれ
た光束をハーフミラーにより合成して共通の接眼光学系
に入射させる。撮影者は、この接眼光学系を介して被写
体の二重像を観察する。第2の対物光学系中には、二重
像の重なり具合を基線長方向に沿って変化させるよう光
路を偏向する回動ミラーが設けられており、この2つの
被写体像が重なるときの回動ミラーの回動角から被写体
距離が求められる。また、連動式距離計では、撮影レン
ズの動きと回動ミラーの回動とが連動しており、2つの
被写体像が一致した際に撮影レンズのピントが合うよう
に連動関係が設定されている。
【0003】上記のような連動距離計を備えたファイン
ダーを用いることにより、撮影レンズとは独立したファ
インダー系をもつカメラにおいても、撮影レンズの合焦
状態をファインダー内で確認することができ、すなわ
ち、ファインダー視野を見ながら撮影レンズのピント合
わせをすることができる。なお、二重像合致式ファイン
ダーは、通常、ピント合わせの精度を上げるためファイ
ンダ視野の狭い一部分のみで二重像が見えるようになっ
ており、その場所は視野のほぼ中央に固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の二重像合致式ファインダーでは、撮影したい構
図の画面の周辺部分にピントを合わせたい場合は、一度
その被写体が視野中央に位置するようにカメラを振り、
ピントを合わせた上で構図を元にもどすといった方法を
採らなければならず、撮影作業が面倒であった。
【0005】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、ファインダーの視野中心のみ
でなく、周辺部へも容易にピントを合わせることができ
る二重像合致式ファインダーを備えるカメラのファイン
ダー装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるカメラ
のファインダー装置は、上記の目的を達成させるため、
二重像合致式のファインダー装置において、二重像の形
成範囲をファインダー視野中の任意の位置に設定できる
ようにし、かつ、二重像の重なり具合を変化させる光路
偏向手段を、被写体距離情報と二重像形成範囲の位置情
報とに基づいて制御するようにしたことを特徴とする。
【0007】すなわち、この発明にかかるカメラのファ
インダー装置は、所定の基線長をもって被写体を異なる
角度から見込む実像式の第1、第2の対物光学系と、第
1、第2の対物光学系から入射した光束を合成して視野
内の一部に二重像を形成する光束合成素子と、光束合成
素子により合成された光束を撮影者の眼に導く接眼光学
系と、第1の対物光学系の光軸に対する第2の対物光学
系の光軸の角度を変更することにより二重像の重なり具
合を基線長方向に沿って変化させる光路偏向手段と、第
2の対物光学系の結像面近傍に配置され、第2の対物光
学系により取り込まれる像の範囲を設定する二重像形成
範囲設定素子と、二重像形成範囲設定素子を制御して視
野内の任意の位置を選択して二重像の形成範囲を設定す
る選択手段と、被写体までの距離に相当する情報を検出
する被写体距離情報検出手段と、選択手段により設定さ
れた二重像形成範囲と被写体距離情報検出手段により検
出された被写体までの距離に相当する情報とに基づいて
該被写体距離にある被写体に対して第1、第2の対物光
学系から入射した光束により形成される2つの被写体像
が重なるよう光路偏向手段を制御する制御手段とを備え
ることを特徴とする。
【0008】なお、この明細書において第1の対物光学
系の光軸に対する第2の対物光学系の光軸の角度とは、
第2の対物光学系の光路偏向手段より像側に位置するレ
ンズ群の光軸が、光路偏向手段により偏向された物体側
の領域で第1の対物光学系の固定された光軸に対してな
す角度をいう。第2の対物光学系の光軸は、光路偏向手
段が他のレンズより物体側に位置する場合には、光路偏
向手段により偏向された光軸を指すが、光路偏向手段の
物体側にさらにレンズが存在する場合、あるいは物体側
のレンズ自体が光路偏向手段を構成する場合には、この
物体側のレンズの光軸ではなく、光路偏向手段より像側
のレンズ群の光軸が物体側のレンズにより屈折された際
の物体側の軸を指すものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるカメラの
ファインダー装置の実施形態を説明する。図1は、この
発明の第1の実施形態にかかるファインダー装置の光学
系および制御系の構成を示す説明図である。この例で
は、撮影光学系はファインダーとは独立して設けられて
おり、測距装置からの被写体距離信号にしたがって撮影
レンズが合焦のために駆動されるオートフォーカス機能
が備えられている。
【0010】二重像合致式ファインダーの光学系は、所
定の基線長をもって被写体を異なる角度から見込む実像
式の第1の対物光学系10、および第2の対物光学系2
0と、第1、第2の対物光学系から入射した光束を合成
して視野内の一部に二重像を形成する光束合成素子とし
てのハーフミラー30と、ハーフミラー30により合成
された光束を撮影者の眼に導く接眼光学系40を備えて
いる。
【0011】第1の対物光学系10は、結像作用を持つ
第1レンズ11、コンデンサレンズ12、第1ミラー1
3を備えている。第2の対物光学系20は、同様に結像
作用を持つ第1レンズ21、コンデンサレンズ24、第
2ミラー25を備えており、第1レンズ21とコンデン
サレンズ24との間には、第1の対物光学系10の光軸
Ax1に対する第2の対物光学系20の光軸Ax2の角度
を変更する回動ミラー22が配置されると共に、コンデ
ンサレンズ24の回動ミラー22側には第1レンズ21
の結像面近傍に第2の対物光学系により取り込まれる像
の範囲を変更する二重像形成範囲設定素子としての液晶
素子23が配置されている。
【0012】第1の対物光学系10から入射した光束
は、ファインダー視野の全域をカバーしており、リレー
レンズ14を介して一部がハーフミラー30で反射され
て二次像を形成し、接眼光学系の第1レンズ41、第2
レンズ42を介して撮影者の眼に導かれる。一方、第2
の対物光学系20から入射する光束は、液晶素子23に
より透過範囲がファインダー視野内の二重像形成範囲に
限定され、リレーレンズ26を介して一部がハーフミラ
ー30を透過して二次像を形成し、接眼光学系40を介
して撮影者の眼に入射する。したがって、撮影者は、二
重像形成範囲については両対物光学系を介して入射した
光束により形成される二重像を観察することができ、そ
の周囲の部分については第1の対物光学系10を介して
入射した光束により形成される重複しない像を観察する
ことができる。実像式の第1、第2の対物光学系10,
20により形成された倒立像である一次像は、リレーレ
ンズ14,26により光路中に正立像である二次像とし
て再結像されるため、これら2回の結像により撮影者は
正立像を観察できる。
【0013】なお、第2の結像光学系20は、ファイン
ダー視野中の一部に形成される狭い二重像形成範囲にお
いてのみ光束を通過させるが、その範囲は視界の任意の
位置に配置され得るため、少なくとも第1の対物光学系
10と同じ視界の光束を透過させ得ることが必要であ
る。さらに、二重像形成範囲がファインダー視野の周辺
部に配置された場合を想定すると、歪曲収差等ができる
だけ第1の対物光学系と一致しているのが望ましい。そ
こで、この例では、第1、第2の結像光学系10,20
のレンズ構成が同一であり、リレーレンズ14,26に
ついても同一のレンズが用いられている。これにより光
学系を構成する部品の種類が減少するため、コストダウ
ンにも大きな効果がある。
【0014】回動ミラー22は、ステッピングモータで
あるミラー駆動モータ53により角度制御される。これ
らの回動ミラー22とミラー駆動モータ53とは、光軸
間の角度を変化させることにより二重像の重なり具合を
基線長方向に沿って変化させる光路偏向手段として機能
する。
【0015】液晶素子23の透過範囲として定義される
二重像形成範囲は、二重像形成範囲選択スイッチ52か
らの入力に基づいて制御回路50によりにより決定され
る。二重像形成範囲選択スイッチ52は、二重像の形成
位置を視野内の任意の位置から選択して設定する選択手
段として機能する。
【0016】回動ミラー22の回動角度は、測距装置5
1からの被写体距離情報と二重像形成範囲選択スイッチ
52により選択された二重像形成範囲の中心座標とに基
づいて制御回路50内で演算により求められる。制御回
路50は、測距装置51により測定された被写体距離に
ある被写体に対して第1、第2の対物光学系10,20
から入射した光束により形成される2つの被写体像が二
重像形成範囲内で一致するように回動ミラー22の回動
角度を決定してミラー駆動モータ53を制御する。二重
像形成範囲がファインダー視野の中央に固定されている
場合には、回動ミラー22の回動角度は被写体までの距
離情報のみにより決定されるが、二重像形成範囲の中心
位置が可変である場合には、この二重像形成範囲の中心
座標に応じて回動ミラー22の回動角度を補正する必要
がある。この補正の演算については後述する。
【0017】測距装置51から出力される被写体距離情
報は、一般に撮影レンズを被写体に自動的に合焦させる
オートフォーカス装置により用いられるが、この実施形
態では、上記のように回動ミラー22の回動角度を決め
るための情報としても被写体距離情報を用いている。こ
れにより、オートフォーカスによって撮影者の意図する
被写体にピントが合わせられるか否かをファインダーを
見ながら知ることができる。すなわち、実施形態のファ
インダー装置によれば、測距対象となった被写体の像が
二重像形成範囲内で一致して観察されるよう回動ミラー
22が制御されるため、それが撮影者が意図する被写体
であれば、オートフォーカスにより意図した被写体に合
焦できることが判断でき、意図する被写体の像が二重像
表示領域でずれて二重に観察される場合には、意図する
被写体と測距対象となった被写体とが異なることがわか
る。したがって、意図する被写体の像が二重に観察され
る場合には、これが一致して観察されるまで測距をやり
直すことにより、意図する被写体に撮影レンズを合焦さ
せることができる。
【0018】なお、被写体までの距離情報を求める被写
体距離情報入力手段としては、上記の実施形態のように
被写体距離を直接求める測距装置51のみでなく、被写
体距離情報に基づいてフォーカシングのために駆動さ
れ、あるいはマニュアルフォーカスで移動された撮影レ
ンズの位置情報を利用することも可能であるし、位相差
式の合焦状態検出装置により検出された撮影レンズのデ
フォーカス量を利用することもできる。デフォーカス量
を利用する場合には、撮影レンズの現在のフォーカス位
置と、デフォーカス量とに基づいて被写体距離を求める
ことができる。
【0019】この実施形態のように第1レンズ21より
像側に配置された回動ミラー22により第2の対物光学
系20の光軸Ax2を偏向する場合、回動ミラー22の
回動角度は、第1レンズ21のパワーを考慮して決定す
る必要がある。回動ミラー22から第1レンズの第2主
点までの距離をg、第1レンズ21の焦点距離をf、第
1レンズ21より物体側の偏向された光軸Ax2の回動
角度をθ1、第1レンズ21より回動ミラー22側の光
軸の回動角度をβ、回動ミラー22の回動角度をαとす
ると、これらの関係は以下の通りとなる。 gtanβ=ftanθ1 ∴β=arctan(ftanθ1/g) α=β/2
【0020】したがって、第1レンズ21のパワーを考
慮すると、光軸Ax2を角度θ1だけ回動させるために
は、第1レンズ21より回動ミラー22側で上記の式で
求められる回動角度βが得ればよい。また、回動ミラー
22の回動角度αはβ/2に等しくなる。
【0021】図2(A-1)〜(A-4)は、第1、第2の結
像光学系10,20を介して入射した光束を合成したフ
ァインダー視野の一例を示し、図中の矩形領域が二重像
形成範囲を示している。図2(B-1)〜(B-4)は、第2
の結像光学系20を介して入射した光束のみにより観察
される視野の一例を示しており、(A-1)〜(A-4)の二
重像形成範囲内の像のそれぞれに対応している。
【0022】図2に示されるように、任意の位置に二重
像形成範囲を設定し、被写体距離情報、二重像形成範囲
に応じて回動ミラー22を制御することにより、当該範
囲内の被写体に対して合焦できるか否かをファインダー
中に観察される二重像の重なり具合から容易に判断する
ことができる。
【0023】続いて、光路偏向手段により設定される第
1、第2の対物光学系の光軸のなす角度の計算方法の原
理について説明する。なお、以下の説明は、計算を単純
化するため、第1の対物光学系の光軸が接眼光学系の光
軸に一致して一直線上にあること、第2の対物光学系の
光軸が光路合成素子から第1の対物光学系の光軸に対し
て垂直に延びること、基線長分だけ光路合成素子から離
れた位置に第2の対物光学系の光軸を第1の対物光学系
の光軸と平行にするミラーが配置されていること、第2
の対物光学系の最も物体側に光路偏向素子が設けられて
いること、そして、第1、第2の対物光学系により形成
された被写体の一次像が第1、第2の対物光学系と接眼
光学系との間に配置されたリレーレンズにより二次像と
して再結像することを前提条件としている。
【0024】二重像をファインダー内のいずれに形成す
るかにより計算方法が異なるため、最初にファインダー
中央に形成される場合について説明し、続いて中央から
基線長方向に沿って第2の対物光学系側にシフトした場
合、同様に第2の対物光学系とは反対側にシフトした場
合、中央から基線長方向と垂直な方向に沿ってシフトし
た場合についてそれぞれ説明する。
【0025】最初に、図3に基づいて二重像形成領域の
中心がファインダー視野の中心に位置する場合について
説明する。図中の符号Iは撮影光学系の予定結像位置、
すなわち撮像媒体の位置、Eは第1、第2対物光学系の
入射瞳位置、Aは光路合成素子の位置、Cは被写体の位
置、Bは第2の対物光学系の最終ミラーの位置、Dは光
路偏向素子の位置、Fは第2の対物光学系の光軸が第1
の対物光学系の光軸と平行な場合に通る位置、C'は位
置Cの被写体を第2の対物光学系を介して観察した際に
第1の光学系を介して観察した場合と同一倍率に見える
位置をそれぞれ示している。
【0026】位置Cにある被写体の像を二重像形成範囲
で一致させるためには、第1、第2の対物光学系の光軸
のなす角度θ1は以下の式(1)により定められる。 θ1=arctan(b/(L1−L0−d)) …(1) 但し、 b:基線長、 L1:予定結像位置から被写体までの距離(撮影系の場合
の撮影距離に相当)、 L0:予定結像位置から光束合成素子までの距離、 d:第2光学系の最終ミラーから光路偏向手段までの距
離である。
【0027】また、第1、第2の対物光学系を介して観
察される被写体の倍率が等しくなる位置の間隔、すなわ
ち、C−C'間の距離aは、以下の式(2)で求められ
る。 (L1−L0−d)/(a+L1−L0−b−d)=cosθ1 ∴a=(L1−L0−d)/cosθ1−(L1−L0−b−d) …(2)
【0028】式(1)中の基線長b、距離L0,dは系が
決定すれば一定であるため、光軸間の角度θ1は唯一の
変数である予定結像位置から被写体までの距離L0によ
ってのみ決定される。距離L0は、測距手段の出力、あ
るいは撮影レンズのフォーカス位置に基づいて算出され
る。したがって、上記の式(1)により求められる角度θ
1に合わせて光路偏向手段を制御したときに、ファイン
ダー視野の中心に設定された二重像形成範囲内で位置C
にある被写体の像が一致した状態で観察される場合に
は、その被写体に対して測距が正確に行われているこ
と、あるいは撮影レンズが合焦していることをファイン
ダー上で確認することができる。反対に、測距が正確に
行われておらず、あるいは撮影レンズがその被写体に対
して合焦していない場合には、二重像がずれて観察され
るため、目的とする被写体に合焦できないことが実際に
撮影する前にファインダー上で確認される。
【0029】ここで、二重像の形成範囲がファインダー
中心以外の位置にある場合に、上記の計算により光軸間
の角度を決定するとどのような不具合が生じるかを説明
する。図3の例と同様にフィルム面からL1の距離にあ
る被写体の位置Cで第1、第2の対物光学系の光軸が交
差するように光軸間の角度をθ1に設定する。ここで、
視野の中心から基線長方向にシフトした位置に二重像を
形成すると、すなわち、第1の対物光学系の光軸から外
れた範囲で二重像を形成すると、図4に示すように第1
の対物光学系により二重像形成範囲内に取り込まれる光
束の範囲(図中の薄い網掛け部分)と第2の対物系により
二重像形成範囲内に取り込まれる光束の範囲(図中の濃
い網掛け部分)とが一致しない。図4において、E'はミ
ラーにより折り返される第2の対物光学系の光路を展開
した際の入射瞳の位置である。ここで、EC間の距離は
E'C'間の距離に等しい。すなわち、正確な測距が行わ
れ、あるいは撮影レンズが被写体に合焦しているにも拘
わらず、二重像がずれて観察されることとなり、フォー
カシングの確認が困難になる。
【0030】上記のような不具合を解消するためには、
被写体までの距離L1のみでなく、二重像形成範囲のフ
ァインダー視野上での座標をも考慮して光軸間の角度を
決定しなければならない。ただし、二重像形成範囲がフ
ァインダー視野に占める割合が比較的大きくなると、二
重像形成範囲の座標を考慮して光軸間の角度を決定して
も、二重像形成範囲の周辺部で像がずれて見える場合が
ある。図4の例で説明すると、被写体面上で、第2の対
物光学系により二重像形成範囲に取り込まれる光束の範
囲は、第1の対物光学系により二重像形成範囲に取り込
まれる光束の範囲より広いため、二重像形成範囲を広く
とればとるほど、範囲の周辺部での像のずれが大きくな
る。これらの現象は第1、第2の光学系間のパララック
ス、および入射瞳位置から被写体までの距離の差による
倍率の差が原因となって生じるため、基線長bに対して
L1が十分長い場合には無視しても合焦確認の精度には
さほど影響がないが、L1が相対的に短くなると正確な
合焦の確認ができなくなる。
【0031】以下、二重像形成範囲がファインダー視野
の中央にない場合の光軸間の角度の計算方法について説
明する。図5は、二重像形成範囲がファインダー視野の
中央から基線長方向に沿って第2の対物光学系側にシフ
トした場合、実視界ωに相当する位置を二重像形成範囲
の中心とする場合の光線の進み方を示す説明図である。
図3の場合と同様、第1の対物光学系の光軸に沿って位
置Cに被写体があるとして、第1の対物光学系の光軸と
垂直な被写体面上で第1の対物光学系の光軸から高さh
の点Rを二重像形成範囲の中心に設定する場合を想定す
る。
【0032】入射瞳位置Eから第1の対物光学系を介し
て点Rを見込む直線の光軸との角度をωとし、ファイン
ダー視野中心で二重像を一致させるために両対物光学系
の光軸間の角度をθ1に設定すると、展開した光路上の
入射瞳位置E'から第2の対物光学系を介して光軸に対
して上記の見込み角ωを張る直線は被写体面上で点Rよ
り外側の点Tを通る。すなわち、このまま角度を補正し
なければ、第1の対物光学系を介して二重像形成範囲に
取り込まれる光束は点Rを中心とする部分の像を形成す
るのに対し、第2の対物光学系を介して二重像形成範囲
に取り込まれる光束は点Tを中心とする部分の像を形成
することとなる。
【0033】第2の対物光学系を介して二重像形成範囲
に取り込まれる光束が点Rを中心とする部分の像を形成
するようにするためには、点Rを見込む直線と光軸との
なす角度がψとなるように、角度θx分を補正し、光軸
間の角度を(θ1+θx)に設定する必要がある。ここで、
被写体面上における第1の対物光学系の光軸から二重像
形成範囲の中心となる物点までの距離hは、見込み角ω
と距離L1との関係により、以下のように導かれる。 tanω=h/(L1−e) ∴h=(L1−e)tanω
【0034】次に、点Rから第2の対物光学系の光軸A
x2におろした垂線の足をVとして三角形△RVCに着
目すると、以下の関係が導かれる。 RV=hcosθ1 VC=hsinθ1 ∴VC’=a−VC =a−hsinθ1
【0035】また、△RVE’に着目すると、第2の対
物光学系を介して点Rを通る光線の光軸Ax2に対する
角度ψは以下の通りに求められる。 tanψ=(hcosθ1)/(L1−e+(a−hsinθ1)) ∴ψ=arctan(hcosθ1)/(L1−e+(a−hsinθ1)) 補正量θxはω−ψで求められ、ψを上記の式で置き換
えることにより、補正角θxは以下の式(3)で求められ
る。 θx=ω−arctan(hcosθ1)/(L1−e+(a−hsinθ1)) …(3)
【0036】基準となる光軸間角度θ1は前述のように
距離L1を変数とする関数により求められ、かつ、補正
角度θxは式(3)において距離L1と見込み角ωとを変数
とする関数により求められるため、これら2つの値に基
づいて光軸間角度を設定すれば、二重像形成範囲がファ
インダーの視野中心から基線長方向にシフトした位置に
設定されている場合にも、測距された被写体距離、ある
いは撮影レンズが合焦する被写体距離に位置する被写体
の二重像が一致して観察される。したがって、測距が正
確におこなわれたこと、あるいは撮影レンズが合焦状態
にあることを二重像の重なりからファインダー上で確認
することが可能となる。
【0037】図6は、二重像形成範囲がファインダー視
野の中央から基線長方向に沿って第2の対物光学系から
離れる側にシフトした場合、実視界ωに相当する位置を
二重像形成範囲の中心とする場合の光線の進み方を示す
図5と同様の説明図である。
【0038】入射瞳位置Eから第1の対物光学系を介し
て点Rを見込む直線の光軸との角度をωとし、ファイン
ダー視野中心で二重像を一致させるために両対物光学系
の光軸間の角度をθ1に設定すると、展開した光路上の
入射瞳位置E'から第2の対物光学系を介して光軸に対
して上記の見込み角ωを張る直線は被写体面上で点Rよ
り外側の点Tを通る。
【0039】第2の対物光学系を介して二重像形成範囲
に取り込まれる光束が点Rを中心とする部分の像を形成
するようにするためには、点Rを見込む直線と光軸との
なす角度がξとなるように、角度θy分を補正し、光軸
間の角度を(θ1−θy)に設定する必要がある。ここで、
図5の例と同様に△RVCに着目すると、距離VC'は
以下の式で求められる。 RV=hcosθ1 VC=hsinθ1 ∴VC’=a+VC =a+hsinθ1
【0040】次に、△RVE’に着目すると、第2の対
物光学系を介して点Rを通る光線の光軸Ax2に対する
角度ξは以下の通りに求められる。 tanξ=(hcosθ1)/(L1−e+(a+hsinθ1)) ∴ξ=arctan(hcosθ1)/(L1−e+(a+hsinθ1)) 補正量θyはω−ξで求められ、ξを上記の式で置き換
えることにより、補正角θyは以下の式(4)で求められ
る。 θy=ω−arctan(hcosθ1)/(L1−e+(a+hsinθ1)) …(4)
【0041】補正角度θyは式(4)において距離L1と見
込み角ωとを変数とする関数により求められるため、こ
れら2つの値と基準となる光軸間角度θ1とに基づいて
光軸間角度を設定すれば、二重像形成範囲がファインダ
ーの視野中心から基線長方向に沿って第2の対物光学系
から離れる方向にシフトした位置に設定されている場合
にも、測距が正確におこなわれたこと、あるいは撮影レ
ンズが合焦状態にあることを二重像の重なりからファイ
ンダー上で確認することが可能となる。
【0042】図7(A),(B)は、二重像形成範囲がファ
インダー視野の中央から基線長方向と垂直な方向に沿っ
てシフトした場合について示す説明図であり、(A)は両
光軸を含む面内、(B)はこれと垂直な面内において実視
界ρに相当する位置を二重像形成範囲の中心とする場合
の光線の進み方を示す。図3の場合と同様、第1の対物
光学系の光軸に沿って位置Cに被写体があるとして、第
1の対物光学系の光軸と垂直な被写体面上で第1の対物
光学系の光軸から高さkの点Rを二重像形成範囲の中心
に設定する場合を想定する。
【0043】入射瞳位置Eから第1の対物光学系を介し
て点Rを見込む直線の光軸との角度をρとし、ファイン
ダー視野中心で二重像を一致させるために両対物光学系
の光軸間の角度をθ1に設定すると、展開した光路上の
入射瞳位置E'から第2の対物光学系を介して光軸に対
して上記の見込み角ρを張る直線は被写体面上で点Rよ
り外側の点Pを通る。
【0044】第2の対物光学系を介して二重像形成範囲
に取り込まれる光束が点Rを中心とする部分の像を形成
するようにするためには、点Rを見込む直線と第2の対
物光学系の光軸Ax2とのなす角度がεとなるように、基
線長方向と垂直な方向における光軸間の角度をθzに設
定する必要がある。ここで、図7(B)の△ERCに着目
すると、被写体面上で光軸Ax1,Ax2から点Rまでの
距離kは、以下のように求められる。 tanρ=k/(L1−e) ∴k=(L1−e)tanρ
【0045】また、第2の対物光学系を介して点Rを通
る光線の光軸に対する角度εは、以下の関係により求め
られる。 tanε=k/(L1−e+a) ∴ε=arctan(k/(L1−e+a)) 補正量θzはρ−εで求められ、εを上記の式で置き換
えることにより、補正角度θzは、以下の式(5)で求め
られる。 θz=ρ−arctan(k/(L1−e+a)) …(5)
【0046】ただし、図7のように二重像形成範囲の中
心がファインダー中心から基線長方向と垂直な方向にシ
フトしている場合、光路偏向素子としてミラーを用いて
いる場合には、図5、図6に示されるような基線長方向
の補正をする場合とは異なり、補正量θzを単純にミラ
ーの偏向角度に加算することはできない。なぜなら、ミ
ラーで光軸を上下に旋回させようとすると、像が傾くか
らである。この場合には、光路偏向部材として基線長方
向に第2の対物光学系の光軸を偏向するミラーの他に、
光軸を基線長方向と垂直な方向に偏向するために可変頂
角プリズムを用い、あるいは、レンズを偏心させるなど
して、光軸を偏向する必要がある。
【0047】なお、二重像形成範囲がファインダー視野
中心に対して基線長方向、基線長方向に対して垂直な方
向の両成分を持つ方向、すなわち斜め方向にシフトした
場合には、上述した図5、図6に示される基線長方向の
補正と図7に示される基線長方向に対して垂直な方向の
補正とを組み合わせることにより補正が可能である。こ
れにより、二重像形成範囲がファインダー視野中心以外
に位置する場合にも、二重像の重なり具合から正確に撮
影系の合焦距離をモニターすることができる。また、被
写体までの距離L1が基線長bと比較して十分に長い場
合には、上記の式(3),(4),(5)の一部に近似式を用い
て補正角度を算出することも実用上可能である。
【0048】図8〜図10は、この発明の第2の実施形
態にかかるファインダー装置の光学系の構成を示す説明
図である。図8はファインダーによる観察時の光路図、
図9は要部の斜視図、図10は撮影時の光路図である。
この例は、第1の対物光学系10が撮影光学系に兼用さ
れており、撮影レンズを介して入射した光束がファイン
ダーに導かれる一眼レフカメラとして構成されている。
観察時には、図8に示されるように撮影レンズである第
1の対物光学系の第1レンズ11を介して入射した光束
がクイックリターンミラー13aで反射され、コンデン
サレンズ14を介して光路合成素子である複合プリズム
31に入射する。
【0049】一方、第2の対物光学系20の第1レンズ
21を介して入射した光束は、ミラー27により直角に
偏向されて液晶素子23、コンデンサレンズ24を介し
て直角プリズム28により2回裏面反射されて複合プリ
ズム31に入射する。第1レンズ21は、光軸に対して
垂直に基線長方向に沿って移動可能に設けられており、
この偏心により第2の対物光学系20の光軸Ax2を偏
向させる。すなわち、この実施例では、第1レンズ21
が光路偏向手段としての機能を有している。
【0050】ミラー27から複合プリズム31までの素
子は、図9に示されるように配列している。いずれの対
物光学系から入射した光束も、横方向の像の向きを反転
させる反射面で2回づつ、そして、縦方向の像の向きを
反転させる反射面で2回づつ反射され、接眼レンズ42
を介して撮影者の眼に入射する。ここで、前述した図1
の例と同様に液晶素子23を制御することにより任意の
位置に二重像を形成することができ、かつ、被写体距離
と二重像形成範囲の座標とに基づいて第2の対物光学系
20の第1レンズ21の偏心量を制御することにより、
撮影レンズの合焦状態を二重像の重なりとしてファイン
ダー内でモニターすることができる。
【0051】撮影時には、クイックリターンミラー13
aは図10に示されるように光路から退避するため、第
1の対物光学系10を介して入射する光束は全てフィル
ム15に達してフィルムが露光される。なお、光軸Ax
2をθ1偏向するためのレンズの偏心量wは、以下の式に
より求められる。 w=fo tanθ1/(m'−m) ただし、 m:第1レンズ21を含む第2の対物光学系の一次結像
面までの横倍率、 m':第1レンズ21を含まない第2の対物光学系の一
次結像面までの横倍率、 fo:第2の対物光学系の焦点距離である。
【0052】第2の実施形態のファインダー装置は、カ
メラの光軸方向の厚さを小さくするのに適している。ま
た、第1の対物光学系10と第2の対物光学系20との
基線長を長く確保できるため、合焦状態の確認の精度を
高くすることができる。さらに、クイックリターンミラ
ー13aが光路から退避した際に、液晶素子23の全範
囲を透過状態とすることにより、通常のクイックリター
ンミラー式一眼レフの欠点である「撮影時のファインダ
視野の消失」を防止することができる。
【0053】図11〜図13は、この発明の第3の実施
形態を示す光学系の説明図である。この例では、光路偏
向素子として可変頂角プリズムを用いると共に、第1、
第2の対物光学系10,20が変倍可能に構成されてい
る。第1の対物光学系10は、負の第1レンズ11aと
正の第2レンズ11bとを備え、これらのレンズを光軸
方向に移動することにより焦点距離を変更できるよう構
成されている。第1の対物光学系10から入射した光束
は、コンデンサレンズ14を介してミラー13で反射さ
れ、光束合成素子である第1の複合プリズム32に入射
する。
【0054】一方、第2の対物光学系20は、最も物体
側に光路偏向素子である可変頂角プリズム29を備える
と共に、第1の対物光学系と同一構成の負の第1レンズ
21aと正の第2レンズ21bとを備えている。可変頂
角プリズム29は、対向する二枚の光学ガラス板の周囲
を蛇腹状の弾性体で囲み、その中の空間に透明な液体を
密閉して構成されており、その頂角を変更することによ
り光軸Ax2を偏向できる。なお、光軸Ax2の偏向角度
が小さい場合、すなわち、正弦(sin)を角度自体で近似
できる場合、可変頂角プリズムの内部に封入された透明
物質の屈折率をnとすると、光軸をθ1偏向させるには
プリズムの頂角γは以下の式で算出される。 γ=θ1/(n−1)
【0055】第2の対物光学系20を介して入射した光
束は、ミラー22aで反射され、液晶素子23、コンデ
ンサレンズ24を介して第2の複合プリズム33に入射
する。第1、第2の複合プリズム32,28aは、図1
2に示す位置関係で配置されている。すなわち、第2の
複合プリズム33は、2つの直角プリズム33a,33
bを組み合わせて構成されており、第1の複合プリズム
32は、直角プリズム32aとキューブ型のハーフミラ
ープリズム32bとを組み合わせて構成されている。
【0056】第1の対物光学系10側から入射した光束
は、第1の複合プリズムの直角プリズム32aにより2
回反射され、その一部がハーフミラープリズム32bに
より反射されて接眼レンズ42に入射する。第2の対物
光学系20側から入射した光束は、第2の複合プリズム
33で3回反射されて90度偏向され、一部が第1の複
合プリズム32のハーフミラープリズム32bを透過し
て接眼レンズ42に入射する。したがって、撮影者の眼
には、両対物光学系10,20からの光束が共に入射す
ることとなる。ここで、前述した図1の例と同様に液晶
素子23を制御することにより任意の位置に二重像を形
成することができ、かつ、被写体距離と二重像形成範囲
の座標とに基づいて第2の対物光学系20の可変頂角プ
リズム29の頂角を制御することにより、撮影レンズの
合焦状態を二重像の重なりとしてファインダー内でモニ
ターすることができる。
【0057】第3の実施形態の対物光学系10,20
は、このファインダー光学系とは独立して設けられた図
示せぬ撮影光学系の変倍、すなわちズーミングに連動し
て焦点距離を変化させるようそれぞれの第1、第2レン
ズが光軸方向に沿って移動するように構成されている。
変倍手段は、図示せぬズームモータに固定された駆動ギ
ア61、この駆動ギアに噛合する従動ギア62、従動ギ
ア61に噛合するラック71が一辺に形成されて図中の
左右方向、すなわち基線長方向にスライド可能なカム板
70から構成されている。
【0058】各対物光学系10,20の第1レンズ、第
2レンズは、カムフォロワーが設けられた可動レンズ枠
に支持されており、カム板70には、それぞれのレンズ
枠に設けられたカムフォロワーに係合するカム溝72
a,72b,73a,73bが形成されている。対物光
学系の第1レンズ11a,21aを駆動するカム溝72
a,73aは、所定のカーブで形成されており、第2レ
ンズ11b,21bを駆動するカム溝72b,73bは
直線状に形成されている。カム板70がズームモータに
駆動されてスライドすると、それに伴って第1レンズ、
第2レンズが光軸方向に移動し、各対物光学系の焦点距
離が変化する。図11は、対物光学系の焦点距離が最も
短くなる広角端における各部材の配置を示しており、図
13は、焦点距離が最も長くなる望遠端における各部材
の配置を示している。
【0059】なお、近時の一眼レフカメラはオートフォ
ーカス機能を備えるものが一般的であるが、オートフォ
ーカス機能を備えるカメラの中には、ファインダー光学
系の視野内の複数の検出ゾーンについて被写体距離を測
定可能な、いわゆる多点方式のオートフォーカス機能を
備えるものもある。多点方式のオートフォーカス機能を
備えるカメラにこの発明のファインダー装置を適用する
場合、複数の検出ゾーンの中から撮影光学系を合焦させ
るべき被写体が含まれる検出ゾーンを含むように二重像
形成範囲を設定し、その検出ゾーンに対応する被写体距
離情報に基づいて光軸間の角度を決定することにより、
その範囲内の二重像の重なり具合により当該検出ゾーン
内に位置する被写体に対して正確に測距が行われたか否
か、あるいは撮影レンズが合焦しているか否かを判断す
ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ファインダー視野内の任意の位置に二重像を表示さ
せることができるため、ファインダー視野の中心のみで
なく、周辺部に位置する被写体に対しても合焦状態を確
認することができ、被写体が視野の中心部にない場合に
も、中心部と同様の操作でピントの確認ができ、ピント
合わせの確認を従来より容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態にかかるファイン
ダー装置の光学系および制御系の概要を示す説明図であ
る。
【図2】 図1のファインダー装置により第1、第2の
対物光学系のそれぞれを介して観察される視野の例を示
す説明図である。
【図3】 二重像形成範囲がファインダー視野の中央に
位置する場合の光線の進み方を示す説明図である。
【図4】 二重像形成範囲がファインダー視野の中央か
らシフトした位置にある場合の第1、第2の対物光学系
により二重像形成範囲内に取り込まれる光束の範囲を示
す説明図である。
【図5】 二重像形成範囲がファインダー視野の中央か
ら基線長方向に沿って第2の対物光学系側にシフトした
場合の光線の進み方を示す説明図である。
【図6】 二重像形成範囲がファインダー視野の中央か
ら基線長方向に沿って第2の対物光学系から離れる側に
シフトした場合の光線の進み方を示す説明図である。
【図7】 二重像形成範囲がファインダー視野の中央か
ら基線長方向と垂直な方向に沿ってシフトした場合の光
線の進み方を示す説明図である。
【図8】 この発明の第2の実施形態にかかるファイン
ダー装置の光学系の観察時の説明図である。
【図9】 図7の光学系のプリズム部分の構成を示す斜
視図である。
【図10】 図7の光学系の撮影時の説明図である。
【図11】 この発明の第3の実施形態にかかるファイ
ンダー装置の光学系の広角端での配置を示す説明図であ
る。
【図12】 図11の光学系のプリズム部分の構成を示
す斜視図である。
【図13】 図11の光学系の望遠端での配置を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 第1の対物光学系 20 第2の対物光学系 Ax1 第1の対物光学系の光軸 Ax2 第2の対物光学系の光軸 22 回動ミラー 30 ハーフミラー 40 接眼光学系 50 制御回路 51 測距装置 52 二重像形成範囲選択スイッチ 53 ミラー駆動モータ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基線長をもって被写体を異なる角
    度から見込む実像式の第1、第2の対物光学系と、 前記第1、第2の対物光学系から入射した光束を合成し
    て視野内の一部に二重像を形成する光束合成素子と、 前記光束合成素子により合成された光束を撮影者の眼に
    導く接眼光学系と、 前記第1の対物光学系の光軸に対する前記第2の対物光
    学系の光軸の角度を変更することにより前記二重像の重
    なり具合を前記基線長方向に沿って変化させる光路偏向
    手段と、 前記第2の対物光学系の光路中に配置され、前記第2の
    対物光学系により取り込まれる像の範囲を設定する二重
    像形成範囲設定素子と、 前記二重像形成範囲設定素子を制御して視野内の任意の
    位置を選択して二重像形成範囲を設定する選択手段と、 被写体までの距離に相当する情報を検出する被写体距離
    情報検出手段と、 前記選択手段により設定された二重像形成範囲と前記被
    写体距離情報検出手段により検出された被写体までの距
    離に相当する情報とに基づいて該被写体距離にある被写
    体に対して前記第1、第2の対物光学系から入射した光
    束により形成される2つの被写体像が重なるよう前記光
    路偏向手段を制御する制御手段とを備えることを特徴と
    するカメラのファインダー装置。
  2. 【請求項2】 前記二重像形成範囲設定素子は、前記第
    2の対物光学系の結像面近傍に配置されていることを特
    徴とする請求項1に記載のカメラのファインダー装置。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2の対物光学系は、同一の
    レンズ構成であることを特徴とする請求項1に記載のカ
    メラのファインダー装置。
  4. 【請求項4】 撮影光学系の焦点距離の変化に合わせて
    前記第1、第2光学系の対物光学系の倍率を同時に変更
    する変倍手段を備えていることを特徴とする請求項1ま
    たは3のいずれかに記載のカメラのファインダー装置。
  5. 【請求項5】 前記光路偏向手段は、回動ミラーと、該
    回動ミラーを回動させるミラー駆動手段とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のカメラのファインダー装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光路偏向手段は、可変頂角プリズム
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のカメラのフ
    ァインダー装置。
  7. 【請求項7】 前記光路偏向手段は、前記第2の対物光
    学系の少なくとも一部のレンズを前記第2の対物光学系
    の光軸に対して垂直な方向に偏心させることを特徴とす
    る請求項1に記載のカメラのファインダー装置。
  8. 【請求項8】 前記光路偏向手段は、前記第2の対物光
    学系の少なくとも一部のレンズを前記基線長方向に偏心
    させることを特徴とする請求項7に記載のカメラのファ
    インダー装置。
  9. 【請求項9】 前記二重像形成範囲設定素子は、二重像
    を形成する一部領域のみを透過させ、他の領域を遮光す
    る液晶素子であることを特徴とする請求項1に記載のカ
    メラのファインダー装置。
  10. 【請求項10】 前記被写体距離情報検出手段は、被写
    体距離を測定する測距装置であることを特徴とする請求
    項1に記載のカメラのファインダー装置。
  11. 【請求項11】 前記被写体距離情報検出手段は、カメ
    ラの撮影レンズのフォーカス位置を検出することを特徴
    とする請求項1に記載のカメラのファインダー装置。
  12. 【請求項12】 前記被写体距離情報検出手段は、前記
    ファインダー光学系の視野内の複数の検出ゾーンについ
    て被写体距離情報を検出可能であり、前記選択手段は、
    撮影光学系の合焦に用いられる検出ゾーンを含む領域に
    前記二重像形成範囲を設定するよう前記二重像形成範囲
    設定素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の
    カメラのファインダー装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、複数の被写体距離情
    報のうち、撮影光学系を合焦させるべき検出ゾーンに対
    応する被写体距離情報に基づいて前記光路偏向手段を制
    御することを特徴とする請求項12に記載のカメラのフ
    ァインダー装置。
  14. 【請求項14】 前記第1、第2の対物光学系と前記接
    眼光学系との間には、前記第1、第2の対物光学系によ
    り形成された被写体の一次像をリレーして二次像を形成
    するリレーレンズ系が設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載のカメラのファインダー装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の対物光学系は、撮影光学系
    の対物レンズに兼用されていることを特徴とする請求項
    1に記載のカメラのファインダー装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の対物光学系と前記光束合成
    素子との間に、前記第1の対物光学系を介して入射した
    光束を撮像媒体に導く撮影位置と光束合成素子側に導く
    観察位置との間で切り換え可能な光路分配素子が配置さ
    ていることを特徴とする請求項14に記載のカメラのフ
    ァインダー装置。
  17. 【請求項17】 前記光路分配素子は、クイックリター
    ンミラーであることを特徴とする請求項16に記載のカ
    メラのファインダー装置。
  18. 【請求項18】 前記選択手段は、前記光路分配手段が
    前記撮像媒体に光束を導く際に、前記第2の対物光学系
    から入射した光束によりファインダー視野全域が観察で
    きるよう前記二重像形成範囲設定素子を制御することを
    特徴とする請求項16に記載のカメラのファインダー装
    置。
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