JPH10253211A - オーガ式製氷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】周囲温度（水道水）が低下した場合でも、氷づ
まり、および摩擦音の発生がなく常に氷を製造できるよ
うにする。 【解決手段】氷押出しヘッド１３下端部と、膨張弁１７
を介して冷凍機のコンデンシングユニット９に配管され
ている蒸発パイプ１２上端部との間隔を、製氷筒１１の
内径の１／２に相当する距離以上にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コールド飲料を販
売するカップ式飲料自動販売機に搭載して使用するオー
ガ式製氷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】前記したカップ式飲料用自動販売機で
は、清涼感を増すために飲料の販売動作に合わせてチッ
プ状の氷を添加するように自動販売機内に製氷機を搭載
している。この製氷機には一般に連続で製氷が行え、ま
た製氷量も多いオーガ式製氷機が採用されている。

【０００３】図５は従来例のオーガ式製氷機の構成図を
示す。図において１は製氷部、２は製氷用水を貯えてお
く給水タンク、３は給水タンク２内の水の量を検知する
水量検知器、４は水量レベルスイッチ、５は給水用コン
トローラ、６は水道と接続され、水量レベルスイッチ４
の信号に基く給水用コントローラ５の指令により開閉
し、給水タンク内に水道水を供給する封止弁、７は製氷
部１で製造したチップ状の氷片を蓄える貯氷槽、８は駆
動モータ、９は冷凍機のコンデンシングユニット（圧縮
機と凝縮器からなる）、１０は駆動モータ８で駆動され
る回転軸１４の外周に設けられた螺旋状回転刃、１１は
コンデンシングユニット９と膨張弁１７を通して供給さ
れる冷媒を蒸発パイプ１２に通して製氷用水を冷却し氷
を生成させる製氷筒、１３は製氷筒１１の内壁に生成し
た氷膜を螺旋状回転刃１０で削ぎ取りフレーク状にして
押し上げる際に硬い氷に押し固め上方に押し出す氷押出
しヘッド、１５は回転軸１４の上部に取り付けられ氷押
出しヘッド１３から押し出された氷をチップ状に砕くカ
ッター、１６は製氷筒１１と蒸発パイプとで構成される
製氷部１の断熱材、１８は給水タンク２の製氷用水を製
氷筒に給水する給水パイプ、１９は貯氷槽７を構成する
断熱容器、２０は貯氷槽７の氷搬出口、２１は貯氷槽７
内の氷を攪拌するアジテータ、２２は断熱容器１９の下
部に設けられた簀の子、２３は貯氷槽７の下部に開けら
れたドレン排水口、２４は貯氷槽７内の氷満杯を検知す
るアイスレベル検知板、２５はアイスレベル検知板に連
動して動作するアイスレベルスイッチ、２６はアイスレ
ベルスイッチ２５の動作に従ってコンデンシングユニッ
ト９の運転停止を制御するコントローラである。

【０００４】ここで製氷部１は駆動モータ８に減速歯車
機構を介して連結した通称オーガと呼ぶ回転軸１４に取
り付けられた螺旋状回転刃１０と、回転刃１０を取り囲
む金属製の製氷筒１１と、製氷筒１１の外周面に巻装し
て伝熱的に配管した冷凍機の蒸発パイプ１２（製氷筒１
１と蒸発パイプ１２とで冷凍機のエバポレータを構成す
る）と、製氷筒１１と貯氷槽７の間の連通路に設置し
た、交互に配置した長短の固定刃を有しその固定刃の間
に下部の製氷部で製氷した氷を押し込んで固める氷押出
しッド１３と、螺旋状回転刃１０から上方に延長する回
転軸１４の軸上に取りつけて前記氷押出しヘッド１３の
出口側に横向きに突出した扇形状のカッター１５と、前
記製氷筒１１、および蒸発パイプ１２を包囲した製氷部
断熱材１６との組立体としてなり、前記蒸発パイプ１２
は膨張弁１７を介して冷凍機のコンデンシングユニット
９に接続され、さらに製氷筒１１の下部には給水タンク
から引出した製氷用水の給水管１８が配管接続されてい
る。

【０００５】一方、貯氷槽７は製氷部１に連通して、そ
の上部に構築された上蓋付きの断熱容器１９としてな
り、断熱容器１９の側面には開閉扉付きの氷搬出口２０
が開口し、容器内は前記回転軸１４の軸上に取りつけた
氷片攪拌用アジテータ２１、および底部側に敷設した簀
子２２を備えている。なお、貯氷槽７内で氷片が溶けて
できたドレンはドレン排水口２３から排水され、また、
製氷部１で製氷された氷片は容器内の頂部に配したアイ
スレベル検知板２４およびアイスレベルスイッチ２５で
検知されてコントローラ２６に取り込まれてコントロー
ラ２６から冷凍機のコンデンシングユニット９の圧縮機
の運転停止を指令する。

【０００６】かかる構成によるオーガ式製氷機の製氷動
作は周知であり、給水タンク２と連通した給水管１８を
通じて製氷筒１１の中に供給された製氷水は、冷凍機の
運転により、コンデンシングユニット９からの高圧の低
温冷媒を膨張弁１７で気液２相の低圧低温ガスにして蒸
発パイプ１２に送り、そこで蒸発パイプ１２を冷却して
電熱的に製氷筒１１の内壁面で冷却されて氷膜となって
結氷する。この氷膜を回転刃１０が削りとり、フレーク
上になった氷を上方へ送って氷押出しヘッド１３の固定
刃間の開口通路に押し込む。これにより、氷は圧縮され
て柱状に固まった状態で氷押出しヘッド１３から上方に
突き出した後、その上方に回転しているカッタ１５でせ
ん断されてチップ状の氷片となり、貯氷槽７の中に送り
込まれて貯えられる。そして、貯氷槽７が氷片で満杯に
なると、この状態をアイスレベルスイッチ２５が検知し
て作動し、製氷用コントローラ２６からの指令で冷凍機
のコンデンシングユニット９の運転が停止する。また製
氷中に給水タンク２内の水量が減少すると水量検知器３
が低下し、水量レベルスイッチ４により給水用コントロ
ーラ５からの指令により封止弁６が開放され給水タンク
２に水道水が供給される。

【０００７】自動販売機の飲料販売時には氷払出指令が
与えられると、駆動モータ８が始動して氷片攪拌用アジ
テータ２１を回転し、同時に氷搬出口２０の扉２０ａが
所定時間開いて貯氷槽７に蓄えた氷片を定量づつ搬出す
る。なお、氷搬出口から出た氷はアイスシュータを経て
自動販売機のベンドステージに待機しているカップ内に
投入される。

【０００８】また、飲料販売の進行につれて貯氷槽７の
貯氷量が所定レベル以下に減少すると、アイスレベルス
イッチ２５の動作信号を基にコントロ─ラ２６からの指
令で冷凍機のコンデンシングユニット９が始動して製氷
動作を開始する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記したオー
ガ式製氷機では、製氷筒内の製氷用水を蒸発パイプ内を
通る冷媒で冷却して製氷筒内壁に氷層を生成させその氷
層を螺旋状回転刃で削り採るとともに、押し上げて該螺
旋状回転刃の上部では削り採られたフレーク状の氷の密
度を高めてその部分の螺旋状回転刃により氷押出しヘッ
ドの固定刃に押し込んで圧縮して氷柱にした後、氷押出
しヘッドから押し出した所でカッターでチップ状氷にし
ている。前記氷押出しヘッドの部分から、その下部のフ
レーク状の氷の密度が高められている螺旋状回転刃の部
分にかけての製氷筒の温度分布が略同一であるために次
記のような不具合が発生することがある。すなわち周囲
温度（製氷水温度）が低下（例えば30℃から 5℃）した
場合、水道水の温度も低下するために製氷筒内での冷却
負荷が減少し、蒸発パイプ出口側の冷媒温度が低下す
る。そのため氷押出しヘッドの氷入口側および周辺の製
氷筒が過冷却され、回転刃により削り取られたフレーク
状の氷が過冷却されて硬化する。このために、氷押出し
ヘッドに氷が送り込まれなくなり、氷づまりの現象が発
生し、製氷が行われなくなり、氷入り飲料の販売チャン
スを失う。また、圧縮部と回転部との境目で氷が分かれ
る状態となり、回転部に詰められた氷と固定部の氷とが
摩擦して異常音が発生する場合があり、そのため周囲に
不快感を与えることとなる。

【００１０】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は周囲温度（水道水）が低下した
場合でも、氷づまり、および摩擦音の発生がなく常に氷
を製造できるオーガ式製氷機を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１の発明は、外周面に冷凍機の蒸発パイプを配
管した製氷筒の内方に螺旋状回転刃を組み込み、かつ製
氷筒の出口側に氷押出しヘッド、およびカッターを有す
る製氷部と、製氷部で製氷したチップ状の氷片を送り込
んで貯氷するアジテータ付き貯氷槽と、冷却筒内に製氷
用水を供給するために水道からの配管に接続された給水
タンクとを備え、氷払出指令に基づいて貯氷槽の氷搬出
口を開き、アジテータを回転して槽内に蓄えた氷片を搬
出するオーガ式製氷機において、氷押出しヘッド下端部
と、膨張弁を介して冷凍機のコンデンシングユニットに
配管されている蒸発パイプ上端部との間隔を、製氷筒の
内径の１／２に相当する距離以上にしたことを特徴とす
る。

【００１２】上記の構成により、周囲温度および水道水
の温度が低下し、冷却筒内の負荷が減少して蒸発パイプ
出口側の冷媒温度が低下した場合でも、蒸発パイプと氷
押出しヘッドとの間が充分に離れているため、氷押出し
ヘッド下端部が過度に冷却されることはない。また、請
求項２の発明のように、外周面に冷凍機の蒸発パイプを
配管した製氷筒の内方に螺旋状回転刃を組み込み、かつ
製氷筒の出口側に氷押出しヘッド、およびカッターを有
する製氷部と、製氷部で製氷したチップ状の氷片を送り
込んで貯氷するアジテータ付き貯氷槽と、冷却筒内に製
氷用水を供給するために水道からの配管に接続された給
水タンクとを備え、氷払出指令に基づいて貯氷槽の氷搬
出口を開き、アジテータを回転して槽内に蓄えた氷片を
搬出するオーガ式製氷機において、製氷筒は、氷押出し
ヘッドおよび該氷押出しヘッドの下部の蒸発パイプの一
部分を他の蒸発パイプの部分の厚さより厚くすることが
できる。

【００１３】上記の構成により、周囲温度および水道水
の温度が低下し、冷却筒内の負荷が減少して蒸発パイプ
出口側の冷媒温度が低下した場合でも、氷押出しヘッド
および該氷押出しヘッドの下部の蒸発パイプの一部分を
他の蒸発パイプの部分の厚さより厚くしているので、そ
の分熱抵抗が増加して冷媒による冷却が伝わりにくくな
り氷押出しヘッド下部での氷の過冷を抑制する。

【００１４】さらに、請求項３の発明のように、外周面
に冷凍機の蒸発パイプを配管した製氷筒の内方に螺旋状
回転刃を組み込み、かつ製氷筒の出口側に氷押出しヘッ
ド、およびカッターを有する製氷部と、製氷部で製氷し
たチップ状の氷片を送り込んで貯氷するアジテータ付き
貯氷槽と、冷却筒内に製氷用水を供給するために水道か
らの配管に接続された給水タンクとを備え、氷払出指令
に基づいて貯氷槽の氷搬出口を開き、アジテータを回転
して槽内に蓄えた氷片を搬出するオーガ式製氷機におい
て、製氷筒の蒸発パイプは、氷押出しヘッドの下部と、
その他の部分とに分割して、その他の部分の蒸発パイプ
には低温ガスを循環し、氷押出しヘッドの下部の蒸発パ
イプには周囲温度が低下した際に高温高圧ガスを循環す
ることができる。

【００１５】また、請求項４の発明のように、請求項３
記載のオーガ式製氷機において、前記氷押出しヘッドの
下部の蒸発パイプ、およびその他の部分の蒸発パイプは
直列接続と、単独使用とに切替える封止弁を設けて、所
定の外気温以上では両蒸発パイプを直列接続に切り替え
て低温ガスを循環し、所定の外気温以下では単独使用に
切り替えて、氷押出しヘッドの下部の蒸発パイプには高
温高圧ガスを、その他の蒸発パイプには低温ガスをそれ
ぞれ循環することができる。

【００１６】さらに、請求項５の発明のように、請求項
３または請求項４に記載のオーガ式製氷機において、製
氷筒の氷押出しヘッドの下部に温度センサを設けて、該
温度センサの検出温度が所定の範囲に保たれるように高
温高圧ガスの流量を制御することができる。上記請求項
３の構成によれば、周囲温度が低下して冷却負荷が減少
した場合に、強制的に氷押出しヘッドの下部の蒸発パイ
プに圧縮機の高温高圧ガスを流して氷押出しヘッド下部
を加熱することで、その部分での氷の過冷却を防止する
ことができる。その際に高温高圧ガスの流量は流量調整
弁により製氷された氷が融解しない程度に調整する。

【００１７】また、上記の請求項４の構成によれば、上
下に分割した蒸発パイプを封止弁で直並列のいずれかに
切り替えて周囲温度が高い場合は直列接続で全蒸発パイ
プに低温ガスを流して製氷能力を確保し、周囲温度が低
下した場合は並列接続して上部蒸発パイプには高温高圧
ガスを流して氷押出しヘッド下部での過冷却を無くして
氷づまりを防止することができる。

【００１８】さらに、上記の請求項５の構成によれば、
分割した上部の蒸発パイプの所に設けた温度センサの信
号によりその部分が過冷却にならないように、また余分
に過熱されないように高温高圧ガスを流量制御するの
で、製氷能力を確保しながら、氷づまりを防止すること
ができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。なお、図１〜図４において、従来例の
図５と同一符号を付けした部材はおおよそ同一の機能を
有するのでその説明は省略する。図１はこの発明の実施
例の主要部の構成図を示す。この図１において、１０は
螺旋状回転刃、１１は製氷筒、１２は蒸発パイプ、１３
は氷押出しヘッドを示す。この図１は、図５の構成に比
較して製氷筒１１の外周に巻装されている蒸発パイプ１
２の上端と氷押出しヘッド１３下端部との距離Ｌを製氷
筒１１の内径Ｄの１／２離した構成とした。

【００２０】かかる構成で製氷運転すると、周囲温度お
よび水道水の温度が低下し、冷却筒１１内の負荷が減少
して蒸発パイプ１２出口側の冷媒温度が低下した場合で
も、氷押出しヘッド１３の下部には蒸発パイプが巻装さ
れていないので螺旋状回転刃１０により押し上げられて
密度が高められた氷は過度に冷却されることがなく氷押
出しヘッド１３により圧縮され氷柱になり上部へ押し出
される。

【００２１】なお、距離ＬはＤ／２以上２Ｄ以下とする
ことにより、氷づまりおよび摩擦音の発生がないととも
に、氷の製造に影響がないことが実験により確認されて
いる。図２はこの発明の別の実施例の主要部の構成図を
示す。この図２において、１０は螺旋状回転刃、１１は
製氷筒、１２は蒸発パイプ、１３は氷押出しヘッド、１
５はカッターを示す。この図２が図５と異なる点は、氷
押出しヘッド１３、およびその下部の蒸発パイプ１２一
部の製氷筒１１の肉厚を他の部分の肉厚より厚くした点
である。

【００２２】また、肉厚を厚くする部分の氷押出しヘッ
ド１３下端部からの距離Ｌは図１の実施例と同様にＤ／
２≦Ｌ≧２Ｄとするとよい。かかる構成で製氷運転する
と、周囲温度および水道水の温度が低下し、冷却筒１１
内の負荷が減少して蒸発パイプ１２出口側の冷媒温度が
低下した場合でも、氷押出しヘッド１３および該氷押出
しヘッド１３の下部の蒸発パイプ１２の一部分を他の蒸
発パイプ１２の部分の厚さより厚くしているので、その
分熱抵抗が増加して冷媒による冷却が伝わりにくくなり
氷押出しヘッド１３下部での氷の過冷を防止して必要な
製氷量が得られる。

【００２３】図３はこの発明の他の実施例の主要部の構
成図を示す。この図３において、９は冷媒を圧縮して高
温高圧ガスにする圧縮機と前記高温高圧ガスを冷却する
凝縮器とで構成されるコンデンシングユニット、１０は
螺旋状回転刃、１１は製氷筒、１２ａは分割された上部
の蒸発パイプ、１２ｂは分割された下部の蒸発パイプ、
１３は氷押出しヘッド、１５はカッター、１７はコンデ
ンシングユニット９により高圧低温ガスにされた冷媒を
低圧ガスにする膨張弁、２７ａは上部の蒸発パイプに前
記高温高圧ガスを流す配管を途中で開閉する封止弁、２
８は前記高温高圧ガスの流量を調整する流量調整弁を示
す。この図３が図５と異なる点は、蒸発パイプを氷押出
しヘッド１３の下部の上部蒸発パイプ１２ａと、下部の
蒸発パイプ１２ｂとに分割し、上部蒸発パイプ１２ａに
はコンデンシングユニット９の圧縮機の出側から高温高
圧ガスを封止弁２７ａと流量調整弁２８とを介して、周
囲温度が低下した際に供給し、下部の蒸発パイプ１２ｂ
には膨張弁１７から低温低圧ガスを供給するようにした
点である。

【００２４】また、上部蒸発パイプ１２ａの氷押出しヘ
ッド１３下端部からの距離も図１の実施例と同様にＤ／
２≦Ｌ≧２Ｄとするとよい。かかる構成で低周囲温度時
に製氷運転すると、製氷負荷の減少により、上下の蒸発
パイプを直列に接続した状態にしておくと、氷押出しヘ
ッド１３下部の製氷筒が過度に冷却されてしまう。この
時に、封止弁２７ａを開放して上部の蒸発パイプ１２ａ
にコンデンシングユニット９の圧縮機の出側から高温高
圧ガスを供給してその部分を加熱することにより氷押出
しヘッド１３の氷入口側の氷の過冷却がなくなり製氷を
続行することができる。また、この際に高温高圧ガスの
供給量は予め製氷筒が過熱されない程度に流量調整弁２
８により調整しておき、図示されていないタイマー等と
組み合わせて正常な製氷が行われるように運転する。

【００２５】図４はこの発明のさらに別の実施例の主要
部の構成図を示す。この図４において、９は冷媒を圧縮
して高温高圧ガスにする圧縮機と前記高温高圧ガスを冷
却する凝縮器とで構成されるコンデンシングユニット、
１０は螺旋状回転刃、１１は製氷筒、１２ａは分割され
た上部の蒸発パイプ、１２ｂは分割された下部の蒸発パ
イプ、１３は氷押出しヘッド、１５はカッター、１７は
コンデンシングユニット９により高圧低温ガスにされた
冷媒を低圧ガスにする膨張弁、２７ａは上部の蒸発パイ
プ１２ａに前記高温高圧ガスを流す配管を途中で開閉す
る封止弁、２７ｂ，２７ｃは前記封止弁２７ａを開放し
て高温高圧ガスを流す前に上下の蒸発パイプ１２ａ，１
２ｂを単独使用に切り替える封止弁、２８は前記高温高
圧ガスの流量を調整する流量調整弁、２９は氷押出しヘ
ッド１３の下部の温度を検知する温度センサを示す。

【００２６】この図４が図３と異なる点は、蒸発パイプ
を氷押出しヘッド１３の下部の上部蒸発パイプ１２ａ
と、下部の蒸発パイプ１２ｂとに分割するとともに、封
止弁２７ｂ，２７ｃにより上下蒸発パイプ１２ａ，１２
ｂを直並列に接続替え出来るようにして、周囲温度が低
下した際には、氷押出しヘッド１３の下部に設けた温度
センサの検出値により上部蒸発パイプ１２ａにはコンデ
ンシングユニット９の圧縮機の出側からの高温高圧ガス
の流量を調整して封止弁２７ａと流量調整弁２８とを介
して供給し、下部の蒸発パイプ１２ｂには膨張弁１７か
ら低温低圧ガスを供給するようにした点と、周囲温度が
高い場合は上下の蒸発パイプ１２ａ，１２ｂを直列接続
にして製氷量が確保できるようにした点である。

【００２７】かかる構成で低周囲温度時に製氷運転する
と、製氷負荷の減少により、上下の蒸発パイプ１２ａ，
１２ｂを直列に接続した状態にしておくと、氷押出しヘ
ッド１３下部の製氷筒１１が過度に冷却されてしまう。
この時に、封止弁２７ｂを閉鎖し、封止弁２７ｃを開放
して上下の蒸発パイプ１２ａ，１２ｂを単独使用に切替
えて封止弁２７ａを開放して上部の蒸発パイプ１２にコ
ンデンシングユイット９の圧縮機の出側から高温高圧ガ
スを供給してその部分を加熱することにより氷押出しヘ
ッド１３の氷入口側の氷の過冷却がなくなり製氷を続行
することができる。また、この際に高温高圧ガスの供給
量は氷押出しヘッド１３の下部に設けた温度センサ２９
により製氷筒が過熱されない程度に流量調整弁２８を制
御する。

【００２８】これにより氷押出しヘッド１３の下部が過
度に冷却されることを防止できるので、摩擦音の発生が
なく、また、周囲温度が上昇した場合においては、封止
弁２７ａを閉鎖して上部蒸発パイプ１２ａへの高温高圧
ガスの供給を停止するとともに、封止弁２７ｂを開放し
て、封止弁２７ｃを閉鎖することにより上下蒸発パイプ
１２ａ，１２ｂを直列接続に切り替えて両蒸発パイプ１
２ａ，１２ｂに低温ガスを供給するので、製氷量の減少
はない。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、蒸発パイプ上端と氷押出しヘッド下端との距離を離
す、または、氷押出しヘッドとその下端部の蒸発パイプ
の部分の製氷筒の厚さを厚くすることで氷押出しヘッド
下端部を過度に冷却することがなく、氷が氷押出しヘッ
ドを通過するのが容易となり、音の発生及び氷の製造が
不可能となる事態を防止し、円滑に氷の販売ができ、し
かも周囲の人々に不快感を与える事もない。

【００３０】また、請求項３、４、５の構成では氷押出
しヘッドの下端部の蒸発パイプに高温高圧ガスを流して
その部分が過度に冷却されないようにして上記と同様の
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の主要部の構成図

【図２】この発明の別の実施例の主要部の構成図

【図３】この発明の他の実施例の主要部の構成図

【図４】この発明のさらに別の実施例の主要部の構成図

【図５】従来例のオーガ式製氷機の構成図

【符号の説明】

９ コンデンシングユニット １０ 螺旋状回転刃 １１ 製氷筒 １２ 蒸発パイプ １２ａ 上部蒸発パイプ １２ｂ 下部蒸発パイプ １３ 氷押出しヘッド １７ 膨張弁 ２７ａ 封止弁 ２７ｂ，２７ｃ 封止弁 ２８ 流量調整弁 ２９ 温度センサ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外周面に冷凍機の蒸発パイプを配管した製
   氷筒の内方に螺旋状回転刃を組み込み、かつ製氷筒の出
   口側に氷押出しヘッド、およびカッターを有する製氷部
   と、製氷部で製氷したチップ状の氷片を送り込んで貯氷
   するアジテータ付き貯氷槽と、冷却筒内に製氷用水を供
   給するために水道からの配管に接続された給水タンクと
   を備え、氷払出指令に基づいて貯氷槽の氷搬出口を開
   き、アジテータを回転して槽内に蓄えた氷片を搬出する
   オーガ式製氷機において、氷押出しヘッド下端部と、膨
   張弁を介して冷凍機のコンデンシングユニットに配管さ
   れている蒸発パイプ上端部との間隔を、製氷筒の内径の
   １／２に相当する距離以上にしたことを特徴とするオー
   ガ式製氷機。
2. 【請求項２】外周面に冷凍機の蒸発パイプを配管した製
   氷筒の内方に螺旋状回転刃を組み込み、かつ製氷筒の出
   口側に氷押出しヘッド、およびカッターを有する製氷部
   と、製氷部で製氷したチップ状の氷片を送り込んで貯氷
   するアジテータ付き貯氷槽と、冷却筒内に製氷用水を供
   給するために水道からの配管に接続された給水タンクと
   を備え、氷払出指令に基づいて貯氷槽の氷搬出口を開
   き、アジテータを回転して槽内に蓄えた氷片を搬出する
   オーガ式製氷機において、製氷筒は、氷押出しヘッドお
   よび該氷押出しヘッドの下部の蒸発パイプの一部分を他
   の蒸発パイプの部分の厚さより厚くしたことを特徴とす
   るオーガ式製氷機。
3. 【請求項３】外周面に冷凍機の蒸発パイプを配管した製
   氷筒の内方に螺旋状回転刃を組み込み、かつ製氷筒の出
   口側に氷押出しヘッド、およびカッターを有する製氷部
   と、製氷部で製氷したチップ状の氷片を送り込んで貯氷
   するアジテータ付き貯氷槽と、冷却筒内に製氷用水を供
   給するために水道からの配管に接続された給水タンクと
   を備え、氷払出指令に基づいて貯氷槽の氷搬出口を開
   き、アジテータを回転して槽内に蓄えた氷片を搬出する
   オーガ式製氷機において、製氷筒の蒸発パイプは、氷押
   出しヘッドの下部と、その他の部分とに分割して、その
   他の部分の蒸発パイプには低温ガスを循環し、氷押出し
   ヘッドの下部の蒸発パイプには周囲温度が低下した際に
   高温高圧ガスを循環することを特徴とするオーガ式製氷
   機。
4. 【請求項４】請求項３記載のオーガ式製氷機において、
   前記氷押出しヘッドの下部の蒸発パイプ、およびその他
   の部分の蒸発パイプは直列接続と、単独使用とに切替え
   る封止弁を設けて、所定の周囲温度以上では両蒸発パイ
   プを直列接続に切り替えて低温ガスを循環し、所定の外
   気温以下では単独使用に切り替えて、氷押出しヘッドの
   下部の蒸発パイプには高温高圧ガスを、その他の蒸発パ
   イプには低温ガスをそれぞれ循環することを特徴とする
   オーガ式製氷機。
5. 【請求項５】請求項３または請求項４に記載のオーガ式
   製氷機において、製氷筒の氷押出しヘッドの下部に温度
   センサを設けて、該温度センサの検出温度が所定の範囲
   に保たれるように高温高圧ガスの流量を制御することを
   特徴とするオーガ式製氷機。