JPH10252782A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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Publication number
JPH10252782A
JPH10252782A JP9059213A JP5921397A JPH10252782A JP H10252782 A JPH10252782 A JP H10252782A JP 9059213 A JP9059213 A JP 9059213A JP 5921397 A JP5921397 A JP 5921397A JP H10252782 A JPH10252782 A JP H10252782A
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JP
Japan
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casing
shaft
differential
transmission device
coupling member
Prior art date
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Pending
Application number
JP9059213A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshibumi Sakai
俊文 酒井
Hideyuki Saito
秀幸 斉藤
Masaru Shiraishi
優 白石
Masahiro Sasaki
雅弘 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Toyoda Koki KK filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP9059213A priority Critical patent/JPH10252782A/ja
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】2つのケーシングの螺合位置を調整することに
よって差動制限特性が変更されるカップリング部材に、
機械式の差動ロック機構を設ける場合に、特に径方向に
大きくならないようにコンパクトにする。 【解決手段】出力軸5のフランジ部5aにカップリング
部材6のケーシング7を固定して、略カップ状の第1ケ
ーシングが構成される。略リッド状の第2ケーシング8
の外周端部が、ケーシング7に螺合される。第2ケーシ
ング8のボス部8aと入力軸3との間に、差動ロック機
構Rが構成される。差動ロック機構Rは、ボス部8aに
形成された第1噛合歯15と、入力軸3に一体的に形成
された第2噛合歯16と、歯付きスリ−ブ17とを有す
る。ケーシング7と8との螺合部分10には、両ケーシ
ング7と8とに跨がるようにピン部材22が設けられて
いる。スリ−ブ17が噛合歯15および16にそれぞれ
係合した差動ロック時にあっても、ピン部材22によっ
て両ケーシング7と8との相対回転が強固に規制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つのケーシング
の螺合位置を調整することによって差動制限特性が変更
されるカップリング部材を用いた動力伝達装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】動力伝達装置、例えば自動車の駆動系に
おいては、左右車輪間の差動のため、あるいは前後車輪
間の差動のために、差動装置が設けられる。このような
差動装置の中には、2つのケーシングの螺合位置を調整
することによって差動制限特性が変更されるカップリン
グ部材がある。このカップリング部材は、例えば特開平
4ー224423号公報に示すように、基本的に、ケー
シング内に、湿式多板クラッチと、押圧ピストンと、該
押圧ピストンにより画成された滞留室とを有して、滞留
室内にブレードが配設された構造となっている。このよ
うなカップリング部材は、ケーシングと常時一体回転す
る第1軸と、ケーシングと相対回転可能とされた第2軸
との間に生じた回転差に応じて滞留室内に圧力が生じ
て、この圧力が押圧ピストンを介して多板クラッチを押
圧して、第1軸と第2軸との間で動力伝達を行うことに
なる(差動制限機能)。
【0003】上記カップリング部材のケーシングは、通
常、略カップ状とされた第1ケーシングに対して、略リ
ッド状とされた第2ケーシングを螺合することにより構
成されて、使用状態では両ケーシング同士が常時一体回
転されるようになっている。そして、両ケーシングの螺
合位置つまり螺合量を調整することによって、差動制限
特性の初期値を変更することができる。また、ブレード
の形状を変更することにより差動制限特性を変更するこ
とができ、例えばブレードを非対称形状にすることによ
り、正転方向と逆転方向との差動制限機能に相違を与え
ることができる。このように、カップリング部材は、そ
の差動制限特性の設定の自由度が極めて高いことから、
種々の動力伝達分野における差動制限装置として大いに
期待されている。
【0004】ところで、カップリング部材のような流体
式の差動制限装置においては、差動を完全にロックする
作動ロック装置の付設が望まれることが多く、機械的に
ロックを行う差動ロック機構が付設されることが多い。
このような要求を満足するため、前記公報に記載のよう
に、差動制限および差動ロックされる第1軸と第2軸と
の一方に、カップリング部材における略カップ状のケー
シングを固定する一方、この略カップ状のケーシングと
他方の軸との間に、機械式の差動ロック機構(ドグクラ
ッチ)を構成することが提案されている。より具体的に
は、略カップ状のケーシングの開口端縁部(略リッド状
のケーシングが螺合される側の端部)外周に、第1噛合
歯を形成する一方、この第1噛合歯に対抗させて他方の
軸に第2噛合歯を形成して、第1、第2の噛合歯の一方
に常時係合する歯付きスリ−ブを摺動自在に設けて、該
スリ−ブを他方の噛合歯に係合させることにより差動ロ
ック状態とし、スリ−ブを他方のクラッチから係合解除
することによりカップリング部材による差動制限状態を
得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載のように、略カップ状のケーシングの外周に差動
制限用の噛合歯のような係合部を形成した場合は、この
係合部の径が極めて大きくなり、しかも差動制限と差動
ロックとの切換を行うスリ−ブはさらに略カップ状のケ
ーシングの外周に配置されることから、全体として径方
向に極めて大きなものとなってしまう。また、スリ−ブ
が大きくなると、切換操作時に若干傾いた状態で移行し
た場合に切換不良が生じる可能性がある。これは、リッ
ド状のケーシングが前述したように螺合されており、差
動制限時に駆動トルクを入力するだけの締結力を有して
いないことにより、必然的に略カップ状のケーシングと
シャフトとの間で差動制限を行うしかなかったためであ
る。
【0006】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その目的は、カップリング部材の差動ロッ
クを機械式に行う場合に、全体としてコンパクトに、特
に径が大きくならないようにした動力伝達装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明にあってはその第1の解決手法として次のよ
うにしてある。すなわち、略カップ状の第1ケーシング
に対して略リッド状の第2ケーシングが螺合されて、そ
の螺合位置を調整することによって差動制限特性が変更
されるカップリング部材と、前記カップリング部材の差
動を制限する機械式の差動ロック機構と、を備えた動力
伝達装置において、前記第2ケーシングに対して、前記
差動ロック機構用の係合部が形成され、前記第1ケーシ
ングと第2ケーシングとを固定して、前記差動ロック機
構が作動されたときの外力に抗して該第1ケーシングと
第2ケーシングとが相対回転するのを防止する固定手段
が設けられている、ようにしてある。上記解決手法を前
提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求
項2〜請求項4に記載のとおりである。
【0008】前記目的を達成するため、本発明にあって
はその第2の解決手法として次のようにしてある。すな
わち、互いに同一軸線上に配置された第1軸と第2軸と
の間の差動制限を行うと共に2つのケーシングの螺合位
置を調整することによって差動制限特性が変更されるカ
ップリング部材と、該第1軸と第2軸とを機械的に連結
して差動ロックを行うドグクラッチ式の差動ロック機構
と、を備えた動力伝達装置において、前記カップリング
部材のケーシングが、前記第1軸と第2軸との一方に対
して常時一体回転するように固定された略カップ状の第
1ケーシングと、前記第1ケーシングの開口端縁部に螺
合されると共に前記カップリング部材の押圧ピストンと
共働して滞留室を画成する略リッド状の第2ケーシング
とから構成され、前記差動ロック機構が、前記第2ケー
シングに形成された第1噛合歯と、該第1噛合歯と対抗
するように前記第1軸と第2軸の他方に形成された第2
噛合歯と、前記第1軸と第2軸の軸線方向に変位可能と
されて該第1噛合歯と第2噛合歯との係合、係合解除を
切換える歯付きスリ−ブとを備え、前記第1ケーシング
と第2ケーシングとの螺合位置において、該第1ケーシ
ングと第2ケーシングとに跨がるようにしてピン部材が
配設されて、該ピン部材によって該第1ケーシングと第
2ケーシングとの相対回転が強固に制されている、よう
にしてある。上記解決手法を前提とした好ましい態様
は、特許請求の範囲における請求項6に記載のとおりで
ある。
【0009】
【発明の効果】請求項1によれば、差動ロック用の係合
部を、径の大きな略カップ状の第1ケーシングに形成す
ることなく、略リッド状とされた第2ケーシングに形成
するようにしたので、つまり差動ロック用の係合部の形
成位置の設定について第1ケーシングに比して自由度の
大きい第2ケーシングとするようにしたので、この差動
ロック用係合部を小さな径とすることができ、全体とし
てコンパクトにする上で好ましいものとなる。また、固
定手段によって、第1ケーシングと第2ケーシングとの
相対回転を強固に規制するようにしてあるので、差動ロ
ック時に第1ケーシングと第2ケーシングとの間に作用
する大きな相対回転力に抗して、該第1ケーシングと第
2ケーシングとを所定の螺合位置の状態に保持しておく
ことができ、カップリング部材の差動制限特性が不用意
に変化してしまうという事態を確実に防止することがで
きる。
【0010】請求項2によれば、ピン部材を用いて、第
1ケーシングと第2ケーシングとの相対回転を極めて強
固に防止することができ、また溶接などで固定するより
もケーシング部材の変形などを考慮せずに装置を構成す
ることができる。請求項3によれば、螺合位置を有効に
利用してピン部材を配設して、螺合位置とは別の位置に
ピン部材を配設する場合に比して構造の簡単化あるいは
コンパクト化を図ることができる。請求項4によれば、
回転に伴う遠心力によって、ピン部材が抜け出てしまう
ような事態をより確実に防止する上で好ましいものとな
る。
【0011】請求項5によれば、請求項1、請求項2、
請求項3に対応した効果を得ることができると共に、差
動ロック機構として一般的なドグクラッチを用いて、確
実な差動ロックを得る上で好ましいものとなる。請求項
6によれば、全体として差動ロック機構を有しないもの
と同じ外周径とされたコンパクトとなものとすることが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態を示す
もので、前輪駆動車をベースとして後輪をも駆動するよ
うにした4輪駆動車に適用した場合の例を示すものであ
る。この図1において、1はデフケースあるいはトラン
スファケースに固定される本体ケースであり、本体ケー
ス1は、ケース構成体1Aと1Bとをボルト2によって
一体化することにより構成されている。
【0013】本体ケース1には、互いに同一軸線上に位
置するように、入力軸3、中間軸4、出力軸5が保持さ
れている。入力軸3と中間軸4とは、互いにスプライン
係合することにより常時一体回転するように構成され
て、実質的に1本の軸を構成する。この軸3、4と軸5
との一方が第1軸となり、他方が第2軸となる。
【0014】6はカップリング部材であり、このカップ
リング部材6は、2つのケーシング7と8とを有する。
ケーシング7は、略円筒状とされて、出力軸5の前端部
に形成されたフランジ部5aに対してボルト9を利用し
て固定されて、このフランジ部5aとケーシング7とに
よって、カップリング部材6の略カップ状とされた第1
ケーシングが構成される。
【0015】ケーシング8は、略リッド状とされた第2
ケーシングを構成するもので、ケーシング7のうちフラ
ンジ部5aとは反対側の開口端縁部に対して螺合されて
いる。この螺合部分が符合10で示されるが、図2に詳
細に示すように、ケーシング7の内面に雌ねじ部10a
と、ケーシング8外周に形成された雄ねじ部10bとを
螺合することにより構成されている。なお、この螺合は
きつい状態で行われて、若干の外力ではケーシング7と
8とが相対回転しないようにされている。そして、後に
詳述するように、このケーシング7と8との相対回転
が、ピン部材を用いて強固に防止されている。
【0016】カップリング部材6内には、ケーシング8
に対向させて押圧ピストン11が軸線方向に摺動自在に
配設され、この押圧ピストン11とケーシング8とによ
って、滞留室12が画成されている。この滞留室12内
には、高粘性流体(例えばシリコンオイル)が充填され
ると共に、中間軸4と常時一体回転されるブレード13
が配設されている。
【0017】カップリング部材6内には、押圧ピストン
11を挟んで滞留室12とは反対側において、湿式多板
クラッチ14が配設されている。このクラッチ14は、
中間軸4つまり入力軸3と常時一体回転するドライブプ
レ−ト14aと、ケーシング7つまり出力軸5と常時一
体回転するドリブンプレ−ト14bとから構成されてい
る。
【0018】第2ケーシングとなるケーシング8と入力
軸3との間には、ドグクラッチ式の差動ロック機構Rが
構成されている。すなわち、ケーシング8は、中間軸4
つまり入力軸3に対して相対回転可能に嵌合保持されて
いるが、このケーシング8には、中間軸4に沿って入力
軸3側に向けて若干長く伸びるボス部8aが形成されて
いる。このボス部8aは、ケーシング7、8よりも十分
小さな径とされて、当該ボス部8aの先端部(前端部)
外周には、差動ロック機構R用の第1噛合歯15が形成
されている。
【0019】一方、入力軸3には、別途小さな径の歯車
が常時一体回転するように例えばスプライン結合によっ
て取付けられ、その外周に形成されている歯部が、差動
ロック機構Rの第2噛合歯16とされている。この第2
噛合歯16は、前記第1噛合歯15に対して、軸方向に
小間隔をあけて対向されている。
【0020】差動ロック機構Rは、さらに、スリ−ブ1
7を備えている。このスリ−ブ17は、軸線方向に変位
可能とされて、その内面に、噛合歯15、16に噛合可
能な歯部17aを有する。このようなスリ−ブ17は、
常時第1噛合歯15に対して噛合された状態で、ケーシ
ング8に保持されている。スリ−ブ17(の歯部17
a)が、図1実線で示すように、第2噛合歯16と噛合
解除された状態が、カップリング入力状態(差動ロック
解除状態)となる。また、スリ−ブ17(の歯部17
a)が、図1一点鎖線で示すように第1噛合歯16と噛
合するように変位されたときは、入力軸3とケーシング
8(つまり出力軸5)とが機械式に連結された差動ロッ
ク状態となる。
【0021】スリ−ブ17は、本体ケース1に軸方向に
摺動自在に保持された操作ロッド18に対して連結され
ている。図示を略すアクチュエ−タによって操作ロッド
18を摺動変位させることによって、スリ−ブ17が前
述した差動制限状態(に対応した位置)と差動ロック状
態(に対応した位置)とに切換えられる。
【0022】カップリング部材6のケーシング7と8と
の螺合部分の詳細が、図2に示される。この図2におい
て、ケーシング8の外周縁部には、螺合部分10を軸方
向に比較的長く確保するために、軸方向に若干長く伸び
るフランジ部8bが形成されて、このフランジ部8bに
雄ねじ部10bが形成されている、このような螺合部分
10には、ケーシング7と8とに渡って貫通するよう
に、カップリング部材6の略径方向に伸びる取付孔21
が形成されて、この取付孔21に、ピン部材22が圧入
されている。このような取付孔21およびピン部材22
は、周方向複数箇所(例えば周方向略等間隔に2〜4か
所)に設けられている。
【0023】ここで、ケーシング7と8とは、所定の差
動制限特性が得られるように(滞留室12の初期圧力が
所定のものとなるように)、所定の螺合位置(螺合量)
で螺合されるが、この後に取付孔21が加工(形成)さ
れ、この後ピン部材22が取付孔21に嵌合(圧入)さ
れることになる。これにより、所定の螺合位置で組み付
けられたケーシング7と8とは、ピン部材22によって
その相対回転が強固に規制されることになる。この取付
孔21とピン部材22とが、固定手段を構成することに
なる。
【0024】以上のような実施の形態において、スリ−
ブ17と第2噛合歯16との係合が解除された状態、つ
まり差動制限状態(差動ロック解除状態)を考える。こ
のとき、エンジンからの駆動力を受ける入力軸3の回転
数(前輪の回転数)に対して、後輪つまり出力軸5の回
転数が小さくなるほど(回転数差が大きくなるほど)、
滞留室12で発生する圧力が大きくなって、押圧ピスト
ン11による多板クラッチ14の押圧力が大きくなる。
つまり、入力軸3と出力軸5との回転数差が小さいとき
は出力軸5へは小さなトルクしか伝達されないが、この
回転数差が大きくなると出力軸5へ大きなトルクが伝達
されることになる。上記回転数差と出力軸5へ伝達され
るトルクの大きさとの関係となる差動制限特性の変更
は、前述のように螺合部分10での螺合位置を変更する
ことによりできる他、ブレード13の形状(大きさを含
む)を変更することによりできる。
【0025】次に、スリ−ブ17と第2噛合歯16との
係合が行われた状態、つまり差動ロック状態を考える。
このときは、入力軸3の回転は、第2噛合歯16、スリ
−ブ17、第1噛合歯15、ケーシング8、螺合部分1
0(=ピン部材22)、ケーシング7を介して、出力軸
5へ伝達される。つまり、カップリング部材6の多板ク
ラッチ14をバイパスした動力伝達となって、前輪と後
輪との直結状態となる。
【0026】図3〜図5はそれぞれ、ケーシング7と8
とを結合するピン部材の変形例を示すものである。先
ず、図3の例は、取付孔21を、径方向外側へ向うにつ
れて徐々に細径となるようにする一方、ピン部材22も
径方向外側へ向うにつれて徐々に細径となるようにした
ものである。この場合、ピン部材22の取付孔21に対
する圧入は、径方向内方側から行われることになる。こ
の図3の場合は、回転に起因して発生するピン部材22
に作用する径方向外方側へ向けての遠心力に抗して、当
該ピン部材22が取付孔21から抜け出てしまう事態が
より確実に防止されることになる(上記徐々なる径の変
更が変位規制手段を構成する)。
【0027】図4は、図2の場合に比して、ピン部材2
2の径方向内方側端部に、取付孔231よりも大径とさ
れた変位規制手段としての大径部22aを形成したもの
である。この図4の場合は、大径部22aが、ケーシン
グ8の内周面に対する係止部として機能されて、前述し
た遠心力に起因するピン部材22の取付孔21からのよ
り確実な脱落防止が図られている。
【0028】図5の場合は、図1の場合に比して、ピン
部材22の先端面つまり径方向外側へ向う端面が、ケー
シング7の外周面よりも若干引っ込んだ位置となるよう
にされている。そして、取付孔21に対してピン部材2
2を上述のように圧入した後、ケーシング7の外周面を
かしめ等によって塑性変形させて、この塑性変形された
変形部分23によって、ピン部材22の取付孔21から
の脱落を防止するようにしてある(変形部分23が変位
規制手段を構成する)。
【0029】以上実施の形態について説明したが、本発
明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むもの
である。図2において、ケーシング8の外周面を、ピン
部材22と共にかしめ等により塑性変形させて、図5の
場合と同じような効果を得ることができる。また、ピン
部材22の取付位置を、螺合部部10以外の部分に設定
することもできる。
【0030】ケーシング7と8との相対回転を防止する
固定手段としては、ピン部材22を用いる他、適宜の手
法を用いることができ、ケーシング7と8とを例えば螺
合部分10においてアーク溶接したりあるいはスポット
溶接するようにしてもよい。ただし、アーク溶接の場合
は、溶接深さがあまり大きくできないという点を考慮す
る必要がある。また、スポット溶接の場合は、特にケー
シング7、8を鋳鉄性としたときは、十分なナゲットを
形成するのが難しいということを考慮する必要がある
(溶接電圧を大きくすると、ケーシング7、8の変形を
きたすおそれがある)。
【0031】本発明は、後輪駆動車をベースとして前輪
を駆動する場合の差動制限、差動ロック用として適用し
たり(例えばトランスファ中に組み込む)、左右車輪の
間での差動制限、差動ロック用として適用する等、自動
車において用いられている差動制限、差動ロック部分の
適宜の位置に適用することができる。勿論、自動車用に
限らず、差動制限、差動ロックが要求される適宜の動力
伝達系路中に組み込んで使用することができる。また、
略カップ状とされた第1ケーシングは、略円筒状部分
(7)とその底壁部分(5a)を一体成形することもで
きる。
【0032】差動ロック機構Rは、ドグクラッチに回転
同期機構を組み込むようにしてもよく、またドグクラッ
チ式に限らず適宜の形式のものを採択することができ
る。
【0033】本発明は、ケーシング7と8とを螺合した
後、取付孔21を形成し、さらにこの後にピン部材22
を圧入する、というカップリング部材6の製造方法とし
て把握することも可能である。また、本発明の目的は、
明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利
点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含
むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す側面断面図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】図2の変形例を示す要部拡大断面図。
【図4】図2の別の変形例を示す要部拡大断面図。
【図5】図2のさらに別の変形例を示す要部拡大断面。
【符合の説明】
3:入力軸(他方の軸) 4:中間軸(他方の軸) 5:出力軸(一方の軸) 5a:フランジ部(第1ケーシングの底壁部) 6:カップリング部材 7:ケーシング(第1ケーシングの略円筒状部分) 8:ケーシング(第2ケーシング) 10:螺合部分 10a:雌ねじ部 10b:雄ねじ部 11:押圧ピストン 12:滞留室 13:ブレード 14:多板クラッチ 15:第1噛合歯(係合部) 16:第2噛合歯(係合部) 17:スリ−ブ 17a:歯部 21:取付孔 22:ピン部材 22a:大径部(変位規制手段) 23:塑性変形部(変位規制手段) R:差動ロック機構
フロントページの続き (72)発明者 白石 優 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 佐々木 雅弘 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略カップ状の第1ケーシングに対して略リ
    ッド状の第2ケーシングが螺合されて、その螺合位置を
    調整することによって差動制限特性が変更されるカップ
    リング部材と、 前記カップリング部材の差動を制限する機械式の差動ロ
    ック機構と、を備えた動力伝達装置において、 前記第2ケーシングに対して、前記差動ロック機構用の
    係合部が形成され、 前記第1ケーシングと第2ケーシングとを固定して、前
    記差動ロック機構が作動されたときの外力に抗して該第
    1ケーシングと第2ケーシングとが相対回転するのを防
    止する固定手段が設けられている、ことを特徴とする動
    力伝達装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記固定手段が、前記カップリング部材の略径方向に伸
    びて、前記第1ケーシングと第2ケーシングとに跨がっ
    て配設されたピン部材を備えている、ことを特徴とする
    動力伝達装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記ピン部材が、前記螺合位置に配設されている、こと
    を特徴とする動力伝達装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、 回転中に前記カップリング部材の径方向外方側へ向けて
    前記ピン部材が変位するのを規制する変位規制手段が設
    けられている、ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 【請求項5】互いに同一軸線上に配置された第1軸と第
    2軸との間の差動制限を行うと共に2つのケーシングの
    螺合位置を調整することによって差動制限特性が変更さ
    れるカップリング部材と、該第1軸と第2軸とを機械的
    に連結して差動ロックを行うドグクラッチ式の差動ロッ
    ク機構と、を備えた動力伝達装置において、 前記カップリング部材のケーシングが、前記第1軸と第
    2軸との一方に対して常時一体回転するように固定され
    た略カップ状の第1ケーシングと、前記第1ケーシング
    の開口端縁部に螺合されると共に前記カップリング部材
    の押圧ピストンと共働して滞留室を画成する略リッド状
    の第2ケーシングとから構成され、 前記差動ロック機構が、前記第2ケーシングに形成され
    た第1噛合歯と、該第1噛合歯と対向するように前記第
    1軸と第2軸の他方に形成された第2噛合歯と、前記第
    1軸と第2軸の軸線方向に変位可能とされて該第1噛合
    歯と第2噛合歯との係合、係合解除を切換える歯付きス
    リ−ブとを備え、 前記第1ケーシングと第2ケーシングとの螺合位置にお
    いて、該第1ケーシングと第2ケーシングとに跨がるよ
    うにしてピン部材が配設されて、該ピン部材によって該
    第1ケーシングと第2ケーシングとの相対回転が強固に
    制されている、ことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記第2ケーシングが、前記第1軸と第2軸の他方に沿
    って伸びると共に前記前記第1ケーシングの径よりも十
    分小さい径とされたボス部を有し、 前記ボス部の外周に前記第1噛合歯が形成され、 前記スリ−ブの外周径が、前記第1ケーシング、第2ケ
    ーシングの外周径よりも小さくされている、ことを特徴
    とする動力伝達装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009002503A (ja) * 2007-05-18 2009-01-08 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 駆動力分配伝達装置

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JP2009002503A (ja) * 2007-05-18 2009-01-08 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 駆動力分配伝達装置

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