JPH10252296A - 移動観覧席 - Google Patents

移動観覧席

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JPH10252296A
JPH10252296A JP5533297A JP5533297A JPH10252296A JP H10252296 A JPH10252296 A JP H10252296A JP 5533297 A JP5533297 A JP 5533297A JP 5533297 A JP5533297 A JP 5533297A JP H10252296 A JPH10252296 A JP H10252296A
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Japan
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drive shaft
auxiliary step
power transmission
chair
transmission mechanism
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Teruyuki Kimura
晃之 木村
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Kokuyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時における補助ステップのガタつきをなく
し、安定した設置状態を実現する。 【解決手段】椅子25の起倒動作を司る駆動軸26の動
力を利用して補助ステップ6を進退駆動すべく、入力端
75aを駆動軸26に連結し動作端71aを補助ステッ
プ6に接続して伸縮可能にリンク方式の動力伝達機構7
を配設する。そして、この動力伝達機構7を、駆動軸2
6の駆動により椅子25が起立位置に達する手前で補助
ステップ6を使用位置Pに引き込むように設定し、かつ
使用位置Pに後退した補助ステップ6が当接する位置に
ボルト9を設けて、椅子25が更に起立位置に向かう間
にこの補助ステップ6をボルト9に向けて押し付け得る
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体育館や多目的ホ
ール等に設置して使用される移動観覧席に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近時、体育館等の館内を多目的に使用す
るための移動観覧席が種々開発されている。この種の移
動観覧席は、高さの異なる複数の段床の各々に椅子を駆
動軸を通じて起倒動作可能に配設し、使用時に段床を雛
壇状に展開させて椅子を起立させ、収納時に椅子を倒伏
させて各段床を上下方向に重合させるように構成され
る。また、近時の移動観覧席には、段床間の移動を容易
にする等の目的より、各段床に補助ステップが設けられ
る場合がある。この補助ステップは、リンク方式の動力
伝達機構を介して駆動軸に連結されており、この駆動軸
の駆動力を利用して、段床の後端側に設定した使用位置
と該段床の前端側に設定した収納位置との間で進退動作
されるように構成されている。
【0003】なお、各段床の前縁に、収納位置で略面一
な壁面を形成するフロントパネルを立設し、このフロン
トパネルの一部に展開時に通路を確保するための切欠部
を設けておく場合があるが、このような構成において、
前記補助ステップの進退動作は、収納位置で各段床の前
縁に開口する切欠部を閉塞する部材としても兼用されて
いる場合が少なくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の動力伝達機構は、駆動軸の駆動に伴って、椅子が
起立位置に達したときに補助ステップが使用位置に達
し、椅子が倒伏位置に達したときに補助ステップが収納
位置に達するように設定されている。このため、駆動軸
が一方の駆動端で停止し、椅子が起立位置に、補助ステ
ップが使用位置にそれぞれ保持されている状態に着目す
ると、補助ステップは動力伝達機構を介して駆動軸に係
合しているだけであるため、動力伝達機構を構成する各
リンクメンバ相互の枢結部分等にガタつきが存在する場
合、それに起因して補助ステップ全体にガタつきが生じ
易く、使用状態が不安定なものになり易いという問題が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、駆動軸の駆動力を利用して補助ステ
ップを動力伝達機構により使用位置に引き込んだ後、更
に引き続き駆動軸の駆動力を利用して動力伝達機構を構
成するリンク自体を引き締めてガタつきを除去するよう
に構成することとしている。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、この種の移
動観覧席としての一般的構成を備えてなるものにおい
て、駆動軸の駆動力を補助ステップに伝達するための動
力伝達機構を、駆動軸の駆動による椅子の起立動作に伴
って該椅子が起立位置に達する手前で補助ステップを使
用位置にまで後退させるように設定するとともに、使用
位置に後退した補助ステップの一部が当接する位置にス
トッパを設け、椅子が更に起立位置に達する間に該補助
ステップをストッパに向けて押し付け得るように構成し
てなることを特徴とする。
【0007】このような構成のものであれば、椅子が起
立位置に向かって駆動軸により駆動されるとき、補助ス
テップが同時に使用位置に向かって後退する。そして、
椅子が起立位置に至るよりも先に補助ステップが使用位
置に到達する。しかして、椅子及び補助ステップは共に
共通の駆動軸により駆動されるものであり、駆動軸は椅
子を起立位置に保持するまでは更に回転することとなる
が、この間、補助ステップはストッパに当接して係止さ
れた状態にあるため、動力伝達機構はその後、補助ステ
ップにより動作端が拘束された状態で入力端のみが引き
続き補助ステップを後退させる方向つまり動作端を引き
込む方向に駆動される。すなわち、入力端に入力される
駆動力は動作端からは出力されず、リンクの内部応力と
して蓄積される。その際、動力伝達機構を構成する各リ
ンク相互の枢結部分等にガタつきが存在する場合、内部
応力はそのガタつきを無くす方向にリンク同士を偏倚さ
せることで放出される。このような作用を利用して、駆
動軸が駆動端で停止したとき、リンクひいては補助ステ
ップにガタつきのない安定した状態を実現することがで
きる。
【0008】ストッパを、螺進退可能なボルトによって
構成した場合には、補助ステップを動力伝達機構との関
係において適正な停止位置に容易に調節することができ
る。動力伝達機構の好ましい実施の態様としては、リン
クメンバをパンタグラフ状に連結して構成したものが挙
げられる。このようなものであれば、入力端の僅かな駆
動量によって動作端を大きく伸縮駆動することができ、
また、パンタグラフを構成するリンクメンバ相互の枢結
位置の選定等を通じてその伸縮ストロークも自在に設定
することができる。
【0009】動力伝達機構の具体的な実施の態様として
は、駆動軸に連動して固定支軸回りに水平回動可能な回
動アームを具備し、この回動アームに該動力伝達機構の
入力端を枢結しているものが挙げられる。このように構
成すれば、回動アームの固定支軸回りの回動動作によ
り、動作変換機構の入力端への駆動力の付与を安定、確
実に行うことができる。
【0010】この場合、椅子が起立位置に達する間に、
動力伝達機構の入力端を回動アームの固定支軸に対する
思案点を通過する位置にまで駆動するように設定してお
くことが有効となる。このようにすれば、椅子が起立位
置に、補助ステップが使用位置にそれぞれ位置づけられ
た状態で、動力伝達機構のリンクから回動アームに内部
応力に応じた反力が作用したとしても、その反力は動作
端にある駆動軸に静止負荷として作用するだけであり、
駆動軸を逆転させる力とはならない。このため、補助ス
テップの使用状態をより安定なものにすることができ
る。
【0011】また、駆動軸の回転動作を回動アームの水
平回動動作に変換するための好ましい実施の態様として
は、両者間を一対の傘歯車を介して連結しているものが
挙げられる。補助ステップと駆動軸の間に一対の動力伝
達機構が配設されている場合に、各々の動力伝達機構の
作動上のズレを微調整して補助ステップを適正に同期駆
動できるようにするためには、駆動軸を左右に分断して
その間をカップリングにより連結し、その分断した各々
の駆動軸にそれぞれ対応する各動力伝達機構の入力端を
連結しておくことが好ましい。
【0012】補助ステップの滑らかな進退動作を実現す
るためには、該補助ステップをサスペンションレール機
構を介して段床に支持させておくことが望ましい。段床
の収納時における見栄えを良好なものにするためには、
各段床の前縁に、収納位置で略面一な壁面を形成するフ
ロントパネルを立設し、これらフロントパネルの所定箇
所に補助ステップの前面形状に略合致する切欠部を設け
て、収納位置にある各フロントパネルの切欠部を補助ス
テップにより閉塞するように構成しておくことが有効と
なる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。この移動観覧席は、図1及び図2に示すよう
に、前縁2aにそれぞれフロントパネル1を有してなる
複数段の段床2を具備し、それら各段床2をフロントパ
ネル1が略面一となる収納位置(図2参照)と雛段状に
展開される使用位置(図1参照)との間で伸縮動作させ
得るように構成したもので、各段床2を支持する走行フ
レーム3の構造や、これら各走行フレーム3を進退させ
る駆動機構4等は従来のものと基本的に同様であるため
説明を省略する。
【0014】段床2は、上面に床板21を有し、その床
板21の後半部分に椅子ユニット22を備えている。椅
子ユニット22は、ユニットフレーム23に図3に示す
ように支柱24を起倒可能に保持させておき、その支柱
24により椅子25を支持してなる通常のもので、椅子
25が偏平に折畳まれて床面2b上に倒れ込む図4に示
す倒伏位置から支柱24を後方に回動させると、該支柱
24の上方に支持された椅子25が図3に示す起立位置
にまで回動して停止するように構成されるものである。
各支柱24の起倒動作は、ユニットフレーム23内に挿
通させた駆動軸26の正逆回動動作に伴って一斉に行わ
れ得るように構成されている。この駆動軸26は、長手
方向所要箇所が分断されその分断部分がカップリング2
6aにより一体回転可能に連結された構造のもので、段
床2の一側縁近傍から他側縁近傍に亘って挿通させてあ
る。そして、段床2の側縁に設けた図示しないモータ等
の駆動源により、椅子25を起倒駆動するに必要な角度
範囲内で正逆回動動作を行うようになっている。なお、
フロントパネル1は、段床2の前縁2aに固設されたも
ので、その上縁1aは、床面2bよりも上位にあって上
段側の段床2の下面に接近し得る位置に設定してある。
【0015】ところで、本実施例は、図3及び図4に示
すように、各段床2の幅方向所要箇所において、フロン
トパネル1に上縁1aから床面2bに亘る所定箇所を切
り欠いた切欠部5を設けるとともに、段床2の床面2b
上に前後移動可能に補助ステップ6を配設している。こ
の補助ステップ6は、扁平な箱型のもので、図5に示す
ように、左右の側板の内面が一般的構造のサスペンショ
ンレール機構8を介して段床2の床面2b上に前後に移
動可能に支持されている。
【0016】そして、この補助ステップ6と駆動軸26
との間に一対の動力伝達機構7を介在させ、椅子25の
起倒動作に連動して、補助ステップ6が段床2の前端側
にあってその前面6aがフロントパネル1の前面1bと
略面一となる収納位置Q(図4参照)と、補助ステップ
6が段床2の後端側にあってその背面6bが上段の段床
2のフロントパネル1に近接する使用位置P(図3参
照)との間で進退駆動するようにしている。
【0017】詳述すると、動力伝達機構7は、図5に示
すように、前後のメインリンクメンバ71、72と前後
のサブリンクメンバ73、74とを4つの枢結点7a、
7b、7c、7dを介して概略菱形に連結したパンタグ
ラフ部7Xと、このパンタグラフ部7Xのうち前記メイ
ンリンクメンバ72の中間部近傍に設定した枢結点7e
に一端を枢結したパワーリンクメンバ75とを主体とし
て構成されるもので、メインリンクメンバ72の後端は
鉛直軸7fを介して床面2bに枢着され、メインリンク
メンバ71の動作端71aは補助ステップ6の側縁近傍
の下面に鉛直軸7gを介して枢着されている。そして、
入力端である前記パワーリンクメンバ75の他端75a
を、固定支軸n回りに回転可能に配設した回動アーム7
6の回動端に枢結点7iを介して枢結している。この回
動アーム76は、同一固定支軸n回りに配設した傘歯車
77の上面に固設されているもので、左右一対に配設し
た各動力伝達機構7の傘歯車77は、各々の近傍に直交
配置した傘歯車78に噛合し、これらの傘歯車78は、
それぞれカップリング26aにより画された駆動軸26
の各対応部分に同期回転可能に固設してある。すなわ
ち、駆動軸26の回転に伴って傘歯車78、77が回転
し、回動アーム76がその動力をパワーリンクメンバ7
5の入力端75aに伝達すると、パワーリンクメンバ7
5が突没してパンタグラフ部7Xを拡縮させ、その動作
端71aを介して補助ステップ6を図3、図5及び図7
に示す使用位置Pと図4、図6及び図8に示す収納位置
Qとの間で進退駆動するようにしている。
【0018】このような構成において、本実施例は、前
記補助ステップ6が使用位置Pに後退したとき、その背
面6bが当接する位置にストッパたるボルト9を配設し
ている。このボルト9は、図5及び図7に示すように、
床面2bに固定した鉛直ブラケット部90にナット90
aを介して螺装してなるもので、先端9aを後退した補
助ステップ6の背面6bに当接させ、該補助ステップ6
のそれ以上の後退動作を禁止し得るものである。
【0019】また、駆動軸26を所要角度回転させるこ
とによって椅子25を倒伏位置から起立位置にまで回動
させるとき、本実施例では回動アーム76が図6に示す
位置から図10に想像線で示す位置まで回動し得るよう
に構成しているのであるが、その際、椅子25が完全な
起立位置に達する手前、つまり駆動軸26が所要角度回
転し終わる以前の図5及び図9に示す回動アーム76の
回転位置において、前記パワーリンクメンバ75の入力
端75a及びパンタグラフ部7Xの動作端71aを介し
て補助ステップ6の背面6bをボルト9の先端9aに当
接する位置にまで引き込むように設定している。そし
て、この位置から更に駆動軸26が最終的に椅子25を
起立位置にまで回動させる間に、回動アーム76を、図
9に想像線で示す位置を経て図10に想像線で示す位置
にまで回動させるするようにしている。つまり、補助ス
テップ6がボルト9に当接して停止した以降、動作端7
1aが該補助ステップ6により拘束された状態で入力端
75aのみが引き続き補助ステップ6を後退させる方向
に引き込まれるように設定することにより、パンタグラ
フ部7X内に内部応力として蓄積し、その反力をパワー
リンクメンバ75の入力端75aに作用させるようにし
ている。この場合、その反力は、図9に想像線で示すよ
うにパワーリンクメンバ75と回動アーム76が重合す
るときの入力端75aの位置(思案点S)を基準にした
場合、該入力端75aが進み側、遅れ側の何れの領域に
あるかによって傘歯車77、78を介して駆動軸26に
及ぶ反力の方向が反転する。しかして、この実施例で
は、当該思案点Sを越える図10の想像線の位置にまで
回動アーム76を通じて入力端75aを駆動するように
構成し、椅子25が起立位置に達し駆動軸26が駆動端
に達したときに該駆動軸26が反力により逆回転駆動さ
れる事を防止すると同時に、その駆動端においても補助
ステップ6をボルト7に押し付ける内部応力がパンタグ
ラフ部7Xに残存しているように設定している。
【0020】次いで、この実施例の作動を説明する。こ
の移動観覧席を展開する際には、先ず段床2を雛段状に
展開した後、駆動軸26を所要角度回転させることによ
って、倒伏状態にある椅子25を、支柱24を回動させ
て使用位置に移行させる。このとき、動作変換機構7を
構成するパンタグラフ部7Xが収縮して各補助ステップ
6が図4に示す収納位置Qから図3に示す使用位置Pに
後退し、段床2の床面2bと、補助ステップ6の上面
と、上段側の段床2の床面2bとが順次階段状に配列さ
れることになり、円滑な昇降歩行が可能となる。また、
収納する際には、駆動軸26を支柱24が前方に回動す
る方向に所要角度回動させることによって、椅子25を
床面2b上に倒伏させるともに、これに連動してパンタ
グラフ部7Xを拡開させて各補助ステップ6を図4に示
す収納位置Qにまで前進させ、しかる後に各段床2を重
合状態となる位置にまで退避させる。このとき、補助ス
テップ6が切欠部5に進出して、フロントパネル1の前
面1bの開口が閉塞される。したがって、段床を雛壇状
に展開している使用位置から相互に重合する収納位置に
まで退避させると、各フロントパネル1の前面が補助ス
テップ6と共に面一な壁面を形成することとなる。
【0021】このような動作中、本実施例では、椅子2
5を起立位置に向かって駆動軸26により駆動する際、
該椅子25が起立位置に至るよりも先に補助ステップ6
を使用位置に到達させ、その背面6bをボルト9の先端
9aに当接させるようにしている。そして、駆動軸26
により椅子26を更に起立位置にまで回動駆動する間
に、補助ステップ6をボルト9に向けて押し付けるよう
にしている。このため、動力伝達機構7はこの間、補助
ステップ6により動作端71aが拘束された状態で入力
端75aのみが補助ステップ6を後退させる方向に引き
込まれることになる。すなわち、入力端75aに入力さ
れる駆動力は動作端71aからは出力されず、動力伝達
機構7を構成するパンタグラフ部7Xに内部応力として
蓄積される。そして、枢結点7a〜7e、7iにおいて
各リンクメンバ相互間にガタつきが存在する場合、ある
いは鉛直軸7f、7gまわりにリンクのガタつきが存在
する場合には、内部応力はそのガタつきを無くす方向に
リンクメンバ同士を偏倚させること等によって放出さ
れ、このときリンクメンバ同士が図9、図10に想像線
で示すように収斂して相互に引き締め合うことになる。
このような作用を利用して、駆動軸26が駆動端で停止
したとき、パンタグラフ部7Xを始めとして動力伝達機
構7ひいては補助ステップ6にガタつきのない安定した
状態を実現することができる。
【0022】特に、本実施例では、ストッパに螺進退可
能なボルト9を用いているので、ボルト9の螺着位置を
通じて補助ステップ6を動力伝達機構7との関係におい
て適正な停止位置に容易に微調整することができる。ま
た、動力伝達機構7をパンタグラフ部7Xを主体として
構成しているため、入力端75aに僅かな駆動量を入力
するだけでその動作端71aを大きく進退駆動すること
ができ、また、パンタグラフ部7Xを構成するリンクメ
ンバ71、72、73、74相互の枢結位置を変える等
してその伸縮ストロークも容易に変更することができ
る。
【0023】さらに、動力伝達機構7を、駆動軸26に
連動して固定支軸n回りに水平回動可能な回動アーム7
6を具備してなるものにし、この回動アーム76に該動
力伝達機構7の入力端75aを枢結しているため、回動
アーム76の固定支軸n回りの回動力を入力端75aに
安定、確実に入力することができる。この場合、椅子2
6が起立位置に達する間に、動力伝達機構7の入力端7
5aを回動アーム76の固定支軸nに対する思案点Sを
通過する位置にまで駆動するように設定しているため、
椅子26が起立位置に、補助ステップ6が使用位置Pに
それぞれ位置づけられた状態で、動力伝達機構7から回
動アーム76に作用する反力は動作端にある駆動軸26
に静止負荷として作用するだけであり、回動軸26を逆
転させる力とはならない。このため、椅子26を始め補
助ステップ6などの使用状態をより一層安定なものにす
ることができる。
【0024】また、駆動軸26と回動アーム76の間を
一対の傘歯車77、78を介して連結しているため、駆
動軸26の回転動作を、これと直交する支軸nを有する
回動アーム76の回動動作に確実に変換することができ
る。さらにまた、本実施例では補助ステップ6と駆動軸
26の間に動力伝達機構7を一対に設けるにあたり、駆
動軸26を左右に分断してその間をカップリング26a
により連結し、その分断した各々の駆動軸26にそれぞ
れ対応する各動力伝達機構7の入力端75aを連結して
いるので、カップリング26aを外せば両駆動軸26の
回転位相を変位させることができ、これを通じて各々の
動力伝達機構7が正確に同期して作動し得る状態を容易
に実現することができる。
【0025】以上のような効果に加え、本実施例の移動
観覧席は、補助ステップ6をサスペンションレール機構
8を介して支持しているため該補助ステップ6に滑らか
な挙動を付与することができ、また、各段床2の前縁2
aに切欠部5を有するフロントパネル1を立設して収納
位置にある各フロントパネル1の切欠部5内に補助ステ
ップ6を進出させるようにしているため、使用時に切欠
部5を開放し補助ステップ6を所定位置に配設して通路
を形成すると共に、収納時にフロントパネル1及び補助
ステップ6により略面一な壁面を構成して良好な外観を
確保することができる。
【0026】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、上記実
施例ではリンク方式の動力伝達機構としてパンタグラフ
構造を採用したが、リンク同士が協働して入力端に入力
される動力を動作端の進退変位に変換し得るものである
限り、構造は限定されるものではない。また、ストッパ
は補助ステップの背面以外に当接させるように構成して
もよい。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかる移動観覧席は、以上説明
した構成であるから、以下に記載される効果を奏する。
先ず、椅子の起倒動作を司る駆動軸の駆動力を利用して
補助ステップを使用位置と収納位置の間で進退動作させ
るように構成すべく、駆動軸と補助ステップの間にリン
ク方式の動力伝達機構を介設するとともに、椅子が起立
位置に達する前に補助ステップを使用位置に引き込んで
ストッパに当接させ、その後椅子が更に起立位置にまで
駆動される間の駆動軸の動力を利用して動力伝達機構の
駆動端と入力端の間に内部応力を導入するようにしてい
る。このため、リンク同士の枢結部分などにガタつきが
存在する場合にも、その内部応力によってリンク同士を
ガタつきのない状態にまで引き締め、補助ステップを安
定、確実な保持下に置くことが可能となる。
【0028】前記ストッパに螺進退可能なボルトを用い
た場合には、ボルトの螺着位置を通じて補助ステップを
動力伝達機構との関係において適正な位置に停止するよ
うに容易に微調整することができる。また、動力伝達機
構をパンタグラフ構造をなすものにした場合には、入力
端に僅かな駆動量を入力するだけでその動作端を大きく
進退駆動することができ、その伸縮ストロークも枢結点
の位置変更等を通じて容易に変更することができる。
【0029】さらに、動力伝達機構を、駆動軸に連動し
て固定支軸回りに水平回動可能な回動アームを具備して
なるものにし、この回動アームに動力伝達機構の入力端
を枢結した場合には、回動アームの固定支軸回りの回動
力を入力端に安定、確実に入力することができる。この
場合、椅子が起立位置に達する間に、動力伝達機構の入
力端を回動アームの固定支軸に対する思案点を通過する
位置にまで駆動するように設定した場合には、駆動軸の
逆駆動を防いで椅子を始め補助ステップなどの使用状態
をより一層安定なものにすることができる。
【0030】また、駆動軸と回動アームの間を一対の傘
歯車を介して連結した場合には、駆動軸の回転動作を回
動アームの回動動作に確実に変換することができ、円滑
な機構上の作動を確保することができる。さらにまた、
補助ステップと駆動軸の間に動力伝達機構を一対に設け
る場合において、駆動軸を左右に分断してその間をカッ
プリングにより連結し、その分断した各々の駆動軸にそ
れぞれ対応する各動力伝達機構の入力端を連結した場合
には、カップリング部分で両駆動軸の位相調整をし、各
々の動力伝達機構の正確な同期状態を容易に実現するこ
とができる。
【0031】以上のような効果に加え、補助ステップを
サスペンションレール機構を介して支持した場合には該
補助ステップに滑らかな挙動を付与することができ、ま
た、各段床の前縁に切欠部を有するフロントパネルを立
設して収納位置にある各フロントパネルの切欠部内に補
助ステップを進出させるようにした場合には、使用時に
通路を形成するという課題と、収納時の見栄えを良好に
するという課題を有効に両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を段床を雛壇状に展開した使
用状態において示す概略側断面図。
【図2】図1に対応した収納状態の概略側断面図。
【図3】同実施例の要部を一部省略して示す斜視図。
【図4】図3に対応した作用説明図。
【図5】同実施例の要部を一部省略して示す平面図。
【図6】図5に対応した作用説明図。
【図7】図5におけるVII−VII線に沿って一部省
略して示す断面図。
【図8】図7に対応した作用説明図。
【図9】同実施例の要部の挙動を説明するための作用説
明図。
【図10】同実施例の要部の挙動を説明するための作用
説明図。
【符号の説明】
1…フロントパネル 2…段床 5…切欠部 6…補助ステップ 7…動力伝達機構 8…サスペンションレール機構 9…ストッパ(ボルト) 25…椅子 26…駆動軸 26a…カップリング 71、72…メインリンクメンバ 71a…動作端 73、74…サブリンクメンバ 75…パワーリンクメンバ 75a…入力端 76…回動アーム 77、78…傘歯車 n…固定支軸 P…補助ステップの使用位置 Q…補助ステップの収納位置 S…思案点

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用時に雛壇状に展開され収納時に重合さ
    れる複数の段床と、これら各段床に設けられ駆動軸の駆
    動力によって起立位置と倒伏位置の間で起倒動作を行う
    椅子と、各段床に配設した補助ステップと、入力端を駆
    動軸によって駆動される位置に位置づけ動作端を補助ス
    テップの一部に接続して伸縮可能に配設され駆動軸の駆
    動による椅子の起倒動作に連動して前記補助ステップを
    段床の後端側に設定した使用位置と該段床の前端側に設
    定した収納位置との間で進退動作させるリンク方式の動
    力伝達機構とを具備してなるものにおいて、 前記動力伝達機構を、駆動軸の駆動による椅子の起立動
    作に伴って該椅子が起立位置に達する手前で補助ステッ
    プを使用位置にまで後退させるように設定するととも
    に、使用位置に後退した補助ステップの一部が当接する
    位置にストッパを設け、椅子が更に起立位置に向かう間
    に該補助ステップをストッパに向けて押し付け得るよう
    に構成してなることを特徴とする移動観覧席。
  2. 【請求項2】ストッパが、螺進退可能に配設したボルト
    であることを特徴とする請求項1記載の移動観覧席。
  3. 【請求項3】動力伝達機構が、リンクメンバをパンタグ
    ラフ状に連結して構成したものであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の移動観覧席。
  4. 【請求項4】動力伝達機構が、駆動軸に連動して固定支
    軸回りに水平回動可能な回動アームを具備してなり、こ
    の回動アームに、該動力伝達機構の入力端を枢結してな
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の移動観覧
    席。
  5. 【請求項5】椅子が起立位置に達する間に、動力伝達機
    構の入力端を回動アームを介してその固定支軸に対する
    思案点を通過する位置にまで駆動するように設定してい
    ることを特徴とする請求項4記載の移動観覧席。
  6. 【請求項6】駆動軸と回動アームの間を一対の傘歯車を
    介して連結していることを特徴とする請求項4又は5記
    載の移動観覧席。
  7. 【請求項7】補助ステップと駆動軸の間に一対の動力伝
    達機構を配設してなるものにおいて、駆動軸を左右に分
    断してその間をカップリングにより連結し、その分断し
    た各々の駆動軸にそれぞれ対応する各動力伝達機構の入
    力端を連結していることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の移動観覧席。
  8. 【請求項8】補助ステップが、サスペンションレール機
    構を介して段床に支持されていることを特徴とする請求
    項1記載の移動観覧席。
  9. 【請求項9】各段床の前縁に、収納位置で略面一な壁面
    を形成するフロントパネルを立設し、これらフロントパ
    ネルの所定箇所に補助ステップの前面形状に略合致する
    切欠部を設けて、収納位置にある各フロントパネルの切
    欠部を補助ステップにより閉塞するように構成してなる
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の移動観覧席。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011001541A1 (ja) * 2009-07-03 2011-01-06 株式会社コトブキ 移動観覧席
JP2015052249A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 株式会社岡村製作所 段床構造

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