JPH10251694A - 赤さび・温泉の黒色付着物、黒さび・砂鉄・ベンガラ、コンクリート製品等に付着浸透した墨・油性インキ・ラッカースプレーの溶剤およびそれらの溶剤の製造方法 - Google Patents

赤さび・温泉の黒色付着物、黒さび・砂鉄・ベンガラ、コンクリート製品等に付着浸透した墨・油性インキ・ラッカースプレーの溶剤およびそれらの溶剤の製造方法

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JPH10251694A
JPH10251694A JP9097860A JP9786097A JPH10251694A JP H10251694 A JPH10251694 A JP H10251694A JP 9097860 A JP9097860 A JP 9097860A JP 9786097 A JP9786097 A JP 9786097A JP H10251694 A JPH10251694 A JP H10251694A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄鋼製品、繊維、石材、レンガ、タイル、コン
クリートなどに付着して浸透した鉄の赤さび・黒さび、
砂鉄、ベンガラ、温泉における黒色付着物、コンクリー
ト製品等に付着浸透した墨、油性インキ、ラッカースプ
レーを、人体に低影響で、しかも素材を損傷することな
く、アルカリ性の下で、容易かつ迅速に溶解除去する。 【解決手段】水に必ずキレート効果を有する有機酸と、
ヒドラジン或いはその水和物または亜ジチオン酸塩のど
ちらかを加え、場合に応じて、酸化性を共有しないその
他の還元剤を添加して、アルカリ性としたものを本発明
品として使用する。本発明品は、直ちに散布して5〜1
0分そのまま放置するか、またはウエスやナイロンたわ
しに染み込ませてこすり取るようにして使用し、若しく
は、直に散布した後ポリッシャー、デッキブラシ等でこ
すって使用し、即時または30分間放置の上、水洗い
後、自然乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温泉の施設、温泉
旅館・ホテル等の浴場などにおける洗浄作業、コンクリ
ートまたはモルタル等のアルカリ性コンクリート製品製
造、土木工事、建築工事、内外壁等補修作業、美装並び
に内外装工事、内外壁洗浄作業、塗装工事、磁石にくっ
ついた砂鉄の除去作業、鉄工製品製造加工、冷暖房機器
設置工事、配管工事、衣類・じゅうたんなどのドライク
リーニング作業、石材加工、左官工事、タイル工事、配
管洗浄作業、洗車作業において、金属製品、アルカリ性
セメント製品、内外装品、衣類に浸透付着した鉄さび、
染料・顔料、墨・油性インキを還元して溶解除去する際
に使用するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで温泉の施設、特に温泉旅館や温
泉ホテルの浴場の洗浄における、硫化鉄(II)のよう
な硫化物を主成分とした黒色付着物の除去に対処する薬
品はなかった。思いきって、濃塩酸、次亜塩素酸塩類を
主成分とした漂白剤、水酸化ナトリウム水溶液、ビルメ
ンテナンス業界で頻繁に用いられている二フッ化水素ア
ンモニウム溶液などを使用したが、まつたく除去効果が
みられなかった。
【0003】金属製品の表面に現れた鉄さび(これには
赤さびおよび黒さびの両者を含む)の除去には、市販の
さび取り剤である潤滑油や塩酸のような酸を用いてきた
が、潤滑油の方は十分な除去が期待できず、酸の方は、
鉄さびそのものは一時的に除去できても、除去に用いた
酸の残留物が、その後の十分な水洗いの甲斐もなく、直
ちに、鉄さびの発生を誘発してしまうという難点があっ
た。また、サンドペーパーやワイヤーブラシによる物理
的な除去方法もあるが、これだけではごく表面的にしか
除去が及ばないばかりか、体力的な消耗も甚だしかっ
た。温泉施設、温泉浴場の洗浄作業の際の赤さびの除去
にはビルメンテナンス業界推奨の二フッ化水素アンモニ
ウム溶液を専ら使用している。コンクリート製品、タイ
ル、レンガなどの表面に付着した、内部の鉄筋からのさ
びに対しては専ら液体または溶液状の酸或いは酸性製品
が除去に有効とされてきた。更に、ドライクリーニング
作業においては、市販のフッ化水素を10倍に水で希釈
した溶液をしみ抜きに用いている。
【0004】特許出願公開番号:特開平07−4179
9の「コンクリート製品用洗浄剤」ではホスホン酸およ
びくえん酸、酒石酸、乳酸などのカルボキシル基を有す
る有機酸を洗浄剤全体で酸性状態として含有している。
【0005】特許登録番号:1918892の「鉄錆除
去剤」では、床材等を鉄さびの浸透付着した対象素材と
しており、また、床材に浸透している鉄さびを除去する
主成分として、チオグリコール酸化合物をセロソルブ系
等の有機溶剤中に含有している。
【0006】コンクリート製品を区別するのに表示する
日付や製品名、コンクリート建築工事の際に職人が書き
込んだ線や寸法などの表示は墨と油性インキでコンクリ
ートに直接記入するが、誤記した場合や、建築終了後の
消去には、今まで、サンドペーパーまたはグラインダー
により墨・インキ分の染み込んだ部分を削り落とすとい
う物理的な除去作業と、シュウ酸による漂白除去という
化学的な方法の二通りしかなかった。前者は、いわゆる
「削り落とし」なので、コンクリート表面の素地を削る
ことで、必ず砂目地を露出させてしまうこととなり、外
観上および耐久性の両面においても決して芳しい方法と
は言えず、そればかりか、最も余計な労力を費やす方法
であるとも言える。また、後者は、唯一コンクリートに
対して無害な有機酸であり、かつコンクリートに対し、
これまで最も良好な漂白剤とされてきたが、濃厚な飽和
溶液でもってしても、油性のインキ分の除去には十分な
効果が期待できなかったばかりか、毒物及び劇物取締法
に定める医薬用外劇物の該当品であり、それ自身毒物性
の強い物質でもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】温泉の施設や浴場の洗
浄における黒色付着物の除去に対処する薬品はこれまで
存在しなかった、という問題点がある。
【0008】市販のさび取り剤である潤滑油は金属製品
の表面に現れた鉄さびに対しては十分な除去効果が得ら
れていないという問題点がある。これは明らかに、鉄さ
びそのものを溶解できないという根本的な問題点がある
ためである。この鉄さびの成分は、酸化水酸化鉄(II
I)、いわゆる赤さびと呼ばれているものと、酸化二鉄
(III)鉄(II)、即ちスピネル型構造物である黒
さびと呼ばれているものから構成されている。特許出願
公開番号:特開平07−41799の「コンクリート製
品用洗浄剤」にはホスホン酸またはその誘導体、カルボ
キシル基を有する有機酸が酸または酸性物質として洗浄
剤全体が酸性となるように含まれているが、指定の濃度
では酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)鉄
(II)のどちらも常温下で溶解することはできない。
これはあくまでも洗浄剤という名称であるので、溶解ま
では要求されていないのであろうが、それにしても、酸
性物質により一時的に鉄さびを除去することができて
も、除去に用いた酸性成分の残留物が、その後の十分な
水洗いの甲斐もなく、直ちに鉄さびの二次的発生を促す
という問題点があるとなれば、これらの酸は地金の鉄自
体も容易に腐食するものばかりであるので、大きな難点
が生じる。また、サンドペーパーやワイヤーブラシ、デ
ィスクサンダーなどによる物理的な除去方法では、サン
ドペーパーではごく表面的にしか除去が及ばないという
問題点があり、ワイヤーブラシやディスクサンダーでは
たとえ鉄さびは取れても、かえって地金の鉄を傷つけて
しまい、次回の二次的なさびの発生につながる可能性を
与えてしまうばかりか、体力的な消耗も甚だしいという
問題点がある。温泉施設、温泉浴場の洗浄作業における
赤さびの除去にはビルメンテナンス業界推奨の二フッ化
水素アンモニウム溶液を専ら使用しているが、これは、
やはり酸性物質であるばかりか、毒物及び劇物取締法指
定の医薬用外劇物の該当品でもあり、フッ化水素成分を
含有しているので、人体には著しい腐食作用を有し、床
面の石材やタイル、タイルの目地を占めている石膏即ち
硫酸カルシウム、鏡などのガラスを容赦なく侵食すると
いう問題点がある。また、酸或いは酸性物質では、アル
カリ性物質と強く作用するという自然原理があるため、
当然に、アルカリ性セメント製品であるコンクリートや
モルタルを常温下においてもかなり激しく侵食するとい
う問題点がある。
【0009】衣類のドライクリーニング作業において
は、現在、55%フッ化水素を10倍に水で希釈したも
のを赤さびのしみ抜きに用いているが、これは綿を生地
としたものにしか使用しておらず、他の生地については
手をつけないようになっている。綿は他の生地に比して
酸性の薬品に対する抵抗力が強いということとされてい
るからではあるが、他の生地に付着した場合のことも考
慮に入れるとなると、こうした現状では明らかに問題で
ある。しかも、フッ化水素は、濃度の薄さに関係なく毒
物及び劇物取締法に指定されている医薬用外毒物に該当
するため、扱うのに危険が伴うという問題点がある。
【0010】コンクリート製品に直接記入した墨・油性
インキ分の除去作業において、サンドペーパーまたはデ
ィスクサンダーによる「削り落とし」という物理的な除
去方法では、第一に、コンクリート表面の素地を削るこ
とで、必ず砂目地を露出させてしまうこととなり、外観
の悪化および耐久性の低下を引き起こすということと、
第二に、最も体力を必要とする方法であるということか
ら、作業員の労働力という各々の問題点があった。ま
た、シュウ酸による漂白という化学的な除去方法では、
シュウ酸は唯一コンクリートに対して無害な有機酸では
あるが、コンクリートそのものに対する漂白性はあるも
のの、半年以上ないし一、二年以上の長期間放置してお
いた墨・油性インキが浸透付着したアルカリ性セメント
製品に対しては、毒物及び劇物取締法に定める医薬用外
劇物に該当するような高濃度のものから、対象外の5%
以下の希薄溶液に至るまで素地を傷めて砂目地を出さず
に消去することができるものはなく、増して、このシュ
ウ酸にあらゆる有機溶剤を添加しようとも消去しにくい
という問題点が常時つきまとってきた。また、オキシド
ールのような過酸化物による酸素系漂白、かつ、次亜塩
素酸塩類を含有したものによる塩素系漂白によっても十
分にセメント製品を漂白したり、油性インキ分を完全に
消去できるものなど皆無である、という問題点があっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】石材、タイル、レンガ、
特に、アルカリ性のコンクリート製品の表面に浸透付着
した赤さびや墨・油性インキ・ラッカースプレーは、酸
のように製品の素地を傷めてしまうことがないように、
赤さびの場合にあっては酸性を示すキレート効果を有す
る有機酸と水溶性の亜ジチオン酸塩をヒドラジン或いは
その水和物および無色の水溶液となる硫化アンモニウム
でアルカリ性化し、また、水溶液中において鉄さびの各
成分、酸化水酸化鉄(III)および酸化二鉄(II
I)鉄(II)とを強力に還元溶解するためと、水溶液
全体をアルカリ性で安定化するために、無水のヒドラジ
ン或いはその水和物を水に希釈して、60%以下の含有
とした場合では、毒物及び劇物取締法による医薬用外劇
物指定外のいわゆる普通物として扱えるだけでなく、そ
のような希薄な濃度であっても十分に効果が発揮できる
ものとし、これに還元助剤として、かつ赤さび成分を一
部硫化物化することにより、早期に赤さびを溶解するこ
とができるようにするために無色の水溶液となる硫化ア
ンモニウムの固体またはその水溶液を添加する。ここ
で、無色の水溶液となる硫化アンモニウムに限定してい
るのは、黄色の水溶液となる多硫化アンモニウムや硫化
ナトリウムのような他の硫化物では、赤さびの主成分で
ある酸化水酸化鉄(III)を黒色の硫化鉄(II)に
還元形成するにとどまってしまい、この硫化鉄(II)
を溶解する能力がないので、タイルなどに付着している
赤さびはこの硫化鉄(II)へ黒変してしまい、それ以
上溶解除去することはできなかった、という実地実験の
結果に基づくためである。更に、鉄さびを強力に還元溶
解する助剤として、ハイドロサルファイトナトリウムの
ような水溶性の亜ジチオン酸塩を加える。これも、水溶
性のものの方が還元力を発揮しやすく、かつ製造方法が
簡易に済むことから、水溶性のものに限定している。そ
して、鉄さび成分中の鉄イオンと安定な錯体を形成する
ことにより、赤さびの溶解力を高める目的で、エチレン
ジアミン四酢酸やヒドロキサム酸のような、チオグリコ
ール酸以外の、キレート効果を有する有機酸を溶液中に
溶解させる。チオグリコール酸以外とするのは、第一
に、すでに登録済の先発明品の原料と混同しないように
するためと、第二に、このチオグリコール酸を単独で混
入または他のキレート効果を有する有機酸と共に混合さ
せると、却って赤さび、黒さび、砂鉄、ベンガラを溶解
する能力が低下してしまうからである。また、墨・油性
インキ・ラッカースプレーについては、水溶性ケトンを
加えることで、墨や油性インキ、ラッカースプレーと被
浸透素材であるコンクリート製品、石材、レンガなどと
の界面を濡れやすくし、浸透付着物である墨や油性イン
キ、ラッカースプレー分を剥離して浮かせることがで
き、墨、および油性インキに含有されている鉄分と、ラ
ッカースプレーに含有されている着色料を、残りの、赤
さびを溶解する能力のあるアルカリ性の製剤によって溶
解することができる。これらの汚れは、アルカリ性の各
製剤をボロ布などのウエス、或いはできればナイロンた
わしに染み込ませ、繰り返し軽くこすり落とすようにす
ると除去できる。
【0012】温泉の施設、浴場における硫化物を主成分
とした黒色付着物は、これまで完璧なまでに落とすこと
ができるものは市販のあらゆる洗浄剤の中には皆無であ
ったということで、本発明はその意味でも極めて重要な
位置を示している。赤さびを溶かす成分とまったく同じ
なので、その構成成分の各薬品の役割は赤さびの場合と
ほぼ同じであるが、唯一異なる点は、溶かすべき黒色付
着物が本発明品中の硫化アンモニウムによる作用を受け
ることなく、すでに硫化物となっているという点であ
る。これは、鉄さびが本発明品の溶液中で一部硫化物と
なって生成したものとしてみなせばその溶解原理も容易
に説明がつく。つまり、強還元剤であるヒドラジンやそ
の水和物、硫化アンモニウム、水溶性亜ジチオン酸塩に
よる還元を受けつつ、硫化物イオンを硫化アンモニウム
に帰し、残りの金属イオンをキレート効果のある有機酸
にアルカリ性下で配位させて安定な錯体を形成させると
いう手法である。これは、主として温泉の浴場であるか
ら、本発明品またはその希釈水溶液を直接付着物のある
石材やタイルに散布し、場合に応じて、デッキブラシま
たはポリッシャーによってこすり取り、長くとも30分
間放置する。
【0013】衣類のドライクリーニング作業における赤
さびのしみ抜きについては、赤さびを専ら溶かす方の本
発明品またはその希釈水溶液に浸漬してもみ洗いする
か、これらの溶液のどちらかをウエス、場合に応じて、
ナイロンたわしに染み込ませ、軽くたたくか、軽くこす
り落とすようにする。
【0014】鉄筋、H型鋼、自動車の車体などの鉄鋼製
品に付着した赤さびと酸化二鉄(III)鉄(II)を
主成分とする黒さび、キッチンなどのステンレス鋼の表
面に付着した赤さび、磁石にくっついて離れにくい砂
鉄、赤色顔料のベンガラは、赤さびについては先の、単
独の水溶液で無色となる硫化アンモニウムと、新たに更
に強力な還元力を付与する目的で加える水素化ホウ素化
合物を成分とした本発明品を原液または希釈水溶液とし
てナイロンたわしに染み込ませて軽くふき取ればよく、
各構成成分の赤さびに対する役割は前述の通りである。
黒さび、砂鉄、およびベンガラについては、水に単独で
溶かした水溶液が黄色となる多硫化アンモニウムやその
他の水溶性の硫化物を無色の水溶液となる硫化アンモニ
ウムの代わりに混合して作った本発明品を原液若しくは
希釈水溶液としてナイロンたわしに染み込ませて軽くふ
き取る。本発明品の各構成成分の黒さび、砂鉄、および
ベンガラに対する役割はやはり赤さびの場合と同様であ
るが、唯一異なる点は、水に単独で溶かした水溶液が黄
色となる多硫化アンモニウムやその他の水溶性の硫化物
を無色の水溶液となる硫化アンモニウムの代わりに混合
することにより、ヒドラジンや亜ジチオン酸塩の還元力
の助けを借りつつ、硫化鉄(II)の状態を経ることな
く、キレート効果を有する有機酸に鉄イオンを配位させ
て溶解する、という点である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、酸性溶液以外の製剤
で、赤さび、温泉の黒色付着物、黒さび、砂鉄、ベンガ
ラ、コンクリート製品等に浸透付着した墨・油性インキ
・ラッカースプレーを溶解除去することと、従来までの
ように、アルカリ性のコンクリート製品や石材等の表面
素地を傷めてしまうことがないように配慮している。こ
のため、本発明品はアルカリ性溶液となっている。水溶
性の亜ジチオン酸塩とキレート効果を有する有機酸は酸
性物質であるので、これらが酸性を示さぬようにヒドラ
ジン或いはその水和物と硫化アンモニウム、他の水溶性
の硫化物、場合によっては水素化ホウ素化合物によるア
ルカリ性成分で水溶液全体が弱アルカリ性を呈するよう
に設定した上で、溶解力の効果を高めている。また、ヒ
ドラジン若しくはその水和物を60%以下とした場合で
は、毒物及び劇物取締法における医薬用外劇物の対象外
である「普通物」として扱えるというだけでなく、その
ような希薄水溶液にしても十分に溶解に必要とされる還
元力を発揮できるように配慮している。鉄鋼製品等の金
属製品に付着した赤さびに対して、水素化ホウ素化合物
を更に添加しているのは、これを添加しない場合よりも
格段に溶解量、溶解量に対する溶解速度が優れており、
鉄から直にさびを形成している場合には、コンクリート
製品等に浸透している場合のさびの付着力とは根本的に
異なるため、添加しないものでも除去できないわけでは
ないが、添加したものの方が使用可能面積も広げること
ができ、より楽に溶解除去できるという点に配慮してい
る。こうして製造した赤さび、黒さび、ベンガラ、コン
クリート製品等に付着浸透した墨・油性インキ・ラッカ
ースプレーの溶剤は原液或いは2〜10倍希釈の水溶液
をナイロンたわしに染み込ませ、これらの汚れが付着し
た表面全体をこすることによって溶解除去し、砂鉄の溶
剤は原液をボロ布などのウエスに染み込ませて砂鉄を包
み込むようにして拭い去り、温泉の黒色付着物の溶剤
は、原液或いは2〜10倍希釈の水溶液を付着物のつい
た石材等に直に散布し、場合に応じて、デッキブラシま
たはポリッシャーでこすり取り、長くとも30分間放置
後、多量の水またはお湯で洗い流すようにする。
【0016】
【実施例】本発明の赤さび・温泉の黒色付着物溶剤を5
00cm作るにあたり、例えば、水200cmに、
79〜81%ヒドラジン一水和物を144.5cm
え、次に、無色の硫化アンモニウム溶液を100cm
添加し、ハイドロサルファイトナトリウム即ち亜ジチオ
ン酸ナトリウムを60g、99.0%エチレンジアミン
四酢酸即ちEDTAを70g溶解してみた。これを北海
道洞爺湖温泉のK保養センター内の浴場の床面の石材に
付着した黒色付着物に原液で散布したところ、一瞬にし
て溶解除去できたので、これを事後処理として水道水で
水洗いした。また、同溶剤を北海道登別温泉のホテルY
内の浴場のタイル目地に付着していた赤さびに対して、
ナイロンたわしに染み込ませて塗布したところ、一瞬に
して溶解除去できた。更に、北海道日高自動車道の躯体
壁面に露出した鉄筋から流れ出してコンクリートに浸透
付着した赤さびに対して、ボロ布に同溶剤を染み込ませ
て繰り返しこすったところ、砂目地を出さずに溶解除去
できた。
【0017】本発明の、コンクリート製品等に付着浸透
した墨・油性インキ・ラッカースプレーの溶剤を500
cm作るにあたり、例えば、水200cmに、9
8.0%ヒドラジン−水和物を100cm加え、次
に、無色の硫化アンモニウム溶液を100cm添加
し、ハイドロサルファイトナトリウム即ち亜ジチオン酸
ナトリウムを58g、99.5%エチレンジアミン四酢
酸即ちEDTAを69g溶解したアルカリ性の製剤を仮
に400cm採り、これにアセトンを100cm
えて完全にかき混ぜて混和させてみた。これを札幌市豊
平区にあるH建設工業(株)の社屋前にある電柱下部の
赤色のスプレー文字(吹き付けてから、2年経過後)に
対し、ナイロンたわしに染み込ませてこすったところ、
少しもにじまずに溶解除去できた。また、同溶剤を北海
道江別市大麻の文化センター(当時、建造中)内の階段
壁面に職人により書き込まれた約1年経過後の油性イン
キの数字及びアルファベットと墨線に対し、ナイロンた
わしに染み込ませて塗布したところ、砂目地を出さずに
完全に溶解除去できた。
【0018】
【発明の効果】鉄さびの成分は、酸化水酸化鉄(II
I)、酸化二鉄(III)鉄(II)の2種類の無機
化合物から構成されている。このどちらも、これまで酸
以外には溶解するものとしては考えられなかった。本発
明の構成成分である、キレート効果のある有機酸のアル
カリ性水溶液だけでは、水溶液に容易に溶解するような
安定な錯体を形成するのには不十分なためか、鉄さび成
分の酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)鉄
(II)のどちらも溶解することはできない。そこで、
本発明では、このキレート効果のある有機酸に、鉄さび
成分酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)鉄
(II)をキレート効果を受けやすい形にするために、
強力な還元剤として、ヒドラジン或いはその水和物、亜
ジチオン酸塩、および硫化アンモニウム、またはその他
の水溶性の硫化物を混在させることで、目的を果たすに
足る構成としている。また、本発明品は、コンクリート
の素地を形成している成分、水酸化カルシウム、および
未反応の酸化カルシウムは溶解しない。このことは、ア
ルカリ性のコンクリート製品を傷めることがない、とい
うことを断言する意味につながる。
【0019】本発明品には、漂白作用を示す成分とし
て、亜ジチオン酸塩を含有している。これ単独の水溶液
には紙類等を容易に漂白できる成分は含まれているが、
コンクリートまでを漂白する能力はない。また、衣類に
対する漂白作用については、本発明品の原液をウールに
滴下したところ、一時的に白く染まり、これは削ってみ
ても落ちなかったが、普通のドライクリーニングに出し
たところ、滴下した部分が取れて戻ってきたため、いわ
ゆる化学変化による本当の漂白は受けていなかったと言
える。墨・油性インキ、およびラッカースプレーについ
ては、実施例の作業において分かったことであるが、漂
白による除去ではなく、前述のように、水溶性ケトンを
加えることで、墨・油性インキ・ラッカースプレーと被
浸透素材であるコンクリート製品、石材、レンガなどと
の界面を濡れやすくし、浸透付着物である墨や油性イン
キ、ラッカースプレー分を剥離して浮かせることがで
き、墨および油性インキに含有されている鉄分と、ラッ
カースプレーに含まれている着色料を、残りの、赤さび
や温泉の黒色付着物を溶解するアルカリ性の製剤によっ
て溶解することができる、という仕組みによる溶解除去
であると言える。
【0020】温泉の黒色付着物については、本発明品の
成分である硫化アンモニウムや、その他の水溶性の硫化
物単独の水溶液では溶解できないため、やはり、ヒドラ
ジン或いはその水和物、亜ジチオン酸塩による還元作用
の助けを借りて、無色の水溶液となる硫化アンモニウム
を成分とした場合にのみ溶解する。これは、黄色の水溶
液となる多硫化アンモニウムでは、硫化物イオンが2つ
以上となると、硫化物イオンが1つの場合よりも硫化物
のもつ本来の溶媒に対する難溶性的な性質が強まるた
め、難溶性的性格の強い硫化鉄(II)のような硫化物
を溶解し難いためと言える。また、硫化ナトリウムのよ
うにアルカリ金属の硫化物に代表される水溶性のその他
の硫化物では、却って、アルカリ性が強く発揮される傾
向にあるため、強いアルカリ性ほど難溶性を示す硫化鉄
(II)や、赤さびの主成分である酸化水酸化鉄(II
I)の溶解を妨げる向きに働くのである。
【0021】黒さびである酸化二鉄(III)鉄(I
I)や、砂鉄、ベンガラとなると、無色の水溶液となる
硫化アンモニウムを成分とした本発明品でも溶解できな
かったわけではないが、溶解量、溶解量に対する溶解速
度の点で比較してみると、逆に、黄色の水溶液となる硫
化アンモニウムやその他の水溶性の硫化物の方が優れて
いる。これは、一旦2価の金属塩である硫化物にしてか
ら溶解する無色の硫化アンモニウムの含有製剤とは異な
り、酸化状態がかなり進んだ状態の鉄の化合物では、硫
化鉄(II)を経るよりも、強アルカリ性を背景にした
より強い還元力を発揮させて鉄イオンを早期にキレート
剤に配位させてしまう方が効果的なのである。
【0022】鉄鋼製品、ステンレス製品などの鉄製の金
属に直に発生した赤さびについても、ナイロンたわしを
併用すれば、何も水素化ホウ素化合物を加えなくとも十
分に除去は可能である。しかし、この水素化ホウ素化合
物を添加したものでは、添加しなかったものよりも溶剤
1cm当たりの有効使用面積、溶解量、溶解速度、除
去時の手の力のかけ具合など、どれをとってもその違い
は歴然としている。このため、より便利で、しかも赤さ
びが最も除去し難い鉄製の金属に対する専用の赤さび溶
剤として、無色の水溶液となる硫化アンモニウムを含有
させる製剤に水素化ホウ素合物を添加したものを用いる
のである。なお、この水素化ホウ素化合物を含有させた
アルカリ性の製剤でもアルカリ性自体はpH9程度と、
大して強くはないので、衣類、コンクリート製品等に付
着した赤さびの除去も容易であり、コンクリート製品等
の素地も傷めることはない。更に、温泉の黒色付着物
も、水素化ホウ素化合物を含有させた製剤でも溶解除去
はできる。
【0023】衣類に対する漂白力が皆無に等しいこと
は、先に述べた通りであるが、現在、ドライクリーニン
グにおいて、赤さびを落とす薬品として、フッ化水素が
用いられている。しかし、これは極めて猛毒な物質であ
り、人体に対して強力な腐食性を有する、毒物及び劇物
取締法に定められている医薬用外毒物に指定されている
ものである。本発明品は、普通物であるばかりか、毒性
や人体かつ金属に対する腐食性もフッ化水素に比して比
べものにならないくらい低影響性のものである。その
上、弱アルカリ性下においても、赤さびの成分をよく溶
かすという利点もあり、衣類に浸透付着した赤さびもし
っかりとしみ抜きできる効果がある。
【0024】したがって、本発明により得られた効果
は、第一に、コンクリート製品よりも弱いアルカリ性を
有することで、コンクリート製品等の素地を傷めること
がなく、また製品等が固有に有する強度、耐塩害性、耐
候性、耐凍結融解性等の諸性質を消失或いは減退させる
ことがないということ、第二に、鉄さびを洗浄するだけ
でなく、溶解することもできたということ、第三に、墨
・油性インキ・ラッカースプレーが長期間付着したもの
でも、本発明品による化学的除去方法に委ねることで、
作業員の労力を低減でき、強引な摩擦を与えさえしなけ
れば溶剤自体では砂目地を露出させることなく溶解除去
できたということ、第四に、これまで完璧なまでの溶解
除去剤が見つからなかった温泉の黒色付着物を弱アルカ
リ性を有することで石材等を傷めることなく容易に溶解
除去できたということ、である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】これまで温泉の施設、特に温泉旅館や温
泉ホテルの浴場の洗浄における、硫化鉄(II)や硫化
マンガン(IV)のような硫化物を主成分とした黒色付
着物の除去に対処する薬品はなかった。思いきって、
亜塩素酸塩類を主成分とした漂白剤、濃塩酸、水酸化ナ
トリウム水溶液、ビルメンテナンス業界で頻繁に用いら
れている二フッ化水素アンモニウム溶液などを使用した
が、まったく除去効果がみられなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】コンクリート製品を区別するのに表示する
日付や製品名、コンクリート建築工事の際に職人が書き
込んだ線や寸法などの表示は墨と油性インキでコンクリ
ートに直接記入するが、誤記した場合や、建築終了後の
消去には、今まで、サンドペーパー、ワイヤーブラシま
たはディスクサンダーにより墨・インキ分の染み込んだ
部分を削り落とすという物理的な除去作業と、シュウ酸
による漂白除去という化学的な方法の二通りしかなかっ
た。前者は、いわゆる「削り落とし」なので、コンクリ
ート表面の素地を削ることで、必ず砂目地を露出させて
しまうこととなり、外観上および耐久性の両面において
も決して芳しい方法とは言えず、そればかりか、最も余
計な労力を費やす方法であるとも言える。また、後者
は、唯一コンクリートに対して無害な有機酸であり、か
つコンクリートに対し、これまで最も良好な漂白剤とさ
れてきたが、濃厚な飽和溶液でもってしても、油性のイ
ンキ分の除去には十分な効果が期待できなかったばかり
か、毒物及び劇物取締法に定める医薬用外劇物の該当品
であり、それ自身毒性の強い物質でもある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】市販のさび取り剤である潤滑油は金属製品
の表面に現れた鉄さびに対しては十分な除去効果が得ら
れていないという問題点がある。これは明らかに、鉄さ
びそのものを溶解できないという根本的な問題点がある
ためである。この鉄さびの成分は、酸化水酸化鉄(II
I)、いわゆる赤さびと呼ばれているものと、酸化二鉄
(III)鉄(II)、すなわちスピネル型構造物であ
る黒さびとよばれているものから構成されている。平成
7年特許出願公開第41799号の「コンクリート製品
用洗浄剤」にはホスホン酸またはその誘導体、カルボキ
シル基を有する有機酸が酸または酸性物質として洗浄剤
全体が酸性となるように含まれているが、指定の濃度で
は酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)鉄(I
I)のどちらも常温下で溶解することはできない。これ
はあくまでも洗浄剤という名称であるので、溶解までは
要求されていないのであろうが、それにしても、酸性物
質により一時的に鉄さびを除去することができても、除
去に用いた酸性成分の残留物が、その後の十分な水洗い
の甲斐もなく、直ちに鉄さびの二次的発生を促すという
問題点があるとなれば、これらの酸は地金の鉄自体も容
易に腐食するものばかりであるので、大きな難点が生じ
る。また、サンドペーパーやワイヤーブラシ、ディスク
サンダーなどによる物理的な除去方法では、サンドペー
パーではごく表面的にしか除去が及ばないという問題点
があり、ワイヤーブラシやディスクサンダーではたとえ
鉄さびは取れても、却って地金の鉄またはコンクリート
製品、石材、タイル、レンガ等を傷つけてしまい、鉄に
ついては次回の二次的なさびの発生につながる可能性を
与え、コンクリート製品、石材、タイル、レンガ等につ
いては外観に対する損傷のみならず、その構造的な耐久
性・耐候性をも明らかに低下させてしまい、そればかり
か、作業をする上での体力的な消耗も甚だしいという問
題点がある。温泉施設、温泉浴場の洗浄作業における赤
さびの除去にはビルメンテナンス業界推奨の二フッ化水
素アンモニウム溶液を専ら使用しているが、これは、や
はり酸性物質であるばかりか、毒物及び劇物取締法指定
の医薬用外劇物の該当品でもあり、フッ化水素成分を含
有しているので、人体には著しい腐食作用を有し、床面
の石材やタイル、タイルの目地を占めている固化したセ
メント、鏡などのガラスを容赦なく侵食するという問題
点がある。また、酸或いは酸性物質では、アルカリ性物
質と強く作用するという自然原理があるため、当然に、
アルカリ性のコンクリート製品であるコンクリートやモ
ルタルを常温下においてもかなり激しく侵食するという
問題点がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】コンクリート製品に直接記入した墨・油性
インキ分の除去作業において、ワイヤーブラシ、サンド
ペーパーまたはディスクサンダーによる「削り落とし」
という物理的な除去方法では、第一に、コンクリート表
面の素地を削ることで、必ず砂目地を露出させてしまう
こととなり、外観の悪化および耐久性の低下を引き起こ
すということと、第二に、最も体力を必要とする方法で
あるということから、作業員の労働力というおのおのの
問題点があった。また、シュウ酸による漂白という化学
的な除去方法では、シュウは唯一コンクリートに対して
無害な有機酸ではあるが、コンクリートそのものに対す
る漂白性はあるものの、半年以上ないし、一、二年以上
の長期間放置しておいた墨・油性インキが浸透付着した
コンクリート製品に対しては、毒物及び劇物取締法に定
める医薬用外劇物に該当するような高濃度のものから、
対象外の5%以下の希薄溶液に至るまで素地を傷めて砂
目地を出さずに消去することができるものはなく、増し
て、このシュウ酸にあらゆる有機溶剤を添加しようとも
消去しにくいという問題点が常時つきまとってきた。ま
た、オキシドールのような過酸化物による酸素系漂白、
かつ、次亜塩素酸塩類を含有したものによる塩素系漂白
によっても十分にコンクリート製品を漂白したり、油性
インキ分を完全に消去できるものなど皆無である、とい
う問題点があった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】石材、タイル、レンガ、
特に、アルカリ性のコンクリート製品の表面に付着して
浸透した赤さびや墨・油性インキ・ラッカースプレー
は、酸のように製品の素地を傷めてしまうことがないよ
うに、赤さびの場合にあっては、酸性を示す亜ジチオン
酸塩とキレート効果を有する有機酸を水溶性の水酸化物
或いはその他のアルカリ性物質で、またはヒドラジン或
いはその水和物、若しくは一硫化アンモニウム、場合に
応じて水素化ホウ素化合物などでアルカリ性化してい
る。また、水溶液中において鉄さびの各成分、酸化水酸
化鉄(III)および酸化二鉄(III)鉄(II)と
を強力に、かつ短期間で還元溶解するための還元主剤と
して必ず亜ジチオン酸塩、または無水のヒドラジン成い
はその水和物を加え、ヒドラジンの水和物については、
これを水に希釈して60%以下の含有とした場合では、
毒物及び劇物取締法による医薬用外劇物指定外のいわゆ
る普通物として扱えるだけでなく、そのような希薄な濃
度であっても十分に効果が発揮できるものとすることが
でき、更に場合に応じてこれらのいずれか或いは混合物
に、還元助剤として、多硫化アンモニウムおよび金属塩
の硫化物を除く、還元性を有する硫黄化合物或いはそれ
ら以外の還元剤をおのおの単独または複数に組み合わせ
て添加する。中でも、一硫化アンモニウムを添加した場
合には、赤さびの主成分、酸化水酸化鉄(III)の一
部を硫化物に変化させることにより、他の還元助剤より
も短期間で赤さびを溶解することができる。ここで、還
元助剤として添加する硫化物を一硫化アンモニウムに限
定しているのは、多硫化アンモニウムや金属塩の硫化物
では、赤さびの主成分である酸化水酸化鉄(III)を
黒色の硫化鉄(II)に還元形成するにとどまってしま
い、この硫化鉄(II)を溶解する能力がないので、タ
イルなどに付着している赤さびはこの硫化鉄(II)へ
黒変してしまい、それ以上溶解除去することはできなか
った、という実地実験の結果に基づくためである。そし
て、鉄さび成分中の鉄イオンと安定な錯体を形成するこ
とにより、赤さびに対する溶解性を高める目的で、エチ
レンジアミン四酢酸、trans−シクロヘキサン−
1、2−ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N′,N″,
N′′′,N′′′−六酢酸、酒石酸、またはヒドロキ
サム酸のような、チオグリコール酸以外の、キレート効
果を有する有機酸を溶液中に溶解させる。チオグリコー
ル酸以外とするのは、このチオグリコール酸をキレート
効果を有する有機酸として単独で還元剤と混合または他
のキレート効果を有する有機酸と共に還元剤と混合させ
ると、却って赤さび・黒さび・砂鉄・ベンガラを溶解す
る能力が低下してしまうからである。また、墨・油性イ
ンキ・ラッカースプレーについては、水溶性ケトンを加
えることで、墨、油性インキ、またはラッカースプレー
と被浸透素材であるコンクリート製品、タイル等との界
面を濡れやすくし、浸透付着物である墨、油性インキ、
またはラッカースプレー分を剥離して浮かせることがで
き、墨、および油性インキに含有されている鉄分と、ラ
ッカースプレーに含有されている着色料を、残りの赤さ
びを溶解する能力のあるアルカリ性の製剤によって溶解
することができる。これらの汚れは、アルカリ性の各製
剤をボロ布などのウエス、或いは、できればナイロンた
わしに染み込ませ、繰り返し軽くこすり落とすようにす
ると除去できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】衣類のドライクリーニング作業における赤
さびのしみ抜きについては、赤さびを専ら溶かす方の本
発明品またはその希釈水溶液に浸漬しておき、必要に応
じてもみ洗いをする方法と、これらの溶液のどちらかを
ウエス、場合に応じて、ナイロンたわしに染み込ませ、
軽く叩くか、軽くこすり落とすというような方法の二通
りがある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】鉄筋、H型鋼、自動車の車体などの鉄鋼製
品に付着した赤さびと酸化二鉄(III)鉄(II)を
主成分とする黒さび、キッチンなどのステンレス鋼の表
面に付着した赤さび、磁石にくっついて離れにくい砂
鉄、赤色顔料のベンガラは、赤さびについては、原液ま
たは希釈した水溶液の本発明品を赤さびの付着した部分
に直接散布して5〜30分間浸しておくか、或いは、ウ
エスまたはナイロンたわしに染み込ませて軽く拭き取れ
ばよく、各構成成分の赤さびに対する役割は前述の通り
である。黒さび、砂鉄、およびベンガラについては、
さびの場合と同様、原液または希釈した水溶液の本発明
品を黒さび・砂鉄・ベンガラの付着した部分に直接散布
して5〜30分間浸しておくか、或いは、ウエスまた
、ナイロンたわしに染み込ませて軽く拭き取る。本発
明品の各構成成分の黒さび、砂鉄、およびベンガラに対
する役割はやはり赤さびの場合と同様であるが、唯一異
なる点は、多硫化アンモニウムまたは金属塩の一硫化物
を、それら以外の、ヒドラジンとその水和物および亜ジ
チオン酸を除く、還元剤の代わりに添加した場合にの
み、その独特の還元作用により、黒さび、砂鉄およびベ
ンガラ中の鉄イオンを還元し、これをチオグリコール酸
を除く、キレート効果を有する有機酸に配位させて溶解
する、という点である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、酸性溶液以外の製剤
で、赤さび、温泉の黒色付着物、黒さび、砂鉄、ベンガ
ラ、コンクリート製品等に浸透付着した墨・油性インキ
・ラッカースプレーを溶解除去することと、従来までの
ように、アルカリ性のコンクリート製品や石材、タイ
ル、レンガ等の表面素地を傷めてしまうことがないよう
に配慮している。このため、本発明品はアルカリ性溶液
となっている。亜ジチオン酸塩とキレート効果を有する
有機酸は酸性物質であるので、これらが酸性を示さぬよ
うに水溶性の水酸化物或いはその他のアルカリ性物質
で、またはヒドラジン或いはその水和物、若しくは硫化
物、場合に応じて水素化ホウ素化合物などによるアルカ
リ性成分で水溶液全体が弱アルカリ性を呈するように設
定した上で、溶解力の効果を高めている。また、ヒドラ
ジンの水和物を60%以下とした場合では、毒物及び劇
物取締法における医薬用外劇物の対象外である「普通
物」として扱えるというだけでなく、そのような希薄溶
液にしても十分に溶解に必要とされる還元力を発揮でき
るように配慮している。こうして製造した赤さび、黒さ
び、ベンガラ、コンクリート製品等に浸透付着した墨・
油性インキ・ラッカースプレーの溶剤は原液または2〜
10倍希釈の水溶液をナイロンたわしに染み込ませ、こ
れらの汚れが付着した表面全体をこすることによって溶
解除去し、砂鉄の溶剤は原液をボロ布などのウエスに染
み込ませて砂鉄を包み込むようにして拭い去り、温泉の
黒色付着物の溶剤は、原液或いは2〜10倍希釈の水溶
液を付着物のついた石材等に直に散布し、場合に応じ
て、デッキブラシまたはポリッシャーでこすり取り、長
くとも30分間放置後、多量の水またはお湯で洗い流す
ようにする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【実施例】本発明の赤さび溶剤を18000cm作る
にあたり、この時には、水750cmに、80%ヒド
ラジン一水和物を400cm加え、次に、94%次亜
硫酸ナトリウムすなわち亜ジチオン酸ナトリウムを32
0g、99.5%エチレンジアミン四酢酸すなわちED
TAを800gおのおの溶解して更に水を加えて200
0cmの赤さび溶剤として調製したものを合計9回作
り、これらを混合して18000cmとした。これを
北海道浜益郡浜益村の国道231号線改良工事において
眼下の海から飛び散ってきた海水による影響で、鉄筋コ
ンクリート柱用の鉄筋に赤さびが発生し、根元のコンク
リート塊に落下付着して浸透した箇所に噴霧器で原液を
散布したところ、5〜10分間の放置だけで自然に溶解
除去できたので、これを事後処理として水洗いした。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明の赤さび・温泉の黒色付着物溶剤を
500cm作るにあたり、例えば、水200cm
に、79〜81%ヒドラジン一水和物を144.5c
加え、次に、一硫化アンモニウム溶液を100cm
添加し、ハイドロサルファイトナトリウムすなわち亜
ジチオン酸ナトリウムを60g、99.0%エチレンジ
アミン四酢酸すなわちEDTAを70g溶解してみた。
これを北海道洞爺湖温泉のK保養センター内の浴場の床
面の石材に付着した黒色付着物に原液で散布したとこ
ろ、一瞬にして溶解除去できたので、これを事後処理と
して水道水で水洗いした。また、同溶剤を北海道登別温
泉のホテルY内の浴場のタイル目地に付着していた赤さ
びに対して、ナイロンたわしに染み込ませて塗布したと
ころ、一瞬にして溶解除去できた。更に、北海道日高自
動車道の躯体壁面に露出した鉄筋から流れ出してコンク
リートに付着して浸透した赤さびに対して、ボロ布に同
溶剤を染み込ませて繰り返しこすったところ、砂目地を
出さずに溶解除去できた。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明の、コンクリート製品等に付着浸透
した墨・油性インキ・ラッカースプレーの溶剤を500
cm作るにあたり、例えば、水200cmに、9
8.0%ヒドラジン一水和物を100cm加え、次
に、一硫化アンモニウム溶液を100cm添加し、ハ
イドロサルファイトナトリウムすなわち亜ジチオン酸ナ
トリウムを58g、99.5%エチレンジアミン四酢酸
すなわちEDTAを69g溶解したアルカリ性の製剤を
仮に400cm採り、これにアセトンを100cm
加えてかき混ぜ、完全に混和した。これを札幌市豊平区
にあるH建設工業(株)の社屋前にある電柱下部の赤色
のスプレー文字(吹き付けてから、2年経過後)に対
し、ナイロンたわしに染み込ませてこすったところ、少
しもにじまずに溶解除去できた。また、同溶剤を北海道
江別市のA文化ホール(当時、建造中)内の階段壁面に
職人により書き込まれた約1年経過後の油性インキの数
字及びアルファベットと墨線に対し、ナイロンたわしに
染み込ませて塗布したところ、砂目地を出さずに完全に
溶解除去できた。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【発明の効果】鉄さびの成分は、酸化水酸化鉄(II
I)、酸化二鉄(III)鉄(II)の2種類の無機
化合物から構成されている。このどちらも、これまで酸
以外には溶解するものとしては考えられなかった。本発
明の構成成分である、キレート効果を有する有機酸のア
ルカリ性水溶液だけでは、水溶液に容易に溶解するよう
な安定な錯体を形成するのには不十分なためか、鉄さび
成分の酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)鉄
(II)のどちらも溶解することはできない。そこで、
本発明では、このキレート効果を有する有機酸に、鉄さ
び成分の酸化水酸化鉄(III)、酸化二鉄(III)
鉄(II)をキレート効果を受けやすい形にするため
に、強力な還元剤として、ヒドラジン或いはその水和
物、亜ジチオン酸塩、還元性を有する硫黄化合物、それ
ら以外の還元剤で酸化性を共有しないものを混在させる
ことで、目的を果たすに足る構成としている。また、本
発明品は、コンクリートの素地を形成している成分すな
わち水酸化カルシウム、および未反応の酸化カルシウム
は溶解しない。このことは、アルカリ性のコンクリート
製品を傷めることがない、ということを断言する意味に
つながる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明品には、漂白作用を示す成分とし
て、亜ジチオン酸塩、亜硫酸塩、二酸化硫黄または硫化
水素を含有するものがある。これら単独の水溶液には紙
類等を容易に漂白できるものも含まれているが、コンク
リートまでを漂白する能力はない。また、衣類に対する
漂白作用については、本発明品の原液をウールまたはポ
リエステルに滴下したところ、一時的に白く染まり、こ
れは削ってみても落ちなかったが、普通のドライクリー
ニングに出したところ、滴下した部分が取れて戻ってき
た、という事例があるため、いわゆる化学変化による本
当の意味での漂白は受けていなかったと言える。しか
し、こうした衣類に対する本発明品による損傷の可能性
については、今後の更なる他の試験結果の方も待たれた
い。墨、油性インキ、およびラッカースプレーについて
は、実施例の作業において分かったことであるが、漂白
による除去ではなく、前述のように、水溶性ケトンを加
えることで、墨・油性インキ・ラッカースプレーと被浸
透素材であるコンクリート製品、石材、タイル、レンガ
等との界面を濡れやすくし、浸透付着物である墨、油性
インキまたはラッカースプレー分を剥離して浮かせるこ
とができ、墨および油性インキに含有されている鉄分と
ラッカースプレーに含まれている着色料を、残りの赤さ
びや温泉の黒色付着物を溶解するアルカリ性の製剤によ
って溶解することができる、という仕組みによる溶解除
去であると言える。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】温泉の黒色付着物については、本発明品の
成分である一硫化アンモニウムや、その他の水溶性の硫
化物単独の水溶液では溶解できないため、やはり、ヒド
ラジン或いはその水和物、亜ジチオン酸塩による還元作
用の助けを借りて、一硫化アンモニウムを成分とした場
合にのみ溶解する。これは、多硫化アンモニウムでは硫
化物イオンが2つ以上となると、硫化物イオンが1つの
場合よりも硫化物のもつ本来の溶媒に対する難溶性的な
性質が強まるため、難溶性的性格の強い硫化鉄(II)
や硫化マンガン(IV)のような硫化物を溶解し難いた
めと言える。また、硫化ナトリウムのようなアルカリ金
属の硫化物に代表される水溶性のその他の金属塩の一硫
化物では、却って、アルカリ性が強く発揮される傾向に
あるため、強いアルカリ性ほど難溶性を示す硫化鉄(I
I)や、赤さびの主成分である酸化水酸化鉄(III)
の溶解を妨げる向きに働くのである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】黒さびである酸化二鉄(III)鉄(I
I)や、砂鉄、ベンガラとなると、一硫化アンモニウム
を成分とした本発明品でも溶解できなかった訳ではない
が、溶解量、溶解量に対する溶解速度の点で比較してみ
ると、逆に、多硫化アンモニウムやその他の金属塩の一
硫化物の方が優れている。この原理についての説明は、
自然の原理には明らかに基づいているが、今後のより一
層の詳細な研究結果に委ねるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 7:26 7:34)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水または水溶液のヒドラジン若しくはヒ
    ドラジンの水和物に、固体、または無色の水溶液の硫化
    アンモニウムを加え、これにハイドロサルファイトナト
    リウムのような水溶性の亜ジチオン酸塩およびエチレン
    ジアミン四酢酸、ヒドロキサム酸のような、チオグリコ
    ール酸を除く、キレート効果を有する有機酸を溶解する
    ことで作ったアルカリ性の製剤は、衣類、モルタルやコ
    ンクリートといったコンクリート製品、石材、タイル、
    レンガ等に付着浸透した酸化水酸化鉄(III)を主成
    分とする赤さびや温泉浴場施設における硫化鉄(II)
    といった硫化物のような黒色付着物を常温常圧下でも溶
    解除去する作用があり、それを特徴とする赤さび・温泉
    の黒色付着物溶剤。
  2. 【請求項2】前記、請求項1記載の、アルカリ性の製剤
    に、更にテトラヒドロホウ酸ナトリウム、テトラヒドロ
    ホウ酸リチウムのような水素化ホウ素化合物を溶かした
    アルカリ性の製剤は、鉄筋、H型鋼、スチール缶といっ
    た鉄製品などに付着した酸化水酸化鉄(III)を主成
    分とする赤さびを常温常圧下でも溶解除去する作用があ
    り、それを特徴とする赤さび溶剤。
  3. 【請求項3】無水または水溶液のヒドラジン若しくはヒ
    ドラジンの水和物に、固体、または黄色の水溶液の多硫
    化アンモニウム或いは、硫化ナトリウム、硫化カリウム
    のような水溶性の硫化物およびその水和物を加え、これ
    にハイドロサルファイトナトリウムのような水溶性の亜
    ジチオン酸塩およびエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキ
    サム酸のような、チオグリコール酸を除く、キレート効
    果を有する有機酸を溶解することで作ったアルカリ性の
    製剤は、酸化鉄(III)すなわちベンガラと、H型
    鋼、鋼製アングルなどの鉄鋼製品に付着した酸化二鉄
    (III)鉄(II)を主成分とする黒さび、砂鉄を常
    温常圧下でも溶解除去する作用があり、それを特徴とす
    る黒さび・砂鉄・ベンガラ溶剤。
  4. 【請求項4】前記、請求項1記載のアルカリ性の製剤
    に、更に、アセトン、エチルプロピルケトンのような水
    溶性のケトン類を添加し、完全に混和させて作ったアル
    カリ性の製剤は、モルタルやコンクリートといったコン
    クリート製品等に付着して浸透した墨・油性インキ・ラ
    ッカースプレーを溶解除去する作用があり、それを特徴
    とするコンクリート製品等に付着浸透した墨・油性イン
    キ・ラッカースプレーの溶剤。
  5. 【請求項5】前記、請求項1記載のアルカリ性の製剤を
    500cm作るにあたり、水0cm以上500cm
    未満に、無水または水溶液のヒドラジン若しくはヒド
    ラジンの水和物を0cmを超えて500cm未満の
    量で添加し、次に固体、または無色の水溶液の硫化アン
    モニウムを0gまたは0cmを超えて500gまたは
    500cm未満の量を加え、かつ水溶性の亜ジチオン
    酸塩を0gを超えて溶解時の液温における飽和量以下の
    範囲でいずれかの量を溶解し、更にチオグリコール酸を
    除く、キレート効果を有する有機酸を0gを超えて溶解
    時の液温における飽和量以下の範囲でいずれかの量を溶
    かす、前記、請求項1記載の赤さび・温泉の黒色付着物
    溶剤の製造方法。
  6. 【請求項6】前記、請求項2記載のアルカリ性の製剤を
    500cm作るにあたり、水0cm以上500cm
    未満に、無水または水溶液のヒドラジン若しくはヒド
    ラジンの水和物を0cmを超えて500cm未満の
    量で添加し、これに水溶性の亜ジチオン酸塩を0gを超
    えて溶解時の液温における飽和量以下の範囲でいずれか
    の量を溶解し、かつチオグリコール酸を除く、キレート
    効果を有する有機酸を0gを超えて溶解時の液温におけ
    る飽和量以下の範囲でいずれかの量を溶かし、更に、水
    素化ホウ素化合物を0g以上溶解時の液温における飽和
    量以下の範囲でいずれかの量を溶解し、次に固体、また
    は無色の水溶液の硫化アンモニウムを0gまたは0cm
    を超えて500gまたは500cm未満の量を加え
    る、前記、請求項2記載の赤さび溶剤の製造方法。
  7. 【請求項7】前記、請求項3記載のアルカリ性の製剤を
    500cm作るにあたり、水0cm以上500cm
    未満に、無水または水溶液のヒドラジン若しくはヒド
    ラジンの水和物を0cmを超えて500cm未満の
    量で添加し、次に固体、または黄色の水溶液の多硫化ア
    ンモニウムを0gまたは0cmを超えて500gまた
    は500cm未満の量を加え、かつ水溶性の亜ジチオ
    ン酸塩を0gを超えて溶解時の液温における飽和量以下
    の範囲でいずれかの量を溶解し、更にチオグリコール酸
    を除く、キレート効果を有する有機酸を0gを超えて溶
    解時の液温における飽和量以下の範囲でいずれかの量を
    溶かす、前記、請求項3記載の黒さび・砂鉄・ベンガラ
    溶剤の製造方法。
  8. 【請求項8】前記、請求項4記載のアルカリ性の製剤を
    500cm作るにあたり、前記、請求項1記載のアル
    カリ性の製剤0cmを超えて500cm未満に、一
    種類のみ、または二種類以上の水溶性のケトン類をケト
    ン全体で0cmを超えて500cm未満の量を添加
    し、完全に混和させて作る、コンクリート製品等に付着
    浸透した墨・油性インキ・ラッカースプレーの溶剤の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001034525A1 (de) * 1999-11-09 2001-05-17 Puronpää-Schäfer, Päivi Verfahren zum entfernen von reduktionsfähigen ablagerungen in brunnen, wassergewinnungs-, wasseraufbereitungsanlagen, rohrleitungen und dgl.
WO2022172999A1 (ja) * 2021-02-12 2022-08-18 花王株式会社 酸化鉄及び/又は水酸化鉄用還元剤組成物

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