JPH10251656A - プラスチックの熱分解方法 - Google Patents

プラスチックの熱分解方法

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JPH10251656A
JPH10251656A JP6122597A JP6122597A JPH10251656A JP H10251656 A JPH10251656 A JP H10251656A JP 6122597 A JP6122597 A JP 6122597A JP 6122597 A JP6122597 A JP 6122597A JP H10251656 A JPH10251656 A JP H10251656A
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JP
Japan
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plastic
silica
oil
mps
catalyst
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JP6122597A
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Katsuhide Murata
勝英 村田
Yoshinao Hirano
義直 平野
Yusaku Sakata
祐作 阪田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃プラスチックの熱分解速度を長期間にわた
って高く維持し、分解生成油の極端な軽質化を抑制し、
軽油またはA重油相当油を回収することができるプラス
チックの熱分解方法を提供する。 【解決手段】 廃プラスチック1を加熱分解して分解生
成油9として回収するプラスチックの熱分解方法におい
て、廃プラスチック1の溶融液相内に熱分解触媒6とし
て、シリカ含有物質とアルキル基を有する界面活性剤を
反応させて得られたシリカ−ミセル複合体を乾燥、焼成
したメソポーラスシリカ(MPS)を存在させて加熱分
解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの熱
分解方法に係り、特に、廃プラスチックを加熱分解して
分解生成油として回収するプラスチックの熱分解方法で
あって、分解速度が速く、ガス化を抑制し、同時に生成
油を軽質化することができるプラスチックの熱分解方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題および廃棄物問題の
高まりにより、廃棄物を無公害で処理すること、再生し
て資源として有効利用することなど廃棄物対策の必要性
が強く叫ばれており、廃棄物の無公害化、再資源化の研
究が盛んに行われている。廃プラスチックについても同
様で、様々な処理、再生方法に係る研究が各所で行われ
ている。
【0003】廃プラスチックのリサイクル方法は、マテ
リアルリサイクルとサーマルリサイクルとに大別でき、
サーマルリサイクルは、さらに廃プラスチックを直接燃
焼して熱を回収する方法と、一旦加工して燃料化し、最
終的にエネルギーとして回収する方法とに分かれる。廃
プラスチックの燃料化方法としては、留出物として有用
性の高い油を回収することができる熱分解油化方法が注
目されている。
【0004】図7は、従来の、プラスチック熱分解触媒
を用いた廃プラスチックの熱分解方法のプロセスフロー
を示す説明図である。この熱分解油化方法は、被処理材
料である廃プラスチック21を熱分解槽22に供給し、
加熱管23によって間接加熱して熱分解し、分解ガスを
熱交換器27で一旦加熱したのち、例えばゼオライト系
またはシリカ−アルミナ系の触媒を改質触媒として充填
した触媒層26に導入して触媒の存在下で軽質化し、分
解ガス24と分解生成油25を回収するものである。
【0005】しかしながら、この方法は処理対象である
廃プラスチック21が熱分解した蒸気相を触媒層26に
導入してこれを軽質化しようとするものであり、プラス
チックの熱分解速度を上昇させる上で限界があった。ま
た、プラスチック熱分解触媒としてゼオライト系または
シリカ−アルミナ系の触媒が使用されていたために、初
期活性はあるものの、その寿命が短く、例えば100時
間程度で失活し、長時間にわたって高い分解速度を維持
することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、廃プラスチックの熱分解速
度を長時間にわたって高く維持することができ、しかも
分解生成油である回収油の極端な軽質化を防止して軽油
またはA重油相当の油を回収することができるプラスチ
ックの熱分解方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。 (1)廃プラスチックを加熱分解して分解生成油として
回収するプラスチックの熱分解方法において、前記廃プ
ラスチックの溶融液相内に熱分解触媒として、シリカ含
有物質とアルキル基を有する界面活性剤を反応させて得
られたシリカ−ミセル複合体を乾燥、焼成したメソポー
ラスシリカ(MPS)を存在させて加熱分解することを
特徴とするプラスチックの熱分解方法。 (2)前記メソポーラスシリカ(MPS)の前駆体であ
るシリカ含有物質が、コロイダルシリカと水酸化ナトリ
ウムを反応させた粘稠物を乾燥、焼成したのち水和、乾
燥して得られた多孔質シリカであること特徴とする上記
(1)記載のプラスチックの熱分解方法。 (3)プラスチックの種類または分解条件に応じて細孔
径および比表面積の異なるメソポーラスシリカ(MP
S)を使用することを特徴とする上記(1)または
(2)に記載のプラスチックの熱分解方法。
【0008】本発明は、プラスチックの熱分解用触媒と
してメソポーラスシリカ(MPS)を用いることによ
り、プラスチックの分解速度が従来のゼオライト系また
はシリカ−アルミナ系触媒の場合と匹敵するうえ、溶融
プラスチックの高分子炭化水素が極端に軽質化されるこ
とがなく、軽油またはA重油相当の分解生成油が得られ
る。また、従来のゼオライト系およびシリカ−アルミナ
系触媒に見られたような触媒表面への炭素質分の析出が
なく、長期間、例えば5,000時間、安定した熱分解
を行うことができる。
【0009】さらに、MPSをプラスチックの溶融液相
内に存在させて加熱分解することにより、現実にプラス
チックの熱分解が起こっている相内で触媒活性が発現さ
れるので、プラスチックの熱分解速度が向上する。本発
明において、MPSは、シリカ含有物質とアルキル基を
有する界面活性剤とを反応させて得られたシリカ−ミセ
ル複合体を乾燥、焼成することによって得られたものを
使用する。MPSの前駆体であるシリカ含有物質は、例
えばコロイダルシリカと水酸化ナトリウムを反応させた
粘稠物を乾燥、焼成したのち水和、乾燥して得られた多
孔質シリカである。
【0010】本発明において、プラスチック熱分解触媒
であるMPSは、プラスチック溶融液相に分散懸濁させ
ることが好ましく、触媒活性を十分発現させるためその
粒径は、例えば1〜10mmであることが好ましい。反
応器としては、例えばカーベリー・リアクタが使用され
る。MPSは、30Å〜40Åの細孔径を有する六角形
筒群のハニカム構造多孔体であり、プラスチックの熱分
解を促進させるメカニズムは必ずしも明白ではないが、
図1に示したように、溶融プラスチック、例えば高密度
ポリエチレン(HDPE)の高分子炭化水素鎖がMPS
に接近し、ハニカムを構成する六角形筒孔に侵入し、こ
こで高分子炭化水素鎖が分解されたのち、六角形筒孔か
ら流出するものと考えられる。このとき、極端な軽質化
が抑制され、例えばA重油または軽油相当油が得られ
る。
【0011】本発明において、MPSは、プラスチック
の種類または分解条件に応じて細孔径および比表面積の
異なるものを選択して使用することが好ましい。MPS
の細孔径および比表面積は、シリカ含有物質と反応させ
るアルキル基を有する界面活性剤の炭素数を変更するこ
とにより、すなわち、炭素数の異なる界面活性剤を用い
ることによって調整できる。このような界面活性剤とし
ては、疎水基としてC 12〜C18のアルキル基を有するも
の、例えば、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
(C16)、塩化ドデシルピリジニウム(C12)、臭化テ
トラデシルトリメチルアンモニウム(C14)、塩化ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウム(C16)、塩化ステア
リルトリメチルアンモニウム(C18)等があげられる。
【0012】本発明において、細孔径が比較的大きいM
PSはポリスチレンの分解に、また、細孔径が比較的小
さいMPSはポリエチレンの分解に適している。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によりさら
に詳細に説明する。図2は、本発明であるプラスチック
の熱分解方法に用いられる熱分解装置の説明図である。
図において、この装置は、廃プラスチックを熱分解する
反応器3と、処理対象である廃プラスチック1を前記反
応器3に供給する押出し機2と、前記反応器3に設けら
れた加熱器4、攪拌機5および該攪拌機5の攪拌翼に収
納されたプラスチック熱分解用触媒6としてのMPS
と、分解生成物を冷却して分解生成油9と分解ガス8と
に分ける冷却装置7とから主として構成されている。1
0は、抜き出し残渣である。
【0014】廃プラスチック1は、押出し機2により所
定量が反応器3に導入され、攪拌機5の攪拌翼に収納さ
れたMPS6の存在下、加熱器4で所定温度、例えば4
20℃に加熱されて分解する。分解生成物は、冷却装置
7に送られ、ここで所定温度、例えば25℃に冷却さ
れ、分解生成油9および分解ガス8として回収される。
本実施例によれば、プラスチックの熱分解触媒6として
MPSを用い、該MPSをプラスチックの溶融液相内に
存在させたことにより、プラスチックの熱分解速度が向
上するうえ、分解生成物の軽質化を抑制してA重油また
は軽油相当の分解生成油9を回収することができる。ま
た、MPSを攪拌機5の攪拌翼に収納したことにより、
攪拌機5による攪拌によってプラスチックの溶融液を強
制的にMPS層に通過させることができるので、MPS
の触媒活性を十分に発現させることができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例を説明す。 実施例1 図2に示した外部加熱式ガラス製反応器(内径30m
m、長さ350mm)に、高密度ポリエチレン(HDP
E)を、攪拌機の攪拌翼に設けられた触媒収納部にプラ
スチック熱分解触媒としてのMPS(KFS−16B)
を、それぞれHDPE10g当たり、MPS1gの割合
となるように導入または収納し、120℃で試料と反応
器を乾燥したのち、3℃/minで昇温して430℃ま
で攪拌、加熱し、430℃で常圧回分操作により前記H
DPEを熱分解し、分解生成油および分解ガスを回収し
たところ、分解生成油成分が71.1wt%、分解ガス
成分が11.0wt%、残渣分が17.9wt%であっ
た。このとき分解生成油の密度は0.74(g/c
3 )、臭素価は113.2、n−パラフィン換算平均
炭素数(Cnp)は9.8であった。また熱分解終了後の
触媒には炭素(コークス)の析出は見られなかった。
【0016】本実施例において、プラスチック熱分解触
媒であるMPSは、以下の方法によって調製したものを
用いた。すなわち、コロイダルシリカ水とカセイソーダ
をSiO2 /NaOHがモル比で1対1になるように混
合した混合溶液を室温で5時間攪拌し、55℃、50m
mHgで減圧乾燥して粘稠で透明な液体とし、この粘稠
液を110℃で72時間乾燥し、次いでマッフル炉を用
い、空気雰囲気下、700℃で5.5時間焼成して白色
の焼成生成物を得た。得られた白色焼成物を大量の、イ
オン交換水(3リットル)に投入して水和し、沈殿した
白色粉末を水洗し、濾過、乾燥して多孔質シリカとし
た。
【0017】得られた多孔質シリカ1.5gを、0.1
M−臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(疎水基
としてC16のアルキル基を有する界面活性剤)水溶液1
00mlに懸濁させ、1N−水酸化ナトリウム水溶液で
pH=12に調整したのち、70℃で24時間攪拌し、
その後、室温まで冷却し、濃アルカリ状態の反応液に2
N−塩化水素水溶液を加えてpH=8.5に調整し、4
8時間攪拌したのち、固形物を濾過、水洗してカネマイ
ト/棒状ミセル複合体とした。得られたカネマイト/棒
状ミセル複合体を110℃で25時間乾燥し、空気雰囲
気下、400〜700℃で6時間焼成してMPSとし
た。MPSの平均結晶子径は10〜30μm、六角筒の
平衡平面間隔(細孔径)は3.6nmであった。
【0018】比較例1 MPSの代わりに、SiO2 /Al2 3 のモル比が
4.99のシリカ−アルミナ触媒(SA−1)をプラス
チック熱分解用触媒として用いた以外は上記実施例1と
同様にして同様のHDPEの分解を行ったところ、分解
生成油成分が67.8wt%、分解ガス成分が23.7
wt%、残渣分が8.5wt%であった。このとき分解
生成油の密度は0.72(g/cm3 )、臭素価は14
6.0、n−パラフィン換算平均炭素数(Cnp)は7.
6であった。また熱分解終了後の触媒表面は真っ黒にな
っており、炭素(コークス)の付着が認められた。
【0019】比較例2 MPSの代わりに、SiO2 /Al2 3 のモル比が
0.267のシリカ−アルミナ触媒(SA−2)をプラ
スチック熱分解用触媒として用いた以外は上記実施例1
と同様にして同様のHDPEの分解を行ったところ、分
解油成分が74.3wt%、分解ガス成分が13.4w
t%、残渣分が12.3wt%であった。分解生成油の
密度は0.74(g/cm3 )、臭素価は123.3、
n−パラフィン換算平均炭素数(Cnp)は9.0であっ
た。また熱分解終了後の触媒表面は真っ黒になってお
り、炭素(コークス)の付着が認められた。
【0020】比較例3 MPSの代わりに、SiO2 /Al2 3 のモル比が7
5.9のシリカ−アルミナ触媒(ZSM−5)をプラス
チック熱分解用触媒として用いた以外は上記実施例1と
同様にして同様のHDPEの分解を行ったところ、分解
油成分が49.8wt%、分解ガス成分が44.3wt
%、残渣分が5.8wt%であり、分解生成油の密度は
0.72(g/cm3 )、臭素価は130.5、n−パ
ラフィン換算平均炭素数(Cnp)は8.5であった。熱
分解終了後の触媒表面は真っ黒になっており、炭素(コ
ークス)の付着が認められた。
【0021】比較例4 プラスチック熱分解用触媒を用いない以外は上記実施例
1と同様にして同様のHDPEの分解を行ったところ、
分解油成分が69.3wt%、分解ガス成分が9.6w
t%、残渣分が21.1wt%であり、分解生成油の密
度は0.76(g/cm3 )、臭素価は57.6、n−
パラフィン換算平均炭素数(Cnp)は11.9であっ
た。
【0022】実施例1および比較例1〜4におけるプラ
スチック熱分解用触媒の性状、分解生成物の割合および
分解生成油の性状を表1に示す。
【0023】
【表1】 註)Cnp :n−パラフィン換算平均炭素数 表1において、プラスチック熱分解用触媒としてMPS
(KFS−16B)を用いた実施例1は、分解生成油の
回収率が高く、しかも得られた分解生成油の臭素価が低
く、比較例に比べて不飽和成分が少ないことが分かる。
また、n−パラフィン換算平均炭素数(Cnp)は9.8
であり、軽質化が抑制されていることが分かる。これに
対して比較例1〜3は、ガス化率が高く、分解生成油の
n−パラフィン換算平均炭素数(Cnp)が小さくなって
おり、軽質化が進んでいる。特に比較例3はガス化率が
異常に大きく、ZSM−5は油化分解触媒としては相応
しくない。一方、比較例4(無触媒)は、分解生成油の
回収率が低く、残渣分が多いことが分かる。
【0024】図3に、実施例1および比較例1〜4にお
ける、分解経過時間と分解生成油回収量の累積値との関
係を示す。図において、縦軸は分解油の回収率に相当す
る。また、分解油留出曲線の初期勾配は反応器内溶融プ
ラスチック当たりの分解速度に相当する。従って、実施
例1、比較例1および2は、共に分解速度が速く、系が
430℃に到達するとほぼ同時に分解油の留出が認めら
れ、比較例4(無触媒)と比較して熱分解に対する触媒
作用がはたらいていることが分かる。なお、比較例3
は、分解速度は速いものの、分解生成油の回収率が低
く、ZSM−5は油化分解触媒としては相応しくないこ
とが分かる。
【0025】図4は、実施例1および比較例1〜4にお
ける分解油のNp−グラム(炭素数分布)を比較して示
したものである。図において、実施例1における分解生
成油の組成は、比較例1〜3に比べて灯油または軽油部
分がかなり含まれていることが分かる。 実施例2 実施例1と同様のプラスチック熱分解触媒を用い同様の
条件で高密度ポリエチレン(HDPE)の熱分解を回分
式で4回繰り返したところ、4回の回分試験後のMPS
(KFS−16B)は茶褐色を呈したが、油化分解速度
はなお速く、分解生成油組成は、比較例1または2(シ
リカ/アルミナ触媒)の場合よりも高沸点成分が多く、
灯油と軽油の混合物に近いものであった。
【0026】各回分試験において得られた分解生成物の
割合および分解生成油の性状を表2に示す。
【0027】
【表2】 註)Cnp :n−パラフィン換算平均炭素数 表2において、分解生成油の回収率は80%台に向上
し、分解生成油のn−パラフィン換算平均炭素数
(Cnp)が大きくなり、軽質化がより抑制されたことお
よび分解残渣分が減少したことが分かる。
【0028】図5は、実施例2の各回分試験における分
解経過時間と分解生成油回収量の累積値との関係を前記
比較例4(無触媒)と比較して示したものである。図に
おいて、実施例2の各回分試験における分解速度は、回
分試験回数を重ねても依然として比較例4と比べて大き
いことが分かる。図6は、実施例2の各回分試験で得ら
れた分解油のNP−グラム(炭素数分布)を比較例4
(無触媒)と比較して示したものである。図において、
実施例2における各回分試験で得られた分解生成油は高
沸点成分が多く、灯油と軽油の混合物またはそれに近い
成分であることが分かる。
【0029】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、プ
ラスチックの溶融液相に、熱分解触媒としてメソポーラ
スシリカ(MPS)を存在させて加熱分解することによ
り、プラスチックの熱分解速度が長期間安定して速くな
り、分解生成油の回収率が高くなる。また、分解生成油
の軽質化が抑制され、灯油または軽油相当油が得られ
る。
【0030】本願の請求項2記載の発明によれば、MP
Sの前駆体であるシリカ含有物質として多孔質シリカを
用いたことにより、上記発明の効果に加え、MPSのハ
ニカム構造が安定し、安定した熱分解を継続することが
できる。本願の請求項3記載の発明によれば、プラスチ
ックの種類または分解条件に応じて細孔径および比表面
積の異なるMPSを用いることにより、プラスチックの
熱分解反応が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】MPSのプラスチック(HDPE)熱分解機構
を示す模式図。
【図2】本発明の一実施例に用いられるプラスチック熱
分解装置の説明図。
【図3】分解経過時間と分解生成油回収量の累積値との
関係を示す図。
【図4】分解生成油のNP−グラムを示す図。
【図5】分解経過時間と分解生成油回収量の累積値との
関係を示す図。
【図6】分解生成油のNP−グラムを示す図。
【図7】従来技術を示す図。
【符号の説明】
1…廃プラスチック、2…押出し機、3…反応器、4…
加熱器、5…攪拌機、6…プラスチック熱分解用触媒、
7…冷却装置、8…分解ガス、9…分解生成油、10…
抜き出し残渣、21…廃プラスチック、22…熱分解
槽、23…加熱管、24…分解ガス、25…分解油、2
6…触媒層、27…熱交換器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチックを加熱分解して分解生成
    油として回収するプラスチックの熱分解方法において、
    前記廃プラスチックの溶融液相内に熱分解触媒として、
    シリカ含有物質とアルキル基を有する界面活性剤を反応
    させて得られたシリカ−ミセル複合体を乾燥、焼成した
    メソポーラスシリカ(MPS)を存在させて加熱分解す
    ることを特徴とするプラスチックの熱分解方法。
  2. 【請求項2】 前記メソポーラスシリカ(MPS)の前
    駆体であるシリカ含有物質が、コロイダルシリカと水酸
    化ナトリウムを反応させた粘稠物を乾燥、焼成したのち
    水和、乾燥して得られた多孔質シリカであることを特徴
    とする請求項1記載のプラスチックの熱分解方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックの種類または分解条件に応
    じて細孔径および比表面積の異なるメソポーラスシリカ
    (MPS)を使用することを特徴とする請求項1または
    2に記載のプラスチックの熱分解方法。
JP6122597A 1997-03-14 1997-03-14 プラスチックの熱分解方法 Withdrawn JPH10251656A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070906A1 (en) * 2000-03-20 2001-09-27 Kwak Ho Jun Method and system for continuously preparing gasoline, kerosene and diesel oil from waste plastics
KR100857247B1 (ko) 2007-06-05 2008-09-05 서울시립대학교 산학협력단 촉매 열분해에 의한 바이오오일의 생산 방법

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