JP2005187794A - 廃プラスチックの液化法および廃プラスチック液化用無機酸化物粒子 - Google Patents

廃プラスチックの液化法および廃プラスチック液化用無機酸化物粒子 Download PDF

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泰治 古川
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Abstract

【課題】 廃プラスチックを低い温度で液化・分解が可能であるとともに、残渣が低減し、着色、臭気等が低減した燃料油が高収率で得ることが可能な廃プラスチックの液化処理方法を提供する。
【解決手段】 廃プラスチックと、平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にある無機酸化物粒子(1)との混合物を、200〜500℃の温度範囲で加熱することを特徴とする廃
プラスチックの液化法。
前記混合物を加熱して得られた廃プラスチックの液化油を、さらに、別の無機酸化物粒子(2)と、200〜500℃の温度範囲で接触させて、分解させる。前記無機酸化物粒子(1)の平均粒子径が30〜150μmの範囲にある。前記無機酸化物粒子(1)の安息角が、10〜50度の範囲にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃プラスチックを効率的に分解する方法およびかかる方法で使用される廃プラスチック液化処理用無機酸化物粒子に関する。
プラスチックは、固体の有機重合体からなるものであり、シート状、押出形材、各種成型品の形状、強化プラスチックス、積層品および発泡プラスチックスなどの形態で使用され、使用後のプラスチック材料の大部分は埋立地に廃棄プラスチックとして処分されていた。しかしながら、廃棄物を埋立地等に埋めることは用地確保などの点で次第に困難になりつつある。
加えて、埋められたプラスチックスは分解に長時間を要し、分解されたとしても有毒廃棄物が漏出し、地下水を汚染することがあった。
このため、分解が容易な生分解性プラスチック等も使用されているが量的には少量であるとももに、コストが高いという問題があった。
また、プラスチックは可燃物であるため一部は焼却炉で焼却されている。しかしながら、プラスチックの種類によっては有毒ガスやススを排出し、大気汚染の原因となったり、高温となるため焼却炉が長期使用できない等の問題があった。
このため、近年、リサイクルが奨励されているが、技術的、経済的観点から廃プラスチックの一部にとどまっている。
一方、廃プラスチックを高温で加熱して液化し、燃料油を製造することも行われている。しかしながら、この熱分解法による場合、得られる燃料油が着色していたり、強い臭気がしたり、粘度が高く、加えて処理が概ね400℃以上の高温を必要とし、このため処理容器に残渣が付着し、連続して安定的に液化して燃料油を製造することが困難であった。
このため、特開平8−253773号公報(特許文献1)にはシリカ・アルミナ触媒を用いて廃プラスチックの分解速度を速くすることが開示されている。特許文献1には、シリカ・アルミナ触媒の製造方法として、テトラエトキシシランと硝酸アルミニウムの混合物に硝酸を添加し、生成した寒天状物を熟成し、洗浄し、乾燥し、焼成し、これを粉砕した後、造粒することが記載されている。
特開平8−253773号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたシリカ・アルミナ触媒は、プラスチックの分解速度を速めることはできるものの、廃プラスチックとの混合性、特に溶融した廃プラスチックへの分散性が悪く、シリカ・アルミナ触媒粒子が凝集体を形成することがあり、このため、シリカ・アルミナ粒子の利用効率が不充分となることがあった。また、反応せずに残ってしまう残渣量も多いなどの欠点があった。
本発明者等は、上記問題点に鑑み、鋭意検討した結果、流動性に富んだ微粒の無機酸化物粒子を加えて加熱することによって、低い温度で液化・分解が可能であるとともに、残渣が低減し、着色、臭気等が低減した燃料油が高収率で得られることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る廃プラスチックの液化法は以下のとおりである。
(1)本発明に係る廃プラスチックの液化法は、廃プラスチックと、平均粒子径が30μm
〜5mmの範囲にある無機酸化物粒子(1)との混合物を、200〜500℃の温度範囲で
加熱することを特徴とする。
(2)前記混合物を加熱して得られた廃プラスチックの液化油を、さらに、別の無機酸化物
粒子(2)と、200〜500℃の温度範囲で接触させて、分解させる。
(3)前記無機酸化物粒子(1)の平均粒子径が30〜150μmの範囲にある。
(4)前記無機酸化物粒子(1)の安息角が、10〜50度の範囲にある。
(5)前記無機酸化物粒子(2)の平均粒子径が30μm〜10mmの範囲にある。
(6)前記無機酸化物粒子(2)を充填した固定床で、廃プラスチックの液化油と無機酸化物粒子(2)とを接触させる。
(7)一旦、廃プラスチックの液化に使用した無機酸化物粒子(1)を分離・回収し、これを再度、廃プラスチックの液化に使用する。
(8)前記無機酸化物粒子(1)および無機酸化物粒子(2)が、シリカ・アルミナ、シリカ・チ
タニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
(9)前記無機酸化物粒子(1)の混合割合が廃プラスチックの0.1〜30重量%の範囲にあ
る。
(10)廃プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックである。
(11)本発明に係る廃プラスチック液化用無機酸化物粒子(1)は、平均粒子径が30μm〜
5mmの範囲にあり、安息角が10〜50度の範囲にあり、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ等の複合酸化物、ゼオライトおよび/または粘土鉱物の少なくとも1種からなり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックを液化しうる触媒作用を有することを特徴とする。
(12)本発明に係る廃プラスチックの液化用無機酸化物粒子(2)は、平均粒子径が30μm
〜10mmの範囲にあり、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、ゼオライトおよび/または粘土鉱物の少なくとも1種からなり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックを液化または分解しうる触媒作用を有する。
(13)本発明に係る廃プラスチック油化装置は、
(i)廃プラスチックを溶融・熱分解して液化する液化槽と、(ii)この処理槽に廃プラスチ
ックを投入する投入機構と、(iii)この液化槽で得られた液化油を分解する分解槽と、(iv)分解して得られた分解ガスを冷却・凝縮して軽質油化する油化手段とを備え、
液化槽が、平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にあり、安息角が10〜50度の範囲にあり、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる無機酸化物粒子(1)を含み、
分解槽が、平均粒子径が30μm〜10mmの範囲にあり、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる無機酸化物粒子(2)が充填された固定床であることを特徴とする。
本発明によれば、流動性に富んだ微粒の無機酸化物粒子を加えて加熱することによって、低い温度で液化するとともに、残渣も少なく、着色、臭気等が低減した燃料油が高収率
で得られる。
以下に、本発明に係る廃プラスチックの液化法について説明する。
[廃プラスチックの液化法]
本発明に係る廃プラスチックの液化法は、廃プラスチックと平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にある無機酸化物粒子(1)との混合物を、200〜500℃の温度範囲で加熱
することを特徴としている。
無機酸化物粒子(1)
本発明に用いる無機酸化物粒子(1)としては、例えばSiO2、Al23、ZrO2、TiO2、MgO、Sb23、SiO2-Al23、SiO2-TiO2、SiO2-ZrO2、Al23-MgO、
Al23-ZrO2、Al23-TiO2等の酸化物微粒子、複合酸化物微粒子が挙げられる。さらに、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトなどの粘土鉱物の他天然ゼオライト等も好適に用いることができる。中でも複合酸化物微粒子は廃プラスチックの液化をより低温で行うことができるので好ましい。
すなわち、前記無機酸化物粒子(1)がシリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・
ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記無機酸化物粒子(1)には上記酸化物とともに、結晶性アルミノシリケート(以下、
ゼオライトと言うことがある)を含んでいることが好ましい。
ゼオライトとしては、A型ゼオライト、フォージャサイト型(X型、Y型と言うことがある)ゼオライト、L型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、FMI型ゼオライト(ZSM−5型ゼオライトと言うことがある)、β型ゼオライト等の合成ゼオライトおよびこれらの混合物を用いることができる。
ゼオライトを用いる際は、イオン交換法等によってアルカリ土類金属カイオン、希土類金属カイオン等の所望のカチオンに、所望の交換率にイオン交換して用いることができる。さらに、必要に応じて水熱処理および/または酸、アルカリ等による化学的処理を施して用いることもできる。さらにこれらゼオライトには前述したような金属が担持されていても良い。
このようなゼオライトを含んでいると、液化温度を低くすることができるか、あるいは軽質(沸点が低い)の生成油を得ることができる。
このようなゼオライトは、前記した酸化物あるいは複合酸化物からなる無機酸化物粒子(1)中に概ね0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
無機酸化物粒子(1)中のゼオライトの含有量が0.1重量%未満の場合は、ゼオライトを用いる効果が充分得られず、ゼオライトの含有量が40重量%を越えてもさらに液化温度を低下したり、生成する液化油をさらに軽質化する効果が小さく、かりに効果が得られても、ゼオライトが効果であるため経済性が低下し、また無機酸化物粒子(1)の粒子強度、
耐摩耗性が低下する傾向にある。
さらに、前記無機酸化物粒子中には、必要に応じて周期律表のIb族の金属、VIII族の
金属、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IIIb族、IVa族、IVb族、Va族、Vb族、VIa族、VIIa族、VIII族元素の酸化物、あるいは必要に応じてHCl、BF3、H3PO4、F等の触
媒成分、助触媒成分を担持して用いることもできる。
このような無機酸化物粒子(1)の大きさ、形状等については、流動性が高く溶融した廃
プラスチックへの分散性が高ければ特に制限はなく、液化装置、液化条件等によって適宜選択することができる。たとえば、無機酸化物粒子(1)の形状としては、粒状、平板状、
ペレット状、パイプ(円筒)状、ハニカム状等が挙げられる。
このような無機酸化物粒子(1)は、平均粒子径が30μm〜5mm、好ましくは30μ
m〜1mm、特に好ましくは30〜150μmの範囲にある。
このような平均粒子径にあるものは、流動性が高く、廃プラスチックとの接触効率を高めることができる。その結果、液化温度を低減できるとともに、液化しない残渣量を減らすことも可能である。
無機酸化物粒子(1)の平均粒子径が30μm未満の場合は、廃プラスチックとの均一な
混合が困難であり、特に溶融した廃プラスチックへの分散性が悪く、凝集することがあり、液化温度を低減したり、残渣を低減する効果が充分得られないことがある。また、液化して得られる生成油との分離が困難となることがある。
無機酸化物粒子(1)の平均粒子径が5mmを越えると、廃プラスチックとの接触効率が
低下し、相互の熱伝導速度が遅かったり、無機酸化物粒子(1)による液化作用(分解作用
)が不充分となり、液化温度の低下が不充分となり、無機酸化物粒子(1)を用いる効果が
充分得られないことがある。
本発明に用いる無機酸化物粒子(1)としては、平均粒子径が30〜150μmの範囲に
あるとともに、該無機酸化物粒子(1)の安息角が10〜40度、さらには10〜35度の
範囲にあることが好ましい。
無機酸化物粒子(1)の安息角が10度未満のものは得ることが困難であり、安息角が4
0度を越えると流動性が悪く、溶融した廃プラスチックへの分散性が悪く、凝集することがあり、液化温度を低減したり、残渣を低減する効果が充分得られないことがある。
このような安息角は、円筒型測定瓶(幅:210mm、高さ:250mm、奥行:200mm)に約半分の無機酸化物粒子(1)を充填して蓋をし、測定瓶を4個の台車を有する
架台に横向きに載せ、2〜3分間回転した後、瓶内の無機酸化物粒子(1)の形成する傾斜
を水平面からの角度として測定することによって求めることができる。本発明では、円筒回転法の三輪式安息角測定器により求めた。
なお、本発明に用いる無機酸化物粒子(1)は、廃プラスチックの接触分解用触媒、さら
には流動接触分解用触媒として用いられている。このため、このような無機酸化物粒子と廃プラスチックとを混合し加熱すると、廃プラスチックを液化することができる。
このような無機酸化物粒子(1)は、これらは必要に応じて200℃以上の温度で加熱処
理して用いることが好ましい。加熱処理を行うと、粒子の強度が向上し、使用に際して粉化することがなく、さらに処理温度を低下させたり、残渣を低減する効果が向上する。
また、一旦、接触分解プロセスで使用した触媒を用いることもできる。さらに詳述する本発明に係る液化法で、一旦使用した無機酸化物粒子(1)を、分離し、使用することもで
きる。
本発明に用いる無機酸化物粒子(1)の製造方法は、前記した組成および平均粒子径(大
きさ)を有した無機酸化物粒子(1)が得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用
することができる。
例えば、珪酸ナトリウム水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液を混合してシリカアルミナヒドロゲルを調製する。ついで、必要に応じて熟成し、洗浄し、成形体を調製する場合は、シリカアルミナヒドロゲルの濃度を固形分として概ね30〜60重量%に調整し、押し出し成形、必要に応じて転動造粒等することによってペレット、粒状等の無機酸化物粒子(1)を得ることができる。
また、流動性に優れた接触分解用の無機酸化物粒子(1)は、シリカアルミナヒドロゲル
の濃度を固形分として概ね5〜30重量%に調整し、噴霧乾燥し、必要に応じて加熱処理することに得ることができる。
上記において、シリカアルミナヒドロゲルの代わりにシリカゾル、アルミナゾル、シリカアルミナゾル等を用いてもよく、さらにゼオライト、粘土鉱物を配合して用いてもよい。
廃プラスチック
廃プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド、ポリウレタン樹脂等の廃プラスチックを用いることができる。これらは、汎用品、日用品、レジャー用品、情報記録媒体、家電、包装容器、農業用品、規格外品などを回収して使用される。
なお、用途に応じて、廃プラスチックには、充填剤、各種添加剤、着色料、メタル層などを含んでいてもよい。
このとき、廃プラスチックはできるだけ小さいもの、必要に応じて、粉砕、細断したものあるいは圧延して薄くしたものが好ましく、廃プラスチックの大きさは2mm〜50mm程度が好ましい。
廃プラスチックの大きさが50mmを越えると、溶融が不均一になったり、このため溶融時間が長くなる傾向がある。また分解が不充分となり、液化物の回収量が減少してしまうことがある。
廃プラスチックの大きさが2mm未満の場合は、軟化時間を短縮する効果がさらに向上することもなく、過度の細断や圧延のために経済性が低下することがある。
廃プラスチックはあらかじめ、洗浄などの方法によって、不純物を除去しておいても良い。
液化処理
本発明に係る廃プラスチックの液化方法は、前記した無機酸化物粒子(1)と廃プラスチ
ックとを接触させる。
このように無機酸化物粒子(1)と廃プラスチックとを接触させれば、廃プラスチックが
分解されて、分解油が得られる。得られた分解油は通常留出されて、未反応物、燃料油などとして使用される。
無機酸化物粒子(1)と廃プラスチックとの接触は、通常、溶融した廃プラスチックと混
合することで行われる。
上記廃プラスチックの液化処理は、たとえば、回分式で行うこともできる。また、溶融
していない廃プラスチックと、無機酸化物粒子(1)とを混合しながら、加熱して、廃プラ
スチックを液化させてもよい。
なお、あらかじめ、粉末状の廃プラスチックと無機酸化物粒子とを混合しておいてもよい。
さらには、留出した液化油の一部を液化槽に戻してもよい。液化槽に戻した液化油に、廃プラスチックおよび無機酸化物粒子を添加すれば、一部の液化油が循環しながら、連続的に液化を行うこともできる。
液化槽での廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)との混合割合は、無機酸化物粒子(1)および廃プラスチックの大きさにもよるが、無機酸化物粒子(1)が廃プラスチックの0.1〜30重量%、さらには1〜25重量%の範囲にあることが好ましい。
無機酸化物粒子(1)が廃プラスチックの0.1重量%未満の場合は、廃プラスチックの液化温度を低下させたり、液化油の着色や臭気の低減効果が不充分となることがあり、無機酸化物粒子が廃プラスチックの30重量%を越えると、液化温度を低下させたり、液化油の着色や臭気の低減効果がさらに向上することもなく、液化温度(以下、液化油の留出温度を言うことがあり、平均液化温度として初留出温度と留出終了時の温度の平均値をいうことがある)をさらに低下させることができたとしても、液化油と無機酸化物粒子(1)と
の分離に負荷がかかることがある。
廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)との混合物の液化槽での加熱温度は、回分式の場
合は200〜500℃、さらには300〜450℃の範囲にあることが好ましい。
液化槽での温度が約200℃を越えると廃プラスチックの軟化が開始し、さらに温度を上昇させることによって液化する。液化槽での温度がこのような範囲にあれば、効率的に液化を行うことが可能となる。
本発明では、上記したような流動性に優れた無機酸化物粒子を触媒として使用しているので、低温でも廃プラスチックの液化を行うことができる。なお例えば特許文献1に開示された方法では、使用される触媒の流動性が悪いので、380℃以上で熱処理が必要となり、さらに処理効率も不充分であり、その結果、残渣量が多くなってしまう。これに対して、本発明では、無機酸化物粒子(1)の流動性が高いので、廃プラスチックとの接触効率
が高く、低温で液化できるので、液化油の着色、臭気も抑制される。
廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)との混合物の加熱温度が200℃未満の場合は、
廃プラスチックの種類によっては全量を液化できない場合があり、できたとしても液化に長時間を要したり、液化油の収率が不充分となる。
具体的にはポリプロピレンが310〜420℃、ポリエチレンが310〜450℃程度の温度である。このような温度であれば、廃プラスチックが分解され、同時に生成した液化油は留出される。
廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)との混合物の加熱温度は、実質的に廃プラスチッ
クが全量液化、ガス化するので500℃を越えることはない。
断続または連続的に、液化槽に溶融した廃プラスチックを供給しながら加熱する場合、加熱温度が200℃未満では、液化が進行せず、温度が高すぎると熱分解伴うためか、ガスが増加したり、残渣が増加するとともに液化油の収率が低下し、また得られる液化油の臭気や着色が増加することがある。
なお、加熱時間(滞留時間)は廃プラスチックの種類や処理量によって異なり、液化油
の生成量や品質をみながら適宜設定することができる。
処理終了後、無機酸化物粒子は公知の手段で分別されるが、処理後回収した無機酸化物粒子はそのまま再度使用することも可能であり、むしろ繰り返し使用すると残渣が減少し、液化油の生成量が増加する傾向がある。
このような処理により分解油が得られる。得られた分解油は、留出されて系外に取り出され、必要に応じてコンデンサなどの冷却器により冷却されて凝縮される。留出した分解油は灯油、軽油成分から構成される。
また、留出した分解油を回収し、さらに、別の無機酸化物粒子(2)と接触させてもよい

以下、本発明に係る液化法の一態様例を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明のプロセスフローを示す説明図である。図1において、処理対象である廃プラスチック2の導入管4、分解生成物である液化油3が留出する留出管8、および未反応物、不揮発性の炭素質分が分解残渣6として抜出される排出管10を備えた液化槽1に加熱管9が配置されている。廃プラスチック2は導入管4を経て液化槽1に流入し、加熱管9によって所定温度に加熱され、無機酸化物粒子(1)7が懸濁するように分散混合さ
れた状態でさらに加熱され、熱分解する。分解生成物である液化油3は、蒸留されて留出管8を経て系外に回収される。
流出された液化油は、必要に応じて、液化油は無機酸化物粒子(2)が充填された分解槽
に供給されて、さらに軽質油にまで分解されてもよい。
分解処理
本発明では、前記廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)との混合物を加熱して得られた
液化油をさらに無機酸化物粒子(1)とは別の無機酸化物粒子(2)と、200〜500℃の温度範囲で接触させてもよい。このように、別の無機酸化物粒子と接触させると、液化油がさらに分解され、ガソリンなどの軽質油として回収することが可能となる。液化油は通常加熱され、ガス化(場合によっては凝縮)されて留出されるので、分解処理は、無機酸化物粒子(2)が充填した固定床で行われる。
無機酸化物粒子(2)
本発明に用いる無機酸化物粒子(2)を構成する酸化物としては、前記無機酸化物粒子(1)と同じものが例示される。
液化油をさらに、無機酸化物粒子(2)と接触させることによって、たとえば約400℃
以下の温度で接触させることによって、灯油、軽油の着色、臭気を除去でき、水素加圧下で接触させると着色、臭気を除去するとともに燃料として用いる際のセタン価を向上させることができる。また約400℃以上の温度で接触させることによってガソリンあるいはブタン、ブテン、プロパン、プロピレン等のガスをより選択的に得ることができる。特にガソリンは、オクタン価の高いガソリンを得ることができる。
このような無機酸化物粒子(2)は、平均粒子径が30μm〜10mm、さらには0.5〜5mmの範囲にあることが好ましい。
無機酸化物粒子(2)の平均粒子径が30μm未満の場合は、前記液化油と接触させる際
に差圧が生じて処理が困難となることがある。
0.5mm以上の平均粒子径であれば、通常、差圧を生じることがない。
無機酸化物粒子(2)の平均粒子径が10mmを越えると、液化油との接触効率が低下し
て処理効率が低下し、無機酸化物粒子(2)と接触させる効果、すなわち前記所望の灯油、
軽油あるいはガソリン、ガスを得る効果が不充分となる。
液化油と無機酸化物粒子(2)とを接触させる温度が200℃未満の場合は、着色、臭気
を除去したり、セタン価を向上させる効果が充分得れないことがある。
液化油と無機酸化物粒子(2)とを接触させる温度が500℃を越えると有用なガソリン
、ガスの生成量が減少するとともに炭素質が触媒に析出し、触媒の性能が低下する問題がある。なお、炭素質が触媒に析出して触媒の性能が低下した場合は、酸化剤と接触させて炭素質を燃焼して除去し、再生して使用することも可能である。
本発明で使用される前記無機酸化物粒子(2)には前記無機酸化物粒子(1)と同様に結晶性アルミノシリケート(以下、ゼオライトと言うことがある)を含んでいてもよい。
このようなゼオライトを含んでいると、灯油、軽油が主成分である液化油を、さらに有用な高オクタン価のガソリン、あるいはガスに効率よく転換することができる。なお、ゼオライトを含む場合の無機酸化物粒子(2)を構成する無機酸化物としては、前記複合酸化
物、粘度等以外にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物を用いることができる。
このようなゼオライトは、酸化物、複合酸化物あるいは粘土鉱物からなる無機酸化物粒子中(2)に概ね0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲で含まれていることが好ましい。無機酸化物粒子(2)中のゼオライトの含有量が0.1重量%未満の場合は、ゼオライトを用いる効果が充分得られず、ゼオライトの含有量が40重量%を越えると処理温度にもよるが、有用な高オクタン価のガソリンあるいはオレフィンガスの生成量が減少し、パラフィンガスが増加する傾向にある。
さらに、前記無機酸化物粒子(2)中には、必要に応じて周期律表のIb族の金属、VIII族
の金属、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IIIb族、IVa族、IVb族、Va族、Vb族、VIa族、VIIa族、VIII族元素の酸化物、あるいは必要に応じてHCl、BF3、H3PO4、F等の触媒成分、助触媒成分を担持されていてもよい。
なお、液化油は蒸留されたガス化またはガス化されたのち凝縮されているので、前記無機酸化物粒子(2)を液化油と接触させる際には、該無機酸化物粒子(2)が充填された固定床を用いて、廃プラスチックの液化油(ガス)を通過させることにより無機酸化物粒子(2)
を接触させることが好ましい。
このような無機酸化物粒子(2)の形状等については特に制限はなく、処理装置、処理条
件等によって適宜選択することができる。たとえば、無機酸化物粒子(2)の形状としては
、粒状、繊維状、平板状、ペレット状、パイプ(円筒)状、ハニカム状等が挙げられる。
つぎに、本発明に用いる無機酸化物粒子(2)の製造方法は、前記した組成および平均粒
子径(大きさ)を有した無機酸化物粒子(2)が得られれば特に制限はなく、従来公知の方
法を採用することができる。また、前記無機酸化物粒子(1)を廃プラスチックの液化に使
用したのち、回収し、無機酸化物粒子(2)として使用することも可能である。
例えば、珪酸ナトリウム水溶液とアルミン酸ナトリウム水溶液を混合してシリカアルミナヒドロゲルを調製する。ついで、必要に応じて熟成し、洗浄し、成形体を調製する場合は、シリカアルミナヒドロゲルの濃度を固形分として概ね30〜60重量%に調整し、押し出し成形したり、また必要に応じて転動造粒等することによってペレット、粒状等の無機酸化物粒子(2)を得ることができる。
上記において、シリカアルミナヒドロゲルの代わりにシリカゾル、アルミナゾル、シリ
カアルミナゾル等を用いてもよく、さらにゼオライト、粘土鉱物を配合して用いてもよい。
[廃プラスチック油化装置]
本発明に係る廃プラスチック油化装置は、本発明に係る廃プラスチック油化装置は、
(i)廃プラスチックを溶融・熱分解して液化する液化槽と、(ii)この処理槽に廃プラスチ
ックを投入する投入機構と、(iii)この液化槽で得られた液化油を分解する分解槽と、(iv)分解して得られた分解ガスを冷却・凝縮して軽質油化する油化手段とを備え、
液化槽が、前記無機酸化物粒子(1)を含み、分解槽が、前記無機酸化物粒子(2)を含む。
このような装置の一態様例を図面により説明する。
図2は本発明に係る廃プラスチック油化装置の実施の一形態を示したものである。
図2に示すように、廃プラスチック油化装置は、廃プラスチック液化・分解槽11に投入するための投入機構12と、この投入機構12から投入された廃プラスチックを加熱し、溶融・熱分解して液化またはガス化するための液化・分解槽11と、留出した分解油をさらに分解する分解槽13と、分解槽13で処理された分解油または分解ガスを冷却・凝縮して油化(液化)するためのコンデンサ14と、このコンデンサ14で凝縮された軽質油分を溜めるための回収槽15とから主に構成されている。
廃プラスチック液化・分解槽11には、上記液化油処理用無機酸化物粒子(1)が含まれ
、攪拌・流動しながら、溶融された廃プラスチックと無機酸化物粒子(1)とが混合される
液化・分解槽11は、耐熱性材質より構成され、上部開口部に、廃プラスチックをバッチ式に投入するための投入機構12を備えると共に、その底面および/または周囲に加熱手段17が設けられている。
廃プラスチックが分解されて得られた分解油は、通常、反応時の加熱によってガス化され、槽本体11上部に設けられた排出口からラインに通って留出するようになっている。
ラインは、分解槽13と接続して、分解槽13にて、分解油と無機酸化物粒子(2)と接
触できるようになっている。ガス化された分解油はそのままガスとして無機酸化物粒子(2)と接触してもよく、また、凝縮して液化して無機酸化物粒子(2)と接触してもよい。
分解槽13には、上記液化油処理用無機酸化物粒子(2)が充填された固定床であり、ガ
ス化した分解油が通過し接触するようになっている。分解槽13は、耐熱性材質より構成され、処理されたガス(油)をコンデンサ14に供給するためのラインを有している。また、分解槽13の周囲には加熱手段が設けられていてもよい。
この加熱手段17としては特に制限されるものではないが、例えばガスバーナー、電気ヒータ、熱風炉を用いても良い。また、コンデンサで回収した熱量を使用してもよく、さらに本発明で回収された分解油を燃焼して熱源としてもよい。また本発明に係る装置で生成した分解油の一部は分解槽に戻してもよい。このように循環使用すると、熱効率が高くなり、また、分解処理を効率的に行うことができる。
分解槽13で処理された分解油(通常ガス状)は、コンデンサ14を経て、冷却されて軽質油となり、回収槽15に回収される。
また分解槽13で処理された分解油は、その一部が液化・分解槽に供給されてもよい。
コンデンサ14の冷却手段としては、特に制限されるものではなく、冷媒式、通風式など公知のものを特に制限なく採用することが可能である。
液化・分解槽11底部には、通常、残渣抜き出し口が設けられている。この残渣抜き出し口より、液化処理によって発生した炭素分、液化・分解槽に導入された無機酸化物粒子(1)が回収される。回収された無機酸化物粒子(1)は、必要に応じて公知の固液分離手法、たとえば遠心分離などによって、油分が除去され、必要に応じて洗浄して、再度廃プラスチックの液化処理に使用することも可能である。
本発明の処理対象である廃プラスチックが大型のものである場合は、これを予め細かく粉砕して溶融させてもよいが、処理効率をより向上させる場合には、投入機構12にさらにミル等の粉砕・細分化機構を備えていてもよい。
実施例
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
廃プラスチックの液化(1)
廃プラスチックとしてポリプロピレン(ブローグレード)から回収したプラスチックを用い、これを5〜10mmの大きさに裁断したもの300gを液化槽に入れ、ついで無機酸化物粒子(1)としてシリカ・アルミナ粒子(触媒化成工業(株)製:HA、平均粒子径
56μm、比表面積556m2/g、500℃で2時間加熱処理済み)3gを混合し、つ
いで昇温を開始した。廃プラスチックが200℃で溶融し、ついで撹拌しながら昇温した。
このとき、340℃で液化油の留出が開始し、415℃で留出が修了した。
留出した液化油は274gであった。また、液化槽の残存物を計量し、触媒量を差し引いて残渣とし、使用した廃プラスチックの重量から液化油と残渣の重量を差し引いてガスの生成量とし、これらの値から液化油、残渣、ガスの生成率を求め、結果を表に示した。
また、液化油の着色および臭気を観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
着色の観察
液化油をガラス容器に採り、目視観察した。
透明性、微淡黄緑 :◎
透明性、淡黄緑 :○
透明性、薄い茶褐色 :△
濃い茶褐色 :×
臭気の観察
液化油をガラス容器に採り、臭気を嗅いだ。
殆ど無臭 :◎
弱い異臭 :○
異臭 :△
強い異臭 :×
実施例2
廃プラスチックの液化(2)
実施例1において、無機酸化物粒子(1)を15g用いた以外は同様にして廃プラスチッ
クの液化を行い、結果を表1に示した。
実施例3
廃プラスチックの液化(3)
実施例1において、無機酸化物粒子(1)を30g用いた以外は同様にして廃プラスチッ
クの液化を行い、結果を表1に示した。
実施例4
廃プラスチックの液化(4)
実施例3と同様にして廃プラスチックの液化を行い、回収した無機酸化物粒子(1)を全
量、無機酸化物粒子(1)の代わりに用いて廃プラスチックの液化を行った。これをさらに
4回繰り返し行い、結果を表1に示した。
実施例5
廃プラスチックの液化(5)
実施例3において、廃プラスチックとして高密度ポリエチレン(インジェクショングレード)から回収したプラスチックを用い、溶融温度を250℃とした以外は同様にして廃プラスチックの液化を行い、結果を表に示した。なお、ここでは、液化油を沸点が343℃以上の留分(HCO)、沸点が216〜343℃の留分(LCO)、沸点が216℃以下の留分(ガソリン)とに分留し、生成量を表に示した。また、ガソリン留分についてはリサーチ法オクタン価(RON)を測定し、結果を表1に示した。
実施例6
廃プラスチックの液化(6)
実施例5において、無機酸化物粒子(1)としてシリカ・アルミナ粒子(流動接触分解プ
ロセス使用後触媒:NK−1、平均粒子径60μm、比表面積150m2/g、ゼオライ
ト含有)60gを用いた以外は同様にして廃プラスチックの液化を行い、結果を表1に示した。ここでも、液化油を沸点が343℃以上の留分(HCO)、沸点が216〜343℃の留分(LCO)、沸点が216℃以下の留分(ガソリン)とに分留し、生成量を表1に示した。また、ガソリン留分についてはリサーチ法オクタン価(RON)を測定し、結果を表1に示した。
比較例1
廃プラスチックの液化(R1)
実施例1において、無機酸化物粒子(1)を用いなかった以外は同様にして廃プラスチッ
クの液化を行い、結果を表1に示した。
比較例2
廃プラスチックの液化(R2)
実施例5において、無機酸化物粒子(1)を用いなかった以外は同様にして廃プラスチッ
クの液化を行い、結果を表1に示した。なお、ここでも、液化油を沸点が343℃以上の留分(HCO)、沸点が216〜343℃の留分(LCO)、沸点が216℃以下の留分(ガソリン)とに分留し、生成量を表1に示した。また、ガソリン留分についてはリサーチ法オクタン価(RON)を測定し、結果を表1に示した。
比較例3
廃プラスチックの液化(R2)
実施例5において、無機酸化物粒子(R1)としてシリカ・アルミナペレット(触媒化成工業(株)製:IS−28L、ペレット径7mm、ペレット長さ10mm、SiO2=72重量%、Al23=28重量%)を用いた以外は同様にして廃プラスチックの液化を行い、
結果を表1に示した。
実施例7
廃プラスチックの液化(7)
実施例5と同様にして、廃プラスチックの液化を行いながら、留出油およびガスを回収し、回収物に無機酸化物粒子(2)としてシリカ・アルミナ(触媒化成工業(株)製:シリ
カ・アルミナペレット、直径1.8mm、長さ4mm)を15g充填し、温度を300〜4
15℃(液化層の温度の上昇に伴って昇温)に保持した処理層(径40mm、高さ60mm)に通油して処理した。なお、このとき処理層の生成油の一部は分解層に戻しながら処理した。生成物はコンデンサを通し、ガスと生成油に分離し、生成油の着色および臭気を観察した後、沸点が343℃以上の留分(HCO)、沸点が216〜343℃の留分(LCO)、沸点が216℃以下の留分(ガソリン)とに分留し、生成量を表2に示した。また、ガソリン留分についてはリサーチ法オクタン価(RON)を測定し、結果を表2に示した。
実施例8
廃プラスチックの液化(8)
実施例6と同様にして、廃プラスチックの液化を行いながら、留出油およびガスを無機酸化物粒子(2)としてシリカ・アルミナ粒子(流動接触分解プロセス使用後触媒:NK−
1、平均粒子径60μm、比表面積150m2/g、ゼオライト含有)をペレットに成形
し、500℃で2時間加熱処理した無機酸化物粒子(2)(直径1.8mm、長さ4mm)60g充填した処理層に通油して処理した。なお、このとき処理層の生成油の一部は分解層に戻しながら処理した。生成物はコンデンサを通し、ガスと生成油に分離し、生成油の着色および臭気を観察した後、沸点が343℃以上の留分(HCO)、沸点が216〜343℃の留分(LCO)、沸点が216℃以下の留分(ガソリン)とに分留し、生成量を表2に示した。また、ガソリン留分についてはリサーチ法オクタン価(RON)を測定し、結果を表2に示した。
本発明に係る液化法の一態様例を示すフロー図。 本発明に係る油化装置の一態様例を示す概略図。
符号の説明
1…熱分解槽
2…廃プラスチック
3…留出油
4…導入管
5…プラスチック溶融物
6…分解残渣
7…無機酸化物粒子(触媒)
8…留出管
9…加熱管
10…排出管
11…廃プラスチック液化・分解槽
12…投入機構
13…分解槽
14…コンデンサ
15…回収槽

Claims (13)

  1. 廃プラスチックと、平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にある無機酸化物粒子(1)と
    の混合物を、200〜500℃の温度範囲で加熱することを特徴とする廃プラスチックの液化法。
  2. 前記混合物を加熱して得られた廃プラスチックの液化油を、さらに、別の無機酸化物粒子(2)と、200〜500℃の温度範囲で接触させて、分解させることを特徴とする請求
    項1に記載の廃プラスチックの液化法。
  3. 前記無機酸化物粒子(1)の平均粒子径が30〜150μmの範囲にあることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の廃プラスチックの液化法。
  4. 前記無機酸化物粒子(1)の安息角が、10〜50度の範囲にあることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  5. 前記無機酸化物粒子(2)の平均粒子径が30μm〜10mmの範囲にあることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  6. 前記無機酸化物粒子(2)を充填した固定床で、廃プラスチックの液化油と無機酸化物粒
    子(2)とを接触させることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の廃プラスチック
    の液化法。
  7. 一旦、廃プラスチックの液化に使用した無機酸化物粒子(1)を分離・回収し、これを再
    度、廃プラスチックの液化に使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  8. 前記無機酸化物粒子(1)および無機酸化物粒子(2)が、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  9. 前記無機酸化物粒子(1)の混合割合が廃プラスチックの0.1〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  10. 廃プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の廃プラスチックの液化法。
  11. 平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にあり、安息角が10〜50度の範囲にあり、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ等の複合酸化物、ゼオライトおよび/または粘土鉱物の少なくとも1種からなり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックを液化しうる触媒作用を有する廃プラスチックの液化用無機酸化物粒子(1)。
  12. 平均粒子径が30μm〜10mmの範囲にあり、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、ゼオライトおよび/または粘土鉱物の少なくとも1種からなり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の廃プラスチックを液化または分解しうる触媒作用を有する廃プラス
    チックの液化用無機酸化物粒子(2)。
  13. (i)廃プラスチックを溶融・熱分解して液化する液化槽と、(ii)この処理槽に廃プラス
    チックを投入する投入機構と、(iii)この液化槽で得られた液化油を分解する分解槽と、(iv)分解して得られた分解ガスを冷却・凝縮して軽質油化する油化手段とを備え、
    液化槽が、平均粒子径が30μm〜5mmの範囲にあり、安息角が10〜50度の範囲にあり、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる無機酸化物粒子(1)を含み、
    分解槽が、平均粒子径が30μm〜10mmの範囲にあり、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニア、アルミナ・マグネシア、アルミナ・ジルコニア、アルミナ・チタニア、ベントナイト、カオリナイト、セピオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる無機酸化物粒子(2)が充填された固定床であることを特徴とする廃
    プラスチック油化装置。
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