JPH10250307A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10250307A
JPH10250307A JP9063391A JP6339197A JPH10250307A JP H10250307 A JPH10250307 A JP H10250307A JP 9063391 A JP9063391 A JP 9063391A JP 6339197 A JP6339197 A JP 6339197A JP H10250307 A JPH10250307 A JP H10250307A
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Yasuhisa Minagawa
康久 皆川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主
成分とする他のタイヤ部材との接着性および粘着性、つ
まりタイヤの耐久性にすぐれ、かつインナーライナーの
ない軽量なチューブレス空気入りタイヤを提供するこ
と。 【解決手段】 ケースコード列を内部に有するケースコ
ード被覆ゴム層を有するチューブレスタイヤにおいて、
ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分が天
然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびアクリロニト
リル−ブタジエンゴムからなり、該ゴム成分中のアクリ
ロニトリル含有量が5〜20重量%、天然ゴム含有量が
5〜40重量%であるインナーライナーのないチューブ
レス空気入りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インナーライナー
のないチューブレス空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からチューブレス空気入りタイヤに
おいては、空気圧を保持するためにブチルゴムなどの低
空気透過性のゴムがインナーライナーに用いられてき
た。図3は、典型的な従来のチューブレス空気入りタイ
ヤのケースコード被覆ゴム層付近の概略断面図であり、
図3中、1はケースコード被覆ゴム層であって、その中
にケースコード4が通常1列に配列されている。そのタ
イヤ内側には空気圧保持用のブチルゴムなどからなるイ
ンナーライナー10があり、タイヤ外側には他のゴム層
を介して、または介さずにジエン系ゴムを主成分とする
サイドウォール層11が設けられている。
【0003】一方、低燃費性という要請にもとづいてタ
イヤの軽量化が求められ、かつタイヤの製造工程の簡素
化も要請されており、低空気透過性のブチルゴムやイソ
ブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物など
を配合したゴム組成物でタイヤのケースコード被覆ゴム
層1を作製し、インナーライナー10を省くことが提案
されている(特開平6−156007号、特開平6−5
5665号、特開平8−157648号各公報)。
【0004】しかし、ブチルゴムなどの高飽和ゴムは高
不飽和ゴムであるジエン系ゴムとの接着性に劣るため、
ケースコード被覆ゴム層とサイドウォールやトレッドゴ
ムなどのジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材と
のあいだの接着性が劣り、えられるタイヤの耐久性に問
題があった。
【0005】そこで本発明者らは、ケースコード被覆ゴ
ム層に低空気透過性およびジエン系ゴムを主成分とする
他のタイヤ部材との充分な接着性を付与すべく種々検討
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ナーライナーのないチューブレスタイヤであって、ケー
スコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他の
タイヤ部材との接着性および粘着性、つまりタイヤの耐
久性および加工性(成形性)にすぐれ、かつインナーラ
イナーのない軽量なチューブレス空気入りタイヤを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケースコード
列を内部に有するケースコード被覆ゴム層を有するチュ
ーブレスタイヤにおいて、ケースコード被覆ゴム層用ゴ
ム組成物Aのゴム成分が天然ゴム、スチレンブタジエン
ゴムおよび/またはアクリロニトリルブタジエンゴムか
らなり、該ゴム成分中のアクリロニトリル含有量が5〜
20重量%、天然ゴム含有量が5〜40重量%であるイ
ンナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤに関
する。
【0008】また、本発明は、ケースコード列を内部に
有するケースコード被覆ゴム層を有するチューブレスタ
イヤにおいて、ケースコード被覆ゴム層のケースコード
列からタイヤ内側部分が、天然ゴム、スチレンブタジエ
ンゴムおよび/またはアクリロニトリルブタジエンゴム
からなるゴム成分であってアクリロニトリル含有量が5
〜20重量%、天然ゴム含有量が5〜40重量%である
ゴム成分をもつゴム組成物Aからなり、ケースコード被
覆ゴム層のケースコード列からタイヤ外側部分が、ジエ
ン系ゴムを主成分とするゴム組成物Bからなるインナー
ライナーのないチューブレス空気入りタイヤに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態は、ケ
ースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層を
もつインナーライナーのないチューブレスタイヤにおい
て、前記ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物としてゴ
ム成分が、天然ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびア
クリロニトリルブタジエンゴムからなり、かつゴム成分
中のアクリロニトリル含有量が5〜20重量%、天然ゴ
ム含有量が5〜40重量%であるゴム組成物Aを用いる
点に特徴を有する。すなわち図3において、ケースコー
ド被覆ゴム層1として特定のゴム組成物Aを用い、イン
ナーライナー10を省いた構成を有する。
【0010】なお、ジエン系ゴムを主成分とする他のタ
イヤ部材としては、サイドウォール部、トレッド部およ
びベルトなどがあげられる。
【0011】本発明において、ケースコード被覆ゴム層
用ゴム組成物A(以下、単に「ゴム組成物A」ともい
う)は、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)をゴム成分とする。
【0012】スチレン−ブタジエンゴム(SBR)につ
いては、通常タイヤの分野で用いられるものであればよ
い。
【0013】また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)については、通常タイヤの分野で用いられて
いるもの、たとえばアクリロニトリル含有量が24〜2
5重量%の低ニトリルNBR、25〜30重量%の中ニ
トリルNBR、31〜35重量%のの中高ニトリルNB
R、36〜42重量%の高ニトリルNBR、43重量%
以上の極高ニトリルNBRのいずれであっても用いるこ
とができるが、低空気透過性という点からアクリロニト
リル含有量の高い中高ニトリルNBR、高ニトリルNB
R、極高ニトリルNBRを用いるのが好ましい。
【0014】本発明におけるゴム組成物Aのゴム成分に
おけるNR、SBRおよびNBRの配合割合としては、
ゴム成分中のアクリロニトリル含有量が、ジエン系ゴム
を主成分とする他のタイヤ部材との接着性および低空気
透過性の両立という点から5〜20重量%、低空気透過
性を重視するという点から好ましくは10〜20重量%
となるようにすればよい。また、ゴム成分中のNR含有
量が、粘着性の向上、空気透過性の低さおよびジエン系
ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性のトータ
ルバランスという点から5〜40重量%、空気透過性の
低さ、接着性という点から好ましくは5〜30重量%、
さらに粘着性の向上という点からとくに好ましくは10
〜30重量%であるようにすればよい。
【0015】前記ゴム成分以外の成分として、本発明に
おけるゴム組成物Aは、加工性という点から可塑剤を含
んでなるのが好ましい。該可塑剤としては、従来からタ
イヤの分野で用いられているものであればよく、たとえ
ばミネラルオイル、アロマオイルなどのプロセスオイ
ル、DOP(ジ−2−エチルヘキシル)フタレート)な
どのフタル酸誘導体などがあげられ、これらを単独でま
たは任意に組み合わせて用いることができるが、ブルー
ムという点からプロセスオイル、なかでも接着性という
点から好ましくはミネラルオイルを用いるのがよい。
【0016】ゴム組成物Aへの可塑剤の配合割合として
は、ゴム成分100重量部に対して、加工性と低空気透
過性の両立という点から0〜10重量部であればよい
が、低空気透過性を重視するという点から好ましくは0
〜5重量部であるのがよい。
【0017】さらにゴム組成物Aは、加工性(成形性)
の向上という点から粘着性を付与するために粘着付与剤
を含んでなるのが好ましい。該粘着付与剤としては、従
来からタイヤの分野で用いられているものであればよ
く、たとえばp−t−ブチルフェノールアセチレン樹
脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、テルペ
ンフェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、クマロンイン
デン樹脂、テルペル樹脂などがあげられ、これらを単独
でまたは任意に組み合わせて用いることができるが、粘
着性の向上という点からアルキルフェノールホルムアル
デヒド樹脂、接着性という点から好ましくは石油系炭化
水素樹脂を用いるのがよい。
【0018】本発明において好適に用いることのできる
市販の粘着付与剤としては、たとえば住友化学工業
(株)製のSP160(アルキルフェノールホルムアル
デヒド樹脂)、ヤスハラケミカル(株)製のダイマロン
(テルペン低重合体)およびクリアロンK100(テル
ペン系水素添加樹脂)などがあげられる。
【0019】ゴム組成物Aへの粘着付与剤の配合割合と
しては、ゴム成分100重量部に対して、粘着性向上と
いう点から0〜15重量部であればよいが、粘着性のさ
らなる向上という点から好ましくは3〜15重量部、さ
らにゴム組成物Aの強度低下を抑えるという点からとく
に好ましくは3〜10重量部であるのがよい。
【0020】前述した成分のほかに、本発明におけるゴ
ム組成物Aには、従来からタイヤの分野で用いられる配
合剤、たとえばイオウなどの加硫剤、N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、
N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ド(NS)などの加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸な
どの加硫助剤、カーボンブラック、シリカなどの充填
剤、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニリデンなどの樹脂などを、本発明の効果を損なわな
い量で配合してもよい。
【0021】本発明におけるゴム組成物Aは、常法によ
り各成分を合わせて混練りしてうることができる。
【0022】前記ゴム組成物Aにより被覆するケース用
のコードとしては、従来からタイヤの分野で用いられて
いるものであればよく、たとえばレーヨン、ナイロン、
テトロン(ポリエステル)、ケブラーなどの有機系繊
維、ガラス繊維、スチールワイヤーなどがあげられる
が、ゴム組成物Aとの接着性、えられるタイヤの耐久
性、軽量化という点から好ましくは有機系繊維を用いる
のがよい。
【0023】コードを前記ゴム組成物Aで被覆してケー
スコード被覆ゴム層をうる方法としては、従来から行な
われている方法であればよいが、たとえばゴム組成物A
で作製したゴムシートのあいだにコードをはさみ、ロー
ルで押し出してゴム引きすることによりえられる。
【0024】本発明においてえられるケースコード被覆
ゴム層を用いる他は従来からの方法により、ジエン系ゴ
ム部材などを重ねて成形してインナーライナーのないチ
ューブレス空気入りタイヤを作製することができる。
【0025】本発明の第1の実施の形態によれば、前記
構成とすることにより、ケースコード被覆ゴム層そのも
のに低空気透過性を付与し、かつジエン系ゴムを主成分
とするトレッドゴムやサイドウォールゴムなどの他のタ
イヤ部材およびケースコードとの接着性および粘着性を
充分なものにすることができる。これにより、軽量で耐
久性のあるインナーライナーのないチューブレス空気入
りタイヤをうることができる。
【0026】本発明の第2の実施の形態におけるケース
コード被覆ゴム層の概念を示す概略断面図を図1に示
す。図1において、1はケースコード被覆ゴム層であ
り、該ゴム層1はケースコードの列を基準としてタイヤ
内側(内圧側)ゴム層2とタイヤ外側(サイドウォール
側)ゴム層3から構成されており、タイヤ内側ゴム層2
が前記ゴム組成物Aからなり、タイヤ外側ゴム層3がジ
エン系ゴムを主成分とするゴム組成物Bからなっている
点に特徴を有する。
【0027】すなわち本発明の第2の実施の形態は、ケ
ースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層を
もつチューブレスタイヤにおいて、ケースコード被覆ゴ
ム層のケースコード列からタイヤ内側部分のゴム組成物
Aのゴム成分が、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム
およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなり、該
ゴム成分中のアクリロニトリル含有量が5〜20重量
%、天然ゴム含有量が5〜40重量%であり、かつケー
スコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ外側部
分のゴム組成物Bのゴム成分が、ジエン系ゴムを主成分
とするインナーライナーのないチューブレス空気入りタ
イヤである。
【0028】かかる構成にすることにより、ケースコー
ド被覆ゴム層とトレッドゴムやサイドウォールゴムなど
のジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着
性および粘着性をより向上させることができる。
【0029】本発明におけるケースコード被覆用内側ゴ
ム層に用いるゴム組成物は前述したゴム組成物Aを用い
ることができる。
【0030】ケースコード被覆外側ゴム層に用いるゴム
組成物Bは、ジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部
材との接着性にすぐれていることが求められるため、基
本的に従来からのケースコード被覆ゴム層に用いられて
いたジエン系ゴムを主成分とするものであればよい。主
成分となるジエン系ゴムは従来からタイヤの分野で用い
られているものであればよく、たとえば天然ゴム、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴムなどがあげられ、これらを単独で
または任意に組み合わせて用いることができるが、耐久
性という点から好ましくは天然ゴムとスチレン−ブタジ
エンゴムとのブレンド物を用いるのがよい。本発明にお
いて、「ジエン系ゴムを主成分とするゴム組成物」と
は、前記ジエン系ゴムを合計量で90重量%以上、通常
95重量%以上含むものをいう。
【0031】また、ゴム組成物Bは、ゴム組成物Aにつ
いて前述したゴム成分以外の配合剤を本発明の効果を損
なわない範囲で含んでもよく、さらにゴム組成物Aと同
様に常法により各成分を混練りしてうることができる。
【0032】ゴム組成物Aをケースコード被覆内側ゴム
層に用い、ゴム組成物Bをケースコード被覆外側ゴム層
に用いてケースコード被覆ゴム層をうる方法としては、
ゴム組成物AおよびBのそれぞれから従来の方法でえた
ゴムシートのあいだにコードをはさみ、ロールで押し出
してゴム引きすることによりうるのが好ましい。
【0033】前記と同様に、本発明においてえられるケ
ースコード被覆ゴム層を用いて、他は従来からの方法に
より、インナーライナーのないチューブレス空気入りタ
イヤをうることができる。
【0034】本発明の第2の実施の形態によれば、前記
構成とすることにより、ケースコード被覆内側ゴム層に
低空気透過性を付与し、ケースコード被覆外側ゴム層の
前記内側ゴム層およびジエン系ゴムを主成分とする他の
タイヤ部材に対する接着性を充分なものにし、さらに前
記内側ゴム層および外側ゴム層とケースコードとの接着
性および粘着性を充分なものにすることができる。これ
により、軽量で耐久性のあるインナーライナーのないチ
ューブレス空気入りタイヤをうることができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらのみに限定されるわけではない。
【0036】製造例1〜12 表1に示す配合割合に従い、バンバリーミキサーを用い
てゴム成分、可塑剤、粘着付与剤、カーボンブラックを
混練し、ついでロールを用いてイオウ、加硫促進剤を混
練するという方法で前記ゴム組成物Aに該当するゴム組
成物A−1〜A−12をえた。
【0037】なお、SBRとしては乳化重合で合成した
結合スチレン含有量が23.5重量%のもの(住友化学
工業(株)製の1502)、NBRとしてはアクリロニ
トリル含有量43重量%のもの(日本合成ゴム(株)製
のN222L)、可塑剤としてはミネラルオイル、粘着
付与剤としては石油系炭化水素樹脂(エクソン化学
(株)製のエスコレッツ1102B)、カーボンブラッ
クとしてはHAFクラスのN330(三菱化学(株)製
のダイヤブラックH)を用いた。また、すべてのゴム組
成物にゴム成分100重量部に対してイオウ1.5重量
部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド(大内新興化学工業(株)製のノクセラーC
Z)1重量部、ステアリン酸2重量部、亜鉛華3重量部
を配合した。
【0038】〔ゴム組成物Aの空気透過性〕前記ゴム組
成物A−1〜A−12から170℃、12分間、10M
Paの条件で油圧プレスにより加硫成形して空気透過性
測定用サンプルA−1〜A−12をえた。えられたサン
プルA−1〜A−12についてASTM D−1434
−75M法にもとづき、東洋精機(株)のガス透過率測
定装置M−C1を用いて空気透過係数(cm3・cm/
cm2・sec・cmHg)を測定した。結果を表1に
示す。値が小さいほど低空気透過性である。
【0039】〔ゴム組成物Aとジエン系ゴムを主成分と
する他のタイヤ部材との接着性〕前記ゴム組成物A−1
〜A−12から厚さ2mmのゴムシートA−1〜A−1
2を切り出し、また、ジエン系ゴムを主成分とする他の
タイヤ部材として、NR40重量部、BR60重量部、
カーボンブラック60重量部からなるサイドウォール
(SW)用ゴム組成物を混練りしたのち前記と同様にし
て厚さ2mmのSW用ゴムシートをえた。
【0040】ついで、図2に概略断面図として示す接着
(剥離)強度測定用サンプルをつぎの要領で作製した。
トップ反7を外側の面にそれぞれ有するゴムシート5と
SW用ゴムシート6のあいだにマイラーシート8および
厚織9をはさみ、170℃、12分間、2MPaの条件
で油圧プレスにより加硫接着して接着強度測定用サンプ
ル1〜12をえた。このサンプルを50mm/minの
条件で剥離し、接着強度(kgf/25mm)を測定し
た。結果を表1に示す。値が大きいほど接着性にすぐれ
る。
【0041】〔ゴム組成物Aとコードとの接着性〕前記
ゴムシートA−1〜A−12をそれぞれ2枚用意し、あ
いだにコード(5cm当たり約50本のポリエステル糸
1670DTEX/2(直径0.66mm))をはさん
で、ロールで押し出してゴム引きしてゴム引きサンプル
A−1〜A−12をえた。
【0042】ついで、前記ゴム引きサンプルA−1〜A
−12をそれぞれ2枚用意し、あいだに前述の接着性の
評価において用いたマイラーシートを介してコードの向
きが直交するように重ね、150℃、30分間、10M
Paの条件で油圧プレスにより加硫接着した。そして、
前記と同様にして接着強度(N/25mm)を測定し
た。結果を表1に示す。値が大きいほど接着性にすぐれ
る。
【0043】〔粘着性〕ゴム組成物A−1〜A−12の
粘着性を、ピックアップ式の粘着計を用いて、それぞれ
2枚のゴムシートA−1〜A−12を貼り合わせて、5
00gの荷重を10秒間かけ、その後一定速度でおもり
をもちあげるときにゴムシートとゴムシートが剥離する
ときの力をバネばかりで調べて評価した。後述する比較
ゴム組成物3のばあいを100として相対値で結果を表
1に示す。値が大きいほど粘着性にすぐれる。
【0044】比較製造例1〜4 表1に示す配合割合を用いたほかは、他の配合剤を含め
て製造例1と同様にして比較ゴム組成物1〜4をえた。
ついで、前記と同様にして空気透過性、ジエン系ゴムを
主成分とする他のタイヤ部材との接着性、コードとの接
着性および粘着性を測定した。結果を表1に示す。
【0045】製造例13 本発明におけるケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成
物Bとして、表2に示す配合割合に従ってゴム組成物B
−1を製造例1と同じ条件および方法でえた。なお、S
BRとカーボンブラックは前記製造例1と同じものを用
いた。
【0046】〔ゴム組成物Bと(ケースコード被覆内側
ゴム層用)ゴム組成物Aとの接着性〕前述の〔ゴム組成
物Aとジエン系ゴムを主成分とするタイヤ部材との接着
性〕のばあいと同様にして、ゴム組成物Aである前記ゴ
ム組成物A−2とゴム組成物B−1との接着強度を測定
した。結果を表2に示す。
【0047】〔ゴム組成物Aおよびゴム組成物Bとコー
ドとの接着性〕ゴム組成物Bとして前記ゴム組成物B−
1を用い、ゴム組成物Aとしてゴム組成物A−2を用
い、ケースコード被覆外側ゴム層とケースコード被覆内
側ゴム層を区分けしたほかは前述の〔ゴム組成物Aとコ
ードとの接着性〕と同様にして接着強度を測定した。結
果を表2に示す。
【0048】実施例1〜4 前述のゴム組成物A−2を用いて、カレンダーロールで
シート状にしてえた2枚のシートのあいだにコードをは
さみ、ロールで押し出してゴム引きして本発明における
ケースコード被覆ゴム層を作製したほかは従来の方法で
205/65R15のサイズを有するインナーライナー
のないチューブレスタイヤ(タイヤ1)をえた。
【0049】一方、ケースコード被覆内側ゴム層として
前述のゴム組成物A−2を用い、ケースコード被覆外側
ゴム層としてゴム組成物B−1を用いて、ゴム組成物A
−2およびB−1をそれぞれカレンダーロールでシート
状にし、その2種のゴムのあいだにコードをはさみ、ロ
ールで押し出してゴム引きして本発明におけるケースコ
ード被覆ゴム層を作製したほかは従来の方法で205/
65R15のサイズを有するインナーライナーのないチ
ューブレスタイヤ(タイヤ2)をえた。
【0050】また、ジエン系ゴム(NR:SBR=7
0:30(重量比))でケースコード被覆ゴム層を前記
と同様に作製したほかは、従来の方法でインナーライナ
ー(ゴム成分:NR:SBR=70:30(重量比))
のあるチューブレスタイヤ(タイヤ3)をえた。
【0051】さらに、タイヤ3においてインナーライナ
ーのないものをタイヤ4とした。
【0052】えられたタイヤ1〜4のタイヤ重量、転が
り抵抗および空気透過(エアリーク)性を以下の要領で
測定した。結果を表3に示す。
【0053】〔転がり抵抗〕ドラム試験機を用いて、8
0km/h、荷重400kgfの条件で測定し、タイヤ
3(インナーライナー付)のばあいを100として指数
で示した。値が小さいほど転がり抵抗が小さい。
【0054】〔空気透過(エアリーク)性〕えられたタ
イヤ1〜4をリムに組み、内圧を3kgf/cm2にし
て3カ月後の内圧の低下率を測定して、タイヤ3のばあ
いを100として指数で示した。値が大きいほど低下率
が小さい。
【0055】〔耐久テスト〕タイヤ1〜4をリムに装着
して走行速度80km/h、内圧190kPa、加重6
46kgという条件で室内ドラム耐久テストを行なっ
た。いずれのタイヤも30,000km走行後において
異常はみられなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ケースコード被覆ゴム
層の低空気透過性およびジエン系ゴムを主成分とする他
のタイヤ部材との接着性にすぐれ、より軽量なインナー
ライナーのないチューブレス空気入りタイヤをうること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施の形態におけるケースコー
ド被覆ゴム層の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例において用いた接着強度測定用
サンプルを示す概略断面図である。
【図3】従来のチューブレス空気入りタイヤのケースコ
ード被覆ゴム層付近の層構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ケースコード被覆ゴム層 2 ケースコード被覆内側ゴム層 3 ケースコード被覆外側ゴム層 4 ケースコード 5 ゴムシート 6 SW用ゴムシート 7 トップ反 8 マイラーシート 9 厚織 10 インナーライナー 11 サイドウォール層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B60C 9/08 B60C 9/08 K

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースコード列を内部に有するケースコ
    ード被覆ゴム層を有するチューブレスタイヤにおいて、
    ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分が天
    然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびアクリロニト
    リル−ブタジエンゴムからなり、該ゴム成分中のアクリ
    ロニトリル含有量が5〜20重量%、天然ゴム含有量が
    5〜40重量%であるインナーライナーのないチューブ
    レス空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 ケースコード列を内部に有するケースコ
    ード被覆ゴム層を有するチューブレスタイヤにおいて、
    ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ内
    側部分のゴム組成物Aのゴム成分が天然ゴム、スチレン
    −ブタジエンゴムおよびアクリロニトリル−ブタジエン
    ゴムからなり、該ゴム成分中のアクリロニトリル含有量
    が5〜20重量%、天然ゴム含有量が5〜40重量%で
    あり、ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタ
    イヤ外側部分のゴム組成物Bのゴム成分がジエン系ゴム
    を主成分とするインナーライナーのないチューブレス空
    気入りタイヤ。
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