JPH10249519A - 検査方法及び検査装置及び切断装置 - Google Patents

検査方法及び検査装置及び切断装置

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JPH10249519A
JPH10249519A JP5589297A JP5589297A JPH10249519A JP H10249519 A JPH10249519 A JP H10249519A JP 5589297 A JP5589297 A JP 5589297A JP 5589297 A JP5589297 A JP 5589297A JP H10249519 A JPH10249519 A JP H10249519A
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JP
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crater
cutting
flame
nozzle
gas
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JP5589297A
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English (en)
Inventor
Yasuo Koike
康雄 小池
Hitoshi Ueno
等 上野
Akira Kojo
昭 古城
Heitetsu Kin
炳哲 金
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Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
Original Assignee
Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の切断火口の検査は手作業および肉眼にて
良否を判断するものであったが、火炎等は強い光と高熱
を発し、作業員の疲労を招くために多数の交代要員を必
要とし、また個々の主観によって良否の判断がなされる
ために品質にばらつきがあった。またすでに切断装置に
装着された切断火口においても同様である。 【解決手段】本発明に係る切断火口の検査装置は、CC
Dカメラを用いて切断火口の良否を検査する方法であっ
て、切断トーチに装着された切断火口から噴射される火
炎をCCDカメラによって撮影し、撮影した画像信号を
複数階調の輝度レベルに分割して火炎の輪郭座標を決定
し、該輪郭座標から前記火炎の火炎性状を算出して、該
火炎性状を所定の基準値及び許容誤差と比較演算するこ
とによって切断火口が形成する火炎性状の良否を判断す
ることによって切断火口の良否を判断することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス切断又は溶接
火口により形成される切断酸素気流及び白点、またはプ
ラズマ切断又は溶接ノズルにより形成されるアークをC
CDカメラによって撮影し、取得した画像情報を演算し
て基準値及び許容範囲と比較することにより火口等の良
否を検査する装置及びその方法、及び該検査装置を搭載
した切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス切断火口は、中央に切断酸素ガスを
噴射する孔を有し、その孔の周囲に燃料ガス及び支燃ガ
スを噴射する複数の孔あるいは環状のスリットが配置さ
れている。また、プラズマ切断火口はプラズマアークを
形成するためのプラズマガス、二次気流を形成するため
の二次ガス、また場合によっては三次気流を形成するた
めの三次ガスを噴射するための孔が設けられており、そ
の流量や旋回気流の同心度などに厳しい精度が要求され
る。
【0003】これらの孔や環状のスリットの周囲に加工
時のバリが残っていたり、径に不揃いが生じていたりす
ると、切断に際して火炎の形状にばらつきが生じたり真
直に噴射されなくなる等の現象が発生し、切断に悪影響
を及ぼす。また切断開始時には良好な火炎を形成してい
ても、切断作業中にスパッターが付着するなどして同様
の悪影響を生じてしまう。
【0004】例えば図11に示すのはガス切断火口におい
て切断酸素気流4を通過させる孔に変形やバリ等が生じ
た場合の不良切断酸素気流4の例であり、図11(a) は切
断酸素気流4が扁平になった例、図11(b) は前方に向か
って広がってしまった例、図11(c) は乱流が生じた例、
図11(d) は過圧気流を生じて切断酸素気流4の根本がダ
ンゴ状になった例である。切断酸素気流4にこれらに示
すような不良が生じた場合には、切断方向によって切断
線の幅が変わってしまったり、切断板厚、切断速度等に
ばらつきが生じ、期待どおりの切断を行うことができな
い。
【0005】また、図12に示すのは白点3aを通過させ
る孔に不良が生じた場合の不良白点3aの例であり、図
12(a) は曲がりが生じた例、図12(b) はダンゴ状になっ
た例、図12(c) は前方に向かって広がってしまった例、
図12(d) は太さに異なりが生じた例、図12(e) は長さに
異なりが生じた例、図12(f) は色の異なりが生じた例で
ある。白点3aにこれらのような不良が生じた場合には
主に予熱時間のばらつきに影響を及ぼす為、切断開始時
間、切断速度などに不都合が生じる。
【0006】特に最近は多数本のトーチを備えた平行切
断機やNC切断機を用いて切断を行う場合が多く、火口
又はノズルごとの火炎性状のばらつきはそのまま製品の
加工精度に影響し、また火炎性状が良好であれば切断面
の品質も良いことが経験的に良く知られている。すなわ
ち切断作業の前後で火炎性状が良好であるならばその作
業における切断面の品質は良好であるとの判断をするこ
とができ、出荷前、及び切断作業の前後に火口又はノズ
ルが形成する火炎やアークの検査を行うことが必要不可
欠である。
【0007】従来の火口の火炎性状、ノズルのアーク性
状の検査は手作業にて行われており、作業員が肉眼で観
察して良否を判断するものであった。その際不良品は交
換したり、また簡単に修正可能な不良に関してはその場
で修正を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、切断酸素気流
及び白点、またはプラズマアークは強い光と高熱を発す
るため作業員の疲労を招き、長時間の作業は困難であ
る。従って、通常交代制で作業に当たるため、一つの作
業台につき数名の作業交代要員が必要となり、大量の検
査要員を必要としていた。
【0009】また、複数作業員による火口等の良否の判
断は、主観の相違によりばらつきが生じる。すなわち、
ある作業者によれば具体的に定められた品質仕様に沿っ
て正しく良不良の判断をすることが出来ても、他のある
作業者によれば品質仕様内の良品を不良品と判断したり
する場合がある。
【0010】また、切断装置や溶接装置を使用する場
合、作業開始時においては火口等が良好な火炎を形成し
ていても、作業中にスパッター等が付着して火炎性状が
悪化することが考えられる。従って、切断作業の合間に
火口等の状態確認をして交換や掃除を行わなければなら
ず、作業現場に作業員を必要とし、また作業開始までの
段取りに時間を要していた。
【0011】本発明に係る検査装置及び検査方法及び切
断装置は、火口又はノズルの検査を自動化することによ
り良否判断基準を規格化し、また作業員を労働から開放
して作業に必要する人員を削減する事を目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る検査方法は、CCDカメラを用いてガス
切断又は溶接用火口の良否を検査する方法であって、ガ
ストーチに装着された前記火口から噴射される火炎をC
CDカメラによって撮影し、撮影によって得られた複数
階調の画像信号の輝度レベルを多重閾値処理して火炎の
輪郭座標を決定し、該輪郭座標から前記火炎の火炎性状
を算出して、該火炎性状を所定の基準値及び許容誤差と
比較演算して前記火口が形成する火炎性状の良否を判断
することによって前記火口の良否を判断することを特徴
とする。
【0013】また本発明に係る他の検査方法は、CCD
カメラを用いてプラズマ切断又は溶接用ノズルの良否を
検査する方法であって、プラズマトーチに装着された前
記ノズルから噴射されるプラズマアークをCCDカメラ
によって撮影し、撮影によって得られた複数階調の画像
信号の輝度レベルを多重閾値処理してアークの輪郭座標
を決定し、該輪郭座標から前記アークのアーク性状を算
出して、該アーク性状を所定の基準値及び許容誤差と比
較演算して前記ノズルが形成するアーク性状の良否を判
断することによって前記ノズルの良否を判断することを
特徴とする。
【0014】また上記検査方法は、前記CCDカメラに
よる前記火炎又は前記アークの撮影は角度を変えて複数
回行うことが望ましい。
【0015】また、前記CCDカメラによって常時前記
火炎又は前記アークの位置を撮影し、且つ撮影した複数
階調の画像信号を多重閾値処理することにより形成され
た前記火炎又は前記アークを検出し、前記比較演算を開
始することを特徴とする。
【0016】また、前記火炎又は前記アークの輪郭座標
をニューラルネットワークを用いてパターン認識処理す
ることにより、前記火口又は前記ノズルの良否を判断す
ることを特徴とする。
【0017】また上記課題を解決するための本発明に係
る検査装置は、ガス切断又は溶接用火口を検査する装置
であって、前記火口を装着するガストーチと、多数のC
CD素子を直交方向に配列して構成されたCCDカメラ
と、該CCDカメラに指示を出して前記火口より噴射さ
れる火炎を撮影させる制御部と、前記CCDカメラによ
って撮影した複数階調の画像信号を多重閾値処理して火
炎の輪郭座標を決定し、予め記憶された基準値及び許容
誤差と比較して前記火口の良否を判断する画像処理部と
を有することを特徴とする。
【0018】また本発明に係る他の検査装置は、プラズ
マ切断又は溶接用ノズルを検査する装置であって、前記
ノズルを装着するプラズマトーチと、多数のCCD素子
を直交方向に配列して構成されたCCDカメラと、該C
CDカメラに指示を出して前記ノズルより噴射されるア
ークを撮影させる制御部と、前記CCDカメラによって
撮影した複数階調の画像信号を多重閾値処理してアーク
の輪郭座標を決定し、予め記憶された基準値及び許容誤
差と比較して前記ノズルの良否を判断する画像処理部と
を有することを特徴とする。
【0019】また前記検査装置の前記火口近傍に自動点
火装置を設けるとともに、前記制御部が前記火口に酸素
ガス、燃料ガス及び支燃ガスが供給されたことに対応し
て前記自動点火装置に作動の指示を出すよう構成するこ
ともできる。
【0020】また、前記火口又は前記ノズルの近傍に火
炎又はアークを検出する火炎検出装置を設け、該火炎検
出装置から送出される信号によって、前記火口又は前記
ノズルの検査を開始するよう構成したことを特徴とす
る。
【0021】また前記検査装置において、前記火口又は
前記ノズルを取り付けるトーチが回転可能であるか又は
前記CCDカメラが前記トーチの周囲を回転可能に構成
されていることが望ましい。
【0022】また前記検査装置において、検査前の前記
火口又は前記ノズルを前記トーチに装着すると共に検査
後の前記火口又は前記ノズルを取り外す際に検査結果の
良否に応じて分類する火口又はノズル着脱装置を設け、
且つ該火口又はノズル着脱装置を前記制御部の指示によ
り動作するよう構成することもできる。
【0023】また前記検査装置に於いて、前記トーチに
切断酸素ガス及び燃料ガス及び支燃ガス、またはプラズ
マガスを供給する配管に電磁弁を設け、前記火口又はノ
ズル着脱装置が前記火口又は前記ノズルを前記トーチに
装着した後に所定の位置に退避したことに対応して、前
記制御部が前記電磁弁に弁を開く指示を出すものである
ことを特徴とする。
【0024】また前記切断火口の検査装置において、前
記切断トーチに切断酸素ガス及び燃料ガス及び支燃ガ
ス、またはプラズマガスを供給する各供給路に、気体に
熱を加える二つの自己加熱型抵抗体と、該二つの自己加
熱型抵抗体に流れる電流の差を電圧に変換するブリッジ
回路と、前記電圧と基準電圧を比較する比較演算部と、
該比較演算部の指示に応じて流量を調節する弁の開閉を
行う開度調整部と、を有するガス流量調節機構を設けた
ことを特徴とする。
【0025】また上記課題を解決するために、本発明に
係る切断装置は、一本ないし多数本のトーチを取り付け
て移動させるフレームと、請求項6に記載の検査装置と
を有する切断または溶接装置であって、前記CCDカメ
ラを前記トーチに対向し得るよう配置すると共に、前記
制御部と前記画像処理部を前記フレームに搭載したこと
を特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]本発明に係る検査方法及び検査装置の
第一の実施形態を、ガス切断火口を例に用いて図を用い
て詳細に説明する。本実施形態は、CCDカメラによる
画像を多重閾値処理として二値化処理することにより火
炎性状の良否を判断するものである。図1はガス切断火
口および火炎を表す図、図2はガス切断火口の検査装置
の構成を表す図、図3は画像処理のフローチャートであ
る。まず、図1および図2によりガス切断火口の検査装
置の構成を説明し、次に検査装置の動作について順を追
って説明する。
【0027】図1に示すガス切断火口1(以後単に切断
火口1という)は、中央に切断酸素ガスを噴射する孔を
有し、その孔の周囲に燃料ガス及び支燃ガスを噴射する
複数の孔あるいは環状のスリットが配置されている。切
断火口1は、ガス切断トーチ2(以後単にトーチ2とい
う)に装着してアセチレンガス、LPGガス、コークス
炉ガス等の燃料ガスと酸素ガスなどの支燃ガスを供給さ
れると共にこれらの混合ガスを噴射して点火すること
で、白点3a、二次火炎3bからなる火炎3を形成する
と共に、切断火口1に切断酸素ガスを供給して噴射する
ことで切断酸素気流4を形成したとき、該気流4の周囲
を包む白熱部4aが形成される。
【0028】火炎3を構成する一つである白点3aは切
断火口1の内部で混合した燃料ガスと支燃ガスが完全燃
焼して形成されるものであり、光輝を持った白色あるい
は薄青色の半透明の炎である。二次火炎3bは解離した
一酸化炭素や水素が大気中の酸素と反応して燃焼した赤
色あるいは橙色系統の極めて薄い透明の炎である。
【0029】切断酸素気流4を構成する白熱部4aは解
離した一酸化炭素や水素が切断火口1から噴射された切
断酸素ガスと再度混合することで完全燃焼して形成され
るものであり、白点3aよりも僅かに薄い白色あるいは
薄青色の半透明の部分である。従って、切断酸素気流4
は切断火口1に火炎3が形成されているときに該切断酸
素気流4の周囲に形成される白熱部4aによってのみ認
識することが可能となる。
【0030】切断火口1の装着されるトーチ2は図示し
ない作業台に回転可能に取り付けられており、トーチ駆
動モーター21によって回転させられる。トーチ駆動モー
ター21はパルスモーターであり、制御部5より出される
指示に従ってトーチ2を必要な角度回転させることがで
きる。
【0031】トーチ2には切断酸素ガス及び燃料ガス及
び支燃ガスを供給するための独立した三本のホースが接
続されており、各ホースはガス流量調節機構である定流
量素子22を介して配管26に接続されている。配管26には
電磁弁24が設けられており、この電磁弁24は制御部5の
指示に従って開閉し、ガスの供給の開始または停止を行
うことができる。
【0032】ここで定流量素子22とは管内を流れるガス
の流量を一定に保つフィードバック制御を行うユニット
である。ユニット内においてガスの流路に支流を設け、
該支流の上流および下流に自己加熱型抵抗体を設置し、
電流を流して発熱させる。支流管内をガスが流れると自
己加熱型抵抗体からガスに熱量が移動するが、上流にお
いてすでにある程度熱量が移動するために、下流におい
て移動する熱量は上流におけるそれよりも小さいものに
なる。
【0033】従って上流と下流の自己加熱型抵抗体に温
度差が発生し、電気抵抗値に差異が生じる。この電気抵
抗値の差をブリッジ回路により電圧に変換し、この電圧
と分配ユニット23から与えられる基準電圧とを比較演算
部において比較することによって流量の狂いを検出する
ことができる。その流量の狂いに応じて開度調整部がユ
ニット内に設けられた弁の開度を調節することによっ
て、ガスの供給圧や外部気圧に影響されることなく常に
ガスの流量を一定に保つことができる。
【0034】またトーチ2近傍に切断火口着脱装置30が
設けられている。これは制御部5の指示により切断火口
1をトーチ2に着脱するものであり、取り外す際には切
断火口1の検査の合否に対応して、切断火口1を次行程
のラインまたは修正ラインに分類する機能を有してい
る。また、同様にトーチ2近傍には切断火口1に点火す
る自動点火装置33、および点火がなされたことを検知す
る火炎検出装置34、火炎3及び切断酸素気流4及び白点
3aを撮影するためのCCDカメラ11が設けられてい
る。
【0035】切断火口1と対向して配置されたCCDカ
メラ11は、光電変換素子である多数のCCD素子を直交
2方向に配列(例えば512x512 或いは640 ×480 )して
構成されている。このCCDカメラ11は、CCD素子の
一方の配列方向が切断火口1の軸心1aと平行になるよう
な姿勢で図示しないフレームに固定されている。そして
CCDカメラによる撮影範囲を設定することで、個々の
素子による分解能が決定される。本実施形態では、CC
Dカメラ11による撮影範囲を100mm ×100mm とすること
で、縦横0.19mm/dotの分解能を有するように設定してい
る。
【0036】CCDカメラ11によって撮影された画像信
号は、画像処理部10に伝達される。画像処理部10は、C
CDカメラ11より伝達された画像信号を多重閾値処理で
ある二値化処理を行う階調処理部12と、処理したデータ
を記憶させる二値記憶部13、該データから火炎の切断酸
素および白点の長さ、太さ、傾き、広がり等の各火炎性
状を計算する演算部14と、演算結果記憶部15と、比較演
算部17と、比較すべき基準値及び許容誤差を記録させた
許容値記憶部16とを有している。また画像処理部10には
比較判定結果を画面出力するためのモニター18、および
各装置を統括して動作の指示を出す制御部5とが接続さ
れている。
【0037】次に、本実施形態に係るガス切断火口の検
査装置がある一本の切断火口1を検査する際の動作につ
いて説明し、併せて本発明に係る切断火口の検査方法に
ついて説明する。
【0038】まず図示しない切断火口搬送装置によっ
て、検査前の切断火口1が図示しない所定の位置に載置
される。すると制御部5が切断火口着脱装置30に指示を
出し、切断火口着脱装置30のアーム31の先端に設けられ
たマニピュレータ32が切断火口1をピックアップしてト
ーチ2に装着する。切断火口1をトーチ2に装着した
後、切断火口着脱装置30のマニピュレータ32およびアー
ム31は火炎の影響を受けない位置まで退避する。
【0039】切断火口着脱装置30のアーム31の退避が完
了すると、制御部5からの指示により電磁弁24が開かれ
て、トーチ2に切断酸素ガスおよび燃焼ガスおよび支燃
ガスの供給が開始される。ここで各ガスの流量は定流量
素子22の働きによって一定に保たれている。トーチ2に
供給されたガスは切断火口1から噴出し、自動点火装置
33によって点火される。火炎3が形成されて切断酸素気
流4及び白点3aが発生したことを火炎検出装置34が検
知したことにより、切断火口1の検査が開始される。
【0040】撮影を行ってから良否の判断をするまでの
過程のフローチャートを図3に示す。制御部5の指示に
より、切断火口1の先端に生成された火炎3及び切断酸
素気流4及び白点3aをCCDカメラ11によって撮影
し、画像を取得する。撮影した画像信号は画像処理部10
内に設けられた階調処理部12に送られて二値化される。
【0041】すなわち、CCDカメラ11を構成する各C
CD素子が取得した画像信号により得られる輝度を、あ
る定められたレベル以上ならば1、それ以下ならば0と
して一桁の二進数データに変換する。たとえば前記レベ
ルを切断酸素気流4の白熱部4aの輝度よりも僅かに低
い輝度に設定すれば、白熱部4aを撮影したCCD素子
の二値データは1となり、白熱部4aの外部を撮影した
CCD素子の二値データは0となる。
【0042】従ってCCDカメラ11による画像を階調処
理部12に於いて横方向にスキャンしつつ各CCD素子の
配列に対応した二値データを取得することにより、白熱
部4aの輪郭画像を座標としてとらえることができる。
また、白点3aは白熱部4aよりも輝度が高いため、双
方同時に輪郭の座標をとらえることができる。
【0043】CCDカメラ11による撮影は一本の切断火
口1についてトーチ2の回転角度を変えて複数回行われ
る。上記の階調処理部12による二値化が終了すると、そ
の二値データは一旦二値記憶部13に蓄えられる。ここで
制御部5のステップ5aにおいて、所定の全方位につい
て撮影が終了したかどうかを判定し、終了していれば次
行程に進み、終了していなければトーチ駆動モーター21
によりトーチ2を所定角度回転させて、次なる角度にお
いて撮影を行う。
【0044】所定の全方位について撮影が終了すると制
御部5から電磁弁24に指示を出してガスの供給を停止す
る。そして二値記憶部13に蓄積した各角度における二値
データは、演算部14において解析することによって火炎
の状態を認識することができる。例えば60°ずつ回転さ
せて四回撮影すれば、トーチ2は最大180 °回転するこ
ととなり、白点3aおよび切断酸素気流4の軸心を算出
することができ、さらには軸心からの傾きや、太さ、長
さ、扁平率、乱れ等の火炎性状を算出することができ
る。この算出された種々の火炎性状を一旦演算結果記憶
部15に記憶させておき、予め許容値記憶部16に記憶され
た基準値および許容誤差と、比較演算部17において逐一
比較することによって切断火口1の良否を判断して検査
結果を出力する。
【0045】比較演算部17は、検査結果をモニター18に
出力して監視員に示すとともに制御部5に信号を出し、
制御部5はその結果に基づいて切断火口着脱装置30に指
示を出す。切断火口着脱装置30はステップ5bにおい
て、検査に合格ならば切断火口1を次行程30aのライン
に移動させ、不合格ならば修正ライン30bに移動させ
る。そして次なる切断火口1をトーチ2に装着する。
【0046】尚、上記第一実施形態において、撮影を行
ってから良否の判断をするまでの過程において全方位撮
影してから切断火口の良否を判断したが、撮影を行う度
に良否を判断することによって不良品検出を早めること
ができる。図4に画像処理の他の実施形態に係るフロー
チャートを示す。
【0047】CCDカメラ11によって取得したある角度
における画像情報を、画像処理部10内に設けられた階調
処理部12に送って二値化する。そしてすぐに演算部14に
おいて切断酸素気流4および白点3aの各火炎性状を演
算する。そしてこの演算結果と許容値記憶部16に記憶さ
れた基準値及び許容誤差とを比較演算部17において比較
演算する。
【0048】すると回転せずともわかる火炎性状、例え
ば切断酸素気流4の広がり、ある程度以上の傾き、また
白点3aの左右の大きさの違いなどにおいて基準値及び
許容誤差と比較することができ、それらに何らかの不良
を発見した場合にはその時点で切断火口着脱装置30によ
り修正ライン30bに送られる。
【0049】また、上記のようにある角度における比較
演算に合格したものは、全方位の撮影が終了したかどう
かを判断し、終了していなければトーチ駆動モーター21
によってトーチを所定角回転させ、CCDカメラ11によ
って次の角度における画像取得を行う。全方位撮影が終
了していれば、切断火口1は次行程30aに送出する。こ
れらのことより、全方位撮影することなく不良品を検出
することができ、検査の速度向上を図ることができる。
【0050】[第二実施形態]次に、本発明に係る検査
方法及び検査装置の第二実施形態を図を用いて詳細に説
明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分につい
ては同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態
は、CCDカメラによる画像を多重閾値処理として二つ
以上の閾値を設定し、更にニューラルネットワークを用
いて火炎性状の良否を判断するものである。図5は本実
施形態に係るガス切断火口の検査装置の構成を表す図、
図6は画像処理のフローチャート、図7はCCDカメラ
によって撮影された画像を示す図、図8はニューラルネ
ットワークの模式図である。まず、図1および図2によ
りガス切断火口の検査装置の構成を説明し、次に検査方
法について説明する。
【0051】図5に示す切断火口の検査装置には切断火
口に形成した火炎を検出するための火炎検出装置は設け
られていないが、後述するようにCCDカメラ11によっ
て一定時間毎に火炎の位置を撮影し、多重閾値処理して
火炎を検出するよう構成されている。
【0052】画像処理部10は、二台のCCDカメラ11よ
り伝達された画像信号を閾値処理する階調処理部12と、
閾値処理したデータから火炎性状の良否を判断するパタ
ーン処理部20と、火炎性状の基準値及び許容誤差を記録
させた許容値記憶部16とを有している。
【0053】これら二台のCCDカメラ11は、一方は切
断酸素気流4に対向し、他方は白点3aに対向してこれ
らを監視するよう配置されている。ここで、本実施形態
に於いては二台設置しているが、白点3aのみしか監視
しない場合には一台でもよく、またより大きい火炎を監
視する場合には三台またはそれ以上の台数を設置するこ
とでも良い。
【0054】次に、本実施形態に係るガス切断火口の検
査装置がある一本の切断火口1を検査する際の動作につ
いて説明し、併せて本発明に係る切断火口の検査方法を
説明する。
【0055】二台のCCDカメラ11は図6のフローチャ
ートに示すように、所定時間毎に切断火口1の火炎の位
置を撮影し、取得した256階調の白黒画像から得られ
る輝度レベルを階調処理部12がステップ12aにおいて多
重閾値処理する。その結果得られたデータが火炎の性状
を示しているか否かをステップ5cにて判断し、火炎が
生成されたと検出した場合は次のステップ12bへと進
み、火炎が生成されたことを検出しなかった場合は再び
所定時間後に火炎の位置を撮影するという手順を繰り返
す。
【0056】なお、ここで単純に火炎位置の輝度のみを
もって火炎の生成を検出すると、特にガス切断火口にお
いては点火しても爆発したのみで火炎が消失してしまう
場合があるため、存在しない火炎に対して撮影及び解析
を開始してしまう場合がある。しかし上述の如く多重閾
値処理を行って火炎性状によって判断することにより、
正確に火炎が形成されたことを検出することができる。
【0057】火炎が検出された場合には、図6に示すフ
ローチャートのように、火炎性状の良否の判断を開始す
る。まず撮影された火炎の画像は、階調処理部12に送出
される。これを階調処理部12がステップ12bにおいて多
重閾値処理し、火炎性状をデータ化する。
【0058】図7(a)はCCDカメラ11によって撮影した
画像の例を示す図である。この画像において白点3aの
移っている部分を下部から上部までm分割し、それぞれ
の位置、即ちスキャン層S1〜Smにおいて火炎を横切
るようにスキャンし、輝度レベルを取得する。
【0059】図7(b)は各スキャン層Smにおける横方向
の位置と輝度とを例示する図である。まず白点3a全体
の幅を得るために所定の閾値P0を設定し、ある座標に
於ける輝度レベルが閾値P0以上ならば1、それ以下な
らば0として一桁の二進数データに変換する。従って、
前記閾値P0の値を、白点3aの輝度レベルよりも低
く、且つ二次火炎3bの輝度レベルより高い値に設定す
ることにより、白点幅Xmを得ることが出来る。
【0060】また同時に各白点3aの中心座標を得るた
めに各自の閾値P1,P2,…をそれぞれ設定し、その
閾値より高い部分を抽出することにより各白点3aの幅
を取得し、これより各白点3aの中心座標Yを算出す
る。従って白点3aがn個あったとすれば、スキャン層
Smにおいて中心座標Ym1〜Ymnのデータが得られるこ
ととなる。
【0061】これらの操作をスキャン層S1〜Smにつ
いて行うことにより一本の切断火口1について得られた
白点幅X1〜Xm及び中心座標Y11〜Ymnのデータ全体
を、以後学習パターンという。この学習パターンをステ
ップ18aにてモニター18に表示して操作員に提示すると
共に、パターン処理部20に入力する。パターン処理部20
は、図8に示すニューラルネットワークによって構成さ
れている。
【0062】本実施形態に係るニューラルネットワーク
は三層のニューロンの層を有しており、入力層A、中間
層B、出力層Cから構成されている。ニューラルネット
ワークの学習則にはバックプロパゲーション法を用い、
また荷重Wの修正法には一括修正法、荷重修正量の計算
にはモーメント法を用いる。一括修正法は学習パターン
全体でその修正量の総和をとり、これを用いて荷重を修
正する方法であって、学習パターン全体一個毎に修正を
行う逐次修正法よりも修正回数が少なくなるので学習時
間を短縮することができる。
【0063】入力層A及び出力層Cには学習パターンを
入力し、ニューラルネットワークを学習させる。また中
間層Bには入力層Aのデータの荷重Wつきの和を与え
る。入力層Aのニューロンは、夫々中間層Bの二つのニ
ューロンに接続する(生物体のシナプス結合を模倣して
いる)。すなわちスキャン層S1〜Smに対応して、中
間層はB1〜B2mまでの要素を有している。このように
入力層Aのニューロンが二個の中間層Bのニューロンに
接続することにより、非線形システムを構築することが
できる。
【0064】例えばあるスキャン層Smに於ける各白点
3aの中心座標Yのインデックスをi(白点幅Xのイン
デックスをi=0とする)、中間層Bのインデックスをj
(j=2m or 2m-1)とすると、白点幅X又は各白点3aの中
心座標Yと中間層Bとの間に課される荷重はWijと表さ
れる。これを用いて、中間層Bjは次式で表される。
【0065】
【数1】
【0066】ここで荷重Wijは上記の如く一括修正法に
て修正されるが、その際の荷重修正量ΔW(k) はモーメ
ント法にて計算される。具体的には前回の荷重修正量を
ΔW(k-1) とし、誤差からの修正量をdとすると、次式
によって求める。
【0067】
【数2】
【0068】ここでaは安定化係数である。
【0069】中間層Bの各ニューロンは与えられた和を
シグモイド関数により実数あるいは0〜1の範囲に変換
して出力する。この中間層Bの出力は、上述と同様に、
荷重付き和として出力層Cに与えられる。
【0070】ここでバックプロパゲーション学習方法に
於いて、中間層と出力層を接続するシナプス荷重Vkjの
修正量ΔVkj、および出力層のニューロンの閾値γk の
修正量Δγk は、次式で与えられる。
【0071】
【数3】
【0072】学習パターンがよいパターンである場合に
教師信号Tk は1.0 となり、その逆の場合には0.0 とな
る。このように出力層の出力Ok と教師信号Tk の差Δ
Vを小さくしていくことにより、ニューラルネットワー
クが学習し、より正しい出力層出力Ok を得ることがで
きる。最終的に出力層Cは中間層Bより与えられた和を
シグモイド関数により0〜1の範囲に変換して出力し、
これが一定値以上ならばその切断火口は良とし、一定値
以下ならば否とする。
【0073】パターン処理部20による良否判断結果は、
ステップ18bにてモニター18に出力して監視員に示すと
ともに、制御部5に信号を送出する。制御部5はその結
果に基づいて切断火口着脱装置30に指示を出す。切断火
口着脱装置30は、検査に合格ならば切断火口1を次行程
30aのラインに移動させ、不合格ならば修正ライン30b
に移動させる。そして次なる切断火口1をトーチ2に装
着する。
【0074】上記の如く構成したことにより、本発明に
係る切断火口の検査方法及び検査装置によれば、このよ
うに、本発明に係る切断火口検査装置を用いれば切断火
口の検査を自動化することができ、作業員を強い光およ
び高熱によって疲労させることなく、また大幅な人員削
減をすることができる。また判断基準を画一化すること
によって製品の品質の規格化を向上させることができ、
多数本のトーチを搭載した平行切断装置やNC切断装置
に用いる際にも個体差の少ないものとすることができ
る。
【0075】また良否判断にニューラルネットワークを
用いることにより、線形システムでは判別の困難な火炎
性状の良否判断を効率的且つ的確に行うことができる。
【0076】なお上記第一及び第二実施形態において、
切断火口としてガス切断火口を用いて説明したが、切断
トーチ及び送出するガス等を適宜変更することによっ
て、同様にプラズマ切断火口の検査装置とすることがで
きる。
【0077】また、説明の都合上画像処理部10の各構成
要素および制御部5をそれぞれ分割して説明したが、実
際には一台又は複数台のコンピュータをプログラムによ
り動作させ、階調処理、輪郭座標取得、火炎性状演算、
比較演算、および制御シーケンス等はCPUにより行
い、階調記憶および演算結果記憶をRAMにより行い、
またこれらを実施するプログラム及び火炎性状の基準
値、許容誤差は磁気記憶媒体やROMに保存するという
形態が一般的である。
【0078】また、CCDカメラ11の構成を512x512 或
いは640x480 のCCD素子により100mmX100mm の撮影範
囲として分解能を縦横0.19mm/dotと説明したが、これら
は切断火口1および切断火口1の形成する火炎等の大き
さに準じて適宜設定することでよい。
【0079】また、図2においてトーチ2の上方に切断
火口1を装着し、上方に向かって火炎等を噴射する構成
として示したが、本発明はこれに限定するものではな
く、横または下方に向けて火炎を噴射するよう切断火口
1を装着することでも良い。また第1実施形態において
複数回撮影する際にトーチ2を60°ずつ回転させつつ四
回撮影すると説明したが、さらに小さい角度ずつ回転さ
せながら回数多く撮影することによって、より正確な画
像情報を取得することができる。またパルスモーターに
より回転を行ったが、ラックや歯車、アームなどの機械
装置を用いて回転角を決定することでも良い。
【0080】[第三実施形態]図9、図10を用いて本発
明に係る第三実施形態を示す。図9に示すのは複数のト
ーチと共に切断火口の検査装置を搭載した数値制御(以
下NC)切断装置を説明する模式図、図10はNC切断装
置に搭載した切断火口の検査装置のブロック図である。
このNC切断装置に搭載した切断火口の検査装置におい
て、上記第一又は第二実施形態と説明の重複する部分に
ついては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】本実施形態に係るNC切断装置の架構42
は、平行に敷設されたレール41に載置されている。架構
42はサドル42aと、レール41に対して直行方向に配置さ
れたガーター42bとからなり、サドル42aに取り付けた
走行モーター43によってレール41上を走行し得るよう構
成されている。またガーター42bにはトーチ2を取り付
けた複数(本実施形態に於いては5台)のキャリッジ44
が搭載されている。
【0082】ガーター42bの下方には、該ガーター42b
と平行にボールネジ27及びガイド部材28が配置され、こ
れにCCDカメラ11を位置調整可能に取り付けたブラケ
ット29が装着されている。ボールネジ27はサドル42aに
設けられた駆動モーター50によって駆動され、これに従
ってブラケット29がガーター42bに沿って往復移動し、
CCDカメラ11がすべてのトーチ2の正面に位置し得る
よう構成されている。
【0083】CCDカメラ11は、縦方向に配列されたC
CD素子列の中から予め基準列が設定され、この基準列
が垂直方向と一致するようにブラケット29に取り付けら
れている。従って、ボールネジ27を駆動してブラケット
29を移動させる際には、ガーター42bに設定された装置
原点とCCDカメラ11に設定された基準列との距離が制
御対象となる。
【0084】図10に示すようにNC切断装置には、マイ
クロコンピュータやNC装置、或いはパソコンからなる
上位の制御装置45が搭載されており、NC切断装置及び
切断火口検査装置の制御装置を構成する。
【0085】制御装置45は切断作業の開始前及び終了後
に切断火口の検査をする。その際、まずブラケット29を
駆動させる駆動モーター50に指示を出して、予め記憶さ
れた距離移動させて切断火口1とCCDカメラ11を対向
させる。しかる後に、切断火口検査装置の制御部5に指
示を出して、CCDカメラ11により切断火口に形成され
た火炎を撮影し、画像処理部10において撮影した画像情
報から火炎性状の良否判断を行う。
【0086】切断火口の検査が終了すると、結果をモニ
ター18に表示すると共に、良と判断すれば再び駆動モー
ター50を駆動させて次の切断火口1の位置まで移動す
る。ここで否と判断した場合には、切断火口着脱装置30
をもって切断火口1を交換し、しかる後に次の切断火口
1の位置まで移動する。これをすべての切断火口1に対
して繰り返す。
【0087】上記の如く構成したことにより本発明に係
る切断装置によれば、切断火口1の検査を自動化するこ
とができ、作業員を必要とせずに不良となった切断火口
1を検出、交換することができる。
【0088】また、切断の開始前及び終了後共に火炎性
状が良好である場合にはこの切断火口による切断面も良
好であると判断することができる。逆に、切断開始前に
は良好だった火炎性状が切断終了後に不良となった切断
火口を検出することにより、その切断火口による切断面
が不良であると判断することができる。従って、かかる
切断火口の存在をモニター18に警告するかまたは記録に
残すことにより、無人にして切断材の不良品をも検出す
ることができる。
【0089】なお、上記各実施形態に係る検査方法、検
査装置及び切断装置に於いてはガス切断火口を例として
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
ガス溶接火口、プラズマ切断ノズル、プラズマ溶接ノズ
ルにおいても同様の構成を以て実施することができる。
【0090】また、上記第三実施形態に於いてCCDカ
メラ11を搭載したブラケット29をボールネジ27にて駆動
させる構成としたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えばガーター42bと平行にラックを配置する
と共に、駆動モーター50及びピニオンをブラケット29に
搭載して駆動するよう構成することも可能である。
【0091】また、上記第一乃至第三実施形態において
対人用の結果出力装置としてはモニター18を用いたが、
これをプリンタまたはプリンタとモニター両方を設ける
などして出力することでも良い。また磁気記憶媒体など
に結果を一定期間保存することにより過去の検査結果を
検索することが可能なものとすることも有効である。
【0092】また、第三実施形態において、ガーター42
bに5本の切断火口1を搭載した場合について説明した
が、この構成に限定されるものではない。即ち、本発明
における切断火口の検査は、ガーター42bに何本の切断
火口1が搭載されていても個々の切断火口1毎に独立し
て行われるものであり、その搭載数に制限はない。
【0093】
【発明の効果】本発明に係る検査方法及び検査装置によ
れば、ガス火口又はプラズマノズルの検査を自動化する
ことができ、作業者を労働から開放し、また使用者にし
てみれば人員を削減することができる。また、製品の品
質の良否判断基準を個々の作業者の主観に依存すること
なく、規格化することができる。
【0094】また良否判断にニューラルネットワークを
用いることにより、線形システムでは判別の困難な火炎
の全体の形状から良否判断を行うことができる。これに
よって人間が視認により行っていた総合的な判断を自動
化することができ、効率的且つ的確に、且つ画一的な判
断基準をもって良否判断をすることができる。
【0095】また、本発明に係る検査装置を切断装置に
適用すれば、ガス火口又はプラズマノズルの出荷時のみ
ならず、使用中の火口等を随時検査、交換することがで
きる。この事により、作業人員を必要とすることなく常
に良好な火炎を形成する火口等をもって切断を行うこと
ができる。
【0096】また、切断作業の前後において火炎性状を
比較することにより間接的に切断面または溶接面の品質
を判断することができるため、無人で自動的に品質の良
否をも判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス切断火口および火炎を表す図である。
【図2】第1実施形態に係るガス切断火口の検査装置の
構成を表す図である。
【図3】画像処理のフローチャートである。
【図4】画像処理の他の実施形態に係るフローチャート
である。
【図5】第二実施形態に係るガス切断火口の検査装置の
構成を表す図である。
【図6】画像処理のフローチャートである。
【図7】CCDカメラによって撮影された画像を示す図
である。
【図8】ニューラルネットワークの模式図である。
【図9】複数のトーチと共に切断火口の検査装置を搭載
した数値制御切断装置を説明する模式図である。
【図10】数値制御切断装置に搭載した切断火口の検査装
置のブロック図である。
【図11】ガス切断火口における不良切断酸素気流の例を
示す図である。
【図12】ガス切断火口における不良白点の例を示す図で
ある。
【符号の説明】 A …入力層 B …中間層 C …出力層 P …閾値 S …スキャン層 W …荷重 X …白点幅 Y …中心座標 1 …ガス切断火口 2 …ガス切断トーチ 3 …火炎 3a …各白点 3b …二次火炎 4 …切断酸素気流 4a …白熱部 5 …制御部 10 …画像処理部 11 …CCDカメラ 12 …階調処理部 13 …二値記憶部 14 …演算部 15 …演算結果記憶部 16 …許容値記憶部 17 …比較演算部 18 …モニター 20 …パターン処理部 21 …トーチ駆動モーター 22 …定流量素子 23 …分配ユニット 24 …電磁弁 26 …配管 27 …ボールネジ 28 …ガイド部材 29 …ブラケット 30 …切断火口着脱装置 30a …次行程 30b …修正ライン 31 …アーム 32 …マニピュレータ 33 …自動点火装置 34 …火炎検出装置 41 …レール 42 …架構 42a …サドル 42b …ガーター 43 …走行モーター 44 …キャリッジ 45 …制御装置 50 …駆動モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 炳哲 東京都江戸川区西小岩3丁目35番16号 小 池酸素工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CCDカメラを用いてガス切断又は溶接
    用火口の良否を検査する方法であって、ガストーチに装
    着された前記火口から噴射される火炎をCCDカメラに
    よって撮影し、撮影によって得られた複数階調の画像信
    号の輝度レベルを多重閾値処理して火炎の輪郭座標を決
    定し、該輪郭座標から前記火炎の火炎性状を算出して、
    該火炎性状を所定の基準値及び許容誤差と比較演算して
    前記火口が形成する火炎性状の良否を判断することによ
    って前記火口の良否を判断することを特徴とする検査方
    法。
  2. 【請求項2】 CCDカメラを用いてプラズマ切断又は
    溶接用ノズルの良否を検査する方法であって、プラズマ
    トーチに装着された前記ノズルから噴射されるプラズマ
    アークをCCDカメラによって撮影し、撮影によって得
    られた複数階調の画像信号の輝度レベルを多重閾値処理
    してアークの輪郭座標を決定し、該輪郭座標から前記ア
    ークのアーク性状を算出して、該アーク性状を所定の基
    準値及び許容誤差と比較演算して前記ノズルが形成する
    アーク性状の良否を判断することによって前記ノズルの
    良否を判断することを特徴とする検査方法。
  3. 【請求項3】 前記CCDカメラによる前記火炎又は前
    記アークの撮影は角度を変えて複数回行うことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の検査方法。
  4. 【請求項4】 前記CCDカメラによって常時前記火炎
    又は前記アークの位置を撮影し、且つ撮影した複数階調
    の画像信号を多重閾値処理することにより形成された前
    記火炎又は前記アークを検出し、前記比較演算を開始す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記火炎又は前記アークの輪郭座標をニ
    ューラルネットワークを用いてパターン認識処理するこ
    とにより、前記火口又は前記ノズルの良否を判断するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の検査方法。
  6. 【請求項6】 ガス切断又は溶接用火口を検査する装置
    であって、前記火口を装着するガストーチと、多数のC
    CD素子を直交方向に配列して構成されたCCDカメラ
    と、該CCDカメラに指示を出して前記火口より噴射さ
    れる火炎を撮影させる制御部と、前記CCDカメラによ
    って撮影した複数階調の画像信号を多重閾値処理して火
    炎の輪郭座標を決定し、予め記憶された基準値及び許容
    誤差と比較して前記火口の良否を判断する画像処理部と
    を有することを特徴とする検査装置。
  7. 【請求項7】 プラズマ切断又は溶接用ノズルを検査す
    る装置であって、前記ノズルを装着するプラズマトーチ
    と、多数のCCD素子を直交方向に配列して構成された
    CCDカメラと、該CCDカメラに指示を出して前記ノ
    ズルより噴射されるアークを撮影させる制御部と、前記
    CCDカメラによって撮影した複数階調の画像信号を多
    重閾値処理してアークの輪郭座標を決定し、予め記憶さ
    れた基準値及び許容誤差と比較して前記ノズルの良否を
    判断する画像処理部とを有することを特徴とする検査装
    置。
  8. 【請求項8】 前記検査装置の前記火口近傍に自動点火
    装置を設けるとともに、前記制御部は前記火口に酸素ガ
    ス、燃料ガス及び支燃ガスが供給されたことに対応して
    前記自動点火装置に作動の指示を出すものであることを
    特徴とする請求項6に記載の検査装置。
  9. 【請求項9】 前記火口又は前記ノズルの近傍に火炎又
    はアークを検出する火炎検出装置を設け、該火炎検出装
    置から送出される信号によって、前記火口又は前記ノズ
    ルの検査を開始するよう構成したことを特徴とする請求
    項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の検査装置。
  10. 【請求項10】 前記検査装置において、前記火口又は
    前記ノズルを取り付けるトーチが回転可能であるか又は
    前記CCDカメラが前記トーチの周囲を回転可能に構成
    されていることを特徴とする請求項6乃至請求項9のい
    ずれか1項に記載の検査装置。
  11. 【請求項11】 前記検査装置において、検査前の前記
    火口又は前記ノズルを前記トーチに装着すると共に検査
    後の前記火口又は前記ノズルを取り外す際に検査結果の
    良否に応じて分類する火口又はノズル着脱装置を設け、
    且つ該火口又はノズル着脱装置を前記制御部の指示によ
    り動作するよう構成したことを特徴とする請求項6乃至
    請求項10のいずれか1項に記載の検査装置。
  12. 【請求項12】 前記検査装置に於いて、前記トーチに
    切断酸素ガス及び燃料ガス及び支燃ガス、またはプラズ
    マガスを供給する配管に電磁弁を設け、前記火口又はノ
    ズル着脱装置が前記火口又は前記ノズルを前記トーチに
    装着した後に所定の位置に退避したことに対応して、前
    記制御部が前記電磁弁に弁を開く指示を出すものである
    ことを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれか1項
    に記載の切断火口の検査装置。
  13. 【請求項13】 前記切断火口の検査装置において、前
    記切断トーチに切断酸素ガス及び燃料ガス及び支燃ガ
    ス、またはプラズマガスを供給する各供給路に、気体に
    熱を加える二つの自己加熱型抵抗体と、該二つの自己加
    熱型抵抗体に流れる電流の差を電圧に変換するブリッジ
    回路と、前記電圧と基準電圧を比較する比較演算部と、
    該比較演算部の指示に応じて流量を調節する弁の開閉を
    行う開度調整部と、を有するガス流量調節機構を設けた
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6又は請求項8乃
    至請求項12のいずれか1項に記載の検査装置。
  14. 【請求項14】 一本ないし多数本のトーチを取り付け
    て移動させるフレームと、請求項6に記載の検査装置と
    を有する切断または溶接装置であって、前記CCDカメ
    ラを前記トーチに対向し得るよう配置すると共に、前記
    制御部と前記画像処理部を前記フレームに搭載したこと
    を特徴とする切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111014709A (zh) * 2019-12-30 2020-04-17 西安赛隆金属材料有限责任公司 一种确定等离子弧火焰长度的方法及装置

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CN111014709A (zh) * 2019-12-30 2020-04-17 西安赛隆金属材料有限责任公司 一种确定等离子弧火焰长度的方法及装置

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