JPH10248577A - ヒト由来不死化b−リンパ芽球様細胞株 - Google Patents

ヒト由来不死化b−リンパ芽球様細胞株

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JPH10248577A
JPH10248577A JP9061453A JP6145397A JPH10248577A JP H10248577 A JPH10248577 A JP H10248577A JP 9061453 A JP9061453 A JP 9061453A JP 6145397 A JP6145397 A JP 6145397A JP H10248577 A JPH10248577 A JP H10248577A
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JP
Japan
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human
cell line
cells
cell
telomerase activity
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Application number
JP9061453A
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English (en)
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Masanobu Sugimoto
正信 杉本
Makoto Goto
眞 後藤
Yasuhiro Furuichi
泰宏 古市
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EIJIIN KENKYUSHO KK
Original Assignee
EIJIIN KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト由来の不死化B−リンパ芽球様細胞株の
提供。 【解決手段】 下記の性質を有するヒト由来不死化B−
リンパ芽球様細胞株。 (a) 形態:リンパ芽球様細胞。 (b) 継代培養:無限な継代培養。 (c) 機能的特徴:i)免疫グロブリンを産生する、又は
産生しない。 ii)テロメラーゼ活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エプシュタイン・
バールウイルス(EBV)によりトランスフォームされ
た新規なヒト由来不死化B−リンパ芽球様細胞株に関す
る。この細胞株は、無限増殖が期待され、ハイブリドー
マや遺伝子工学を用いてのヒトモノクローナル抗体作製
のための親細胞等に適している。
【0002】
【従来の技術】ヒトのモノクローナル抗体は、診断薬と
しての利用価値が高いばかりでなく、直接ヒトに投与出
来るので医薬品としての利用価値も高い。マウスでは、
ミエローマ細胞を初めとする適当な細胞株を、ハイブリ
ドーマを作製する際の親株として使うことが出来る。し
かし、ヒトではこれまで適当な親細胞株が得られていな
い。このことは、ヒト由来のミエローマ細胞を親株とし
た場合に、ハイブリドーマは作製できても継代中に染色
体の脱落などがあることから、抗体産生細胞を安定かつ
永続的に維持することができないためであると考えられ
ている。
【0003】一方、マウスのミエローマ細胞を親株にし
てヒトのB細胞とのハイブリドーマを作製し、ヒトのモ
ノクローナル抗体を作製することも可能であるが、前記
と同様に細胞株が不安定であるという問題点を抱えてい
る。また、親株の中には自分自身免疫グロブリンを産生
するものもあるため、このような親株を除去する必要が
ある。
【0004】さらに、遺伝子工学を適用してヒトモノク
ローナル抗体を作製する際にも、細胞が永続的に安定に
継代でき、かつ、自分自身が免疫グロブリンを産生しな
いようなB−リンパ芽球様細胞株が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒト由来の
不死化B−リンパ芽球様細胞株を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
基づいて鋭意研究を行った結果、エプシュタイン・バー
ルウイルス(EBV)によるヒトB細胞のトランスフォ
ーメーションを行った結果、不死化細胞を得ることに成
功し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、下記の性質を有するヒト由来不死化B−リンパ芽球
様細胞株である。
【0007】(a) 形態:リンパ芽球様細胞。 (b) 継代培養:無限な継代培養。 (c) 機能的特徴:i)それ自身免疫グロブリンを産生し
ない。 ii)テロメラーゼ活性を有する。
【0008】さらに、本発明は、下記の性質を有するヒ
ト由来不死化B−リンパ芽球様細胞株である。 (a) 形態:リンパ芽球様細胞。 (b) 継代培養:無限な継代培養。 (c) 機能的特徴:i)免疫グロブリンを産生する。 ii)テロメラーゼ活性を有する。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のB−リンパ芽球様細胞株
はヒト由来のものであり、テロメラーゼ活性が陽性であ
るため永続的に継代可能のものである。ここで、テロメ
ラーゼ活性が陽性であることは、永続的に継代するため
に好ましい条件とされている(Counter et al., Stabil
ization of short telomeres and telomerase activity
accompany immortalization of epstein-Barr virus-t
ransformed human B lymphocytes. J. Virol. 68, 3410
-3414, 1994)。また、本発明のB−リンパ芽球様細胞株
には免疫グロブリンを分泌するものとしないものとがあ
り、分泌しないものはハイブリドーマ作製のための親株
として、分泌するものは遺伝子工学を適用し、必要な特
異性を持つヒトモノクローナル抗体産生細胞株を作製す
るための親株として使用することができる。
【0010】本発明のB−リンパ芽球様細胞は、EBV
によるヒトB−細胞のトランスフォーメーションを行
い、細胞の継代を長期間続けることにより不死化し、樹
立することができる。
【0011】(1) EBVによるヒトB−細胞のトランス
フォーメーション まず、トランスフォーメーションに用いるEBVを調製
する。EBVの調製のために使用される細胞株として
は、マーモゼット細胞株である B95-8(Miller,G.,Viro
logy,(B.N.Fields and K.M.Knipe eds.) Raven Press,
New York, pp1921-1958 )等が挙げられる。
【0012】EBVは上記細胞の培養上清液中に含まれ
る。従って、細胞を通常の条件で培養し、その培養上清
液を採取する。例えば、RPMI-1640 又はEagle's MEM 培
地に10%ウシ胎児血清、グルタミン、抗生物質等を添加
し、37℃で6〜8日培養する。得られた培養物を遠心し
た後、その上清を得る。次に、EBVをトランスフォー
ムするための親株を調製する。この親株としては例えば
白血球が挙げられる。
【0013】健常人から得られた血液から、LSM(Ly
mphocyte Separation Medium; WestChester, PA)を用
いて白血球分画を精製する。この分画を、牛胎児血清20
%、200ng/mlのサイクロスポリン及び上記EBVを含む
上清を加えたRPMI1640培地にて培養する。細胞濃度は5
〜10×105/mlとなるように調製し、これを12ウェルのプ
レートを用いる場合は1ウェルあたり1.5ml播く。培養
を開始して2〜3週間後に細胞のクラスターが多数形成
されるようになったものについて、順次ウェルの大きさ
をスケールアップする。さらに、培養用ボトル(例えば
25mm2 、75mm2など)に植え替えることもできる。この
ようにしてEBVによりトランスフォーメーションされ
たB−細胞株を得る。
【0014】(2) 細胞の継代、最大分裂寿命の判定 トランスフォーメーションが完了した細胞を、継代を繰
り返しながら長期間培養し、最大分裂寿命の判定を行
う。5mlの上記培地に浮遊させた細胞を25cm2のボトル
で、37℃、 7.5%のCO2存在下でインキュベータ中で培
養する。週に二回、3日ないし4日毎に半量の細胞浮遊
液を新しい培地で置き換えて細胞を継代する。通常、細
胞は液替え後2日目には1〜2×106/ml の最大濃度に
達する。細胞の分裂加齢とともに分裂能が低下した細胞
株が出現し、継代数(Population Doubling Levels; PD
Ls) が30回(30PDLs )に達した辺りから分裂が極度に
低下した(クライシス)細胞が現れるので、この細胞を
プレート(6ウェルプレート等)に移し、上清のみを週
に二回培地交換し、培養を続ける。細胞分裂能を再開し
ないときは、分裂寿命が尽きたものと判定し、6ウェル
のプレートに移した時点でのPDLを最大分裂寿命とす
る。
【0015】(3) 不死化細胞の判定 このようにして得られた細胞株について、テロメラーゼ
活性、染色体分析、および分泌免疫グロブリン(Ig)
の解析を行う。テロメラーゼ活性はPCR(polymerase
chain reaction)法を基本としたKimら(Specific asso
ciation of human telomerase activity with immortal
cells and cancer. Science 266, 2011-2015, 1994)
のTRAP (telomeric repeat amplification protocol)方
法により測定し、染色体分析はG-バンド法(Freshney,
R.I. In "Culture of Animal Cells, A Manual of Basi
c Technique.", pp175-179. 2nd. Edition. Alan R. Li
ss, Inc., New York.)により行い、免疫グロブリンの解
析はオクタロニー(Ouchterlony)法による免疫拡散法
(The Binging site Ltd. 社製のキットを用いる)によ
り行う。
【0016】これらの解析から、170 PDLs以上の長い期
間継代培養が可能なこと、強いテロメラーゼ活性を示す
こと、同一細胞由来のクローン性の強い細胞であること
などの特徴が示された細胞を不死化細胞と判定する。以
上のようにして3種類不死化細胞(A/N0003 、A/N0005
及びN6803 )が得られた。これらの細胞は、以下の特徴
を有するものである。
【0017】(a) 形態:培養細胞の塗沫標本を作製し、
ギムザ染色したのち光学顕微鏡で形態を観察した結果、
リンパ芽球様であり、多くの場合クラスターを形成する
ことが示された。
【0018】(b) 継代培養:RPMI-1640 に10%ウシ胎児
血清を含む培地を用い、25cm2の組織培養用プラスチッ
クボトル(コーニング社)に5×105個/mlの細胞浮遊
液を5ml接種し、37℃、 7.5%のCO2存在下でインキュ
ベータ中で培養を行なって増殖曲線を求め、この増殖曲
線より求めた倍加時間は約20時間であり、160 PDLs以上
の無限な継代培養が可能である。
【0019】(c) 機能的特徴: i)培地中の免疫グロブリンの存在を抗ヒト免疫グロブ
リン抗体を用いた免疫沈降法(オクタロニー法)により
調べた結果、A/N0003 及びN6803 は陽性であり(免疫グ
ロブリンを産生する)、A/N0005 は陰性(免疫グロブリ
ンを産生しない)である。また、細胞表面に発現されて
いる免疫グロブリン(sIg)について、まず細胞をビ
オチンでラベルしたマウスの抗ヒトIgG、IgA又は
IgMで染色し、次にFITCでラベルしたストレプトアビ
ジンで二次染色し、フローサイトメーター等により分析
した結果、A/N0003 はIgAを発現し、A/N0005 は陰性
であり、N6803 はIgG(弱い)を発現する。 ii)PCRを用いたTRAP法によりテロメラーゼ活性
を調べた結果、強いテロメラーゼ活性を有する。
【0020】(d) その他:1997年1月27日の時点で、N6
803 細胞株は237 PDLs、A/N0005 細胞株は173PDLs 、A/
N0003 細胞株は173 PDLsを超えて活発に細胞増殖を継続
中である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲を限定するものではない。
【0022】〔実施例1〕 (1) EBVのトランスフォーメーション マーモゼット細胞株B95-8 (Miller, G., EBV biology,
pathogenesis and medical aspects. In Virology, B.
N.Fields and K.M.Knipe, eds. New York: Raven Pres
s, pp. 1921-1958, 1990) を、10%ウシ胎児血清、グル
タミン及び抗生物質ストレプトマイシン/ペニシリンを
含むRPMI-1640 培地で、37℃で7日培養した。得られた
培養物を遠心(4℃,1,000rpm)した後、その上清をE
BV含有液とし、EBVをトランスフォーメーションに
用いた。
【0023】一方、18人の健常人より得られた血液から
白血球分画を、LSM(LymphocyteSeparation Medium;
West Chester, PA)を用いて精製した。この細胞を、
上記EBVを含む上清、牛胎児血清20%および200ng/ml
のサイクロスポリンを含むRPMI1640培地にて、12ウェル
プレートを用いて培養した。細胞濃度は5〜10×105/ml
に調製し、これを1ウェルあたり1.5ml播いた。2〜3
週間後に細胞のクラスターが多数形成されるようになっ
た段階で、順次6ウェルプレート、さらには25cm2のボ
トルへと植え替えた。なお、ボトルに移す時点では、培
地を10%の牛胎児血清を含むRPMI1640培地に替えた。
【0024】(2) 細胞の継代及び最大分裂寿命の判定 5mlの上記培地中に浮遊させた細胞を25cm2のボトルに
入れ、7.0 %のCO2存在下で、インキュベータ中(37
℃)で培養した。週に二回、3日ないし4日毎に半量の
細胞浮遊液を新しい培地で置き換えて細胞を継代した。
通常、細胞は液替え後2日目には1〜2×106/ml の最
大濃度に達する。30 PDLs 辺りから分裂が極度に低下し
た(クライシス)細胞が現れた。この細胞を6ウェルの
プレートに移し、上清のみを週に二回培地交換し、培養
を続けた。細胞分裂能を再開しないときは、分裂寿命が
尽きたと判定し、6ウェルのプレートに移した時点での
PDLを最大分裂寿命とした。
【0025】2年間、160 PDLs以上にわたり追跡した結
果、3つの細胞株(A/N0003 、A/N0005 及びN6803 ) を
除く15の細胞株は、150 PDLsまでにすべて分裂を停止し
た(図1)。しかし、細胞株N6803 は、クライシスを迎
えた後に細胞分裂能を取り戻し、237 PDLsを超えても活
発な細胞分裂能を維持している。また、残りの細胞株
(A/N0003 及びA/N0005 )については、はっきりしたク
ライシスは示さなかったが、173 PDLsを超えて活発な増
殖能を維持している。
【0026】(3) 不死化細胞の判定 上記3つの細胞株(A/N0003 、A/N0005 及びN6803 ) に
ついて、テロメラーゼ活性、染色体分析、並びに培地へ
の免疫グロブリンの産生(分泌免疫グロブリン(I
g))及び細胞表面への免疫グロブリン(sIg)の発
現の解析を行った。テロメラーゼ活性はPCR(polyme
rase chain reaction)法を基本としたKimら(Specific
association of human telomerase activity with immo
rtal cells and cancer. Science 266, 2011-2015, 199
4)のTRAP (telomeric repeat amplification protocol)
方法により測定した。
【0027】すなわち、105個の細胞を界面活性剤にて
溶かした後、103個の細胞に相当する溶解液をテロメラ
ーゼ活性測定用の検体酵素として用いた。合成オリゴヌ
クレオチド(5'-AATCCGTCGAGCAGAGTT-3'(配列番号
1))に上述の酵素液と反応させ、テロメアの反復配列
を添加した。その産物を、オリゴヌクレオチド(5'-CCC
TTACCCTTACCCTTACCCT-3'(配列番号2))をプライマー
として添加したPCR法にて増強した。PCRは、94℃
で45秒、50℃で45秒及び72℃で90秒の反応を1サイクル
としてこれを31サイクル行った。
【0028】得られた増幅産物をポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動にかけて分析した。その結果、N6803 、A/N0
003 及びA/N0005 のいずれもが強い陽性であった(図
2)。図2において、ITASはPCRがうまく進行したこ
とを示す内部コントロール、A/N0013 はコントロール
(死細胞)である。
【0029】また、染色体分析は、G−バンド法(Fres
hney, R.I. In "Culture of AnimalCells, A Manual of
Basic Technique.", pp175-179. 2nd. Edition. Alan
R.Liss, Inc., New York.)に従った。すなわち、培養細
胞をコルセミド処理して、細胞分裂の間期で止め、メタ
ノール−酢酸(3:1)で固定してスライドグラス上に広
げ、トリプシン/ギムザバンド法にて染色し、分裂中期
の各細胞株について20個ずつ観察し、それぞれの染色体
パターンを示す細胞を数えた。
【0030】さらに、分泌Igの有無は、培養上清をア
ルトラフリーC3LGC(日本ミリポアリミテッド)で濃縮
後、オクタロニー(Ouchterlony)法による免疫拡散法
により、ヒト免疫グロブリンタイピング用プレート(Hu
man Immunoglobulin Typing Kit Plate ; Code RK012お
よび Code RK013 、いずれもThe Binging site Ltd. 社
製、Nirmingham)を用いて解析した。また、細胞表面に
発現されている免疫グロブリン(sIg)については、
まず各細胞をビオチンでラベルしたマウスの抗ヒトIg
G、IgA又はIgMで染色し、次にFITCでラベルした
ストレプトアビジンで二次染色し、Epics EPS フローサ
イトメーター(Coulter Corporation, Miami) を用いて
分析した(図3)。以上の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果より、いずれの細胞株も、強い
テロメラーゼ活性および明らかな染色体異常を示した。
三株のうちN6803 株はごくわずかではあるがIgGを分
泌し、A/N0003 株はIgA(IgA1/λ) を分泌し、A/N00
05 はIgを分泌していないことが判明した。
【0033】染色体分析では、表1の下線で示したコン
センサスの染色体パターンを全ての細胞が共有するの
で、それぞれが共通の細胞に由来する、クローンに近い
細胞集団であることが分かった。
【0034】また、図3の解析結果(4枚のパネル)に
おいて、それぞれのグラフは、最も手前のものがコント
ロールとして抗マウスIgG抗体で細胞(括弧内の数字
はPDLs)を染めたもの、以下、順に手前から2番目が抗
ヒトIgG抗体、3番目が抗ヒトIgA抗体、4番目
(最も奥)が抗ヒトIgM抗体で細胞を染色したものの
結果である。
【0035】以上の結果より、いずれの細胞も、160 PD
Ls以上の長い期間継代培養が可能なこと、強いテロメラ
ーゼ活性を示すこと、染色体分析より同一細胞由来のク
ローン性の強い細胞であること等から、不死化細胞であ
ると判定した。
【0036】このうち、N6803 株及びA/N0005 株の二つ
の細胞株は、それ自身がIgを分泌せず、又は分泌して
もごくわずかであるため、細胞融合法や遺伝子工学的手
法を用いてモノクローナル抗体を産生するための親株と
して極めて適している。
【0037】また、A/N0003 株は、IgA(サブクラ
ス:IgA1/λ)を分泌することから、IgAの可変領域
を、対応する抗原と結合することができるよう遺伝子工
学的手法を用いて任意の配列に変えることで、目的とす
る抗原特異性を有するIgA産生細胞株として使用する
のに適している。
【0038】なお、細胞株N6803 、A/N0003 及びA/N000
5 は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、N6803 に
ついてはFERM P-16127として、A/N0003 についてはFERM
P-16125として、及びA/N0005 についてはFERM P-16126
としてそれぞれ寄託されている。
【0039】
【発明の効果】本発明により、ヒト由来不死化B−リン
パ芽球様細胞株が提供される。本発明の細胞は、モノク
ローナル抗体を産生するための親株として有用である。
【0040】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AATCCGTCGA GCAGAGTT 18
【0041】配列番号:2 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CCCTTACCCT TACCCTTACC CT 22
【図面の簡単な説明】
【図1】B−細胞の最大分裂寿命を追跡した結果を示す
図である。
【図2】本発明の細胞株のテロメラーゼ活性を示す電気
泳動写真である。
【図3】フローサイトメトリーによるsIgの解析結果
を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の性質を有するヒト由来不死化B−
    リンパ芽球様細胞株。 (a) 形態:リンパ芽球様細胞。 (b) 継代培養:無限な継代培養。 (c) 機能的特徴:i)それ自身免疫グロブリンを産生し
    ない。 ii)テロメラーゼ活性を有する。
  2. 【請求項2】 下記の性質を有するヒト由来不死化B−
    リンパ芽球様細胞株。 (a) 形態:リンパ芽球様細胞。 (b) 継代培養:無限な継代培養。 (c) 機能的特徴:i)免疫グロブリンを産生する。 ii)テロメラーゼ活性を有する。
  3. 【請求項3】 免疫グロブリンがIgG又はIgAであ
    る請求項2記載の不死化B−リンパ芽球様細胞株。
JP9061453A 1997-03-14 1997-03-14 ヒト由来不死化b−リンパ芽球様細胞株 Pending JPH10248577A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008278842A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Nippon Inst For Biological Science 脂肪組織間質細胞の神経細胞への分化誘導方法並びに分化誘導された該神経細胞
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