JPH10248293A - 移動体の走行駆動装置 - Google Patents

移動体の走行駆動装置

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JPH10248293A
JPH10248293A JP9046698A JP4669897A JPH10248293A JP H10248293 A JPH10248293 A JP H10248293A JP 9046698 A JP9046698 A JP 9046698A JP 4669897 A JP4669897 A JP 4669897A JP H10248293 A JPH10248293 A JP H10248293A
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JP
Japan
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inverter
motor
torque
control
unit
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Application number
JP9046698A
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English (en)
Inventor
Masahiro Baba
正博 馬場
Makoto Ito
伊藤  誠
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

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  • Control Of Multiple Motors (AREA)
  • Control And Safety Of Cranes (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理的な制約条件が厳しい走行移動体に、精
度が高く、きめ細かい走行の制御ができるインバータの
N:N制御方式を容易に適用でき、走行移動体の走行性
能を高めつつ、走行装置の冗長性を大きくして設備の稼
働率を高める。 【解決手段】 制御的にまとめられた一又は複数の車輪
からなる車輪群2に対し一の電動機3が設けられるとと
もに、車輪群及びこれを駆動する電動機の組を複数備え
てなる移動体の走行駆動装置において、各電動機内にイ
ンバータ4を内蔵した移動体の走行駆動装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンや自走式
台車等に用いられる電動で走行する移動体の走行駆動装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、一般産業分野などで使用される天
井クレーン、港湾荷役用のコンテナクレーン、資源搬送
用のリクレーマ、スタッカなど大型移動機械、あるいは
設備内搬送用の自走式台車や開閉式ドームの屋根等の走
行駆動には、電動機が用いられるが、特に最近はインバ
ータ駆動が広く用いられるようになっている。
【0003】また、これらの走行駆動では、複数の車輪
を駆動するために、脚の数等にあわせて複数の電動機を
使用するが、その複数の電動機を駆動するインバータ
は、電動機よりも少ない数で、1台のインバータで複数
の電動機を駆動する1:N方式が主流となっている。
【0004】1:N方式であれば、走行炉が傾いている
場合等により電動機間の負荷アンバランスを生じる場合
に、その負荷アンバランスをインバータ二次側の電流で
平衡するような回路となっているため、多少の負荷アン
バランスによる過負荷は回避でき、容易に制御できるこ
とができる。
【0005】これに対し、電動機とインバータが1:1
になるようなN:N方式で走行を制御する場合、各電動
機間の制御上の同期にバラツキがあると相互に駆動力を
干渉しあっていずれかのインバータが過負荷になること
がある。また、上述のように左右の車輪またはレール等
で力学的な不平衡条件があると、同様に電動機間に負荷
のアンバランスが生じて過負荷が発生する等制御が難し
くなる。
【0006】このように、これまでは1:N方式が主流
であったが、近年、上記走行装置においては設備の高効
率化が要求され、走行の高速化や停止精度の向上が求め
られるようになってきている。
【0007】このため、負荷バランスをインバータ2次
側の電流でとるために電動機の制御精度に限界のある
1:N方式ではなく、個別に電動機を制御できるN:N
方式が求められる場合が増えてきている。また、同様な
理由で、設備内の走行軌道が直線だけでなくカーブを描
くなど、より複雑できめ細かい制御をするために、N:
N方式が必要なケースが増えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、N:N
方式での制御は、相互のバランスをとるために各インバ
ータが高い精度で各モータを制御する必要があり、この
ためには各モータに回転角を検出するセンサーを取り付
けることが必要である。
【0009】また、1:Nに比べて、N:N方式でイン
バータ盤を設計すると、インバータ盤面数がN倍とな
る。このためインバータ盤への指令信号の信号線もN倍
となるので配線数も多くなる。したがって、寸法制限条
件が厳しいクレーンなどにおいて例えば走行移動体上に
インバータ盤盤を設置する場合には、スペース的な困難
性があり、N:N方式では不利である。
【0010】他方で、特殊設備内の自走式台車やクレー
ンなどでは、機械的な制約などから、移動体上にはイン
バータ盤を設置せず、地上にインバータ盤を設置し、移
動体上の電動機に架線などで給電する方法がとられてい
るが、この場合には、走行移動体の電動機にインバータ
を使用すると、インバータが地上側で架線を経由して電
動機に給電しなければならない。このような状況におい
ては、インバータ二次側の回路で瞬時の離線が発生する
場合があり、その場合には電動機の残留磁界とインバー
タ出力の位相の間のズレが過電流トリップを発生させる
という障害がある。このため、このような走行移動体が
別の軌道に乗り移るなどの計画には、走行装置にインバ
ータを適用することが出来なかった。
【0011】また、このようなインバータ盤が地上にあ
る場合、電動機用回転センサ等のセンサを付けて精度を
上げたくても、架線やケーブルリール等による配線本数
の制限が厳しく、特にN:N方式のインバータ制御は実
現性がなかった。
【0012】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、インバータ盤等の設置空間の制約条件が厳
しい走行移動体に、精度が高く、きめ細かい走行の制御
ができるインバータのN:N制御方式を容易に適用で
き、走行移動体の走行性能を高めつつ、走行装置の冗長
性を大きくして設備の稼働率を高めること可能とした移
動体の走行駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】また、本発明は、従来離線の心配などから
適用が難しかった、従来は本体にインバータ盤を搭載し
ないタイプの走行移動体にも高精度のインバータ制御を
実現し、移動体の走行機動性を高めて設備の稼働性能を
高めること可能とした移動体の走行駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、制御的にまとめられた
一又は複数の車輪からなる車輪群に対し一の電動機が設
けられるとともに、この車輪群及びこれを駆動する電動
機の組を複数備えてなる移動体の走行駆動装置に適用さ
れるものであり、各電動機内にそれぞれインバータを内
蔵したことを特徴としている。
【0015】このような手段を設けたことにより、物理
的な制約条件が厳しい走行移動体にあっても、精度が高
く、きめ細かい走行の制御ができるインバータのN:N
制御方式を容易に適用できる。
【0016】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、各インバータは、独立に設
定可能なトルク制御ループを備えている。このような手
段を設けたことにより、請求項1に対応する発明と同様
な作用効果が得られる他、走行移動体の走行性能を高め
つつ、走行装置の冗長性を大きくして設備の稼働率を高
めることができる。
【0017】さらに、請求項3に対応する発明は、制御
的にまとめられた一又は複数の車輪からなる車輪群に対
し一の電動機が設けられるとともに、この車輪群及びこ
れを駆動する電動機の組を複数備えてなる移動体の走行
駆動装置に適用されるものであり、各電動機にそれぞれ
対応してインバータが設けられている。例えば電動機に
インバータを内蔵させることで各電動機と各インバータ
とを対応させるようにしてもよい。
【0018】またインバータ間に通信手段が設けられて
おり、各インバータ内の同期制御手段によって、通信手
段により伝送された制御信号に基づく制御が実行され
る。具体的には、各インバータのうち何れか一のインバ
ータがマスタとなり、他のすべてのインバータはスレー
ブとなって、各インバータにおいては、同期制御手段に
より、マスタがスレーブに同期するような制御がなされ
る。
【0019】このような手段を設けたことにより、請求
項1又は2に対応する発明と同様な作用効果が得られる
他、N:N方式のインバータ制御においてもインバータ
間で確実に同期を取ることができる。
【0020】一方、請求項4に対応する発明は、請求項
1〜3に対応する発明においては、各インバータに設け
られたトルク検出手段により、対応する電動機のトルク
が検出される。そして、トルク検出手段に検出されたト
ルクに基づき、制御調整手段によりその電動機の過負荷
を防止するように制御指令が出力される。
【0021】このような手段を設けたことにより、請求
項1〜3に対応する発明と同様な作用効果が得られる
他、各電動機のトルクが大きくなった場合でも過負荷と
なる前に制御を調整することができる。
【0022】また、請求項5に対応する発明は、請求項
1〜3に対応する発明において、各インバータに設けら
れたトルク検出手段により、対応する電動機のトルクが
検出される。そして、トルク検出手段に検出されたトル
ク値が各電動機のトルクの平均値若しくは所定の基準値
と離れている場合には、平均調整手段により対応する電
動機のトルクが平均値若しくは基準値に近付くように制
御指令が出力される。
【0023】このような手段を設けたことにより、請求
項1〜3に対応する発明と同様な作用効果が得られる
他、各電動機間のトルクが調整され負荷バランスを取る
ことができる。
【0024】さらに、請求項6に対応する発明は、請求
項1〜3に対応する発明において、各インバータに設け
られたバランス制御手段にて、通信手段によりインバー
タ間で制御信号が交換され各インバータの動作状況が得
られるようになっている。そして、バランス制御手段に
より、各インバータの動作状況に応じて自インバータの
動作が判断される。
【0025】このような手段を設けたことにより、請求
項1又は2に対応する発明と同様な作用効果が得られる
他、各電動機の状況に対応した制御を実現することがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (発明の第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施
の形態に係る移動体の走行駆動装置をクレーンに適用し
た場合の全体構成を示す図である。
【0027】このクレーンは、複数のクレーン脚部1上
に図示しないクレーン本体が搭載され構成されている。
また、各クレーン脚部1には走行車輪2のーつーつに対
して、モータ部3とインバータ部4が一体となったイン
バータ一体形モータ5が設置され、走行駆動装置を構成
している。つまり本実施形態では、従来別々のものであ
ったモータとインバータを一体化しインバータ一体形モ
ータ5を作成し、使用することでモータ対インバータが
1:1となっている。これによりN:N方式のインバー
タ制御が実現されている。
【0028】なお、同図では1つの走行車輪2に1つの
インバータ一体形モータ5が設けられているが、1つの
クレーン脚部1において、複数の車輪2を機械的につな
げて、それをひとつのインバーター体形モータ5で駆動
するように走行駆動装置を構成してもよい。すなわちイ
ンバータ一体形モータ5は、各走行車輪又は制御的にま
とめられる各駆動輪群に対し個別に設けられ制御される
ものである。ここでいう駆動輪群は例えば機械的に連結
され1つのモータで駆動される走行車輪の集合である。
【0029】また、上記インバータ一体形モータ5につ
いては、次にようになっている。すなわちモータ部3に
おいては、放熱ファン等の改良により小形化が図られて
いる。このインバータ一体形モータ5は、小形化に伴い
電動機本体内に生じた空きスペースにそのモータを制御
するインバータを組み込んで一体化させ、インバータ内
蔵型電動機としたものである。このような構成とした結
果、インバータ一体形モータ5は、従来の同等の出力の
電動機とほとんど同じか若干大きい程度の大きさのもの
とすることができる。なお、この技術は出願人が先に出
願した特願平8−57692号に開示される新規な技術
である。
【0030】複数のインバータ一体形モータ5における
各インバータ部4は電源盤と制御盤を兼ねる主幹盤6に
電気的に接続されている。図2は本実施形態における主
幹盤と各インバータ一体形モータとの接続関係を示す図
である。
【0031】同図において、主幹盤6と一のインバータ
一体形モータ5とが電力搬送と制御信号等の伝送を兼ね
た電力線7で接続されている。また、この一のインバー
タ一体形モータ5から順次他のインバータ一体形モータ
5へ電力線7で接続され、すべてのインバータ一体形モ
ータ5について相互に信号伝送が可能で、かつ電力供給
ができるようになっている。
【0032】複数のインバータ一体形モータ5のうち、
一つがマスタとなり、残りがスレーブとなる。マスタの
インバータ部4はスレーブのインバータ部4に自己の動
作状態信号を送出し、スレーブ側のインバータ一体形モ
ータ5はマスタ側のインバータ一体形モータ5に同期し
て動作する。すなわちインバータとモータとを対応して
見ればN:Nであるが、これらを同期させるもととなる
インバータはマスタの1つである。
【0033】一方、主幹盤6には、切替指示部8と、平
均調整部9とが設けられ、切替指示部8は、マスタとな
るインバータ一体形モータ5にモータ部3をトルク制御
駆動で動作させるか、速度制御駆動で動作させるかを指
示する。一方、平均調整部9は、速度制御駆動をしてい
るときに、各インバータ一体形モータ5のインバータ部
4で検出されたトルクを電力線7を介して受信し、各ト
ルクがトルクの平均値若しくは所定の基準値に対して大
きい場合には速度を下げ、またトルクが小さい場合には
速度を上げるように、対応するインバータ一体形モータ
5に指令を与えるようになっている。速度を下げるとト
ルク値が下がり、速度を上げるとトルク値が上がる。
【0034】次に、インバータ一体形モータ5の詳細な
構成について説明する。図3は本実施形態で使用するイ
ンバータ一体形モータの構成例を示すブロック図であ
る。
【0035】このインバータ一体形モータ5は、モータ
部3と、インバータ部4と、抵抗部10とで構成されて
いる。インバータ部4において、電力線7を介して入力
される電力及び信号は、図示しない振分手段によって電
力は主回路11に、信号は通信部12に入力され、主回
路11はトルク制御部13又は速度制御部14の制御に
よってモータ部3を駆動している。また、抵抗部10は
主回路11からの回生電力を吸収する制動抵抗として働
くものであり、インバータ一体形モータ5に内蔵されて
いる。
【0036】通信部12は、電力線7を介して他のイン
バータ一体形モータ5や主幹盤6との通信を行い、これ
らとトルク・速度切替部15及びマスタ・スレーブ切替
部16と間で信号の授受を行う。
【0037】トルク・速度切替部15は、自インバータ
一体形モータ5がマスタである場合に、主幹盤6からの
指令に基づき、トルク制御駆動とするか、速度制御駆動
とするかの切替指令をトルク制御部13及び速度制御部
14に出力する。
【0038】一方、マスタ・スレーブ切替部16は、自
インバータ一体形モータ5がマスタであるかスレーブで
あるかの状態を認識するとともに、主幹盤6からの指令
に基づき、トルク・速度切替部15、トルク制御部13
及び速度制御部14の各部にその旨を通知する。また、
主幹盤6の平均調整部9から制御信号を受け取った場合
には、その信号をも各部に通知する。
【0039】マスタ・スレーブ切替部16は、自己がマ
スタである場合には、トルク制御部13又は速度制御部
14から主回路11に対する動作制御信号を受け取り、
スレーブで用いる同期信号として通信部12を介して他
のインバータ一体形モータ5に送信する。一方、自己が
スレーブである場合には、マスタからの動作制御信号を
同期信号としてトルク制御部13及び速度制御部14に
引き渡す。
【0040】トルク制御部13は、トルク制御駆動でモ
ータ部3を動作させるときに、モータ部3を駆動する主
回路11を制御するものであり、基本的に独立してモー
タ部3を制御可能に構成されている。トルク制御部13
は、自己がマスタである場合には、その制御信号をマス
タ・スレーブ切替部16に引き渡す。一方、自己がスレ
ーブである場合には、マスタ・スレーブ切替部16から
のマスタ動作制御信号に同期して主回路11を制御す
る。また、トルク制御部13は、自己が制御して主回路
11に流す電流値を検知してモータ部3にて発生するト
ルクを演算し、マスタ・スレーブ切替部16に通知す
る。マスタ・スレーブ切替部16は、そのトルク値を主
幹盤6に報告する。
【0041】速度制御部14は、速度制御駆動でモータ
部3を動作させるときに、モータ部3を駆動する主回路
11を制御するものであり、基本的に独立してモータ部
3を制御可能に構成されている。自己がマスタ又はスレ
ーブであるときの動作状況はトルク制御部13の場合と
同様である。なお、速度制御部14は、トルク制御部1
3と同様にして、発生トルクを演算し、マスタ・スレー
ブ切替部16に通知する。また、速度制御部14は、主
幹盤6の平均調整部9から制御指令があった場合にはそ
れに従う。
【0042】なお、インバータ部4のうち、いわば主回
路11を制御するために設けられる通信部12、トルク
・速度切替部15、マスタ・スレーブ切替部16、トル
ク制御部13及び速度制御部14の各部は、知的分散制
御端末の一種であるCAN仕様のチップやLON仕様の
チップ、又はいわゆるワンチップマイコン等の機能を用
いて構成される機能ブロックである。
【0043】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る移動体の走行駆動装置の動作について説
明する。まず、工場出荷時もしくはクレーン据え付け・
制御調整工事の段階で各インバータ一体形モータ5のう
ち、一つがマスタとあり、他がスレーブとなるように設
定される。また、各インバータ一体形モータ5にはマス
タとなる優先順位が予め定められ、マスタが故障したと
きには次に優先順位のインバータ一体形モータ5が自動
的に新しいマスタとなる。
【0044】このようなクレーンにおいて、主幹盤6か
らクレーン走行の操作がされると、その走行操作に応じ
てインバータ一体形モータ5による駆動がなされる。こ
のとき、マスタとなるインバータ一体形モータ5がその
操作入力を受け付ける。なお、制御駆動方式としては通
常は速度制御駆動が設定されている。
【0045】マスタとなるインバータ一体形モータ5に
おいては、主幹盤6からの応じて速度制御部14によ
り、主回路11ひいてはモータ部3を制御し、クレーン
を走行させる。
【0046】このときの速度制御部14における制御信
号はマスタ・スレーブ切替部16、通信部12、電力線
7を介して各インバータ一体形モータ5に伝達され、さ
らにスレーブの速度制御部14により当該制御信号に同
期したモータ部3の駆動がなされる。
【0047】このようにして、クレーンの走行が実現し
ているが、一方で各速度制御部14は自モータ部3にお
けるトルク値を主幹盤6に通知している。主幹盤6の平
均調整部9では、その平均トルクを算出し、各モータ5
のトルクがその平均値及び所定の基準値と比べて大きい
か小さいかを監視している。そしてトルク値が大きい場
合には、そのトルクが基準値に近付くよう速度を下げる
旨が対応するインバータ一体形モータ5に指示され、逆
にトルク値が小さい場合には、速度を上げる旨が指示さ
れる。このようにして各モータ5のトルクバランスが取
られている。
【0048】速度制御駆動からトルク制御駆動に切り替
える場合は、主幹盤6の切替指示部8からマスタのトル
ク・速度切替部15に切替指示が与えられ、マスタにお
いてはトルク制御部13によりトルク駆動制御が開始さ
れる。
【0049】各スレーブにおいては上記場合と同様にし
てマスタからの制御信号が同期信号として用いられる。
上述したように、本発明の実施の形態に係る移動体の走
行駆動装置は、電動機本体である各モータ部3にこれを
制御するインバータ及び制御回路を一体化したインバー
タ一体形モータ5を接続しクレーン等の移動体上に設置
して、各走行駆動車輪または制御的にまとめられる各駆
動輪群を個別に制御するようにしたので、走行移動体に
おける制御盤設置空間やケーブル配線方法などの物理的
な制約を回避して、電動機と1対のインバータによる
N:N制御で走行車輪を駆動し、位置制御精度の向上や
相互の偏差を制御して曲線走行を実現するなど、移動体
の走行性能を大きく向上することができる。
【0050】つまり、従来のようなインバータ盤の据付
場所およびモータとインバータ間の配線工事を必要とし
ないので、スペースに制限のある走行機械上で各電動機
とインバータを1対1で構成し、各車輪の個別制御によ
り幅広くかつきめ細かな走行駆動制御が実現できる。
【0051】また、従来制御盤が地上にあり、電動機へ
架線で給電するためにインバータ制御の適用が困難であ
った走行台車や特殊クレーンにおいても、本発明によれ
ば、高精度のインバー夕制御を適用させることができ
る。
【0052】さらに、各電動機とインバータとが1対1
で対応しているので、1台のインバータが故障しても、
他のインバータによる運転継続が可能となり、1:N方
式では冗長性がないという問題も改善される効果があ
る。
【0053】さらに、一のモータ5をマスタとし、他の
モータをスレーブとして同期制御を行うようにしたの
で、各電動機間の制御上の同期のバラツキを防止して何
れかのインバータが過負荷になるのを防止することがで
き、安定したN:Nインバータ制御を実現することがで
きる。
【0054】また、各モータ5からのトルク値に基づき
平均調整部9によるモータ間のトルクバランスを取るよ
うにしたので、たとえ左右の車輪またはレール等の力学
的な不平衡条件により電動機間に負荷のアンバランスが
生じかけても、そのアンバランスを解消することができ
る。
【0055】さらに、抵抗部10を一体として設けたの
で、主回路11からの回生電力を吸収させることがで
き、より使い勝手が向上する。なお、本実施形態では、
単にクレーンの例で説明したが、本発明の移動体の走行
駆動装置は電動機を用いた種々の移動体に適用可能であ
り、例えば一般産業分野などで使用される天井クレー
ン、港湾荷役用のコンテナクレーン、資源搬送用のリク
レーマ、スタッカなど大型移動機械、あるいは設備内搬
送用の自走式台車や開閉式ドームの屋根等の走行駆動に
も用いることができる。
【0056】また、本実施形態では、主回路に流す電流
値でトルク値を演算するようにしたが、本発明における
トルク検出方法はこれに限られるものではなく、例えば
回転センサによる測定値と、供給電源の位相,電流値と
からモータの状態を演算してトルクを検出するようにし
てもよい。
【0057】さらに、本実施形態では、電力供給線と信
号線を電力線7を用いて共通のものとしたが、これらを
別々なものにしてもかまわない。また、各インバータ一
体形モータ5からの電力供給線や信号線がすべて主幹盤
6に接続されるように構成としてもよい。
【0058】また、本実施形態では、各インバータ一体
形モータ5にはマスタとなる優先順位が予め定められ、
マスタが故障したときには次に優先順位のインバータ一
体形モータ5が自動的に新しいマスタとなるとしたが、
本発明はこのような形式に限られるものでなく、例えば
主幹盤6の切替指示部8にマスタ切替の機能をも持たせ
て、主幹盤6による指示でマスタ・スレーブを切り替え
るようにしてもよい。 (発明の第2の実施の形態)図4は本発明の第2の実施
の形態で使用するインバータ一体形モータの構成例を示
すブロック図であり、同図に以外の構成部分について
は、図1及び図2等に示す第1の実施形態と同様に構成
されている。また、図4において、図3と同一部分には
同一符号を付して説明を省略し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
【0059】本実施形態は、モータ部3が過負荷となる
ことを個々のインバータ一体形モータ5bにて防止する
ものであり、したがってそのインバータ部4bは速度制
御駆動で動作する場合に使用される。
【0060】インバータ部4bにおいては、トルク制御
部13はトルク値検出装置として機能している。なお、
速度制御部14のトルク値検出機能を用いることも可能
であり、そのときはトルク制御部13の動作が速度制御
部14に置き換えられる他、以下に説明する場合と同様
に動作する。
【0061】マスタ・スレーブ切替部16の動作は第1
の実施形態の場合と同様であるが、本実施形態では速度
制御駆動で動作する場合のみを考えているので、図4に
示すように速度制御部14に対してのみ入出力がなされ
ている。
【0062】トルク・速度制御調整部21は、トルク制
御部13等から入力されたトルク値に基づき、自己のモ
ータ部3が過負荷になりそうか否かを判定する。その結
果、トルクが大き過ぎ過負荷になりそうな場合は、自己
がマスタであるかスレーブであるかに関係なく速度を下
げ、過負荷状態を解消するように速度制御部14に指示
する。
【0063】このように構成された移動体の走行駆動装
置では、何れかのインバータ一体形モータ5bでトルク
が大きくなりすぎた場合に、他のインバータ一体形モー
タ5bの状態に関係なく速度を下げるように制御され
る。
【0064】上述したように、本発明の実施の形態に係
る移動体の走行駆動装置は、トルクが大き過ぎる場合は
トルク・速度制御調整部21により速度を下げるように
したので、上記実施形態の場合と同様な効果が得られる
他、個々のモータ部3のそれぞれが過負荷になることを
防止でき、ひいては故障発生等を少なくすることができ
る。 (発明の第3の実施の形態)図5は本発明の第3の実施
の形態で使用するインバータ一体形モータの構成例を示
すブロック図であり、同図に以外の構成部分について
は、図1及び図2等に示す第1の実施形態と同様に構成
されている。また、図5において、図3と同一部分には
同一符号を付して説明を省略し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
【0065】本実施形態の移動体の走行駆動装置は、第
1又は第2の実施形態のマスタスレーブ同期方式が用い
られるとともに、この同期とは無関係に各インバータ一
体形モータ5cがその状況(例えば他のインバータが故
障していないか否か)に応じた動作を実行するものであ
る。
【0066】図5において、通信部12、マスタ・スレ
ーブ切替部16、トルク制御部13及び速度制御部14
は第1の実施形態と同様に構成されている。ただし、マ
スタ・スレーブ切替部16、トルク制御部13及び速度
制御部14の入力出力は相互間直接で行うのではなく、
一旦バランス調整部25に入力される。
【0067】また、バランス調整部25には故障検出部
26からの故障検知信号も入力されるようになってい
る。故障検出部26は、通信部12を介する他のインバ
ータ一体形モータ5cとの通信結果に基づき、例えばあ
るインバータ一体形モータ5cと通信不能となった場合
に、他のあるインバータ一体形モータ5cが故障したと
判断すると、その旨をバランス調整部25に通知する。
【0068】バランス調整部25にはマスタ・スレーブ
切替部16を介して各モータ5cの動作状況の情報が入
力されている。動作状況は、インバータの制御信号等
(スイッチのオンオフ等)を交換することによって把握
される。バランス調整部25は、各モータ5cが正常に
動作している場合には、単にマスタスレーブ間の制御信
号の引き渡しを行うのみであるが、自己もしくは他のイ
ンバータ一体形モータ5cが過負荷になったり、異常を
生じたような場合には、その状況に応じて速度制御部1
4あるいはトルク制御部13に対してその状況に応じた
ような制御をするように指令する。
【0069】具体的にはまず、第1の実施形態の主幹盤
6に設けられた平均値処理部9と同様な動作を行い、各
モータ5cのトルク値に基づき自モータ部3のトルクを
バランスさせるよう速度制御部14に制御信号を発す
る。
【0070】次に、バランス調整部25は、あるインバ
ータ一体形モータ5cが故障した旨を故障検知部26を
介して検知すると、クレーン走行における左右の動きの
バランスが取れるように特定のインバータ一体形モータ
5cをフリーランにしたり、または特定のモータのトル
クを上げるなどしてバランスをとり、かつ、全体の速度
を下げて、1台が故障しても運転を継続できるようにす
る。このとき、どのモータ5cをフリーランにしたり、
または特定のモータのトルクを上げる等については、各
状況に応じた各モータ5cの動作状態がバランス調整部
25内のテーブルとして定められている。
【0071】さらに、バランス調整部25は、第2の実
施形態におけるトルク・速度制御調整部21と同様な機
能をも備えており、トルク制御部13等からの自己のト
ルク値に基づいて自モータ5cが過負荷とならないよう
な動作を制御する。
【0072】さらに、バランス調整部25は、他のモー
タ5cのバランス調整部25と通信部12を介して相互
に通信することで、主幹盤6からの機械走行の運転指令
信号に対して、各インバータ一体形モータ5cが他のモ
ータ5cとの協調を含めて各自の最適な速度、トルクを
演算し走行駆動装置全体で分散制御を行うことを可能と
している。なお、この場合にはマスタ・スレーブモード
は使用されず、同期制御等も各部の通信制御に基づく分
散制御により実現される。
【0073】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係る移動体の走行駆動装置の動作について説
明する。まず、マスタ・スレーブモードで動作させる場
合について説明する。
【0074】この場合、基本的な動作は第1及び又は第
2の実施形態の場合と同様である。相違点としては、何
れかのインバータ一体形モータ5cに故障等が生じた場
合である。まず、故障検知部26により故障が検知され
ると、バランス調整部25に設定された条件に基づき、
各モータ5cにおいて必要な動作が実現される。これに
よりあるモータ5cはフリーランとなり、またあるモー
タ5cはトルクが上げられる。また全体の速度は下げら
れる。
【0075】このようにして、あるモータ5cが故障し
ても運転が継続される。また、各モータ5cにおいて、
自モータ5cが過負荷になりそうなときには、第2の実
施形態と同様にして自モータ5cの速度が下げられる。
これに対応し、他のインバータ一体形モータ5cにおい
ても、そのバランス調整部25に設定された条件に基づ
き、各モータ5cの状態が調整され、クレーン走行が維
持される。さらに、他のモータ5cにおけるトルク値若
しくは所定の基準値に対し自モータ5cのトルクがバラ
ンスするように制御される。
【0076】次に、マスタ・スレーブモードを用いずに
分散制御で動作させる場合について説明する。分散制御
モードでは、各バランス調整部25により相互に通信が
行われる。これにより各モータ部3の状態が検知され、
各自の最適な速度、トルクが所定の条件で演算される。
また、相互の通信に基づきこの演算値は常に修正され再
制御されることで正確かつ適切な分散制御動作が実現さ
れる。
【0077】上述したように、本発明の実施の形態に係
る移動体の走行駆動装置は、故障検知部26とバランス
調整部25を設け、他のモータ5cの故障等の状況に応
じて自モータ5cの制御を実行するようにしたので、上
記第1の実施形態と同様な効果が得られる他、例えば他
のモータ5cの故障に応じて自モータ5cを停止させた
り、トルクを上昇させたりなど、その状況に応じた動作
を適宜実行し全体のバランスを取ることができる。
【0078】また、各モータ5cのバランス調整部25
間で通信を行うことにより全体のバランスが取れるよう
にそれぞれの状況に応じた分散制御を実行することがで
きる。 (発明の第4の実施の形態)図6は本発明の第4の実施
の形態における主幹盤と各インバータ一体形モータとの
接続関係を示す図である。
【0079】本実施形態の移動体の走行駆動装置では、
同期調整部33を主幹盤6bに設け、この同期調整部3
3により、インバータ部4dとモータ部3からなる各イ
ンバータ一体形モータ5dの同期制御が行われている。
【0080】主幹盤6bには、同期調整部33の他、電
力線7bにより各インバータ一体形モータ5dと通信を
行う通信部31と、平均調整部32とが設けられてい
る。インバータ部4dには、上記各実施形態の場合と同
様に、トルク制御部、速度制御部及び通信部が設けら
れ、主回路を制御するとともに検出トルクを主幹盤6b
に通知するようになっている。
【0081】平均調整部32は、各インバータ部4bか
ら通知されたトルクに基づき、各トルクの平均値が所定
の基準値よりも大きな場合には速度を下げトルクを小さ
くするように同期調整部33に指令し、またそのトルク
平均値が所定の基準値よりも小さい場合には速度を上げ
トルクを大きくするように同期調整部33に指令する。
【0082】また、平均調整部32は、トルク平均値の
監視のみならず、特定のインバータ一体形モータ5dの
トルクが高すぎるとき、また低すぎるときには、全体の
バランスが取れるようにモータ5dの速度を上下調整を
行うよう同期調整部33に指令する。
【0083】このように構成された本発明の実施の形態
に係る移動体の走行駆動装置では、全体的なトルク調整
が行われるとともに、負荷の高いモータ5dの速度を下
げるように制御される。
【0084】上述したように、本発明の実施の形態に係
る移動体の走行駆動装置は、平均調整部32により個々
のモータ5dおよび全体的なトルク調整及びが行われる
とともに、各モータ間の同期制御も実行され、第1の実
施形態と同様な効果が得られる。 (発明の第5の実施の形態)図7は本発明の第5の実施
の形態で使用するインバータ一体形モータの構成例を示
すブロック図であり、同図に以外の構成部分について
は、図1及び図2等に示す第1の実施形態と同様に構成
されている。
【0085】本実施形態のインバータ一体形モータ5e
は、ブレーキ制御機構が付加された他、第1〜第4の実
施形態のインバータ一体形モータ5/5b/5c/5d
と同様に構成されている。
【0086】図7に示すように、このインバータ一体形
モータ5eには、そのインバータ部4e内にブレーキ制
御部35と、ブレーキコイル励磁用のスイッチ36が設
けられ、さらにブレーキコイル37及びブレーキパッド
38が設けられている。
【0087】ブレーキ制御部35は、主幹盤からの指
令、又はバランス調整部25の判断、あるいはマスタ・
スレーブ切替部16を介するマスタとなるモータからの
指令に基づきスイッチ36を閉とする。
【0088】スイッチ36が閉になると図示しない励磁
回路によりブレーキコイル37が励磁され、ブレーキパ
ッド38によってモータ部3に対しブレーキがかけられ
る。このように構成された本発明の実施の形態に係る移
動体の走行駆動装置では、各インバータへの指令信号に
より、停止時には内蔵のブレーキを使用した停止が行わ
れる。
【0089】上述したように、本発明の実施の形態に係
る移動体の走行駆動装置は、第1〜第4の実施形態と同
様な構成を設けた他、ブレーキをも一体として設けたの
で、第1〜第4の実施形態と同様な効果が得られる他、
使い勝手が向上し、さらに一層の省スペース化を図るこ
とができる。 (発明の第6の実施の形態)図8は本発明の第6の実施
の形態における主幹盤と各インバータ一体形モータとの
接続関係を示す図であり、図1〜図7と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
のみを説明する。
【0090】本実施形態のインバータ一体形モータ5f
は、第1〜第5の実施形態のインバータ一体形モータ5
/5b/5c/5d/5eの各インバータ部4/4b/
4c/4d/4eに何れかに瞬停再起動部44が付加さ
れたものであり、主幹盤6cは第1又は第4の実施形態
で説明した主幹盤6/6bの何れかが用いられたもので
ある。また、インバータ部4fは、瞬停再起動部44が
付加された他、第1〜第5の実施形態の各インバータ部
4/4b/4c/4d/4eの何れかと同様に構成され
ている。
【0091】一方、主幹盤6からの電力供給及び情報伝
達のための電力線は、いわゆる架線41の形で構成さ
れ、集電装置43を介してインバータ一体形モータ5/
5b/5c側の電力信号線42に接続されている。
【0092】このように構成された本発明の実施の形態
に係る移動体の走行駆動装置では、架線41と集電装置
43と間において、0.5秒程度,1秒以下の瞬時の離
線が発生してもインバータ部4f内の瞬停再起動部44
の動作により再起動が行われ、走行動作が継続される。
【0093】上述したように、本発明の実施の形態に係
る移動体の走行駆動装置は、第1〜第5の実施形態と同
様な構成を設けた他、架線41及び集電装置43を介し
て電力を電動機に供給する形式の走行駆動装置にあっ
て、インバータ部4f内に瞬停再起動部44を設けたの
で、第1〜第5の実施形態と同様な効果が得られる他、
各モータ部3に対応するインバータ部4fが架線41及
び集電装置43よりモータ部3側にあるために、瞬時の
離線に対する再起動を有効に働かせることができる。
【0094】つまり、架線41及び集電装置43を用い
た特殊設備内の自走式台車やクレーンなどにおいても、
インバータ二次側の回路で電力断となることはなく、電
動機の残留磁界とインバータ出力の位相の間のズレによ
る過電流トリップを防止することができる。
【0095】したがって、このような走行移動体が別の
軌道に乗り移るなどのような構成となっても、特に問題
を生じることなく本実施形態の移動体の走行駆動装置を
適用することができる。
【0096】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に
変形することが可能である。また、実施形態に記載した
手法は、計算機に実行させることができるプログラムと
して、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハー
ドディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD
等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納し、また通信媒
体により伝送して頒布することもできる。本装置を実現
する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み
込み、このプログラムによって動作が制御されることに
より上述した処理を実行する。
【0097】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、物
理的な制約条件が厳しい走行移動体に、精度が高く、き
め細かい走行の制御ができるインバータのN:N制御方
式を容易に適用でき、走行移動体の走行性能を高めつ
つ、走行装置の冗長性を大きくして設備の稼働率を高め
ること可能とした移動体の走行駆動装置を提供すること
ができる。
【0098】また、本発明によれば、従来離線の心配な
どから適用が難しかった、本体に制御盤を搭載しないタ
イプの走行移動体にも高精度のインバータ制御を実現
し、移動体の走行機動性を高めて設備の稼働性能を高め
ること可能とした移動体の走行駆動装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動体の走行
駆動装置をクレーンに適用した場合の全体構成を示す
図。
【図2】同実施形態における主幹盤と各インバータ一体
形モータとの接続関係を示す図。
【図3】同実施形態で使用するインバータ一体形モータ
の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態で使用するインバー
タ一体形モータの構成例を示すブロック図。
【図5】本発明の第3の実施の形態で使用するインバー
タ一体形モータの構成例を示すブロック図。
【図6】本発明の第4の実施の形態における主幹盤と各
インバータ一体形モータとの接続関係を示す図。
【図7】本発明の第5の実施の形態で使用するインバー
タ一体形モータの構成例を示すブロック図。
【図8】本発明の第6の実施の形態における主幹盤と各
インバータ一体形モータとの接続関係を示す図。
【符号の説明】
1…クレーン脚部 2…走行車輪 3…モータ部 4,4b,4c,4d,4e,4f…インバータ部 5,5b,5c,5d,5e,5f…インバータ一体形
モータ 6…主幹盤 7,7b…電力線 8…切替指示部 9…平均調整部 10…抵抗部 11…主回路 12…通信部 13…トルク制御部 14…速度制御部 15…トルク・速度切替部 16…マスタ・スレーブ切替部 21…トルク・速度制御調整部 25…バランス調整部 26…故障検出部 31…通信部 32…平均調整部 33…同期調整部 35…ブレーキ制御部 36…スイッチ 37…ブレーキコイル 38…ブレーキパッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御的にまとめられた一又は複数の車輪
    からなる車輪群に対し一の電動機が設けられ、 かつ、前記車輪群及びこれを駆動する前記電動機の組が
    複数設けられており、 前記各電動機内にインバータを内蔵したことを特徴とす
    る移動体の走行駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記各インバータは、独立に設定可能な
    トルク制御ループを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の移動体の走行駆動装置。
  3. 【請求項3】 制御的にまとめられた一又は複数の車輪
    からなる車輪群に対し一の電動機が設けられるととも
    に、前記車輪群及びこれを駆動する前記電動機の組を複
    数備えてなる移動体の走行駆動装置において、 前記各電動機それぞれ対応して設けられたインバータ
    と、 前記インバータ間の通信手段と、 前記各インバータに設けられており、かつ、前記通信手
    段により伝送された制御信号に基づき、前記インバータ
    のうち何れか一のインバータの制御に、他のすべてのイ
    ンバータが同期した制御を行う同期制御手段とを備えた
    移動体の走行駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記各インバータに設けられており、か
    つ、対応する電動機のトルクを検出するトルク検出手段
    と、 前記トルク検出手段に検出されたトルクに基づき、当該
    電動機の過負荷を防止するように制御指令を出力する制
    御調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3
    のうち何れか1項記載の移動体の走行駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記各インバータに設けられており、か
    つ、対応する電動機のトルクを検出するトルク検出手段
    と、 前記トルク検出手段に検出されたトルクの値が各電動機
    のトルクの平均値若しくは所定の基準値と離れている場
    合には、前記対応する電動機のトルクが前記平均値若し
    くは前記基準値に近付くように制御指令を出力する平均
    調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の
    うち何れか1項記載の移動体の走行駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記インバータ間の通信手段と、 前記各インバータに設けられており、かつ、前記通信手
    段により各インバータの制御信号を交換しこれにより得
    られる各インバータの動作状況に基づき、自インバータ
    の動作を判断するバランス制御手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の移動体の走行駆動装置。
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