JPH10247521A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JPH10247521A
JPH10247521A JP9062227A JP6222797A JPH10247521A JP H10247521 A JPH10247521 A JP H10247521A JP 9062227 A JP9062227 A JP 9062227A JP 6222797 A JP6222797 A JP 6222797A JP H10247521 A JPH10247521 A JP H10247521A
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JP
Japan
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electrolyte
battery
high polymer
porous
safety
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JP9062227A
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Mikio Okada
幹雄 岡田
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の固体電解質を使用した非水電解質電池
は、固体電解質中のイオンの拡散速度が有機電解液と比
較して非常に遅いために、電極反応に必要なリチウムイ
オンの供給が十分におこなわれず、高率での充放電及び
低温での充放電をおこなった場合に十分な電池性能が得
られないという問題点があった。本発明は、有機電解液
を使用した場合の電池性能を維持したまま電池の安全性
を向上させ、結果として、活物質の利用率の向上による
電池の高容量化及び安全化素子の省略による電池の低コ
スト化を可能とするものである。 【解決手段】 有孔性高分子電解質を備え、孔体積の3
0%以上95%以下の体積の電解液を保持させた正極、
負極あるいは有孔性高分子電解質を備えた非水電解質電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されているリチウムイオン二次
電池は、正極にコバルト酸リチウム等の遷移金属の複合
酸化物活物質、負極にグラファイト等の炭素系活物質を
用い、ポリエチレン又はポリプロピレン等の多孔性セパ
レータを介在させてこれらの正・負極を対向させた構造
となっている。そして、エチレンカーボネート、エチル
メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート等の各種炭酸エステルにLiPF6 、Li
BF4 等のリチウム塩を溶解させた溶液を電解液として
用いている。
【0003】リチウムイオン二次電池の正・負極は、活
物質粒子、結着剤としての高分子、そして活物質の電子
伝導性が不十分である場合にはアセチレンブラック等の
導電剤を混練したものを集電体に塗布し、プレスして製
作している。このようにして製作した正・負極は、活物
質粒子の隙間が孔となっており、その孔に電解液を染み
込ませることによって、電極反応に必要なリチウムイオ
ンの移動経路を十分に確保し、十分な電池性能を得るこ
とができるようになっている。
【0004】上記のリチウムイオン電池及び負極に金属
リチウムを使用したリチウム電池等の非水電解質電池
は、電解質に水溶液を使用した鉛蓄電池、ニッケルカド
ミウム電池、ニッケル水素電池などと異なり、電解質に
可燃性の有機電解液を使用するため、その安全性上の問
題から、活物質の利用率を制限する必要があり電池の容
量が制限され、また、安全弁、保護回路、PTC素子等
の、様々な安全化素子を備える必要があり、コストが高
くなるという問題がある。
【0005】従って、有機電解液の代わりに、より化学
反応性に乏しい固体高分子電解質を用いることによって
電池の安全性を向上させ、上記の安全化素子を省略する
ことが試みられている。また、電池形状の柔軟性、製造
工程の簡易化、製造コストの削減等の目的においても固
体高分子電解質の適用が試みられている。
【0006】高分子電解質としては、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテルとアル
カリ金属塩との錯体が多く研究されている。しかし、ポ
リエーテルは十分な機械的強度を保ったまま高いイオン
導電性を得ることが困難であり、しかも導電率が温度に
大きく影響されるために室温で十分な導電率が得られな
いことから、ポリエーテルを側鎖に有するくし型高分
子、ポリエーテル鎖と他のモノマーの共重合体、ポリエ
ーテルを側鎖に有するポリシロキサンまたはポリフォス
ファゼン、ポリエーテルの架橋体などが試みられてい
る。
【0007】さらに、高分子に電解液を含浸させること
によってゲル状の固体電解質を製作し、非水電解質電池
に適用することも試みられている。このゲル状の固体電
解質において使用されている高分子には、ポリアクリロ
ニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポ
リビニルサルフォン、ポリビニルピロリジノン等があ
る。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの
共重合体を用いることによって高分子の結晶化度を低下
させ、電解液を含浸し易くして導電率を向上させること
も試みられている。また、ニトリルゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、ポリブタジエン、ポリビニルピロリドン等
のラテックスの乾燥によって高分子膜を製作し、これに
電解液を含浸させることによってリチウムイオン導電性
高分子膜を製作することも試みられている。
【0008】しかし、有機電解液の代わりに固体電解質
を用いた場合には、電解質中のイオンの拡散速度が遅く
なるために、充放電の際に正・負極で必要とされるリチ
ウムイオンの供給が十分におこなわれず、高率充放電、
低温充放電をおこなった場合に十分な電池性能が得られ
ないという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機電解液を使
用した非水電解質電池は、電解液で膨潤も湿潤もしない
ポリエチレン又はポリプロピレンをセパレータとして用
いていた。従って、セパレータが電解液を吸収して電極
全体に均一に電解液を行き渡らせることがないために、
電池への電解液の注液量が少ない場合には、電解液が電
池全体に均一に行き渡らないために、十分な電池性能が
得られなかった。従って、十分な電池性能を得るために
は、多量に電解液を注液する必要があり、その結果とし
て電極及びセパレータの孔中、及び電極とセパレータと
の隙間は、すべて電解液で占められていた。従って、釘
刺し等の安全性試験をおこなった場合、圧力上昇に対し
てクッションとなる気体が電極近傍に存在しないため
に、内部短絡箇所の発熱による、その近辺の電解液の気
化によって局所的に圧力が急激に増大し、発熱連鎖反応
の発端となる反応が生じ易くなり、その安全性が低下す
る。従って、電池の安全性を向上させるために、活物質
の利用率を制限する必要があり電池の容量が制限され、
また、様々な安全化素子を備える必要があるためにコス
トが高くなるといった問題点があった。
【0010】従来の固体電解質を使用した非水電解質電
池は、固体電解質中のイオンの拡散速度が有機電解液と
比較して非常に遅いために、電極反応に必要なリチウム
イオンの供給が十分におこなわれず、高率での充放電及
び低温での充放電をお 簡った場合に十分な電池性能が
得られないという問題点があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、有機電解液を使用した場合の電池性能を維持し
たまま電池の安全性を向上させ、結果として、活物質の
利用率の向上による電池の高容量化及び安全化素子の省
略による電池の低コスト化を可能とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、下記発明により
上記課題を解決するものである。
【0013】本発明非水電解質電池は、有孔性高分子電
解質を備え、孔体積の30%以上95%以下の体積の電
解液を保持させた正極、負極あるいは有孔性高分子電解
質を備えたこと、また、正極と負極との間に、有孔性高
分子電解質を備えたこと、さらに、ポリビニリデンフル
オライド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、お
よび前記有機高分子を構成する各種モノマーを構造中に
有する共重合体のうち少くとも一つを備えたことを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、電解液で膨潤
又は湿潤する有孔性高分子電解質を正・負極間に使用す
る。その有孔性高分子は、電解液で膨潤又は湿潤する性
質を有するために、電池への注液量が少ない場合であっ
ても、電解液を吸収して電極全体に均一に行き渡らせる
ことができる。従って、有孔性の高分子電解質の孔及
び、電極の孔などの孔のすべてを占めるのに十分な電解
液量よりも少量の電解液を電池に保持させることによっ
て、有孔性の高分子電解質の孔中又は、電極の孔中など
に気体の部分が残るようにした場合であっても、電解液
を電極全体に行き渡らせて十分な電池性能を得ることが
できる。従って、釘刺し等の安全性試験をおこなった場
合、圧力上昇に対してクッションとなる気体が電極近傍
に存在するために、内部短絡箇所の発熱によってその近
辺の電解液が気化した場合であっても、局所的な圧力上
昇が大幅に緩和され、発熱連鎖反応の発端となる反応が
生じ難くなり、その安全性が向上する。従って、電池の
安全性を向上させるために制限されていた活物質の利用
率を向上させることが可能となるために高容量の電池と
することができ、また、様々な安全化素子を省略するこ
とが可能になるためにコストを低くすることができる。
【0015】本発明において使用する、電解液で膨潤又
は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質とし
て作用するために、高分子の孔中の電解液中のみでな
く、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオン
が移動可能となる。従って、従来のイオン伝導性を示さ
ないポリエチレン又はポリプロピレンのセパレータの代
わりに有孔性高分子電解質膜を用いることによって、膜
の孔中の電解液量を減らした場合であっても電池性能の
低下を防ぐことが可能となり、電池の安全性を向上させ
ることができる。
【0016】また、本発明においては、従来の固体電解
質電池と異なり、高分子が気体と遊離の電解液とを保持
した孔を有するために、遊離の電解液中をイオンが高速
で拡散して十分な電池性能が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。
【0018】(実施例1)下記の手順にしたがって、本
発明による非水電解質電池を製作した。
【0019】グラファイト81Wt%、ポリビニリデン
フルオライド(PVDF)9Wt%、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)10Wt%を混合した活物質ペー
ストを幅22mm、長さ500mm、厚さ14μmの銅
箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMPを蒸発させ
た。この作業を銅箔の両面に対しておこない、両面に活
物質層を備えた負極を製作した。
【0020】コバルト酸リチウム70Wt%、アセチレ
ンブラック6Wt%、PVDF9Wt%、NMP15W
t%を混合したものを幅20mm、長さ480mm、厚
さ20μmのアルミニウム箔上に塗布し、150℃で乾
燥してNMPを蒸発させた。この作業をアルミニウム箔
の両面に対しておこない、両面に活物質層を備えた正極
を製作した。
【0021】つぎに、正・負極間の短絡防止膜として用
いる、多孔性リチウムイオン伝導性PVDF膜をつぎの
ように湿式法によって製作した。分子量60,000の
PVDF粉末12gを88gのNMPに溶解し、PVD
Fペーストを製作した。このPVDFペーストを、ポリ
エチレンコートしたリケイ紙上に100μmのブレード
ギャップでドクターブレード法によって塗布し、水中に
浸漬してNMPを水で置換することによって、連通孔を
有する多孔度約80%、厚さ約25μmのPVDF膜を
製作した。
【0022】このようにして準備した有孔性PVDF
膜、正極及び負極を重ねて巻き、高さ47.0mm、幅
22.2mm、厚さ6.4mmのステンレスケース中に
挿入して、角形電池を組み立てた。この電池の内部に、
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート
(DEC)とを体積比率1:1で混合し、1mol/l
のLiPF6 を加えた電解液を真空注液によって加え、
正・負極間の有孔性PVDF膜を電解液で膨潤させて、
有孔性の高分子電解質とした。電解液の注液量を変化さ
せることによって、8種類の本発明による電池(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び
(H)を各2個製作した。
【0023】比較例として、正・負極間の短絡防止膜と
して、有孔性PVDF膜の代わりに多孔度40%のポリ
エチレン製セパレータ膜を用いたこと及び電解液の注液
量以外は、本発明による(A)と同様にして、公称容量
400mAh程度の従来から公知である電池(I)を2
個製作した。この電池への電解液の注液量は、十分な電
池性能を示すのに必要な最小量とした。
【0024】これらの本発明による電池(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び
(H)、及び従来から公知である電池(I)の各2個を
用いて、25℃において、1CAの電流で4.1Vまで
充電し、続いて4.1Vの定電圧で2時間充電した後、
2CAの電流で2.5Vまで放電した。これらの試験の
結果、本発明による電池(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)、及び従来
から公知である電池(I)は、すべて同程度の放電容量
を示し、その電池性能に差はみられなかった。
【0025】上記の充放電試験の後に、本発明による電
池(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)、及び従来から公知である電池(I)
の各1個を解体し、正極、負極及び、正・負極間の有孔
性PVDF膜が保持する電解液量の測定をおこなった結
果、各電池において、正極、負極及び、有孔性PVDF
膜の、孔体積に占める電解液の体積比はすべて誤差範囲
内で同じであった。これらの結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 また、本発明による電池(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)、及び従来
から公知である電池(I)の各1個を用いてつぎのよう
な安全性の比較試験をおこなった。これらの電池を用い
て、室温において、1CAの電流で4.5Vまで充電
し、続いて4.5Vの定電圧で2時間充電した後、3m
m径の釘を電池に刺して貫通させた。その結果を表1に
示す。
【0027】これらの結果から、本発明による電池
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)は、従来から公知である電池(I)よ
りも安全性に優れた電池であるということができ、また
本発明による電池においては、正極、負極及び、正・負
極間の有孔性PVDF膜が保持する電解液量が少ないほ
ど安全性に優れた電池であるということができる。
【0028】前記実施例では、有機高分子電解質の高分
子としてポリビニリデンフルオライドを使用している
が、これ以外にもポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル及びビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピ
レンとの共重合体を用いて同様の電池製作、充放電試験
及び安全性試験をおこなったが、すべてポリビニリデン
フルオライドを用いた場合と同様の結果を示した。
【0029】前記実施例では、有機高分子電解質の高分
子としてポリビニリデンフルオライドを使用している
が、これに限定されるものではなく、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチ
ルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリ
ロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチ
レン、ポリイソプレン、もしくはこれらの誘導体を、単
独で、あるいは混合して用いてもよい。また、上記有機
高分子を構成する各種モノマーを構造中に有する共重合
体を用いてもよい。
【0030】また、前記実施例における電池において
は、有孔性高分子電解質として湿式法によって多孔化し
たPVDF膜を用いたが、高分子の多孔化法はこれに限
定されるものではなく、発泡剤を用いる方法、粉末を接
着する方法、又は、高分子中に固体を析出させる方法の
いずれであってもよい。
【0031】また、前記実施例における電池において
は、非水電解液としてECとDECとの混合溶液を用い
ているが、これに限定されるものではなく、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、
スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオ
キソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、もしくはこ
れらの混合物を使用してもよい。
【0032】さらに、前記実施例においては、非水電解
液に含有させる塩としてLiPF6を使用しているが、
その他に、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4
LiSCN、LiI、LiCF3 SO3 、LiCl、L
iBr、LiCF3 CO2 等のリチウム塩、もしくはこ
れらの混合物を用いてもよい。
【0033】さらに、前記実施例においては、正極材料
たるアルカリ金属を吸蔵放出可能な化合物としてLiC
oO2 を使用したが、これに限定されるものではない。
これ以外にも、無機化合物としては、組成式LixMO
2 、又はLiyM2 4 (ただし、Mは遷移金属、0≦
x≦1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネ
ル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン
化物を用いることができる。その具体例としては、Li
CoO2 、LiNiO2 、LiMn2 4 、Li2 Mn
2 4 、MnO2 、FeO2 、V2 5 、V6 13、T
iO2 、TiS2 等が挙げられる。また、有機化合物と
しては、例えばポリアニリン等の導電性有機高分子等が
挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わ
ず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0034】さらに、前記実施例においては、負極材料
たる化合物としてグラファイトを使用しているが、その
他に、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウ
ムとの合金、LiFe2 3 等の遷移金属複合酸化物、
MoO2 、スズ酸化物等の遷移金属酸化物、グラファイ
ト、カーボン等の炭素質材料、Li5 (Li3 N)等の
窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれらの
混合物を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる非水
電解質電池は、つぎのことを特徴とする。
【0036】本発明においては、電解液で膨潤又は湿潤
する有孔性高分子電解質を正・負極間に使用する。その
有孔性高分子は、電解液で膨潤又は湿潤する性質を有す
るために、電池への注液量が少ない場合であっても、電
解液を吸収して電極全体に均一に行き渡らせることがで
きる。従って、有孔性の高分子電解質の孔及び、電極の
孔などの孔のすべてを占めるのに十分な電解液量よりも
少量の電解液を電池に保持させることによって、有孔性
の高分子電解質の孔中又は、電極の孔中などに気体の部
分が残るようにした場合であっても、電解液を電極全体
に行き渡らせて十分な電池性能を得ることができる。従
って、釘刺し等の安全性試験をおこなった場合、圧力上
昇に対してクッションとなる気体が電極近傍に存在する
ために、内部短絡箇所の発熱によってその近辺の電解液
が気化した場合であっても、局所的な圧力上昇が大幅に
緩和され、発熱連鎖反応の発端となる反応が生じ難くな
り、その安全性が向上する。従って、電池の安全性を向
上させるために制限されていた活物質の利用率を向上さ
せることが可能となるために高容量の電池とすることが
でき、また、様々な安全化素子を省略することが可能に
なるためにコストを低くすることができる。
【0037】本発明において使用する、電解液で膨潤又
は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質とし
て作用するために、高分子の孔中の電解液中のみでな
く、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオン
が移動可能となる。従って、従来のイオン伝導性を示さ
ないポリエチレン又はポリプロピレンのセパレータの代
わりに有孔性高分子電解質膜を用いることによって、膜
の孔中の電解液量を減らした場合であっても電池性能の
低下を防ぐことが可能となり、電池の安全性を向上させ
ることができる。
【0038】また、本発明においては、従来の固体電解
質電池と異なり、高分子が気体と遊離の電解液とを保持
した孔を有するために、遊離の電解液中をイオンが高速
で拡散して十分な電池性能が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有孔性高分子電解質を備え、孔体積の3
    0%以上95%以下の体積の電解液を保持させた正極、
    負極あるいは有孔性高分子電解質を備えたことを特徴と
    する非水電解質電池。
  2. 【請求項2】 正極と負極との間に、有孔性高分子電解
    質を備えたことを特徴とする請求項1記載の非水電解質
    電池。
  3. 【請求項3】 ポリビニリデンフルオライド、ポリアク
    リロニトリル、ポリ塩化ビニル、および前記有機高分子
    を構成する各種モノマーを構造中に有する共重合体のう
    ち少くとも一つを備えたことを特徴とする、請求項1あ
    るいは2記載の非水電解質電池。
JP9062227A 1997-02-28 1997-02-28 非水電解質電池 Withdrawn JPH10247521A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000072399A1 (fr) * 1999-05-24 2000-11-30 Yuasa Corporation Electrolyte polymere

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WO2000072399A1 (fr) * 1999-05-24 2000-11-30 Yuasa Corporation Electrolyte polymere
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