JPH10245942A - 天 窓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天窓の開口を大きく確保して，開放感に溢れ
たものとする。 【解決手段】 屋根傾斜方向に等間隔多数区分した開閉
パネル７を開口枠１に上下方向多段にしてそれぞれ移動
自在に配置し，先頭の開閉パネル７をロープ１４操作す
ることによって開閉するように天窓Ａを形成し，開成時
に開閉パネル７を傾斜方向下方の一端側に集めることに
よって開口を大きく確保するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，建物の傾斜屋根に
設置して開閉を行う天窓に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種天窓として，開口枠と，該開口枠
に嵌殺し設置した透明硝子のパネルとによる，採光用に
して嵌殺し型のものや，開口枠と，該開口枠に嵌合して
傾斜方向一端をヒンジ連結し，例えば油圧装置によって
跳ね上げ状に開成する戸枠と，該戸枠に嵌め込んだ同じ
く透明硝子のパネルとによる，採光用にして跳ね上げ開
閉型のものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら採光用にし
て嵌殺し型のものは，開成して外気を導入したりするこ
ともできず，また採光用にして跳ね上げ開閉用のもの
は，その開成角度が一般に比較的小さく，従って開成す
ることとこれによる外気を導入することはできるが，そ
の開口を大きく得ることができず，開放感に乏しいもの
とされている。

【０００４】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で，その解決課題とする処は，傾斜した屋根に傾斜設置
して可及的に大きな開口を得て，開放感を充分に確保し
得るようにした天窓を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題に添い本発明
は，開口枠を屋根勾配に添って傾斜設置するとともに該
開口枠の開口を傾斜方向に多数区分した多段配置の開閉
パネルを用いて，開成時に開閉パネルを開口枠の一端側
に寄せるようにして開成時の開口を可及的に大きく確保
する一方，開成時に上記開口枠を傾斜設置したことによ
る勾配を用いて開閉パネルを開口枠のガイドレールに自
重で傾斜移動するようにし，また閉成時に隣接する開閉
パネル相互間の係止条による引掛係止により，閉成方向
に先頭の開閉パネルを引上移動することによって順次に
閉成位置に引上移動するようにし，またこの先頭の開閉
パネルの引上移動のためにプーリーを介したロープを用
いるとともに閉成状態を維持するために閉成状態でロー
プをロック自在のロープブレーキを用いるようにしたも
のであって，即ち本発明は，屋根勾配に添って傾斜設置
し，傾斜方向に向けた両側のガイドレールをそれぞれ対
向して上下方向多段に配置して有する平面矩形の開口枠
と，該開口枠の開口面を傾斜方向に多数区分し，それぞ
れ長手方向両端を上記対向する両側のガイドレールに戸
車を介して支持することによって傾斜動自在とし且つ隣
接する相互間でそれぞれ傾斜方向端部に閉成方向に向け
て係止し，開成方向に向けて係止解除するように相互に
引掛係止自在にして上下方向に向けた係止条を設けた上
下方向多段配置の開閉パネルと，該上下方向多段配置の
うち最上位の開閉パネルに連結し，上記開口枠に設置し
た上位のプーリーと下位のロープブレーキを介して室内
に吊下げ配置した開閉操作ロープとを備えてなることを
特徴とする天窓に係り且つこれを発明の要旨として上記
課題解決の手段としたものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下図面の例に従って本発明を更
に具体的に説明すれば，Ａは天窓であり，１はその開口
枠，７はその開閉パネル，１４はその開閉操作用ロープ
をそれぞれ示す。

【０００７】開口枠１は，屋根勾配に添って傾斜設置
し，傾斜方向に向けた両側のガイドレール３をそれぞれ
対向して上下方向多段に配置して有する平面矩形のもの
としてある。

【０００８】本例にあって開口枠１は，上記ガイドレー
ル３を有する一対の傾斜枠２とその長手方向両端に架設
配置し，その端部を閉塞する一対の端部枠４とを備える
とともに開成方向端部側の一方の低枠とした端部枠４を
除いたその余の高さをそれぞれ比較的高く同一に設定す
るようにして上記平面矩形の枠組みを施したものとし，
上記一対の傾斜枠２は，その対向面側に多数のフインを
突出することによって，上記比較的高い高さを上下に等
区分するように，上下方向に多段の，本例にあって各６
段のガイドレール３を設置したものとしてあり，また該
一対の傾斜枠２と上記一対の端部枠４は，それぞれ屋根
構造材２１に対してその交差する２面に固定する交差固
定フイン５を有する各アルミ押出材による一体成型のも
のとしてある。

【０００９】開閉パネル７は，上記開口枠１の開口面を
傾斜方向に多数区分し，それぞれ長手方向両端を上記対
向する両側のガイドレール３に戸車１０を介して支持す
ることによって傾斜動自在とし且つ隣接する相互間でそ
れぞれ傾斜方向端部に閉成方向に向けて係止し開成方向
に向けて係止解除するように相互に引掛係止自在にして
上下方向に突出した係止条１１，１２を設けた上下方向
多段配置のものとしてある。

【００１０】本例にあって開閉パネル７は，パネル枠８
と該パネル枠８に嵌め込み設置したパネル９とを備えた
ものとしてあり，このときパネル枠８は，それぞれ同じ
くアルミ押出材による一体成型の四周框を框組みし，上
記傾斜方向と交差する両側方向に向けて上記端部枠４に
合わせて長尺とし，傾斜方向に，開口枠１の開口面を等
間隔に上記ガイドレール３の段数に応じて，本例におい
て６等分の等間隔多数区分のものとしてあり，これによ
り開閉パネル７を傾斜方向に同一幅寸法にして長尺のも
のとするようにしてある。

【００１１】パネル９は，本例にあって厚肉アルミ板，
厚肉鋼板，厚肉合成樹脂板等の厚肉板或いはこれら材質
のべースに表裏の仕上げ材，特に表面側に雨音吸収用の
仕上げ材や裏面側に断熱材を張設した複合板による不透
明ブランクパネルを用いてあり，これを上記パネル枠８
の上端に，その凹陥した上面に嵌め込み固定することに
よって，各開閉パネル７が，雨戸機能を有して，天窓Ａ
を天窓雨戸又は天窓雨戸様のものとするようにしたもの
としてある。

【００１２】このとき上記開閉パネル７における各パネ
ル枠８の，上記傾斜方向と交差する長手方向両端の側框
には各一対の戸車１０を回転自在に軸支固定して，上記
各ガイドレール３に載置しこれに転動自在に支持するこ
とによって，該ガイドレール３に開閉パネル７をそれぞ
れ傾斜動自在としてあり，また隣接する開閉パネル７相
互間，即ち先頭側と後端側の開閉パネル７における他と
隣接することのない端部の框を除く，少くとも各開閉パ
ネル７の傾斜方向端部には，その各閉成方向側における
端部の框に，各上段のガイドレール３間に起立して突出
する先端を開成方向に向けて折曲したＬ字状乃至ヘ字状
の係止条１１を，その長手方向両端の上記ガイドレール
３部分を切欠いた長さにして一連の上向きに突出形成し
て備える一方，各開閉パネル７の開成方向側における端
部の框には，ガイドレール３内で先端を閉成方向に向け
て折曲した同じくＬ字状乃至ヘ字状の受け用の係止条１
２をガイドレール間に納め又はこれよりやや突出するよ
うにその長手方向の全長に亘り又はガイドレール３部分
を切欠いた長さにして一連の下向きに突出形成して備え
たものとしてあり，これにより係止条１１，１２を隣接
する開閉パネル７間で相互に引掛係止自在にして，閉成
方向に向けて係止し，開成方向に向けて係止解除自在と
するものとしてある。

【００１３】開閉操作ロープ１４は，上記上下方向多段
配置のうち最上位の開閉パネル７に連結し，上記開口枠
１に設置した上位のプーリー１５と下位のロープブレー
キ１６を介して室内に吊下げ配置したものとしてある。

【００１４】本例にあって開閉操作ロープ１４は，例え
ば合成繊維，金属繊維等適宜の繊維系のものを用いて，
上記開口枠１における開口面の傾斜方向長さと室内にお
いて人の手の届く吊下げ長さとを合計した程度の長尺の
ものを用いて，その一端を上記最上位の開閉パネル，即
ち閉成方向先頭の開閉パネル７の閉成方向端部の框に設
けたリング金具状のロープ固定具１３に固定し，該開閉
パネル７の閉成方向延長線上に固定して配設することに
よって，開口枠１の上位に設置したプーリー１５を介し
て下向きに方向転換し，該プーリー１５の下方にして開
口枠１の下端に固定して配設することによって，開口枠
１の下位に設置したロープブレーキ１６を介して室内に
吊下げるものとしてあり，このとき本例にあって上記開
閉操作ロープ１４は一対のものを用い，これを開閉パネ
ル７の長手方向両端の一対のロープ固定具１３にそれぞ
れ連結して，同時にこれに合わせて設置した両端側一対
のプーリー１５を介して上記方向転換を行うものとする
一方，ロープブレーキ１６は上記開閉パネル７の中央位
置，即ち開口枠１の閉成方向端部枠４の中央位置に単独
に設けて，図示省略の部分的なロープガイドによって，
上記一対の開閉操作ロープ１４を該中央位置のロープブ
レーキ１６に集めた上，室内に吊下げるようにしてあ
り，これによって開閉操作ロープ１４の上記開閉パネル
７への引上開閉力をその長手方向両端に均一化して，そ
のスムーズな引上げ移動を可能とするようにしてある。

【００１５】ロープブレーキ１６は，本例にあってそれ
ぞれ開閉操作ロープ１４を挾持する対向歯を開閉操作ロ
ープ１４長手方向に添うように複数設置した，一方を固
定し，他方を対向方向にスプリングによって付勢して回
動自在の可動のものとした一対の固定ブレーキ爪１８と
可動ブレーキ爪１９とにより，これを対として対向配置
したものとしてあり，これにより開閉操作ロープ１４を
可動ブレーキ爪１９のスプリング付勢力によって，上記
対向歯間に挾持してその定位置のロックを行う一方，開
閉操作ロープ１４を可動ブレーキ爪１９側に引寄せ傾斜
することによって，該可動ブレーキ爪１９をスプリング
付勢力に抗して可動して，そのロックを解除し，開閉操
作用ロープ１４の通過移動を可能としたものとしてあ
る。

【００１６】従って本例の天窓Ａにあっては，開口枠１
を屋根開口にその勾配に添って傾斜設置して，これに開
閉パネル７を配置して組立てることによって，開閉操作
ロープ１４を室内において引くようにすれば，最上位
の，閉成方向に先頭の開閉パネル７を，そのガイドレー
ル３によって閉成方向に引上移動するとともに，係止条
１１，１２の係止によって次位の開閉パネル７を同様に
引上移動し，順次これを繰り返して開閉パネル７を一連
に連結し，該開閉パネル７が，相互に端部を重合状に係
止して，雨水を傾斜方向に，上記開成方向端部側の端部
枠を介してその上面から屋根に流下するように雨仕舞を
行い得る状態として，開口枠１を密閉状に閉成し，この
状態で開閉操作ロープ１４を離せば，ロープブレーキ１
６が開閉操作ロープ１４をロックして開閉パネル７の上
記一連の連結にして雨仕舞の水密性を確保した閉成状態
を維持する一方，室内において開閉操作ロープ１４を，
可動ブレーキ爪１９側に引寄せるようにすれば，開閉操
作ロープ１４のロックが解除されてその通過移動を自在
とし，これにより開閉パネル７の引上開閉力が失われ，
開閉パネル７はその自重によって，順次傾斜設置した開
口枠１のガイドレール３を開成方向に向けて傾斜移動す
るとともに係止条１１，１２の係止解除が自動的になさ
れて，開閉パネル７はそれぞれ分離して定位置に至り，
その開成がなされるに至る。

【００１７】このとき開閉パネル７は，開口枠１の開口
面を多数区分，特に本例にあって６等分に等間隔多数区
分したことによって，開閉パネル７は，開口枠１の開成
方向の一端側に，階段状に重なって集合収納するように
開成し，開口枠１の開口面が，傾斜方向に３／２又はそ
れ以上に大きく開いて，開放感に溢れた開口を得られる
ものとしてある。

【００１８】図中６は開口枠１に設けた雨仕舞用の気密
材，１７は上記固定ブレーキ爪１８を固定し，可動ブレ
ーキ爪１９を回動自在に軸支してそれぞれ収納し，開口
枠１の上記端部枠４に設置したブレーキケース，２０は
同じく固定ブレーキ爪１８及び可動ブレーキ爪１９に設
置して，開閉操作ロープ１４の通過移動をスムーズに誘
導し，上記部分的なロープガイドの案内を補助し又はこ
れに代るものとして用いるようにしたロープローラーで
ある。

【００１９】図示した例は以上としたが，開閉パネルの
パネルを透明硝子によるものとして天窓を上記に代えて
採光用のものとすること，開成方向端部にパネル状の張
出固定部による収納スペースを備えることによって開口
枠を形成し，その開口面において開閉パネルの開閉を行
うようにすること，開閉操作ロープを最上位の開閉パネ
ルの長手方向中央位置に単独に連結したものとすること
等を含めて，本発明の実施に当って開口枠，開閉パネ
ル，開閉操作ロープ，プーリー，ロープブレーキ等の具
体的材質，形状，構造，これらの関係，これらに対する
付加等は，上記発明の要旨に反しない限り様々に変更し
た形態のものとすることができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上の通りに構成したから，傾
斜した屋根にその勾配に添って傾斜設置し，開閉操作ロ
ープを手動操作することにより，開閉パネルを一連に連
結自在とし，戸車を介してスムーズに引上げ移動して，
開口枠の開口面を密封閉成するとともに自重によって上
記一連の連結を解除自在とし同じくスムーズに傾斜移動
して開閉パネルを開口枠の一側端に寄せるようにして開
成し，その開口を可及的に大きく確保して開放感に溢れ
たものとし，また比較的簡易な構造により安定して確実
な開閉をなし得るようにした天窓を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】天窓の平面図である。

【図２】天窓の側面図である。

【図３】天窓の設置状態を示す図１のＡ−Ａ線の断面図
である。

【図４】開閉パネルを閉成した天窓の設置状態を示す図
１のＢ−Ｂ線の断面図である。

【図５】開閉パネルを閉成した天窓の設置状態を示す同
じく図１のＢ−Ｂ線の断面図である。

【図６】ロープブレーキの側面図である。

【図７】開閉操作ロープの通過移動状態を示すロープブ
レーキの側面図である。

【符号の説明】

Ａ 天 窓 １ 開 口 枠 ３ ガイドレール ７ 開口パネル １０ 戸 車 １１ 係 止 条 １２ 係 止 条 １４ 開閉操作ロープ １５ プーリー １６ ロープブレーキ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根勾配に添って傾斜設置し，傾斜方向
   に向けた両側のガイドレールをそれぞれ対向して上下方
   向多段に配置して有する平面矩形の開口枠と，該開口枠
   の開口面を傾斜方向に多数区分し，それぞれ長手方向両
   端を上記対向する両側のガイドレールに戸車を介して支
   持することによって傾斜動自在とし且つ隣接する相互間
   でそれぞれ傾斜方向端部に閉成方向に向けて係止し，開
   成方向に向けて係止解除するように相互に引掛係止自在
   にして上下方向に向けた係止条を設けた上下方向多段配
   置の開閉パネルと，該上下方向多段配置のうち最上位の
   開閉パネルに連結し，上記開口枠に設置した上位のプー
   リーと下位のロープブレーキを介して室内に吊下げ配置
   した開閉操作ロープとを備えてなることを特徴とする天
   窓。