JPH10245205A - オゾン発生装置用放電セル - Google Patents

オゾン発生装置用放電セル

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JPH10245205A
JPH10245205A JP6908397A JP6908397A JPH10245205A JP H10245205 A JPH10245205 A JP H10245205A JP 6908397 A JP6908397 A JP 6908397A JP 6908397 A JP6908397 A JP 6908397A JP H10245205 A JPH10245205 A JP H10245205A
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JP
Japan
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heat sink
dielectric
thin film
insulating plate
ground electrode
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JP6908397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Orishima
寛 折島
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Sumitomo Precision Products Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Precision Products Co Ltd
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Publication date
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン発生装置用放電セルにおいて、高圧電
極と接地電極の間を絶縁する。両電極の冷却水を介した
電気的な短絡を回避する。 【解決手段】 高圧電極において、誘電体13の裏面に
導電性の薄膜14をコーティングする。その誘電体13
を、絶縁板12の外縁部を除く部分の表面に接着する。
絶縁板12を挟んでヒートシンク11と接地電極側のヒ
ートシンク21を重ね合わせる。絶縁板12により、薄
膜14とヒートシンク11の間、及びヒートシンク1
1,21間が絶縁される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾン発生装置に
使用される放電セルに関する。
【0002】
【従来の技術】オゾン発生装置として、板型の放電セル
を板厚方向に複数積層したものが知られている。ここに
おける板型の放電セルは、所定の隙間をあけて対向配置
された高圧電極及び接地電極を備えており、両電極間に
無声放電を発生させるべく高電圧を印加した状態で、こ
の間に酸素等の原料ガスを流通させることにより、原料
ガス中の酸素をオゾン化しオゾンガスを生成する。
【0003】板型の放電セルに使用される高圧電極及び
接地電極は、通常は少なくとも一方が、放電空隙に接す
る側を表面として、その表面側から裏面側へ誘電体、電
極板及びヒートシンクを順に配列した積層構造になって
いる。
【0004】ここにおける誘電体としては、誘電率が大
きいセラミックを電極板の表面にコーティングした、電
極板と一体型のものを、ヒートシンクの表面上に重ねて
使用することが多い。
【0005】ところで、オゾン発生装置は種々の化学処
理に使用される一方で、半導体の製造に使用され始め
た。半導体の製造では、オゾンは酸化膜の形成、レジス
トのアッシング、シリコンウエーハの洗浄等に使用され
る。これらに使用されるオゾン発生装置の場合、コンタ
ミネーション(金属不純物+パーティクル)の極めて少
ない純粋なオゾンガスを発生させる必要がある。このた
めに放電セル及び配管類の接ガス部材には、高純度・高
耐食性の材料を使用する必要が生じてきた。
【0006】特に、放電セルの放電部では、スパッタリ
ングによるコンタミネーションの発生を防ぐ観点から、
電極板の表面にセラミックをコーティングした一体型の
誘電体から、高純度で耐プラズマ性のよいセラミック板
やサファイア等の単結晶板からなる単板型の誘電体へ切
り換える必要が生じてきた。
【0007】誘電体としてセラミック板やサファイア等
の単結晶板を使用する場合、高圧電極及び接地電極とし
ては、図7に示すように、板状の誘電体1の裏面に導電
性の薄膜2をコーティングし、これを、通電部材を兼ね
るヒートシンク3の表面に接着剤4により接合した構造
のものが使用される。接着剤4としては、接着強度と使
いやすさの点からエポキシ樹脂常温接着剤か熱硬化型接
着剤が使用される。そして、絶縁性のスペーサ5を介し
て両電極を複数本のタイロッドにより締め付けることに
より、両電極間に放電空隙6が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高圧電極及び接地電極を使用するオゾン発生装置用
放電セルには次のような問題がある。
【0009】高圧電極と接地電極の間に3000V程度
の高電圧が印加されるので、この間を電気的に絶縁する
ことは、この種の放電セルでは不可欠の技術であり、こ
のために、直接的には高圧電極と接地電極の間に絶縁性
のスペーサ5が介装される。しかし、このような直接的
な対策を講じても、それぞれのヒートシンク3,3を冷
却する冷却水を介した間接的な短絡が問題になる。
【0010】即ち、ヒートシンク3は、熱伝導性の良好
なアルミ合金からなり、且つ内部を流通する冷却水によ
り強制的に冷却される。また、導電性の薄膜2から導線
を引き出すことができないため、この薄膜2をヒートシ
ンク3の表面に電気的に接続することにより、ヒートシ
ンク3は導電部材としても利用される。その結果、高圧
電極側のヒートシンク3を流通する冷却水と、接地電極
側のヒートシンク3を流通する冷却水との間に、電極間
の印加電圧に相当する高い電位差が生じる。
【0011】このような状況下で、冷却水に工業用水を
使用すると、冷却水のイオン化により、高圧電極と接地
電極が冷却水を介して電気的に短絡する。これを回避す
るために、通常は冷却水として絶縁性のある超純水が使
用され、一部ではフロンのような絶縁性の液体を使用す
ることも考えられいているが、いずれの対策もオゾン発
生装置のランニングコストを高める原因になる。
【0012】本発明の目的は、高圧電極側及び接地電極
側のヒートシンクを導電性のある冷媒液で強制冷却する
場合にも、その冷媒液を介した電気的な短絡を回避する
ことができ、これにより、オゾン発生装置のランニング
コストの低減を可能にするオゾン発生装置用放電セルを
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のオゾン発生装置
用放電セルは、オゾン発生用放電空隙を形成するべく所
定の隙間をあけて対向する高圧電極及び接地電極を備
え、高圧電極は、表面が放電空隙に対向し裏面に導電性
の薄膜がコーティングされた板状の誘電体と、誘電体の
裏面側に配置された絶縁板と、絶縁板に形成された貫通
孔を通して薄膜から絶縁板の背面側へ引き出された導線
とを具備することを特徴とする。
【0014】本発明のオゾン発生装置用放電セルでは、
高圧電極の構造が重要である。この高圧電極では、誘電
体の裏面に導電性の薄膜がコーティングされ、その裏面
側に絶縁板が配置されるので、絶縁板の裏面側にヒート
シンクが存在する場合にも、そのヒートシンクが薄膜か
ら電気的に絶縁される。このため、ヒートシンク及びこ
れを流通する冷媒液が接地電極側と同電位になるので、
冷媒液として導電性のある工業用水等を使用する場合に
も、その冷媒液を介した短絡が回避される。
【0015】また、誘電体の裏面側に絶縁板を配置する
と、ヒートシンクは通電部材を兼ねることができなくな
るが、絶縁板及びヒートシンクに形成された貫通孔を通
して、薄膜からヒートシンクの背面側へ導線を引き出す
ことにより、その薄膜に高電圧を直接印加することがで
きるので、絶縁板による電圧降下は生じない。
【0016】なお、絶縁板は、表面が高電圧の薄膜と接
し、裏面がヒートシンクやその冷却媒体を介して接地さ
れるため、高圧電源−薄膜−誘電体−放電空隙−接地電
極という放電回路に対してキャパシタンスを並列に挿入
することになる。このため、絶縁板の板厚が誘電体の板
厚に対して薄いと、絶縁板を介した電流が生じ、電源効
率を低下させる危険がある。この危険性を排除するため
に、絶縁板の板厚は誘電体の板厚の3倍以上とすること
が望まれる。また、誘電体からヒートシンクへの熱伝達
を阻害することが懸念されるが、これに対しては、絶縁
板の材質に電気絶縁性、耐熱性と共に熱伝導性の高いセ
ラミックを使用すればよく、なかでもアルミナ、窒化ア
ルミが特に好ましい。
【0017】この絶縁板は、従来のスペーサに代わる高
圧電極と接地電極の間の直接的な電気絶縁部材として利
用することができる。即ち、絶縁板の外縁部を高圧電極
と接地電極の間にこの間の絶縁部材として介在させる。
このとき、誘電体を、絶縁板の外縁部を除く部分の表面
に接着し、且つ接地電極側のヒートシンクの表面に形成
された凹部に収容するのが好ましい。これらにより、従
来のスペーサが不要になるので、絶縁板を使用すること
による部品点数の増大が回避される。また、高圧電極と
接地電極の締め付けに伴う誘電体の割れが防止される。
【0018】誘電体を絶縁板に接着する手段としては、
接着媒体からのコンタミネーションの発生を抑えるため
に、その接着媒体としてフッ素樹脂系、とりわけテフロ
ン(商品名)と呼ばれる、炭素原子の周囲がフッ素原子
で囲まれた分子構造をもつフッ素樹脂系を用いる熱溶着
が好ましく、そのフッ素樹脂系のなかでも溶融時の流動
性が良いPFA及びFEPが特に好ましい。この場合、
導電性の薄膜は、誘電体の外縁部を除く部分の裏面にコ
ーティングすることが好ましい。こうすることにより、
薄膜の周囲がフッ素樹脂系の接着媒体により封止され、
薄膜からのコンタミネーションの発生が防止される。
【0019】本発明の放電セルは板型に限らず筒型にも
適用可能である。また、絶縁板は熱伝達性が良いので、
その裏面側に配置されるヒートシンクを省略することが
可能であり、その場合も冷媒液を介した短絡は回避され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図6は本発明の一実施形態を
示す。
【0021】本実施形態のオゾン発生装置放電セルは、
図1及び図2に示すように、放電用電極として板型の高
圧電極10a、接地電極20及び高圧電極10bを備え
ている。これらの放電用電極は、板厚方向に積層され、
外縁部に配置された複数本のタイロッド40,40・・
・により締め付けられている。そして、上側の高圧電極
10aと下側の高圧電極10bに挟まれた接地電極20
は、上側の高圧電極10aとの間に放電空隙30aを形
成し、下側の高圧電極10bとの間に放電空隙30bを
形成する。
【0022】即ち、このオゾン発生装置放電セルは、上
側の高圧電極10aと接地電極20とにより構成される
上段セルと、接地電極20と下側の高圧電極10bとに
より構成される下段セルを一体的に重ね合わせた2段構
造になっている。
【0023】以下、上段セルについて説明するが、下段
セルも上下対称なことを除けば上段セルと同じ構成であ
る。上段セルを説明する場合、高圧電極10aでは表面
が下面となり、接地電極20では表面が上面となる。
【0024】高圧電極10aは、厚板状のヒートシンク
11と、その下側に配置された絶縁板12と、絶縁板1
2の下面に接着された誘電体13とを有する。誘電体1
3の上面には、外縁部を除いて導電性の薄膜14がコー
ティングされている。また、薄膜14の上面には、高圧
電圧を印加するための導線15が電気的に接続されてい
る。
【0025】ヒートシンク11はアルミ合金等の厚板か
らなり、内部に供給される冷却水により強制的に冷却さ
れる。絶縁板12は例えば板厚が4mmのアルミナ薄板
からなり、ヒートシンク11と薄膜14の間の絶縁を行
い、且つ高圧電極10aと接地電極20の間の絶縁を行
うために、ヒートシンク11とほぼ同じ広さである。絶
縁板12の下面に接着された誘電体13は、絶縁板12
より更に薄い例えば0.6mm厚のセラミック板或いは
サファイア等の単結晶板からなり、高圧電極10aと接
地電極20の締め付け部より内側に位置するように、絶
縁板12より狭くなっている。誘電体13の上面にコー
ティングされる薄膜14は銀を主成分とする銀メタライ
ズ等からなる。薄膜14のコーティング範囲が誘電体1
3より狭いことは前述した通りである。
【0026】誘電体13の接着は、後述する接地電極2
0での誘電体23の接着と同様に、フッ素樹脂系の接着
媒体を用いた熱溶着により絶縁板12の下面に接着さ
れ、誘電体13の外縁部を除く上面に形成された導電性
の薄膜14を接着媒体により周囲から封止する構造にな
っている。絶縁板12はヒートシンクと異なり熱膨張率
が誘電体13に近い。また、薄膜14と絶縁板12の間
に導電性は不要である。これらのため、接地電極20で
の誘電体23の接着に使用されるような導電性のスペー
サは不要である。
【0027】導線15は、図3に示すように、薄膜14
の上面にハンダ付けされ、ヒートシンク11及び絶縁板
12に設けられた貫通孔を通してヒートシンク11の上
方へ引き出されている。貫通孔には、ヒートシンク11
と導線15の間の電気的な短絡を防止するために、絶縁
スリーブ16が挿入されている。なお、図中の19,2
9はヒートシンク11,21にそれぞれ形成された冷却
水の通路である。
【0028】一方、接地電極20は、ヒートシンク11
に対応するヒートシンク21を有する。ヒートシンク2
1はヒートシンク11と同様、アルミ合金等の厚板から
なり、内部に供給される冷却水により強制的に冷却され
る。ヒートシンク21の上面は、外縁部を除く部分が下
方へ凹んでいる。凹部22の底面には、誘電体13に対
応する誘電体23が接着されている。凹部22の深さ
は、放電空隙30aを挟んで対向する誘電体13,23
を収容し得るように設定されている。
【0029】誘電体23は、誘電体13と同様にセラミ
ック或いはサファイア等の極薄板からなる。誘電体23
の下面には、図4及び図5に示すように、薄膜14に対
応するより銀メタライズ等からなる導電性の薄膜24
が、外縁部を除いてコーティングされている。そして、
この誘電体23は、凹部22の底面と薄膜24の間に複
数の導電性のスペーサ25,25・・・を介在させた状
態で、フッ素樹脂系の接着媒体26により凹部22の底
面に熱溶着されている。
【0030】これにより接着媒体26は、誘電体23と
ヒートシンク21の間の、薄膜24の外縁側に位置する
部分、及び薄膜24とヒートシンク21の間のスペーサ
25,25・・・を除く部分にそれぞれ介在して、誘電
体23をヒートシンク21の上面に機械的に接着固定す
る。また、各スペーサ25はアルミニウムの薄板等から
なり、薄膜24とヒートシンク21の間の電気的な導通
を確保する。
【0031】ここで、接地電極20の製造方法につい
て、図6を参照して説明する。
【0032】誘電体23の一方の表面に銀メタライズ等
により導電性の薄膜24をコーティングする。ヒートシ
ンク21の上に、接着媒体26となるフッ素系の樹脂シ
ート26′及びスペーサ25,25・・・を載せる。樹
脂シート26′はスペーサ25,25・・・に対応する
部分が抜き孔になっており、スペーサ25,25・・・
はこの抜き孔に嵌合する。樹脂シート26′の厚みはス
ペーサ25,25・・・の厚みより大きく、例えばスペ
ーサ25,25・・・の厚みが0.05mmで樹脂シー
ト26′がPFAシートの場合、そのシート厚は0.1
mm以上が好適である。
【0033】薄膜24を下にして誘電体23を樹脂シー
ト26′の上に載せ、その上に図示されないプレッシャ
ープレートを載せる。積層方向に加圧を行った状態で、
樹脂シート26′の溶融点以上の温度に積層物を加熱す
る。
【0034】これにより、ヒートシンク21の上面に誘
電体23が熱溶着される。具体的には、図4に示すよう
に、誘電体23の、薄膜24の外縁側に位置する部分
が、接着媒体26によりヒートシンク21の上面に接着
される。また薄膜24の、スペーサ25,25・・・を
除く部分が、接着媒体26によりヒートシンク21の上
面に接着される。そして、薄膜24はスペーサ25,2
5・・・を介してヒートシンク21に電気的に接続され
る。
【0035】接地電極20が製造されると、図1及び図
2に示すように、接地電極20のヒートシンク21上
に、下面に誘電体13が接着された絶縁板12を載せ、
更にその上にヒートシンク11を載せ、ヒートシンク1
1,21の外縁部間に絶縁板12の外縁部を挟んだ状態
で、積層体の外縁部をタイロッド40,40・・・によ
り積層方向に締め付ける。
【0036】誘電体13,23は、ヒートシンク21の
上面に形成された凹部22内に、放電空隙30aを挟ん
で対向した状態で収容される。凹部22内は、絶縁板1
2とヒートシンク21の間に介在する環状のシールリン
グ70により周囲がシールされる。凹部22内は又、ヒ
ートシンク21に設けられたガス孔27,27を介して
ガス管50,60に接続される。
【0037】以上、上段セルの構成について説明した
が、これと上下対称な下段セルが、接地電極20と下側
の高圧電極10bにより構成される。そして、この2段
構造のオゾン発生装置用放電セルは次のようにして使用
される。
【0038】ヒートシンク11,21,11に冷却水を
流通させた状態で、高圧電極10a,10bの導電性の
薄膜14,14に導線15,15を介して所定の高電圧
(例えば3000V)を印加することにより、誘電体1
3,23間及び誘電体23,13間に形成された放電空
隙30a,30bに無声放電を発生させる。この状態
で、ガス管50からガス孔27を介して凹部22,22
内に原料ガスとして高純度の酸素ガスを導入する。
【0039】導入された酸素ガスは放電空隙30a,3
0bを通過する過程で無声放電に曝されてオゾン化す
る。これにより、オゾンガスがガス孔27を介してガス
管60からセル外に導出される。
【0040】このようなオゾン発生装置用放電セルの従
来セルに対する優位性は以下の通りである。
【0041】高圧電極10a,10bでは、薄膜14と
ヒートシンク11の間に絶縁板12が介在している。こ
のため、ヒートシンク11に流通する冷却水が、高電圧
が印加される薄膜14から電気的に絶縁され、この冷却
水と、接地電極20の側のヒートシンク21に流通する
冷却水との間に電位差が生じない。このため、冷却水と
して通常の工業用水等の使用が可能になる。
【0042】この絶縁板12は、ヒートシンク11,2
1の間に介在し、この間の絶縁部材を兼ねているので、
この間の絶縁部材が不要になる。ヒートシンク21の表
面に、誘電体13,23を収容する凹部22が形成され
ているので、ヒートシンク11,21間のスペーサが不
要になる。絶縁板12がヒートシンク11,21間に保
持されているので、絶縁板12をヒートシンク11に接
着する必要がない。これらにより、部品点数及び製作工
数の増大が回避される。
【0043】誘電体13,23が凹部22内に収容さ
れ、ヒートシンク11,21の締め付け部に介在しない
ので、この締め付けを強く行っても誘電体13,23が
割れる危険がない。そして、この強い締め付けにより、
凹部22内の十分なシール性が確保される。
【0044】誘電体13,23が凹部22内に収容され
ていることに伴い、発生したオゾンが誘電体13,23
の側端面に接触する。しかし、その裏面にコーティング
された導電性の薄膜14,24は、フッ素樹脂系の接着
媒体26により周囲がシールさているので、これらの側
端面にはオゾンは接触しない。従って、薄膜14,24
からのコンタミネーションの発生が防止される。また、
オゾンとの接触による接着媒体26からのコンタミネー
ションの発生もない。従って、これらによるオゾンガス
の純度低下が防止される。この効果は、接着媒体26が
PFAの場合に特に大きい。
【0045】接地電極20では、熱膨張率の大きいヒー
トシンク21の表面に、熱膨張率の小さい誘電体23が
接着されているが、フッ素樹脂系の接着媒体26は柔軟
性をもち、しかもスペーサ25,25・・・により十分
な厚みが確保され、且つその厚みのバラツキが減少する
ので、両者の熱膨張率の差を効果的に吸収する。そのた
め、ヒートシンク21の表面に誘電体23が接着される
にもかかわらず、熱膨張率の差による誘電体23の剥離
や割れが発生しない。
【0046】誘電体23は、誘電体23の裏面にコーテ
ィングされた薄膜24の外縁側に位置する部分だけでな
く、薄膜24とヒートシンク21の間のスペーサ25,
25・・・を除く部分でも、ヒートシンク21に接着さ
れている。また、その接着媒体26として、耐オゾン性
の高いフッ素樹脂系が使用されている。これらのため、
誘電体23の接着耐久性に優れる。
【0047】薄膜24とヒートシンク21の間にスペー
サ25,25・・・が介在しているので、この間を十分
な厚みのフッ素樹脂系の接着媒体26により接着するに
もかかわらず、両者の間に十分な電気伝導性が付与され
る。
【0048】このような優位性のため、本実施形態のオ
ゾン発生装置用放電セルは、従来セルよりもコンタミネ
ーションの発生が少なく、クリーンである。そのため、
高い純度のオゾンガスが要求される半導体製造用のオゾ
ン発生装置に特に適する。その上、このオゾン発生装置
用放電セルは耐久性にも優れ、なおかつ経済性にも優れ
る。
【0049】なお、本実施形態のオゾン発生装置用放電
セルは、上段セルと下段セルを一体的に重ね合わせた2
段構造になっているが、1段構造の放電セルであっても
よいことは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のオゾン発生装置用放電セルは、高圧電極において誘電
体の裏面にコーティングされた導電性の薄膜を、絶縁板
により裏面側の部材と電気的に絶縁するので、その裏面
側にヒートシンクを配置する場合にも、そのヒートシン
クを薄膜から電気的に絶縁することができる。そのた
め、高圧電極側及び接地電極側のヒートシンクを導電性
のある工業用水により冷却するする場合にも、その冷却
水を介した電気的な短絡を回避することができる。従っ
て、その工業用水の使用により、オゾン発生装置のラン
ニングコストの低減が可能になる。
【0051】また、絶縁板を、従来のスペーサに代わる
高圧電極と接地電極の間の直接的な電気絶縁部材として
利用することができるので、絶縁板を使用することによ
る部品点数の増大を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すオゾン発生装置用放電
セルの縦断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図1のB部拡大図である。
【図4】本発明の実施形態の主要構成を示す接地電極の
模式縦断面図である。
【図5】同接地電極の模式平面図である。
【図6】同接地電極の製造方法を説明するための模式斜
視図である。
【図7】従来の放電セルの模式縦断面図である。
【符号の説明】
10a,10b 高圧電極 11 ヒートシンク 12 絶縁板 13 誘電体 14 薄膜 15 導線 16 絶縁スリーブ 20 接地電極 21 ヒートシンク 22 凹部 23 誘電体 24 薄膜 25 スペーサ 26 接着媒体 26′ 接着媒体となる樹脂シート 30a,30b 放電空隙 40 タイロッド 50,60 ガス管 70 シールリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン発生用放電空隙を形成するべく所
    定の隙間をあけて対向する高圧電極及び接地電極を備
    え、高圧電極は、表面が放電空隙に対向し裏面に導電性
    の薄膜がコーティングされた板状の誘電体と、誘電体の
    裏面側に配置された絶縁板と、絶縁板に形成された貫通
    孔を通して薄膜から絶縁板の背面側へ引き出された導線
    とを具備することを特徴とするオゾン発生装置用放電セ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記絶縁板の裏面側にヒートシンクが配
    置され、ヒートシンクに形成された貫通孔を通して、前
    記導線がヒートシンクの背面側へ引き出されていること
    を特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置用放電セ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記絶縁板は、その外縁部が高圧電極と
    接地電極の間に介在し、この間の絶縁部材として使用さ
    れていることことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    オゾン発生装置用放電セル。
  4. 【請求項4】 前記誘電体は、フッ素樹脂による熱溶着
    により絶縁板の表面に接着されていることを特徴とする
    請求項1、2又は3に記載のオゾン発生装置用放電セ
    ル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084403A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Sumitomo Precision Prod Co Ltd オゾン発生装置用放電セル
KR100944700B1 (ko) * 2009-05-19 2010-02-26 한국기계연구원 고농도 오존가스 생성장치

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